JP3377770B2 - 制振構造の構築方法 - Google Patents

制振構造の構築方法

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JP3377770B2 JP2000041552A JP2000041552A JP3377770B2 JP 3377770 B2 JP3377770 B2 JP 3377770B2 JP 2000041552 A JP2000041552 A JP 2000041552A JP 2000041552 A JP2000041552 A JP 2000041552A JP 3377770 B2 JP3377770 B2 JP 3377770B2
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、制振構造構築方
法に関し、特に、履歴減衰付加型ダンパー及び粘性減衰
付加型ダンパーを用いた複合型の制振構造構築方法に
関する。 【0002】 【背景技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
制振用のダンパーとして、履歴減衰付加型ダンパーと粘
性減衰付加型ダンパーが知られている。 【0003】履歴減衰付加型ダンパーは、柱の中間部に
取り付けられた状態で、大地震時にダンパー部が塑性変
形をして地震入力エネルギーを吸収するようになってい
る。 【0004】この履歴減衰付加型ダンパーが効力を発揮
するためには、大きな塑性変形が必要であり、風揺れ等
による振動には効果が少ないことが知られている。 【0005】反対に、粘性減衰付加型ダンパーは、風揺
れや小地震に対して建物の振動を抑えるのに有効である
ことが知られている。 【0006】ここでいう粘性減衰付加型ダンパーは、例
えば、オイルダンパーや粘弾性ダンパーであり、減衰力
が速度に依存する特性を有している。 【0007】このため、微少振幅から大振幅まで効率よ
く建物の振動エネルギーを吸収するためには、履歴減衰
付加型ダンパーと粘性減衰付加型ダンパーとを配置する
ことが有効である。 【0008】しかし、履歴減衰付加型ダンパーと粘性減
衰付加型ダンパーとを制振用のダンパーとして配置する
と、配置数が多くなり建物の構面における装置の占有面
積が大きくなり建築計画上支障をきたす。 【0009】例えば、高層の建物の場合、コア部分の構
面に制振用ダンパーを組み込むようにしており、しか
も、このコア部分には避難階段やエレベータあるいは収
納庫等が設けられることが多く、このコア部分の構面に
占有面積の大きな制振用ダンパーを組み込むと、構面に
出入口用のスペースを確保することが困難となることが
ある。 【0010】本発明の目的は、履歴減衰付加型ダンパー
及び粘性減衰付加型ダンパーを構面における装置の占有
面積を集約した状態で取り付け、構面にスペースを確保
し、個々に配置するよりも配置数を減らすことができ、
しかも、微少振幅から大振幅まで効率よく建物の振動エ
ネルギーを吸収することができる制振構造を効率よく構
築することのできる制振構造の構築方法を提供すること
にある。 【0011】 【0012】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の制振構造の構築方法は、建築物の上下梁及
び左右柱に囲まれた空間に複数のブロック状部材からな
る取付け部材を用いて履歴減衰付加型ダンパーと粘性減
衰付加型ダンパーとを組み込んだ制振構造の構築方法で
あって、前記履歴減衰付加型ダンパー及び粘性減衰付加
型ダンパーの少なくとも一方を取り付ける下側の前記ブ
ロック状部材を予め下梁の上面に取り付けておき、その
状態で、前記下梁を構築する工程と、前記履歴減衰付加
型ダンパー及び粘性減衰付加型ダンパーの少なくとも他
方を取り付ける上側の前記ブロック状部材を予め上梁の
下面に取り付けておき、その状態で、前記上梁を構築す
る工程と、前記下側及び上側のブロック状部材の少なく
とも一方に前記履歴減衰付加型ダンパーを他方側の前記
下梁及び上梁の一方に取付け部材を介して連結した状態
で取り付け、前記下側及び上側のブロック状部材の他方
に前記粘性減衰付加型ダンパーの一端を取り付け、他端
を直接または前記履歴減衰付加型ダンパー用の取付け部
材を介して間接的に前記下梁及び上梁の他方に取り付け
る工程と、を含むことを特徴とする。 【0013】 【0014】 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】 【0020】 【0021】 【0022】 【0023】 【0024】 【0025】 【0026】 【0027】 【0028】 【0029】 【0030】本発明によれば、下梁の構築時に取付部材
を構成する下側のブロック状部材を同時に構築し、上梁
の構築時に上側のブロック状部材を同時に構築し、さら
に下側及び上側のブロック状部材が取り付けられた状態
で履歴減衰付加型ダンパー及び粘性減衰付加型ダンパー
を取り付けるようにすることで、重量の重い取付け部材
や各ダンパーを効率よく構築することが可能である。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して詳細に説明する。 【0032】図1〜図5は、本発明の第1の実施の形態
に係る制振構造を示す図である。 【0033】図1は、本発明の制振構造を用いた建物の
概略横断面図を示しており、この建物10は、図5に示
すように、外周に複数の柱12が設けられ、中央にコア
14が設けられ、このコア14の内側が避難階段16と
されている。 【0034】なお、コア14には、例えばエレベータや
収納庫等が設けられる場合もある。 【0035】そして、このコア14の構面18に制振構
造20が設けられるようになっている。 【0036】この制振構造20は、図1に示すように、
左右一対の柱22と、下梁24及び上梁26とで形成さ
れる構面18内に履歴減衰付加型ダンパー28と、粘性
減衰付加型ダンパー30とが組み込まれるようになって
いる。 【0037】履歴減衰付加型ダンパー28は、いわゆる
制震パネルと称されるもので、図3に示すように、上下
一対のベースプレート32a間に剪断パネル34を設
け、この剪断パネル34を複数の縦フランジ36及び横
リブ38にて補強した状態となっており、層間に発生す
る剪断力によって剪断パネル34が降伏することで剪断
時のエネルギーを吸収し得るようになっている。 【0038】なお、剪断パネル34の面積の大きさによ
っては、横リブ38を必要としない場合がある。 【0039】取付方法としては、図3(1)のように、
ベースプレート32aと第1の取付け部材40の取付け
プレート32bをボルト32cで接合するか、図3
(2)のように、ベースプレート32aから取付けのた
めのフランジ32d、ウェブ32eを突出させ、同様
に、第1の取付け部材40の取付けプレート32からも
フランジ32h、ウェブ32i突出させ、これらに接合
プレート32fをボルト32gにより接合することも可
能である。 【0040】このようにすると、ベースプレート32a
が多少変形しても、スムーズな取り換え、取付けが可能
となる。 【0041】また、本実施の形態では、図3(1)に示
すように、ベースプレート32a及び縦フランジ36を
横リブ38よりも厚肉に形成して、軸力を負担可能にす
ることで、架構の変形時に柱22に垂直方向に作用する
分力が上梁26に剪断力として作用するのを防止して、
梁を大きくすることなく剪断力に対抗できるようにして
いる。 【0042】粘性減衰付加型ダンパー30は、オイルダ
ンパーや粘弾性ダンパー等の減衰力が速度に依存する特
性をもっており、例えばオイルダンパーは、内部に設け
られたオイルの粘性により振動エネルギーを吸収できる
ようになっており、粘弾性ダンパーは内部の粘弾性部材
により振動エネルギーを吸収できるようになっている。 【0043】そして、履歴減衰付加型ダンパー28は、
第1の取付け部材40及び共通取付け部材42によって
下梁24と上梁26にわたって取り付けられるようにな
っており、第1の取付け部材40は、2つの鉄骨製のブ
ロック状部材40a、40bにて構成され、履歴減衰付
加型ダンパー28は、このブロック状部材40a、40
bの間に取り付けられた状態となっている。 【0044】共通取付け部材42は、鉄骨製の1つのブ
ロック部材にて構成されるようになっている。 【0045】粘性減衰付加型ダンパー30は、第2の取
付け部材44と共通取付け部材42とにより上梁26に
取り付けられた状態となっている。 【0046】第2の取付け部材44は、鉄骨製の3つの
ブロック状部材44a、44b,44cにより構成さ
れ、粘性減衰付加型ダンパー30は、一端がブロック状
部材44cに取り付けられ、他端が第1の取付け部材4
0のブロック状部材40aに取り付けられるようになっ
ている。 【0047】これらブロック状部材40a、40b、4
4a、44b、44cは、下梁24及び上梁26間で垂
直方向に伸びるように取り付けられており、第1の取付
け部材40と左側の柱22との間及び第2の取付け部材
44と右側の柱22との間の双方に、下梁24及び上梁
26の全高にわたる空間46を残して取り付けられ、こ
の空間46を避難階段16に対する出入口等の必要な開
口部として用いることができるようにしている。 【0048】また、この制振構造では、履歴減衰付加型
ダンパー28と粘性減衰付加型ダンパー30とが並列状
に配置された状態となっており、層間に発生する剪断力
を、履歴減衰付加型ダンパー28を通る力の流れと、粘
性減衰付加型ダンパー30を通る力の流れに別れるよう
にされている。 【0049】この履歴減衰付加型ダンパー28と粘性減
衰付加型ダンパー30のエネルギー減衰効果を図2に比
較して示す。 【0050】粘性減衰付加型ダンパー30は、風揺れや
小地震時に大きく効果を発揮し、履歴減衰付加型ダンパ
ー28は、大地震に大きく効果を発揮するようになって
おり、このように並列状の配置とすることにより建物が
地震等により変形するときにそれぞれ異なった領域で制
振効果を有効に発揮させることができ、経済的な配置と
している。 【0051】また、図4には、各層の構面18に制振構
造20を配置した状態を示しており、(1)において
は、構面18の左右方向中央位置に制振構造20を配置
し、この制振構造20の両側にそれぞれ空間46を配置
した状態を示している。 【0052】(2)では、構面18の制振構造20の片
側を大きく空間46として確保した状態を示している。 【0053】さらに(3)では、構面18の制振構造2
0の片側に大きな空間46を確保した状態で各層間にお
いてちどり状に空間を確保した状態を示している。 【0054】このような配置とすることで、出入口等の
開口部計画の自由度を増すようにすることが可能であ
る。 【0055】図6は、本発明の第2の実施の形態に係る
制振構造を示す図である。 【0056】本実施の形態では、履歴減衰付加型ダンパ
ー28を取り付ける第1の取付け部材40の下梁24側
のブロック状部材40aの下部を、上梁26側の共通取
付け部材42と同様な長さに設定し、第2の取付け部材
44の下端部に粘性減衰付加型ダンパー30の一端を取
付け、他端を延長したブロック状部材40a上に取り付
けるようにしている。 【0057】このような構成とすることで、粘性減衰付
加型ダンパー30の取付けを前記実施の形態よりも容易
にしている。 【0058】なお、第2の取付け部材44は、1つのブ
ロック状部材にて構成されている。 【0059】他の構成及び作用は、前記第1の実施の形
態と同様につき説明を省略する。 【0060】図7は、本発明の第3の実施の形態に係る
制振構造を示す図である。 【0061】本実施の形態では、下梁24及び上梁26
のそれぞれに所定長さのブロック状の共通取付け部材4
2を取付け、その一方側に第1の取付け部材40を介し
て履歴減衰付加型ダンパー28を取付け、他方側に第2
の取付け部材44を介して粘性減衰付加型ダンパーとし
て幅広壁状の粘弾性ダンパー50を取り付けることで、
前記各実施の形態と同様の機能を持たせるようにしてい
る。 【0062】他の構成及び作用は、前記各実施の形態と
同様につき説明を省略する。図8は、本発明の第4の実
施の形態に係る制振構造を示す図である。 【0063】本実施の形態では、下梁24及び上梁26
のそれぞれに所定長さのブロック状のRC製共通取付け
部材52を取付け、その一方側に鉄骨製の第1の取付け
部材40を介して粘性減衰付加型ダンパー28を取付
け、他方側に鉄骨製の第2の取付け部材44を介して粘
性減衰付加型ダンパー30を取り付けることで、RC構
造物への設置が同様にできるようにしている。 【0064】他の構成及び作用は、前記各実施の形態と
同様につき説明を省略する。 【0065】図9は、本発明の第5の実施の形態に係る
制振構造を示す図である。 【0066】本実施の形態では、下梁24及び上梁26
のそれぞれに所定長さのブロック状の共通取付け部材4
2を取り付け、その両側に第1の取付け部材40を介し
て履歴減衰付加型ダンパー28を一対取り付け、中央側
に第2の取付け部材44を介して粘性減衰付加型ダンパ
ー30を取り付けることで、一対の履歴減衰付加型ダン
パー28と粘性減衰付加型ダンパー30とを並列状に配
置するようにしている。 【0067】このような制振構造による場合には、粘性
減衰付加型ダンパー30の両側に位置する履歴減衰付加
型ダンパー28が粘性減衰付加型ダンパー30の回転を
拘束し、効果的な負荷を生じさせ、粘性減衰付加型ダン
パー30に、より大きなエネルギー吸収を期待すること
ができるようになっている。 【0068】また、この制振構造においても、前記実施
の形態と同様に、制振構造20の両側に下梁24及び上
梁26の全高にわたる空間46を確保するようにしてい
る。 【0069】他の構成及び作用は、前記実施の形態と同
様につき説明を省略する。 【0070】図10は、本発明の第6の実施の形態に係
る制振構造を示す図である。 【0071】この制振構造20は、図9の制振構造にお
ける共通取付け部材42を省略し、中央部の粘性減衰付
加型ダンパー30を下梁24及び上梁26に取り付けた
第2の取付け部材44にて取り付け、その両側で、第1
の取付け部材を介し下梁24及び上梁26に履歴減衰付
加型ダンパー28を取り付けるようにすることで、取付
け部材を少ない材料で構成するようにしている。 【0072】他の構成及び作用は、前記実施の形態と同
様につき説明を省略する。 【0073】図11及び図12は、本発明の第7の実施
の形態に係る制振構造を示す図である。 【0074】本実施の形態における制振構造20は、上
梁26に第1の取付け部材40を介して履歴減衰付加型
ダンパー28を取り付けている。 【0075】粘性減衰付加型ダンパー30は、第2の取
付け部材44を介して一端が下梁24に取り付けられ、
他端が第1の取付け部材40の先端(下端)に取り付け
られるようになっている。 【0076】従って、履歴減衰付加型ダンパー28と、
粘性減衰付加型ダンパー30とは、直列状に配置され、
相互間に発生する剪断力が履歴減衰付加型ダンパー28
と、粘性減衰付加型ダンパー30の1つのルート上を流
れるようにされている。 【0077】この粘性減衰付加型ダンパー30と、履歴
減衰付加型ダンパー28の減衰力の状態をそれぞれ図1
2(1)及び(2)に示す。 【0078】粘性減衰付加型ダンパー30は、(1)に
示すように、変形速度が早くなると、多くのエネルギー
を吸収するようになっており、履歴減衰付加型ダンパー
28は、(2)に示すように、変形が大きくなると多く
のエネルギーを吸収するようになっている。 【0079】また、粘性減衰付加型ダンパー30は、所
定のリリーフ荷重がかかると、リリーフ弁によりオイル
を解放するようになっており、粘性減衰付加型ダンパー
30の安全性を維持するようになっている。 【0080】そこで、粘性減衰付加型ダンパー30のリ
リーフ荷重付近に履歴減衰付加型ダンパー28の最大耐
力を設定しておけば、それ以上の力が粘性減衰付加型ダ
ンパー30に流れず、粘性減衰付加型ダンパー30に過
大な力を発生させないようにすることができる。 【0081】このような構成とすることにより、粘性減
衰付加型ダンパー30の中枢であるリリーフ弁なしの安
価な粘性減衰付加型ダンパー30を使用することができ
る。 【0082】また、地震後は、安価な履歴減衰付加型ダ
ンパー28のみを取り替えるだけでよく、安価な構成と
することができる。 【0083】粘性減衰付加型ダンパー30として、粘弾
性ダンパーを用いた場合、限界負担荷重以下に履歴減衰
付加型ダンパー28の最大耐力を設定しておけば、それ
以上の力が粘性減衰付加型ダンパーに流れず、高価な粘
性減衰付加型ダンパー30を破壊させないですますこと
ができる。 【0084】これにより、安価な履歴減衰付加型ダンパ
ーのみを交換するだけでよいので経済的となる。 【0085】他の構成及び作用は、前記各実施の形態と
同様につき説明を省略する。 【0086】図13は、本発明の第8の実施の形態に係
る制振構造を示す図である。 【0087】本実施の形態に係る制振構造20は、図1
に示す制振構造における第1の取付け部材40によって
取り付けられた履歴減衰付加型ダンパー28に加え、第
2の取付け部材44の途中位置にさらに履歴減衰付加型
ダンパー48を取り付け、この履歴減衰付加型ダンパー
48と粘性減衰付加型ダンパー30とを直列状に配置す
るとともに、履歴減衰付加型ダンパー28と粘性減衰付
加型ダンパー30を並列状に配置した状態としている。 【0088】これによって層間に発生する剪断力が、履
歴減衰付加型ダンパー28を通るルートと、履歴減衰付
加型ダンパー48と粘性減衰付加型ダンパー30とを通
るルートに分けるようにしている。 【0089】このような構成とすることにより、履歴減
衰付加型ダンパー28と履歴減衰付加型ダンパー48の
耐力を変えて、例えば履歴減衰付加型ダンパー28を履
歴減衰付加型ダンパー48よりも大きくし、粘性減衰付
加型ダンパー30のリリーフ荷重付近を履歴減衰付加型
ダンパー48の最大耐力とし、それ以上の力が粘性減衰
付加型ダンパー30に加らないような構造とすることが
できる。 【0090】これによって、粘性減衰付加型ダンパー3
0の中枢であるリリーフ弁なしの安価なものを使用する
ことができ、地震後は、安価な履歴減衰付加型ダンパー
28、48のみを取り替えるだけでよいようにすること
ができる。 【0091】このことは、粘性減衰付加型ダンパー30
として粘弾性ダンパーを用いた場合は、履歴減衰付加型
ダンパー28の最大耐力を限界負担荷重以下に設定して
おくことにより、粘弾性ダンパーの破壊を防止できる安
価な履歴ダンパーを取り替えるだけでよい。 【0092】他の構成及び作用は、前記実施の形態と同
様につき説明を省略する。 【0093】次に、この図13に示す制振構造20を構
築する方法について図14及び図15を参照して説明す
る。 【0094】まず、このような建物10を構築する場
合、下梁24を構築した後、左右の柱22を立設し、こ
の柱22上に上梁26を構築するようにしている。 【0095】そして、下梁24を構築する際、図14に
示すように、下梁24の上面に第1の取付け部材40の
ブロック部材40aを予め取り付けて、下梁を構築す
る。 【0096】次いで、図15に示すように、上梁26の
下面に、共通取付け部材42、第1の取付け部材40を
構成するブロック部材40b、第2の取付け部材44を
構成するブロック状部材44a、44bを予め取り付け
ておき、その状態で上梁26を構築する。 【0097】この状態で、第1の取付け部材40を構成
するブロック状部材44a、44b間に履歴減衰付加型
ダンパー28を取付け、第2の取付け部材44を構成す
るブロック状部材44bの下端に履歴減衰付加型ダンパ
ー48及びブロック状部材44cを取付け、このブロッ
ク状部材44cと第1の取付け部材40を構成するブロ
ック状部材40aとの間に粘性減衰付加型ダンパー30
を取り付けることにより図13のような重量物である制
振構造20を容易、かつ、確実に構築することができ
る。 【0098】なお、共通取付け部材を下梁にも有する場
合には、下梁施工時に予め下梁に共通取付け部材を取り
付けておくようにする。また、上下梁いずれにも共通取
付け部材を用いない場合には、直接第1、第2の取付け
部材を予め上下梁に取付けて施工するものである。 【0099】図16は、本発明の第9の実施の形態に係
る制振構造20を示す図である。 【0100】この制振構造20は、第1の取付け部材4
0を下梁24及び上梁26に取付け、この第1の取付け
部材40の上下方向途中位置に履歴減衰付加型ダンパー
28を取付け、下梁24、上梁26と、左側の柱22
と、第1の取付け部材40によって囲まれる空間の対角
位置に第2の取付け部材44を取付けるようにしてい
る。 【0101】そして、粘性減衰付加型ダンパー30を第
2の取付け部材44によって前記空間の対角線上に取り
付けるようにすることで、第1の取付け部材40と右側
の柱22との間に下梁24及び上梁26の全高にわたる
大きな空間46を形成するようにしている。 【0102】このように、粘性減衰付加型ダンパー30
を前記空間の対角線上に取り付けることで、粘性減衰付
加型ダンパー30の取付けスペースを左右方向で小さく
することができ、空間46の確保に有効なものとするこ
とができる。 【0103】他の構成及び作用は、前記実施の形態と同
様につき説明を省略する。 【0104】図17は、本発明の第10の実施の形態に
係る制振構造を示す図である。 【0105】本実施の形態に係る制振構造20は、下梁
24及び上梁26にわたって左右一対の第1の取付け部
材40をそれぞれ取付け、その一対の第1の取付け部材
の途中位置にそれぞれ履歴減衰付加型ダンパー28を取
付けている。 【0106】そして、第2の取付け部材44を、下梁2
4、上梁26と、一対の第1の取付け部材40によって
囲まれる空間の対角位置に取付け、粘性減衰付加型ダン
パー30を第2の取付け部材44によって前記空間の対
角線上に取付けることで、一対の第1の取付け部材40
と左右の柱22との間にそれぞれ下梁24及び上梁26
の全高にわたる空間46をそれぞれ形成するようにして
いる。 【0107】他の構成及び作用は、前記実施の形態と同
様につき説明を省略する。 【0108】本発明は、前記各実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の形
態に変形可能である。 【0109】前記各実施の形態において、第1の取付け
部材及び第2の取付け部材の取付け位置は上下または左
右逆の状態であっても同様の作用効果を発揮することが
できる。 【0110】また、前記第9及び第10の実施の形態に
おいては、粘性減衰付加型ダンパーとして所定長さの粘
弾性ダンパーを用いることによっても同様の効果が得ら
れる。 【0111】さらに、この第9、第10の実施例のよう
に粘性減衰付加型ダンパーを対角線に配置する場合に
は、縦フランジの厚さを大きくすると柱に生じる軸力を
効果的に処理できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施の形態に係る制振構造を示
す正面図である。 【図2】図1の粘性減衰付加型ダンパーと履歴減衰付加
型ダンパーそれぞれの効果を発揮する制振領域の分布の
一例を示す図である。 【図3】図1の履歴減衰付加型ダンパーを示す拡大正面
図である。 【図4】(1)〜(3)はそれぞれ構面における制振構
造の配置状態を示す説明図である。 【図5】本発明の建物の概略横断面図である。 【図6】本発明の第2の実施の形態に係る制振構造を示
す正面図である。 【図7】本発明の第3の実施の形態に係る制振構造を示
す正面図である。 【図8】本発明の第4の実施の形態に係る制振構造を示
す正面図である。 【図9】本発明の第5の実施の形態に係る制振構造を示
す正面図である。 【図10】本発明の第6の実施の形態に係る制振構造を
示す正面図である。 【図11】本発明の第7の実施の形態に係る制振構造を
示す正面図である。 【図12】(1)は、粘性減衰付加型ダンパーの速度と
減衰力の関係を示す特性図であり、(2)は、履歴減衰
付加型ダンパーの変形と減衰力の関係を示す特性図であ
る。 【図13】本発明の第8の実施の形態に係る制振構造を
示す正面図である。 【図14】図12の制振構造を構築する場合の下梁の構
築工程を示す図である。 【図15】図14の状態から上梁を構築する工程を示す
正面図である。 【図16】本発明の第9の実施の形態に係る制振構造を
示す正面図である。 【図17】本発明の第10の実施の形態に係る精神構造
を示す正面図である。 【符号の説明】 10 建物 14 コア 16 避難階段 18 構面 20 制振構造 22 柱 24 下梁 26 上梁 28、48 履歴減衰付加型ダンパー 30 粘性減衰付加型ダンパー 32a ベースプレート 34 剪断パネル 36 縦フランジ 38 横リブ 40 第1の取付け部材 44 第2の取付け部材 46 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−324557(JP,A) 特開 平9−328925(JP,A) 特開 平7−207984(JP,A) 特開 平11−270178(JP,A) 特開 平8−93265(JP,A) 特開 平9−324556(JP,A) 特開 平10−102818(JP,A) 特開 平11−193649(JP,A) 実開 平4−111870(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04H 9/02 321

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 建築物の上下梁及び左右柱に囲まれた空
    間に複数のブロック状部材からなる取付け部材を用いて
    履歴減衰付加型ダンパーと粘性減衰付加型ダンパーとを
    組み込んだ制振構造の構築方法であって、 前記履歴減衰付加型ダンパー及び粘性減衰付加型ダンパ
    ーの少なくとも一方を取り付ける下側の前記ブロック状
    部材を予め下梁の上面に取り付けておき、その状態で、
    前記下梁を構築する工程と、 前記履歴減衰付加型ダンパー及び粘性減衰付加型ダンパ
    ーの少なくとも他方を取り付ける上側の前記ブロック状
    部材を予め上梁の下面に取り付けておき、その状態で、
    前記上梁を構築する工程と、 前記下側及び上側のブロック状部材の少なくとも一方
    前記履歴減衰付加型ダンパーを他方側の前記下梁及び上
    梁の一方に取付け部材を介して連結した状態で取り付
    け、前記下側及び上側のブロック状部材の他方に前記
    性減衰付加型ダンパーの一端を取り付け、他端を直接ま
    たは前記履歴減衰付加型ダンパー用の取付け部材を介し
    て間接的に前記下梁及び上梁の他方に取り付ける工程
    と、 を含むことを特徴とする制振構造の構築方法。
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