JP3384903B2 - 水平および垂直偏波共用アレーアンテナ - Google Patents

水平および垂直偏波共用アレーアンテナ

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JP3384903B2
JP3384903B2 JP04647895A JP4647895A JP3384903B2 JP 3384903 B2 JP3384903 B2 JP 3384903B2 JP 04647895 A JP04647895 A JP 04647895A JP 4647895 A JP4647895 A JP 4647895A JP 3384903 B2 JP3384903 B2 JP 3384903B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水平偏波および垂直偏
波に対して同じアンテナ利得で共振し、しかも水平偏波
と垂直偏波のアイソレーションが高い水平および垂直偏
波共用アレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、1994年電子情報通信
学会秋季大会−ソサイエティ先行大会−講演論文集 通
信1に「キャビティ−装着トリプレート形スロットアン
テナ(IV)偏波共用アレーアンテナ」なる論文を発表
し、水平偏波および垂直偏波にともに共振し、しかも水
平偏波と垂直偏波のアイソレーションが高い水平および
垂直偏波共用アレーアンテナを提案した。
【0003】上記論文で発表した水平および垂直偏波共
用アレーアンテナは、水平偏波に共振するエレメントと
垂直偏波に共振するエレメントが、アンテナの前後方向
で平行な2つの平面上にそれぞれ配設されている。そし
て、水平偏波に共振するエレメントを接続する給電路に
より該エレメントで受信された垂直偏波の信号が相殺さ
れるようになし、垂直偏波に共振するエレメントを接続
する給電路により該エレメントで受信された水平偏波の
信号が相殺されるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記論文に発表した水
平および垂直偏波共用アレーアンテナの構造にあって
は、水平偏波と垂直偏波にそれぞれ共振するエレメント
が、アンテナの前後方向で異なる平面に配設されるため
に、水平偏波と垂直偏波とでエレメントへの電波の強さ
が相違し、アンテナ利得に0.5〜0.8dBほどの差
を生じさせていた。
【0005】そこで、偏波の切り換えを伴なうチャンネ
ル切換では、受信機側の受信強度が変化し、音量調整の
ためのボリューム等の操作を必要とする、という不具合
があった。
【0006】本発明は、かかる不具合を改善すべくなさ
れたもので、水平偏波と垂直偏波とで同じ利得となるよ
うな水平および垂直偏波共用アレーアンテナを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の水平および垂直偏波共用アレーアンテナ
は、アンテナ前面から順次に第1と第2の導電体板を平
行かつ離して配設し、前記第1の導電体板に、正方形の
スロットを水平および垂直偏波方向にその辺をそれぞれ
平行させて両偏波方向にそれぞれ2つづつ配列して合計
4つ穿設し、前記第2の導電体板に前記スロットに臨ん
で前記スロットと同じ形状の開口を有するキャビティを
それぞれ設け、前記第1と第2の導電体板の間でこれら
と平行な平面に、水平または垂直偏波の一方に共振する
第1のエレメントを前記スロットにそれぞれ臨んでアン
テナ前方からみて前記スロットを通して視認できる帯状
の長さを共振周波数のほぼ1/4波長にするとともに共
振する偏波方向の同一線上に2つづつ配列し、前記同一
線上に配列された2つの第1のエレメントを共振周波数
の半波長の径路寸法差を設けた給電路でそれぞれ接続す
るとともに4つの第1のエレメントの放射ベクトルの向
きが同相となるように給電路を接続し、前記平面に、水
平または垂直偏波の他方に共振する第2のエレメントを
前記第1のエレメントと直交ししかも接触することなく
前記スロットにそれぞれ臨んでアンテナ前方からみて前
記スロットを通して視認できる帯状の長さを共振周波数
のほぼ1/4波長にするとともに共振する偏波方向の一
直線上に2つづつ配列し、前記同一線上に配列された2
つの第2のエレメントを共振周波数の半波長の径路寸法
差を設けた給電路でそれぞれ接続するとともに4つの第
2のエレメントの放射ベクトルの向きが同相となるよう
に給電路を接続して構成されている。
【0008】また、前記第1の導電体板に、前記正方形
のスロットと同じ位置で、前記正方形に代えて、円形の
スロットを穿設して構成しても良い。
【0009】そして、前記第1と第2の導電体板の間に
平行に誘電体板を配設し、この誘電体板の平面上に前記
第1と第2のエレメントおよびこれらのエレメントを接
続する給電路を配設して構成しても良い。
【0010】さらに、前記第1の導電体板に、4つのス
ロットを1つのユニットとして複数ユニットを穿設し、
これらの複数ユニットのスロットに対応させてそれぞれ
第1と第2のエレメントおよびこれらを接続する給電路
を設け、各ユニットの前記第1と第2のエレメントの放
射ベクトルが同相となるように、前記各ユニットの給電
路をアレー接続して構成することもできる。
【0011】
【作 用】第1と第2のエレメントが同一な平面上に配
設されているので、水平偏波および垂直偏波に対してと
もに同じアンテナ利得が得られる。しかも、共振する偏
波方向の同一線上に配列された2つのエレメントは共振
周波数の半波長の径路寸法差を設けた給電路で接続され
るので、その接続点においてエレメントで受信された共
振すべきでない他方の偏波信号は逆相で合成されて相殺
される。したがって、給電路からは、エレメントが共振
すべき偏波信号のみがそれぞれ出力され、受信において
高いアイソレーションが得られる。また、第2の導電体
板にキャビティを設けるので、エレメントの間でのパラ
レルモードが抑制し得る。そして、第1と第2のエレメ
ントが水平偏波および垂直偏波にそれぞれ共振し、また
キャビティの深さを適宜に設定してその底部とエレメン
トの間の寸法を適宜にすることで、アンテナ前方に向か
う放射波とキャビティによる反射波を同相とすることが
でき、高いアンテナ利得を得ることができる。
【0012】そして、請求項3に記載された水平および
垂直偏波共用アレーアンテナのごとく、エレメントおよ
び給電路を誘電体板の平面上に配設するならば、エレメ
ントおよび給電路をエッチング等で簡単に形成できると
ともに、その支持構造も簡単である。
【0013】さらに、請求項4に記載された水平および
垂直偏波共用アレーアンテナにあっては、ユニットの個
数を適宜に設定することで、所望のアンテナ利得を容易
に得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1ないし図7
を参照して説明する。図1は、本発明の水平および垂直
偏波共用アレーアンテナの一実施例の分解斜視図であ
る。図2は、図1の組立A−A縦断面矢視図である。図
3は、エレメントと給電路の一例を示す図である。図4
(a)は、本発明の水平および垂直偏波共用アレーアン
テナにおけるX方向偏波のアンテナ特性を示す図であ
り、図4(b)は、本発明の水平および垂直偏波共用ア
レーアンテナにおけるY方向偏波のアンテナ特性を示す
図である。図5は、本発明の水平および垂直偏波共用ア
レーアンテナにおけるX方向偏波とY方向偏波のアイソ
レーションを示す図である。図6は、本発明の水平およ
び垂直偏波共用アレーアンテナにおけるX方向偏波とY
方向偏波のアンテナ利得が一致することを示す図であ
る。図7は、本発明の水平および垂直偏波共用アレーア
ンテナを用いて水平偏波と垂直偏波の受信を切り換えら
れるようにした平面アンテナの一例を示す図である。
【0015】図に示すごとく、アンテナ前面から順次
に、銅等の良電導材からなる第1と第2の導電体板1
0,12が平行かつ離して配設される。なお、第1と第
2の導電体板10,12は電気的接続されている(図示
せず)。そして、第1の導電体板10には、正方形のス
ロット14,14…が水平偏波方向(図1で例えばX方
向)および垂直偏波方向(図1で例えばY方向)にその
辺をそれぞれ平行させて、しかも両偏波方向にそれぞれ
2つづつ同じ間隔で配列されて、合計で4箇穿設され
る。また、第2の導電体板12には、スロット14,1
4…に臨んで、同じ寸法の正方形の開口を有し導電体で
囲まれた凹状の空間であるキャビティ16,16…が4
箇形成される。
【0016】そして、第1と第2の導電体板10,12
の間にこれらと平行に誘電体板18が配設される。この
誘電体板18の第1の導電体板10側の面に、導電箔の
エッチング等により形成されて、例えば水平偏波(図1
でX方向偏波)に共振し得る帯状の第1のエレメント2
0,20…がスロット14,14…に臨んでしかも水平
偏波方向の同一線上に2つづつ配列される。また、誘電
体板18の同一面に、例えば垂直偏波(図1でY方向偏
波)に共振し得る帯状の第2のエレメント22,22…
が、スロット14,14…に臨んで、第1のエレメント
20,20…と直交してかつ離れて、しかも垂直偏波方
向の同一線上に2つづつ配列される。なお、第1と第2
のエレメント20,20…,22,22…は、アンテナ
前方から見てスロット14,14…を通して視認できる
帯状の長さが、共振周波数の例えばほぼ1/4波長に形
成される。
【0017】また、水平偏波方向の同一線上に配列され
た2つの第1のエレメント20,20は、その対向する
両端が、給電路24,26で接続される。この給電路2
4,26の距離L,Lは、|L−L|=λ/2
(λは共振周波数の波長)に設定される。なお、4箇の
第1のエレメント20,20…は、2つづつそれぞれ給
電路24,26で接続される。そして、それぞれに給電
路24,26で接続された接続点P,Pが距離Lを有
する給電路28,28をそれぞれに介して水平偏波信号
導出用の給電路30の一端に接続される。
【0018】そしてまた、垂直偏波方向に向いて配置さ
れ水平偏波方向で平行に配列された2つの第2のエレメ
ント22,22は、距離Lを有する給電路32,32
をそれぞれに介して接続される。なお、4箇の第2のエ
レメント22,22…は、2つづつそれぞれ給電路3
2,32で接続される。そして、給電路32,32の一
方の接続点Qと、給電路32,32の他方の接続点Rと
が、給電路34,36で接続される。この給電路34,
36の距離L,Lは、|L−L|=λ/2に設
定される。さらに、給電路34,36の接続点Sが、垂
直偏波信号導出用の給電路38の一端に接続される。
【0019】さらに、キャビティ16,16…の底と第
1と第2のエレメント20,20…,22,22…の間
の寸法dは、第1と第2のエレメント20,20…,2
2,22…からアンテナ前方へ向かう放射波と、第1と
第2のエレメント20,20…,22,22…から後方
へ向かいキャビティ16,16…の底で反射されてアン
テナ前方へ向かう反射波がほぼ同相となるように設定さ
れる。
【0020】かかる構成からなる本発明の水平および垂
直偏波共用アレーアンテナの作用につき以下説明する。
まず、水平偏波信号に対して、第1のエレメント20,
20…が共振するが、同一線上に配列された2つの第1
のエレメント20,20…は向きが逆であるとともにλ
/2だけ径路寸法差のある給電路24,26で接続点P
に接続されているので、同一線上に配列された2つの第
1のエレメント20,20で受信された水平偏波信号は
同相で合成され、2つの接続点P,Pに出現した信号が
さらに給電路28,28を介して同相で合成されて給電
路30から出力される。そして、垂直偏波信号に対して
は、同一線上に配列された2つの第1のエレメント2
0,20で受信したとしても、接続点Pでは垂直偏波信
号が逆相で合成されて相殺され、給電路30から垂直偏
波信号が出力されない。
【0021】また、垂直偏波信号に対して、第2のエレ
メント22,22…が共振するが、側方に平行で配設さ
れた2つの第2のエレメント22,22で受信された垂
直偏波信号は給電路32,32で接続点Qで同相で合成
される。同様に、他方の接続点Rでも垂直偏波信号が同
相で合成される。ここで、接続点Q,Rの垂直偏波信号
は、接続点Q,Rに接続される第2のエレメント22,
22…が向きが逆であるため逆相となっている。そし
て、接続点Q,Rの垂直偏波信号は、λ/2だけ径路寸
法差のある給電路34,36を介して接続点Sで同相で
合成され、給電路38から出力される。そして、水平偏
波信号に対しては、同一線上に配列された2つの第2の
エレメント22,22で受信したとしても、接続点Sで
は水平偏波信号が逆相で合成されて相殺され、給電路3
8から水平偏波信号が出力されない。
【0022】本発明の水平および垂直偏波共用アレーア
ンテナにつき、X方向偏波およびY方向偏波のアンテナ
利得を測定したところ、図4に示すごとき特性が得られ
た。図4(a),(b)から明らかなごとく、X方向偏
波およびY方向偏波のアンテナ特性はほぼ同じであっ
た。しかも、X方向偏波とY方向偏波のアイソレーショ
ン特性は、図5に示すごとく、広い周波数範囲で−20
dBより大きく下回っており、高いアイソレーションが
得られ、2方向偏波により混信を生じないことが示され
ている。さらに、図6に示すごとく、周波数範囲11.
55GHz〜12.00GHzで、X方向偏波とY方向
偏波に対するアンテナ利得の差は0.3dB以下と極め
て僅かである。
【0023】また、第2の導電体板12に設けられたキ
ャビティ16,16…によって、第1と第2のエレメン
ト20,20…,22,22…が側方に平行して2つ配
列されても、それによるパラレルモードが充分に抑制さ
れる。さらに、キャビティ16,16…の底と第1と第
2のエレメント20,20…,22,22…の間の寸法
dを適宜に設定することで、アンテナ前方に向かう放射
波とキャビティ16,16…の底での反射波がほぼ同相
となり、高いアンテナ利得が得られる。
【0024】そこで、上記構成からなる本発明の水平お
よび垂直偏波共用アレーアンテナを用いて、図7のごと
く、水平偏波と垂直偏波の受信を切り換えられるように
した平面アンテナを簡単に構成し得る。すなわち、第1
のエレメント20,20…に接続された給電路の導出部
が、給電コネクタ40およびセミリジットケーブル42
を介して水平偏波用周波数変換回路44に接続される。
また、第2のエレメント22,22…に接続された給電
路の導出部が、給電コネクタ40およびセミリジットケ
ーブル42を介して垂直偏波用周波数変換回路46に接
続される。そして、水平および垂直偏波用周波数変換回
路44,46からの出力信号が、スイッチ回路48で適
宜に一方が選択され、選択された信号がチューナ50に
与えられる。なお、水平および垂直偏波用周波数変換回
路44,46およびスイッチ回路48で、コンバータ5
2が形成されている。したがって、1つの平面アンテナ
により、スイッチ回路48の任意な選択によって、水平
偏波または垂直偏波の受信を適宜に選択し得る。
【0025】ここで、上記実施例では、第1の導電体板
10に4つのスロット14,14…を穿設し、これに臨
んでエレメントを設けて、水平および垂直偏波共用アレ
ーアンテナとして1つのユニットが形成されており、第
1の導電体板10に複数のユニットのスロットを穿設し
てこれらに臨んでエレメントを適宜に設け、受信信号が
同相で合成されるように各ユニットの導出用の給電線を
接続してアレー接続するならば、所望のアンテナ利得を
容易に得ることができる。
【0026】本発明の水平および垂直偏波共用アレーア
ンテナの他の実施例を図8を参照して説明する。図8
は、本発明の他の実施例における誘電体板上に設けられ
たエレメントと給電路の配置およびこれらに対応して第
1の導電体板に穿設されるスロットを示すものである。
【0027】図8に示す他の実施例おいて、第1の導電
体板10には、図2に示す正方形のスロット14,14
…と同じ位置に、正方形に代えて、円形のスロット5
0,50…が4箇穿設される。また、第2の導電体板1
2には、スロット50,50…に臨んで、同じ寸法形状
の円形の開口を有し導電体で囲まれた凹状の空間である
キャビティが4箇形成される。なお、第1と第2の導電
体板10,12に設けられるスロット50,50…およ
びキャビティは、図8には破線にてその対応位置が示さ
れている。
【0028】そして、第1と第2の導電体板10,12
の間に設けられた誘電体板18上に、スロット50,5
0…に臨んで、図2に示すのと同様に、第1と第2のエ
レメント20,20…,22,22…が配列される。さ
らに、水平偏波方向に向いて配置され垂直偏波方向で平
行に配列された2つの第1のエレメント20,20は、
距離L10を有する給電路52,52をそれぞれに介し
て接続点T,Uで接続される。なお、4箇の第1のエレ
メント20,20…は、2つづつそれぞれ給電路52,
52で接続される。そして、給電路52,52の一方の
接続点Tと、給電路52,52の他方の接続点Uとが、
給電路54で接続される。この給電路54の距離L11
は、λ/2である。さらに、一方の接続点Tが、水平偏
波信号導出用の給電路56の一端に接続される。
【0029】また、垂直偏波方向の同一線上に配列され
た一方の2つの第2のエレメント22,22は、その互
いに離れた側の両端が、給電路58,60を介して接続
点Vで接続される。この給電路58,60の距離
12,L13は、|L12−L13|=λ/2に設定
される。そして、垂直偏波方向の同一線上に配列された
他方の2つの第2のエレメント22,22は、その互い
に離れた側の両端が、給電路62,64を介して接続点
Vで接続される。この給電路62,64の距離L14
15は、|L14−L15|=λ/2に設定される。
しかも、|L14−L12|=G・λ,|L15−L
13|=H・λ(GとHは整数)に設定される。そし
て、給電路58,60,62,64の接続点Vが、垂直
偏波信号導出用の給電路66の一端に接続される。
【0030】かかる構成において、水平偏波信号に対し
て、第1のエレメント20,20…が共振するが、垂直
偏波方向に平行に配列された一方の2つの第1のエレメ
ント20,20で受信された水平偏波信号は、接続点T
で同相で合成され、また他方の2つの第1のエレメント
20,20で受信された水平偏波信号は、接続点Uで同
相で合成される。そして、同一線上に配列された2つの
第1のエレメント20,20…は向きが逆であるため
に、接続点T,Uの信号は逆相である。しかし、この接
続点T,Uがλ/2の距離L11の給電路54で接続さ
れるため、2つの接続点T,Uに現れる信号が、接続点
Tでは同相で合成され、給電線56から出力される。そ
して、垂直偏波信号に対しては、同一線上に配列された
2つの第1のエレメント20,20が受信したとして
も、接続点Tまでの給電路の径路寸法差がλ/2であ
り、接続点Tでは垂直偏波信号が逆相で合成されて相殺
され、給電路56から垂直偏波信号が出力されない。
【0031】また、垂直偏波信号に対して、第2のエレ
メント22,22…が共振するが、同一線上に配列され
た2つの第2のエレメント22,22は向きが逆である
とともにλ/2だけ径路寸法差のある給電路58と6
0,62と64で接続点Vに接続されているので、同一
線上に配列された2つの第2のエレメント22,22で
受信された垂直偏波信号は接続点Vで同相で合成され
る。しかも、水平偏波方向で平行に配列された2つの第
2のエレメント22,22が接続点Vに接続される給電
路62と58,64と60は、径路寸法差がλの整数倍
であって、水平偏波方向で平行に配列された2つの第2
のエレメント22,22で受信された垂直偏波信号は、
接続点Vで同相で合成される。したがって、4つの第2
のエレメント22,22…で受信された垂直偏波信号
は、接続点Vで全て同相で合成されて給電路66から出
力される。そして、水平偏波信号に対しては、同一線上
に配列された2つの第2のエレメント22,22で受信
したとしても、径路寸法差がλ/2の給電路58と6
0,62と64により接続点Vでは逆相で合成されて相
殺され、給電路66から水平偏波信号が出力されない。
【0032】なお、第1と第2のエレメント20,20
…,22,22…およびこれらを接続する給電路は、誘
電体板18の同一平面上に配設されているが、これに限
られず、第1と第2の導電体板10,12の間に支持さ
れていれば良い。実施例のごとく、誘電体板18の同一
平面上に設ければ、その支持構造が簡単である。そし
て、第1と第2の導電体板10,12間には発泡スチロ
ール等の誘電体が充填されていても良く、また誘電体と
して空気が充填する空間であっても良い。ここで、第1
と第2のエレメント20,20…,22,22…は、物
理的に同一な平面に設けられなくても良く、アンテナ利
得の差が無視できる範囲であれば異なる平面にそれぞれ
配設されても良い。例えば、誘電体板18が極めて薄い
とすれば、この誘電体板18の上面に第1のエレメント
20,20…を配設し、下面に第2のエレメント22,
22…を配設しても良い。また、2枚の誘電体板を重ね
合せ、その対向する内側の面にそれぞれ第1と第2のエ
レメント20,20…,22,22…を配設しても良
い。さらに、第1と第2のエレメント20,20…,2
2,22…および給電路は、導電箔等で形成されたもの
に限られず、棒状やワイヤ状や板状等に形成された導電
材から形成されても良く、ソリッドワイヤ等で形成して
あっても良い。
【0033】また、図2に示す実施例では、給電路24
と26,34と36に径路寸法差λ/2を設けている
が、この径路寸法差はλ/2+J・λ(Jは正の整数)
であっても良い。同様に、図8に示す実施例では、給電
路54はλ/2+K・λ(Kは正の整数)であれば良
く、給電路58と60,62と64の径路寸法差はλ/
2+L・λ(Lは正の整数)であれば良い。そして、給
電路58と62,60と64の径路寸法差はλの整数倍
であれば良く、その径路寸法差が互いに同じでなくても
良い。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の水平およ
び垂直偏波共用アレーアンテナは構成されているので、
以下のごとき格別な効果を奏する。
【0035】請求項1および2に記載された水平および
垂直偏波共用アレーアンテナにあっては、第1と第2の
エレメントに水平偏波と垂直偏波がそれぞれ共振し、高
いアンテナ利得が得られる。しかも、水平偏波と垂直偏
波のアイソレーションが極めて良好であり、水平偏波と
垂直偏波の混信を生ずることがない。また、第1と第2
のエレメントで共振される水平偏波と垂直偏波に対する
アンテナ利得はほぼ同じであり、偏波の切り換えによっ
てアンテナ利得が変化することもない。そして、パラレ
ルモードが抑制される。さらに、キャビティの底とエレ
メントの間の寸法を適宜に設定することで、アンテナ利
得の向上が図れる。
【0036】そして、請求項3に記載された水平および
垂直偏波共用アレーアンテナにあっては、エレメントお
よび給電路の形成およびその支持が簡単であり、アンテ
ナ装置全体の構造が簡単である。
【0037】さらに、請求項4に記載された水平および
垂直偏波共用アレーアンテナにあっては、適宜な数のユ
ニットをアレー接続することで、所望のアンテナ利得を
容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水平および垂直偏波共用アレーアンテ
ナの一実施例の分解斜視図である。
【図2】図1の組立A−A縦断面矢視図である。
【図3】エレメントと給電路の一例を示す図である。
【図4】(a)は、本発明の水平および垂直偏波共用ア
レーアンテナにおけるX方向偏波のアンテナ特性を示す
図であり、(b)は、本発明の水平および垂直偏波共用
アレーアンテナにおけるY方向偏波のアンテナ特性を示
す図である。
【図5】本発明の水平および垂直偏波共用アレーアンテ
ナにおけるX方向偏波とY方向偏波のアイソレーション
を示す図である。
【図6】本発明の水平および垂直偏波共用アレーアンテ
ナにおけるX方向偏波とY方向偏波のアンテナ利得が一
致することを示す図である。
【図7】本発明の水平および垂直偏波共用アレーアンテ
ナを用いて水平偏波と垂直偏波の受信を切り換えられる
ようにした平面アンテナの一例を示す図である。
【図8】本発明の水平および垂直偏波共用アレーアンテ
ナの他の実施例における誘電体板上に設けられたエレメ
ントと給電路の配置およびこれに対応して第1の導電体
板に穿設されるスロットを示す図である。
【符号の説明】
10 第1の導電体板 12 第2の導電体板 14,50 スロット 16 キャビティ 18 誘電体板 20 第1のエレメント 22 第2のエレメント 24,26,28,30,32,34,36,38,5
2,54,56,58, 60,62,64,66
給電路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナ前面から順次に第1と第2の導
    電体板を平行かつ離して配設し、前記第1の導電体板
    に、正方形のスロットを水平および垂直偏波方向にその
    辺をそれぞれ平行させて両偏波方向にそれぞれ2つづつ
    配列して合計4つ穿設し、前記第2の導電体板に前記ス
    ロットに臨んで前記スロットと同じ形状の開口を有する
    キャビティをそれぞれ設け、前記第1と第2の導電体板
    の間でこれらと平行な平面に、水平または垂直偏波の一
    方に共振する第1のエレメントを前記スロットにそれぞ
    れ臨んでアンテナ前方からみて前記スロットを通して視
    認できる帯状の長さを共振周波数のほぼ1/4波長にす
    るとともに共振する偏波方向の同一線上に2つづつ配列
    し、前記同一線上に配列された2つの第1のエレメント
    を共振周波数の半波長の径路寸法差を設けた給電路でそ
    れぞれ接続するとともに4つの第1のエレメントの放射
    ベクトルの向きが同相となるように給電路を接続し、前
    記平面に、水平または垂直偏波の他方に共振する第2の
    エレメントを前記第1のエレメントと直交ししかも接触
    することなく前記スロットにそれぞれ臨んでアンテナ前
    方からみて前記スロットを通して視認できる帯状の長さ
    を共振周波数のほぼ1/4波長にするとともに共振する
    偏波方向の一直線上に2つづつ配列し、前記同一線上に
    配列された2つの第2のエレメントを共振周波数の半波
    長の径路寸法差を設けた給電路でそれぞれ接続するとと
    もに4つの第2のエレメントの放射ベクトルの向きが同
    相となるように給電路を接続して構成したことを特徴と
    する水平および垂直偏波共用アレーアンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水平および垂直偏波共用
    アレーアンテナにおいて、前記第1の導電体板に、前記
    正方形のスロットと同じ位置で、前記正方形に代えて、
    円形のスロットを穿設して構成したことを特徴とする水
    平および垂直偏波共用アレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の水平および垂直
    偏波共用アレーアンテナにおいて、前記第1と第2の導
    電体板の間に平行に誘電体板を配設し、この誘電体板の
    平面上に前記第1と第2のエレメントおよびこれらのエ
    レメントを接続する給電路を配設して構成したことを特
    徴とする水平および垂直偏波共用アレーアンテナ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の水平および垂直
    偏波共用アレーアンテナにおいて、前記第1の導電体板
    に、4つのスロットを1つのユニットとして複数ユニッ
    トを穿設し、これらの複数ユニットのスロットに対応さ
    せてそれぞれ第1と第2のエレメントおよびこれらを接
    続する給電路を設け、各ユニットの前記第1と第2のエ
    レメントの放射ベクトルが同相となるように、前記各ユ
    ニットの給電路をアレー接続して構成したことを特徴と
    する水平および垂直偏波共用アレーアンテナ。
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