JP3385531B2 - シート内蔵型チャイルドシート装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車に幼児を搭乗さ
せる際に用いるチャイルドシート装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現行のチャイルドシート装置では、シー
トベルトを用いて既存のシートに固定させるものが一般
に用いられているが、正しく固定するために、腕力が必
要であり女性や高齢者には難しいものであった。これに
対して、特開平８-５８４４４号公報において、図８に
示すような幼児着座面をシートの背もたれから展開し着
座させる一体型チャイルドシートが開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図８に
示した従来の一体型チャイルドシートでは、０〜１歳児
のような頚の坐っていない幼児を搭乗させることができ
なかった。

【０００４】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は０〜１歳のような乳幼児を
寝姿勢で安全に搭乗させることができ、幼児の成長に合
せて座姿勢もとれ、不使用時には簡単に収納させること
のできるシート内蔵型チャイルドシート装置を提供する
ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のシート内蔵型チャイルドシート装置１０は、
基体シート１２に埋没状に配置されて前方投出し状に展
開かつ収納自在に設けられ、基体シート１２の座部１６
上面側に側面視直状に保持させた状態で展開可能であ
り、直状態での展開時には上面側に幼児を寝姿勢で配置
させ得る略水平な幼児保持面（２１）を形成するチャイ
ルドシート本体２０と、チャイルドシート本体２０の背
面に取付けられ、幼児を幼児保持面（２０ｂ、２１）上
に寝姿勢で安定的に係止し得る寝姿勢幼児係止手段（３
０）と、チャイルドシート本体２０の収納時上部側に設
けられたヘッドレストであって、その背面側４２ｂには
幼児を幼児保持面上に寝姿勢で配置させる際に幼児の頭
部を受け得る幼児頭部受け手段（４１）を有するヘッド
レスト４０と、を有したシート内蔵型チャイルドシート
装置から構成される。

【０００６】また、チャイルドシート本体２０の側面２
０ｃには、同チャイルドシート本体２０を展開して上面
側に幼児を配置させた際に、チャイルドシート本体２０
からの幼児の側方への離落を防止する離落防止手段２１
ｓ、５０が設けられてなることとしてもよい。

【０００７】また、チャイルドシート本体２０は、２つ
折れの折返し構造であり、上側部２４と下側部２６のそ
れぞれの表面側（２４ａ、２６ａ）を着面させて折返し
た状態で前方投出し状に展開させて下側部２６の背面側
２６ｂを幼児着座面２２とさせてなることとしてもよ
い。

【０００８】また、寝姿勢幼児係止手段（３０）は、チ
ャイルドシート本体を直状態で展開させた際における寝
姿勢の幼児の係止状態と、チャイルドシート本体を折返
した状態で展開させた際における座姿勢の幼児の係止状
態と、を兼用し、かついずれかに選択的に行えるように
したこととしてもよい。

【０００９】また、収納時のチャイルドシート本体２０
の上部の直後方側の基体シート１２には、チャイルドシ
ート本体２０から脱せられたヘッドレスト４０を装着で
きるヘッドレスト装着穴１７が設けられてなることとし
てもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明のシート内蔵型チャイルド
シート装置は、乗用車の大人用座席であってチャイルド
シートを埋没状に収納できる基体シートに、チャイルド
シート本体を前方投出し状に展開かつ収納自在となるよ
うに支持させ、このチャイルドシート本体の上部にヘッ
ドレストを着脱自在に装着させたので、チャイルドシー
トが収納された状態から、単にチャイルドシート本体を
引き倒すように展開させるだけで幼児を寝姿勢で保持で
きる幼児保持面を得ることができる。また、ヘッドレス
トの背面側を幼児頭部受け面として利用できる。また、
チャイルドシート本体を収納させた状態では、同チャイ
ルドシート本体の表面側を大人用シートとして使用する
ことができる。チャイルドシート本体の支持は枢軸支
持、蝶番支持、布や皮などを介して縫着などの手段を用
いてよい。

【００１１】また、ヘッドレストは、背面側に幼児頭受
け凹み部を形成させてなるので、頚の坐っていない乳幼
児の頭部を凹み部で受けて安定させて、横からの衝撃に
備えることができる。ヘッドレストはブロック部材を組
立てて幼児頭受け凹み部を形成させてもよいし、一体に
形成させてもよい。

【００１２】また、チャイルドシート本体を展開させた
際に上面側になって幼児を載置させる同チャイルドシー
トの背面側に、両側が中央部よりも高い幼児保持凹面を
形成させることで、幼児を包むように保持させて安全性
を高めることができる。

【００１３】また、チャイルドシート本体の側面に、同
チャイルドシート本体を展開させて上面側に配置させた
幼児の側方への離落を防止する離落防止装置を設けるこ
とで、幼児をより安全に保持することができる。離落防
止装置は、例えばチャイルドシート本体の側面から起立
する柵壁状装置や緩やかに盛上がる丘陵状装置を用いて
よい。

【００１４】また、チャイルドシート本体を２つ折れの
折返し構造に構成し、上部側と下部側のそれぞれの表面
側を着面させるように折返した状態で前方に投出し状に
展開させて下側部の背面側を幼児着座面とさせること
で、幼児の成長や体調に合せて座姿勢で保持させること
ができる。また、ある程度の厚さとコシを有するチャイ
ルドシート本体の上側部と下側部を表面側の一部を連結
部として連結させ、一方向の折返し構造とすることで、
チャイルドシート本体を折返さずに展開させた上面に幼
児を配置させて下向きの荷重を受けさせても連結部が逆
へ字状に屈折することはなく、表面側を着面させる方向
には容易に折返して幼児着座面を実現させることができ
る。連結部には、可動域が制限された枢軸や蝶番を用い
てもよい。

【００１５】また、チャイルドシート本体が基体シート
に埋没状に収納されている時にチャイルドシート本体の
上部の直後方となる基体シートの背もたれ部に、チャイ
ルドシートから脱せられたヘッドレストを装着できるヘ
ッドレスト装着穴を設けることで、チャイルドシート本
体を折返して展開させて幼児を着座姿勢で保持させる際
に、基体シートの背もたれ部に装着させたヘッドレスト
で幼児の頭部を保持させることができる。

【００１６】

【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好適な第
１実施例を説明する。図１は、シート内蔵型チャイルド
シート装置１０の斜視説明図であり、前方に投出し状に
展開させたチャイルドシート本体２０の上面側に幼児を
載置させて保持させた状態を示している。本実施例のシ
ート内蔵型チャイルドシート装置１０は、例えば普通乗
用車の後部座席の片側に配備されており、図１は周辺を
省略してシート内蔵型チャイルドシート装置１０を抜き
出すように示している。図２は本実施例の一部省略側断
面図であり、基体シート１２は、起立した背もたれ部１
４と略水平である座部１６とによって側面視Ｌ字状にな
っている。

【００１７】図１において、基体シート１２には、チャ
イルドシート本体２０を立てるようにした時に埋没状に
収納させる収納溝１８が設けられている。収納溝１８は
背もたれ部１４の上端面１４ｄからＬ字の隅部すなわち
座部１６の上面まで凹設されており、背もたれ部１４は
平面視凹字状に形成されている。図１、２において収納
溝１８の側面１８ｃの下側であって座部１６との近傍に
は、左右両側から枢軸１５が植設されて収納溝１８内側
に向かって突出している。枢軸１５によってチャイルド
シート本体２０は基体シート１２に枢着されており、基
体シート１２に埋没状に配置されたチャイルドシート本
体２０は、前方に投出し状に展開かつ収納自在に支持さ
れている。図１、２において、背もたれ部１４の上端面
１４ｄであって、収納時のチャイルドシート本体２０の
直後方側には、チャイルドシート本体２０から脱したヘ
ッドレスト４０を装着できるヘッドレスト装着穴１７が
背もたれ部１４の上端面１４ｄに開口されて上端面１４
ｄに略垂直に所要の深さをもって設けられている。収納
溝１８の正面１８ａの上部には、後述するチャイルドベ
ルト３０の肩ベルト３２を装着させ、必要に応じてロッ
クまたは開放させる肩ベルト装着穴１９が設けられてい
る。

【００１８】本実施例において、チャイルドシート本体
２０は、所要のコシを有する構造用ウレタンなどの芯材
を柔らかいウレタンスポンジなどの柔軟材で包み、さら
にそれをスキン布で包むようにして形成されている。チ
ャイルドシート本体２０の全体概略形状は、所要の厚さ
を有する立体長四角形状であり、余裕をもって幼児を載
置できる大きさに形成されている。そして、基体シート
１２に収納させた状態ではチャイルドシート本体２０の
表面側２０ａが同基体シート１２の背もたれ部１４の表
面側１４ａと略面一状になるように形成されている。チ
ャイルドシート本体２０の背面側２０ｂは、同チャイル
ドシート本体２０の展開時に両側２１ｓが中央部２１ｔ
より高くなるように形成されて幼児保持凹面２１を成し
ている。実施例ではこの幼児保持凹面２１は略フラット
な面として設けられているが、凹湾曲した面として構成
してもよい。

【００１９】また、図３に示すようにチャイルドシート
本体２０は、大まかに上側部２４と下側部２６に分けら
れて２つ折れ可能となっており、２つのクッション体が
スキン布で連結されたように形成されている。そして、
その継ぎ目２５はチャイルドシート本体２０の表面側２
０ａでスキン布によって連結されている。これによって
チャイルドシート本体２０を折返さずに展開させた際の
上面側である背面側２０ｂに幼児を載せても上側部２４
の連接端面２４ｄと下側部２６の連接端面２６ｄが干渉
するので逆へ字状には屈折せず、上側部２４の表面側２
４ａと下側部２６の表面側２６ａを着面させる方向には
容易に折返しできる一方向の折返し構造になっている。

【００２０】図１、２において、幼児保持凹面２１には
チャイルドベルト３０が設けられている。チャイルドベ
ルト３０は、肩ベルト３２と股ベルト３４とこれらを幼
児の腹部でＹ字状に集結させる腹部バックル体３６から
成されている。肩ベルト３２の肩側端は幼児保持凹面２
１の上端付近に設けられた肩ベルト装着穴２８に装着さ
れてロックされ、股ベルト３４の股側端は幼児保持凹曲
面２１の中程に縫着され固定されている。肩ベルト装着
穴２８は必要に応じてロックまたは開放して肩ベルト３
２の肩側端を着脱できるように構成されている。腹部バ
ックル体３６は両面がクッション性を有する立体半円状
に形成されており、座姿勢で幼児を保持する時は反対面
を幼児の腹部に当接させて使用できるように構成されて
いる。

【００２１】幼児保持凹面２１の中央部２１ｔに幼児を
載置させチャイルドベルト３０を着用させることで、中
央部２１ｔより高い両側２１ｓで幼児の身体を包む様に
保持して横向きの強い衝撃から幼児を保護することがで
きる。なお、チャイルドシート本体２０を基体シート１
２に収納させた際にはチャイルドベルト３０は幼児保持
凹面２１の中に収めることができる。また、チャイルド
シート本体２０の上部である上端面２０ｄにはヘッドレ
スト装着穴２７が設けられており、その内部には図示し
ないラッチ機構が設けられている。

【００２２】ヘッドレスト装着穴２７に装着されたヘッ
ドレスト４０は、ヘッドレスト本体４２とその下面に植
設された２個のシャフト４４からなっている。ヘッドレ
スト本体４２は、背面側４２ｂに幼児の頭部を載置また
は支持するのに適した幼児頭受け凹み部４１が形成され
ている。また、ヘッドレスト本体４２の表面側４２ａ
は、大人の頭部を受けるのに適した凸湾曲面に形成され
ている。シャフト４４には図示しない複数のノッチが間
隔を置いて刻設されており、ヘッドレスト装着穴２７の
ラッチ機構がシャフト４４の所要のノッチを噛んで適宜
の位置に保持し、必要に応じて開放できるようにしてヘ
ッドレスト４０を着脱自在に保持しており、必要に応じ
てチャイルドシート本体２０から脱し、基体シート１２
のヘッドレスト装着穴１７に装着させることができる。

【００２３】図２において、チャイルドシート本体２０
を基体シート１２に収納させた状態では想像線で示すよ
うに、ヘッドレスト４０を大人の頭に合せた高さにさせ
ており、展開させた状態では実線で示すようにチャイル
ドシート本体２０に密着するまで下げて連続した幼児保
持面を形成させている。また、本発明の１つの特徴であ
るチャイルドシート本体２０上部に着脱自在に装着され
るヘッドレスト４０を設けた構成によって、大人の搭乗
に適したチャイルドシート収納状態からヘッドレストと
共にチャイルドシート本体２０を引き出すように倒すだ
けで幼児を寝姿勢で安全に搭乗させ得るチャイルドシー
トを出現させることができる。また、幼児の頭部に沿わ
せた幼児頭受け凹み部４１に幼児の頭部を当接させるこ
とで、０〜１歳児のような頚の坐っていない乳幼児の頭
部をぐらつかせないように支持させ事故の衝撃に備える
ことができる。

【００２４】図３において、チャイルドシート本体２０
からヘッドレスト４０を脱して、同チャイルドシート本
体２０の上側部２４の表面側２４ａと、下側部２６の表
面側２６ａを着面させた状態で前方投出し状に展開させ
ると、下側部２６の背面側２６ｂを幼児着座面２２とさ
せることができる。この時チャイルドベルト３０の肩ベ
ルト３２の肩側端は基体シート１２の収納溝１８に設け
られた肩ベルト装着穴１９に接続させ、ヘッドレスト４
０は基体シート１２のヘッドレスト装着穴１７に装着さ
せる。本実施例のシート内蔵型チャイルドシート装置１
０は、チャイルドシート本体２０を一方向への２つ折れ
の折返し構造としたことで、折返さずに展開させれば広
い幼児保持凹面２１が得られ、折返して展開させれば高
さが調度良い幼児着座面２２が得られる。

【００２５】幼児保持凹面２１は前述のように幼児の身
体および頭部にフィットするように連続曲面で形成する
とより好適である。また、幼児保持凹面２１と幼児頭受
け凹み部４１は幼児を載せた際に凹面化すればよいの
で、幼児に当接する部分に柔らかいクッション材を用
い、周辺にややコシのあるクッション材を用いて幼児の
重さで凹面化させるようにしてもよい。

【００２６】ここで本発明の第１実施例の作用を説明す
る。第１実施例のシート内蔵型チャイルドシート装置１
０を装備した乗用車に幼児を搭乗させようとする大人
は、幼児が頚の坐っていない０〜１歳の乳幼児であった
場合には、基体シート１２の背もたれ部１４からヘッド
レスト４０とチャイルドシート本体２０を一体的に前方
に展開させる。すると、チャイルドシート本体２０は、
表面側２０ａが基体シート１２の座部１６の上面に当接
してベッド状の幼児保持凹面２１を形成する。ここに幼
児を例えば仰向けに載置させ、チャイルドベルト３０を
幼児に着用させて幼児の身体を固定させる。そしてヘッ
ドレスト４０の位置を動かして幼児頭受け凹み部４１が
適度に幼児の頭部に当接するように調節して完了する。

【００２７】幼児の年齢がやや上がって座姿勢をとれる
場合には、収納状態にあるチャイルドシート本体２０に
装着されたヘッドレスト４０を脱し、その直後方側の背
もたれ部１４に設けられたヘッドレスト装着穴１７に装
着する。そしてチャイルドシート本体２０の上側部２４
を先行させるように引き出して展開させ、チャイルドベ
ルト３０の肩ベルト３２を肩ベルト装着穴２８から外
す。そして上側部２４の表面側２４ａが下側部２６の表
面側２６ａに着面するまで折返す。そして下側部２６を
基体シート１２の枢軸１５から前方に展開させて上側部
２４の背面側２４ｂを基体シート１２の座部１６の上面
に当接させる。このとき下側部２６の背面側２６ｂを幼
児着座面２２として幼児を前向きに着座させる。チャイ
ルドベルト３０の肩ベルト３２を基体シート１２の肩ベ
ルト装着穴１９に合着させて幼児の身体を固定して完了
する。幼児は身体が収納溝１８の内部に包まれるように
保持されて横からの衝撃から保護される。

【００２８】幼児着座面２２に着座させたとき頭部が背
もたれ部１４の上端面１４ｄよりも高い位置にくる座高
の幼児を搭乗させる場合には、ヘッドレスト４０を幼児
頭受け凹み部４１が前になるように反転させて図５に示
したヘッドレスト４０の向きで適宜の高さで背もたれ部
１４のヘッドレスト装着穴１７に装着させて幼児の頭部
を当接させる。幼児の頭部は幼児頭受け凹み部４１に包
まれるように保持され、特に横からの衝撃に備えること
ができる。このくらいに成長した幼児の場合には、幼児
の体格に合わせてチャイルドベルト３０の替りに基体シ
ート１２に備えられた大人用のシートベルト（図示せ
ず）を用いることもできる。大人ないし荷物を搭載させ
る場合、チャイルドシート本体２０を展開させた時の逆
の操作によって、容易にチャイルドシート本体２０を基
体シート１２の収納溝１８に収納させることができる。

【００２９】次に図４ないし６に基づいて本発明の第２
実施例を説明する。本第２実施例は第１実施例のチャイ
ルドシート本体２０の側面２０ｃに、同チャイルドシー
ト本体２０を展開して上面側になる背面側２０ｂに幼児
を配置させた際に、チャイルドシート本体２０からの幼
児の側方への離落を防止する離落防止装置５０を設けた
ものであって他の構成は第１実施例とほぼ同一であるの
で、構成を異とする部分と新たに設けられた部分だけを
説明する。

【００３０】図３において、離落防止装置５０は壁部５
２とシャフト５４から構成される。壁部５２は所要の厚
さを有する板状部材であり、構造用ウレタンの芯材を柔
らかいウレタンスポンジで包みさらにスキン布でつつん
で形成されている。壁部５２の一面の下側には２個のシ
ャフト５４が植設されて面から垂直に突出され、このシ
ャフト５４には図示しない複数のノッチが間隔を置いて
刻設されている。本実施例のチャイルドシート本体２０
の両側の側面２０ｃには、シャフト５４を挿入させて支
持するシャフト受け穴２９が設けられている。シャフト
受け穴２９は内部にシャフト５４の所要のノッチを噛ん
でロックし、かつ必要に応じて開放できる図示しないラ
ッチ機構が設けられている。

【００３１】また、シャフト受け穴２９は、ノッチの刻
設されたシャフトを有する様々な装置を必要に応じてロ
ックまたは開放できるので図５に示すようなテーブル装
置６０を装着させることもできる。テーブル装置６０は
天板部６２の両側に脚板部６４を連結させて構成されて
おり、脚板部６４はシャフト６６を植設されている。天
板部６２と脚板部６４は、離落防止装置５０の壁部５２
と同様の内部構造で形成されている。天板部６２と脚板
部６４は連結部６８で転回できるようにスキン布で連結
されている。シャフト６６がシャフト受け穴２９に挿入
されてロックされると脚板部６４が完全に固定されるの
で、テーブル装置６０は連結部６８を特にロックしなく
てもテーブル構造に保持される。

【００３２】図７はチャイルドシート本体２０の側面２
０ｃに離落防止装置５０やテーブル装置６０などの装着
物１００を装着する係合手段の他の実施例を示したもの
である。装着物１００には先端大径突起７０が植設され
ている。先端大径突起７０は装着物１００に垂直に植え
込まれた根元付近である円柱状の係合部７１の先端に前
記係合部７１よりも径の大きい円盤状の抜け止め片７２
を延設している。カギ穴状受穴７４は、先端大径突起７
０の抜け止め片７２を通過させ得る略円形状の抜け止め
片通し穴７５と、その周の下側の一部に連続的に設けた
係合切欠７６からなるカギ形状の開口部を有し、その内
部は先端大径突起７０を挿入させ得る空間を備えてい
る。先端大径突起７０の抜け止め片７２をカギ穴状受穴
７４の抜け止め片通し穴７５に挿入し、係合部７１を係
合切欠７６に落し込むように装着物１００をスライドさ
せて係合させるだけで、装着物１００を容易にチャイル
ドシート本体２０に装着することができ、複雑な機構を
用いずに係合手段を極めて簡略化できる。

【００３３】なお、チャイルドシート本体２０の側面２
０ｃに離落防止装置５０やテーブル装置６０などの装着
物１００を装着する係合手段は実施例に限定されるもの
ではなく、雌ネジを螺刻した受穴に装着物１００側に設
けた雄ネジを螺合させたり、面ファスナを用いて貼着さ
せるなど適宜の手段を用いてよい。

【００３４】ここで本発明の第２実施例の作用を説明す
る。幼児を搭乗させる大人は、チャイルドシート本体２
０を基体シート１２から展開させたのち、チャイルドシ
ート本体の側面２０ｃのシャフト受け穴２９に離落防止
装置５０のシャフト５４を挿入して装着する。離落防止
装置５０はチャイルドシート本体２０の幼児保持面であ
る上側面から十分高く立ちあがった壁を形成するので、
幼児の離落防止を確実にすることができる。また、離落
防止装置を別に設けることでチャイルドシート本体２０
を薄くできるので、軽自動車や商用車などの背もたれ部
１４が薄い基体シート１２でも埋没状に収納させること
ができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るシー
ト内蔵型チャイルドシート装置によれば、基体シートに
埋没状に配置されて前方投出し状に展開かつ収納自在に
設けられ、基体シートの座部上面側に側面視直状に保持
させた状態で展開可能であり、直状態での展開時には上
面側に幼児を寝姿勢で配置させ得る略水平な幼児保持面
を形成するチャイルドシート本体と、チャイルドシート
本体の背面に取付けられ、幼児を幼児保持面上に寝姿勢
で安定的に係止し得る寝姿勢幼児係止手段と、チャイル
ドシート本体の収納時上部側に設けられ、その背面側に
は幼児を幼児保持面上に寝姿勢で配置させる際に幼児の
頭部を受け得る幼児頭部受け手段を有するヘッドレスト
と、を有してなるので、寝姿勢で配置された幼児の頭部
をヘッドレストの背面側で受けて、幼児を保持する安全
性を高めることができる。

【００３６】また、ヘッドレストは、背面側に幼児頭受
け凹み部を有してなるので、頚の坐っていない０才児で
も頭部を安定させて安全に保持し、特に横からの衝撃か
ら幼児の頭部ないし頚部を守ることができる。

【００３７】また、チャイルドシート本体の背面側に
は、同チャイルドシート本体の展開時に両側が中央部よ
り高い幼児保持凹面が形成されてなるので、幼児の身体
を包むように保持し、事故の衝撃から幼児を守る安全性
を高めることができる。

【００３８】また、チャイルドシート本体の側面には、
同チャイルドシート本体を展開して上面側に幼児を配置
させた際に、チャイルドシート本体からの幼児の側方へ
の離落を防止する離落防止装置が設けられてなるので、
より安全に幼児を保持することができる。また、基体シ
ートの背もたれ部が薄い軽自動車や商用車でも安全に幼
児を保持できるシート内蔵型チャイルドシート装置を提
供できる。

【００３９】また、チャイルドシート本体は、２つ折れ
の折返し構造であり、上側部と下側部のそれぞれの表側
面を着面させて折返した状態で前方投出し状に展開させ
て下側部の裏面側を幼児着座面とさせてなるので、幼児
の成長や体調に合せて寝姿勢でも座姿勢でも安全に幼児
を保持できる。

【００４０】また、収納時のチャイルドシート本体の上
部の直後方側の基体シートには、チャイルドシート本体
から脱せられたヘッドレストを装着できる装着穴が設け
られてなるので、座姿勢で幼児を保持する際に幼児の成
長に合わせてヘッドレストで頭部を受けて安全性を高め
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のシート内蔵型チャイルド
シート装置からチャイルドシート本体を展開させて幼児
を保持させた状態の斜視説明図である。

【図２】その一部省略側断面図である。

【図３】チャイルドシート本体を折返して展開させた状
態を示す一部省略側断面図である。

【図４】第２実施例の構成を示す斜視説明図である。

【図５】第２実施例のチャイルドシート本体にテーブル
装置を装着した実施例を示す斜視図である。

【図６】テーブル装置の要部正面図である。

【図７】第２実施例のチャイルドシート本体に離落防止
装置などの装着物を装着する係合手段の他の実施例を示
す斜視図である。

【図８】従来の一体型チャイルドシート装置の斜視図で
ある。

【符号の説明】

１０ シート内蔵型チャイルドシート装置 １２ 基体シート １７ ヘッドレスト装着穴 ２０ チャイルドシート本体 ２０ｃ 側面 ２０ｂ 背面側 ２１ 幼児保持凹面 ２１ｓ 両側 ２１ｔ 中央部 ２２ 幼児着座面 ２４ 上側部 ２４ａ 表面側 ２６ 下側部 ２６ａ 表面側 ４０ ヘッドレスト ４１ 幼児頭受け凹み部 ４２ｂ 背面側 ５０ 離落防止装置

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−40124（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−30298（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−59421（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−30299（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−1576（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−82942（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−7436（ＪＰ，Ｕ) 米国特許2966201（ＵＳ，Ａ) 米国特許3094354（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B60N 2/00 - 2/72

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 基体シートに埋没状に配置されて前方投
   出し状に展開かつ収納自在に設けられ、基体シートの座
   部上面側に側面視直状に保持させた状態で展開可能であ
   り、直状態での展開時には上面側に幼児を寝姿勢で配置
   させ得る略水平な幼児保持面を形成するチャイルドシー
   ト本体と、チャイルドシート本体の背面に取付けられ、幼児を幼児
   保持面上に寝姿勢で安定的に係止し得る寝姿勢幼児係止
   手段と、 チャイルドシート本体の収納時上部側に設けられたヘッ
   ドレストであって、その背面側には幼児を幼児保持面上
   に寝姿勢で配置させる際に幼児の頭部を受け得る幼児頭
   部受け手段を有するヘッドレストと、を有したシート内
   蔵型チャイルドシート装置。
2. 【請求項２】 チャイルドシート本体の側面には、同チ
   ャイルドシート本体を展開して上面側に幼児を配置させ
   た際に、チャイルドシート本体からの幼児の側方への離
   落を防止する離落防止手段が設けられてなる請求項１記
   載のシート内蔵型チャイルドシート装置。
3. 【請求項３】 チャイルドシート本体は、２つ折れの折
   返し構造であり、 上側部と下側部のそれぞれの表面側を着面させて折返し
   た状態で前方投出し状に展開させて下側部の背面側を幼
   児着座面とさせてなる 請求項１または２記載のシート内
   蔵型チャイルドシート装置。
4. 【請求項４】 寝姿勢幼児係止手段は、チャイルドシー
   ト本体を直状態で展開させた際における寝姿勢の幼児の
   係止状態と、チャイルドシート本体を折返した状態で展
   開させた際における座姿勢の幼児の係止状態と、を兼用
   し、かついずれかに選択的に行えるようにしたことを特
   徴とする請求項３記載のシート内蔵型チャイルドシート
   装置。
5. 【請求項５】 収納時のチャイルドシート本体の上部の
   直後方側の基体シートには、チャイルドシート本体から
   脱せられたヘッドレストを装着できるヘッドレスト装着
   部が設けられてなる請求項３または４記載のシート内蔵
   型チャイルドシート装置。