JP3387031B2 - 分注装置 - Google Patents

分注装置

Info

Publication number
JP3387031B2
JP3387031B2 JP24696699A JP24696699A JP3387031B2 JP 3387031 B2 JP3387031 B2 JP 3387031B2 JP 24696699 A JP24696699 A JP 24696699A JP 24696699 A JP24696699 A JP 24696699A JP 3387031 B2 JP3387031 B2 JP 3387031B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
nozzle
change
liquid sample
volume
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24696699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001074757A (ja
Inventor
共之 吉村
純一 川那辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Aloka Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aloka Co Ltd filed Critical Aloka Co Ltd
Priority to JP24696699A priority Critical patent/JP3387031B2/ja
Publication of JP2001074757A publication Critical patent/JP2001074757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3387031B2 publication Critical patent/JP3387031B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分注装置に関し、
特にその分注精度の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、血液検査等で知られる臨床検査分
野においては、種々の装置によって検査の自動化が進ん
でいる。その一つとして、血清等の検体や試薬に代表さ
れる液状試料を自動的に吸引・吐出する自動分注装置が
一般的に使用されている。
【0003】従来の一般的な自動分注装置は、シリンジ
等で代表されるポンプと、ディスポーザブルチップ等に
代表されるノズル状分注容器とを配管によって接続した
構成を有する。ポンプは、圧力伝達ガスである空気の配
管中に占める体積を変化させ、その体積変化を介して前
記分注容器であるノズルに吸引・吐出力を及ぼす。例え
ば、シリンジポンプのピストンを引き出すことにより、
配管からシリンジに空気が吸い込まれて、液体試料が溜
められた吸引元からノズルへ当該液体試料が吸引され
る。一方、シリンジポンプのピストンをシリンジに押し
込むことにより、シリンジから配管へ空気が押し出され
て、ノズルに吸引され保持された液体試料がノズルから
吐出される。
【0004】ここでピストンの移動は、モータに連動し
て回転するネジ等の機構を用いて精度良く制御すること
ができ、それに応じてピストンと配管との間で出入りす
る空気量の微妙な調節が可能となる。
【0005】なお、従来の自動分注装置に於いては、ポ
ンプからノズルまでの空気の圧力をモニタして、ノズル
先端が液面に達したことを検知することが行われてい
た。この目的のために、従来の自動分注装置には、例え
ば半導体圧力センサを備えているものもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した圧力伝達媒体
として空気等の気体を用いる自動分注装置では、ポンプ
の動作によって気体の圧力を変化させ、その圧力変化に
よってノズルでの吸引・吐出動作を生じさせており、ま
た、液体試料の吸引・吐出量は、圧力伝達を行う気体の
移動量に応じたものとなる。従来の装置では、圧力伝達
を行う気体の移動量はポンプの動作によって制御される
ものとしていた。しかし、気体は周知のように温度・圧
力によってその体積を液体などに比べて大きく変化させ
る。したがって、液体試料をノズルに吸引してから吐出
するまでの間に温度等が変化すると、それに起因して気
体は体積や圧力を変化させる。これはポンプの動作制御
とは無関係な圧力伝達気体のノズル側での進退や圧力変
化であり、これが吐出量の誤差となるという問題があっ
た。
【0007】また、前記ノズルに液体試料を吸引した後
には、その液体試料が蒸発することによって、あるいは
前記気体内に存在していた蒸気等が液体試料中に凝集す
ることによって、やはり圧力伝達媒体である気体の体積
や圧力が変化する。
【0008】このように従来の装置においては、吸引・
吐出動作のインターバルに被った気体の体積や圧力の変
化分が吐出量の誤差となるという問題があった。これら
各要因による吐出量の誤差は一般的には少ない量である
が、液体試料の分注量が微量化・高精度化している近年
の状況では、無視できない量となり得る。
【0009】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、吸引・吐出動作のインターバルにおける温
度・圧力といった気体状態量の変化が生じても高精度の
分注制御が可能な分注装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る分注装置
は、分注ポンプで発生する吸引力又は吐出力を圧力伝達
ガスを介してノズルに及ぼし、液体試料を吸引又は吐出
する分注装置において、吸引動作の完了時の前記圧力伝
達ガスと大気圧との差圧を記憶する圧力記憶手段と、吸
引動作の停止状態において、現時点での差圧と前記圧力
記憶手段に記憶された差圧との差異を検知する圧力検知
手段と、吸引動作の停止状態において、前記圧力検知手
段により検知された圧力の差異を解消するように前記圧
力伝達ガスの体積をフィードバック制御して、圧力伝達
ガスの差圧を一定に保つ制御手段と、を有するものであ
る。
【0011】気体の体積、圧力、及び温度という状態量
は気体の状態方程式により相互関係を有している。よっ
て、液体試料をノズルに吸引した後に、温度が変化する
と、たとえ分注ポンプが停止していても圧力伝達ガスの
体積や圧力が変化する。圧力伝達ガス中に含まれる蒸気
量の変動によって気体状態量が変化することもある。液
体試料をノズルに保持している状態においてポンプの動
作と無関係に生じる気体状態量の変化は、分注精度に影
響を与える。本発明によれば、この気体状態量のうち、
圧力(差圧)の変化を検知し、その変化に応じて圧力伝
達ガスの体積を制御することにより、当該気体状態量の
変化が分注量に与える影響をキャンセルする。例えば、
圧力(差圧)が上昇した場合には、ガス体積制御手段は
圧力伝達ガスが存在し得る容積を拡張させ、当該圧力
(差圧)上昇を抑制する。また例えば、温度が上昇した
場合には圧力伝達ガスの圧力(差圧)上昇又は、体積膨
張によるノズル側への圧力伝達ガスの進展が生じうる
が、この場合にガス体積制御手段は圧力伝達ガスが存在
し得る容積を拡張させ、当該圧力(差圧)上昇やノズル
側への圧力伝達ガスの進展を抑制する。
【0012】本発明によれば、例えば液体試料を吸引す
る吸引動作が完了してから、次にノズルに保持した液体
試料を吐出する吐出動作を開始するまでの吸引・吐出動
作のインターバルにおいて、圧力(差圧)を一定に保つ
ように圧力伝達ガスの体積がフィードバック制御され
る。このフィードバック制御は、吸引動作から吐出動作
までのインターバルの他、ノズルに保持した一部の液体
試料を吐出した後、ノズルに液体試料を補充・追加する
吸引動作を行うまでのインターバル、また吸引動作を何
回かに分けて行う場合の各吸引動作のインターバル、ま
た吐出動作を何回かに分けて行う場合の各吐出動作のイ
ンターバルにおいてそれぞれ行い得る。このフィードバ
ック制御では、例えば吸引又は吐出動作が完了した直後
の圧力(差圧)が制御目標値とされる。そして、圧力
(差圧)が当該目標値からずれたことが圧力検知手段に
よって検知されると、制御手段がそのずれをキャンセル
するという制御が、次の吸引又は吐出動作が開始される
前まで継続的に行われる。
【0013】また、本発明によれば、吸引又は吐出動作
のインターバルの両端の時点での圧力(差圧)が比較さ
れ、当該インターバルにおいて圧力(差圧)の変化が生
じていた場合には、その圧力(差圧)の変化は当該イン
ターバルの終わりの時点においてまとめてキャンセルさ
れる。
【0014】なお、温度は必ずしも圧力伝達ガスの全体
で一様であるとは限らないため、気体状態量の変化とし
て温度の変化を検知する場合、精密には圧力伝達ガスの
各点において温度を測定する必要がある。これに対し、
圧力(差圧)の場合は、基本的に圧力伝達ガスの全体で
一様となるので、測定が容易である。
【0015】さらに他の本発明に係る分注装置は、前記
圧力検知手段が、前記ノズルが液体試料液面から離れて
いる状態での圧力(差圧)の変化を検知するものであ
る。
【0016】圧力伝達ガスの気体状態量の変化は、その
気体状態量の変化を緩和させるような体積の変化を生じ
させようとする。つまり気体状態量の変化はノズル内の
液体試料にそれをノズル内にて進退させようとする力を
及ぼす。例えば、圧力伝達ガスの圧力、温度の上昇は、
体積を増加させ、ノズル内に保持された液体試料を吐出
させようとする力を生じる。本発明によれば、ノズルが
液面から離れると、ノズル先端において液体試料の表面
張力が生じる。この表面張力は、ノズル内に保持された
液体試料に作用する進退力に抗し、その進退による圧力
伝達ガスの体積変化を抑制する。よって、圧力伝達ガス
に生じる圧力(差圧)の変化は、ノズル内での液体試料
の進退に伴う体積変化による緩和を抑制され、この緩和
されていない、すなわち正味の圧力(差圧)の変化が圧
力検知手段によって検知される。制御手段は、この正味
の圧力(差圧)の変化に応じて体積の制御を行うので、
圧力(差圧)の変化が分注量に与える影響を十分にキャ
ンセルすることができる。
【0017】本発明の好適な態様は、前記制御手段が、
前記分注ポンプを動作させて前記圧力伝達ガスの体積を
制御することを特徴とするものである。
【0018】ガス体積制御手段は、分注ポンプとは別途
の体積変化手段を用いて構成することもできるが、分注
ポンプを体積変化手段として利用することにより構成が
簡単となる。
【0019】
【発明の実施の形態】[実施形態1] 次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明す
る。
【0020】図1は本実施形態の分注装置の構成を示す
模式図である。この分注装置は、分注元の容器(図示せ
ず)からノズルに液体試料を吸引し、このノズルを分注
先の容器(図示せず)に移動して液体試料を吐出する。
【0021】図1において、ノズル2は、例えば、ディ
スポーザブルチップに代表されるものであり、吸引した
液体試料を吐出まで保持する分注用の容器である。図で
はノズル2が分注対象である液体試料4を吸引し、保持
している状態を示している。ノズル2は、図示しないノ
ズル移動機構によって3次元的に移動可能であり、試料
吸引位置や試料吐出位置へ移動される。また、ノズル2
は配管6を介して、分注ポンプであるシリンジポンプ8
と接続される。配管6の途中には圧力(差圧)センサ1
0が接続され、配管6内の圧力(差圧)を測定すること
ができる。例えば、この圧力(差圧)センサ10には半
導体圧力センサを用いることができる。
【0022】シリンジポンプ8は円筒形のシリンジ12
を有し、このシリンジ12にピストン14が内挿され、
シリンジ12とピストン14によりシリンジ室16が形
成されている。そして、シリンジ12は、前述の配管6
と接続されている。ピストン14は、ピストン棒18及
びボールネジ20を介してパルスモータ22から駆動力
を受け、シリンジ12内で往復する。シリンジポンプ8
は、シリンジ室16内と配管6との間で空気を出し入れ
することにより、ノズル2に吸引吐出力を伝達する。
【0023】本装置の動作を制御する制御部24は、圧
力(差圧)センサ10からの測定値を入力され、またパ
ルスモータ22を駆動するモータドライバ26への制御
信号を生成、出力する。
【0024】図2は本装置の動作を説明するフロー図で
ある。制御部24は、ノズル移動機構を制御し、液体試
料が溜められた分注元容器の上方にノズル2を移動さ
せ、そして下降させる(S40)。従来と同様の液面検
出方法によりノズル2の先端が液面に達したことが検知
されると、制御部24はパルスモータ22を駆動させて
ピストン14を後退させる。このピストン14の動きに
よりシリンジ室16及び配管6内の空気の圧力が低下
し、ノズル2先端からノズル2内に液体試料が吸い上げ
られる(S42)。この液体試料の吸引量は、ピストン
14の移動距離に応じたものとなり、制御部24はパル
スモータ22へ供給される駆動パルス数に基づいてこの
吸引量を制御することができる。
【0025】所望量の液体試料4の吸引が完了すると、
ノズル移動機構が動作されノズル2が上昇される(S4
4)。制御部24はノズル2の先端が液面から離れたか
否かを監視し、離れたことを検知すると(S46)、そ
のとき圧力(差圧)センサ10から出力される気圧(差
圧)値PMを、制御部24内のメモリに記憶する(S4
8)。ノズル2は垂直移動された後、水平移動され、分
注先の容器の上方へ移動される(S50)。
【0026】さて、ノズル2からシリンジ室16までの
空間には、シリンジポンプ8の駆動に伴う圧力変動をノ
ズル2内の液体試料4に伝達する媒体として空気(圧力
伝達エア)が存在する。吸引動作S42を行った後、ノ
ズル2を移動させ、そして吐出動作を開始するまでの吸
引・吐出動作のインターバルに、圧力伝達エアの温度が
変化することがある。それは、外気温の全体的な変動に
よる場合もあるし、吸引位置と吐出位置とでの温度環境
の相違に起因する場合もあるであろう。この圧力伝達エ
アの温度変化は、当該エアの体積を変化させようとす
る。また、圧力伝達エアを取り巻く温度環境が変化しな
くても、例えば液体試料4から水分等が蒸発したり、当
該エアに含まれていた蒸気が凝縮するといった現象によ
り、当該エアの圧力(差圧)が変化し、当該エアの体積
は変化しようとする。このように、温度変化あるいは液
体試料の蒸発等によって、シリンジポンプ8からノズル
2までの気体の体積は変化しようとする。
【0027】しかしながら、ここで、ノズル2内には液
体試料4が吸引されているために、ノズル2先端では液
体試料4の表面張力が生じ、この表面張力は、液体試料
4をノズル2先端から押し出す、あるいは内部に引き込
もうとした場合に抵抗力となる。つまり、圧力伝達エア
が体積を変化させようとしても、それがある程度の圧力
(差圧)(以下、しきい圧力と称する)以上の変動を伴
う状態でなければ、液体試料4は移動せず圧力伝達エア
は体積を変化させることができない。しきい圧力の大き
さは液体試料4の表面張力とノズル2先端の径によって
決まり、例えば、液体試料4が水でノズル2先端内径が
0.5mmの場合には約500〜600Pa程度の圧力
(差圧)となる。
【0028】すなわち、圧力伝達エアに及ぼされた上述
した温度・蒸発等による変化は、一般には気体状態量で
ある体積、圧力を変化させることができるが、それが上
述したしきい圧力を超える変動を生じさせるような状態
変化でないうちは、体積を変化させることができず、圧
力の変化として現れる。一方、さらに温度・蒸発等によ
る変化が及ぼされ、それがしきい圧力を超える変動を生
じさせるものとなると、液体試料4が移動し、圧力伝達
エアに圧力変化として蓄えられたエネルギーが体積変化
に変換される。そしてその体積変化分の液体試料4がノ
ズル2先端から飛び出す、あるいはその体積変化分だけ
液体試料4がノズル2内に引き込まれることになる。
【0029】通常の分注においては、圧力伝達エアの体
積変化が生じるほどの温度等の影響を受ける前に吐出動
作を完了している。この圧力伝達エアがしきい圧力以下
の圧力変動を被った状態での吐出動作に関しては以下の
ような現象が起こる。例えば、別溶液の中にノズル2先
端を触れさせ吐出する場合には、ノズル2先端が吐出先
の液体に触れた瞬間にノズル2先端での表面張力による
抵抗力が消失する。そのため、圧力伝達エアに蓄えられ
た圧力変動が体積の変化に変換され、吐出量の余剰ある
いは不足となって、これが分注量誤差となりうる。これ
は溶液の中にノズル2先端を触れさせずに吐出する、い
わゆる空中吐出の場合にも同様である。すなわち、空中
吐出の場合にはシリンジポンプ8により圧力伝達エアが
圧縮され、その圧力変動が前述したしきい圧力を超えた
場合に吐出が開始されるが、吐出が開始されると、シリ
ンジポンプ8の圧縮開始前にすでに温度等の影響により
圧力伝達エアに蓄えられた圧力変動が体積の変化に変換
され、これが温度等の影響を被っていない場合との吐出
量の差異、つまり分注量誤差を生じる。
【0030】本装置はステップS50に続く動作によっ
て、このような分注量誤差の抑制を図っている。制御部
24は、ノズル2を分注先容器の上方に移動させると
(S50)その時点での圧力(差圧)センサ10の出力
値PCを取り込む(S52)。制御部24は、この現在
の圧力伝達エアの圧力(差圧)レベルPCと、吸引動作
直後に記録した圧力(差圧)レベルPMとを比較し、両
者が実質的に等しい場合には(S54)、ノズル2を吐
出位置まで下降させ(S56)、シリンジポンプ8を駆
動して吐出動作を行う(S58)。なお、ステップS5
4におけるPCとPMとが実質的に等しいという判定は、
例えば両者の差|PC−PM|が所定の微小量ε未満であ
ることに基づいて行われる。
【0031】一方、ステップS54において、PCとPM
とが異なると判定された場合は、圧力伝達エアは上述し
た温度や含有蒸気量の変化によって吸引動作S42後、
圧力変動を生じたと考えられる。そこで制御部24は、
シリンジポンプ8を駆動させて圧力伝達エアの体積を変
化させ、圧力変動をキャンセルさせた後、吐出動作を行
う。具体的には、(PC−PM)が正の場合には(S6
0)、ピストン14を後退させる方向にシリンジポンプ
8が駆動される(S62)。これにより、圧力伝達エア
の存在する空間の容積が拡張され、圧力(差圧)PC
低下する。このピストン14の移動はパルスモータ22
をわずかずつ回転駆動させることによって行われ、現在
の圧力(差圧)レベルPCがPMと実質的に等しくなるま
で継続される(S52,S54)。一方、(PC−PM
が負の場合には、ピストン14を前進させる方向に駆動
させる処理S64に移行する。これにより、圧力伝達エ
アの存在する空間の容積が縮小され、圧力(差圧)PC
が上昇する。この場合も、ピストン14の移動は、現在
の圧力(差圧)レベルPCがPMと実質的に等しくなるま
で継続される。
【0032】このようにPCとPMとが異なると判定され
た場合(S54)には、両者が実質的に等しくなるまで
圧力伝達エアの体積が変化され、吸引動作完了から吐出
動作開始までの吸引吐出動作のインターバルに圧力伝達
エアが被った温度変化、蒸発等による状態変化の影響が
うち消される。そして、その後に吐出動作が開始される
ので、これら温度変化等の状態変化の影響を受けること
なく高精度の分注動作を達成することができる。
【0033】なお、ここでは、吸引動作完了から吐出動
作開始までのインターバルにおける場合を示したが、他
の種類の吸引吐出動作インターバルにおいても、同様の
方法によって、状態変化の影響を解消することができ
る。
【0034】[実施形態2] 本発明の第2の実施形態に係る自動分注装置は、図1に
示す上記実施形態の装置とほぼ同様の構成であるので、
同一の機能を有する構成要素については同一の符号を用
いて以下説明する。本装置が基本的に上記実施形態の装
置と相違する点は、本装置がパルスモータ22の代わり
にサーボモータを用いてピストン14を駆動し、通常の
動作時においてはエンコーダを用いてモータの回転量又
は回転速度を検知してフィードバック制御を行うもので
ある点である。
【0035】図3は、本装置の制御機構の概略のブロッ
ク図である。図において、制御部80は、図1における
制御部24に対応するものである。また本装置は上述し
たようにサーボモータ82、それを制御するサーボモー
タ制御部84及びエンコーダ86を有している。
【0036】エンコーダ86により検知される回転量又
は回転速度というデジタル制御量は、DAC(Digital-
to-Analog Converter)88によりアナログ信号に変換
された後、誤差増幅器90に入力される。また制御部8
0から出力される制御量の目標値がDAC92によって
デジタル値からアナログ信号に変換され、これも誤差増
幅器90に入力される。誤差増幅器90はこれら2つの
入力の差を増幅して出力する。
【0037】さて、本装置はもう一つの誤差増幅器94
を有する。この誤差増幅器94への一つの入力は圧力
(差圧)センサ10の出力である。圧力(差圧)センサ
10の出力は増幅器96によって増幅された後、誤差増
幅器94へ入力される。増幅器96の出力はADC(An
alog-to-Digital Converter)98の入力端にも接続さ
れる。ADC98は制御部80から指示があったタイミ
ングにて、増幅器96から入力された圧力(差圧)の測
定値をデジタル値に変換してメモリ100へ出力し、メ
モリ100はこれを格納する。制御部80は、吸引動作
又は吐出動作が完了した時点でADC98への指示を行
い、これによりメモリ100には、吸引・吐出動作完了
時の圧力伝達エアの圧力(差圧)レベルが記憶される。
誤差増幅器94へのもう一つの入力は、このメモリ10
0に記憶された吸引・吐出動作完了時の圧力(差圧)レ
ベルである。なお、メモリ100に記憶された値はDA
C102によってアナログ信号に変換された後、誤差増
幅器94へ入力される。
【0038】これら2つの誤差増幅器90,94の出力
はコントロール信号切替器104に入力され、コントロ
ール信号切替器104は制御部80の制御の下、これら
のいずれかを選択してサーボモータ制御部84へ出力す
る。
【0039】吸引又は吐出を行う通常のシリンジポンプ
8の動作においては、コントロール信号切替器104
は、誤差増幅器90の出力をサーボモータ制御部84へ
出力するように制御される。これにより、エンコーダ8
6からの回転量あるいは回転速度をフィードバック制御
して、所望の動作を行うことができる。
【0040】本装置に特徴的であるのは、吸引・吐出動
作のインターバルにおいてコントロール信号切替器10
4が誤差増幅器94の出力をサーボモータ制御部84へ
出力させるように切り替えられる点である。例えば、吸
引動作完了から吐出動作開始までのインターバルにおい
ては、サーボモータ制御部84は圧力(差圧)センサ1
0によって検知される現在の圧力(差圧)レベルPC
メモリ100に記憶された吸引動作完了時の圧力(差
圧)レベルPMに保たれるように、サーボモータ82を
制御する。すなわち、本装置は、吸引・吐出動作のイン
ターバルにおいて、フィードバック制御の対象を通常の
回転量あるいは回転速度から、圧力信号に切り替える。
これにより、当該インターバルにおいて、圧力(差圧)
レベルが例えば吸引動作直後のレベルに常に一定に保つ
ように制御される。そして、吐出動作を開始する直前に
コントロール信号切替器104を誤差増幅器90側に切
り替え、エンコーダ86による通常のフィードバック制
御の下で吐出動作が行われる。本装置ではこのような制
御によって、いつ吐出動作を始めることとしても、それ
までの温度変化や蒸気量の変動に起因する圧力伝達エア
の状態変化がキャンセルされている。そして、この温度
等の影響がキャンセルされた状態で吐出動作を行うこと
により、高精度の分注量の制御が実現される。
【0041】
【発明の効果】本発明の分注装置によれば、吸引及び吐
出動作の停止期間に圧力伝達ガスに生じ得る温度変化等
の状態変化が、その体積を制御することによってキャン
セルされ、その上で次の吸引又は吐出動作が行われる。
よって、環境温度変化の激しい使用条件下にて分注を行
う場合や、蒸発量の多い揮発性の液状試料を分注する場
合にも、安定して精度の高い分注量の制御が可能となる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る分注装置の構成を示す
模式図である。
【図2】 第1の実施形態に係る分注装置の動作を説明
するフロー図である。
【図3】 第2の実施形態に係る分注装置の制御機構の
概略のブロック図である。
【符号の説明】
2 ノズル、6 配管、8 シリンジポンプ、10 圧
力(差圧)センサ、22 パルスモータ、24,80
制御部、26 モータドライバ、82 サーボモータ、
84 サーボモータ制御部、86 エンコーダ、90,
94 誤差増幅器、100 メモリ、104 コントロ
ール信号切替器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−107253(JP,A) 特開 平7−5014(JP,A) 特開 平10−94535(JP,A) 特開 平4−201088(JP,A) 特開 昭62−144073(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/10 G01N 1/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分注ポンプで発生する吸引力又は吐出力
    を圧力伝達ガスを介してノズルに及ぼし、液体試料を吸
    引又は吐出する分注装置において、 吸引動作の完了時の前記圧力伝達ガスと大気圧との差圧
    を記憶する圧力記憶手段と、 吸引動作の停止状態において、現時点での差圧と前記圧
    力記憶手段に記憶された差圧との差異を検知する圧力検
    知手段と、 吸引動作の停止状態において、前記圧力検知手段により
    検知された圧力の差異を解消するように前記圧力伝達ガ
    スの体積をフィードバック制御して、圧力伝達ガスの差
    圧を一定に保つ制御手段と、 を有することを特徴とする分注装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分注装置において、 前記圧力検知手段は、前記ノズルが液体試料液面から離
    れている状態での差圧の変化を検知することを特徴とす
    る分注装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の分注装置におい
    て、 前記制御手段は、前記分注ポンプを動作させて前記圧力
    伝達ガスの体積を制御することを特徴とする分注装置。
JP24696699A 1999-09-01 1999-09-01 分注装置 Expired - Fee Related JP3387031B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24696699A JP3387031B2 (ja) 1999-09-01 1999-09-01 分注装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24696699A JP3387031B2 (ja) 1999-09-01 1999-09-01 分注装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001074757A JP2001074757A (ja) 2001-03-23
JP3387031B2 true JP3387031B2 (ja) 2003-03-17

Family

ID=17156384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24696699A Expired - Fee Related JP3387031B2 (ja) 1999-09-01 1999-09-01 分注装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3387031B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3669942B2 (ja) * 2001-06-14 2005-07-13 アロカ株式会社 分注装置
JP3669943B2 (ja) * 2001-06-14 2005-07-13 アロカ株式会社 分注装置
JP2008203009A (ja) * 2007-02-19 2008-09-04 Hitachi High-Technologies Corp 自動分析装置
JP5067415B2 (ja) * 2009-11-05 2012-11-07 株式会社安川電機 液滴吐出装置の駆動方法
JP2013108906A (ja) * 2011-11-22 2013-06-06 Hitachi High-Technologies Corp 液体分注装置
CN102778375B (zh) * 2012-07-19 2015-01-07 泰州市中环分析仪器有限公司 样品裂解稳压装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001074757A (ja) 2001-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5593893A (en) Dispensing device with syringe driving compensator for flexible tube
JP2006177929A (ja) 液体投与方法及び該方法の実行装置
JP2006170987A (ja) 液面検出及び/又は気泡検出を統合したピペット装置
JPH05107158A (ja) コンテナ底部検出を使用した液体分配方法
JP3387031B2 (ja) 分注装置
JP3700402B2 (ja) 吸引流路の詰まりまたは吸引量不足の検出方法、試料液吸引装置、及び分注装置
WO1993018409A1 (en) Dispensing device
JPH10227799A (ja) 分注装置
US11602745B2 (en) Integrated pipetting apparatus
JP5186430B2 (ja) 分注装置
JPH1096735A (ja) 空中吐出式分注装置
JP3310388B2 (ja) 液体試料分注装置
JP2003248009A (ja) 分注装置
JP2688163B2 (ja) 分注装置
JP2001091524A (ja) 分注方法及び分注装置
JP2007139738A (ja) 液体試料分注装置および駆動方法
JP3669943B2 (ja) 分注装置
JP2009210352A (ja) 液体試料分注装置
JP3253147B2 (ja) 分注装置
JP4376124B2 (ja) 分注装置
JP2693356B2 (ja) 分注装置
JP4376110B2 (ja) 分注装置
JP5433656B2 (ja) 分注装置
JP3669942B2 (ja) 分注装置
JP2005227102A (ja) 分注装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100110

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140110

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees