JP3381589B2 - 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 - Google Patents

結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法

Info

Publication number
JP3381589B2
JP3381589B2 JP32846197A JP32846197A JP3381589B2 JP 3381589 B2 JP3381589 B2 JP 3381589B2 JP 32846197 A JP32846197 A JP 32846197A JP 32846197 A JP32846197 A JP 32846197A JP 3381589 B2 JP3381589 B2 JP 3381589B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
fiber
crystalline silicon
carbide fiber
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP32846197A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11158736A (ja
Inventor
敏弘 石川
義勝 原田
輝美 久行
泰彦 神徳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP32846197A priority Critical patent/JP3381589B2/ja
Publication of JPH11158736A publication Critical patent/JPH11158736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3381589B2 publication Critical patent/JP3381589B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い力学的特性、
並びに優れた耐熱性を有する、結晶性炭化ケイ素繊維に
関する。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素系繊維は、その優れた耐熱性
及び力学的特性を生かして、プラスチックス又はセラミ
ックスの強化繊維として利用されている。炭化ケイ素繊
維としては、比較的低い温度、例えば1300℃以下の
温度での加熱処理によって得られる、非晶質又は微結晶
質の繊維(以下この繊維を「非晶質炭化ケイ素繊維」と
言う。)が広く知られており、各種マトリックスの強化
繊維として実用に供されている。
【0003】この炭化ケイ素系無機繊維及びその製法に
ついては既に多くの提案がされている。例えば、特公昭
58−38535号公報には、ケイ素及び炭素を主な骨
格成分とする有機ケイ素重合体を紡糸し、紡糸繊維を酸
化雰囲気中で低温加熱して不融化し、不融化繊維を高温
焼成して炭化ケイ素繊維を製造する方法が開示されてい
る。また、特公昭62−52051号公報には、ケイ素
−炭素−チタン−酸素からなる炭化ケイ素系無機繊維が
開示されており、特公昭58−5286号公報には、ポ
リカルボシランのケイ素原子の一部をチタン原子と酸素
原子を介して結合されたポリチタノカルボシランを紡糸
し、紡糸繊維を不融化し、不融化繊維を焼成して、上記
のケイ素−炭素−チタン−酸素からなる炭化ケイ素系無
機繊維を製造する方法が開示されている。
【0004】上記の非晶質炭化ケイ素繊維を、焼結助剤
の作用のもとにさらに高温、例えば1500℃以上の温
度で加熱処理することにより、炭化ケイ素粒子を焼結さ
せた結晶性炭化ケイ素繊維の開発が行われている。そし
て、この結晶性炭化ケイ素繊維についても、いくつか提
案されている。例えば、米国特許5268336号明細
書には、ホウ素を0.2重量%以上含有する密度が2.
9g/cm3以上である、結晶性炭化ケイ素繊維が開示
されている。さらに、米国特許5366943号明細書
には、ケイ素、炭素、チタン及び/又はジルコニウム、
及びホウ素のような焼結助剤からなる結晶性炭化ケイ素
繊維が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】非晶質炭化ケイ素繊維
は、優れた耐熱性及び力学的特性を有している一方で、
耐アルカリ性が十分でないこと、及び1300℃を越え
る高温においては、繊維中の酸素がCOガス及び/又は
SiOとして脱離し、β−SiC結晶の急激な成長によ
る力学的特性の低下が生じることが指摘されている。
【0006】炭化ケイ素繊維の耐アルカリ性を試験する
方法が、ジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・
ソサイアティ、78[7]1992−96(1995)
に記載されている。この試験方法は、炭化ケイ素繊維を
塩化ナトリウムの室温における飽和水溶液に浸漬した後
乾燥し、ついで、空気中、1000℃で2時間加熱処理
した後に、その力学的特性を測定する方法(以下この方
法を「耐アルカリ試験」と言う。)である。
【0007】この耐アルカリ試験は、炭化ケイ素繊維の
NaClに対する耐久性を調べるために行われる加速試
験法である。この文献には、炭化ケイ素繊維を耐アルカ
リ試験法に供した場合、繊維が酸化による著しい分解を
受け、繊維表面には、トリジマイトの結晶相が生成し、
またその近傍ではβ−SiCの結晶粒の成長も認めら
れ、繊維の力学的特性に重大な悪影響を及ぼすことが記
載されている。
【0008】更に、前述の焼結炭化ケイ素粒子からなる
結晶性炭化ケイ素繊維は、1300℃を越える温度にお
いても優れた力学的特性を示す一方で、耐アルカリ性が
良好でないと言う、非晶質炭化ケイ素繊維と同様の解決
すべき課題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アルミニ
ウムとバナジウムをある特定割合で導入した有機ケイ素
重合体から得られる炭化ケイ素繊維は、1500℃以上
の高温で繊維中のSiC結晶が効果的に焼結し、アルミ
ニウムを単独で用いた場合に比較して、結晶子が微細化
しており、極めて高い強度並びに弾性率を有する結晶性
炭化ケイ素繊維を与えることを見出した。さらに、こう
して得られる結晶性炭化ケイ素繊維は、アルミニウムの
存在によって、優れた耐アルカリ性を示すことも明らか
となった。
【0010】本発明によれば、密度が2.7〜3.2g
/cm3の範囲であり、重量割合(合計で100重量
%)で、Si:55〜70%、C:28〜45%、A
l:0.06〜3.8%及びV:0.05〜4%からな
り、SiCの焼結構造からなる結晶性炭化ケイ素繊維が
提供される。また、本発明によれば、Alを0.04重
量%以上、Vを0.03重量%以上及びSiに対して余
剰の炭素を1〜11重量%含有する炭化ケイ素繊維を1
600〜2100℃の範囲内の温度で、不活性ガス中で
加熱処理することを特徴とする結晶性炭化ケイ素繊維の
製造方法が提供される。
【0011】本発明の結晶性炭化ケイ素連続長繊維につ
いてまず説明する。この結晶性炭化ケイ素繊維は、Si
Cの焼結構造からなり、密度が2.7〜3.2g/cm
3の範囲であり、極めて優れた力学的特性並びに優れた
耐アルカリ性を有している。本発明の結晶性炭化ケイ素
繊維は、ケイ素及び炭素を主成分とし、焼結助剤成分と
してのアルミニウムと、さらに加えられるバナジウムか
ら構成される。これら成分の好ましい割合は、Si:5
5〜70%、C:28〜45%、Al:0.06〜3.
8%、特に0.1〜2.5%及びV:0.05〜4%、
特に0.1〜3%である。
【0012】ここで、バナジウムの効果・必要性につい
て以下に述べる。本発明で用いる非晶質炭化ケイ素繊維
は、通常、余剰の炭素と酸素を含有している。これらの
多くは、結晶性炭化ケイ素繊維に変換する際の昇温過程
において、COガスとして脱離する。これは、主として
以下の反応式(1)によるものと考えられる。
【0013】 SiO2+3C=SiC+2CO−−−−−(1) 余剰の炭素並びに酸素の存在は、SiCの焼結に悪影響
を及ぼすことが知られていることから、上記昇温過程に
起こるCOガスの脱離は、極めて重要なものである。
尚、反応(1)の自由エネルギー変化が負に転じる温度
は1538℃で、同温度以上で上記反応(1)は優勢に
進行する。ところで、この反応が局所的に急激に進行し
た場合、SiCの粒成長を招き、より高温で起こるSi
Cの焼結に悪影響を与える場合がある。即ち、焼結を効
果的に起こすには、SiC結晶粒は、出来るだけ微細で
あることが好ましい。
【0014】繊維中のバナジウムは、SiC結晶粒の微
細化に極めて重要な役割を演じている。バナジウムの多
くは、本発明の非晶質炭化ケイ素繊維中では、酸素と結
合していると推定している。そして、前述の昇温過程に
おいては、以下の反応式(2)又は(3)に従って、繊
維中の余剰炭素と反応して炭化物を生成するものと考え
られる。
【0015】 V23+4C=V2C+3CO−−−−−−(2) V23+5C=2VC+3CO−−−−−−(3) 反応(2)及び(3)の自由エネルギー変化が負に転じ
る温度は、それぞれ1205℃及び1100℃である。
いずれも、上記(1)の反応よりも低温で起こることが
分かる。従って、反応(2)及び(3)により生成する
炭化バナジウムは、上記反応式(1)によるSiC結晶
の際の核として機能し、反応(1)の急激な進行を防
ぎ、SiC結晶の異常粒成長を抑制する。このように、
非晶質炭化ケイ素繊維中に存在するバナジウムは、結晶
性炭化ケイ素繊維に変換される前の段階のSiC結晶の
微細化に重要な働きをしており、結果として緻密な焼結
構造からなる、高強度・高弾性率の結晶性炭化ケイ素繊
維が得られたと考えている。
【0016】ところで、アルミニウムの割合が過度に少
ないと、SiC結晶の焼結性が低下し、また得られる結
晶性炭化ケイ素繊維の耐アルカリ性も低下する。逆に、
その割合が過度に高くなると、高温における力学的特性
が低下するようになる。一方、バナジウムの割合が過度
に少ないと、結晶核としての機能を十分に果たせなくな
り、またその割合が過度に多くなると、炭化バナジウム
の局所的な成長を引き起こし、力学的特性に悪影響を及
ぼすこととなる。
【0017】この結晶性炭化ケイ素繊維は、少量の酸素
及び余剰の炭素を含むことがあるが、いずれも2重量%
以下であることが好ましい。本明細書において余剰の炭
素とは、繊維中に含有されるSiに対してSiCとして
存在し得る化学量論的組成量を越えて存在する炭素を意
味する。この結晶性炭化ケイ素繊維の繊維径については
特別の制限はないが、通常は、50μm以下である。ま
た、繊維の形態は、チョップ状、連続長繊維、各種2次
元織物、各種3次元織物あるいは、フェルト形状物であ
っても良い。
【0018】次に、本発明の結晶性炭化ケイ素繊維の製
造方法について説明する。この結晶性炭化ケイ素繊維
は、Alを0.04〜3重量%、好ましくは、0.08
〜2.2重量%、Vを0.03〜3重量%、好ましく
は、0.06〜2.2重量%及びSiに対して余剰の炭
素を1〜11重量%、好ましくは1.5〜11重量%含
有する非晶質の炭化ケイ素繊維を、1600〜2100
℃の範囲内の不活性ガス中で加熱処理することによって
調製される。この不活性ガスとしては、主としてアルゴ
ンまたはヘリウムが用いられる。
【0019】非晶質炭化ケイ素繊維中のアルミニウムの
割合が3重量%を越えると、焼結後の繊維において、多
くのアルミニウムが焼結SiC結晶の粒界に第2相とし
て偏析するために、粒界破壊が優勢に起こるようになっ
て、高い強度が得られないと共に、高温における力学的
特性の低下が顕著になる。また、この繊維中のアルミニ
ウムの割合が0.04%未満であると、十分に焼結した
結晶性繊維が得られなくなる。非晶質炭化ケイ素繊維中
のバナジウムの割合が3重量%を越えると、炭化バナジ
ウムの局所的な成長を引き起こし、力学的特性に悪影響
を及ぼすこととなる。
【0020】また、この繊維中のバナジウムの割合が
0.03重量%未満であると、結晶核としての機能を十
分に果たせなくなり、十分な力学的特性が得られなくな
る。また、非晶質炭化ケイ素繊維は、酸素を8〜16重
量%含むことが好ましい。非晶質炭化ケイ素繊維を加熱
する際に、この酸素は前述の余剰炭素をCOガスとして
脱離させる働きを有している。非晶質炭化ケイ素繊維の
形態は、チョップ状繊維、連続長繊維、各種2次元織
物、各種3次元織物、或いはフェルト状物のいずれであ
っても良い。
【0021】上記非晶質炭化ケイ素繊維は、例えば、以
下のような方法で調製することができる。まず、例え
ば、「有機ケイ素化合物の化学」化学同人(1972
年)に記載されている方法に従って、1種類以上のジク
ロロシランをナトリウムによって脱塩素反応させて鎖状
又は環状のポリシランを調製する。ポリシランの数平均
分子量は通常300〜1000である。本明細書におい
て、ポリシランは、上記鎖状又は環状のポリシランを4
00〜700℃の範囲の温度に加熱することにより、あ
るいは上記鎖状又は環状のポリシランにフェニル基含有
ポリボロシロキサンを添加して250〜500℃の範囲
の温度に加熱することによって得られる、一部にカルボ
シラン結合を有するポリシランも包含する。ポリシラン
は、ケイ素の側鎖として、水素原子、低級アルキル基、
アリール基、フェニル基或いはシリル基を有することが
できる。
【0022】フェニル基含有ポリボロシロキサンは、特
公昭53−42330号公報及び同53−50299号
公報に記載されている方法に従い、ほう酸と1種類以上
のジオルガノクロロシランとの脱塩酸縮合反応によって
調製することができ、その数平均分子量は通常500−
10000である。
【0023】次いで、ポリシランに対して、アルミニウ
ムのアルコキシド、アセチルアセトキシド化合物、カル
ボニル化合物、又はシクロペンタジエニル化合物から選
ばれる化合物と、バナジウムのアセチルアセトキシド化
合物や塩化物等から選ばれる化合物の所定量を添加し、
不活性ガス中、通常250〜350℃の範囲の温度で1
〜10時間反応することにより、紡糸原料である変成有
機ケイ素重合体を調製することができる。アルミニウム
化合物及びバナジウム化合物の使用量は、ポリシラン1
g当たり、それぞれ通常0.14〜0.86ミリモル及
び0.07〜0.46ミリモルである。
【0024】上記、変成有機ケイ素重合体を、溶融紡
糸、乾式紡糸のようなそれ自体公知の方法によって紡糸
して、紡糸繊維を調製する。次に、この紡糸繊維を不融
化処理して不融化繊維を調製する。不融化方法として
は、一般に行われている空気中での加熱、或いは空気中
での加熱と不活性ガス中での加熱を組み合わせた方法が
好ましく採用され得る。
【0025】不融化繊維を、窒素、アルゴンのような不
活性ガス中、800℃から1500℃の範囲の温度で加
熱処理して、本発明の結晶性炭化ケイ素繊維の前駆繊維
である、非晶質炭化ケイ素繊維が調製される。最後に、
前述したように、非晶質炭化ケイ素繊維を1600〜2
100℃の範囲の温度に加熱することによって、本発明
の結晶性炭化ケイ素繊維が調製される。不融化繊維から
の非晶質炭化ケイ素繊維の調製及びこの繊維からの結晶
性炭化ケイ素繊維の調製は、それぞれ、独立に行うこと
もでき、連続的に一貫して行うこともできる。
【0026】
【実施例】本発明のより良い理解のために以下に実施例
及び比較例を示す。 参考例1 ナトリウム400gを含有する無水キシレンに、窒素ガ
ス気流下にキシレンを加熱還流させながら、ジメチルジ
クロロシラン1lを滴下し、引き続き10時間加熱還流
し沈殿物を生成させた。この沈殿をろ過し、メタノー
ル、次いで水で洗浄して、白色のポリジメチルシラン4
20gを得た。
【0027】参考例2 ジフェニルジクロロシラン750g及びホウ酸124g
を窒素ガス雰囲気下にn−ブチルエーテル中、100〜
120℃で加熱し、生成した白色樹脂状物をさらに真空
中400℃で1時間加熱することによって、フェニル基
含有ポリボロシロキサン530gを得た。
【0028】実施例1 参考例1で得られたポリジメチルシラン100重量部
を、窒素ガス雰囲気中、470℃で4時間熱縮合して、
高分子量のポリカルボシランを得た。このポリカルボシ
ラン100重量部を溶解したキシレン溶液に、アルミニ
ウム−トリ−(sec−ブトキシド)を4重量部及びバ
ナジウム(III)アセチルアセトネート5重量部を加え、
窒素ガス気流下に310℃で架橋反応させることによっ
て、アルミニウム並びにバナジウムが導入された変成ポ
リカルボシランを得た。
【0029】この変成ポリカルボシランを245℃で溶
融紡糸した後、空気中165℃で6時間加熱処理した
後、これを更に窒素中300℃で10時間加熱して不融
化繊維を得た。この不融化繊維を窒素中1250℃で連
続焼成し、非晶質炭化ケイ素繊維を合成した。この非晶
質炭化ケイ素繊維の化学組成は、Si:53wt%、C:
33.2wt%、O:13wt%、Al:0.4wt%、V:
0.3wt%であった。
【0030】得られた非晶質炭化ケイ素繊維を1850
℃のアルゴン中で連続加熱処理して結晶性炭化ケイ素繊
維を合成した。得られた炭化ケイ素系連続無機繊維の化
学組成は、Si:67.75wt%、C:31wt%、O:
0.25wt%、Al:0.5wt%、V:0.4wt%、
で、原子比でSi:C:O:Al:V=1:1.07:
0.006:0.0077:0.0038であった。こ
の無機繊維の引張り強度は3.2GPa、弾性率は33
0GPaで、密度は3.01g/cm3であり、緻密な
SiCの結晶構造からなっていた。この繊維を飽和食塩
水(NaClの35wt%水溶液)に浸漬後、乾燥し、
1000℃の空気中で2時間加熱処理した際の強度及び
弾性率はそれぞれ2.5GPa及び310GPaで、初
期強度の78%を保持していた。
【0031】比較例1 参考例1で得られたポリジメチルシラン100重量部
を、窒素ガス雰囲気中、470℃で4時間熱縮合して、
高分子量のポリカルボシランを得た。このポリカルボシ
ラン100重量部を溶解したキシレン溶液に、アルミニ
ウム−トリ−(sec−ブトキシド)10重量部を加
え、窒素ガス気流下に320℃で架橋反応させることに
よって、ポリアルミノカルボシランを得た。この変成ポ
リアルミノカルボシランを255℃で溶融紡糸した後、
空気中150℃で6時間加熱処理した後、これを更に窒
素中300℃で10時間加熱して不融化繊維を得た。こ
の不融化繊維を窒素中1400℃で連続焼成し、非晶質
炭化ケイ素繊維を合成した。この非晶質炭化ケイ素繊維
を1800℃のアルゴン中で連続加熱処理して結晶性炭
化ケイ素繊維を合成した。
【0032】得られた炭化ケイ素系連続無機繊維の化学
組成は、Si:66wt%、C:32wt%、O:0.3wt
%、Al:1.1wt%であり、原子比でSi:C:O:
Al=1:1.13:0.013:0.017であっ
た。この無機繊維の引張り強度は1.8GPa、弾性率
は294GPaで、バナジウムが共存する実施例1の繊
維に比較して、低い値を示した。この繊維を飽和食塩水
(NaClの35wt%水溶液)に浸漬後、乾燥し、1
000℃の空気中で2時間加熱処理した際の強度及び弾
性率はそれぞれ1.3GPa及び245GPaで、初期
強度の72%を保持していた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−147827(JP,A) 特開 平8−113830(JP,A) 特開 平11−36142(JP,A) 特開 昭52−103529(JP,A) 特開 昭57−56522(JP,A) 特開 平2−34565(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 9/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密度が2.7〜3.2g/cm 3 の範囲
    あり、重量割合(合計で100重量%)で、Si:55
    〜70%、C:28〜45%、Al:0.06〜3.8
    %及びV:0.05〜4%からなり、SiCの焼結構造
    からなることを特徴とする結晶性炭化ケイ素繊維。
  2. 【請求項2】Alを0.04〜3重量%、Vを0.03
    〜3重量%及びSiに対して余剰の炭素を1〜11重量
    %含有する炭化ケイ素繊維を、1600〜2100℃の
    範囲内の不活性ガス中で加熱処理することを特徴とする
    結晶性炭化ケイ素繊維の製造方法。
JP32846197A 1997-11-28 1997-11-28 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3381589B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32846197A JP3381589B2 (ja) 1997-11-28 1997-11-28 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32846197A JP3381589B2 (ja) 1997-11-28 1997-11-28 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11158736A JPH11158736A (ja) 1999-06-15
JP3381589B2 true JP3381589B2 (ja) 2003-03-04

Family

ID=18210534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32846197A Expired - Lifetime JP3381589B2 (ja) 1997-11-28 1997-11-28 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3381589B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6884516B2 (ja) * 2016-06-13 2021-06-09 東芝エネルギーシステムズ株式会社 SiC焼結体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11158736A (ja) 1999-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Takeda et al. Effect of hydrogen atmosphere on pyrolysis of cured polycarbosilane fibers
US5945362A (en) Silicon carbide fiber having excellent alkali durability
EP1300491B1 (en) Process for the production of a silicon carbide fiber having boron nitride layer in fiber surface
JP3244020B2 (ja) 炭化ケイ素系無機繊維及びその製造方法
JP3381589B2 (ja) 結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法
JP3417459B2 (ja) 耐アルカリ性の良好な結晶性炭化ケイ素繊維及びその製造方法
JP3279134B2 (ja) 高耐熱セラミックス繊維及びその製造方法
WO2001038616A1 (fr) Polymere de silicium organique, fibre inorganique avec base de carbure de silicium, et procede de fabrication correspondant
JP3381575B2 (ja) 結晶性炭化ケイ素系繊維の不織布又は織物及びその製造方法
JP3279144B2 (ja) 高耐熱性セラミックス繊維及びその製造方法
CN1142332C (zh) 一种制备碳化硅纤维或织物的方法
JPH11286833A (ja) 結晶性炭化ケイ素系繊維の製造方法
US20050031866A1 (en) Silicon carbide fiber having boron nitride layer in fiber surface and process for the production thereof
JP3279126B2 (ja) 無機繊維及びその製造方法
US7005184B2 (en) Silicon carbide fiber having boron nitride layer in fiber surface and process for the production thereof
JP3367002B2 (ja) 改質無機繊維の製造方法
JPH06146115A (ja) 無機長繊維
JP2792592B2 (ja) 無機繊維強化セラミック複合材料
JPH0757715B2 (ja) 繊維強化炭素質複合材料
JP2514253B2 (ja) シリコンカ―バイド系成形物及びその製造法
JPH0781232B2 (ja) 複合材料用繊維体並びにその製造方法
JPH0737696B2 (ja) 複合材料用繊維体並びにその製造方法
JPH08337929A (ja) 高耐熱・高熱伝導性セラミックス連続長繊維及びその製法
JPH0757710B2 (ja) 炭素系無機繊維強化セラミックス複合材料
GB2319022A (en) Preparation of substantially polycrystalline silicon carbide fibres

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121220

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121220

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131220

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term