JP3386012B2 - 像流れ補正装置および像流れ補正方法 - Google Patents

像流れ補正装置および像流れ補正方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線撮像装置
(赤外線センサ)において発生する像流れの補正技術に
係り、特に赤外線センサの応答速度に主因して発生する
像流れの成分をリアルタイムで簡単に補正する像流れ補
正装置および像流れ補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線センサには種々の方式のも
のが存在するが、代表的なものに量子型センサと熱型セ
ンサがある。量子型センサは感度、応答性の両面に優れ
るものの、所望の性能を実現するためには、センサ自体
を極低温に冷却する必要があるため、運用上の制約事項
となっている。熱型センサは性能面では量子型に譲るも
のの冷却の必要がないため、運用性が良く、また低価格
でシステムが構成できることから、近年では熱型のセン
サを使用した赤外線撮像装置(赤外線センサ)が数多く
開発されつつある。しかしながら熱型センサには、素子
の熱時定数に主因する応答性の問題がある。すなわち、
熱型センサでは入射する赤外線エネルギーによって変化
する素子の温度自体を検出しているが、素子には熱時定
数が存在するため、これよりも早いエネルギーの変化に
は素子の温度変化が追従しないという欠点がある。この
ため、撮像シーンが激しく変化するような場合には像流
れが発生して正常な画像が得られなくなり、高速な応答
が要求される用途では大きな問題となっている。このよ
うな用途の典型的なものとしてミサイルの赤外線画像誘
導装置がある。特にミサイル誘導の初期段階に行われる
目標の捜索過程においては、ジンバル機構に組み込まれ
た赤外線撮像装置(赤外線センサ)を高速に動かす必要
があり、このときに大きな像流れが発生してしまう。ま
た、同様な用途として可動型の赤外線監視カメラが考え
られる。この種のカメラでは、例えば360度全方向の
監視を行うために赤外線カメラを高速に回転させる必要
があり、このときにも同様な像流れが発生してしまう。
【0003】このような赤外線センサの応答速度に主因
して発生する像流れの補正に係る従来技術としては、例
えば、特開平6−117834号公報に記載のものがあ
る。すなわち、特開平6−117834号公報に記載の
従来技術は、赤外線固体撮像素子(IRCCD)が回転
した角度をもとに目標の赤外線画像を補正することによ
り、常に像流れが発生しない適切な赤外線画像を表示で
きる赤外線画像処理装置を得ることを目的とするもので
あって、画像信号を積分することにより画像信号のレベ
ルをあげる赤外線画像処理装置において、赤外線固体撮
像素子と、赤外線固体撮像素子を駆動する素子駆動回路
と、赤外線固体撮像素子から得られたビデオ信号を増幅
するビデオ信号増幅回路と、赤外線固体撮像素子を任意
の方向に指向する駆動装置と、赤外線固体撮像素子の慣
性系のレートを検出するレート検出器と、A/D変換器
と、感度補正回路と、レート検出器の出力から赤外線固
体撮像素子の回転角を算出するレート積分回路と、赤外
線画像を補正するタイミングと赤外線画像を積分および
出力するタイミングを出力するタイミング回路と、タイ
ミング回路の出力とビデオ信号およびレート積分回路の
出力に応じて赤外線画像を補正する画像補正回路と、タ
イミング回路の出力に応じて赤外線画像を積分および出
力する画像積分回路と、D/A変換器と、モニタと、赤
外線画像から目標との角度誤差を算出し、赤外線固体撮
像素子を指向するためのレート指令を出力する画像処理
回路と、レート指令、あるいは外部から入力されたレー
ト指令とレート検出器の出力に応じて赤外線固体撮像素
子を指向するための指令を駆動装置に出力するサーボ駆
動制御回路とを具備した赤外線画像処理装置、または、
画像信号を積分することにより画像信号のレベルをあげ
る赤外線画像処理装置において、赤外線固体撮像素子
と、赤外線固体撮像素子を駆動する素子駆動回路と、赤
外線固体撮像素子から得られたビデオ信号を増幅するビ
デオ信号増幅回路と、赤外線固体撮像素子を任意の方向
に指向する駆動装置と、赤外線固体撮像素子の慣性系の
レートを検出するレート検出器と、アナログ/デジタル
(A/D)変換器と、感度補正回路と、レート検出器の
出力から赤外線固体撮像素子の回転角を算出するレート
積分回路と、レート積分回路をリセットするタイミング
と赤外線画像を積分および出力するタイミングを出力す
るタイミング回路と、ビデオ信号とレート積分回路の出
力に応じて赤外線画像を補正する画像補正回路と、タイ
ミング回路の出力に応じて赤外線画像を積分および出力
する画像積分回路と、D/A変換器と、モニタと、赤外
線画像から目標との角度誤差を算出し、赤外線固体撮像
素子を指向するためのレート指令を出力する画像処理回
路と、レート指令、あるいは外部から入力されたレート
指令とレート検出器の出力に応じて赤外線固体撮像素子
を指向するための指令を駆動装置に出力するサーボ駆動
制御回路とを具備した赤外線画像処理装置である。この
ような赤外線画像処理装置は、赤外線固体撮像素子が回
転した角度をもとに目標の赤外線画像を補正するため、
常に像流れが発生しない適切な赤外線画像を表示するこ
とができるといった効果が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術が扱う像流れは、画像のフレーム積分時に発生する像
流れであり、赤外線センサの応答速度に主因して発生す
る像流れ、特に撮像装置側が回転運動したときに赤外線
センサの応答速度に主因して発生する像流れの成分を補
正することが難しいという問題点があった。本発明は斯
かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、撮像装置側が回転運動したときまたは撮像
目標側が高速に動いたときに赤外線センサの応答速度に
主因して発生する像流れの成分をリアルタイムで簡単に
補正する像流れ補正装置および像流れ補正方法を提供す
る点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
要旨は、赤外線撮像装置側が回転運動したときに赤外線
センサの応答速度に主因して発生する像流れの成分をリ
アルタイムで簡単に補正する像流れ補正装置であって、
隣接画素との差分情報に基づき補正データを演算すると
ともに、赤外線撮像装置の応答速度に主因する像流れを
当該補正データを基に補正するように構成されているこ
とを特徴とする像流れ補正装置に存する。また請求項2
に記載の発明の要旨は、像流れの発生する方向によって
減算すべき画素の方向を切り換えて前記差分情報を求め
るように構成されていることを特徴とする請求項1に記
載の像流れ補正装置に存する。また請求項3に記載の発
明の要旨は、赤外線撮像装置の応答特性をあらかじめ記
憶するとともに、当該あらかじめ記憶している赤外線撮
像装置の応答特性と赤外線撮像装置の回転角速度を用い
て一意に決まる定数で前記差分情報を除算することで前
記補正データを得るように構成されていることを特徴と
する請求項1または2に記載の像流れ補正装置に存す
る。また請求項4に記載の発明の要旨は、赤外線撮像装
置側が回転運動したときまたは撮像目標側が高速に動い
たときに赤外線センサの時定数に主因して発生する像流
れの成分をリアルタイムで簡単に補正する像流れ補正装
置であって、前フレームの画素との差分情報に基づき補
正データを演算するとともに、赤外線撮像装置の時定数
に主因する像流れを当該補正データを基に補正するよう
に構成されていることを特徴とする像流れ補正装置に存
する。また請求項5に記載の発明の要旨は、赤外線撮像
装置の応答特性を基に一意に決まる定数で前記差分情報
を除算することで前記補正データを得るように構成され
ていることを特徴とする請求項4に記載の像流れ補正装
置に存する。また請求項6に記載の発明の要旨は、赤外
線撮像装置側が回転運動したときに赤外線センサの応答
速度に主因して発生する像流れの成分をリアルタイムで
簡単に補正する像流れ補正方法であって、隣接画素との
差分情報に基づき補正データを演算する工程と、赤外線
撮像装置の応答速度に主因する像流れを当該補正データ
を基に補正する工程を有することを特徴とする像流れ補
正方法に存する。また請求項7に記載の発明の要旨は、
像流れの発生する方向によって減算すべき画素の方向を
切り換えて前記差分情報を求める工程を有することを特
徴とする請求項6に記載の像流れ補正方法に存する。ま
た請求項8に記載の発明の要旨は、赤外線撮像装置の応
答特性をあらかじめ記憶する工程と、当該あらかじめ記
憶している赤外線撮像装置の応答特性と赤外線撮像装置
の回転角速度を用いて一意に決まる定数で前記差分情報
を除算することで前記補正データを得る工程を有するこ
とを特徴とする請求項6または7に記載の像流れ補正方
法に存する。また請求項9に記載の発明の要旨は、赤外
線撮像装置側が回転運動したときまたは撮像目標側が高
速に動いたときに赤外線センサの時定数に主因して発生
する像流れの成分をリアルタイムで簡単に補正する像流
れ補正方法であって、前フレームの画素との差分情報に
基づき補正データを演算する工程と、赤外線撮像装置の
時定数に主因する像流れを当該補正データを基に補正す
る工程を有することを特徴とする像流れ補正方法に存す
る。また請求項10に記載の発明の要旨は、赤外線撮像
装置の応答特性を基に一意に決まる定数で前記差分情報
を除算することで前記補正データを得る工程を有するこ
とを特徴とする請求項9に記載の像流れ補正方法に存す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に示す各実施の形態は、赤外
線撮像装置(赤外線センサ)において発生する像流れの
補正方法に関し、その特徴は、赤外線撮像装置(赤外線
センサ)の応答速度に主因して発生した像流れの成分を
補正するために、隣接画素との差分輝度情報、または過
去のフレームとの差分輝度情報を利用できることにあ
る。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に
説明する。
【0007】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る像流れ補正装置20を説明するた
めの機能ブロック図であって、隣接画素との差分輝度情
報を利用した実施の形態を示している。図1において、
1は入力画像データ、2は2画素遅延器、3は1画素遅
延器、7は信号切換器、8は切換信号、9は角速度検出
器、10は減算器、11は角速度信号、12は加算器、
13は補正データ、14は除算器、16は変換器、17
は出力画像データ、20は像流れ補正装置、α1は定数
(変換器16の出力データ),b(n)は補正対象画素
データ,b(n+1)は隣接画素データ(入力画像デー
タ1)を示している。なお、本実施の形態では説明の便
宜を図って1方向の像流れ、例えば左右方向の像流れの
みを補正する場合を例にとって説明しているが、2方向
の場合においても同様な手法により補正できることをこ
とあらかじめ付け加えておく。図1を参照すると、本実
施の形態の像流れ補正装置20は、2画素遅延器2、1
画素遅延器3、信号切換器7、切換信号8、角速度検出
器9、減算器10、角速度信号11、加算器12、除算
器14、変換器16を中心にして構成されている。入力
画像データ1は3つに分配されており、1つは信号切換
器7を介して減算器10へ、1つは2画素遅延器2、信
号切換器7を介して減算器10へ、残る1つは1画素遅
延器3を介して減算器10へそれぞれ入力される。ここ
で、1画素遅延器3の出力は補正対象画素データb
(n)として減算器10へ入力され、2画素遅延器2の
出力は隣接画素データb(n−1)として信号切換器7
へ入力され、入力画像データ1は隣接画素のデータb
(n+1)として信号切換器7へ入力される。信号切換
器7は切換信号8によって制御されており、赤外線撮像
装置(赤外線センサ)の回転方向に応じて隣接画素デー
タb(n−1)または隣接画素データb(n+1)のど
ちらか一方を選択して出力する。補正対象画素と隣接画
素との差分データは減算器10によって演算され、この
差分データを定数α1(変換器16の出力データ)によ
って除算したものを補正データ13として使用する。こ
こで、定数α1(変換器16の出力データ)は赤外線撮
像装置(赤外線センサ)の回転速度と赤外線撮像装置
(赤外線センサ)の応答特性によって一意に決まる定数
であり、変換器16によって演算されている。次に補正
データ13を信号切換器7から出力される隣接画素のデ
ータに加算器12において重畳することによって補正後
の出力画像データ17を得る。以上の構成により、赤外
線撮像装置(赤外線センサ)の応答速度に主因して発生
する像流れを精度良く補正することができる。
【0008】さらに詳しく、発明の実施の形態の構成を
説明する。図1において入力画像データ1は、赤外線撮
像装置(赤外線センサ)によって電気信号に変換された
2次元画像における各画素の輝度データであり、各ライ
ン毎に左側の画素データから順次送出されてくるデジタ
ル信号である。入力画像データ1は3つに分配されてお
り、1つは直接信号切換器7へ、1つは2画素遅延器2
を介して信号切換器7へ、残る1つは1画素遅延器3を
介して減算器10へそれぞれ入力される。信号切換器7
へ入力された2つの信号は、切換信号8に従ってどちら
か一方が選択され出力される。ここで、切換信号8は赤
外線撮像装置(赤外線センサ)の回転方向により決定さ
れ、赤外線撮像装置(赤外線センサ)に搭載された角速
度検出器9から出力されている。角速度検出器9からは
赤外線撮像装置(赤外線センサ)の回転速度を示す角速
度信号11も出力されており、変換器16へ入力されて
いる。一方、1画素遅延器3の出力は減算器10によっ
て信号切換器7の出力分が差し引かれて除算器14へ入
力される。除算器14では減算器10からの出力データ
を変換器16から出力されるデータ定数α1(変換器1
6の出力データ)で除算し、この結果を補正データ13
として加算器12へ出力する。上記信号切換器7の出力
は、加算器12にも出力されており、この加算器12に
て補正データ13が加えられ、補正後の出力画像データ
17として外部へ出力される。
【0009】次に、変換器16の構成について説明す
る。変換器16は、入力される角速度信号11に応じ
て、以下に示す式(1)に従った演算を実行する機能を
有している。その構成手段は、あらかじめ測定または算
出した赤外線撮像装置(赤外線センサ)の応答特性に基
づき、コンピュータによって演算する方法や入出力テー
ブルを直接記録したメモリを使用するといった方法が挙
げられる。
【0010】定数α1=f(Δt1)・・・式(1) ここで、定数α1は変換器16の出力データ、f(t)
は赤外線撮像装置(赤外線センサ)のステップ応答関数
であり、Δt1は撮像シーンが1画素分流れるのに要す
る時間[sec(秒)]であってIFOV/|ω|で表
現できる。ここで、IFOVは1画素が見込む視野角
[rad(ラジアン)]であり、|ω|は赤外線撮像装
置(赤外線センサ)の回転角速度の絶対値[rad/s
ec]である。
【0011】図2は式(1)に示した特性の一例をグラ
フで表したものであり、代表的な応答特性として以下に
示す式(2)が挙げられる。
【0012】 f(t)=1−exp(−t/τ)・・・式(2) ここで、τは赤外線撮像装置(赤外線センサ)の時定数
[sec]である。なお、上記機能ブロック図におい
て、入力画像データ1は赤外線撮像装置(赤外線セン
サ)、増幅器、変換器16などを介して入力され、出力
画像データ17は種々画像処理回路、表示装置などへ出
力されるが、これらの構成は同業者に良く知られてお
り、また本発明とは直接関係しないので詳細な説明は省
略する。
【0013】次に本実施の形態の像流れ補正方法につい
て説明する。本実施の形態では、赤外線撮像装置(赤外
線センサ)における熱時定数に代表されるように、赤外
線撮像装置(赤外線センサ)の応答特性に時定数が存在
する場合、センサの出力は以下に示す式(3)で表され
る。
【0014】 b(i)≒{p(i)−b(i−1)}×α+b(i−1)・・・式(3 ) ここで、p(i)は時刻t(i)における赤外線撮像装
置(赤外線センサ)への入力レベルであり、b(i−
1)は時刻t(i−1)における赤外線撮像装置(赤外
線センサ)の出力レベルである。
【0015】また、定数αは以下に示す式で表される。 α=f(Δt) ここで、f(t)は赤外線撮像装置(赤外線センサ)の
ステップ応答関数であり、Δtは微小時間(=t(i)
−t(i−1))である。
【0016】従って、赤外線撮像装置(赤外線センサ)
がω[rad/sec]の角速度で回転した状況を考え
ると、このときの赤外線撮像装置(赤外線センサ)の出
力(補正対象画素データb(n))は以下に示す式
(4)で表すことができる。
【0017】 b(n)≒{p(n)−b(n−1)}×α1+b(n−1)・・・式( 4) ここで、p(n)はn番目の画素への入力レベルであ
り、隣接画素データb(n−1)はn−1番目(隣の画
素)の出力レベルである。
【0018】また、定数αは以下に示す式で表される。 α1=f(Δt1) ここで、f(t)は赤外線撮像装置(赤外線センサ)の
ステップ応答関数であり、Δt1は撮像シーンが1画素
分流れるのに要する時間[sec]であってIFOV/
|ω|で表現できる。ここで、IFOVは1画素が見込
む視野角[rad]であり、|ω|は赤外線撮像装置
(赤外線センサ)の回転角速度の絶対値[rad/se
c]である。
【0019】ただし、式(4)は撮像シーンがn番目の
画素からn−1番目の画素の方向へ流れる場合であり、
反対方向に流れる場合には隣接画素データb(n−1)
の代わりに隣接画素データb(n+1)を用いればよ
い。式(4)においてp(n)がn番目の画素に入力さ
れた本来の入力レベルであり、この値は式(5)の演算
を行うことによって得ることができる。
【0020】 p(n)≒{b(n)−b(n−1)}/α1+b(n−1)・・・式( 5)
【0021】次に、本実施の形態の像流れ補正装置20
の動作を図1の機能ブロック図を用いて説明する。図1
に示す機能ブロック図は、式(5)の演算をそのままハ
ードウェアによって実現することを想定したブロック図
である。n+1番目の画素の輝度データ隣接画素データ
b(n+1)が、入力画像データ1として入力されてい
るときを考えると、1画素遅延器3から出力されるデー
タはn番目の画素の輝度データ補正対象画素データb
(n)、2画素遅延器2から出力されるデータはn−1
番目の画素の輝度データ隣接画素データb(n−1)と
なる。ここで、補正対象画素データb(n)が補正対象
画素のデータであり、隣接画素データb(n−1)また
は隣接画素データb(n+1)が隣接画素のデータであ
る。信号切換器7は角速度検出器9から出力される切換
信号8によって制御されており、赤外線撮像装置(赤外
線センサ)の回転方向、すなわち撮像シーンが流れる方
向に応じて、隣接画素データb(n−1)または隣接画
素データb(n+1)が選択されて出力される。一方、
変換器16では角速度信号11を入力することにより上
記式(1)に従った定数α1(変換器16の出力デー
タ)が演算される。除算器14からは減算器10から出
力される補正対象画素データb(n)−隣接画素データ
b(n−1)または隣接画素データb(n−1)−補正
対象画素データb(n)を、変換器16から出力される
定数α1(変換器16の出力データ)で除算したデータ
を補正データ13として加算器12へ出力している。従
って、加算器12から出力される出力画像データ17
は、上記式5におけるp(n)となる。なお、上記実施
の形態では隣の画素との差分データから補正データ13
を得ているが、2つ以上離れた画素の情報から補正デー
タ13を演算してもよい。
【0022】以上説明したように第1の実施の形態によ
れば、以下に掲げる効果を奏する。まず第1の効果は、
上記式(5)に従った演算を行うことにより、撮像シー
ンが高速に流れた場合でも、赤外線撮像装置(赤外線セ
ンサ)の応答特性と赤外線撮像装置(赤外線センサ)の
回転角速度が既知であれば、当該画素と隣接画素の出力
レベルの差から当該画素へ入力された本来の入力レベル
を復元することができ、赤外線撮像装置(赤外線セン
サ)の応答速度に主因する像流れを精度良く補正するこ
とができることである。そして第2の効果は、図1の機
能ブロック図から明らかな通り、非常に簡単なハードウ
ェアによって実現することができ、リアルタイム処理も
容易に行うことができることである。
【0023】(第2の実施の形態)第2の実施の形態で
は、隣接画素との差分情報に代えて、1フレーム前の画
像データとの差分情報を利用することによって、像流れ
を補正する点に特徴を有している。第1の実施の形態お
ける式(3)より、p(k)は以下に示す式(6)で表
される。
【0024】 p(k)≒{b(k)−b(k−1)}/α2+b(k−1)・・・式( 6) ここで、p(k)はkフレーム目における赤外線撮像装
置(赤外線センサ)への入力レベルであり、b(k−
1)はk−1フレーム目における赤外線撮像装置(赤外
線センサ)の出力レベルである。
【0025】また、定数α2は以下の式で表現できる。 α2=f(Δt2) ここで、f(t)は赤外線撮像装置(赤外線センサ)の
ステップ応答関数である。
【0026】f(t)は、 Δt2=1/fr=t(k)−t(k−1) で表される。ここで、frは赤外線撮像装置(赤外線セ
ンサ)のフレームレート[Hz]である。
【0027】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る
像流れ補正装置20において上記式(6)の演算を実現
するための機能ブロック図である。なお、第1の実施の
形態において既に記述したものと同一の部分について
は、同一符号を付し、重複した説明は省略する。図3に
おいて、1は入力画像データ、3は1画素遅延器、10
は減算器、12は加算器、13は補正データ、14は除
算器、17は出力画像データ、20は像流れ補正装置、
α2は定数、b(k−1)は補正対象画素データ、b
(k)は隣接画素データ(入力画像データ1)を示して
いる。式(6)および図3を上記実施の形態における式
(5)および第1の実施の形態と比較すると、第2の実
施の形態は、信号切換器7や角速度検出器9などがない
点を除いては第1の実施の形態によく似ており、動作に
ついても容易に想像することができるため、詳細な説明
は省略するが、両者の差異は次の2つに集約することが
できる。まず1つ目は構成上の差異であり、本実施の形
態では角速度情報を必要としないため、赤外線撮像装置
側が回転運動した場合に限らず撮像目標側が動いた場合
においても、簡単に補正データ13を得ることができる
点である。従って上記実施の形態と比較して、より簡単
に補正装置を構成することができる。そして2つ目の差
異は効果面である。一般に赤外線撮像装置(赤外線セン
サ)のフレームレートは、赤外線撮像装置(赤外線セン
サ)の時定数と比較して長いため、定数α2の値が1に
近くなり、補正の効果が小さくなってしまう。このた
め、本実施の形態においても十分な効果を得るために
は、赤外線撮像装置(赤外線センサ)のフレームレート
を高くしなければならない。
【0028】以上説明したように第2の実施の形態によ
れば、以下に掲げる効果を奏する。まず第1の効果は、
上記式(6)に従った演算を行うことにより、撮像シー
ンが高速に流れた場合でも、赤外線撮像装置(赤外線セ
ンサ)のフレームレートが十分に高く、かつ赤外線撮像
装置(赤外線センサ)の応答特性が既知であれば、当該
フレームと1フレーム前の出力レベルの差から当該フレ
ームで入力された本来の入力レベルを復元することがで
き、赤外線撮像装置(赤外線センサ)の応答速度に主因
する像流れを精度良く補正することができることであ
る。そして第2の効果は、図3の機能ブロック図から明
らかな通り、非常に簡単なハードウェアによって実現す
ることができ、リアルタイム処理も容易に行うことがで
きることである。
【0029】最後に、本発明と先行技術とを対比してそ
の技術的差異について説明する。まず第1の先行技術と
しては、例えば、特開平1−54382号公報に記載の
ものがある。しかしながら、第1の先行技術は像流れの
補正方法という点において、本発明と同様な目的と効果
を期待したものであるが、その手段、構成がまったく異
なっている。第1の先行技術では、像流れを補正するた
めにFFT(高速フーリエ変換)処理や逆FFT処理、
畳み込み積分処理といった各種の処理を行っているが、
これらの処理は数学的、解析的には用意に実現できるも
のの、動画をリアルタイムで処理するためには、複雑か
つ大規模なハードウェアを必要とする。一方、本発明で
必要とする処理は簡単な四則演算程度であり、小規模な
ハードウェアで容易に実現でき、その有効性は非常に高
いと思考される。
【0030】また第2の先行技術としては、例えば、特
開平4−84573号公報に記載のものがある。本発明
が赤外線撮像装置(赤外線センサ)への適用を前提とし
ているのに対し、第2の先行技術は移動物体観察装置
(ストロボスコープ)への適用を前提としている点で請
求範囲が異なっているが、像流れの補正方法という点に
おいては本発明と同様な目的と効果を期待したものであ
る。しかしながら、第2の先行技術は像流れの補正が数
学的に可能であることと、その数式に基づいて画像を補
正する補正装置を備えているものの、補正装置の具体的
な実現方法については言及されていない。一方、本発明
では、リアルタイム処理を行うために、いかに小規模か
つ簡単な構成で補正を実現するかを念頭に、補正装置の
具体的な実現方法を開示している点で新規性および進歩
性を有すると思考される。
【0031】そして、第3の先行技術としては、例え
ば、特開平6−117834号公報に記載のものがあ
る。第3の先行技術は、広義の意味で「像流れ」を補正
するという点では本発明と目的は同じであるものの、第
3の先行技術が扱う像流れは画像のフレーム積分時に発
生する像流れであり、本発明が扱うセンサの応答速度に
主因して発生する像流れとはまったく異質なものであ
り、また、構成・効果についても類似点はなく別発明で
あると思考される。
【0032】なお、本発明が上記各実施の形態に限定さ
れず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形
態は適宜変更され得ることは明らかである。また上記構
成部材の数、位置、形状等は上記実施の形態に限定され
ず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にす
ることができる。また、各図において、同一構成要素に
は同一符号を付している。
【0033】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、赤外線撮像装置(赤外線センサ)において発生する
像流れについて、特に赤外線センサの応答速度に主因し
て発生する像流れの成分をリアルタイムかつ簡単に補正
できるようになるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る像流れ補正装
置を説明するための機能ブロック図である。
【図2】式(1)に示した特性の一例を示すグラフであ
る。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る像流れ補正装
置を説明するための機能ブロック図である。
【符号の説明】
1…入力画像データ 2…2画素遅延器 3…1画素遅延器 7…信号切換器 8…切換信号 9…角速度検出器 10…減算器 11…角速度信号 12…加算器 13…補正データ 14…除算器 16…変換器 17…出力画像データ 20…像流れ補正装置 α1…定数(変換器の出力データ) α2…定数 b(n),b(k−1)…補正対象画素データ b(n+1),b(k)…隣接画素データ(入力画像デ
ータ)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線撮像装置側が回転運動したときに
    赤外線センサの応答速度に主因して発生する像流れの成
    分をリアルタイムで簡単に補正する像流れ補正装置であ
    って、 隣接画素との差分情報に基づき補正データを演算すると
    ともに、赤外線撮像装置の応答速度に主因する像流れを
    当該補正データを基に補正するように構成されているこ
    とを特徴とする像流れ補正装置。
  2. 【請求項2】 像流れの発生する方向によって減算すべ
    き画素の方向を切り換えて前記差分情報を求めるように
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載の像流
    れ補正装置。
  3. 【請求項3】 赤外線撮像装置の応答特性をあらかじめ
    記憶するとともに、当該あらかじめ記憶している赤外線
    撮像装置の応答特性と赤外線撮像装置の回転角速度を用
    いて一意に決まる定数で前記差分情報を除算することで
    前記補正データを得るように構成されていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の像流れ補正装置。
  4. 【請求項4】 赤外線撮像装置側が回転運動したときま
    たは撮像目標側が高速に動いたときに赤外線センサの時
    定数に主因して発生する像流れの成分をリアルタイムで
    簡単に補正する像流れ補正装置であって、 前フレームの画素との差分情報に基づき補正データを演
    算するとともに、赤外線撮像装置の時定数に主因する像
    流れを当該補正データを基に補正するように構成されて
    いることを特徴とする像流れ補正装置。
  5. 【請求項5】 赤外線撮像装置の応答特性を基に一意に
    決まる定数で前記差分情報を除算することで前記補正デ
    ータを得るように構成されていることを特徴とする請求
    項4に記載の像流れ補正装置。
  6. 【請求項6】 赤外線撮像装置側が回転運動したときに
    赤外線センサの応答速度に主因して発生する像流れの成
    分をリアルタイムで簡単に補正する像流れ補正方法であ
    って、 隣接画素との差分情報に基づき補正データを演算する工
    程と、赤外線撮像装置の応答速度に主因する像流れを当
    該補正データを基に補正する工程を有することを特徴と
    する像流れ補正方法。
  7. 【請求項7】 像流れの発生する方向によって減算すべ
    き画素の方向を切り換えて前記差分情報を求める工程を
    有することを特徴とする請求項6に記載の像流れ補正方
    法。
  8. 【請求項8】 赤外線撮像装置の応答特性をあらかじめ
    記憶する工程と、当該あらかじめ記憶している赤外線撮
    像装置の応答特性と赤外線撮像装置の回転角速度を用い
    て一意に決まる定数で前記差分情報を除算することで前
    記補正データを得る工程を有することを特徴とする請求
    項6または7に記載の像流れ補正方法。
  9. 【請求項9】 赤外線撮像装置側が回転運動したときま
    たは撮像目標側が高速に動いたときに赤外線センサの時
    定数に主因して発生する像流れの成分をリアルタイムで
    簡単に補正する像流れ補正方法であって、 前フレームの画素との差分情報に基づき補正データを演
    算する工程と、赤外線撮像装置の時定数に主因する像流
    れを当該補正データを基に補正する工程を有することを
    特徴とする像流れ補正方法。
  10. 【請求項10】 赤外線撮像装置の応答特性を基に一意
    に決まる定数で前記差分情報を除算することで前記補正
    データを得る工程を有することを特徴とする請求項9に
    記載の像流れ補正方法。
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