JP3385653B2 - α−オレフィンの低重合方法 - Google Patents
α−オレフィンの低重合方法Info
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Description
方法に関するものである。より詳しくは、クロム系触媒
を用いて、特にエチレンから選択的に三量体を主体とし
た生成物を高収率で得ることができるα-オレフィンの
低重合方法に関する。
有機アルミニウム化合物の組み合せからなる触媒を用
い、エチレン等のα-オレフィンを低重合することは知
られている。例えば、特公昭43-18707号公報に
は、一般式MXnで表されるCrを含むVIA族の遷移
金属化合物とポリヒドロカルビルアルミニウムオキシド
からなる触媒系により、エチレンから1-ヘキセンとポ
リエチレンを得る方法が記載されており、また、特開平
3-128904号公報には、クロム-ピロリル結合を持
つクロム含有化合物と金属アルキル又はルイス酸とを予
め反応させて得られた触媒を用いてα-オレフィンを三
量化する方法が記載されている。
ル結合を持つクロム含有化合物、α-オレフィン、およ
びアルキルアルミニウムの接触方法を規定することによ
り、α-オレフィンの低重合反応を行う方法を提案し
た。この方法に従えば、特にエチレンの低重合反応によ
り、1-ヘキセンを驚異的な高活性で得ることができ
る。さらに、本発明者らはクロム-ピロリル結合を有す
るクロム含有化合物を炭化水素を溶媒とすることで煩雑
な操作なしで高収率で製造し、なおかつこれをアルキル
アルミニウム化合物と組み合わせて用いることによっ
て、α-オレフィンの低重合反応、特にエチレンの三量
化反応を高活性で行い、純度の高い1-ヘキセンを生成
させることのできる方法も提案した。
ン、α-オレフィン、およびアルキルアルミニウム化合
物の接触方法を規定することにより、α-オレフィンの
低重合反応、特にエチレンの三量化反応を行なう方法も
提案した。
43-18707号公報に記載された方法では、1-ヘキ
センと同時に生成するポリエチレンの量が多く、ポリエ
チレンの量を少なくしようとすると、全体の活性が低下
するという問題があり、一方、特開平3-128904
号公報に記載された方法は、高分子量重合体の生成量は
少ないが、触媒活性が十分でないという問題がある。
題を解決し、高収率であり高選択率で工業的有利にα-
オレフィンの低重合物、特に1-ヘキセンを得ることを
可能とする、新規なα-オレフィンの低重合方法を提供
することを目的とするものである。
的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、クロム塩、アミ
ン、およびアルキルアルミニウム化合物からなるクロム
触媒を用いてα-オレフィン、とくにエチレンを低重合
する方法において、溶媒として脂肪族炭化水素を用い、
2個以下の脂肪族炭化水素置換基を有する芳香族炭化水
素化合物を、仕込みの溶液量の40%以下の範囲の量用
いて低重合反応を行うことにより、極めて高いα位選択
性で1-ヘキセンが生成することを見出し、本発明を完
成した。
ン、およびアルキルアルミニウム化合物からなるクロム
触媒を用いてα-オレフィンを低重合する方法におい
て、溶媒として脂肪族炭化水素を用い、2個以下の脂肪
族炭化水素置換基を有する芳香族炭化水素化合物を、仕
込みの溶液量の0.1ppm以上40%以下の範囲の量
用いて低重合反応を行うことを特徴とするα-オレフィ
ンの低重合方法に存する。
般式CrXn(式中、クロムの価数は1価ないし6価で
あり、Xは同一、又は、相互に異なる任意の有機又は無
機の基であり、nは1ないし6の整数である。)で表さ
れる。nの数としては2以上が好ましい。有機基として
は、炭化水素基、カルボニル基、アルコキシ基、カルボ
キシル基、β-ジケトナート基、β-ケトエステル基およ
びアミド基等が例示される。有機基の炭素数は、通常1
〜30であり、炭化水素基としてはアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラル
キル基等が挙げられる。無機基としては、ハロゲン、硝
酸基、硫酸基、または酸素等が挙げられる。好ましく
は、クロム塩はアルコキシ塩、カルボキシル塩、β-ジ
ケトナート塩、β-ケトエステルのアニオンとの塩、あ
るいはハロゲン化物であり、具体的にはクロム(IV)tert
-ブトキシド、クロム(III)アセチルアセトナート、クロ
ム(III)トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(II
I)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、クロム(II
I)(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジ
オナート)、Cr(PhCOCHCOPh)3(但しここ
でPhはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテー
ト、クロム(III)アセテート、クロム(III)2-エチルヘ
キサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)
ナフテネート、Cr(CH3COCHCOOCH3)3、塩
化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化
第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フ
ッ化第一クロム、フッ化第二クロム等が挙げられる。ま
た、これらのクロム塩と電子供与体からなる錯体も用い
ることができる。電子供与体としては、窒素、酸素、リ
ン、及び硫黄化合物の中から選択される。窒素含有化合
物としては、ニトリル、アミン、アミド等が挙げられ、
具体的には、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルピリ
ジン、ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミ
ド、アニリン、ニトロベンゼン、テトラメチルエチレン
ジアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、ヘキ
サメチルジシラザン、ピロリドン等が挙げられる。酸素
含有化合物としては、エステル、エーテル、ケトン、ア
ルコール、アルデヒド等が挙げられ、具体的には、エチ
ルアセテート、メチルアセテート、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタ
ン、ジグライム、トリグライム、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メタノール、エタノール、アセトアルデヒド
等が挙げられる。リン化合物としては、ヘキサメチルフ
ォスフォルアミド、ヘキサメチルフォスフォラストリア
ミド、トリエチルフォスファイト、トリブチルフォスフ
ィンオキシド、トリエチルフォスフィン等が例示され
る。硫黄含有化合物としては、二硫化炭素、ジメチルス
ルフォキシド、テトラメチレンスルフォン、チオフェ
ン、ジメチルスルフィド等が例示される。従って、クロ
ム塩と電子供与体からなる錯体例としては、ハロゲン化
クロムのエーテル錯体、エステル錯体、ケトン錯体、ア
ルデヒド錯体、アルコール錯体、アミン錯体、フォスフ
ィン錯体、チオエーテル錯体等が挙げられ、具体的に
は、CrCl3・3THF、CrCl3・3dioxan
e、CrCl3・(CH3CO2n-C4H9)、CrCl3
・(CH3CO2C2H5)、CrCl3・3(i-C3H7O
H)、CrCl3・3[CH3(CH2)3CH(C2H5)
CH2OH]、CrCl3・3pyridine、CrC
l3・2(i-C3H7NH2)、[CrCl3・3CH3C
N]・CH3CN、CrCl3・3PPh3、CrCl2・
2THF、CrCl2・2pyridine、CrCl2
・2[(C2H5)2NH]、CrCl2・2CH3CN、C
rCl2・2[P(CH3) 2Ph]等が挙げられる。ク
ロム塩としては、炭化水素溶媒に可溶な化合物がより好
ましく、クロムのβ-ジケトナート塩、クロムのカルボ
ン酸塩、クロムのβ-ケトエステルのアニオンとの塩、
クロムのβ-ケトカルボン酸塩、クロムのアミド錯体、
クロムのカルボニル錯体、クロムの各種シクロペンタジ
エニル錯体、アルキル錯体、フェニル錯体等が挙げられ
る。クロムの各種シクロペンタジエニル錯体、アルキル
錯体、フェニル錯体等としては、CpCrCl2(ここ
でCpはシクロペンタジエニル基を示す。)、(Cp*C
rClCH3)2(ここでCp*はペンタメチルシクロペン
タジエニル基を示す。)、(CH3)2CrCl等が例示
される。
およびアミンの代わりに、例えばクロム-ピロリル結合
を有するクロム含有化合物を用いることもできる。クロ
ム-ピロリル結合を有するクロム含有化合物は、先に例
示したクロム塩及び金属ピロリドを溶媒中で反応させる
ことにより得られる。金属ピロリドは、ピロール、およ
びピロールの誘導体から誘導されるものを指し、ピロー
ル誘導体としては、2,5-ジメチルピロール、3,4-
ジメチルピロール、3,4-ジクロロピロール、2,
3,4,5-テトラクロロピロール、2-アシルピロール
等が挙げられ、金属としては、IA族、IIA族、II
IB族、およびIVB族から選択される。好ましい金属
ピロリドとしては、リチウムピロリド、ナトリウムピロ
リド、カリウムピロリド、セシウムピロリド等が挙げら
れる。また、金属ピロリドの代りに、ピロール、および
ピロール誘導体そのものを用いてもよい。
てクロム塩およびアミンを用いることで、空気あるいは
湿度に対して極めて不安定なクロム-ピロリル結合を有
するクロム含有化合物を一旦合成単離する必要がない。
従って、α-オレフィンの低重合プロセスの他に該クロ
ム含有化合物の製造工程、単離工程を経る必要がなく、
さらには不安定な該化合物の貯蔵槽が不要であり、全体
の製造プロセスにかかる建設費が安くなるという利点が
ある。
ム-ピロリル結合を含むクロム含有化合物を無機酸化物
等の担体に担持して用いることもできるが、好ましくは
そのような操作をせずに、単にアルキルアルミニウム化
合物および/またはアミンと組み合わせるだけで用いる
のがよい。本発明におけるα-オレフィンの低重合は、
通常、炭化水素溶媒中で行われるが、クロム塩およびク
ロム含有化合物の濃度は、溶媒1リットルあたり0.1
mg〜5gであり、好ましくは1mg〜2gである。
るアミンは、1級または2級のアミン、1級または2級
のアミンから誘導される金属アミド、およびこれらの混
合物を総称してアミンと呼ぶこととする。1級アミンと
しては、アンモニア、エチルアミン、イソプロピルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、アニリ
ン、ナフチルアミン等が例示され、2級アミンとして
は、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロ
ヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ビス(トリメチル
シリル)アミン、モルホリン、イミダゾール、インドリ
ン、インドール、ピロール、2,5-ジメチルピロー
ル、3,4-ジメチルピロール、3,4-ジクロロピロー
ル、2,3,4,5-テトラクロロピロール、2-アシル
ピロール、ピラゾール、ピロリジン等が例示される。1
級または2級のアミンから誘導される金属アミドとして
は、上で例示した1級又は2級のアミンとIA族、II
A族、IIIB族、およびIVB族から選択される金属
との反応により得られるアミドであり、例えば、リチウ
ムアミド、ナトリウムエチルアミド、カルシウムビス
(エチルアミド)、リチウムジイソプロピルアミド、カ
リウムベンジルアミド、ナトリウムビス(トリメチルシ
リル)アミド、リチウムインドリド、ナトリウムピロラ
イド、リチウムピロライド、カリウムピロライド、カリ
ウムピロリジド、アルミニウムジエチルピロライド、エ
チルアルミニウムジピロライド、アルミニウムトリピロ
ライド等が挙げられる。アミンとしては、2級のアミ
ン、あるいは2級のアミンから誘導されるアミド、およ
びこれらの混合物が好ましく、具体的には、ピロール、
2,5-ジメチルピロール、3,4-ジメチルピロール、
3,4-ジクロロピロール、2,3,4,5-テトラクロ
ロピロール、2-アシルピロール、およびアルミニウム
ピロライド、エチルアルミニウムジピロライド、アルミ
ニウムトリピロライド、ナトリウムピロライド、リチウ
ムピロライド、カリウムピロライド等が挙げられる。
て0.001当量以上であれば良く、上限としては特に
制限はないが、不必要に多量のアミンを使用する必要は
ない。好ましいアミンの使用量としては、クロム塩に対
して0.005当量〜1000当量であり、さらに好ま
しくは0.01当量〜100当量の範囲が挙げられる。
とアミンとアルキルアルミニウム化合物とを組み合わせ
ることによりα-オレフィンの低重合反応を行う。アル
キルアルミニウム化合物としては、下記一般式 R1 mAl(OR2)nHpXq ・・・(1) (式中、R1およびR2は、炭素数が通常1〜15、好ま
しくは1〜8の炭化水素基であって互いに同一であって
も異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を表し、mは
0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0
≦q<3のそれぞれの数であって、しかもm+n+p+
q=3である数を表す。)で示されるアルキルアルミニ
ウム化合物が好ましく、例えば、 R1 3Al ・・・(2) (式中、R1は前記と同じ)で示されるトリアルキルア
ルミニウム化合物、 R1 mAlX3-m ・・・(3) (式中、R1およびXは前記と同じ。mは1.5≦m<3
である。)で示されるハロゲン化アルキルアルミニウム
化合物、 R1 mAl(OR2)3-m ・・・(4) (式中、R1及びR2は前記と同じ。mは0<m<3、好
ましくは1.5≦m<3である。)で示されるアルコキ
シアルミニウム化合物、 R1 mAlH3-m ・・・(5) (式中、R1は前記と同じ。mは0<m<3、好ましく
は1.5≦m<3である。)で示される水素化アルキル
アルミニウム化合物等が挙げられる。具体的にはトリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミ
ニウムヒドリド等が挙げられ、これらのアルキルアルミ
ニウム化合物のうちトリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド等がよ
り好ましい。
0.1mmol/クロム塩g以上であるが、5mmol
/クロム塩gより大きくするのが活性、三量体の選択率
が向上する点で好ましい。本発明において使用される2
個以下の脂肪族炭化水素置換基を有する芳香族炭化水素
化合物における脂肪族炭化水素置換基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシ
ル基等の鎖状あるいは脂環式炭化水素基が例示される。
使用される炭化水素置換芳香族炭化水素化合物の具体例
としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、o-
キシレン、m-キシレン、p-キシレン、クメン、p-シ
メン、1,4-ジブチルベンゼン、tert-ブチルベン
ゼン、1,4-ジ-tert-ブチルベンゼン、シクロヘ
キシルベンゼン、1,4-ジシクロヘキシルベンゼン、
メチルナフタレン、2,6-ジメチルナフタレン、1,
5-ジメチルナフタレン等が挙げられる。
芳香族炭化水素化合物の添加量は、好ましくは仕込みの
溶液量の0.1ppm以上、好ましくは10ppm以
上、更に好ましく0.1%以上であり、上限としては、
40%以下、好ましくは30%以下、さらに好ましくは
20%以下の範囲である。
水素置換基を有する芳香族炭化水素化合物を添加物とし
てα-オレフィン、特にエチレンの低重合反応を行なう
と、生成するα-オレフィンの純度が向上する。この理
由については未だ推定の域をでないが、炭化水素置換芳
香族炭化水素化合物が、クロム塩、アミン、およびアル
キルアルミニウム化合物から調製されるクロム触媒に配
位することにより、ヘキセン類に含まれる二重結合の位
置異性体の生成が抑制されるため、1-ヘキセンの純度
が向上するものと考えられる。また、本発明で用いる脂
肪族炭化水素置換基を有する芳香族炭化水素化合物は、
どのような方法で反応系内に添加してもかまわない。
およびアルキルアルミニウム化合物からなるクロム触媒
が活性種となってα-オレフィンの低重合がおこるが、
該クロム塩をアルキルアルミニウム化合物と前もって接
触させることなくα-オレフィンおよび該クロム触媒を
反応系に供給することが好ましい。そのためには、クロ
ム塩とアルキルアルミニウム化合物とを、前もって物理
的に接触させないのが最も確実な方法であって、具体的
には、(1)アミンおよびアルキルアルミニウム化合物
を含む溶液中に、α-オレフィンおよびクロム塩を導入
する、(2)クロム塩およびアミンを含む溶液中に、α
-オレフィンおよびアルキルアルミニウム化合物を導入
する、(3)クロム塩を含む溶液中に、α-オレフィ
ン、アミンおよびアルキルアルミニウム化合物を導入す
る、(4)アルキルアルミニウム化合物を含む溶液中
に、α-オレフィン、クロム塩およびアミンを導入す
る、(5)クロム塩、アミン、アルキルアルミニウム化
合物およびα-オレフィンをそれぞれ同時に独立に反応
系に導入する方法等が挙げられる。
ム化合物と反応させた場合、他の反応方法に比べ、α-
オレフィンの低重合反応活性が低くなる。この理由は未
だ明らかではないが、クロム塩とアルキルアルミニウム
を反応させた場合、クロム塩に配位している配位子と、
アルキルアルミニウム化合物中のアルキル基との間で配
位子交換反応が進行すると考えられるが、この際生成す
るアルキル-クロム化合物は、それ自身では不安定であ
り、アルキル-クロム化合物の分解還元反応が優先して
進行し、その結果として低重合反応には不適当な脱メタ
ル化が起こってしまうため、α-オレフィンの低重合反
応活性が低下するものと考えられる。
あるが、好ましくは0〜150℃である。また、反応圧
力は常圧ないし250kg/cm2で行うが、100kg/
cm2以下で十分である。本発明においては、脂肪族炭化
水素溶媒を用いて低重合反応が実施され、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の直鎖状または
脂環式の飽和炭化水素、5-デセン、6-ドデセン、シク
ロヘキセン、シクロオクテン等の鎖状または環状の不飽
和炭化水素化合物が使用される。これらの溶媒のうち、
直鎖状または脂環式の飽和炭化水素が好ましい。また、
反応原料のα-オレフィンそのもの、あるいは反応の主
原料以外のα-オレフィンを溶媒として用いることもで
きる。これらのα-オレフィンとしては、4から30の
炭素数を有するものが使用されるが、常温で液状のもの
が特に好ましい。また、ここに例示した化合物の混合物
を反応溶媒として用いても差し支えない。
フィンは、置換、非置換の2〜30の炭素原子を有する
ものである。具体例としては、エチレン、プロピレン、
1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、3-メチル-1-
ブテン、4-メチル-1-ペンテン等が挙げられる。特に
本発明はエチレンの低重合に好適であり、高活性で高選
択的に1-ヘキセンを得ることができる。
よりも製品の高い純度が要求される連続式で反応を実施
する際にも本発明方法は効果的である。滞留時間として
は、1分から20時間の範囲であるが、好ましくは0.
5〜6時間である。本発明のα-オレフィンの低重合に
おいては、反応時に水素を共存させることができる。水
素の共存により、活性、三量体選択率の向上が認められ
る点が好ましい。
更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない
限り以下の実施例に限定されるものではない。
レーブを熱時に組み立て、真空窒素置換した。このオー
トクレーブには破裂板を備えた触媒フィード管を取り付
けておいた。ヘプタン(47ml)、トリエチルアルミニ
ウムのヘプタン溶液(0.4mmol、1ml)、ピロ
ールのヘプタン溶液(1.3ml、0.0625mmo
l)、およびベンゼン(1ml、9.41mmol)を
オートクレーブ胴側に仕込み、一方、触媒フィード管に
クロム(III)2-エチルヘキサノエート(10mg、
0.0208mmol)のヘプタン(1ml)溶液を仕込
んだ。この時点では、クロム塩とトリエチルアルミニウ
ムは、接触していない。オートクレーブを100℃に加
熱し、次いで、100℃でエチレンを触媒フィード管よ
り導入した。エチレン圧により破裂板が破裂し、クロム
塩がオートクレーブ胴側に導入されエチレンの低重合が
開始した。エチレンを全圧が35kg/cm2まで導入
し、以後、全圧を35kg/cm2に、反応温度を10
0℃に維持した。1時間後、エタノール圧入により反応
を停止し、生成物をガスクロマトグラフで定量した。結
果を表−2に示す。
たこと以外は実施例1と同様に反応を行った。 実施例3 トルエンをオートクレーブ胴側に入れず、また、クロム
(III)2-エチルヘキサノエート(10mg、0.02
08mmol)のヘプタン溶液のかわりに、トルエン
(1ml、9.41mmol)溶液を用いたこと以外は
実施例2と同様に反応を行った。
たこと以外は実施例2と同様に反応を行った。 実施例5 クロム塩をクロム(III)2-エチルヘキサノエートの代
わりにクロム(III)アセチルアセトナート(10m
g、0.028mmol)とし、ピロールの添加量を
0.085mmolとし、トリエチルアルミニウムの使
用量を0.57mmolとしたこと以外は実施例2と同
様に反応を行った。
ol)としたこと以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。 実施例7 クロム塩の使用量を5mgとし、ピロールを2,5-ジ
メチルピロール(3mg、0.0312mmol)と
し、トリエチルアルミニウムの使用量を0.2mmol
とし、反応温度を90℃としたこと以外は実施例2と同
様に反応を行った。
チルピロール(5.95mg、0.0625mmol)
とし、反応温度を90℃としたこと以外は実施例2と同
様に反応を行った。 クロム触媒製造例(Cr化合物-1の製造) NaH0.79g(16.5mmol)にTHF15m
lを加え、THF5mlに溶解したピロール1.0ml
(15mmol)を滴下した。室温で1時間攪拌した
後、この溶液をTHF25mlに懸濁したCrCl3
0.79g(5mmol)に滴下した。滴下後、20時
間加熱還流した。沈澱を濾別した後、溶媒を留去した結
果、黒色の粉末1.65gを得た。この粉末の各元素含
有量は以下の通りであった。 Cr:6.5%,C:58.0%,H:6.6%,N:
10.5%。
の代わりにクロム触媒製造例で得られたCr化合物-1
(10mg)とし、オートクレーブ胴側にピロールを仕
込まなかったこと以外は実施例2と同様に反応を行っ
た。 実施例10 150℃の乾燥器で加熱乾燥した300mlのオートク
レーブを熱時に組み立て、真空窒素置換した。このオー
トクレーブには破裂板を備えた触媒フィード管を取り付
けておいた。ヘプタン(44ml)、トルエン(1ml、
9.41mmol)、およびトリエチルアルミニウムの
ヘプタン溶液(0.4mmol、4ml)をオートクレ
ーブ胴側に仕込み、一方、触媒フィード管にヘプタン
(1ml)にスラリー化した、クロム触媒製造例で得ら
れたCr化合物-1(10mg)を仕込んだ。水素を
3.5kg/cm2導入し、オートクレーブを100℃
に加熱した。次いで、100℃でエチレンを触媒フィー
ド管より導入した。エチレン圧により破裂板が破裂し、
エチレン、クロム化合物、トリエチルアルミニウム、お
よび水素が同時に接触しエチレンの低重合が開始した。
エチレンを全圧が40kg/cm2まで導入し、以後、
全圧を40kg/cm2に、反応温度を100℃に維持
した。1時間後、エタノール圧入により反応を停止し、
生成物をガスクロマトグラフで定量した。
を行った。 比較例2 ベンゼンを添加せず、ピロールを2,5-ジメチルピロ
ール(0.0625mmol)としたこと以外は実施例
1と同様に反応を行った。 比較例3 トルエンを添加しないこと以外は実施例9と同様に反応
を行った。
特にエチレンを低重合させて、選択的に三量体を主体と
した生成物、特に1-ヘキセンが高収率で得られ、か
つ、高分子量重合体の生成を抑制することができる。特
に、本発明方法を用いて、工業的に1-ヘキセンを製造
する場合、1-ヘキセンの純度が向上するので、蒸留等
による1-ヘキセンの精製操作が容易になり、精製装置
に要するコストを低減することができる。また、特に精
密な精製操作を行わずに純度の高い製品が得られるの
で、工業的な利用価値が高い。
Claims (4)
- 【請求項1】 クロム塩、アミン、およびアルキルアル
ミニウム化合物からなるクロム触媒を用いてα-オレフ
ィンを低重合する方法において、溶媒として脂肪族炭化
水素を用い、2個以下の脂肪族炭化水素置換基を有する
芳香族炭化水素化合物を、仕込みの溶液量の0.1pp
m以上40%以下の範囲の量用いて低重合反応を行うこ
とを特徴とするα-オレフィンの低重合方法。 - 【請求項2】 アミンおよびアルキルアルミニウム化合
物を含む溶液中に、α-オレフィンおよびクロム塩を導
入することを特徴とする請求項1に記載のα-オレフィ
ンの低重合方法。 - 【請求項3】 クロム塩およびアミンを含む溶液中に、
α-オレフィンおよびアルキルアルミニウム化合物を導
入することを特徴とする請求項1に記載のα-オレフィ
ンの低重合方法。 - 【請求項4】 α-オレフィンがエチレンであり、主生
成物が1-ヘキセンであることを特徴とする請求項1か
ら3に記載のα-オレフィンの低重合方法。
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