JP3383176B2 - 臭気特性に優れた樹脂クロメート組成物および表面処理金属板 - Google Patents

臭気特性に優れた樹脂クロメート組成物および表面処理金属板

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JP3383176B2
JP3383176B2 JP03875097A JP3875097A JP3383176B2 JP 3383176 B2 JP3383176 B2 JP 3383176B2 JP 03875097 A JP03875097 A JP 03875097A JP 3875097 A JP3875097 A JP 3875097A JP 3383176 B2 JP3383176 B2 JP 3383176B2
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眞一 鈴木
優二朗 宮内
健吾 吉田
智三 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操業時に腐敗臭を
発生せず、かつ浴安定性に優れた樹脂クロメート処理組
成物、および製品から腐敗臭を発生せず、かつ耐食性、
クロム難溶性、塗料密着性、耐アルカリ性、および外観
品位に優れた樹脂クロメート処理金属板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】クロメート処理は金属表面の簡易防錆処
理として古くから使用されており、大別すると3価クロ
ムを主成分とする電解クロメートや反応クロメートと、
6価クロムを含有し、塗布後水洗されることなく乾燥さ
れる塗布クロメートがある。近年、クロメート処理が家
電、建材、自動車などの用途に広く使用されるに至っ
て、需要家からさまざまな性能を要求されるようになっ
てきた。例えば色調の均一性、耐指紋性といった外観品
位、塗料密着性、裸使用時の平板耐食性および加工後耐
食性、結露やアルカリ脱脂に対するクロム難溶性、加工
時の摺動性などがその例である。これらの中には、例え
ばクロム難溶性と加工後耐食性のように原理的に矛盾す
るものも含まれており、すべての性能をバランス良く発
現させることは技術的に容易ではない。
【0003】例えば、従来より用いられてきたクロム酸
とシリカなどの無機酸化物からなる無機系クロメートに
おいて、クロムを難溶化するには、特開平3−2156
83号公報に一部記述があるように、クロメート処理金
属板の加熱を200℃以上という高温で行う方法が知ら
れているが、乾燥設備のコストを考えると経済的でな
い。また、耐食性はクロム溶解性の無機クロメートに比
べむしろ劣る。一方、金属板上に無機クロメート処理を
行い、乾燥したのち、樹脂を塗布、乾燥するという2段
処理によって、耐食性とクロム難溶性を両立する方法も
公知であるが、やはりプロセス上の制約、コスト高など
の問題がある。
【0004】また、特開平4−358082号公報や特
開平5−287548号公報に見られるように、クロメ
ート処理浴中にポリアクリル酸等の水溶性または水分散
性樹脂やアルコール等の還元剤を添加し、6価クロムは
還元・固定、3価クロムは樹脂中で架橋させる方法も知
られている。この方法によれば、クロムは難溶化され、
かつ樹脂のバリア効果からクロメート皮膜の耐食性は向
上するが、処理浴中に還元性成分が多量に含まれるた
め、6価クロムの浴中還元によるゲル化を招き、浴安定
性に劣る。
【0005】特開平5−230666号公報にも、クロ
ム難溶性と高耐食性を両立する金属表面処理組成物の例
がある。これは、特定組成のカルボン酸、水酸基を含有
する有機重合体と水溶性クロム化合物からなる樹脂クロ
メート組成物であるが、この組成物は25℃、相対湿度
65%での保管によってすら、数日でゲル化・沈降・分
離などの異常を発生し、処理浴の温度が50℃にも達す
る金属表面処理ラインでの長期連続操業には耐え難い。
また、得られたクロメート処理金属板は塗料との二次密
着性に劣る。
【0006】特開昭63−145785号公報には、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリ
マー系乳化剤を用いて乳化重合して得られたアクリル系
重合体エマルジョンと6価クロム化合物からなる組成物
が開示されている。この組成物は乳化剤の効果で40℃
でも3週間以上安定であるが、乳化剤が成膜阻害要因と
なるため耐食性が劣り、またクロム溶出量も多い。
【0007】クロム酸中に樹脂を添加するいわゆる樹脂
クロメート処理においては、これらの公知例に示されて
いるような課題の他に、クロメート処理浴中、および金
属板上に樹脂クロメート皮膜を成膜したあとで、時間の
経過と共に腐敗臭を発生するという問題があることを、
本発明者らは見いだした。腐敗臭とは、樹木のギンナン
や発酵過程にあるチーズあるいは人畜の汚物等から発生
するような種類の不快臭のことである。この現象は、金
属板においては特に積み重ねて保存される場合、たとえ
ばコイル状態での保管時に顕著に起こる。クロメート処
理浴中での腐敗臭発生は製造現場における作業環境上問
題であり、一方、金属板からの腐敗臭発生は客先での問
題となるため樹脂クロメート処理金属板の商品性を著し
く損なうものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、クロ
メート処理浴中での経時後ならびに当該処理液を金属板
上へ塗布・乾燥し経時した後に腐敗臭を発生しない臭気
特性に優れた樹脂クロメート組成物および樹脂クロメー
ト処理金属板を提供することである。さらに、上記の特
性を満足しつつ、処理浴が長期安定な樹脂クロメート組
成物、ならびに色調の均一性、耐指紋性といった外観品
位、塗料密着性、裸使用時の平板耐食性および加工後耐
食性、結露やアルカリ脱脂に対するクロム難溶性等の特
性に優れた樹脂クロメート処理金属板を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、(a)
クロム酸水溶液中または/およびクロメート皮膜中で炭
素数が3〜7の低級モノカルボン酸を生成する成分の含
有量が20重量%以下であるような有機重合体が、水性
媒体中に分散した有機重合体エマルジョンと、(b)水
溶性クロム化合物とを主成分とする樹脂クロメート組成
物である。(a)の有機重合体はエチレン系不飽和化合
物であって、さらに樹脂クロメート組成物中に(c)鉱
酸を含有することが好適である。
【0010】また、エチレン系不飽和化合物のうちの炭
素数3〜7の低級モノカルボン酸を生成しない成分は、
炭素数が1、2または8以上であって連鎖異性体を含む
1級アルコールから合成されるエステルまたは/および
エーテル、任意の2級アルコールから合成されるエステ
ルまたは/およびエーテル、任意の3級アルコールから
合成されるエステルまたは/およびエーテルのうち1種
または2種以上から成り、かつ炭素数が3〜7の低級
カルボン酸を生成する成分が、炭素数が3〜7の連鎖
異性体を含む1級アルコールから合成されるエステルま
たは/およびエーテルであることがなお好適である。
【0011】また、上記のエチレン系不飽和化合物のう
ち炭素数3〜7の低級モノカルボン酸を生成しない成分
はアクリル酸エステルまたは/およびメタアクリル酸エ
ステルであることがなお好適である。さらに、エチレン
系不飽和化合物中にエチレン系不飽和カルボン酸成分を
10重量%超、30重量%未満、水酸基含有単量体成分
を5重量%未満含有することがなお好適である。乾燥板
温が90℃を越えない場合には、有機重合体全体のT
g、すなわちTgtotal値が−40℃以上20℃以
下であることがさらに好適である。本発明の第二は、金
属板上に当該組成物の皮膜を、金属クロム換算で5〜3
00mg/m2 形成させたことを特徴とする表面処理金
属板である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳述する。本発明
者らは、まずクロメート処理浴中およびクロメート処理
を施した金属板から発生する腐敗臭の原因を明らかにす
るため、以下の検討を行った。まず、アクリル酸エステ
ルとして一般に用いられるアクリル酸ブチルを主成分と
して含有するアクリル系樹脂を用いた樹脂クロメート処
理浴を建浴し、亜鉛めっき鋼板を当該処理浴でクロメー
ト処理したのち、処理面同士を重ね合わせて室温で3日
間放置した。また処理浴を常温で1週間放置した。
【0013】この結果、処理鋼板、処理浴のいずれから
も腐敗臭の発生が認められた。そこで処理鋼板および処
理浴中の臭気成分の分析を行ったところ、腐敗臭の原因
は酪酸(C=4)であることが判明した。同様の実験を
炭素数1〜8のアルコールから合成される他のアクリル
酸エステル、すなわちメチルアクリレート(C=1)、
エチルアクリレート(C=2)、プロピルアクリレート
(C=3)、ペンチルアクリレート(C=5)、ヘキシ
ルアクリレート(C=6)、ヘプチルアクリレート(C
=7)、2−エチルヘキシルアクリレート(C=8)を
主成分とするアクリル系樹脂を用いた樹脂クロメートに
ついて行ったところ、炭素数3〜7のものについてのみ
腐敗臭が発生すること、これはそれぞれ対応する低級モ
ノカルボン酸、すなわち、プロピオン酸(C=3)、吉
草酸(C=5)、カプロン酸(C=6)およびヘプタン
酸(C=7)の生成によることを見いだした。
【0014】次にこれらの腐敗臭の浴中および皮膜中で
の生成反応を解析したところ、臭気発生メカニズムはい
ずれの場合にも以下のようであることを見いだした。ま
ず、有機重合体中に共重合した成分であるアクリル酸エ
ステルの加水分解により、炭素数3〜7の1級アルコー
ル、すなわちプロパノール、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、ヘプタノールが生成する。次にこれ
らのアルコールが浴中および皮膜中で、クロム酸成分に
より酸化されて対応する炭素数の低級モノカルボン酸が
生成する。これらの低級モノカルボン酸が腐敗臭を発生
する。
【0015】そこで本発明では、炭素数3〜7の低級モ
ノカルボン酸を生成する成分の合計量が20重量%以下
であるような有機重合体を水溶性クロム化合物と混合
し、樹脂クロメート組成物とする。合計量がゼロであれ
ば腐敗臭は無く最も好ましいが、10重量%以下であれ
ば腐敗臭はほとんど感じられない。一方、20重量%を
越えると腐敗臭が抑制されない。従って、炭素数3〜7
の低級モノカルボン酸を生成する成分の合計量が20重
量%以下とは本発明ではゼロをも含むものを言う。有機
重合体の種類は特に限定するものではないが、エチレン
系不飽和化合物であることが好適である。また、有機重
合体エマルジョンの水性媒体中での分散方法についても
特に限定するものではなく、疎水性成分のみから成り乳
化剤により分散させたエマルジョン、疎水性成分と親水
性成分から成り乳化剤により分散させたエマルジョン、
疎水性成分と親水性成分から成り乳化剤を用いずに分散
させたエマルジョンのいずれであってもよい。
【0016】次に本発明者らは、金属表面処理ラインに
おける連続操業に耐える、安定性に優れた樹脂クロメー
ト組成物を得るため鋭意検討した。その結果、クロメー
ト浴中にりん酸、硫酸、硝酸、塩酸などの鉱酸を添加す
ることが有効であることを見いだした。また、有機重合
体がエチレン系不飽和化合物である場合には、親水性成
分として水酸基含有成分とエチレン系不飽和カルボン酸
成分を含有させ、前者を5重量%未満(ゼロも含む)、
両者の合計を10重量%超とすることにより、50℃で
も1カ月以上の浴寿命が得られることが分かった。次
に、樹脂クロメート処理金属板のクロム難溶性について
調べたところ、有機重合体中の水酸基含有成分の量が多
くなるほどクロム溶出量は低下すること、水酸基含有成
分が5重量%未満(ゼロも含む)の場合にはエチレン系
不飽和カルボン酸成分を30重量%未満とすることによ
りクロム溶出は十分抑制されることを見いだした。
【0017】次に、樹脂クロメート処理金属板の塗料と
の密着性、特に二次密着性(湿潤耐久性)を良好にする
ため検討したところ、有機重合体中のエチレン系不飽和
カルボン酸成分の量が10重量%を越えれば良好な密着
性が得られることが分かった。一方、30重量%を越え
ると、耐食性、耐アルカリ性が低下する。塗料二次密着
性と耐食性、耐アルカリ性をさらに高度にバランスさせ
るには、エチレン系不飽和カルボン酸成分を12重量%
以上、18重量%以下とすることがより好適である。
【0018】以下、上述した各樹脂成分について、さら
に詳細に述べる。本発明に使用可能な有機重合体の種類
としては、アクリル酸または/およびメタアクリル酸エ
ステル、カルボン酸ビニルエステル、ビニルエーテル、
スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル、ハロゲ
ン化ビニルなどのエチレン系不飽和化合物、およびエポ
キシ、ウレタン、ポリエステル等がある。これらのう
ち、(メタ)アクリル酸エステル、カルボン酸ビニルエ
ステル、ビニルエーテルについては、これらの合成原料
であるアルコールが、加水分解、酸化分解等によりクロ
ム酸浴中に遊離し、さらに酸化され低級カルボン酸とな
って腐敗臭を発生する可能性があるため、以下を使用す
る必要がある。
【0019】すなわち、炭素数が1、2または8以上で
あって連鎖異性体を含む1級アルコールから合成される
エステルまたは/およびエーテル、任意の2級アルコー
ルから合成されるエステルまたは/およびエーテル、任
意の3級アルコールから合成されるエステルまたは/お
よびエーテルのうち1種または2種以上である。連鎖異
性体とは炭素連鎖の構造の相違から起こる異性体の総称
で、1−ブタノールに対する2−メチル−1−プロパノ
ール、1−ペンタノールに対する3−メチル−1−ブタ
ノールと2,2−ジメチル−1−プロパノールがその例
である。なお、2級、3級アルコールについては、クロ
ム酸中で酸化されてもカルボン酸をほとんど生成しない
ことから、炭素数の制限なく使用可能である。
【0020】1級アルコールのアルキル基/アリル基の
具体例としては、メチル、エチル、2−エチルヘキシ
ル、ラウリル、ステアリル、オクチル、イソオクチル、
ノニル、イソノニル、ドデシル、ジメチルアミノエチ
ル、ジエチルアミノエチル、tert−ブチルアミノエ
チル、ベンジル等があり、2級アルコールのアルキル基
/アリル基としてはイソプロピル、sec−ブチル、シ
クロヘキシル、シクロペンテニル、フェニル等、3級ア
ルコールのアルキル基/アリル基としてはtert−ブ
チル等があげられる。
【0021】逆に、腐敗臭の原因となるため有機重合体
中に20重量%を越えて含ませることのできない成分と
は、炭素数が3〜7であって連鎖異性体を含む1級アル
コール、すなわちn−プロパノール、n−ブタノール、
n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノー
ルの直鎖状の1級アルコールおよびイソブタノール、イ
ソペンタノールなどの分岐した1級アルコールから生成
するエステルまたは/およびエーテルである。
【0022】以上に該当するエチレン系不飽和化合物成
分の具体例を表1に示す。有機重合体は、疎水性成分の
みから成り乳化剤により分散させたエマルジョン、疎水
性成分と親水性成分から成り乳化剤により分散させたエ
マルジョン、疎水性成分と親水性成分から成り乳化剤を
用いずに分散させたエマルジョンのいずれであってもよ
い。有機重合体のエチレン系不飽和カルボン酸成分とし
ては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸
等のエチレン系不飽和モノカルボン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸等のエチレン系不飽和ジカルボン酸
と、それらのカルボン酸のアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、有機アミン塩などの中から選ばれた1種または2
種以上を使用できるが、好ましくはアクリル酸、または
/およびメタアクリル酸である。
【0023】有機重合体中の水酸基含有成分としては、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ
ブチル、アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)
エチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸−3−クロル−2−ヒドロキ
シプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル
類、アリルアルコール類、およびN−メチロールアクリ
ルアミド、N−ブトキシメチロール(メタ)アクリルア
ミド等のアルコールアミド類の還元性水酸基を有するモ
ノマー、および酸性溶液中で水酸基と同様な反応性を期
待できるグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリ
シジルエーテル、β−メチルグリシジル(メタ)アクリ
レート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メ
タ)アクリレート等のグリシジル基を有するモノマー、
アクロレイン等のアルデヒド基を含有するモノマーなど
から選ばれた1種または2種以上が使用可能であるが、
特に好ましくは(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、または/およびグリシジル(メタ)アクリレートで
ある。なお、上記(メタ)は、メタまたは/およびメタ
を有しないものをも表している。水性媒体中における有
機重合体の固形分濃度は、安定な分散を妨げない範囲内
で適宜選択できるが、通常は5〜50重量%程度でよ
い。
【0024】
【表1】
【0025】さらに本発明者らは、クロメート処理ライ
ンの乾燥工程において、板温90℃未満で皮膜を形成さ
せようとする場合には、下式で得られる有機重合体のT
gtotal値が20℃以下であることが必要であるこ
とを見いだした。これより高いと、成膜不良による白化
等が起こり耐食性も十分得られない。一方、Tgtot
al値が−40℃未満ではクロメート皮膜が乾燥後も粘
着性を帯び、指紋の跡が残ったり、板の重ね合わせ時の
固着(ブロッキング)が起こりやすくなる。なお、成膜
性と耐指紋性、耐ブロッキング性とをより高度に両立さ
せるには、Tg total値を−20℃以上10℃以
下とすることがなお好適である。
【0026】
【数2】
【0027】Tg totalは有機重合体全体のTg
(ガラス転移温度)、Tgiはi成分のTg、Φiはi
成分の容積分率(重量分率とほぼ同一)、nは単量体成
分の総数を表す。90℃以上の高温での乾燥が可能な場
合においては、有機重合体のTg total値を上記
の範囲で制限する必要はない。
【0028】次に、本発明における水溶性クロム化合物
としては、無水クロム酸、(重)クロム酸カリウム、
(重)クロム酸ナトリウム、(重)クロム酸アンモニウ
ム、クロム酸バリウム、クロム酸ストロンチウムなどの
クロム酸、クロム酸塩や重クロム酸塩、およびこれらを
デンプン、アルコール等で部分還元した還元クロム酸ま
たはクロム酸塩を用いることができる。クロム酸(塩)
の還元率は特に定めるものではないが、特別に重視する
性能がある場合には以下の基準で選択することが好まし
い。すなわち、クロム難溶性を重視する場合には、還元
率20〜100%の範囲から選択し、一方、加工部耐食
性を重視する場合には、還元率0〜70%の範囲から選
択することが好ましい。
【0029】樹脂クロメート組成物中の水溶性クロム化
合物と有機重合体エマルジョンとの量比は適宜選択でき
るが、通常は水溶性クロム化合物のCrO3 換算での重
量と有機重合体エマルジョンの固形分との重量比で1:
1〜1:20程度である。樹脂クロメートの厚みも適宜
選択できるが、通常は0.1〜5μm程度でよい。この
際のクロム酸の浴中濃度は、塗布方法、クロム酸/樹脂
比率、望む膜厚によって異なるが、おおむねCrO3
算で5〜100g/lの範囲に入る。また、有機重合体
の浴中濃度も上記と同様に変化するがおおむね固形分換
算で10〜300g/l程度である。
【0030】樹脂クロメート中に添加する鉱酸として
は、りん酸、硫酸、塩酸、硝酸などが使用可能である
が、耐食性、浴安定性の観点からはりん酸が好ましい。
その添加量は特に制限するものではないが、浴安定性を
好適にするためにはH3 PO4 換算で浴中のクロム酸濃
度(CrO3 換算)の1.2倍以上添加することが有利
であり、一方、耐食性を損なわないためにはH3 PO4
換算で浴中のクロム酸濃度(CrO3 換算)の4倍以下
とすることが有利である。これら以外に、シリカ、アル
ミナ、チタニア、ジルコニア等の無機系ゾル、フッ化物
などを必要に応じて樹脂クロメート組成物および皮膜中
に含有させることができる。特にコロイダルシリカの添
加は耐食性や塗料密着性を向上させる効果がある。
【0031】金属表面への樹脂クロメート組成物の付着
量は金属クロム換算で5〜300mg/m2 であること
が好ましい。5mg/m2 未満では耐食性が十分でな
く、300mg/m2 を越えると経済的でない。金属表
面へのクロメート処理方法としては、ロールコーターに
よる塗布、リンガーロールによる塗布、浸漬およびエア
ナイフ絞りによる塗布、バーコーターによる塗布、スプ
レーによる塗布、刷毛塗りなどの通常の方法が使用可能
である。また、塗布後の乾燥も通常の方法でよい。
【0032】なお、本発明が適用可能な金属板は、亜鉛
めっき鋼板、亜鉛とニッケル、鉄、アルミニウム、クロ
ム、チタン、マグネシウム、マンガンなどの金属との合
金めっき鋼板、アルミニウムまたはアルミニウム合金め
っき鋼板、鉛または鉛合金めっき鋼板、錫または錫合金
めっき鋼板、さらにはこれらのめっき層に少量の第3金
属または/およびシリカ、アルミナ、ジルコニア、チタ
ニア等の無機物を分散させためっき鋼板、冷延鋼板、熱
延鋼板、珪素鋼板、亜鉛または亜鉛合金板、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金板、マグネシウムまたはマグ
ネシウム合金板、チタンまたはチタン合金板、ステンレ
ス板などがある。
【0033】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明する。 実施例1 (1)有機重合体の合成 表2の1〜13に示すような主成分で構成された有機重
合体13種類を合成した。複数の成分が標記されている
場合には、それぞれ等量用いて合成を行った。1〜9に
ついては、以下の手順でアクリル酸(20重量%)と共
重合することにより乳化剤なしで水性媒体中に分散させ
た。すなわち、脱イオン水500部(重量部。以下同
じ)を反応槽に入れて、液温度60℃に上昇させ、これ
に表2に示すモノマーとアクリル酸の混合物300部
と、過硫酸アンモニウム3部(脱イオン水97部に溶
解)、酸性亜硫酸ソーダ3部(脱イオン水97部に溶
解)とを同時並行に2時間で終了するように攪拌しなが
ら滴下した後、引き続き60℃にて3時間攪拌しながら
重合反応を行って、エマルジョンを合成した。
【0034】一方、10〜13については、乳化剤を用
いて以下の手順で合成した。脱イオン水494部(重量
部。以下同じ)に乳化剤としてドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ6部を溶解した水溶液を反応槽に入れて液温
度60℃に上昇させ、これに表2に示すモノマーの混合
物300部と、過硫酸アンモニウム3部(脱イオン水9
7部に溶解)、酸性亜硫酸ソーダ3部(脱イオン水97
部に溶解)とを同時並行に2時間で終了するように攪拌
しながら滴下した後、引き続き60℃にて3時間攪拌し
ながら重合反応を行って、エマルジョンを合成した。1
4〜31は1、2、6と同じ有機重合体を用いている
が、樹脂クロメート組成物を塗布した金属板が異なる。
【0035】(2)樹脂クロメート組成物 無水クロム酸をCrO3 換算で15g/l、りん酸をH
3 PO4 換算で18g/l、表2に示す有機重合体エマ
ルジョンを固形分換算で75g/l含有する樹脂クロメ
ート組成物を建浴した。 (3)金属板の種類 クロメート処理を行う金属板として以下を用いた。大き
さは180mm×300mmとした。 EG:電気亜鉛めっき鋼板 GI:溶融亜鉛めっき鋼板 SZ:溶融亜鉛アルミニウム合金めっき鋼板(AL/Z
n=5/95) CR:冷延鋼板 AL:アルミニウム板 TI:チタン板 SI:珪素鋼板
【0036】(4)クロメート処理方法 金属板を表面清浄したのち、樹脂クロメート浴中に浸漬
し、エアナイフにより付着量が金属Cr換算で40mg
/m2 となるよう片面処理し、到達板温60℃で乾燥し
た。膜厚は約0.5μmであった。 (5)金属板の腐敗臭の官能検査 クロメート処理後の金属板を、処理面同士が接触するよ
うに20枚ずつ重ね合わせ、この四隅を万力で固定し
て、室温で1週間放置した。こののち万力をはずして、
処理面を開いた直後に、10人の被験者により腐敗臭の
有無を調べ、以下の基準で判定した。 〇:腐敗臭を感じた人が2人未満 △:腐敗臭を感じた人が2人以上5人未満 ×:腐敗臭を感じた人が5人以上
【0037】(6)樹脂クロメート組成物中の臭気成分
の定量と腐敗臭の官能検査 樹脂クロメート液を100ccとり、これを50℃で1
週間保存した後、浴中成分をガスクロマトグラフ/質量
分析計(GC/MS)で定量分析した。また、10人の
被験者により腐敗臭の有無を調べた。判定基準は(5)
と同様である。結果を表2、表3に示す。表3は表2の
番号1〜13の浴中低級モノカルボン酸生成量を分析し
た結果である。いずれの金属板においても、炭素数3〜
7の1級アルコールから合成される単量体成分が有機重
合体中に含まれる場合には、腐敗臭を発生している。ま
た、これらについてはクロメート浴中においても、それ
ぞれ対応する低級モノカルボン酸の生成が認められ、か
つ浴が腐敗臭を発生していた。
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】実施例2 (1)有機重合体の合成 表4に示すような成分で構成された有機重合体を合成し
た。ここで、主成分として示されているものは、実施例
1において腐敗臭を発生しなかった成分である。また、
これらに加えて腐敗臭を発生した成分を表に示す量だけ
添加している。これを20重量%のメタアクリル酸と共
重合することにより乳化剤なしで水性媒体中に分散させ
た。合成法は実施例1の樹脂番号1〜9(表2)と同様
である。
【0041】(2)樹脂クロメート組成物 部分還元クロム酸(還元率20%)をCrO3 換算で3
0g/l、りん酸をH 3 PO4 換算で55g/l、表4
に示す有機重合体エマルジョンを固形分換算で100g
/l含有する樹脂クロメート組成物を建浴した。 (3)金属板の種類 クロメート処理を行う金属板としてEG:(電気亜鉛め
っき鋼板)を用いた。 (4)クロメート処理方法 バーコーターにて塗布し、板温120℃で乾燥した。付
着量は金属Cr換算で100mg/m2 、膜厚は約1.
5μmであった。
【0042】(5)金属板の腐敗臭の官能検査 実施例1と同様の方法で試験し、判定した。 (6)クロメート浴の腐敗臭の官能検査 実施例1の官能検査と同様の方法で試験し、判定した。
結果を表4に示す。酸化生成物が腐敗臭を発生する成分
の有機重合体中における含有量が20重量%以下であれ
ば、金属板、クロメート浴のいずれにおいても、腐敗臭
は抑制されているのがわかる。
【0043】
【表4】
【0044】実施例3 (1)有機重合体の合成 表5、表6に示す組成の有機重合体を乳化剤を用いずに
重合した。合成法は実施例1の乳化剤を用いなかったも
の(表2、1〜9)と同様である。ただし、親水性モノ
マーとしてはアクリル酸またはメタアクリル酸を用い
た。 (2)樹脂クロメート組成物 部分還元クロム酸(還元率55%)をCrO3 換算で2
0g/l、りん酸をH 3 PO4 換算で45g/l、表
5、6に示す有機重合体エマルジョンを固形分換算で8
0g/l、さらにコロイダルシリカをSiO2 換算で3
0g/l含有する樹脂クロメート組成物を建浴した。
【0045】(3)金属板の種類 クロメート処理を行う金属板として、EG(電気亜鉛め
っき鋼板)を用いた。 (4)クロメート処理方法 樹脂クロメート浴中に金属板を浸漬後、エアナイフによ
り付着量が金属Cr換算で50mg/m2 となるよう片
面処理し、板温80℃で乾燥した。膜厚は約0.7μm
であった。
【0046】(5)性能評価方法 以下の項目について性能評価を行った。 1)金属板の臭気:実施例1と同様の方法で試験し、判
定した。 2)浴安定性:樹脂クロメート浴を50℃の乾燥機に入
れ、ゲル化・沈降・分離等の異常が発生するまでの日数
を記録した。 3)平板耐食性:サンプルに5%、35℃の塩水を噴霧
したあとの錆発生面積率を調べた。なお、噴霧時間は8
日で、白錆発生面積率を測定した。 ◎ 錆発生なし 〇 錆発生率 5%未満 △ 錆発生率 5%以上、20%未満 × 錆発生率 20%以上
【0047】4)加工部耐食性:サンプル中央に高さ7
mmのエリクセン加工を施し、3)と同様に塩水噴霧試
験を行った後、加工部の錆発生面積率を調べた。なお、
噴霧時間は4日で、加工部の白錆発生面積率を測定し
た。 ◎ 錆発生なし 〇 錆発生率 5%未満 △ 錆発生率 5%以上、20%未満 × 錆発生率 20%以上
【0048】5)クロム溶出性:サンプルを沸騰水に3
0分浸漬し、その前後でのクロム付着量の変化率(ΔC
r=クロム減少量/初期のクロム付着量)を測定した。 ◎ ΔCr<5% 〇 5%≦ΔCr<10% △ 10%≦ΔCr<20% × 20%≦ΔCr
【0049】6)塗料二次密着性:サンプルにメラミン
アルキド塗料を20μm塗布、乾燥したのち、沸騰水に
30分浸漬した。ただちに碁盤目剥離試験(1mm碁盤
目10×10,テープ剥離)により、塗膜の剥離面積率
を調べた。なお、沸騰水浸漬を行わずに剥離試験を行う
と、いずれの樹脂を用いても塗料密着性(一次密着性)
は良好で、◎レベルであった。 ◎ 剥離率<5% 〇 5%≦剥離率<10% △ 10%≦剥離率<20% × 20%≦剥離率
【0050】7)耐アルカリ性:サンプルにpH10の
アルカリ性脱脂液を3分間スプレーした前後でのクロム
付着量の変化率(ΔCr=クロム減少量/初期のクロム
付着量)を測定した。 ◎ ΔCr<5% 〇 5%≦ΔCr<10% △ 10%≦ΔCr<20% × 20%≦ΔCr
【0051】8)色調:サンプルの黄色度YIを測定し
た。YIが小さいほど、白色均一外観を呈する。 ◎ YI<−1 〇 −1≦YI<1 △ 1≦YI<5 × 5≦YI
【0052】9)耐指紋性:サンプルに実指紋を押し、
その目立ち具合を目視で評価した。 ◎ 指紋の跡が全く判別できない 〇 指紋の跡がかすかに見える △ 指紋の跡が容易に見分けられる。 × 指紋の跡が遠目にも目立つ 結果を表7に示す。表より明らかなように、本発明品は
臭気の問題がなく、かつ浴安定性、平板耐食性、加工部
耐食性、塗料密着性、耐アルカリ性、色調、耐指紋性の
いずれにおいても優れる。
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】
【表7】
【0056】実施例4 (1)有機重合体の合成 実施例3と同様にして表5、表6に示す組成の有機重合
体を乳化剤を用いずに重合した。 (2)樹脂クロメート組成物 部分還元クロム酸(還元率40%)をCrO3 換算で5
0g/l、りん酸をH 3 PO4 換算で90g/l、表
5、6に示す有機重合体エマルジョンを固形分換算で1
20g/l、さらにコロイダルシリカをSiO2 換算で
50g/l含有する樹脂クロメート組成物を建浴した。
【0057】(3)金属板の種類 クロメート処理を行う金属板として、以下を用いた。 GI:溶融亜鉛めっき鋼板 GA:合金化溶融亜鉛めっき鋼板(Fe/Zn=15/
85) SZ:溶融亜鉛アルミニウム合金めっき鋼板(AL/Z
n=5/95)
【0058】(4)クロメート処理方法 リンガーロールにより付着量が金属Cr換算で65mg
/m2 となるよう処理し、板温80℃で乾燥した。膜厚
は約0.5μmであった。 (5)性能評価方法 実施例3と同様に評価した。結果を表8、9に示す。表
より明らかなように、本発明はいずれの金属板に適用し
た場合にも優れた性能を示し、かつ臭気の問題が無い。
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】実施例5 (1)有機重合体の種類 表5、表6より選んで用いた。 (2)樹脂クロメート組成物 部分還元クロム酸(還元率70%)をCrO3 換算で2
0g/l、りん酸をH 3 PO4 換算で50g/l、有機
重合体エマルジョンを固形分換算で140g/l含有す
る樹脂クロメート組成物を建浴した。 (3)金属板の種類 クロメート処理を行う金属板として、EG,GI,G
A,SZを用いた。
【0062】(4)クロメート処理方法 樹脂クロメート浴中に金属板を浸漬後、エアナイフによ
り付着量が金属Cr換算で100〜300mg/m2
なるよう片面処理し、板温60〜120℃で乾燥した。
膜厚は約1.7〜5μmであった。 (5)性能評価方法 実施例3と同様に評価した。結果を表10に示す。いず
れの金属板においても、板温90℃未満で乾燥する場合
には、有機重合体全体のTg totalが20℃以下
であることが必要である。一方、乾燥板温が90℃を越
えればこの限りでない。
【0063】
【表10】
【0064】実施例6 (1)有機重合体の種類 表5、表6より選んで用いた。 (2)樹脂クロメート組成物 部分還元クロム酸(還元率30%)をCrO3 換算で1
0g/l、りん酸をH 3 PO4 換算で30g/l、有機
重合体エマルジョンを固形分換算で200g/l、コロ
イダルシリカをSiO2 換算で20g/l含有する樹脂
クロメート組成物を建浴した。 (3)金属板の種類 クロメート処理を行う合金板として、EG,GI,G
A,SZを用いた。
【0065】(4)クロメート処理方法 ロールコーターにより付着量が金属Cr換算で3〜30
mg/m2 となるよう処理し、板温150℃で乾燥し
た。膜厚は約0.1〜1.3μmであった。 (5)性能評価方法 実施例3と同様に評価した。結果を表11に示す。いず
れの金属板においても、Cr付着量が5mg/m2以上
であれば優れた性能を示すことが分かる。
【0066】
【表11】
【0067】
【発明の効果】本発明により、クロメート処理浴中での
経時後ならびに当該処理浴により金属板を塗布・乾燥し
経時した後に、クロム酸化合物による樹脂成分の分解・
酸化に由来する腐敗臭を発生することなく、かつ、従来
技術的に両立することが困難であったクロメート処理浴
の安定性と処理を施された金属板のクロム溶出性、耐食
性をいずれも高いレベルで満足し、さらに塗料密着性、
耐アルカリ性、耐指紋性、色調均一性に優れた、樹脂ク
ロメート処理金属板を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 真 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1 号 新日本製鐵株式会社 技術開発本部 内 (72)発明者 伊崎 輝明 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新 日本製鐵株式会社 八幡製鐵所内 (72)発明者 林 公隆 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日 本製鐵株式会社 広畑製鐵所内 (72)発明者 鈴木 眞一 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵 株式会社 名古屋製鐵所内 (72)発明者 宮内 優二朗 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 吉田 健吾 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (72)発明者 高橋 智三 岡山県岡山市金岡東町3丁目1番10号 (72)発明者 小田島 壽男 岡山県岡山市金岡東町3丁目1番11号 (56)参考文献 特開 平5−247382(JP,A) 特開 平5−230666(JP,A) 特開 昭63−312369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 22/00 - 22/86 B05D 7/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)クロム酸水溶液中または/および
    クロメート皮膜中で炭素数が3〜7の低級モノカルボン
    酸を生成する成分の含有量が20重量%以下であるよう
    な有機重合体が水性媒体中に分散した有機重合体エマル
    ジョンと、(b)水溶性クロム化合物とを主成分とする
    臭気特性に優れた樹脂クロメート組成物。
  2. 【請求項2】 (a)成分の有機重合体がエチレン系不
    飽和化合物であって、さらに(c)鉱酸を含有すること
    を特徴とする請求項1記載の臭気特性に優れた樹脂クロ
    メート組成物。
  3. 【請求項3】 (a)成分のエチレン系不飽和化合物の
    うちの炭素数3〜7の低級モノカルボン酸を生成しない
    成分が、炭素数が1、2または8以上であって連鎖異性
    体を含む1級アルコールから合成されるエステルまたは
    /およびエーテル、任意の2級アルコールから合成され
    るエステルまたは/およびエーテル、任意の3級アルコ
    ールから合成されるエステルまたは/およびエーテルの
    うち1種または2種以上から成り、かつ炭素数が3〜7
    の低級モノカルボン酸を生成する成分が、炭素数が3〜
    7の連鎖異性体を含む1級アルコールから合成されるエ
    ステルまたは/およびエーテルであることを特徴とする
    請求項2記載の臭気特性に優れた樹脂クロメート組成
    物。
  4. 【請求項4】 (a)成分のエチレン系不飽和化合物の
    うちの炭素数3〜7の低級モノカルボン酸を生成しない
    成分が、アクリル酸エステルまたは/およびメタアクリ
    ル酸エステルであることを特徴とする請求項3記載の臭
    気特性に優れた樹脂クロメート組成物。
  5. 【請求項5】 (a)成分のエチレン系不飽和化合物が
    エチレン系不飽和カルボン酸成分を10重量%超、30
    重量%未満、水酸基含有単量体成分を5重量%未満含有
    することを特徴とする請求項3または4記載の臭気特性
    に優れた樹脂クロメート組成物。
  6. 【請求項6】 (a)成分のエチレン系不飽和化合物に
    おいて、下式で与えられるTg total値が−40
    ℃以上20℃以下であることを特徴とする請求項3〜5
    記載の臭気特性に優れた樹脂クロメート組成物。 【数1】 Tg totalは有機重合体全体のTg(ガラス転移
    温度)、Tgiはi成分のTg、 Φiはi成分の容積分率(重量分率とほぼ同一)、nは
    単量体成分の総数を表す。
  7. 【請求項7】 金属板上に、請求項1〜5記載の樹脂ク
    ロメート組成物の皮膜を、金属クロム換算で5〜300
    mg/m2 形成させたことを特徴とする表面処理金属
    板。
  8. 【請求項8】 金属板上に、請求項6記載の樹脂クロメ
    ート組成物を塗布し、板温90℃未満で乾燥させて、金
    属クロム換算で5〜300mg/m2 の皮膜を形成させ
    たことを特徴とする表面処理金属板。
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