JP3377163B2 - 自律的制御システム - Google Patents

自律的制御システム

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JP3377163B2 JP05189597A JP5189597A JP3377163B2 JP 3377163 B2 JP3377163 B2 JP 3377163B2 JP 05189597 A JP05189597 A JP 05189597A JP 5189597 A JP5189597 A JP 5189597A JP 3377163 B2 JP3377163 B2 JP 3377163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御対象の挙動を
模擬する制御モデルを用いて制御指令を生成し、該制御
指令に応じて制御対象を制御する制御システムであっ
て、制御対象の変化に自立的に適応する自律的制御シス
テムに係り、特に、鉄鋼、化学プラント等を代表とした
プロセス制御におけるモデル規範型の制御に適用が可能
な自律的制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼や化学プラント等を対象にしたプロ
セス制御では、制御対象の挙動を模擬する制御モデルを
用いて、制御対象に所望の動作を行わせるために必要な
指令値を算出することが多い。このような制御系に組み
込まれる制御モデルは、制御対象のふるまいをできるだ
け良好に模擬するものであることが必要である。このよ
うな制御モデルは、一般に、制御系の設計者が複数の実
操業データを選択的に採集し、これらを用いて、既存の
制御モデル構築ツール(制御モデル構築手段)により、
制御モデルの次数や制御モデルを構成している各種設定
値を決定することで、高精度に構築される。
【0003】しかし、このように構成された制御モデル
も、実プラントの特性を恒久的には模擬できず、経年変
化等により制御モデルと実プラントに若干の誤差が生じ
る。このような場合、制御モデルが中心的な役割をはた
すプロセス制御系では、この誤差が制御精度を低下させ
る直接的な原因となる。このため、従来、制御モデルの
誤差を解消して、制御モデルの特性を制御対象と一致さ
せることを目的に、パラメータチューニング手段によ
り、制御モデルの有する特定のパラメータを対象とし
て、これの逐次的な修正を行うチューニング処理を実施
することが提案されている。この技術は、例えば、特開
平7−200005号公報「学習制御方法」に記載され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記パラメ
ータチューニングでは、次のような限界がある。すなわ
ち、制御対象の特性が経年変化の蓄積等により大幅に変
化した場合、制御モデルの有する特定のパラメータ値を
変更するという小変更では制御対象の特性変化に追従で
きなくなり、パラメータチューニング手段により特定パ
ラメータを対象にいくらチューニングを行っても制御モ
デルの特性が制御対象と一致しないことが起こるように
なる。このため、制御対象のふるまいを模擬できなくな
った制御モデルでは適切な指令値が算出できず、目標値
と制御対象より検出された制御量との偏差である制御量
誤差を回避することが困難となる。
【0005】これに対して、制御対象のモデル式の各要
因に対する感度(パラメータ)を推定モデル式の再構築
に必要な操業データ、分析データ、サンプルデータ群が
揃った時点で自動的あるいはオペレータの指示に従って
修正し、これによってモデル式を再確立するプロセス制
御装置が提案されている(特開平4−14105号公
報)。この装置は、分析データによるモデル式の代表パ
ラメータ校正機能と、推定モデル式を実プロセスの動特
性データ群を用いて確立する機能とを有する。
【0006】しかし、特開平4−14105号公報に記
載される装置は、代表パラメータ校正機能とモデル式の
再構築とがそれぞれ独立に行われ、また、それらを行な
うか否かの判断も、データが揃ったことに基づいて、そ
れぞれ独立に行なわれている。すなわち、この装置で
は、モデル式の代表パラメータ校正機能が効果を奏して
いるか否かと、モデル式の再構築とを関係づけて、モデ
ル式を再構築する必要があるかどうかの判断を行うこと
については何ら考慮されていない。
【0007】また、特開平4−14105号公報には、
プロセス制御装置が、どのような分析データが得られた
場合に、モデルの再構築が行なわれるかについて明らか
にされていない。また、チューニングとモデルの再構築
との関係も明らかではない。このため、オペレータが操
作する場合はもちろん、モデル式の再構築を自動的に行
なわせることは、実用上困難と考えられる。
【0008】さらに、特開平4−14105号公報の技
術では、モデルの再構築の起動がなされたことが報知さ
れるようにはなっていない。そのため、オペレータが、
手動操作により、モデルの再構築を停止させたり、中止
させたりすることは、困難であると考えられる。
【0009】従って、現状においては、制御対象の変化
に伴って制御モデルを自立的に変化させる制御システム
において、解決すべき課題が残されているといわざるを
得ない。
【0010】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その第1の目的は、制御対象の特性が
大きく変化した場合でも、制御量誤差を速やかに低減し
て、高精度な制御を実現可能とする自律的制御システム
および制御方法を提供することにある。
【0011】また、本発明の第2の目的は、パラメータ
のチューニングの効果と関係づけて、モデルの再構築の
必要性が判断できて、制御モデルの構築の起動をシステ
ムが自律的に行なうことができる自律的制御システムお
よび制御方法を提供することにある。
【0012】さらに、本発明の第3の目的は、制御モデ
ルの構築の起動をオペレータに報知して、制御モデルの
構築の手動による抑止を可能とした自律的制御システム
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記第1および第2の目
的は、特定のパラメータのみでなく、制御モデルの次数
や制御モデルを構成している各種設定値等を改めて決定
することにより制御モデルの抜本的な再構築を行うこと
で解決できる。また、第2の目的は、前記パラメータチ
ューニング部によるチューニングの効果を判定し、チュ
ーニングが制御量誤差減少に効果を奏していないと判定
したとき、前記制御モデル構築部を起動することによっ
て解決することができる。
【0014】すなわち、前記課題を解決するため、本発
明の第1の態様よれば、制御対象の挙動を模擬する制御
モデルを有し、該制御モデルを用いて対象を制御するた
めの指令を生成して出力する制御システムにおいて、前
記制御対象の出力である制御量と目標値との差分である
制御量誤差を減少させるため、前記制御モデルが有する
特定のパラメータを対象に、前記制御量誤差を用いて当
該制御モデルを調整するパラメータチューニング部と、
データベース中に蓄積された制御対象稼働時のデータを
用いて、前記制御モデルを構築する制御モデル構築部
と、前記制御モデル構築部を起動する制御モデル構築起
動部とを備え、前記制御モデル構築起動部は、前記パラ
メータチューニング部によるチューニングの効果を判定
し、チューニングが制御量誤差減少に効果を奏していな
いと判定したとき、前記制御モデル構築部を起動する手
段を有することを特徴とする自律的制御システムが提供
される。
【0015】また、本発明では、制御モデルの再構築に
必要な前記データを前記データベースより選別して抽出
するモデル構築データ選定部をさらに備える構成とする
ことができる。
【0016】また、制御モデル構築部は、モデル構築デ
ータ選定部が抽出したデータを用いて当該制御モデルの
構築を行う構成とすることができる。
【0017】さらに、本発明は、例えば、制御対象を、
鋼材を目標温度まで昇温することを目的とした加熱炉と
することができる。この場合、制御モデルは、鋼材の抽
出温度を推定するものとすることができる。このような
制御モデルについて、前記制御モデル構築部は、該制御
モデルの有する炉長に添って分布する総括熱吸収係数を
対象に、該総括熱吸収係数の分布形状の設定を行うもの
であり、前記パラメータチューニング部は、該制御モデ
ル構築部により決定された該総括熱吸収係数に対し、該
総括熱吸収係数の形状は固定したままで該総括熱吸収係
数の絶対値の縮尺を前記特定パラメータとして修正する
ものであることができる。
【0018】また、本発明の第1および第2の目的を達
成するため、本発明の第2の態様によれば、制御対象の
挙動を模擬する制御モデルを用いて制御指令を生成し、
かつ、該制御対象の出力である制御量と該制御量との望
ましい値である目標値の差分である制御量誤差を利用し
て、該制御量誤差を減少させるために該制御モデルが有
する特定のパラメータを対象に該制御モデルのパラメー
タチューニングを行って、制御対象を制御する制御方法
において、前記制御対象稼働時のデータを蓄積し、前記
パラメータチューニングの効果を判定し、チューニング
が制御量誤差減少に効果を奏していないと判定したと
き、前記蓄積された制御対象の稼働時のデータから該制
御モデルの構築に必要なデータを選別して抽出し、前記
抽出されたデータを用いて、前記制御モデルを前記制御
対象の特性と一致するよう構築することを特徴とする自
律的制御方法が提供される。
【0019】次に、本発明の第3の目的を達成するた
め、本発明の第3の態様によれば、制御対象の挙動を模
擬する制御モデルを有し、該制御モデルを用いて対象を
制御するための指令を出力する制御システムにおいて、
前記制御対象の出力である制御量と目標値との差分であ
る制御量誤差を減少させるため、前記制御モデルが有す
る特定のパラメータを対象に、当該制御モデルを調整す
るパラメータチューニング部と、データベース中に蓄積
された制御対象稼働時のデータを用いて、前記制御モデ
ルを構築する制御モデル構築部と、前記パラメータチュ
ーニング部による制御モデルのパラメータチューニング
が効果を奏していないとき、前記制御モデル構築部を起
動する制御モデル構築起動部と、制御システムの動作状
況を表示すると共に、操作指示を入力するためのマンマ
シンインタフェースとを備え、前記マンマシンインタフ
ェースは、前記制御量誤差を時系列に示すエラー表示
と、前記制御モデル構築起動部により制御モデル構築部
が起動されたことを報知する表示とを行なう表示部を有
することを特徴とする自律的制御システムが提供され
る。
【0020】前記マンマシンインタフェースは、制御モ
デル構築部による制御モデルの構築を抑止するための指
示を入力するための指示部をさらに備えることができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0022】図1に、本発明の自律的制御方法を実行す
るための制御システム100の構成の一例を示す。図1
に示す制御システムは、コンピュータシステム(電子計
算機:以下、単に計算機という)1100により構成さ
れる。計算機1100は、特別には図示していないが、
演算処理装置(CPU)、記憶装置およびインタフェー
スを有する。記憶装置には、データのほか、演算処理装
置が実行するプログラムが記憶される。
【0023】また、この計算機1100は、マンマシン
インタフェース107および外部記憶装置を有する。外
部記憶装置は、後述するデータベースを構築することの
ほか、システムを実行するためのプログラム等を記憶す
るために用いることができる。なお、外部記憶装置を複
数備えることにより、データベースと、プログラムの記
憶とを分離させるようにしてもよい。
【0024】前記計算機1100は、図1には示してい
ないが、プラント109に設置されている各種センサ、
コントローラ、アクチュエータ類と接続するためのイン
タフェースを有する。これにより、プラント109の状
態を把握すると共に、必要な操作を指示することが可能
となる。
【0025】自律的制御システム100は、上述した計
算機1100により実現される機能として、制御モデル
104、指令値算出部106、パラメータチューニング
部105、制御モデル構築部103、データベース11
0、モデル構築データ選定部102、制御モデル構築起
動部101、および、モデル再構築許可部108を有す
る。ここで、制御モデル104、指令値算出部106お
よびパラメータチューニング部105は、プラント10
9の制御を行うための指令値を生成すると共に、制御モ
デル104自体のチューニングを行う。すなわち、これ
らの部分は、プラント109の制御に定常的に関わる。
また、制御モデル構築部103、データベース110、
モデル構築データ選定部102、制御モデル構築起動部
101、および、モデル再構築許可部108は、制御モ
デル104の構築する処理を行う。
【0026】制御モデル104は、プラント109が有
する特性を数式等により近似的に再現するものであっ
て、プラント109の特性を模擬する物理モデルであ
る。この物理モデルは、計算機1100において計算可
能な状態に展開されて、計算機1100の記憶装置内に
記憶される。
【0027】指令値算出部106は、前記制御モデル1
04を用いて、プラント109の出力である制御量を、
当該制御量の望ましい値である目標値と一致させるため
に必要な指令値を算出する。すなわち、プラント109
から取り込んだ操業条件を参照して、設定された目標値
を実現するための指令値を前記制御モデル104を用い
て算出する。算出した指令値は、プラント109に送ら
れる。制御モデル104を用いて指令値を算出する場合
に用いるアルゴリズムは、例えば、計算機1100の記
憶装置に、プログラムの形で記憶される。
【0028】パラメータチューニング部105は、目標
値と制御量との誤差である制御量誤差を用いて、制御モ
デル104の特定のパラメータを対象に、これを制御量
誤差検出毎に、または、制御量誤差が一定値を越えた場
合に、予め定めた手順によって、パラメータの修正を行
なう。その結果、制御モデル104の特定のパラメータ
が修正される。それ以降は、修正されたパラメータを有
する制御モデル104が、指令値算出に用いられる。
【0029】制御モデル構築起動部101は、パラメー
タチューニング部105による修正では制御量誤差が減
少しない場合、すなわち、特定パラメータのチューニン
グといった制御モデルの小変更では制御モデル104の
特性がプラント109の特性変化に追従できない場合
に、制御モデル構築部103を起動する。そのため、制
御モデル構築起動部101は、制御量誤差等を取り込ん
で、パラメータチューニング部105によるチューニン
グが効果を奏しているか否かを判定し、チューニングに
よって制御量誤差が減少していない場合、チューニング
性能が劣化したと判定して、制御モデル構築部103を
起動する手段を有する。チューニングが効果を奏してい
るか否かについての判定は、予め定めた判定基準にした
がって行われる。判定基準としては、例えば、次の基準
が挙げられる。
【0030】(a)制御量誤差を継続的に蓄積し、該制
御量誤差が予め設定したしきい値を超過する頻度が、予
め定めた基準以上に高くなった場合、チューニングが効
果を奏していないと判定する。
【0031】(b)制御量誤差が、予め設定したしきい
値を超える場合、チューニングが効果を奏していないと
判定する。
【0032】(c)制御量誤差について平均値を算出
し、該平均値が予め設定したしきい値を越えた場合に、
チューニングが制御量誤差減少に効果を奏していないと
判定する。
【0033】(d)制御量誤差について平均値および分
散を算出し、平均値および分散のうちいずれか一方が、
それぞれに対応して予め設定したしきい値を越えた場合
に、チューニングが制御量誤差減少に効果を奏していな
いと判定する。
【0034】(e)パラメータチューニング部によって
パラメータの調整が行われた制御モデルを用いて制御を
行った結果得られた制御量誤差(エラー1)と、当該パ
ラメータの調整を行なう前の制御モデルを用いて制御を
行った結果得られた制御量誤差(エラー2)とを蓄積
し、エラー1とエラー2とから制御量誤差の減少率を計
算し、該減少率が予め設定したしきい値を超えた場合、
チューニングが制御量誤差減少に効果を奏していないと
判定する。
【0035】制御モデル構築起動部101は、制御誤差
量を逐次取り込むこと、および、データベース110か
ら時系列データを取り込むことのいずれかを、上記判定
基準(a)〜(e)に対応して行なえるようになってい
る。図1に示すシステムでは、いずれの場合にも対応可
能としてある。すなわち、制御誤差量を逐次取り込むこ
と、および、データベース110からデータを取り込む
ことのいずれも可能である。もちろん、いずれか一方の
みとしてもよい。
【0036】制御モデル構築部103は、パラメータチ
ューニング部105による修正では制御量誤差が減少し
ない場合、チューニング性能が劣化した場合に、上記制
御モデル構築起動部101により起動される。この制御
モデル構築部103は、例えば、図5に示すように、デ
ータベース110に蓄積されている制御対象稼動時のデ
ータを用いて、制御モデルの構築を行なうモデル再構築
手段501と、チューニング部を再構築するためのチュ
ーニング部再構築手段502とを有する。モデル再構築
手段501は、予め定めた再構築アルゴリズムにしたが
って、モデルの再構築を実行する。計算機1100の記
憶装置には、そのためのアルゴリズムを実行するための
プログラムが格納される。
【0037】データベース110は、プラント109へ
送出された指令値、制御時のプラント109の各種状態
を表す操業条件や制御量等、プラント109に関するデ
ータを継続的に収集する。このデータベース110は、
上述したように、収集されたデータを蓄積するための記
憶装置として用いられる外部記憶装置と、計算機110
0によって実行され、この外部記憶装置にデータを格納
する制御手段とで構成される。
【0038】モデル構築データ選定部102は、データ
ベース110を検索し、モデル再構築に必要なデータを
選択的に抽出して、制御モデル構築部103に送出す
る。
【0039】モデル再構築許可部108は、制御モデル
構築部103により再構築された制御モデルと現在の制
御モデル104の比較結果をマンマシンインターフェイ
ス107に出力し、またマンマシンインターフェイス1
07による設定に基づき、現在の制御モデル104の更
新を抑止すること、すなわち、制御モデルの構築を抑止
する指示を受け付けるようにすることができる。
【0040】マンマシンインタフェース107には、少
なくとも表示装置および入力装置が含まれる。表示装置
には、システムの状態、指示のためのガイド等を表示す
る画面を表示することができる。この種の表示装置とし
ては、例えば、CRT、パネルディスプレイ等を用いる
ことができる。入力装置は、システムに対する各種指示
等を入力することができる。例えば、キーボード、マウ
ス、タッチパネル等を用いることができる。このマンマ
シンインタフェース107を用いることによって、オペ
レータがデータベース110の内容を任意にモニタリン
グすることが可能となる。また、目標値の設定、さら
に、制御モデル構築起動部101、モデル構築データ選
定部102、モデル再構築許可部108等についての指
示操作を行なうことが可能となる。
【0041】次に、各部の構成および処理の詳細につい
て、熱間圧延における加熱炉をプラント109の例とし
て説明する。なお、この例での加熱炉は、簡単のため、
単一炉構造のものを対象とする。
【0042】図2に、制御対象の例とする加熱炉200
の構成を示す。図2に示す加熱炉200は、加熱される
材料であるスラブ204が、加熱炉200入り口より挿
入され、加熱炉200出側に移動する間に、ガスバーナ
201により加熱される構造となっている。この加熱炉
200には、温度計202、203および205が設け
られている。温度計203は、スラブ204の出口での
表面温度を測定し、温度計205は、スラブ204の挿
入温度、および、温度計202は、加熱炉200の炉内
温度をそれぞれ測定する。
【0043】この加熱炉200では、ガスバーナ201
を適切に操作することにより、炉内温度を指令値算出部
106により算出された指令値と一致させ、スラブ20
4の出口温度を目標温度に昇温することが、制御目標と
なる。このとき、図1での制御量は、温度計203で検
出されるスラブ204の出口での表面温度である。ま
た、操業条件は、温度計205で検出されるスラブ20
4の挿入温度、温度計202で検出される炉内温度、お
よび、スラブ204の板厚で表わされる。さらに、指令
値は、スラブ204を目標温度で昇温するために必要な
炉内温度である。
【0044】制御モデル104は、スラブ204に与え
られる輻射伝熱量および熱伝導方程式により構成され、
加熱炉200の出口温度を算出する。輻射伝熱量を与え
る方程式は、ステファンボルツマンの式が代表的であ
る。(1)、(2)式に、それぞれ、一般的なステファ
ンボルツマンの式と、スラブ204内部の熱伝導を記述
する熱伝導方程式を示す。(1)式を境界条件とし、
(2)式を、例えば、差分式で記述して、これを解くこ
とにより、スラブ204の出口温度を算出する。
【0045】
【数1】
【0046】ここで、Qは炉からスラブへの伝熱量、T
は炉内温度であり、温度計202により検出される。θ
はスラブ204の温度、cおよびρはスラブ204の比
熱および比重、φcgは総括熱吸収係数と呼ばれる伝熱係
数である。cおよびρは、実験によりある程度厳密に与
えられている。一方、φcgは、炉内形状等に依存して変
化し、経年変化などにより変化しやすい特徴を持つ。し
かし、φcgは、スラブ204への伝熱量計算を左右する
重要な係数であるため、制御モデル104を高精度に構
築するためには、これを厳密に設定する必要がある。一
般に、φcgは、炉長に対して分布を持つため、下式に示
す炉長lの関数fd(l)で記述する。
【0047】
【数2】
【0048】本例では、(3)式中のfd(l)を決定
することが制御モデル104を構築することに相当し、
d(l)の決定を制御モデル構築部103で実施す
る。また、(3)式中の係数αdをパラメータチューニ
ング部105によるチューニングの対象とする。通常の
操業では、パラメータチューニング部105によるαd
のチューニングにより制御量誤差を最小に保つ操作を行
う。しかし、チューニングを実施しても制御量誤差の低
減が困難となった場合、φcgの分布形状の変化により制
御モデル104の特性に大きな変化が生じたものとし
て、制御モデル構築部103によりfd(l)を更新す
る。本実施例では、図3に示すように、φcgの分布を炉
長に対して分割し、区間内の値を0次にホールドしたス
テップ関数をfd(l)とする。制御モデル構築部10
3では、φcgの分布に対し分割数だけ存在する分布パラ
メータ301を設定し、これらの値を推定することでf
d(l)を決定する。
【0049】指令値算出部106は、制御モデル104
を用いて、加熱炉200の出口でのスラブ204の温度
が目標温度と一致するような炉内温度を指令値として算
出する。このとき、コンプレクス法や最急降下法などの
非線形最適化手法のアルゴリズムを用いて指令値の算出
を行う。
【0050】パラメータチューニング部105は、プラ
ント109より検出された制御量と目標値の差分である
制御量誤差、このときの操業条件等の値を取り込み、こ
れらの入力に対応した(3)式中のαdの修正量(Δ
αd)を制御モデル104に出力する。パラメータチュ
ーニング部105の起動タイミングは、制御量誤差が検
出される度、または、制御量誤差が一定値以上の場合と
する。パラメータチューニング部105の構成は、例え
ば、多層ニューラルネットを利用して、図4のように構
成することができる。ニューラルネット400は、ニュ
ーロン401がシナプス402により層状に連結されて
構成される。入力層403に入力された入力をIi、中
間層404の出力をMjとすれば、IiとMjの関係は、例
えば、次のような式で与えられる。
【0051】
【数3】
【0052】Wij(jは中間層ニューロンの番号)は、
i番目の入力ニューロンとj番目の中間層ニューロンと
を結ぶシナプス402に与えられている重み、θjはニ
ューロンjに対応した定数、f(uj)は一般に微分可
能な単調飽和関数が用いられる。例えば、通常(5)式
のようなシグモイド関数が用いられる。さらに、このよ
うに得られたMjを用いると、出力層405におけるk番
目のニューロンの出力Okは、
【0053】
【数4】
【0054】となる。Vjkはj番目の中間層ニューロン
と、k番目の出力層ニューロンを結ぶ重み、θkは出力
層ニューロンに対応した定数である。
【0055】以上のようにして、ニューラルネット40
0では、入力に対応した出力Okを決定する演算が行な
われる。ここで、本実施例における入力Iiは、制御量
誤差、炉内温温、スラブ204の板厚などの操業条件、
さらに,現在のαdの値であり、出力OkはΔαdである。
重みWij,Vjkは、後述する制御モデル構築部103内の
チューニング部再構築手段502により作成された教師
信号(パラメータチューニング部105の理想的な入出
力関係の組(入出力ペア)を複数個用意し、テーブルで
与えたもの)を用いて、ニューラルネットワークの学習
法として一般的なバックプロパゲーション法により構築
される。
【0056】なお、この手法のより詳細は、たとえば、
雑誌(David E. Rumelhart. geoffrey e. Hinton & ron
ald J. williams. "Learning representations by back
-propagating error." Nature. Vol.323. No.9. 第533
項〜第536項,10月,1986年)に記載されている。
【0057】制御モデル構築部103では、制御モデル
構築起動部101の起動命令を受けて、(3)式中のf
d(l)を更新することにより、制御モデル104の再
構築を行う。
【0058】図5に制御モデル構築部103の構成を示
す。制御モデル構築部103は、モデルの再構築を行な
うためのモデル再構築手段501と、再構築されたモデ
ルのチューニング部を再構築するためのチューニング部
再構築手段502とを有する。モデル再構築部501に
おけるfd(l)の更新は、分割数だけある分布パラメ
ータ301を決定することで行う。本例の加熱炉200
のように、入口および出口にのみセンサが設けられてい
る、センサ数の限定されたプラントでは、分布パラメー
タを決定するためには、プラントの入出力関係を与える
複数の実操業データが必要となる。このため、モデル再
構築手段501は、データベース110からモデル構築
データ選定部102により切り出された複数のデータセ
ット(操業条件、指令値とこれら入力に対応したプラン
ト109の制御量の値を1セットとするもの)を取り込
み、下式に示すFを最小にするΦcg(分布パラメータ3
01をベクトル表示したもの)を求める。
【0059】
【数5】
【0060】上記(10)式において、f(Φcg,
χi)(ここで、χi:i番目のデータセットにおける炉
温等の操業条件および指令値をベクトル表示したもの)
は、χiを用いて制御モデル104により算出したスラ
ブの出口温度であり、{θout}iはχiに対応した実際
の加熱炉200により検出されたスラブ204の出口温
度である。また、nは制御モデル構築起動部101によ
りデータベース110から送出されたデータセットの数
である。
【0061】(10)式を最小にするΦcgを求めること
は、制御モデル構築起動部101により選択されたデー
タセットの内装領域で実現象を再現可能なΦcgを算出す
ることに相当する。(10)式を最小にするΦcgの解法
(アルゴリズム)は、シミュレーテッドアニーリング
(SA)、タブー探索等の種々の非線形最適化手法が考
えられる。本実施の形態では、遺伝的アルゴリズム(以
下GAと略称する)を用いて実現する方法の一例を説明
する。
【0062】図6にGAによる解探索アルゴリズムのフ
ローチャートを示す。
【0063】染色体701をN個用意する(ステップs
−1)。染色体701とは、実際の染色体701を工学
的にモデル化したものでΦcgの値を遺伝情報として持
つ。図7に、染色体701のモデルを示す。本実施の形
態では、φcgを炉長に対して4分割するものとし、遺伝
子座702の数は4つとなる。図中に示すように、遺伝
子座702と分割区間は一対一に対応する。また、遺伝
子座702の取り得る値は、現実的な範囲を分解能で割
ったものとなる。例えば、φcgの現実的な範囲が0.1
〜0.9であり、分解能が9であるならば、0.1から
0.1刻みで0.9までの値を持つことが可能となる。
Nは、たとえば分解能の10倍以上を選ぶ。
【0064】(10)式で与えられる評価関数により、
各染色体701の適応度を求め(ステップs−2)、次
に、適応度の平均を求め、この平均値が設定値α以下で
あるかどうか判定する(ステップs−3)。α以下であ
るならば終了となり、α以下でなければ、ステップs−
4に処理を移す。
【0065】ステップs−4では、適応度の高い順に確
率的に染色体701をN個選択する。次に、選択された
染色体701群を対象に、無作為に二つの染色体701
を選択し、これらを交叉させる(ステップs−5)。ま
た、この操作を全ての染色体701について行なう。こ
こで、交叉とは、一対の染色体701がお互いの持つ遺
伝子座702の情報を幾つか交換することである。
【0066】さらに、ステップs−6では、染色体70
1群の中から無作為に数個の染色体701を選び、遺伝
子座702の内容をランダムに変更する。
【0067】以上の処理を繰り返すことで、Φcgを算出
する。モデル再構築手段501により算出されたΦcg
は、モデル再構築許可部108に送信される。
【0068】チューニング部再構築手段502は、モデ
ル再構築手段501により算出されたΦcgを制御モデル
104に適用し、αdの値にΔαdを加えることでαd
変化させて得られる制御量の偏差(制御量誤差)と、こ
のときのΔαdの関係をパラメータチューニング部10
5に提供する教師信号として作成する。さらに、モデル
再構築許可部108の許可を受けてパラメータチューニ
ング部105に送出する。
【0069】データベース110は、指令値算出部10
6よりプラント109へ送出される指令値、このときの
炉内温度や板厚等の操業条件、これらの入力に対してプ
ラント109より検出される制御量、さらに、制御量
と、目標値またはこのときの制御量に対応した制御モデ
ル104の出力の差分の絶対値(以下、Error)等のデ
ータを継続的に蓄積する。
【0070】次に、制御モデル構築起動部101および
モデル構築データ選定部102についての説明を行う。
まず、上述した(a)に示す判定基準を用いて、チュー
ニング性能劣化の判定を行なう場合について説明する。
【0071】制御モデル構築起動部101は、まず、チ
ューニング性能劣化判定手段により、目標値とプラント
109との制御量の差である制御量誤差等を逐次取り込
み、これらを用いてパラメータチューニング部105の
性能劣化を判定する。次に、αdのチューニングによっ
ても実現象を正確に再現できなくなった制御モデル10
4を再構築するために、制御モデル構築部起動手段によ
り制御モデル構築部103を起動する。
【0072】モデル構築データ選定部102は、データ
ベース110を検索して、制御モデル104を再構築す
るために必要なデータセット(操業条件、指令値と、こ
れら入力に対応したプラント109の制御量の値を1セ
ットとするもの)を抽出し、これらを制御モデル構築起
動部101へ送出する。再構築に必要なデータセットと
して、制御モデル104の特性が大きく変化した後のデ
ータを選ぶ。
【0073】図8に制御モデル構築起動部101の処理
の一例をフローチャートで示す。本手法は、制御量誤差
の時系列データを適当な間隔Tで区間に区切り、区間内
でErrorがErrorのしきい値Ethを越えた回数をカウント
し、これが一定回数を超過した場合制御モデル構築部1
03を起動させるものである。
【0074】まず、取り込んだErrorの回数を保存する
カウンタ(count)を0、また、しきい値Ethを越えた
回数を保存するn(i)(i:間隔Tで区切った区間の
整理番号)を0とし、クリアしておく(ステップs−1
1)。次に、新たに得られたErrorを取り込む(ステッ
プs−12)。上記ステップs−12において取り込ん
だErrorがEthを越えているかどうか判定する(ステッ
プs−13)。Ethは、例えば、プラント109に要求
される仕様に応じて決定し、本実施の形態では、20℃
程度に設定する。判定の結果、越えている場合は処理を
ステップs−14に移し、そうでない場合は、ステップ
s−12に戻って、新たなErrorを取り込む準備をす
る。
【0075】ステップs−14では、n(i)の値を1
だけ増加し、ステップs−15において、n(i)が超
過許容回数を与えるNthを越えているかどうか判定す
る。Nthは、間隔Tと関連付けて決定し、例えば、T/
2程度に設定する。例えば、Tを7とし、Nthを4とす
ることができる。n(i)がNthを超過している場合
は、処理をステップs−16に移し、そうでない場合は
countを1だけ増加させ(ステップ18)、ステップs
−19に処理を移す。ステップs−18ではcountの数
がTに到達したかどうか判定し、到達しているならばi
を1だけ増加させ、処理をステップs−11に戻す。そ
うでないならば、ステップs−12に処理を移し、新た
なErrorを取り込む準備をする。
【0076】ステップs−16では、iおよびn(l)
(l=1〜i)の値をモデル構築データ選定部102へ
送出し、モデル構築データ選定部102を起動する。ス
テップs−17において、制御モデル構築部103を起
動する。
【0077】図10に、上記制御モデル構築起動部10
1の処理を模式的に表したものを示す。n(i)におい
て、Ethを超過したErrorの数がNth(=4)を越えて
いる。このため、ここで、制御モデル構築部103の起
動が行われている。図10にでは、制御モデル構築部1
03による制御モデル104の修正後は、制御モデル1
04の特性がプラント109と一致するため、Errorの
値が小さくなり、安定した操業が可能となっていること
が示されている。
【0078】次に、制御モデル構築起動部101の起動
命令を受けて行うモデル構築データ選定部102の処理
について、図9を参照して説明する。
【0079】ステップs−21において、制御モデル構
築起動部101より送出された、区間を示す整備番号i
を減少させて、n(i)の値を調べる。例えば、(n
(i)≦Nth/2)となったところまでのデータセット
を、特性変化したプラント109の性質を反映したデー
タとして判断する。(n(i)≦Nth/2)となったと
きのiをi’として保存する。ステップs−22におい
て、現時点から{(i−i’)・T+count}個のデー
タセット(χiと{θout}iとの組)をデータベース1
10より取り出し、制御モデル構築部103へ送出す
る。判定基準(n(i)≦Nth/2)は、蓄積されたデ
ータセット数に対応して変更可能である。十分な蓄積デ
ータがあるならば、(n(i)≦Nth/3)または(n
(i)≦Nth/4)等とすることも考えられる。
【0080】なお、図10に示す例では、モデル再構築
用データとして、nの値が(2=Nth/2)となるN
(i−1)までのデータセットが選ばれている。
【0081】上述したように、本実施の形態では、モデ
ルチューニング部によるチューニングが効果を奏さず、
チューニングが必要となるErrorの発生の頻度が予め定
めたしきい値より高くなると、チューニング性能劣化と
判定され、制御モデル構築部103が起動されると共
に、制御モデルの構築に必要なデータを選定するための
モデル構築データ選定部102が起動される。
【0082】上記の例では、チューニング性能の劣化の
判定基準として、(a)を用いたが、頻度ではなく、制
御量誤差がしきい値を越えたことで、制御モデル構築部
を起動するようにしてもよい。すなわち、上記の判定基
準(b)を用いてもよい。
【0083】次に、本発明のモデル構築起動部の別の例
について、図11を参照して説明する。この例は、平均
値や分散値に着目してErrorの時系列データを解析し
て、チューニング性能劣化の判定を行なう例である。す
なわち、上記判定基準の(c)または(d)を用いる例
である。
【0084】チューニング性能劣化の判定ために、ま
ず、現時点からN回前までのErrorの平均値E(i)
(i:取り込んだ順番を表す番号)を(11)式を用い
て算出する(ステップs−31)。
【0085】
【数6】
【0086】さらに、E(i)を用いて分散値S(i)
を(12)式により算出する(ステップs−32)。
【0087】
【数7】
【0088】次に、平均値E(i)をE(i)のしきい
値Ethと、また、分散値S(i)をS(i)のしきい値
Sthと比較し、いずれか一方がしきい値を越えていれ
ば、処理をステップs−34に移す(ステップs−3
3)。一方、越えていなければ、iを1だけ増加させ
て、処理をステップs−1に移す。ここで、EthとSth
とは、制御モデル104の特性がプラント109のもの
と一致しなくなったことを判定するための基準である。
【0089】一般に、E(i)が大きくなったことによ
り、パラメータチューニング部105による修正によっ
ても制御量誤差が減少しなくなったことが分かり、この
ことから、制御モデル104の特性不一致が把握でき
る。また、S(i)が大きくなったことにより、制御量
誤差が振動的であり、パラメータチューニング部105
による修正により一旦誤差が減少するものの、依然とし
て大きな制御量誤差が残っていることが分かる。よっ
て、この現象からも、E(i)と同様、制御モデル10
4の特性不一致が確認できる。EthとSthの設定は、こ
れらの特徴と、プラント109への要求仕様を考慮して
行う必要がある。本例では、それぞれ20℃、300℃
2としている。
【0090】なお、上述した説明では、平均値と分散値
とを求めているが、簡単のため、平均値のみを求め、平
均値のみで判定するようにしてもよい。
【0091】次に、制御モデル構築部を起動するため、
iおよびS(l),E(l)(l=1〜i)の値をモデ
ル構築データ選定部102へ送出し、モデル構築データ
選定部102を起動する(ステップs−34)。この
後、制御モデル構築部103を起動する(ステップs−
35)。
【0092】次に、制御モデル構築起動部101の起動
命令を受けて行うモデル構築データ選定部102の処理
について、図12を参照して説明する。
【0093】ステップs−41では、S(i)≧Sthの
とき、iを減少させて、S(i)の値を調べ、例えば、
S(i)≧Sth/2となったときのiをi’として保存
する。同様に、E(i)≧Ethのときは、iを減少させ
て、E(i)の値を調べ、例えば、E(i)≧Eth/2
となったときのiをi’として保存する。引き続き、ス
テップs−42において、(i−i’+N)個のデータ
セット(χiと{θout}iとの組)をデータベース11
0より取り出し、制御モデル構築部103に送出する。
【0094】図13に上記処理を模式的に表したものを
示す。同図では、S(i))は大きくないものの、E
(i)がEthを越えているために、制御モデル構築部1
03が起動された例を示している。
【0095】本例では、パラメータチューニング部10
5が制御量誤差検出毎に動作した場合を想定している。
しかし、パラメータチューニング部105が一定値(例
えば図8中のEth)を越えた場合に動作する場合でも、
図8、9、11、12に示す同様な処理により実現可能
である。また、図8においてパラメータチューニング部
105の起動をErrorがEthを越えた場合に限定し、パ
ラメータチューニング部105の起動回数をN(i)と
してカウントし、同様な処理により制御モデル構築部1
03を起動する様にすることも可能である。
【0096】次に、本発明において制御も出る構築部の
起動の他の例について説明する。この例は、上記の判定
基準(e)を用いる例である。
【0097】すなわち、この例は、制御モデル構築起動
部101において、パラメータチューニング部105の
起動を、ErrorがEthを越えた場合に限定したとき、起
動時のError(=Error(i))と、起動によりチューニ
ングした結果得られた次回のError(=Error(i+
1))とを用いて、制御量誤差低減率R(%)を、(1
3)式で定義し、これが一定値Rth(たとえば10%)
を下回ったとき、制御モデル構築部103を起動する処
理を行う構成としたものである。
【0098】
【数8】
【0099】この場合、制御モデル構築部103に送出
するデータセットは、減少率が、例えば、Rth/2とな
った時点から現在にいたるまでに蓄積されたデータを、
データベース110より選出する。
【0100】また、プラント109より検出される制御
量は、これに含まれる誤差を低減させるため、移動平均
を取るなどの処理を行なってもよい。制御モデル構築起
動部101によりデータベース110から選出されたデ
ータセットを対象に、情報の損失を回避して、データサ
イズを縮小させることを目的に主成分分析などの統計処
理を行うことも考えられる。
【0101】以上に、本発明で用いられる制御モデル構
築起動部およびモデル構築データ選定部の種々の態様に
ついて説明したが、本発明は、これらに限られないこと
はもちろんである。
【0102】次に、本発明の自律的制御システムの構築
に用いられるモデル再構築許可部108およびマンマシ
ンインタフェース107について説明する。
【0103】モデル再構築許可部108は、制御モデル
構築部103で更新されたΦcg(=Φcg’)と、現在の
Φcgとをマンマシンインターフェイス107へ送信し、
表示を行う。さらに、Φcg’とΦcgとを、例えば、(1
4)式のようなユークリッド距離を用いて比較を行い、
比較結果Dをマンマシンインターフェイス107により
表示する。
【0104】
【数9】
【0105】このとき、適当なしきい値Dthを設けて、
Dがこれを越えた場合、制御モデル104の更新を許可
しないようにする処理を行ってもよい。また、図14に
示すように、比較結果Dとしきい値Dthとをマンマシン
インターフェイス107に表示することで、比較結果D
がDthを越えたことを、オペレータに報知できるように
することができる。この場合、後述するように、制御モ
デル104の構築による変更を、抑止することの指示操
作を受け付けるようにしてもよい。
【0106】マンマシンインターフェイス107は、デ
ータベース110に蓄積される全てのデータを表示画面
に表示可能であり、また、オペレータによる制御モデル
構築起動部101の実行許可および停止処理を可能なも
のを用いる。また、モデル再構築許可部108よりΦc
g'とΦcgやDの値を収集し、これらの表示、さらにオペ
レータによるΦcg変更の許可を可能とする構成としても
よい。
【0107】図14にマンマシンインターフェイス10
7による表示例を示す。同図では、表示画面1400
に、Error表示画面1401がウインドウ表示されてい
る。Error表示画面1401には、Errorの履歴が時系列
データとして表示されており、しきい値超過回数n
(i)、しきい値Eth、区間の間隔Tなどが盛り込まれ
ている。また、制御モデル構築起動部101により選択
されたデータセットの選択領域(図において斜線で示
す)が表示されている。
【0108】さらに、図14に示す例では、制御モデル
構築起動部101による制御モデル構築部103の起動
命令が出ている状態を示すインディケータ1402と、
スイッチ1403、1404および1405と、比較結
果Dおよびそのしきい値Dthの表示部1406とが設
けられている。
【0109】インディケータ1402は、制御モデル構
築起動部101による制御モデル構築部103の起動命
令が出ている状態を示すため、表示態様が変更された状
態(図において斜線で示す)にある。すなわち、例え
ば、あたかもランプが点灯しているかのように表示され
ている。
【0110】比較結果Dおよびそのしきい値Dthの表
示部1406は、上述したように、Φcg’とΦcgとの比
較結果Dと、しきい値Dthを、例えば、数値で表示す
る。図14に示す例では、比較結果が(D=0.3)、
しきい値が(Dth=1.5)となっている。オペレータ
は、この表示を見ることで、構築後の制御モデル104
が、構築前の制御モデル104とは、それほど変化して
いないことを知ることができる。もちろん、比較結果が
しきい値を超えている場合についても知ることができ
る。
【0111】スイッチ1403は、データセットの一覧
表示を指示するための操作入力部である。例えば、制御
モデルが起動された状態においてスイッチ1403が指
示されると、選択されたデータセットの詳細が表形式で
一覧できるように、例えば、ウインドウ表示される(図
示せず)。
【0112】また、制御モデル構築起動部101による
制御モデル構築部103の起動がかかったものの、これ
を抑止、すなわち、一時停止したい場合、もしくは、中
止したい場合に、指示を入力するための手段として、ス
イッチ1405およびスイッチ1404が設けられてい
る。図14の例では、スイッチ1405が一時停止、1
404が起動中止にそれぞれ設定してある。従って、そ
れぞれ選ぶことで、制御モデルの構築を抑止することが
できる。
【0113】なお、上記スイッチ1403、1404お
よび1405は、いずれもマウス等によりクリックする
ことで、スイッチのオン/オフを操作することができ
る。
【0114】なお、図14においては、EthおよびTの
みの表示となっているが、Nthなどの他のパラメータ値
も、マンマシンインターフェイス107により設定可能
である。
【0115】次に、マンマシンインターフェイス107
による表示の他の例を図15に示す。同図に示す例は、
上述の減少率を用いた制御モデル構築起動部101によ
る制御モデル構築部の起動タイミング表示画面1400
の例である。図15では、表示画面1400に、Error
表示画面1401がウインドウ表示されている。Error
および減少率の履歴が時系列データとして表示されてい
る(図において斜線で示す)。上述のとおりパラメータ
チューニング部105は、Errorがしきい値Ethを越え
た時点で動作する。Error表示グラフ中の黒まるは、パ
ラメータチューニング部105によるチューニングの実
行結果を示している。また、減少率は(13)式を用い
て算出されたものである。
【0116】図15では、時刻12:00に、減少率が
しきい値Pthを下回ったため、このタイミングで制御モ
デル構築部103の起動命令が出ており、起動発生を知
らせるインディケータ1402が、特別の表示態様に変
更されている(図において斜線で示す)。また、表示画
面1400には、制御モデル構築起動部101により選
択されたデータセットの選択領域が表示されており、図
14の例と同様に、スイッチ1403を選択することに
より、選択されたデータセットの詳細が表形式で一覧で
きるように構成することができる。また、図14と同様
に、比較結果Dとしきい値Dthとを表示してもよい。
【0117】上述した実施の形態における制御システム
は、基本的には、図1に示すシステム構成を有するハー
ドウエアシステムによって実現される。しかし、本発明
は、これに限定されない。例えば、以下に述べるような
システム構成を有するハードウエア資源によっても、実
現可能である。
【0118】図16、図17および図18に、本発明の
自律的制御システムを複数の計算機で実現するためハー
ドウエアシステム構成を示す。
【0119】図16に示すシステムは、上述した自律的
制御システム100を、1台の計算機1101上にソフ
トウェア的に実現し、かつ、プラント109との、制御
量、操業条件、指令値等の送受信を、計算機1101、
プラント109に付随した、それぞれインターフェイス
(IF)1104と、プロセスI/O(PIO)110
3とを介して、制御用LAN1106により行う。ま
た、マンマシンインターフェイス107は、別の計算機
1102により実現し、計算機1101との情報のやり
とりは、インタフェース(IF)1105を用いて行
う。
【0120】図17に示すシステムは、自律的制御シス
テム100を、稼働率の高い部位と、比較的低い部位と
に分け、それぞれ別の計算機で実現することにより、計
算負荷を分散させる構成としたものである。例えば、計
算機1101、計算機1201は、図18に示すよう
に、機能を分担する。
【0121】すなわち、計算機1101には、プラント
109への指令値の算出、制御モデル104のチューニ
ングという稼働率の高いオンライン処理を行う機能が搭
載される。具体的には、制御モデル104、指令値算出
部106、および、パラメータチューニング部105を
実現するプログラムが、計算機1101に搭載され、各
種データの送受信は、インタフェース(IF)1104
を介して、制御用LAN1106により行われる。この
ため、計算機1101には、これらの機能を実現するた
めのプログラムが格納される。
【0122】一方、計算機1201には、制御モデル構
築起動部101、制御モデル構築部103、モデル構築
データ選定部102、モデル再構築許可部108、およ
び、データベース110が実装され、稼働率の比較的低
い制御モデルの再構築や、指令値等の各種データのデー
タベース110への保存処理を行う。また、制御量、指
令値、操業条件、制御量誤差の取り込み、モデル再構
築、パラメータチューニング部修正結果の出力は、同様
に、インタフェース(IF)1202を介して、制御用
LAN1106を利用して行う。このため、計算機12
01には、これらの機能を実現するためのプログラムが
格納される。
【0123】また、上述した実施の態様では、制御モデ
ル構築起動部101における判定基準として、上記判定
基準(a)〜(e)のいずれかを用いる場合について説
明した。しかし、本発明は、これに限定されない。例え
ば、判定基準(a)〜(e)を複数装備することも可能
である。この場合、制御対象の特性にあわせて、ユーザ
ーが適切な判定基準を選択して使用することができる。
また、制御対象の変化に合わせて、適宜、判定基準を変
更して対処することも可能である。
【0124】さらに、複数の判定基準を組み合わせて、
その論理和、論理積によって、判定するようにしてもよ
い。例えば、変化が激しい制御対象の場合、複数の判定
基準の論理をとって、いずれかの判定基準によってチュ
ーニング性能が劣化したと判定された場合には、直ち
に、制御モデル構築部の起動を行なうようにする。これ
により、変化の速い制御対象にすばやく追従することが
可能となる。また、変化が少ない制御対象の場合には、
複数の判定基準の論理積をとって、すべての判定基準に
よってチューニング性能が劣化したと判定された場合に
は、制御モデル構築部の起動を行なうようにし、それ以
外の場合には、起動させない。これにより、外乱による
変動に応答して必要以上に制御モデルが変更されること
を防ぐことができる。
【0125】なお、複数の判定基準を用いる場合、それ
ぞれの基準に、対象の性質に応じて重み付けを行なうよ
うにしてもよい。これにより、制御対象の性質に応じ
て、より適切なモデル構築の必要性の判定が可能とな
る。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば、パラメータチューニン
グ部によるチューニングによっても制御量誤差の低減が
困難になった場合でも、システム自らが制御モデルの性
能劣化を判定し、制御モデルの次数や各種設定値の設定
といった制御モデルの再構築を行うことができる。この
ため、速やかに制御量誤差を低減させ、高精度な制御が
維持可能となる。また、この結果、制御モデル再構築に
要していたマンパワーを削減でき、操業保守費用の低減
が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自律的制御システムの一例を示すブロ
ック図。
【図2】本発明を適用することができる制御対象の一例
である加熱炉の構成の概要を示す断面図。
【図3】上記加熱炉における温度の分布を示す分布パラ
メータの概念図。
【図4】パラメータチューニングに用いることができる
ニューラルネットの構成を示す説明図。
【図5】制御モデル構築部の構成の概要を示すブロック
図。
【図6】モデル再構築手段の処理手順を示すフローチャ
ート。
【図7】モデル構築のために用いられる遺伝的アルゴリ
ズムにおける染色体と、制御対象における分布パラメー
タとの対応関係を示す説明図。
【図8】制御モデル構築起動部の一例の処理手順を示す
フローチャート。
【図9】モデル構築データ選定部の処理手順を示すフロ
ーチャート。
【図10】制御モデル構築起動部およびモデル構築デー
タ選定部の一例の処理動作を説明するため概念図。
【図11】制御モデル構築起動部の他の例の処理手順を
示すフローチャート。
【図12】モデル構築データ選定部の他の例の処理手順
を示すフローチャート。
【図13】制御モデル構築起動部およびモデル構築デー
タ選定部の他の例の処理動作を説明するための概念図。
【図14】マンマシンインターフェイスの表示の一例を
示す説明図。
【図15】マンマシンインターフェイスの表示の他の例
を示す説明図。
【図16】本発明の自律的制御システムの他の例を示す
ブロック図。
【図17】本発明の自律的制御システムのさらに他の例
を示すブロック図。
【図18】上記図17に示す制御システムのハードウエ
アの機能分担をより詳細に示すブロック図。
【符号の説明】
100…自律的制御システム、101…制御モデル構築
起動部、102…モデル構築データ選定部、103…制
御モデル構築部、104…制御モデル、105…パラメ
ータチューニング部、107…マンマシンインターフェ
イス、109…プラント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 諸岡 泰男 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所 電力・電機開発本 部内 (72)発明者 福岡 昇平 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 平8−190404(JP,A) 特開 平3−100704(JP,A) 特開 平7−36506(JP,A) 特開 平9−24449(JP,A) 特開 平8−77131(JP,A) 特開 平4−14105(JP,A) 特開 平7−200005(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の挙動を模擬する制御モデルを
    有し、該制御モデルを用いて対象を制御するための指令
    を生成して出力する制御システムにおいて、 前記制御対象の出力である制御量と目標値との差分であ
    る制御量誤差を減少させるため、前記制御モデルが有す
    る特定のパラメータを対象に、前記制御量誤差を用いて
    当該制御モデルを調整するパラメータチューニング部
    と、 データベース中に蓄積された制御対象稼働時のデータを
    用いて、前記制御モデルを構築する制御モデル構築部
    と、 前記制御モデル構築部を起動する制御モデル構築起動部
    を備え、 前記制御モデル構築起動部は、前記パラメータチューニ
    ング部によるチューニングの効果を判定し、チューニン
    グが制御量誤差減少に効果を奏していないと判定したと
    き、前記制御モデル構築部を起動する手段を有し、 前記制御モデル構築部を起動する手段は、前記制御量誤
    差を継続的に蓄積し、該制御量誤差が予め設定したしき
    い値を超過する頻度が、予め定めた頻度より高くなった
    場合、チューニングが制御量誤差減少に効果を奏してい
    ないと判定すること を特徴とする自律的制御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自律的制御システムに
    おいて、 前記制御モデルの構築に必要な前記データを前記データ
    ベースより選別して抽出するモデル構築データ選定部を
    さらに備え、 前記モデル構築データ選定部は、前記パラメータチュー
    ニング部が調整した前記制御モデルを用いて制御を行っ
    た結果得られた前記制御量誤差が予め設定したしきい値
    を越える頻度が高くなった時点から現在に至るまでに蓄
    積された前記制御対象稼働時のデータを、前記データベ
    ースより抽出することを特徴とする自律的制御システ
    ム。
  3. 【請求項3】 制御対象の挙動を模擬する制御モデルを
    有し、該制御モデルを用いて対象を制御するための指令
    を生成して出力する制御システムにおいて、 前記制御対象の出力である制御量と目標値との差分であ
    る制御量誤差を減少させるため、前記制御モデルが有す
    る特定のパラメータを対象に、前記制御量誤差 を用いて
    当該制御モデルを調整するパラメータチューニング部
    と、 データベース中に蓄積された制御対象稼働時のデータを
    用いて、前記制御モデルを構築する制御モデル構築部
    と、 前記制御モデル構築部を起動する制御モデル構築起動部
    と、を備え、 前記制御モデル構築起動部は、前記パラメータチューニ
    ング部によるチューニングの効果を判定し、チューニン
    グが制御量誤差減少に効果を奏していないと判定したと
    き、前記制御モデル構築部を起動する手段を有し、 前記制御モデル構築部を起動する手段は、前記制御量誤
    差について平均値を算出し、該平均値が予め設定したし
    きい値を越えた場合に、チューニングが制御量誤差減少
    に効果を奏していないと判定することを特徴とする自律
    的制御システム。
  4. 【請求項4】 制御対象の挙動を模擬する制御モデルを
    有し、該制御モデルを用いて対象を制御するための指令
    を生成して出力する制御システムにおいて、 前記制御対象の出力である制御量と目標値との差分であ
    る制御量誤差を減少させるため、前記制御モデルが有す
    る特定のパラメータを対象に、前記制御量誤差を用いて
    当該制御モデルを調整するパラメータチューニング部
    と、 データベース中に蓄積された制御対象稼働時のデータを
    用いて、前記制御モデルを構築する制御モデル構築部
    と、 前記制御モデル構築部を起動する制御モデル構築起動部
    と、を備え、 前記制御モデル構築起動部は、前記パラメータチューニ
    ング部によるチューニングの効果を判定し、チューニン
    グが制御量誤差減少に効果を奏していないと判定したと
    き、前記制御モデル構築部を起動する手段を有し、 前記制御モデル構築部を起動する手段は、前記制御量誤
    差について平均値および分散を算出し、平均値および分
    散のうちいずれか一方が、それぞれに対応して予め設定
    したしきい値を越えた場合に、チューニングが制御量誤
    差減少に効果を奏していないと判定有することを特徴と
    する自律的制御システム。
  5. 【請求項5】 制御対象の挙動を模擬する制御モデルを
    有し、該制御モデルを用いて対象を制御するための指令
    を生成して出力する制御システムにおいて、 前記制御対象の出力である制御量と目標値との差分であ
    る制御量誤差を減少させるため、前記制御モデルが有す
    る特定のパラメータを対象に、前記制御量誤差を用いて
    当該制御モデルを調整するパラメータチューニング部
    と、 データベース中に蓄積された制御対象稼働時のデータを
    用いて、前記制御モデルを構築する制御モデル構築部
    と、 前記制御モデル構築部を起動する制御モデル構築起動部
    と、を備え、 前記制御モデル構築起動部は、前記パラメータチューニ
    ング部によるチューニングの効果を判定し、チューニン
    グが制御量誤差減少に効果を奏していないと判定したと
    き、前記制御モデル構築部を起動する手段を有し、 前記制御モデル構築部を起動する手段は、前記パラメー
    タチューニング部が調整した前記制御モデルを用いて制
    御を行った結果得られた前記制御量誤差(エラー1)
    と、該パラメータチューニング部が調整する前の該制御
    モデルを用いて制御を行った結果得られた該制御量誤差
    (エラー2)とから制御量誤差の減少率を計算し、該減
    少率が予め設定したしきい値を越えた場合、チューニン
    グが制御量誤差減少に効果を奏していないと判定するこ
    とを特徴とする自律的制御システム
  6. 【請求項6】 制御対象の挙動を模擬する制御モデルを
    有し、該制御モデルを用いて対象を制御するための指令
    を出力する制御システムにおいて、 前記制御対象の出力である制御量と目標値との差分であ
    る制御量誤差を減少させるため、前記制御モデルが有す
    る特定のパラメータを対象に、当該制御モデルを調整す
    るパラメータチューニング部と、 データベース中に蓄積された制御対象稼働時のデータを
    用いて、前記制御モデルを構築する制御モデル構築部
    と、 前記パラメータチューニング部による制御モデルのパラ
    メータチューニングが効果を奏していないとき、前記制
    御モデル構築部を起動する制御モデル構築起動部と、 制御システムの動作状況を表示すると共に、操作指示を
    入力するためのマンマシンインタフェースと、を備え、 前記マンマシンインタフェースは、 前記制御量誤差を時系列に示すエラー表示と、前記制御
    モデル構築起動部により制御モデル構築部が起動された
    ことを報知する表示とを行なう表示部を有することを特
    徴とする自律的制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の自律的制御システムに
    おいて、前記マンマシンインタフェースは、 制御モデル構築部による制御モデルの構築を抑止するた
    めの指示を入力するための指示部をさらに備えることを
    特徴とする自律的制御システム。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか一項に記載の
    自律的制御システムにおいて、 前記制御対象は、鋼材を目標温度まで昇温することを目
    的とした加熱炉であって、 前記制御モデルは、該鋼材の抽出温度を推定するもので
    あり、 前記制御モデル構築部は、該制御モデルの有する炉長に
    添って分布する総括熱吸収係数を対象に、該総括熱吸収
    係数の分布形状の設定を行うものであり、 前記パラメータチューニング部は、該制御モデル構築部
    により決定された該総括熱吸収係数に対し、該総括熱吸
    収係数の形状は固定したままで該総括熱吸収係数の絶対
    値の縮尺を前記特定パラメータとして修正するものであ
    ることを特徴とする自律的制御システム。
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