JP3375949B2 - 細胞障害性リンパ球成熟因子に対する抗体 - Google Patents

細胞障害性リンパ球成熟因子に対する抗体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明はサイトカインの分野、特にインタ
ーロイキン−2(IL-2)と相乗的に作用して細胞障害
性リンパ球を活性化するサイトカイン、例えば細胞障害
性リンパ球成熟因子(CLMF)のようなサイトカイン
に対する抗体に関する。「サイトカイン」は一群のタン
パク質性細胞調節因子を表す術語である。これらの因子
は、リンフォカイン、モノカイン、インターロイキンお
よびインターフェロンという様々な名称で呼ばれ、体内
の広範な種類の細胞によって生産される。これらのサイ
トカインは多くの生理学的応答に重要な役割を演じ、あ
る範囲の疾病の病態生理学に関与し、そして治療への可
能性を有している。サイトカインは以下のように共通の
性質を有する異種タンパク質群である。すなわち、サイ
トカインは低分子量(≦80kDa)の分泌タンパク質
で、グリコシル化されていることが多い;サイトカイン
は免疫および炎症反応に関わり、応答の強さおよび持続
時間を調節する;サイトカインは通常一過性、局所的に
生産され、エンドクリン様式によって作用するのではな
く、むしろパラクリン(傍分泌)様式またはオートクリ
ン様式で作用する。サイトカインは非常に強力であり、
一般にピコモル濃度で作用する;また各サイトカインま
たはサイトカイン群に特異的な細胞表面レセプターと高
い親和性を以って相互作用する。サイトカインの細胞表
面への結合によって、最終的に細胞のRNA合成および
タンパク質合成のパターンが変化され、そして細胞の挙
動が変化される。個々のサイトカインは複数の重複する
細胞調節作用を有する。
【0002】あるサイトカインに対する細胞の応答は、
そのサイトカインの局所濃度、それが作用する細胞の種
類、および同時に露される他の細胞調節因子の如何によ
り決まる。異なる細胞表面レセプターに結合するこれら
構造的に無関係なタンパク質の調節作用の重複は、その
DNA中に共通の応答要素を有しうる共通のタンパク質
を誘導することによって少くとも部分的に引き起こされ
る。サイトカインは、第一に互いに誘導しあい、第二に
サイトカイン細胞表面レセプターを別の状態に調節する
ことによって、そして第三に細胞機能への相乗的、相加
的、または拮抗的な相互作用によって、ネットワークの
中で相互に作用する。[Immunology Today 10:299(198
9)]。
【0003】新生物の治療に於いて、および免疫増加剤
としてのサイトカインの利用可能性が近年ヒト組換えイ
ンターロイキン−2(rIL-2)を用いる研究で示されて
いる。天然のインターロイキン−2(IL-2)は、T−
リンパ球により生産され分泌されるリンフォカインであ
る。この糖タンパク質分子はT−細胞が役割を有する事
実上すべての免疫応答の誘導に密接に関与する。インビ
トロでのB細胞応答もIL-2の存在により増強される。
またIL-2は、分化誘導因子としてBおよびTリンパ球
応答の制御にも関係している。
【0004】ヒトrIL-2の投与がいくつかの症例で示さ
れており、実験動物[J. Exp. Med.161:1169-1188(198
5)]およびヒト[N. Engl. J. Med. 313:1485-1492(1
985)およびN. Engl. J. Med. 316:889-897(1987)]
の両者で樹立腫瘍の退行性変化を生じた。rIL-2の抗腫
瘍効果は、インビボでrIL-2により活性化される宿主細
胞障害性エフェクターリンパ球によって媒介されると考
えられる[J. Immunol. 139:285-294(1987)]。さら
に、動物モデルから得られた結果は、rIL-2がある種の
感染性疾患の治療[J. Immunol. 135:4160-4163(198
5)およびJ. Virol. 61:2120-2127(1987)]、および
化学療法により引き起こされた免疫抑制の改善[Immuno
l. Lett. 10:307-314(1985)]にも有効でありうるこ
とを示唆する。
【0005】しかしながら、rIL-2の臨床使用はそれが
惹起する可能性のある重大な副作用のために複雑な問題
となっている[N. Engl. J. Med. 313:1485-1492(198
5)およびN. Engl. J. Med. 316:889-897(1987)]。
毒性を低下させる一方でサイトカイン療法の有効性を向
上させる一つの方法は2またはそれ以上のサイトカイン
を組合せて使用することである。たとえば、rIL-2を組
換えインターフェロンアルファ(rIFNアルファ)と一緒
に[Cancer Res. 48:260-267(1988)およびCancer Re
s. 48:5810-5817(1988)]、または組換え腫瘍壊死因
子アルファ(rTFNアルファ)と一緒に[Cancer Res. 4
7:3948-3953(1987)]腫瘍担持マウスに投与した場合
に、相乗的な抗腫瘍活性が生ずることが示されている。
IL-2の抗腫瘍効果は宿主細胞障害性エフェクターリン
パ球により媒介されると考えられるので、rIL-2と相乗
作用してインビトロで細胞障害性リンパ球を活性化する
新規サイトカインを同定し単離することは興味深いであ
ろう。これら新規サイトカインはまた、インビボでrIL-
2と組み合わせて投与された場合、抗腫瘍剤としても有
用であろう。
【0006】従って、本発明は細胞障害性リンパ球成熟
因子(CLMF)と呼ばれる新規サイトカインタンパク
質を提供するものである。このタンパク質はCLMFを
分泌しうる細胞によって生産および合成される。かかる
細胞の例は哺乳動物細胞、特にヒトリンパ芽球細胞であ
る。低濃度のIL-2の存在下ではCLMFはリンフォカ
イン活性化キラー(LAK)細胞の細胞溶解活性を相乗
的に誘導する。CLMFはまたT−細胞の増殖を刺激す
ることもできる。
【0007】本発明は、CLMFを実質的に純粋な形態
で単離するための方法において、以下の工程、すなわち a)NC−37細胞のようなBリンパ芽球細胞を刺激し
てサイトカインを生産させて上清液中に分泌させ、 b)刺激を受けた細胞によって生産された上清液を集
め、 c)この上清液をタンパク質フラクションに分離し、 d)各タンパク質フラクションをCLMFの存在に関し
て検査し、 e)T−細胞の増殖を刺激でき、タンパク質フラクショ
ンのT−細胞刺激活性の原因物質である活性タンパク質
を含有するタンパク質フラクションを保持し、 f)細胞溶解性リンパ球成熟因子(CLMF)である該
活性タンパク質を実質的に純粋な形態で単離する、 ことを含んでなる方法に関する。
【0008】このようにして得られたCLMFタンパク
質は他のサイトカインタンパク質を含有しない。天然型
CLMFタンパク質は二つのポリペプチドサブユニット
40kDaサブユニットおよび35kDaサブユニット
からなる75キロダルトン(kDa)のヘテロダイマー
であり、これらは一またはそれ以上のジスルフィド結合
を介して互いに結合している。本発明はまたCLMF遺
伝子のヌクレオチド配列および該遺伝子によってコード
されるCLMFタンパク質のアミノ酸配列をも提供す
る。これらの配列情報に基づいてCLMF活性を有す
る、天然型CLMFタンパク質の誘導体を調製すること
ができる。それゆえ本発明は細胞障害性リンパ球成熟因
子(CLMF)を実質的に純粋な形態で含有するタンパ
ク質、またはCLMF活性を示しCLMFのアミノ酸配
列の生物学的に活性な部分を含有するかあるいはCLM
Fのアミノ酸配列並びに他のアミノ酸を含有するタンパ
ク質、またはCLMFまたはその生物学的に活性なフラ
グメントに類似した配列を含有しCLMF活性を有する
タンパク質に関する。
【0009】上記工程c)〜f)は他のタンパク質とと
もにCLMFを含有する任意の液体または流体からCL
MFを精製するのに用いることができる。本発明はまた
CLMF活性を有しかつT細胞増殖を刺激しうるタンパ
ク質フラクション、上記方法によって得られた実質的に
精製された活性CLMFタンパク質、40kDaサブユ
ニットおよび/または35kDaサブユニットをコード
し、単離されクローニングされた遺伝子、これらの遺伝
子を含有するベクター、該遺伝子を含有するベクターで
形質転換された宿主細胞、およびかかる形質転換宿主細
胞中に調製されたCLMFタンパク質および誘導体にも
関する。さらに本発明はLAK細胞およびT−細胞CL
MF単独でまたはIL-2とともに処理することを含んで
なるこれら細胞の刺激法にも関する。さらにまた本発明
はCLMFに結合しうる単離されたポリクローナルまた
はモノクローナル抗体にも関する。
【0010】CLMFの部分精製標品に対して調製され
たモノクローナル抗体は以下のように同定し特定決定さ
れている。すなわち、1: 125I−標識CLMFの免疫
沈降反応、2:CLMF生物活性の免疫低下、3:CL
MFのウェスタンブロッティング、4: 125I−CLM
Fのその細胞レセプターへの結合の阻害、および5:C
LMF生物活性の中和。抗−CLMF抗体を分泌する2
0個のハイブリドーマを同定した。T−細胞増殖アッセ
イおよびLAK細胞誘導アッセイで評価してこれら抗体
125I−標識CLMFを免疫沈降させそしてCLMF
生物活性を免疫低下させることが判明した。ウェスタン
ブロットでは抗体が70kDaヘテロダイマーおよびサ
ブユニットの一方と結合することが示された。前記20
個の抗−CLMFモノクローナル抗体はいずれもCLM
Fに対して特異的であり、特にCLMFの40kDaサ
ブユニットに対しても特異的であった。個々の抗体がC
LMFのその細胞レセプターへの結合を阻害する能力を
評価するために、CLMFレセプター結合アッセイが開
発されている。このアッセイは、 125I−標識CLMF
のPHA活性化PBL芽球細胞に対する結合を各抗体の
存在下および非存在下で測定する。調べた20抗体のう
ち、12抗体が 125I−標識CLMFの芽球細胞への結
合を60%以上阻害することが判明した。二つの阻害抗
体、すなわち7B2および4A1はCLMF生物活性を
中和するが、阻害作用のない一抗体すなわち8E3はC
LMF生物活性を中和しない。これらのデータから、
125I−標識CLMFのその細胞レセプターへの結合を
阻止する抗体は、T−細胞増殖アッセイおよびLAK細
胞誘導アッセイにより評価してCLMF生物活性を中和
するであろうことが確認される。CLMFの40kDa
サブユニットに特異的な抗体がCLMF生物活性を中和
しうることは、40kDaサブユニット上の決定基がC
LMF細胞レセプターへの結合に必要であることを示し
ている。
【0011】本発明のモノクローナル抗−CLMF抗体
は、天然型および組換えヒトCLMFのイムノアフィニ
ティ精製、ヒトCLMFイムノアッセイの開発、CLM
Fの40kDaサブユニットの活性部位の同定のための
強力な分析、診断および治療上の試薬を提供し、そして
移植におけるような細胞障害性T細胞の選択的な免疫抑
制を必要とする患者の治療的処置に使用できる。ヒトC
LMF上の異なるエピトープを認識するモノクローナル
抗体を感度の高い二部位イムノアッセイに試薬として用
いて生物学的流体、細胞培養上清およびヒト細胞抽出物
中のCLMFレベルを測定できる。
【0012】従って、本発明はまた多数の用途を有する
CLMFに対するモノクローナル抗体にも関する。この
用途は以下を包含するがそれに限定されない: 1.天然型および組換えヒトCLMF精製のためのアフ
ィニティー試薬としてのモノクローナル抗体の利用; 2.生物学的流体、細胞培養上清、細胞抽出物中、およ
びヒト細胞の原形質膜上の天然型および組換えCLMF
を測定するためのエンザイムイムノアッセイおよびラジ
オイムノアッセイを構成するための試薬として、および
ドラッグスクリーニングアッセイのための試薬として
の、モノクローナル抗体の利用; 3.生物学的な流体、細胞培養上清およびヒト細胞抽出
物中のCLMF測定のための高感度の二部位イムノアッ
セイを構築するための試薬としてのモノクローナル抗体
の利用; 4.35kDaサブユニットとの結合に関与し、CLM
F細胞レセプターとの結合に関与する40kDaサブユ
ニットの決定基を同定するための試薬としてのモノクロ
ーナル抗体の利用; 5.移植におけるような、細胞障害性T細胞の増殖およ
び活性化を選択的に阻止するための治療薬としての、阻
害性モノクローナル抗体の無傷のIgG分子、Fabフラグメ
ントまたは人体に適合させたIgG分子の利用。
【0013】以下に図面について説明する。図1は培養
NC37リンパ芽球細胞から得られた上清溶液をNu-Gel
P-SPカラムにかけ、TGF活性を含有するタンパク質
フラクションが塩グラジエントで溶離されることを示す
プロットである。図2は、図1に示される分離により得
られたTGF活性含有物質がブルー−B−アガロース
(Blue-B-Agarose)カラムを通って塩グラジエント勾配
で溶離されるプロットである。
【0014】図3は、図2に示される分離から得られた
TGF活性含有物質がモノ(Mono)Qカラムを通ってN
aClグラジエントで溶離されるプロットである。図4
は、図3に図示した工程から得られたフラクション30
から45までと、48および50のSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析を示
す。左側の数字、すなわち44および68は、レーンS
での標準タンパク質の見かけの分子量、44および68
kDaを指す。
【0015】図5は、図3で示されるMono Qクロマト
グラフィー分離(逆相HPLC)から得られたフラクシ
ョン38をVydacジフェニル(Diphenyl)カラムに通し
た溶離プロフィールを示す。図6は、図5に示される分
離工程から回収されたタンパク質フラクション85−9
0のタンパク質純度のSDS−PAGE分析を示す。
【0016】図7は、逆相HPLC分離から得られたフ
ラクション87および88を非還元(レーンA;β−メ
ルカプトエタノールなし)および還元(レーンB;β−
メルカプトエタノール存在下)条件下でSDS−PAG
E分析した結果を示し、75,000分子量のCLMFが40
kDaおよび35kDaの二つのサブユニットに分離さ
れることを示す。この図に示されるゲルの残りのレーン
は、44および68kDaマーカータンパク質からなる
標準タンパク質を含有する。
【0017】図8はNC37細胞からの上清溶液から得
られたタンパク質をNu-Gel P-SPカラムにかけ、塩グラ
ジエントで溶離した溶離パターンを示す。図9は、図8
に示されるNu-Gel P-SPカラム溶離により得られた活性
フラクションのブルー−B−アガロースカラム塩グラジ
エント溶離プロフィールである。図10は、図9に示さ
れる溶離により得られた活性フラクションのモノQカラ
ム塩グラジエント溶離プロフィールである。
【0018】図11は、図10に示されるモノQクロマ
トグラフィーから得られた活性フラクション39および
40の、Vydacジフェニルカラムを通した溶離パターン
である。図12は、図11に示される分離工程から得ら
れた活性フラクションの還元条件下でのSDS−PAG
E分析を示す。
【0019】図13は、CLMFサイトカインの35k
Daサブユニットからの40kDaサブユニットの分離
を表す模式図である。図14は、CLMFサイトカイン
の40kDaサブユニットのアミノ酸組成の決定、N−
末端配列決定、タンパク分解的消化および完全な配列決
定を示す模式図である。
【0020】図15は、CLMFサイトカインの消化さ
れた40kDaサブユニットのトリプシン処理ペプチド
の分離を示す。図16は、スタフィロコッカス・アウレ
ウス(Staphylococcus aureus)V8プロテアーゼ消化
を受けた40kDaサブユニットCLMFのタンパク分
解ペプチドの分離を示す。
【0021】図17は、CLMFの40kDaサブユニ
ットタンパク分解ペプチドの分析から得られたタンパク
質構造に関する情報を要約したチャートである。以下の
ような略号および記号が使用される: N−t − 無傷のタンパク質のN−末端配列決定 Tr − フラクション番号を付したマップHP2383からのトリプシン 処理ペプチド V8 − フラクション番号を付したマップHP2412からのV8プロテ アーゼペプチド ∧ − ありそうなグリコシル化部位を示す;四角で囲った部分は可能性の ある部位を示す。
【0022】図18は、図3に示されるMono Q FPL
C溶離プロフィールから得られたフラクション39のS
DS−PAGE分析を示す。レーンA:標準タンパク
質、β−メルカプトエタノールなし;レーンB:フラク
ション39、β−メルカプトエタノールなし;レーン
C:フラクション39、β−メルカプトエタノールあ
り;レーンD:標準タンパク質、β−メルカプトエタノ
ールあり。
【0023】図19は、逆相HPLCによる35kDa
サブユニットの精製に関するもので、5%β−メルカプ
トエタノール中で還元されたMono Qクロマトグラフィ
ーのフラクション39をVydac C-18カラムに通して溶離
したパターンを示す。図20は、図19に示されるVyda
c C-18カラム溶離プロフィールから得られたフルオレサ
ミン陽性フラクションの、非還元条件下でのSDS−P
AGEゲル分析を示す。S:=標準タンパク質;F:=
フロースルー;番号はフラクション番号を指す。
【0024】図21は、Mono Qクロマトグラフィーの
フラクション36および37のトリプシン消化物をYMC
ODSカラムに通した溶離パターンを示す。図22は、染
色したPVDF膜を示し、不鮮明なバンドは、それぞれ
約29,25,14,12,および9kDaの領域を切
り出す前(図22B)および後(図22A)のCNBr分解
CLMFである。これらの領域は以下の配列を有するCN
Brフラグメントを含有する: I (P?)-P-K-N-L-Q-L-K-P-L-K-N-?-V-(Q?)- (40kDaタンパク質由来の新配列) II ?-Q-K-A-(R?)-Q-T-L-E-F-Y-P-?-T- (35kDaタンパク質の残基番号30から始まる新配列) III V-V-L-T-?-D-T-P-E-E-D-G-I-T- (40kDaタンパク質の残基番号24から始まる) IV V-D-A-V-(H?)-K-L-K-Y-E-?-Y-T-?-?-F-F-I- (40kDaタンパク質の残基番号190から始まる) 注:上記配列にはメチオニン残基が先行することが想定
されるかまたは知られている。
【0025】図23は、CLMFをCNBrで分解すること
により得られたペプチドフラグメントの逆相HPLC分
離を示す。図24は、アガロース樹脂に共有結合された
モノクローナル抗体7B2を用いるアフィニティクロマ
トグラフィーによって精製された、純粋なCLMFおよ
び「遊離の」会合していない40kDa CLMFサブ
ユニットのSDS−PAGEを示す。レーンA:分子量
マーカータンパク質;レーンB:出発物質;レーンC;
フロースルー;レーンD:酸溶出物;レーンE:チオシ
アン酸カリウム溶出物。
【0026】図25a,b,c,およびdは、ヒトCL
MFの40kDaサブユニットのDNA配列および推定
アミノ酸配列を示す。図26a,b,およびcは、CL
MFの35kDaサブユニットのcDNA配列および推
定アミノ酸配列を示す。図27は、CLMFで免疫した
ラット由来の、および非免疫ラット(対照)由来の血清
によるCLMF生物活性の阻害を示す。
【0027】図28は、 125I−CLMFの、モノクロ
ーナル抗体4A1(レーン1)、4D1(レーン2)、
8E3(レーン3)、および9C8(レーン4)による
免疫沈降反応、対照抗体(レーン5)による免疫沈降反
応、免疫ラット血清(レーン6および8)による免疫沈
降反応、および正常ラット血清(レーン7および9)に
よる免疫沈降反応のSDS−PAGE分析を示す。左側
にはkDaで表した分子量を示す。
【0028】図29は、CLMF生物活性(TGF活
性)の、モノクローナル抗−CLMF抗体(a−CLM
F)による免疫低下を示す。図30は、CLMF生物活
性(LAK誘導活性)の、モノクローナル抗−CLMF
抗体(a−CLMF)による免疫低下を示す。図31
は、モノクローナル抗体(mAb)7B2,4A1,8E
3,6A3,9F5および2A3とCLMF75kDa
ヘテロダイマーとの反応性、およびラットポリクローナ
ル抗−CLMF抗体(RS1)と同ヘテロダイマーとの
反応性に関するウェスタンブロット分析を示す。NR
S:=正常ラット血清。
【0029】図32は、モノクローナルおよびラットポ
リクローナル抗−CLMF抗体のCLMF40kDaサ
ブユニットとの反応性に関するウェスタンブロット分析
を示す。レーン1から18までは以下のmAbsが用いられ
た:それぞれ、4A1,4D1,7B2,7A1,2A
3,1C1,8E4,8A2,8E3,1B8,4A
6,6A2,8C4,9F5,6A3,9C8,8A
1,および22E7。レーン19には対照抗体を、レー
ン20には融合ラット血清を、そしてレーン21には正
常ラット血清が用いられた。
【0030】図33は、 125I−CLMFの、PHA−
活性化末梢血液リンパ球(PBL)リンパ芽球との結合
を示す。図34は、PHA−活性化PBL芽細胞に対す
125I−CLMFの結合の、ラット抗−CLMF血清
による阻害を示す。データは、血清非存在下での全特異
的結合と比較した場合の、指示濃度の血清の存在下にお
けるその細胞に対する 1 25I−CLMF結合の量(結合
%)で表わす。
【0031】図35は、PHA−活性化PBL芽球細胞
に対する 125I−CLMFの結合の、モノクローナル抗
体上清による阻害を示す。データは、抗体上清非存在下
での全特異的結合と比較した場合の、1:1希釈上清存
在下におけるその細胞に対する 125I−CLMF結合の
%阻害で表わす。図36は、PHA−活性化PBL芽球
細胞に対する 125I−CLMFの結合の、様々な濃度の
精製モノクローナル抗体による阻害を示す。データは、
抗体非存在下での全特異的結合と比較した場合の、指示
濃度の抗体存在下におけるその細胞に対する 125I−C
LMF結合の量(cpm結合%)で表わす。
【0032】図37は、ウサギポリクローナル抗−CL
MF抗体と75kDa CLMF(非還元)との反応
性、および35kDa CLMFサブユニット(還元)
との反応性に関するウェスタンブロット分析を示す。3
5kDa CLMFサブユニットの合成ペプチドフラグ
メントに対する抗体を調製した。レーン1から5までは
β−メルカプトエタノールを用いなかった;レーン6か
ら10まではβ−メルカプトエタノールを用いた。レーン 1 1μl CLMF 2 3μl CLMF 3 6μl CLMF 4 ブランク 5 ブランク 6 5μl予備染色分子量標準物 7 1μl CLMF 8 3μl CLMF 9 6μl CLMF 10 10μl予備染色分子量標準物 本文中で述べた上記および下記のすべての刊行物は、参
照としてここにとり込まれる。
【0033】本発明のCLMF活性タンパク質には、均
質な天然型CLMFタンパク質、並びに天然型CLMF
の生物学的に活性なフラグメントを含有するCLMF活
性タンパク質が包含される。さらに本発明には、組換え
CLMFタンパク質並びに融合タンパク質、すなわち天
然型CLMFのアミノ酸配列あるいはその部分配列を他
のタンパク質由来のアミノ酸配列とともに含有するCL
MFタンパク質誘導体が包含される。本発明のタンパク
質は以下の実施例で説明するT−細胞増殖因子アッセイ
のような標準的アッセイにより測定してCLMFの生物
学的活性を有する。
【0034】本発明のCLMFタンパク質にはまた、C
LMFのアミノ酸配列またはそのCLMF活性フラグメ
ントに類似したアミノ酸配列を有する、天然に存在しな
いCLMF類似タンパク質も包含される。かかるCLM
F類似タンパク質は、天然型CLMFまたはそのフラグ
メントの一またはそれ以上のアミノ酸が、CLMF活性
を失うことなく置換または欠失したタンパク質である。
かかる類似体はペプチド化学に知られた方法または組換
えDNA技術に知られた方法(例えば特定部位の突然変
位誘発)によって作成できる。フラグメントおよび類似
体を含む本発明のすべてのタンパク質のCLMF生物活
性は標準的なT−細胞増殖因子アッセイを用いて測定で
きる。
【0035】本発明によれば、天然型CLMFが精製型
で得られる。CLMFタンパク質の35kDaサブユニ
ットおよび40kDaサブユニットのアミノ酸配列を図
25および図26に示す。本発明に従って得られたこれ
らの配列に基づいて、CLMFタンパク質の生物活性類
似体およびフラグメントを得ることができる。これらの
生物活性タンパク質は組換えDNA技術の標準的方法を
用いて生物学的に生成させることができるしあるいはア
ミノ酸シンセサイザーで、またはよく知られた液相また
は固相ペプチド合成法を用いたマニュアル合成によって
化学的に合成することができる。同様な方法で、類似
体、フラグメント、およびCLMFのアミノ酸配列を他
のアミノ酸とともに含有するタンパク質を生成すること
もできる。次に、これらタンパク質のすべてをCLMF
活性について調べることができる。
【0036】このように、本発明は、実質的に純粋な形
態の細胞障害性リンパ球成熟因子(CLMF)活性を有
するタンパク質(例えばCLMFタンパク質それ自
体)、または天然型CLMFのアミノ酸配列の少なくと
も一部を含有する、CLMF活性を有する前記タンパク
質誘導体に関する。本発明はまたCLMFをコードする
クローニングされた遺伝子、および上記で定義されたタ
ンパク質をコードし、CLMFをコードするcDNAに
相当する配列を含有する、単離されたポリヌクレオチ
ド、CLMFタンパク質をコードするポリヌクレオチド
を含有する組換えベクター、該組換えベクターで形質転
換された微生物、上記タンパク質に対する抗体、並びに
上記タンパク質、ベクターおよび抗体を調製する方法に
関する。さらに本発明は上記CLMFタンパク質を用い
るLAK細胞、T−細胞またはナチュラルキラー細胞の
刺激方法にも関する。
【0037】ここで用いられる「CLMFをコードする
cDNAに相当する配列を含有するポリヌクレオチド」
なる用語は、そのポリヌクレオチドがCLMFをコード
するcDNA内の配列と相同のまたはそれと相補的な配
列を含有することを意味する。cDNAに対する相同性
または相補性の度合は約50%またはそれ以上で、好ま
しくは少なくとも約70%そしてさらに好ましくは少な
くとも約90%である。下記の方法を包含する当業上知
られた技法によって、すなわち例えば配列決定された試
料と記載されたcDNAとの直接比較によって、配列の
推定相同性に適する緊縮条件を用いたハイブリッド形成
実験後、一本鎖ヌクレアーゼを用いる消化によって、そ
して消化されたフラグメントの分子量決定によって、C
LMF配列とcDNA間の対応関係を決定できる。
【0038】本発明の実施には、特に指示しない場合に
は、分子生物学、微生物学、組換えDNAおよび免疫学
の、当業者の技術範囲内にある慣用の技法が用いられよ
う。かかる技法は文献に十分に説明されている。例えば
Maniatis, Fitsch & Sambrook, MOLECULAR CLONING ; A
LABORATORY MANUAL(1982);DNA CLONING, VOLUMESI
AND II(D. N.Glover編,1985);OLIGONUCLEOTIDE SYN
THESIS(M. J. Gait編,1984);NUCLEIC ACID HYBRIDI
ZATION(B. D. Hames & S. J. Higgins編,1984);TRA
NSCRIPTION AND TRANSLATION(B. D. Harnes & S. J. H
iggins編,1984);ANIMAL CELL CULTURE(R. I. Fresh
ney編,1986);IMMOBILIZED CELLS AND ENZYMES(IRL
Press, 1986);B. Perbal, A PRACTICAL GUIDE TO MOL
ECULARCLONING(1984);the series, METHODS IN ENZY
MOLOGY(Academic Press, Inc.);GENE TRANSFER VECT
ORS FOR MAMMALIAN CELLS(J. H. MillerおよびM. P.Ca
los編,1987, Clod Spring Harbor Laboratory),Metho
ds in Enzymology Vol.154およびVol.155(それぞれWu
およびGrossman, およびWu, 編,);IMMUNO CHEMICAL
METHODS IN CELL AND MOLECULAR BIOLOGY(Mayerおよび
Walker, 編,1987, Academic Press, London), Scope
s, PROTEIN PURIFICATION:PRINCIPLES AND PRACTICE,
第2版(1987, Springer-Verlag, N.Y.),およびHANDB
OOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY, V OLUMES I-IV(D. M. MeirおよびC. C. Blackwell編,19
86)参照。
【0039】非常に種々な宿主/ベクターの組合せを用
いて、本発明のDNA配列およびDNA分子を発現する
ことができる。たとえば、有用なベクターは、染色体
性、非染色体性および合成によるDNA配列のセグメン
トからなることができる。かかるベクターの例にはウイ
ルスベクター(例えばSV40の様々な知られた誘導
体)、細菌性ベクター(例えばpCR1,pBR322,pMB9および
RP4を含むイー・コリ(E.coli)由来のプラスミド)、
ファージDNA(例えばファージλ、M13および他の
繊維状一本鎖DNAファージの種々の誘導体)、ならび
に酵母に於て有用なベクター(例えば2μプラスミ
ド)、真核細胞に於て有用なベクターがあり、より好ま
しくは動物細胞に於て有用なベクター(例えばSV4
0、アデノウイルスおよび/またはレトロウイルス由来
のDNA配列を含有するベクター)がある。また有用ベ
クターは例えば修飾によりファージDNAを含有するプ
ラスミドまたはそれらの他の誘導体のように、プラスミ
ドとファージDNAとの組合せから誘導することもでき
る。
【0040】組換えCLMFタンパク質の調製に使用で
きる発現ベクターは、クローン化CLMF DNA配列
の発現を制御および調節するためにベクター内に挿入さ
れた、CLMF DNA配列に機能的に連結し少なくと
も一種の発現制御配列を含有することを特徴とする。有
用な発現制御配列の例としては、lac系、trp系、tac
系、trc系、λファージの主要オペレーターおよびプロ
モーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、酵母の
解糖プロモーター(例えば、3−ホスホグリセリン酸キ
ナーゼのプロモーター)、酵母の酸ホスファターゼのプ
ロモーター(例えば、Pho5)、酵母α−接合因子プロ
モーター、およびポリオーマウイルス、アデノウイル
ス、レトロウイルスおよびシミアンウイルス由来のプロ
モーター(例えば、SV40の初期および後期プロモー
ター)、および原核または真核細胞およびそれらのウイ
ルスの遺伝子の発現を制御することが知られている他の
配列、ならびに上記プロモーター/オペレーター配列の
組合せ、がある。
【0041】かかる有用な発現ベクターの中で、動物お
よびヒト細胞のような真核生物宿主内でクローン化CL
MF−関連DNA配列の発現を可能にするベクターが知
られている[例えばP. J. SouthernおよびP. Berg, J.
Mol. Appl. Genet.:327-41(1982);S. Subramani
ら、Mol. Cell. Biol.:854-64(1981);R. J. Kauf
mannおよびP. A. Sharp. Mol. Cell. Biol. 159:601-64
(1982);S. I. Scahillら、“Expression and Charac
terization of The Product of A Human ImmuneInterfe
ron DNA Gene in Chinese Hamster Ovary Cells”, Pro
c. Natl. Acad.Sci. U.S.A. 80:4654-59(1983);G. U
rlaubおよびL. A. Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. US
A. 77:4216-20(1989)]。
【0042】さらに、各々の特異的発現ベクターの内部
で、本発明のCLMF−関連DNA配列を挿入するため
に種々の部位を選ぶことができる。これらの部位は通常
それを切断する制限エンドヌクレアーゼによって示され
る。それらは当業者によってよく認識されている。本発
明で有用な発現ベクターは、選ばれたDNAフラグメン
トを挿入するための制限エンドヌクレアーゼ部位を有す
る必要がないことは、当然理解されるべきである。その
代わりに、別の方法によってベクターをフラグメントに
結合させることができる。選択されたDNAフラグメン
トを挿入するためおよびそのDNAフラグメントを発現
制御配列に機能的に結合させるために発現ベクター内で
選ばれる部位は、特定の制限酵素の作用を受ける部位の
数、ベクター配列に関する開始および終止コドンの位
置、および組換えベクターで形質転換された宿主を選択
するための望ましい方法のような種々のファクターによ
って決定される。ベクターおよびDNA配列挿入部位の
選択は、これらのファクターのバランスによって決ま
り、すべての選択が特定の場合に同じように有効である
わけではない。
【0043】CLMF関連DNA配列の発現に用いられ
る宿主細胞は種々の知られた宿主から選択できる。かか
る宿主の例としては原核または真核細胞がある。かかる
宿主の多くが、the American Type Culture Collection
(ATCC)またはthe DeutscheSammlung fur Mikroorgani
smen(DSM)のような種々の寄託機関から入手可能で
ある。原核細胞宿主の例には、E.コリ、バチルス・スブ
チリス(B.subtilis)およびその他のような細菌菌株が
ある。好ましい宿主はSV40で形質転換されたアフリ
カミドリザル腎細胞系統COSような哺乳動物細胞であ
る。
【0044】必ずしもすべての宿主/発現ベクターの組
合せ物が所定のDNA配列の発現に等しく有効に機能す
るわけではない。しかしながら当業者は、本発明の範囲
から逸脱することなしに本文に記載の原則を十分考慮の
上で、宿主/発現ベクターの組合せについて個々に選択
できる。例えば、その選択は多数のファクターのバラン
スに基づいてなされねばならない。これらには例えば、
宿主とベクターの適合性、宿主細胞酵素によるタンパク
分解に対するタンパク質の感受性、精製過程で除去する
ことが困難な、宿主細胞により発現されるタンパク質の
混入可能性、DNA配列によってコードされるタンパク
質の宿主に対する毒性、所望のタンパク質の回収の容易
さ、DNA配列およびそれに機能的に結合された発現制
御配列の発現特性、生物学的安全性、コスト、および所
望のタンパク質の折りたたみ構造、形態、またはその他
の任意の必要な発現後修飾が包含される。
【0045】CLMF DNAを含有する発現ベクター
を有する宿主生物は通常宿主生物の増殖に最適の条件下
で増殖される。対数増殖期の終了に向かって単位時間当
たりの細胞数増加が低下したところで、CLMFタンパ
ク質の発現が誘導される、すなわちそのタンパク質をコ
ードするDNAが転写され、そして転写されたmRNA
が翻訳される。増殖培地に誘導物質または抑制解除物質
を添加することによって、あるいは物理的パラメーター
を変化させること、例えば温度変化によって誘導を行う
ことができる。
【0046】宿主生物内で生成されたCLMFタンパク
質は特別の輸送メカニズムによって細胞から分泌される
ことが可能であり、または細胞を破壊することによって
これを単離することができる。機械的手段[Charmら、M
eth. Enzymol. 22:476-556(1971)]、酵素処理(たと
えばリゾチーム処理)または化学的手段(たとえば界面
活性剤処理、尿素またはグアニジン・HCl処理、な
ど)、またはそれらの組合せによって細胞を破壊でき
る。
【0047】真核生物では、細胞から分泌されるポリペ
プチドは前駆体分子の形で合成される。成熟ポリペプチ
ドは、いわゆるシグナルペプチドを除去することにより
生じる。原核宿主生物は真核生物性のシグナルペプチド
を前駆体分子から切断できないので、真核生物性ポリペ
プチドは原核宿主生物では直接それらの成熟形として発
現される必要がある。翻訳開始シグナルAUGは、DN
AレベルではATGコドンに対応するが、これによって
あらゆるポリペプチドが原核宿主生物においてN−末端
メチオニン残基をともない合成される。ある種の場合に
は、使用する発現系によって、そしておそらくは発現さ
れるポリペプチドによっては、このN−末端メチオニン
残基は切り離される。
【0048】本発明のDNA配列で形質転換された原核
生物および真核生物宿主の発酵によって生産されるCL
MFを次に知られた方法によって実質的に均質となるま
で精製することができる。この方法には例えば、異なる
速度での遠心分離、硫酸アンモニウム沈澱、透析(常圧
または減圧下)、調製用等電点電気泳動、調製用ゲル電
気泳動、または種々のクロマトグラフィー法例えば、ゲ
ル濾過、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、
イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィ
ーおよびアフィニティークロマトグラフィー(例えばSe
pharose Blue CL-6BまたはCLMFに対して生成された
キャリアー結合モノクローナル抗体)がある。
【0049】本発明の精製CLMFタンパク質はLAK
細胞およびT細胞アクチベーターおよび抗腫瘍組成物の
調製に、またLAK細胞、T−細胞またはナチュラルキ
ラー細胞を刺激する方法において使用できる。本発明の
CLMFを分析し、CLMF活性に関する活性部位を決
定することもできる。この分析から得られた情報を用い
て、CLMF活性を有するフラグメントまたはペプチド
(合成ペプチドを含む)を予測し生成させることができ
る。かかる活性部位を決定するための既知の技法には、
X線結晶学、核磁気共鳴、円偏光二色性、UV分光法、
および特定部位の突然変異誘発がある。したがって、こ
のようにして得られたフラグメントはT細胞またはLA
K細胞を刺激する方法において用いることができる。
【0050】本発明により調製されたCLMFタンパク
質または誘導体、あるいはCLMFタンパク質または誘
導体を含有する医薬組成物は上記の臨床上の使用のため
に温血哺乳動物に投与することができる。投与は、抗腫
瘍活性を示す薬剤の任意の慣用の投与様式、例えば静脈
内、皮下または筋肉内のいずれかによる病変内または非
経口投与であることができる。明らかに、必要とされる
用量は処置される個々の状態、症状の重さ、治療の継続
期間および投与方法によって変化しよう。医薬用として
適した剤形は、慣用法での使用に先立って再構成される
滅菌濾過し凍結乾燥したタンパク質から得ることができ
る。また、本発明によるCLMFタンパク質を適合性の
ある製剤上許可できる担体物質(例えば緩衝剤、安定化
剤、制菌剤、および医薬品として非経口剤形に慣用に用
いられる他の賦形剤および添加物)と混合することによ
って、該CLMFタンパク質を含有する医薬組成物を調
製することも当業者の技術範囲内にある。本発明はかか
る医薬組成物にも関する。
【0051】好ましい投与形態は意図される投与様式お
よび治療上の適用の如何によって異なる。本発明のCL
MFタンパク質またはペプチド誘導体を含有する医薬組
成物にはまた好ましくは慣用の製剤上受容されうる担体
が包含されようしそして他の薬剤(例えば、インターロ
イキン−2)、担体、アジュバント、賦形剤など、例え
ばヒト血清アルブミンまたは血漿製剤が包含されうる。
本発明の組成物は単位量の形態でありそして通常一日に
一回ないしそれ以上これを投与するのが好ましい。単位
量は、CLMFタンパク質または誘導体の有効量、およ
び所望の場合はインターロイキン−2の有効量を凍結乾
燥形態で含有する1mlバイアル中に封入されるのが好
ましい。CLMFタンパク質または誘導体および所望の
場合はインターロイキン−2を含有するバイアルは、そ
の医薬組成物の正しい使用法を記載した使用説明書とと
もに容器に包装するのが好ましい。また、本発明は好ま
しくは別の単位量のインターロイキン−2と一緒、最も
好ましくは適当な使用説明書と一緒に容器に包装された
かかる単位量にも関する。さらに、本発明はかかる単位
量の調製方法にも関する。
【0052】ここに説明した本発明がよりよく理解され
るよう、以下に実施例を示す。これらの実施例は説明目
的のためのみであることが理解されるべきであり、そし
て本発明はそこに詳述される詳細な実施態様に限定され
るものとして解釈されるべきではない。以下に述べる特
定の製品名および供給者は、これを強制することを意味
するものではないことに注意されたい。当業者は他の供
給者から代替製品を選択しうる。
【0053】
【実施例】細胞障害性リンパ球成熟因子(CLMF)の
精製および特性決定 CLMFを含有する上清液の生産 ヒトNC−37Bリンパ芽球細胞(ATCC CCL 214, Amer
ican Type Culture Collection, Rockville, MD)を、
CLMFの生産に使用した。この細胞を、5%熱不活化
(56℃、30分)ウシ胎児血清、2mM L−グルタ
ミン、100単位/mlペニシリンおよび100μg/
mlストレプトマイシンを補添したRPMI1640培地中
で、連続継代によって維持した(細胞培養培地はすべ
て、GIBCOLaboratories, Grand Island, NYから入手し
た)。
【0054】生産性のより高いNC−37細胞の亜系は
液体微量培養での限界希釈クローニングによって誘導し
た。3個のCostar3596マイクロプレート(Costar Co.,
Cambridge, MA)の各ウェルに、NC−37細胞を5細
胞/ml含有する細胞懸濁液100μlを入れた。クロ
ーニングに用いた培地は新鮮な継代培地、および親NC
−37細胞の貯蔵培養物由来の濾過した馴化培地の1:
1混合物である。培養開始の1週間および2週間後、微
量培養物の各々に新鮮培地および馴化培地の1:1混合
物50μlを供給した。培養開始後3週間および4週間
の間に、NC−37細胞クローンを含有するウェルの内
容物を収集してもっと大量の培養に移した。
【0055】所定の亜系の細胞数が1.4×106 を越
えたところで、百万個の細胞を刺激して、3ng/ml
ホルボール12−ミリステート13−アセテート(PM
A)(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)および1
00ng/mlカルシウムイオノフォアA23187
(Sigma)を含有する1ml培養物中にCLMFを生産
させた。二日後に培養物から上清を集め、例えばSPECTR
OP0RR #1チューブ類(Fisher Scientific)を用いて
約50容量のダルベッコリン酸緩衝食塩水(Gibco)に
対して一晩、緩衝液を一回交換して透析した後、50μ
g/mlゲンタマイシンを有する50容量のRPMI 16
40培地(ともにGibco製)で4時間透析し、そしてT
細胞増殖因子アッセイ(下記参照)によってCLMFを
調べた。親NC−37細胞系により生産される力価の4
倍以上の力価でCLMFを常に生産する三つの亜系、N
C−37.89、NC−37.98、およびNC−37.102が同定さ
れた。これらの3亜系からの細胞はCLMFを同様の力
価(≧800単位/ml)で生産するので、これら3亜
系から得られた培養上清をプールしてCLMF精製のた
めの出発物質として用いた。
【0056】CLMFの大量生産は約38rpmに設定
した回転装置(Wheaton Cell Production Roller Appar
atus Model II, Wheaton Instruments, Millville, N
J)上で回転瓶培養で行った。1%ヌトリドーマ(Nutri
doma)-SP(Boehringer Mannheim Biochemicals, India
napolis, IN)、2mM L−グルタミン、100単位/
mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシ
ン、10ng/ml PMAおよび20−25ng/m
lカルシウムイオノフォアA23187を添加したRPMI
1640培地中に1−1.5×106 NC−37.89、N
C−37.98またはNC−37.102細胞/mlを含有する細
胞懸濁液を調製した。この細胞懸濁液の250から35
0ml部分を、すでに5%CO2 、95%空気の混合物
で満たされたFalcon 3027組織培養回転瓶(Becton
Dickinson, Lincoln Park, NL)に加えた。次に、この
回転瓶にしっかりと蓋をしそして3日間連続回転させな
がら37℃でインキュベートした。この期間の終了時に
培養上清を集めた。タンパク質の分解を遅らせるため
に、EDTAおよびフェニルメチルスルホニルフルオラ
イド(ともにBoehringer Mannheim製)を最終濃度がそ
れぞれ1mMおよび0.1mMとなるようにこの培養上
清に加えた。この上清を4℃で保存した。
【0057】リンフォカイン活性化キラー(LAK)細
胞誘導(LCI)アッセイ 培養上清およびクロマトグラフィーフラクションをそれ
らがrIL-2と相乗的に作用して細胞溶解性LAK細胞の
生成を誘導する能力に関し以下のように調べた。ヒト末
梢血液単核細胞(PBMC)を下記方法で単離した。十
分に無菌の防腐剤の入っていないヘパリン(Sigma)を
最終濃度約5単位/mlとなるように含有する注射器内
に正常な自発提供者から血液を採った。その血液を、カ
ルシウムもマグネシウムも含まないハンクス平衡塩類溶
液(HBSS)(GIBCO)で1:1希釈した。次
に、この希釈した血液を50ml Falcon 2098遠心
管内の15mlフィコール/ジアトリゾエート・ナトリ
ウム(Lymphocyte Separation Medium, Organon Teknik
a Corp., Durham, NC)上に積層させた。この遠心管を
500×gで室温で30分遠心した。遠心後、フィコー
ル/ジアトリゾエート・ナトリウム層上に浮遊する細胞
を集め、カルシウムもマグネシウムも含まない2倍容以
上のHBSSと混合することにより希釈した。次に、得
られた細胞懸濁液をFalcon 2098遠心管内の、1%
ヒトAB血清(Irvine Scientific, Santa Ana, CA)を
補添したRPMI 1640培地中における20%スクロー
ス(Fisher)の15ml上に積層した。この遠心管を5
00×gで室温で10分間遠心し、上清液を捨てた。細
胞ペレットを、5mlのカルシウムおよびマグネシウム
を含まないHBSS中に再懸濁し、遠心分離により再び
ペレットとし、そして最終的に適当な培地に再懸濁し
た。ロイシンエステルに代えてグルタミン酸エステルに
置き換える以外は、L−ロイシンメチルエステルによる
補助細胞除去に関するThieleら、J. Immunol. 131:2282
-2290(1983)の記載と同じ条件を用いて、5mM L−
グルタミン酸ジメチルエステル(Sigma)で処理するこ
とにより補助細胞をPBMCから除去した。
【0058】補助細胞を欠失PBMCをWongら、Cell I
mmunol. 111:39-54(1988)記載のようにして不連続パ
ーコール密度グラジエント(Pharmacia, Piscataway, N
J)での遠心によってさらに分画した。38,41,4
5および58%パーコール層から回収された単核細胞を
プールし、アッセイに於けるLAK細胞前駆体の供給源
として用いた。パーコールグラジエントから回収された
細胞を洗浄し、そして0.1mM非必須アミノ酸、60
μg/mlアルギニンHCl、10mM HEPES緩
衝液、2mM L−グルタミン、100単位/mlペニ
シリン、100μg/mlストレプトマイシン(すべて
GIBCOから入手可能)、5×10-5M 2−メルカ
プトエタノール(Fisher Scientific, Fair Lawn, N
J)、1mg/mlデキストロース(Fisher)、および
5%ヒトAB血清(Irvine Scientific, Santa Ana, C
A)を添加した、RPMI 1640およびダルベッコ改変イ
ーグル培地の1:1混合物からなる組織培養培地(TC
M)に懸濁した。これら細胞を24−ウェル組織培養プ
レート(Costar, Cambridge, MA)中で、1ml培養物
(7.5×105 細胞/培養)としてインキュベートし
た。この培養物には、内因性サイトカイン生産を最小限
にするために10-4Mコハク酸ヒドロコルチゾンナトリ
ウム(Sigma)を添加した。また一部の培養物には最終
濃度5単位/mlでヒトrIL-2(Hoffmann-La Roche, I
nc., Nutley, NJ)、および/またはCLMF活性につ
いてアッセイ予定の上清を加えた。すべての培養物を3
−4日間、37℃で、5%CO2 、95%空気の加湿で
インキュベートした。
【0059】このインキュベーションの終了時に、各培
養物の内容物を集め、細胞を遠心によりペレットとし、
そして0.5mlの新鮮なTCMに再懸濁した。この細
胞懸濁液の1/10mlを、51Cr−標識K562また
はRaji細胞(二つの細胞系ともにATCCから入手
できる)の0.1mlと混合しそして5時間の51Cr放
出アッセイで、その溶解活性を調べた。標的細胞を51
rで標識し、細胞溶解アッセイを行うための方法は、Ga
telyら、[JNCI 69:1245-1254(1982)]に記載されて
いる。特異的51Cr放出パーセントは[()/
(100−)]×100として算出された。ここで
はリンパ球とインキュベートした標的細胞からの51Cr
放出のパーセンテージでありそして、は単独でインキ
ュベートされた標的細胞から自然発生的に放出された51
Crのパーセンテージである。放出可能な全51Crは、
2%ドデシル硫酸ナトリウムで標的細胞を溶解すること
により測定された。Gatelyら、JNCI 69:1245-1254(198
2)参照。すべてのリンパ球集団を4重で溶解活性につ
いてアッセイした。
【0060】LAK細胞誘導ミクロアッセイ:ヒトLA
K細胞の誘導に於けるrIL-2およびCLMF−含有溶液
の間の相乗作用を測定するためのミクロアッセイは、前
記のLAK細胞誘導アッセイと同様であるが、以下のよ
うな改変を加えた。前記のようにして予め補助細胞を除
去しパーコールグラジエント遠心によって分画されたヒ
ト末梢血液単核細胞をCostar 3596マイクロプレー
トのウェルに加えた(5×104 細胞/ウェル)。一部
のウェルにはさらにrIL-2(最終濃度5単位/ml)お
よび/または精製CLMFまたは免疫低下CLMF−含
有溶液を加えた。すべての培養物は10-4Mコハク酸ヒ
ドロコルチゾンナトリウム(Sigma)を含有しておりそ
して5%ヒトAB血清を含有するTCMの添加により全
量を0.1mlとした。培養物を3日間37℃でインキ
ュベートし、次に0.1mlの51Cr−標識K562細
胞(5%ヒトAB血清を添加したTCM中、5×104
細胞/ml)を各ウェルに加えた。次に培養物を37℃
で一夜インキュベートした。これに続き培養物を500
×gで5分間遠心し、Skatron上清収集システム(Skatr
on, Sterling, VA)を用いて上清溶液を集めた。各上清
溶液中に放出された 51Crの量をガンマカウンター(Pa
ckard, Downer’s Grove, IL)で計測し、そして特異的
51Cr放出%を前記のようにして算出した。すべての試
料を4連でアッセイした。
【0061】細胞溶解性Tリンパ球(CTL)生成アッ
セイ ヒトCTLの溶解活性を生じさせ、測定するために用い
られる方法は、GatelyらによりJ. Immunol. 136:1274-1
282(1986)に、およびWongらによりCell. Immunol. 11
1:39-54(1988)に詳細に記載されている。前記のよう
にしてヒト末梢血液単核細胞を正常な自発提供者の血液
から単離し、L−グルタミン酸ジメチルエステルで処理
することにより補助細胞を除去しそしてパーコールグラ
ジエント遠心によって分画した。45%と58%パーコ
ール層の間の界面から回収した高密度リンパ球を混合リ
ンパ球−腫瘍培養物(MLTC)に於ける応答リンパ球
として使用した。パーコールグラジエントで得られた高
密度リンパ球(7.5×105 /培養物)を1×105
UV照射メラノーマ細胞例えばHT144(ATCCよ
り入手可)と一緒に、または5×104 ガンマ線照射メ
ラノーマ細胞例えばHT144と一緒に5%ヒトAB血
清(1.2ml/培養物)添加TCM中でインキュベー
トすることにより24ウェル組織培養プレート(Costar
#3424)内のMLTC中にCTLを生成させた。U
V照射には、HT144細胞を1%ヒトAB血清を含有
する、フェノールレッドを含まないハンクス平衡塩類溶
液(GIBCO)に1−1.5×106 細胞/mlの密
度で懸濁した。細胞懸濁液の1mlを35×10mmプ
ラスチック組織培養皿(Falcon#3001)に加え、次
に、細胞を254nm UV光(UVG−54型MINERAL
IGHT灯、Ultra-violet Products, Inc., San Gabriel,
CA)を用いて照射した(960μW/cm2 、5分
間)。ガンマ線照射には、HT144細胞を1−5×1
6 細胞/mlの密度で、5%ヒトAB血清添加TCM
に懸濁し、そしてセシウム線源照射装置(143型、J.
L. Shepherd and Associates, San Fernando, CA)を
用いて照射した(10,000ラド)。UV−またはガンマ線
−照射HT144を遠心し、そして5%ヒトAB血清を
含有するTCM中にMLTCへの添加に望ましい細胞密
度で再懸濁した。リンパ球およびメラノーマ細胞に加え
て、一部のMLTCにはヒトrIL-2および/または精製
ヒトCLMFを指示された濃度で加えた。内因性サイト
カイン生産を抑制し[S. Gillisら、J. Immunol. 123:1
624-1631(1979)]そして培養物の非特異的LAK細胞
の生成を減少させるために[L. M. MuulおよびM. K. Ga
tely, J. Immunol. 132:1202-1207(1984)]、コハク
酸ヒドロコルチゾンナトリウム(Sigma)を最終濃度1
-4M(UV照射メラノーマ細胞を含有する培養物)ま
たは10-5M(ガンマ線照射メラノーマ細胞を含有する
培養物)となるようMLTCに添加した。培養物を37
℃で、空気中5%CO2 の加湿環境中6日間インキュベ
ートした。この期間の最後に、同型培養物から得られた
リンパ球をプールし、遠心し、5%ヒトAB血清を含有
するTCM1、2mlに再懸濁し、そして一夜の51Cr
放出アッセイでHT144メラノーマ細胞を溶解させる
能力について調べた。特異性の対照としてK562赤白
血病細胞(ATCCから入手しうる)を用いた。
【0062】Gatelyら[JNCI 69:1245-1254(1982)]
記載のようにしてメラノーマ細胞およびK562細胞を
51Cr−クロム酸ナトリウムで標識した。同様に、神経
膠腫標的細胞の溶解を定量するための、Gatelyらの記載
(上記)と同じ方法で、51Cr標識メラノーマ細胞のリ
ンパ球を介した溶解を測定した。51Cr標識K562細
胞の溶解をアッセイするには、Costar 3696「ハー
フエリア」マイクロテストプレートのウェル内で、0.
1mlのリンパ球懸濁液を25μlの51Cr標識K56
2(5%ヒトAB血清含有TCM中、2×105 細胞/
ml)と混合した。37℃で一夜インキュベート後、プ
レートを1400×gで5分間遠心し、培養培地の50
μlを各ウェルから吸引した。各試料中の51Cr量をガ
ンマカウンター(Packard)で測定し、そして特異的51
Cr放出%を前記のようにして算出した。すべてのアッ
セイを4連で行い、表(下記参照)中の値は同型試料の
平均値±1 S.E.M.を表す。
【0063】T細胞増殖因子(TGF)アッセイ 培養上清およびクロマトグラフィーフラクションがPH
A−活性化ヒトTリンパ芽球の増強を刺激する能力を以
下のように測定した。LCIアッセイについて前記した
ようにして、不連続フィコールおよびスクロースグラジ
エントでの遠心によって、ヒトPBMCを単離した。P
BMC(5×105 細胞/ml)を0.1%フィトヘマ
グルチニン−P(PHA−P)(Difco Laboratories,
Detroit,MI)含有TCM中37℃で培養した。3日後、
その培養物を新鮮なTCMで1:1に割り、ヒトrIL-2
を各培養物に最終濃度50単位/mlとなるよう加え
た。次にこの培養物をさらに1から2日間インキュベー
トした時点で、細胞を集め、洗浄しそして4×105
胞/mlでTCM中に再懸濁した。アッセイに於けるあ
らゆるありうるIL-2誘導細胞増殖を阻止するために、
この細胞懸濁液に熱不活化ヤギ抗−ヒトrIL-2抗血清
(最終希釈度:1/200)を加えた。この抗血清は当
業者に周知の方法を用いて調製できるしあるいはGenzym
e Co., Boston,MAから入手することができる。用いた抗
血清は1/20,000の血清希釈度で2単位/mlのrIL-2
の50%中和を引き起こすことが示された。
【0064】抗−IL-2抗血清を含有する細胞懸濁液の
50μlをCostar 3596マイクロプレートのウェル
内で、培養上清の連続希釈物またはクロマトグラフィー
フラクションの50μlと混合した。培養物空気中5%
CO2 の加湿環境で1日間37℃でインキュベートした
後、 3H−チミジン(New England Nuclear, Boston, M
A)、TCM中10μCi/ml、50μlを各ウェル
に添加した。この培養物をさらに一夜インキュベートし
た。続いて培養物の内容物をセルハーベスター(Cambri
dge Technology Inc., Cambridge, MA)を用いてグラス
ファイバーフィルター上に集め、細胞DNAへの 3H−
チミジンの取り込みを液体シンチレーション計数によっ
て測定した。すべての試料を3連でアッセイした。
【0065】CLMF精製に際して、クロマトグラフィ
ー溶離プロフィールを作成しそして精製された試料の活
性回収パーセントおよび比活性を算出するためには活性
の単位を定義することが必要であった。このために、P
HA−活性化ヒト、PBMCをNC−37細胞と同時培
養することにより生成されたヒトサイトカインの部分精
製標品を標準物として使用した。その標品に2000単
位/mlの自由裁量力価を割り当てた。それぞれのTG
FまたはLAK誘導アッセイにはこの標品のいくつかの
希釈物を包含させた。標準標品について得られた結果を
用いて、用量−応答曲線を作成し、この曲線から検査し
た希釈度での各未知試料の活性単位/mlを挿入でき
た。これらの値に希釈倍率を乗じることによって単位/
mlで表されたもとの試料の活性が得られた。
【0066】抗体中和実験には、TGFアッセイを以下
のように改変した。CLMF含有培地の25μlをCOST
AR 3596マイクロプレートのウェル内で抗血清の連
続希釈物または抗体溶液の50μlと混合した。この混
合物を37℃で30分間インキュベートし、次にPHA
−活性化リンパ芽球(1:100抗−rIL-2を加えたT
CM中、8×105 /ml)の懸濁液25μlを各ウェ
ルに加えた。この培養物を前記のようにしてさらにイン
キュベートし、 3H−チミジンでパルスし、細胞を集
め、そして 3H−チミジンの取り込みを分析した。
【0067】ナチュラルキラー(NK)細胞活性化アッ
セイ 単独添加時またはrIL-2と組み合わせて添加した場合の
精製CLMFのNK細胞活性化能を以下のようにして調
べた。ヒトPBMCを前記のようにして不連続フィコー
ルおよびスクロースグラジエント上の遠心によって単離
しそして10%熱不活化ウシ胎児血清、100単位/m
lペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、
および2mM L−グルタミンを添加したRPMI 1640
培地に懸濁した。このPBMCを種々の濃度のrIL-2お
よび/または精製CLMFと1ml培養液(5×106
細胞/培養物)中37℃で一夜インキュベートした。1
8−20時間後、培養液の内容物を集め、遠心し、細胞
を一夜培養に用いたと同じ培地に再懸濁した。次に、培
養されたPBMCの細胞溶解活性を前記51Cr放出アッ
セイで評価した。
【0068】細胞上清溶液の濃度 誘導NC−37細胞の数バッチから調製された全部で6
0リッターの凍結保存粗製ヒトCLMF上清溶液をプー
ルし、そしてPellicon Cassette System(30,000 NMWL
PTTK00005;Millipore Corp., Bedford, MA)を用いて
30倍に濃縮した。所望容量約1.9リッターまで濃縮
した後、10N NaOHで、pH6.0に調製した1
0mM MESと緩衝液交換した。この濃縮物を4℃で
10分間10,000×gで遠心して沈澱を捨てた。
【0069】NuGel P-SPカラムでのイオン交換クロマト
グラフィー 濃縮した上清溶液を10mM MES,pH6.0で平
衡化したNu-Gel P-SP(Separation Industries, Metuch
en, NJ)カラム(5×5cm)に毎時120mlの流速
でかけた。280nmで監視したベースライン吸光度が
得られるまでカラムを洗浄した。次に、吸着されたタン
パク質を0から0.5M NaCl/10mM MES,
pH6.0の500ml塩グラジエントを用い毎分2m
lの流速で溶離した(図1)。フラクションの一部をと
ってT細胞増殖因子(TGF)活性についてアッセイし
た。TGF活性を有するフラクションをプールしそして
試料の塩濃度を50分の1に低下させるために、50容
量の20mMトリス−HCl、pH7.5で透析した
(Spectra/Por 7,Fisher Scientific)。
【0070】ブルーB−アガロースカラム上の色素アフ
ィニティークロマトグラフィー 透析した試料を4℃および10,000×gで10分間遠心
し、沈降物を棄てた。上清溶液を20mMトリス/HC
l,pH7.5で平衡化したブルーB−アガロース(Am
icon, Danvers, MA)カラム(2.5×10cm)に毎
時20mlの流速で注いだ。カラムを、280nmで監
視したベースライン吸光度が得られるまで、この同じ緩
衝液で洗浄した。次に、吸収されたタンパク質を毎時1
5mlの流速で0−0.5M NaCl/20mMトリ
ス/HCl,pH7.5の塩グラジエント500mlで
溶離した(図2)。フラクションの一部分ずつをTGF
活性についてアッセイした。TGF活性を含有するフラ
クションをプールし、調製物の塩濃度を100分の一に
減少させるために、100容量の20mMトリス/HC
l,pH7.5で透析(Spectra/Por7,Fisher Scient
ific)した。
【0071】モノQクロマトグラフィー上でのイオン交
換クロマトグラフィー 透析した試料を0.45μmのセルロースアセテートフ
ィルター(Nalgene Co., Rochester, NY)で濾過し、そ
して濾液を20mMトリス/HCl,pH7.5で平衡
化したモノQ HR5/5(Pharmacia LKB Biotechnolo
gy, Inc., Piscataway, NJ)カラム(5×50mm)に
毎時60mlの流速で注いだ。カラムを、280nmで
監視したベースライン吸光度が得られるまでこの同じ緩
衝液で洗浄した。次に、吸収されたタンパク質を毎時6
0mlの溶液で0−0.25MNaCl/20mMトリ
ス/HCl,pH7.5の1時間の直線状塩グラジエン
トを用いて溶離した。フラクションの一部分ずつをTG
F活性についてアッセイしタンパク質純度を12%スラ
ブゲルを用いてSDS−PAGE[Laemmli, Nature(L
ondon)227:680-685(1970)]により還元なしに評価し
た。ゲルはタンパク質を可視化するために銀染色[Morr
issey, Anal, Biochem. 117:307-310(1981)]した
(図4)。フラクション36および37は純度95%以
上であり、分子量75,000で主要バンドを示した。TGF
活性を含有するフラクション38−41はSDS−PA
GEによれば75kDaのタンパク質を示し、分子量5
5,000および40,000で大きな混入物がある。
【0072】したがって、これら混入タンパク質を排除
するために前記モノQクロマトグラフィーフラクション
38を8M尿素で1:1v/vに希釈し、そして逆相H
PLC濃縮技術を用いてVydacジフェニルカラムにポン
プで注入した。カラムを続いて0.1%トリフルオロ酢
酸5mlで洗浄した。タンパク質の溶離は0.1%トリ
フルオロ酢酸中の7時間以上にわたる0−70%アセト
ニトリルのグラジエントで達成された(図5)。フラク
ションの一部分ずつをTGF活性についてアッセイし
た。TGF活性を含有するフラクションのタンパク質純
度を10%スラブゲルを用い非還元条件下でSDS−P
AGEにより評価した。このゲルを銀染色してタンパク
質を可視化した(図6)。フラクション86−90は9
5%以上の純度を有し、分子量75,000のタンパク質を示
した。フラクション87および88をプールして一部分
を還元条件下(β−メルカプトエタノールの存在下)お
よび非還元条件下(β−メルカプトエタノールの非存在
下)でSDS−PAGEにより分析した。還元条件下に
おいては、分子量75,000のCLMFは40,000および35,0
00ダルトンの2個のサブユニットに分離された(図
7)。したがって、CLMFはジスルフィドにより結合
した40kDaおよび35kDaサブユニットから成る
75kDaヘテロダイマーであることが結論づけられ
た。
【0073】達成されたCLMFの全体としての精製を
第1表に示す。モノQ精製された物質およびVydacジフ
ェニル精製物質のタンパク質含有量をアミノ酸分析に基
づいて計算した。
【0074】
【表1】 モノQ精製物質およびVydacジフェニル精製物質につい
てはそれぞれ8.5×107 単位/mgおよび5.2×
107 単位/mgの比活性が得られた。ジフェニル精製
タンパク質がモノQ精製物質よりも比活性が少し低いと
いう事実はCLMF分子の幾分かがHPLC溶離溶媒
(すなわち0.1%トリフルオロ酢酸中のアセトニトリ
ル)中で不活性化するかまたは変性することによるので
あろう。
【0075】化学的特性決定 均質なCLMFを調製できることにより、天然に存在す
るCLMFタンパク質のアミノ酸組成の決定および部分
的配列分析が初めて可能になった。モノQ精製CLMF
の10−20ピコモルを加水分解にかけ、そのアミノ酸
組成を決定した(第2表)。プロリン、システインおよ
びトリプトファンは測定されなかった(ND)。ヒスチ
ジンの定量はトリスと関連した、His(*)と共に溶出され
る大きな人工産物のためできなかった。
【0076】ジフェニル精製CLMFの5−30ピコモ
ルを過ギ酸での前処理を伴うかまたは伴わずして加水分
解にかけた。このようにしてトリプトファンを除く完全
なアミノ酸組成が得られた(第3表)。アミノ酸末端配
列決定をモノQ精製CLMF 100pモルについての
自動エドマン分解により試みた。初めの22サイクルの
データはCLMFのヘテロダイマー構造から予想される
ように二つの配列が存在することを示した。これらの結
果は下記のように要約されうる: サイクル 1 2 3 4 5 6 7 8 アミノ酸 1/? W/? E/L L/P K/V K/A D/T V/P サイクル 9 10 11 12 13 14 15 16 アミノ酸 Y-D V/P V/G E/M L/F D/P W/? Y/L サイクル 17 18 19 20 21 22 アミノ酸 P/H D/H A/S P/Q G/? E/? 第2表 アミノ酸 モル% アスパラギン酸またはアスパラギン 11.8 トレオニン 7.8 セリン 8.4 グルタミン酸またはグルタミン 14.9 プロリン ND グリシン 6.2 アラニン 7.6 システイン ND バリン 6.9 メチオニン 2.0 イソロイシン 4.6 ロイシン 9.0 チロシン 3.7 フェニルアラニン 4.0 ヒスチジン * リジン 9.3 アルギニン 5.4 トリプトファン ND 第3表 アミノ酸 モル% アスパラギン酸またはアスパラギン 10.8 トレオニン 7.2 セリン 8.9 グルタミン酸またはグルタミン 13.1 プロリン 3.8 グリシン 4.7 アラニン 5.9 システイン 2.9 バリン 6.2 メチオニン 1.9 イソロイシン 4.2 ロイシン 9.4 チロシン 3.6 フェニルアラニン 3.7 ヒスチジン 1.8 リジン 7.7 アルギニン 4.4 トリプトファン ND
【0077】逆相HPLC クロマトグラフィー系は先にStern, A.S.およびLewis,
R.V.(1985)によりResearch Methods in Neurochemist
ry, Ens. Marks, N. and Rodnight, R.(Plenum, New Y
ork)Vol.6, 153-193に記載されている。フルオレサミ
ン(Polysciences, Inc., Warrington, PA)を用いた自
動蛍光検出系によりカラム流出物中のタンパク質を監視
した[Stein, S. およびMoschera, J.(1981)Methods
Enzymol.78:435-447]。逆相HPLCはVydac C18また
はジフェニルカラム(4.6×20mm,The Sep/a/ra
/tions Group, Hesperia, CA)を用いて行った。タンパ
ク質は0.1%TFA中のアセトニトリルグラジエント
を用いて溶離した。
【0078】タンパク質分析 アミノ酸分析は検出のためにフルオレサミンとのカラム
後反応を用いる器具で行った[Pan, Y. -C. E.,およびS
tein, S.(1986)、Methods of Protein Microcharacte
rization(Shively, J. E., Ed.),pp. 105-119, Huma
na Press, Clifton, NJ]。
【0079】配列分析はApplied Biosystems Inc. Mode
l 470Aガス相シークエンサー(Foster City, CA)[Hew
ick, R.M., Hunkapillar, M.W., Hood, L.E.,およびDre
yer,W.J., J. Biol. Chem. 256:7990-7997(1981)]
を用いて行った。フェニルチオヒダントイン(PTH)
アミノ酸誘導体はABI Model 120A PTHアナライザーを用
いて“オン−ライン”で同定した。
【0080】CLMFのサブユニットの部分的アミノ酸
配列の決定 CLMFの40kDaサブユニットの精製 全部で39.1リットルのNC−37細胞の保存された
上清溶液をプールして、Pellicon Cassette系を用いて
約2.4リットルまで濃縮し、−20℃にて保存した。
解凍後、この濃縮物を清澄化するために、調製物を遠心
して沈降物を捨てた。
【0081】上清溶液をNu-Gel P-SPカラムに注ぎ、タ
ンパク質を塩グラジエントを用いて溶離した(図8)。
ピークTGF活性を測定しそして活性フラクションをプ
ールして透析し、調製物の塩濃度を50分の一に減少さ
せた。粒子を取り除くために遠心した後、この物質をブ
ルーBアガロースカラムに注いだ。タンパク質を塩グラ
ジエントを用いて溶離した(図9)。ピークTGF活性
を測定しそして活性フラクションをプールして透析し、
調製物の塩濃度を100分の一に減少させた。濾過後こ
の物質をモノQカラムに注いだ。タンパク質を塩グラジ
エントを用いて溶離した(図10)。フラクションの一
部分ずつをTGF活性に関してアッセイした。
【0082】先のモノQクロマトグラフィーのフラクシ
ョン39および40をプールし、8M尿素で1:1v/
vに希釈しそして濃縮技術を用いてVydacジフェニルカ
ラムにポンプで注いだ。次にカラムを0.1%トリフル
オロ酢酸5mlで洗浄した。タンパク質の溶離は、0.
1%トリフルオロ酢酸中の7時間にわたる0−70%ア
セトニトリルのグラジエントを用いて達成された(図1
1)。フラクションの一部分ずつをTGF活性に関して
アッセイした。TGF活性を含有するフラクションのタ
ンパク質純度を還元条件下、すなわちβ−メルカプトエ
タノールの存在下のSDS−PAGEにより評価した
(図12)。フラクション94−97は純度90%以上
の40,000ダルトンサブユニットを含有していた。
【0083】CLMFのサブユニツトのアミノ末端配列
の決定 CLMFの40,000ダルトンサブユニットの高度濃縮調製
物を調製できることにより、その部分的配列分析が可能
となった。
【0084】アミノ末端配列決定はジフェニル精製40,0
00ダルトンサブユニット20pモルを自動化エドマン分
解にかけることにより試みた。結果は下記のように要約
できる。 サイクル 1 2 3 4 5 6 7 アミノ酸 I W E L K K D サイクル 8 9 10 11 12 13 14 アミノ酸 V Y V V E L D サイクル 15 16 17 18 19 20 21 アミノ酸 W Y P D A P G サイクル 22 23 アミノ酸 E M 75,000ダルトンCLMFの配列分析およびCLMFの4
0,000ダルトンサブユニットの配列分析に関連して、C
LMFの35,000ダルトンサブユニットのアミノ末端配列
を推定できる。35,000ダルトンサブユニットおよび40,0
00ダルトンサブユニットのアミノ末端配列は下記のよう
に要約できる:35,000ダルトンサブユニット:
【0085】
【化5】 40,000ダルトンサブユニット:
【0086】
【化6】 上記において?は未決定または“最前の当て推量”残基
を示す。
【0087】CLMFの40kDaサブユニット内部ア
ミノ酸配列セグメントの決定 CLMFを前記のようにして精製した。40,000ダルトン
サブユニットをMatsudaira[J. Biol. Chem. 262:1003
5-10038(1987)]記載の方法により35,000ダルトンサ
ブユニットから分離精製した。CLMFの50μg(2
0mMトリスpH7.5:0.15M NaCl 500
μl中)を2×濃縮の試料緩衝液200μlで希釈した
[Laemmli, Nature 227:680-685(1970)]。試料を4
00μlに濃縮しそしてジスルフィド結合を18μlの
β−メルカプトエタノールの添加により切断し続いて1
05℃に6分間さらした。
【0088】試料を12%ポリアクリルアミドを含有す
るミニゲル(1.0mm厚さ)に負荷し、Laemmli(上
記)に従い電気泳動した。電気泳動の後、ゲルをトラン
スファー緩衝液(10mM 3−シクロヘキシルアミノ
−1−プロパンスルホン酸、10%メタノール、pH1
1.0)に5分間浸してトリスおよびグリシンの量を減
少させた。この間、ポリビニリデンジフルオライド(P
VDF)膜(Immobilon;Millipore;Bedford, MA)を
100%メタノールですすぎ、トランスファー緩衝液中
に保存した。PVDF膜2枚および数枚のブロット用紙
を重ねたゲルをブロット装置に組み立て、トランスファ
ー緩衝液中0.5Ampで30分間電気泳動により溶離
した。PVDF膜を脱イオンH2 O中で5分間洗浄し
た。ブロットしたもののへりをPVDF膜から切り取
り、50%メタノール中の0.1%クーマシーブルーR
−250で5分間染色し、続いて50%メタノール、1
0%酢酸中で5−10分間室温にて汚れを落とした。続
いて40,000ダルトンの染色バンドを未染色ブロットの相
当する領域と一致させ、40,000サブユニットを未染色P
VDFから切り取った。
【0089】クーマシーブルー染色した40,000ダルトン
サブユニットのN−末端を配列決定し、N末端が先に決
定されたものと一致することを確認した(前記参照)。
この方法により、40,000ダルトンのタンパク質はCLM
Fの40,000サブユニットであることが同定された。PV
DF結合40,000ダルトンサブユニットの5%をそのアミ
ノ酸組成について分析した(第4表)。ブロットした4
0,000ダルトンサブユニットの残る95%をBauw, ら、
[Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:7701-7705(198
9)]の方法によりトリプシンでフラグメント化した。
タンパク質を担持する膜を約3×3mmの断片に切り、
エッペンドルフチューブに集めた。続いてそれらをメタ
ノール中の2%ポリビニルピロリドン(40,000ダルト
ン)溶液300μl中に浸した。30分後、クエンチン
グ混合物を同量の蒸留水で希釈しそしてさらに5−10
分間インキュベートした。次に上清溶液を捨て、膜片を
300μlの水で4回そして300μlの100mMト
リスHCl(pH8.5)で1回洗浄した。2μgのト
リプシンを含有するこの緩衝液200μlを添加した。
試料を振盪しそして37℃で4時間インキュベートし
た。続いて上清溶液を第2のエッペンドルフチューブに
移し、膜片をさらに88%(v/v)の蟻酸100μl
で1回そして脱イオン水100μlで3回洗浄した。洗
浄液全てを第2のエッペンドルフチューブの消化混合物
に加えた。プールされた消化物中に含有される生じたペ
プチドをYMC C−18カラム(2.6×50mm;M
orris Plains, NJ)上の狭口径HPLC(HP1090A, Hew
lett Packard)により分離した。
【0090】 第 4 表 アミノ酸 残基No. アスパラギン酸またはアスパラギン 27.9 (28) トレオニン 20.7 (23) セリン 24.6 (34) グルタミン酸またはグルタミン 44.6 (35) プロリン ND (14) グリシン 16.3 (15) アラニン 16.2 (14) システイン ND (10) バリン 20.9 (23) メチオニン 2.5 ( 2) イソロイシン 10.3 (12) ロイシン 22.9 (22) チロシン 12.9 (12) フェニルアラニン 9.9 ( 9) ヒスチジン 5.2 ( 5) リジン 24.5 (26) アルギニン 12.5 (12) トリプトファン ND (10) 注記:結果は2回の分析の平均を示す。プロリン、シス
テインおよびトリプトファンは測定されなかった(N
D)。カッコ内の値は、クローン化40,000ダルトンサブ
ユニットの配列分析から推定されたタンパク質の第1次
構造に基づいた40,000ダルトンサブユニットの理論上の
アミノ酸組成を示す。
【0091】上記操作は図13および図14に概略的に
示される。消化された40,000ダルトンサブユニットのト
リプシン処理ペプチドマップを図15に示す。ペプチド
を直線状グラジエントのアセトニトリルで溶離した。配
列決定されたピークを、そのフラクション番号に従い番
号をつける。これらのペプチドのアミノ酸配列を第5表
に示す。
【0092】多くのトリプシン処理ペプチドを無傷の4
0,000ダルトンサブユニットの全領域から回収した(第
5表)。N末端ヘキサペプチド(フラクションno.60)
を高い収率で回収した。カルボキシ末端ペプチド(フラ
クションno.72)を回収しそして、最後の2個のアミノ
酸は配列決定により明確に確認されたわけではないが、
予測されたC末端ペプチドの完全長である。これは、恐
らくCysおよびSer残基が、特にそれらが、ペプチドの末
端に存在する場合充分に検出されないという事実による
のであろう。4個のありうるAsn結合炭水化物部位がc
DNA配列から予測できる。これらの部位のうち2個を
含有する2本のペプチドを配列決定した。ペプチド19
6−208(フラクションno.70)を配列決定した場
合、残基200でピークが検出されなかった。このこと
はこのAsn(cDNAにより予測)が確かにグリコシル
化されていることを示している。ペプチド103−10
8(フラクションno.52)は残基103にてAsnを生じ
た。したがって、この部位はグリコシル化されていな
い。
【0093】フラクションno.55のフェニルイソチオシ
アナート(PTH)配列分析[Hewickら、J. Biol. Che
m. 256:7990(1981)]において見られた未知のピーク
は残基no.148に相当する位置で検出された。その部位は
もしそれが修飾されているのでなければ配列分析により
通常検出されないCys基であると予測される。上記PV
DFトランスファー操作をCLMFの第2の50μg分
量で反復した(操作概要については図13および図14
参照)。
【0094】 第 5 表 PVDFから離れたトリプシン処理40kDa CLMFペプチド フラクション 残 基 N−末端配列 no. no. 52 103-108 N-K-T-F-L-R 55 139-157 G-S-S-D-P-Q-G-V-T-*-G-A-A-T-L-S-A-E-R 55 & 57 267-279(?) V-F-T-D-K-T-S-A-T-V-I-?-R 57 52-58 T-L-T-I-Q-V-K 57 218-228 N-L-Q-L-K-P-L-K-N-S-R 60 1-6 I-W-E-L-K-K 67 288-? A-Q-D-R-Y-Y-S-S- 67 85-102(?) K-E-D-G-I-W-S-T-D-I-L-K-D-Q-K-E-P- 70 196-208 L-K-Y-E-?-Y-T-S-S-F-F-I-(R?) 71 85-96(?) K-E-D-G-I-?-S-T-D-I-L-K 72 288-306(?) A-Q-D-R-Y-Y-S-S-S-W-E-?-A-S-V-P-?-? 78 71-85 (G?)-G-E-V-L-S-H-S-L-L-L-(L?)-H-K-K しかしながら、ブロットされた40,000ダルトンサブユニ
ットをタンパク質分解酵素、スタフィロコッカス・アウ
レウス(Staphylococcus aureus)V8プロテアーゼ
(エンドプロティナーゼ Endoproteinase Glu-C, Boehr
inger Mannheim,Indianapolis, IN)でフラグメント化
した。膜片を20μgのV8を用い37℃で、6時間消
化した。ペプチドを88%(v/v)ギ酸で抽出しそし
て相分離カラム(2×150mm,C8 S3,Queensf
erry, England, UK)で分離した(図16)。アセトニ
トリルの直鎖状グラジエントでペプチドを溶離した。配
列決定されたピークをそれらのフラクション番号に従い
番号を付けた。これらのペプチドのアミノ酸配列を第6
表に示す。
【0095】 第 6 表 PVDFより離れたV8(Glu-C)40kDaペプチド フラクションno. 残 基no. N−末端配列 47 1-3 I-W-E 54 4-12 L-K-K-D-V-Y-V-V-E 57 13-22 L-D-W-Y-P-D-A-P-G-E 57 45-59 V-L-G-S-G-K-T-L-T-I-Q-V-K-(E?) 4本のペプチドを含有するペプチドの三大ピーク(フラ
クションno.47,54および57)を配列決定した。
4本のペプチド全てが40kDaサブユニットのアミノ
末端領域からのものであった。このことはタンパク質の
N末端がV8消化を最も受けやすいことを示している。
【0096】図17はCLMFの40,000ダルトンサブユ
ニットのタンパク質構造決定を要約して示す。
【0097】CLMFの35,000ダルトンサブユニットの
アミノ末端の直接配列決定 還元(β−メルカプトエタノールの存在下)および非還
元(β−メルカプトエタノールの非存在下)条件下(図
18)でのモノQフラクション39のSDS−PAGE
分析(図3参照)では、40,000ダルトン分子量“混入
物”は“遊離”の40,000ダルトンCLMFサブユニット
(すなわち35,000ダルトンサブユニットと無関係)であ
ることが示される。この推測を指し示す証拠は、還元な
し(図18、レーンB)では、主に75,000ダルトンCL
MFがいくらかの40,000ダルトンタンパク質と共に存在
する。還元後(図18、レーンC)では、75,000ダルト
ンCLMFがなくなって35,000ダルトンサブユニットお
よび濃縮された40,000ダルトンバンドが生じる。
【0098】先のモノQクロマトグラフィーのフラクシ
ョン39を4M尿素の存在下に5%β−メルカプトエタ
ノール中で還元しそして95℃で5分間加熱した。試料
を濃縮法を用いVydac C−18カラムにポンプで注ぎ、
続いてカラムを0.1%トリフルオロ酢酸5mlで洗浄
した。タンパク質の溶離は0.1%トリフルオロ酢酸中
5時間にわたる0−70%アセトニトリルのグラジエン
トを用いて達成した(図19)。フルオレサミン陽性フ
ラクションのタンパク質純度を10%スラブゲルを用い
非還元条件下のSDS−PAGEにより評価した。ゲル
を銀染色してタンパク質を可視化した(図20)。フラ
クション112−117は純度95%以上である分子量
35,000での拡散バンドを示した。フラクション39中に
存在する40,000ダルトンサブユニットおよび任意の他の
タンパク質はC−18カラムに結合したままであった。
これらのタンパク質は(40,000ダルトンサブユニットを
含めて)42%ギ酸/40%1−プロパノールの溶液で
最終的に溶離された。
【0099】均質な35,000サブユニットが調製できるこ
とでCLMFタンパク質のアミノ酸組成の決定および分
子量が低い方のサブユニット部分配列分析が可能になっ
た。35kDaサブユニットの約1μgを加水分解にか
け、そしてそのアミノ酸組成を決定した(第7表)。プ
ロリン、システインおよびトリプトファンは測定されな
かった(ND)。
【0100】 アミノ酸配列決定をC−18精製35kDaサブユニッ
ト100pモルについて自動エドマン分解により試み
た。はじめの20サイクルからのデータにより、前記し
た推定により得られた配列が確認された。さらに、アミ
ノ酸21−26の他に第2のアミノ酸が得られた。これ
らの結果は下記のように要約できる: サイクル 1 2 3 4 5 6 7 アミノ酸 ? N L P V A T サイクル 8 9 10 11 12 13 14 アミノ酸 P D P G M F P サイクル 15 16 17 18 19 20 21 アミノ酸 ? L H H S Q N サイクル 22 23 24 25 26 アミノ酸 L L R A V したがって、35,000ダルトンサブユニットのアミノ末端
配列は下記のように要約できる:35,000ダルトンサブユ
ニット:
【0101】
【化7】 上記において?は未決定残基を示す。
【0102】CLMFのトリプシン処理フラグメント配
列の決定 CLMFの最初の精製からのモノQフラクション36お
よび37をプールした(約100pモル/1.7m
l)。30μl試料を取り出し、残りの量をヘリウム気
流の下200μlまで減少させた。0.1M重炭酸アン
モニウムの100μlを加えた。トリプシン(Worthing
ton Biochemical Corp., Freehold, NJ)切断を37℃
で20時間、基質対酵素比率2:1で行った。生じたペ
プチドフラグメントを還元しそしてカルボキシメチル化
した。これは0.1Mトリス−HCl,pH8.5/6
Mグアニジン−HCl 160μlを加えることにより
達成された。容量をヘリウム気流の下200μlまで減
少させそしてジチオトレイトール(50mg/ml)4
μlを加えた。混合物を37℃で4時間インキュベート
した。ジスルフィド結合の還元的切断後、[14C]ヨー
ド酢酸(4μモル)を加え、生じた溶液を室温で暗中1
0分間インキュベートした。
【0103】生じたペプチドフラグメントS−5 12
0オングストロームODSカラム(2.6×50mm,
YMC, Inc., Morris Plains, NJ)での逆相HPLC(図
21)により単離した。ペプチドはピリジンでpH4.
0に調整した0.9M酢酸中の1−プロパノールグラジ
エントを用いて溶離した。フラクション46中にみられ
るペプチドのアミノ酸配列はAsp-Ile-Ile-Lys-Pro-Asp-
Pro-Pro-Lysであることが判明した(自動エドマン分解
により決定)。
【0104】CLMFの内部アミノ酸配列セグメントの
決定 CLMFを先に記載したようにして精製した。タンパク
質約80μgを10%トリクロロ酢酸を用いて沈降させ
た。沈降物を70%(v/v)水性ギ酸中に室温で溶解
させた。少量の70%ギ酸中の、メチオニン残基より約
50倍モル過剰の臭化シアン(CNBr)を攪拌下に加え、
そしてこの混合物を酸素を含まないヘリウムの下室温で
48時間、暗中でインキュベートした。この混合物を1
5容量の水で希釈し、2等分しそしてヘリウム気流の下
に乾燥した。酸および副生物を完全に除去するために、
さらに水を加えた後乾燥を繰り返した。
【0105】フラグメント化したCLMFの一部分(約
40μg)を4%β−メルカプトエタノールを含有する
50μlのLaemmli試料緩衝液[Laemmli, Nature 227
680-685(1970)]で溶解させ続いて105℃に6分間
さらした。試料を17.5%ポリアクリルアミドを含有
するミニゲル(1.0mm厚)の3ウェルに負荷し、そ
してLaemmli(上記)に従い電気泳動した。
【0106】電気泳動の後、ゲルをトランスファー緩衝
液(10mM3−シクロヘキシルアミノ−1−プロパン
スルホン酸、10%メタノール、pH 11.0)中に
30分間浸した。この間にポリビニリデンジフルオライ
ド(PVDF)膜(Immobilon;Millipore;Bedford, M
A)を100%メタノールですすぎ、トランスファー緩
衝液中に保存した。PVDF膜2枚を重ね、ブロット用
紙でサンドイッチしたゲルをブロット用装置に組み立て
そしてトランスファー緩衝液中0.5Ampで30分間電
気泳動した。PVDF膜を脱イオンH2 O中で5分間洗
浄しそして50%メタノール中の0.1%クーマシーブ
ルーR−250で5分間染色し、次に50%メタノー
ル、10%酢酸中で、室温で5−10分間よごれを落と
した。数多くの不鮮明なバンドが観察された(図22B
参照)。
【0107】膜の5領域を、CLMF CNBr消化物を含
有する最後の3レーンにまたがるように切り取った。こ
れらの領域を配列決定した。CLMFのCNBrフラグメン
トから得た配列の要約を図22Aに示す。フラグメント
CLMFの第2の部分(約40μg)を6Mグアニジン
HCl、0.1Mトリス/HCl、0.5M NaO
H、pH8.0を含有する約400−500μlの88
%ギ酸中に溶解させた。試料をギ酸でpH4.0に調整
した。ペプチドフラグメントをVydac C4 カラム(4.
6×20mm,The Sep/a/ra/tions Group, Hesperia,
CA)上の逆相HPLC(図23)により単離した。ペプ
チドを4時間にわたる0.1%TFA中の直線状グラジ
エントアセトニトリルを用いて溶離した。これらのピー
クのうちひとつを配列決定し、このペプチドのアミノ酸
配列は: フラクションNo. N−末端配列 47 V-D-A-V-H-K-L-K-Y-E-?-Y-T-S(S?) -F-F-I-R-D-I-I-K-P- (40kDaサブユニットの残基番号190から開始) であった。
【0108】上記配列にはMet基が前にあることが想定
されるかまたは知られている。“?”で印された残基は
“最善の当て推量”残基を示す。
【0109】アフィニティクロマトグラフィーを用いる
CLMFの精製およびその40,000ダルトンサブユニット アフィニティクロマトグラフィー樹脂は、下記にその調
製が記載されているモノクローナル抗体7B2を活性化
アガロースに共有結合させることにより調製した。同様
に、下記に概略を示した精製は抗体をシリカまたは薄い
ミクロ細孔膜に共有結合させることによっても実施でき
よう。活性化アガロースは下記のようにして調製した。 1.100mlのセファロースCL−6Bを100ml
のH2 Oで3回洗浄した。 2.H2 O中の1%メタ過ヨウ素酸ナトリウム100m
lを樹脂に加え、懸濁液を室温で60分振盪した。 3.樹脂を冷H2 Oで充分に洗浄した。
【0110】7B2の活性アガロースへの共有結合は下
記のようにして行われた。 1.上記のようにして調製された活性化アガロース9m
lをリン酸緩衝食塩水、pH7.4中の7B2(約3.
9mg/ml)7mlに懸濁した。 2.シアノボロハイドライド50.2mgをゲル懸濁液
に加えこれを4℃で一夜振盪した。 3.ゲル懸濁液を濾過し、そしてシアノボロハイドライ
ド50.2mgを含有する7mlの1.0Mエタノール
アミン、pH7.0に加えた。
【0111】上記樹脂(約2.6mg IgG/mlゲル)1
mlをカラムに充填し、そしてリン酸緩衝食塩水で充分
に洗浄した。75kDa CLMFタンパク質および付
加的に主な混入タンパク質を含有するモノQクロマトグ
ラフィーからのフラクションをプールして(約3.5×
106 U TGF活性)、PBSで充分に透析した。こ
の調製物を7B2セファロースカラムに室温で毎時5m
lの速度で注いだ。カラムを、280nmで監視してベ
ースライン吸光度が得られるまでリン酸緩衝食塩水(p
H7.4)で洗浄した。続いて吸着されたタンパク質を
0.2N酢酸、0.15M NaClを用いるpH約3
で溶離した。フラクションの一部分ずつをTGF活性に
ついてアッセイした。出発活性の約76%が酸溶出物中
に回収された。
【0112】タンパク質純度は10%スラブゲルを用
い、還元なしにSDS−PAGE[Laemmli, Nature 22
7:680-685(1970)]により評価した。ゲルを銀染色し
てタンパク質を可視化した[Morrissey, Anal. Bioche
m. 117:307-310(1981)]。酸溶出物は純粋CLMF
および「遊離の」連合していない40kDa CLMF
サブユニットを含有する(図24)。
【0113】CLMFのpIの測定 プールしたモノQフラクション36および37の30μ
l(図3参照)を、予め成形したアンフォリン(amphol
ine)PAGプレートゲル、pH3.5−9.5(Pharm
acia LKB Biotechnology)にスポットしてCLMFのp
Iを測定した。pI標準マーカーに基づけば、1本の大
きなバンドがpI4.8に、そして1本の小さなバンド
がpH5.2に観察された。pH測定に基づけばこれら
のバンドのpIは、それぞれ4.2および4.6であ
る。
【0114】精製CLMFの生物学的活性 精製されたCLMFはT細胞増殖因子アッセイにおいて
ヒトPHA活性化リンパ芽球の増殖を刺激した(第8
表)。モノQカラムから回収された精製CLMFのT細
胞増殖因子活性を5つの別々の実験においてヒトリンフ
ォカインの標準調製物のそれと比較し、そして精製CL
MFの比活性が8.5±0.9×107 単位/mgタン
パク質であることが判明した。ジフェニルHPLCから
得られた精製CLMFをTGFアッセイにおいて標準リ
ンフォカイン調製物と比較したひとつの実験において
は、5.2×107 単位/mgタンパク質の比活性が観
察された。精製CLMFおよびヒトrIL-2の最適下限濃
度を、TGFアッセイにおいて組合せて検査した場合、
付加的増殖が観察され、rIL-2単独により生ずる最大増
殖まで達した。しかしながら、rIL-2により生じた増殖
は中和性ヤギ抗−ヒトIL-2抗血清の存在下で完全に阻
害されるがCLMFは影響されなかったという点で、C
LMFによる増殖と区別できた。
【0115】細胞障害エフェクター細胞を活性化する精
製CLMFの能力を4日間LAK細胞誘導アッセイおよ
び一夜NK細胞活性化アッセイの両方において調査し
た。LCIアッセイにおいては、800単位/mlの高
濃度の精製CLMFはIL-2の非存在下ではほとんど活
性を有さなかった(第9表)。しかしながら、両サイト
カインの存在下に生成された溶解活性がどちらかのサイ
トカイン単独を含有する培養物中で観察された溶解活性
の合計より有意に大きかったので、CLMFはLAK細
胞誘導を生じるのに低濃度のヒトrIL-2と相乗作用した
(第9表)。rIL-2の存在下において、精製CLMFは
3単位/mlの低濃度であった。
【0116】 第 8 表 精製ヒトCLMFはヒトPHA−活性化リンパ芽球の増殖を刺激する 添加サイトカイン ヒトCLMFC ヒトrIL-2 PHA活性化リンパ芽球による3H-チミジン実 験 (u/ml) (u/ml) とり込み(平均cpm+1 S.E.M.) 0 0 10,607 ± 596 500 0 70,058 ± 1,630 100 0 60,377 ± 1,927 20 0 36,018 ± 321 4 0 24,996 ± 669 0.8 0 17,765 ± 790 2 0 0 9,976 ± 374 200 0 60,980 ± 1,713 50 0 38,817 ± 884 12.5 0 18,885 ± 2,132 3.1 0 13,648 ± 731 0 16 80,041 ± 5,835 0 4 21,282 ± 1,145 0 1 11,241 ± 896 50 4 62,050 ± 2,408 12.5 4 40,628 ± 2,196 3.1 4 31,144 ± 3,754 a 実験1の全ての培養物はヤギ抗−ヒトrIL-2を含有
した。
【0117】b 実験2の培養物はどれでもヤギ抗ヒト
rIL-2を含有しなかった。 c モノQFPLCで精製されたヒトCLMF。 第 9 表 精製ヒトCLMFは4日間培養物におけるリンフォカイン活性キラー(LAK) 細胞の生成においてヒトrIL-2と相乗作用する 添加サイトカイン: 下記からの特異的 51 Cr放出 ヒトCLMFb ヒトrIL-2 (u/ml) (u/ml) K562 Raji 0 0 3 ± 1.7 -1 ± 0.5 800 0 7 ± 0.3 1 ± 0.1 200 0 5 ± 1.1 1 ± 0.4 50 0 4 ± 3.0 0 ± 0.9 0 5 10 ± 2.4 2 ± 0.8 800 5 41 ± 4.0 11 ± 0.8 200 5 42 ± 1.9 11 ± 0.3 50 5 36 ± 2.7 9 ± 0.8 12.5 5 28 ± 2.1 7 ± 0.7 3.1 5 19 ± 0.8 5 ± 0.3 0.8 5 14 ± 1.2 3 ± 0.8 a 値は4組測定の平均±はS.E.M.を示す。K562お
よびRajiの自然発生的51Cr放出値は、それぞれ16%お
よび14%であった。
【0118】b モノQFPLCで精製されたヒトCL
MF。4日間LAK誘導アッセイにおける結果と対照的
に、精製CLMFはそれ自体で一夜アッセイにおけるヒ
トNK細胞の活性化に効果があった(第10表)。この
アッセイにおいてCLMFは1.6単位/mlの低濃度
で活性であった。CLMFをヒトrIL-2と組合わせて検
査した場合、2つのサイトカインがいっしょで、やっと
NK活性の増強に付加的作用を有した(第10表)。
【0119】 第 10 表 精製ヒトCLMFは一夜培養物のナチュラルキラー(NK)細胞の活性を生じる 下記のエフェクター/標識比率での 添加サイトカイン: Raji細胞からの特異的 51 Cr放出 a ヒトCLMFb ヒトrIL-2 (u/ml) (u/ml) 20/1 5/1 0 0 10 ± 0.6 5 ± 0.4 40 0 31 ± 0.4 14 ± 0.5 8 0 23 ± 2.1 12 ± 0.4 1.6 0 15 ± 0.3 10 ± 0.6 0.3 0 12 ± 1.2 9 ± 0.2 0 1 13 ± 0.4 6 ± 0.5 40 1 33 ± 2.0 17 ± 0.5 8 1 26 ± 0.8 13 ± 1.9 1.6 1 19 ± 1.1 11 ± 2.1 0.3 1 16 ± 1.0 10 ± 1.5 0 5 20 ± 1.3 13 ± 0.6 40 5 23 ± 2.0 12 ± 1.5 8 5 29 ± 1.1 16 ± 0.7 1.6 5 27 ± 1.2 13 ± 0.8 0.3 5 24 ± 1.8 13 ± 1.2 0 25 38 ± 1.4 19 ± 0.7 a 各値は4組測定の平均±1 S.E.M.を示す。自然発
生的51Cr放出は9%であった。
【0120】b モノQ FPLCにより精製されたヒ
トCLMF。非特異的なNK/LAK細胞の溶解活性を
増強するその能力に加えて、CLMFはまだインビトロ
において特異的なヒト細胞溶解性Tリンパ球(CTL)
応答を促進した。CLMFは弱い免疫原性のガンマ照射
HT144メラノーマ細胞に対する特異的同種CTL応
答を増大した(第11表)。低濃度のrIL-2と組み合わ
せると、CLMFまたはUV照射されたHT144メラ
ノーマ細胞に対する特異的同種ヒトCTL応答をも促進
(第11表)したが添加サイトカイン非存在下では検出
可能なCTL応答を全く惹起しなかった。これらの研究
において生成された細胞溶解性エフェクター細胞の特異
性は、それらが51Cr標識HT144メラノーマ細胞を実
質的に溶解させるが、K562細胞はほとんどまたは全
然溶解させないその能力により示された。それとは対照
的に、ヒドロコルチゾンの非存在下で同じ実験で低密度
のリンパ球をrIL-2とインキュベートすることにより生
成したLAK細胞はHT144メラノーマ細胞よりもず
っと大きな度合いでK562細胞を溶解させた。これら
アッセイにおいて生じた細胞溶解性エフェクター細胞の
特異性および同定をさらに考察するために、かかるもの
を第11表に示す[Gatelyら、J. Immunol. 136:1274-
1282(1986)を参照]。
【0121】
【表2】 a 両方の実験において、二組の培養物の含有物をプー
ルし、洗浄し、1.2ml TCM中に再懸濁し、そし
て希釈なしおよび1:5希釈で溶解活性をアッセイし
た。実験1においては、示されたデータは細胞溶解アッ
セイにおいて、約4:1のリンパ球:標的比率に相当す
るリンパ球の1:5希釈物を用いて得られた。実験2に
おいては、有意な溶解はリンパ球を希釈しないで溶解ア
ッセイに加えた場合にのみ見られ、これらのデータは表
に示されている。HT144細胞からの自然発生的51Cr
放出は実験1および2においてそれぞれ25%および3
1%であり、そしてK562では実験1および2におい
てそれぞれ18%および27%であった。
【0122】b パーコールフラクション4は45%お
よび58%パーコール層間の界面から回収された高密度
リンパ球を含有したが、パーコールフラクション1+2
は35%および38%、および38%および41%パー
コール層間の界面から収集された低密度リンパ球を含有
した。パーコールフラクション4はCTL前駆体を含有
したがLAK前駆体をほとんど含有しなかった。一方フ
ラクション1+2はLAK細胞前駆体に富んでいた。
【0123】c HTUVおよびHTγは、それぞれUV
照射またはγ照射されたHT144メラノーマ細胞を示
す。我々の結果は、精製ヒトCLMFがそれ自体で活性
化ヒトTリンパ球を増殖させ、ヒトNK細胞の細胞溶解
活性を増大させそしてヒトCTL応答を増大させたこと
を示す。CLMFのこれらの活性はIL-2のそれらと類
似しており、このことはIL-2と同様にCLMFがイン
ビボで単一の治療剤として使用された場合に免疫増強お
よび抗腫瘍作用を有するにちがいないことを示唆してい
る。明らかに、CLMFはまた腫瘍浸潤リンパ球から由
来しうるように、[Topalianら、J. Immunol. 142:371
4-3725(1989)]NK/LAK細胞および活性化T細胞
のインビトロにおける増殖を刺激するのに利用できよ
う。さらに精製CLMFは培養物中においてヒトLAK
細胞を生成させるのに低濃度のrIL-2と相乗作用しそし
てインビトロで特異的CTL応答を促進するのにrIL-2
と付加的にかまたは相乗的に作用した。これらの結果
は、rIL-2と組合せてCLMFを使用することによりさ
らに最適の抗腫瘍療法を構成できようことを示唆してい
る。
【0124】ヒトCLMFの40kDaサブユニットを
コードするcDNAのクローニング1)細胞培養および
ポリA+ RNAの単離 NC−37細胞(サブクローン98)を前記のようにし
てローラーボトルで増殖させそしてPMAおよびカルシ
ウムイオノフォアを用いて15.5時間誘導した。細胞
を収穫し、約5.25×188 細胞を含有する1.11
gの冷凍細胞ペレットにした。培養物の一部を3日間継
続し、その時点でのCLMF活性のバイオアッセイ力価
は2,200単位/mlであり、このことはRNAを単離す
るために収穫した細胞がCLMF活性を確かに産生して
いたことを示している。標準操作により凍結細胞から全
RNAを単離し、そしてポリA+ RNAをアフィニティ
クロマトグラフィーにより得た。ポリA+ RNAの収率
はRNA投入量の総量と比較して2.5%(w/w)で
あった。 2)cDNAライブラリーの確立 上記ポリA+ RNAの2μgを、プライマーとして15
0ngのランダムヘキサマーを用いてcDNAに逆転写
した。ラムダgt10にライブラリーを確立し、そして
1.5×105 クローンを増幅させてスクリーニングし
た。 3)40kDa CLMFサブユニットcDNAに特異
的なDNAプローブを生成させるためのPCRの使用 精製40kDaタンパク質のN末端配列の一部はIWELKK
DVYVVELDWYPDAP... である。混合プライマーPCRで使
用するための2本のプライマーを設計しそして標準操作
により合成した。正方向のプライマーは上記配列におけ
るアミノ酸ELKKDに相当するコード鎖として設計されこ
のものはその配列にありうる全てのコドンを含有し、そ
してEcoRI部位および安定性を付加する3個の付加的な
塩基を包含する5'末端伸張部分を有した。正方向のプラ
イマーの配列は従って、5' ctc gaattc gaa/g c/ttn aa
a/g aaa/g ga、すなわち64の異なる配列を有する23
マーである。逆方向のプライマーは40kDa配列のN
末端の部分的アミノ酸配列YPDAPに相当するアンチセン
ス鎖を表すように同じ方法で設計された。逆方向のプラ
イマーは従って配列5'ctc gaa ttc ngg ngc a/gtc ngg
a/gtaを有し、256の異なる配列を含有する24マー
であ。記号nは4種のありうる塩基a,g,cまたはtの任
意のひとつを表わす。従ってこれらプライマーは72塩
基対長さのアンプリコンを特定する。サブクローニング
するための付着末端を生成させるためにEcoRIで切断し
た後は、アンプリコンの寸法は64塩基対まで低下す
る。誘導された細胞および対照として誘導されていない
細胞からのポリA+ RNAを用いて、上記2項記載のよ
うにしてPCRに使用するための一本鎖cDNAを生成
させた。これらcDNAのどちらかひとつの40ngを
10mMトリス−HClpH8.3/50mM KCl
/1.5mM MgCl2 /0.01%ゼラチン/4種
のヌクレオチド200μMずつ/10単位のTaqポリメ
ラーゼ/各プライマー250pモルずつ、の100μl
中で正および逆方向プライマーを用いて増幅した。PC
Rのパラメーターは下記のとおりであった:最初の変性
は95℃で7分間であった。低緊縮アニーリングは、2
分間以上37℃にさまし、37℃で2分間インキュベー
トし、2.5分以上72℃に加熱し、72℃で1.5分
間伸張させ、95℃で1分間以上加熱し、そして95℃
で1分間変性させることにより行った。この低緊縮アニ
ーリングサイクルをもう1回繰り返した。その後、30
回の標準サイクルを下記のようにして実施した:95℃
で1分間、55℃で2分間、72℃で2分間。最後の伸
張は72℃で10分間行った。全試料の10%を4%ア
ガロースゲルにかけ、染色しそして分析した。予想した
寸法を有するアンプリコンは誘導されたcDNAが増幅
されている試料においてのみ検出できた。試料の残りは
フェノールで抽出し、エタノールを用いる沈降により濃
縮しそして42μlの水に再溶解させた。この試料を5
0μl中の制限酵素EcoRI 60単位を用い37℃で2時
間消化した。続いて試料を6%ポリアクリルアミドゲル
にかけそして64bpアンプリコンをゲルから切り出し
て標準操作により溶離した。DNAアンプリコンを標準
操作によりブルースクリプトSK+プラスミドのEcoRI
部位にサブクローンした(Stratagene, La Jolla, C
A)。E.コリ株DH5(ATCCより取得可能)の形質
転換により得られたコロニーを取りそして64bp挿入
物の存在について分析した(ブルースクリプトSK+プ
ラスミドと適合しうる他のE.コリ株も使用できる)。2
個の陽性候補を配列決定してクローン化されたアンプリ
コンの配列を決定した。この分析により正しいフラグメ
ントが増幅されたことが明らかである。なぜなら推定ア
ミノ酸配列は、精製40kDaタンパク質の部分的アミ
ノ末端アミノ酸配列と正確に一致するからである。次に
この情報を用いてcDNAライブラリーのスクリーニン
グに使用できる54bp長オリゴヌクレオチドプローブ
を設計した。下記の配列を有する2本のオリゴを設計し
た。すなわち5'gag cta aag aaa gat gtt tat gtc gta
gaa ttc gatおよび5'aggggc atc cgg ata cca atc caa
ttc tac gac ata.これらの2本のオリゴは下記の構造を
形成するのに部分的に相補的である。
【0125】 5'gagctaaagaaagatgtttatgtcgtagaattggat 3' 3'atacagcatcttaacctaaccataggcctacgggga 5' かかる構造はクレノウフラグメントおよび標識されたヌ
クレオチドを用いて標識でき、従ってcDNAライブラ
リーのスクリーニングのための高い比活性を有するプロ
ーブが得られる。 4)cDNAライブラリーのスクリーニング 増幅されたライブラリーからの全部で3×105 クロー
ンを下記条件下で6個の二組のフィルターでスクリーニ
ングした。5×SSC/10×デンハード/100μg
/mlの変性ウシ胸腺DNA/20%ホルムアミド/
0.1%/SDS/1.5×106 cpmの標識54マ
ー、の50mlを37℃で17時間。次にフィルターを
2×SSC中で42℃で30分間洗浄し、乾燥しそして
X−線フィルムにさらした。増感スクリーンを用いて一
夜露出させた後、陽性の可能性のある16検体を取り、
第2回のスクリーニングによりさらに分析した。10個
の再度ハイブリダイズしたファージを単離し、それらの
DNAを調製した。これら10単離体のうち8個はEcoR
I切断により0.8kbおよび0.6kb長の2本のフ
ラグメントを遊離し、内部にEcoRI部がありうることを
示しており、同一のように見えた。ブロットし、スクリ
ーニングプローブとハイブリダイズすると0.6kbフ
ラグメントだけがハイブリダイゼーションを示した。ふ
たつのフラグメントを前記したブルースプリプトSK+
プラスミドのEcoRI部位に別々にサブクローンしそして
完全に配列決定した。この分析により、両フラグメント
が一列に整列すると天然に存在する内部EcoRI部位を有
する約1.4kb長のひとつの連続したcDNAを形成
することが示された。なぜなら両フラグメントは翻訳さ
れると精製40kDaタンパク質から実際に単離されて
いるトリプシン消化ペプチドをコードする読み取り枠の
存在を示したからである。cDNAから推定した40k
Daサブユニットの完全な配列を図25に示す。このc
DNAは328アミノ酸からなるひとつのオープンリー
ディングフレームをコードする。このタンパク質は開始
Metで始まり、古典的疎水性シグナルペプチドをつくる
別の21アミノ酸が続く。成熟精製40kDaサブユニ
ットのN末端すなわちIWELKKD... がシグナル配列のす
ぐ後に続く。成熟タンパク質はしたがって306アミノ
酸から成る。推定タンパク質配列は4個のありうるN結
合グリコシル化部位を含有し、そのうち2個は単離され
配列決定されたトリプシン消化ペプチド中に存在する。
これらの2部位のうちの一方はインビボで炭水化物側鎖
結合に用いられる。成熟非グリコシル化タンパク質の計
算上の分子量は34,699であり、pIは5.24である。
相当するmRNAは2.4kb長であり、そして誘導さ
れた細胞のみから定常状態RNAでノーザンブロットで
検出できる。
【0126】ヒトCLMFの35kDaサブユニットを
コードするcDNAのクローニング 細胞培養、mRNAの単離およびcDNAライブラリー
の確立は40kDaサブユニットのクローニングに関し
て先に記載されたと同様にして行われた。
【0127】35kDaサブユニツトcDNAに特異的
なDNAプローブの生成への混合プライマーPCRの使
精製35kDaサブユニットのN末端部分配列は?NLPVA
TPDPGMFP?LHHSQNLLRAV... である。混合プライマーPC
Rに用いるための2本のプライマーは標準操作により生
成された。正方向のプライマーは上記配列中のアミノ酸
DPGMFに相当するコード鎖として設計されれ、その配列
にありうる全てのコドンを含有しそしてEcoRI部位およ
び安定性を付加する3個の付加的塩基を含む5'末端伸張
部分を有した。この正方向プライマーの配列は従って5'
CTC GAA TTC GAT/C CCN GGN ATCTT-3'、すなわち32の
異なる配列を有する23マーであった。逆方向プライマ
ーは同じ方法で設計され、N末端部分配列のアミノ酸NL
LRAに相当するアンチセンス鎖を示すものであった。こ
の逆プライマーは配列5'CTC GAA TTC NGC NCG/TNAA/GNA
A/G A/GTTを有する、すなわち4,096の異なる配列を有す
る24マーを有した。両プライマー配列において、Nは
4塩基の全てを表す。2本のプライマーは従ってアンプ
リコン塩基長を特定した。EcoRIで切断してサブクロー
ニングするための付着末端を生成させた後にはアンプリ
コン寸法は61塩基に低下する。ヒトゲノムDNAの約
3μgを10mMトリスHCl pH8.3/50mM
KCl/1.5mM MgCl2 /0.01%ゼラチン
/4種のヌクレオチドをそれぞれ200μM/2.5単
位のTaqポリメラーゼ/64pモルの正方向および2,048
pモルの逆方向プライマー(2種のプライマーの非常に
異なる複雑さを補うために)の50μl中で正および逆
方向プライマーを用いて増幅させた。PCRサイクルパ
ラメーターは下記のとおりであった。最初の変性は95
℃で7分間。低緊縮アニーリングは2分以上37℃にさ
まし、37℃で2分間インキュベートし、2.5分以上
72℃に加熱し、1.5分間72℃で伸張させ、1分以
上95℃に加熱し、そして95℃で1分間変性させるこ
とにより行った。この低緊縮アニーリングサイクルをも
う1回繰り返した。その後、40回の標準サイクルを下
記のように行った。すなわち95℃で1分間、55℃で
2分間そして72℃で3分間。最後の伸張を72℃で1
0分間行った。試料の約20%を6%ポリアクリルアミ
ドゲルにかけ、臭化エチジウムでゲルを染色した後に予
想された寸法のアンプリコンが検出された。試料の残り
をフェノールで抽出し、エタノール沈降により濃縮しそ
して水17μl中に再溶解した。試料を20μl中のEc
oRI酵素20単位を用いて37℃で60分間消化した。
試料を続いて8%ポリアクリルアミドゲルで分画し、そ
して61塩基対アンプリコンをゲルから切り出して標準
操作により溶離した。DNAアンプリコンを標準操作に
よりブルースクリプトプラスミドSK+(Stratagene,
La Jolla, CA)のEcoRI部位にサブクローンした。E.コ
リ株DH5の形質転換により得られたコロニーを61塩
基対挿入物の存在に関して分析した。2候補を配列決定
してサブクローンされたアンプリコンの配列を決定し
た。2個のクローンのうち1個は正しい配列を含有して
いた。なぜならこの配列を翻訳すると精製タンパク質か
ら予想されるアミノ酸配列を生じたからである。この情
報に基づき、下記の配列を有する2本の合成オリゴヌク
レオチドを設計した。
【0128】 5'gatccgggaatgttcccatgccttcaccactccc3' 3'gtacggaagtggtgagggttttggaggatgcccga 5' かかる構造は放射性標識ヌクレオチドを用いることによ
りライブラリースクリーニング用に非常に高い比活性に
までクレノウフラグメントで標識できる。
【0129】cDNAライブラリーのスクリーニング 増幅16時間ライブラリーから計106 のクローンを4
0個の二通りのフィルター上で上記プローブを用いて下
記条件の下でスクリーニングした。5×SSC400m
l/20%ホルムアミド/10×デンハード/100u
g/ml変性ウシ胸腺DNA/0.1%SDS/3.8
×107 cpm標識プローブの存在下で一夜37℃。次
にフィルターを40℃で2×SSC中で洗浄し、スクリ
ーンを用いて一夜X線フィルムに曝露した。陽性の可能
性のある6検体をこの第1段階のスクリーニングで拾い
上げ、前記した第2段階のプラークハイブリダイゼーシ
ョンにより分析した。1つのクローンを選択して最終的
に分析した。ファージDNAを調製すると、このクロー
ンは約0.8kbおよび0.3kbの大きさの2つのEc
oRIフラグメントを含有することが解った。この2つの
フラグメントを別個に、ブルースクリプトSK+プラス
ミド中にサブクローンし、配列決定した。この分析によ
り、2つのフラグメントは一列に整列させると天然に存
在する内部EcoRI部位を有する総長約1.1kbの連続
する一つの配列を形成していることが示された。35k
Da CLMFサブユニットのcDNAの完全な配列お
よび推定アミノ酸配列を図26に示す。このcDNAは
1番目の開始Metで始まる219アミノ酸オープンリー
ディングフレームをコードしている。続く21アミノ酸
は標準的疎水性シグナル配列を構成する。シグナルペプ
チドのすぐ後には、成熟35kDaタンパク質のN末端
が配列RNLPVAT... で始まっている。精製した35kD
aタンパク質は配列 ?NLPVAT... を示した。即ち、成熟
35kDaタンパク質は3つのありうるN結合グリコシ
ル化部位および7つのCys残基を含有する197アミノ
酸からなる。成熟非グリコシル化タンパク質の分子量計
算値は、22513であり、pIは6.09である。相
当するmRNAは長さ1.4kbであり、少なくとも6
時間CLMFに関して誘導された細胞からのRNAにお
いてのみ検出可能である。
【0130】COS細胞内での生物学的に活性な組み換
えCLMFの発現 CLMFの2つのサブユニットを以下の通り操作して哺
乳類細胞内で発現させた。
【0131】49kDaサブユニット 40kDa CLMFサブユニットの完全長cDNAを
構成する2個のEcoRIフラグメントをpBC12[B. Cu
llen, Meth. Enzymology 152:684-703(1987)参照]
と同様の発現ベクターに連結したが、今回はcDNA発
現はSV40初期プロモーター/エンハンサーを用いて
行なった。相互に正しい方向で2個の挿入物を有するク
ローンを、40kDa cDNA中の内部EcoRI部位を包
含する合成オリゴヌクレオチドを用いるコロニーハイブ
リダイゼーションにより選択した。このオリゴヌクレオ
チドは以下の配列、即ち、5'CTG AAG CCA TTA AAG AAT
TCTCGG CAG GTG 3'を有していた。これを標準的な方法
を用いてキナーゼ処理することにより標識した。次に正
方向プライマーとしてSV40初期プロモータの配列に
特異的なプライマーを、そして逆方向プライマーとして
40kDa cDNA配列位置851-868に相当するオリゴ
ヌクレオチドを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応方法によ
り、ベクターに対する挿入部分の適正な方向についてク
ローンを分析した。正しい方向を有するクローンは88
5bpのPCRアンプリコンを生じよう。試験した20
クローン中の8つが予測したフラグメントを生じ、そし
て1つを選択してさらに調べた。
【0132】35kDaサブユニット 35kDaサブユニットの完全長cDNAを、λgt10
におけるEcoRI部位の左および右に位置するプライマー
を用いて、PCRによりもとのλファージの外で増幅さ
せた(プライマーはNew England Biolab Articles No.
1231および1232)。得られたPCRアンプリコンはブル
ースクリプトプラスミドSK+のEcoRI部位に連結され
たブラント末端であり、そしてこのDNAを増幅させ
た。DNA配列決定では、プラスミド内のcDNA挿入
物の方向は、mRNAの5'末端に相当するcDNAの末
端がポリリンカー中のClaI部位に近接していることが示
された。従って挿入物はClaIで切断し、T4DNAポリ
メラーゼでこの末端を充填し、そして二次的にNotIで切
断することにより遊離された。生成するフラグメントを
ゲル精製し、そしてブルースクリプトベクターに基づき
かつSV40初期プロモーターを含有する発現プラスミ
ド中にサブクローンし、挿入されたcDNAを発現させ
た。使用した発現プラスミドの部位はcDNAの5'末端
のブラントエンドPstI部位および3'末端のNotI部位であ
った。1つのクローンを選択し、40kDa構成物に関
して上記したようなPCR法によりその構造を確認した
後さらに調査を用いた。
【0133】COS細胞における2種類のcDNA発現 40kDaおよび30kDaサブユニットの発現構成物
に関するDNAをCullen[Meth. Enzymology 152:684
(1987)]記載のDEAEデキストラントランスフェク
ション法(7×105 細胞/塗布皿;1μg DNA/
皿)により直径6cmのプレート上でCOS細胞(AT
CCより入手可能)に導入した。トランスフェクション
24時間後、ウシ胎児血清のかわりに1%ヌトリドーマ
(Nutridoma)を含有する標準組織培養用培地を細胞に
与え、上清を40時間後に回収し、0.45μのフィル
ターで濾過した。
【0134】35kDa CLMFサブユニットまたは
40kDa CLMFサブユニットをコードするcDN
Aまたは両方のcDNAでトランスフェクションしたC
OS細胞の培養物の上清をCLMF活性についてT細胞
増殖因子アッセイにより検査した(第13表)。表に示
されるとおり、サブユニットcDNAの1方のみでトラ
ンスフェクションされたCOS細胞は生物学的に活性な
CLMFを培養液中に放出しなかった。しかしながら、
両方のサブユニットcDNAトランスフェクションされ
たCOS細胞は生物学的に活性なCLMFを産生した。
二重にトランスフェクションされたCOS細胞の培養液
により誘導されたリンパ芽球増殖の量を、精製NC−3
7−由来CLMFで誘導された増殖量と比較することに
より、培養液中のCLMF濃度は374単位/mlと推
定された。8×107 単位/mgCLMFタンパクなる
比活性推定に基づけばこの結果は二重にトランスフェク
ションされたCOS細胞の培養物から得られた液体は組
み換えCLMFを約4.7ng/ml含有していること
が示唆される。
【0135】
【表3】 抗CLMFハイブリドーマおよび抗体 抗CLMFハイブリドーマの調製、特性決定および精製 ルイスラット(Charles River Laboratories, Wilmingt
on, MA)を同量のフロインド完全アジュバント(Gibc
o)と混合した部分精製CLMFで腹腔内経路(i.p.)
により初回免疫した。第14表の計画に従って、フロイ
ンド不完全アジュバント(Gibco)と混合したCLMF
のブースター免疫をラットに腹腔内注射した。活性化さ
れた脾臓細胞を調製する為に、ラット1匹に、細胞融合
4日前から開始して連続2日間、部分精製CLMFを静
脈注射した(第14表)。脾臓細胞をこのラットから単
離し、そしてNOS細胞[Galfre等、Meth. Enzymol. 7
3:3-46(1981)]と1:1の比(脾臓細胞:NSO細
胞)で35%ポリエチレングリコール(PEG 4000, E. M
erck)を用いて融合させた。ハイブリドーマ細胞融合に
おける融合相手として適するその他の細胞をNSO細胞
の代わりに使用することもできる。融合した細胞を15
%ウシ胎児血清(FBS)、グルタミン(2mM)、β
−メルカプトエタノール(0.1ml)、ゲルタマイシ
ン(50μg/ml)、HEPES(10mM)および
15% P388Dl細胞上清(p388Dl細胞はA
TCCより入手可能)を補添したIMDM[Iscove等、
J. Exp.Med. 147:923-933(1978)]中、48ウェルプ
レートに5×104 細胞/ウェル/mlの細胞密度で塗
布した。ハイブリドーマ上清を次の4アッセイ、即ち
1) 125I−標識CLMFによる免疫沈降、2)CLM
F生物活性の免疫低下、3)CLMFを用いたウェスタ
ンブロット、および4)PHA活性化PBL芽細胞への
125I−CLMF結合の阻害により、特異的CLMF抗
体に関してスクリーニングした。抗CLMF抗体を分泌
するハイブリドーマ細胞系を限界希釈法によりクローニ
ングした。抗体は大規模ハイブリドーマ培養物または腹
水液から、製造者の指示書に従い架橋アガロースに結合
されたプロテインG上のアフィニティークロマトグラフ
ィーにより精製した(Gammabind G, Genex, Gaithersbu
rg, MD)。
【0136】 第 14 表 免 疫 化 計 画: 日 程 CLMF(10 -8 単位/mg) 総タンパク質 比活性 純 度 単位 μg (μg) (U/mg) (%) 3/28/89 1×10 0.1μg 15 6.7×105 6.7 4/10/89 1.2×10 0.1μg ? 6 ×105 0.6 5/3/89 第1回採血 5/18/89 2.2×10 2μg 75 2.9×106 2.9 6/7/89 第2回採血 6/29/89 6.3×10 0.63μg 83 7.5×105 0.75 7/21/89 1.2×105 1.2μg 24 5 ×106 5.0 8/2/89 第3回採血 10/19/89 2.1×10(i.v.) 10/20/89 2.1×10(i.v.) 10/23/89 融 合
【0137】CLMF特異的なモノクローナル抗体の単
離および同定 部分精製CLMFで免疫したラットから第3回採血で単
離された血清(第14表)はTGFアッセイで測定して
CLMF生物活性(5単位/ml)を中和した(図2
7)。この中和は、過剰のCLMF(200単位/m
l)を添加することにより阻止でき、このことは抗血清
による中和がCLMFに対して特異的であることを示し
ている(図27)。正常なラットの血清はCLMF生物
活性を中和しなかった(図27)。このラットから単離
した脾臓細胞をNSO細胞と融合させ、そして得られた
ハイブリドーマを、 125I−標識CLMFの免疫沈降に
よりCLMF特異的抗体について最初にスクリーニング
した。
【0138】放射性ヨウ素化された部分精製CLMF標
品は主にCLMF75kDaヘテロダイマーを含有し、
少量の遊離CLMF49kDaサブユニット、および約
92kDaおよび25kDaの2種類の別のタンパク質
を含有していた(図28)。 125I−標識CLMF標品
はTGFアッセイにおいてCLMF生物活性を保持して
おり、このことは標識化操作がCLMF分子の配置を有
意に変化させなかったことを示している。CLMF免疫
化ラット血清は、75kDaのヘテロダイマーおよび遊
離の40kDaサブユニット(レーン6および8、図2
8)を免疫沈降させたのに対し、正常ラット血清はこれ
らの放射性標識タンパク質を免疫沈降させなかった(レ
ーン7および9、図28)。4種類の別々のモノクロー
ナル抗体もまた、75kDaヘテロダイマーおよび遊離
の40kDaサブユニットを免疫沈降させ(図28)た
が、92kDaおよび25kDaの標識タンパク質は免
疫沈降させなかった。免疫沈降アッセイにより抗CLM
F抗体を産生するハイブリドーマ20個が同定された
(第15表)。SDS/PAGEおよびオートラジオグ
ラフィーにより判定して全抗体が放射性標識75kDa
ヘテロダイマーおよび遊離の40kDaサブユニットを
免疫沈降させた(図28中において4種の代表的な抗体
についてのデータを示す)。
【0139】
【表4】 1.ウェスタンブロット:N.R.は非還元、Redは還元
SDS/PAGE。ウェスタンブロットに関しては、5
%75kDaヘテロダイマーおよび95%遊離40kD
aサブユニットを含有するCLMF試料を10%SDS
/PAGE上で分離し、ウェスタンブロットは方法に記
載のとおり調製した。ブロットは、強陽性(++)、陽性
(+)、弱陽性(+/-)および陰性(−)として採点し
た。
【0140】2.CLMFレセプター結合アッセイ:P
HA活性化PBL芽への放射性標識CLMFの結合を6
0%以上阻止した場合にその抗体を阻害作用ありとみな
した。3.TGFアッセイにより査定したCLMF生物
活性の中和:200μg/mlで50%以上増殖を阻止
した場合にその抗体を中和作用ありとみなした。結果は
陽性(+)または陰性(−)で示した。
【0141】4.ND:測定せず。免疫沈降アッセイで
特異的なCLMF抗体を先ず同定した後に、TGFおよ
びLAK細胞誘導アッセイにより評価して抗体のCLM
F生物活性免疫低下能を試験した。漸増量のCLMF
は、細胞***中の芽細胞への 3H−チミジンの取り込み
により測定してTGFアッセイにおけるPBL芽の増殖
を用量依存的に増大させる(図29)。固定化された抗
CLMF抗体によるCLMF活性の免疫低下は、用量依
存的様式で起る(図29)。ハイブリドーマ上清溶液の
一部分(0.4mlおよび0.1ml)により、培地の
CLMF活性50および200単位/mlが完全に失わ
れよう。上清溶液0.025mlにより、50単位/m
lは完全に失われようが、200単位/mlは約50%
しか失われないであろう。ハイブリドーマ上清の0.0
062mlは50および200単位/mlのCLMFに
対する低下作用が更に小さかった。抗−IL-1レセプタ
ー抗体上清溶液の一部分(0.4ml)はCLMF生物
活性の免疫低下を全く示さなかった。
【0142】漸増量のCLMFはまた、LAK細胞誘導
マイクロアッセイにおける51Crの放出により測定してL
AK細胞による標的細胞の溶解を用量依存的に増大させ
た(図30)。固定化された抗CLMFもまた、LAK
細胞誘導アッセイにおいてCLMF活性を用量依存的様
式で低下させる。これらのデータにより、放射性標識さ
れた部分精製CLMF標品からの75kDa標識タンパ
ク質を免疫沈降させる抗体がCLMFに特異的であるこ
とが確認される。このデータはまた、放射性標識75k
Daタンパク質がCLMF生物活性の原因タンパク質で
あることを示している。
【0143】モノクローナル抗体アッセイ法 CLMFの精製および 125 IによるCLMFの標識化 CLMFを前記したようにしてヒト末梢血液リンパ球
(PBL)またはNC−37細胞から調製した細胞上清
から部分精製した。この部分精製CLMFをヨードゲン
法の変化により、 125Iで標識した。ヨードゲン(Pier
ce Chemical Co.)を濃度0.5mg/mlでクロロホ
ルムに溶解し、そのうち0.1mlを12×75のホウ
ケイ酸塩ガラスチューブに入れた。クロロホルムを窒素
気流下に蒸発させヨードゲンをガラスチューブ底部の中
心で乾燥させた。この被覆されたチューブを真空下に室
温(RT)でデシケーター中に保存した。放射性標識す
るには、0.5〜1.0mCiの 125I−Na(Amersh
am)を、トリス−ヨウ素化緩衝液(25mMトリスHC
l pH7.5,0.4M NaCl,1mM EDT
A)50mlを含有するヨードゲン被覆チューブに加え
そして室温で4分間インキュベートした。活性化された
125I溶液をCLMF0.05〜0.1ml(0.12
5M NaCl.20mMトリスHCl pH7.5中、
約5μg)を含有する1.5mlチューブに移し、この
反応混合物を室温で更に8分間インキュベートした。イ
ンキュベーション終了時に、ヨードゲン停止緩衝液(ダ
ルベッコリン酸塩緩衝食塩水(PBS)中10mg/m
lチロシン10%グルセロース.pH7.4)0.05
mlを添加し、30秒間反応させた。次に混合物をトリ
ス−ヨウ素化緩衝液1.0mlで希釈し、BioRad BioGe
l P1ODG(BioRad Laboratories)脱塩カラムに注いでク
ロマトグラフィーを行なった。カラムをトリス−ヨウ素
化緩衝液で溶離し、標識タンパク質のピーク量を含有す
るフラクション(1ml)を合わせてトリス−ヨウ素化
緩衝液中0.25%ゼラチンで1×108 cpm/ml
まで希釈した。TCA沈殿可能な放射能(10%トリク
ロロ酢酸最終濃度)は代表的には総放射能の95%をこ
えていた。比放射能は6000cpm/fモル〜10,000
cpm/fモルの範囲であった。
【0144】CLMFの免疫低下:ハイブリドーマ培養
上清または精製されたモノクローナル抗体のCLMF免
疫低下能を以下のとおり調べた。ヤギ抗−ラットIgG−
アガロースビーズ(Sigma Chemical Co. St. Louis. M
O)を1%ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma)を添
加したPBS(Gibco)(PBS/BSA溶液)10m
lで3回洗浄した。洗浄後、ビーズを最終濃度50%vo
l/volでPBS/BSA中に再懸濁した。ビーズ懸濁液
の一部分(0.2ml)を指示量のモノクローナル抗体
またはハイブリドーマ上清溶液とともに1.5mlのエ
ッペンドルフチューブに加えた。ハイブリドーマ維持培
地[0.1%ウシ胎児血清(PBS),10% Nutrido
ma-SP(Boehringer-Mannheim)および2mM L−グル
タミンを添加したlscove変性ダルベッコ培地(IMD
M)]を添加することにより各混合物の溶量を1.4m
lとし、次のこの混合物を血液学/化学ミキサー上室温
で2時間インキュベートした。このインキュベート後、
チューブをBeckman微量遠心器12で遠心分離し(セッ
ティング5で1.5分)、上清を捨てた。ビーズを再
度、PBS/BSAで3回洗浄し、次に5%ヒトAB血
清および指示濃度の精製ヒトCLMFを含有する組織培
養培地(TCM)1ml中に再懸濁した。次にチューブ
をミキサー上4℃で一夜インキュベートした。これに続
きビーズを微量遠心器で遠心することにより除去し、得
られた免疫低下上清溶液の残存CLMF活性を、TGF
アッセイまたはLAK細胞誘導に関するマイクロアッセ
イにおいて測定した。
【0145】免疫沈降アッセイ:免疫沈降反応には、
0.05〜0.5mlのハイブリドーマ上清、希釈抗血
清または精製IgGを、アガロースに結合されたヤギ抗ラ
ットIgGの50%懸濁液(Sigma Chemical Co.)0.1
mlを含有する1.5mlの微量遠心管に入れた。アッ
セイ容量をRIPA緩衝液(50mM NaPO4 ,p
H7.5,150mM NaCl.1%トリトン−X1
00,1%デオキシコール酸,0.1%SDS,1%B
SAおよび5mM EDTA)を用いて0.5mlと
し、この混合物を室温で2時間、回転ミキサー上でイン
キュベートした。12,000×gで1分間遠心分離すること
によりビーズをペレット化し、次に 125I CLMFを
含有するRIPA緩衝液1ml(1×105 cpm)中
に再懸濁した。次にこの混合物を4℃で16時間、回転
ミキサー上でインキュベートした。このインキュベーシ
ョンに続きビーズを遠心分離してペレットとなしそして
BSAを含有しないRIPAで2回洗浄した。次にビー
ズを0.125MトリスHClpH6.8+10%グリ
セロースで1回洗浄した。5%β−メルカプトエタノー
ル添加および無添加の2×サンプル緩衝液(Leammli,
前記)10μlを添加し、95℃で3分間加熱すること
により、固相抗体に結合された 125I−CLMFを遊離
させた。免疫沈降 125I−CLMFを10%または12
%ポリアクリルアミドゲル上のSDS−PAGEにより
分析し、オートラジオグラフィーで可視化した。
【0146】CLMFレセプター結合アッセイ:ハイブ
リドーマ上清溶液、精製IgGまたは抗血清の、 125I−
CLMFがPHA−活性化ヒトTリンパ芽球に結合する
のを阻害する能力を以下のとおり測定した。培養上清、
精製IgGまたは抗血清の連続希釈物0.1mlづつを、
125I−CLMF(1×105 cpm)を含有する結合
緩衝液(RPMI−1640、5%FBS,25mM
HEPES pH7.4)0.025mlづつと混合し
た。この混合物を室温で1時間、軌道振盪器上でインキ
ュベートし、次に活性化芽細胞(5×107 細胞/m
l)0.025mlを各チューブに添加した。混合物を
室温で更に1時間インキュベートした。非特異的結合
は、アッセイ中に10nM未満標識CLMFを含めるこ
とにより測定した。インキュベーションは2通りまたは
3通りで行なった。細胞結合放射能はアッセイ内容物を
油状混合物(Thomasシリコーン液6428−R15(A.
H. Thomas)とシリコーン油AR 200(Gallard-Sch
lessinger)の1:2混合物)0.1mlを通して4℃
で90秒間10,000×gで遠心分離することにより、遊離
1 25I−CLMFから分離した。細胞ペレットを含有す
る先端部分を切り出し、ガンマカウンターで細胞結合放
射能を測定した。
【0147】SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
(SDS/PAGE)およびウェスタンブロッティン
グ:免疫沈降させた 125I−標識タンパク質および部分
精製CLMFを、5%β−メルカプトエタノール添加ま
たは無添加のLaemmli試料緩衝液(2%SDS,125
mMトリスHCl,pH6.8,10%グリセロール,
0.025%ブロモフェノールブルー)で処理し、3分
間95℃で加熱しそして7.5%または12%の成形済
みゲル(BioRad Laboratories)上のSDS/PAGE
により分離した。免疫沈降させた 125I−標識タンパク
質については、ゲルを25%イソプロピルアルコール+
10%酢酸中の0.2%クーマシーブリリアントブルー
で染色し、10%メタノール+10%酢酸で汚れを落と
し、乾燥しそしてオートラジオグラフィーにより分析し
た。ウェスタンブロットするには、SDS/PAGEで
分離したタンパク質を、10mMトリスHCl pH
8.3,76.8mMグリシン,20%メタノールおよ
び0.01%SDS中、100Vで16時間、ニトロセ
ルロース膜(0.2μ)に移動させた。ニトロセルロー
ス膜を、3%ゼラチン、トリスHCl pH7.5,
0.15M NaCl中37℃で1時間ブロックし、次
にAB緩衝液(1%ウシ血清アルブミン,50mMリン
酸ナトリウムpH6.5,0.5M NaCl,0.0
5%ツイーン20)で希釈したハイブリドーマ上清溶液
または精製抗体を用いて4℃で16時間探索した。洗浄
緩衝液(PBS,0.05%ツイーン20)で洗浄した
後、ニトロセルロースストリップをAB緩衝液で希釈し
た、ペルオキシダーゼに結合したヤギ抗−ラットIgG抗
体(Boehringer Mannheim Biochemicals)と室温で2時
間インキュベートした。ニトロセルロース膜を洗浄緩衝
液で洗浄し、4−クロロ−1−ナフトール(0.15%
2 2 ,0.5M NaCl,50mMトリスHC
l,pH7.5中0.5mg/ml)と室温で30分間
インキュベートすることにより、結合された抗体を可視
化した。蒸留水で十分洗浄することにより、反応を停止
させた。
【0148】モノクローナル抗体による結合CLMFサ
ブユニットの同定:CLMFは40kDaおよび35k
Daのサブユニットからなる75kDaヘテロダイマー
タンパク質である。ウェスタンブロット分析を用いて、
モノクローナル抗CLMF抗体が40kDaまたは35
kDaのサブユニットを認識するかどうか調べた。高度
精製75kDa CLMFヘテロダイマーを非還元型S
DS/PAGEにより分離しそしてニトロセルロース膜
に移行させた(図31)。更に、約95%の遊離40k
Daサブユニットおよび5%の75kDaヘテロダイマ
ーよりなる精製CLMFを非還元型および還元型両方の
SDS/PAGEにより分離し、そしてタンパク質をニ
トロセルロース膜に移行させた(図32)。非還元75
kDaCLMFヘテロダイマー(図31)、非還元40
kDaサブユニット(図32、上部パネル)、および還
元40kDaサブユニット(図32、下部パネル)を含
有する個々のニトロセルロースストリップを、モノクロ
ーナル抗−CLMF抗体、対照モノクローナル抗体、ラ
ット抗−CLMF血清および対照ラット血清を用いて探
索した。モノクローナル抗−CLMF抗体およびラット
ポリクローナル抗−CLMF抗体は非還元75kDa
CLMFを含有するストリップ上の約75kDaヘテロ
ダイマーに特異的に結合するが、対照抗体標品はこの結
合活性を示さない(図31)。全てのモノクローナルお
よびラットポリクローナル抗−CLMF抗体は非還元4
0kDaサブユニット(図32、上部パネル)を認識す
る。しかしながら、ラットポリクローナル抗血清および
3種類のモノクローナル抗体、8E3,9F5および2
2E7のみが還元40kDaサブユニットタンパク質に
結合する(図32、下部パネル)。これらのデータは、
全てのモノクローナル抗体がCLMFの40kDaサブ
ユニットに特異的であることを示している。
【0149】PHA活性化リンパ芽球上のCLMFレセ
プターの同定:前出のデータはモノクローナル抗−CL
MF抗体が 125I標識CLMFを免疫沈降させ、CLM
F生物活性を免疫低下させ、そしてCLMFの40kD
aサブユニットに結合することを示した。しかしなが
ら、ハイブリドーマ上清溶液中に存在する抗体がTGF
またはLAK細胞誘導アッセイにおいてCLMF生物活
性を中和する能力については、対照抗体を含有する上清
溶液の非特異的阻害作用ゆえに直接試験できなかった。
IL-2モノクローナル抗体を用いる我々の先の研究で
は、IL-2レセプター担持細胞への 125I−IL-2の結合
を阻止する抗体はIL-2の生物活性も中和することが示
されている。レセプター結合アッセイはハイブリドーマ
上清溶液または他の物質の添加によって通常影響を受け
ないため、抗CLMF抗体の阻害/中和活性を評価する
ためにCLMFレセプター結合アッセイが開発された。
CLMFレセプター結合アッセイは 125I−標識CLM
FおよびPHA−活性化末梢血液リンパ芽球により構成
した(図33)。PHA−活性化リンパ芽球への 125
−CLMFの結合は飽和可能かつ特異的であった(図3
3)。平衡結合データをスカッチャードブロット分析
(Scatchard;Ann. N. Y. Acad. Sci. 51:660-672(19
49)参照)したところ、レセプターへの 125I−CLM
F結合の見かけの解離定数は約200pMであり、そし
て各リンパ芽球は約700〜800個のレセプターを有
することが示された。CLMFで免疫化されたラットの
血清がCLMF生物活性の中和を示したため、これをリ
ンパ芽球への 125I−CLMF結合を阻害する能力につ
いて試験した(図34)。ラット免疫血清は約1/50
0の希釈度で 125I−標識CLMF結合を50%阻止し
たが、対照ラット血清はこの希釈度では何ら阻害作用を
示さなかった。確立されたレセプター結合アッセイの特
異性を用いて、ハイブリドーマ上清溶液をリンパ芽球へ
125I−CLMF結合を阻害する抗体に関して調べ
た。
【0150】リンパ芽球への 125I−CLMF結合の阻
害度は、各ハイブリドーマ上清溶液の1/2希釈度で測
定した(図35)。12個のハイブリドーマ上清溶液は
リンパ芽球への 125I−CLMFの結合を60%以上阻
害した。これらの上清溶液中に存在する抗体は阻害/中
和抗体として分類されている。6個のハイブリドーマ上
清溶液は、 125I−標識CLMFの結合を40%未満し
か阻害せず、これらは、非阻害/非中和抗体として分類
された。対照抗体はリンパ芽球への 125I−CLMFの
結合を約10%阻害した。
【0151】3種類の阻害抗体、7B2,2A3および
4A1および2種類の非阻害抗体、6A3および8E3
をGammaBind G(Genex, Gaithersburg, MD)カラム上の
プロテインGアフィニティークロマトグラフィーにより
腹水液から精製した。抗体4A1,2A3および7B2
はそれぞれIC50濃度0.7μg/mlおよび9.5μ
g/mlでリンパ芽球への 125I−CLMFの結合を用
量依存的様式で阻害する(図36)。抗体6A3および
8E3は100μg/mlの濃度で 125I−CLMFの
結合を阻止しない(図36)。これらのデータは、各抗
体が阻害または非阻害性としてはじめに分類されている
ことが正しかったことを示している。
【0152】抗体によるCLMF生物活性の直接中和:
CLMFレセプター結合アッセイにより「阻害性」と分
類された抗体がCLMF生物活性を直接中和するかどう
かを調べるため、各阻害抗体の中和活性をTGFアッセ
イにより調べた(第16表)。2種類の阻害性抗体、4
A1および7B2は、0.03〜100μg/mlでC
LMF生物活性(40単位/ml)の用量依存性中和を
示し、IC50濃度はそれぞれ約1μg/mlおよび80
μg/mlであった。これらのデータにより、CLMF
レセプターへの 125I−CLMFの結合を阻害する抗体
はCLMF生物活性にも阻害することが確認された。
【0153】
【表5】 CLMFの35,000ダルトンサブユニットの合成ペプチド
フラグメントに対する抗体の調製 35kDa CLMFサブユニットのNH2 −末端配列
のアミノ酸3−13およびCOOH−末端システインを
含有するペプチド(L-P-V-A-T-P-D-P-G-M-F-C)を固相
ペプチド法により合成し、HPLCにより精製し、そし
てメチル化ウシ血清アルブミン法によりキーホールリン
ペットヘモシアニンに接合させた。ウサギ2匹をフロイ
ンド完全アジュバント中のこの接合タンパク(300μ
gペプチド/ウサギ)で皮内免疫した。免疫化6週間
後、ウサギに遊離のペプチド(100μg、静脈内)お
よびKLH接合ペプチド(150μg,皮下)をPBS
に溶解したものをブースターとして与えた。7日後、採
血して血清試料を調製した。ブースター投与および採血
の作業は4〜5週おきに反復した。各ウサギからの第1
回および第2回目の採血で得た血清試料を合成ペプチド
との反応に関して、直接ELISAアッセイにより評価
した。合成の遊離ペプチドを4ng/mlおよび20n
g/mlでマイクロタイタープレート上に被覆し、プレ
ートを洗浄し、そしてウシ血清アルブミンでブロックし
た。種々の希釈度(第17表)で血清試料を検査し、抗
体の反応性を基質としてo−フェニレンジアミンを用
い、第2抗体(HRP−接合ヤギ抗ウサギIgG)を用い
て検出した。反応を停止させるために硫酸を添加した後
に、吸光度値を490nmで読み取った。その結果によ
れば、35,000ダルトンCLMFペプチドに対する抗体は
両方のウサギで産出されていた(第17表)。別の実験
において、我々は、(a)非免疫化ウサギから得た血清
はELISAにおいてペプチドと反応せず、(b)合成
ペプチドで免疫したウサギから得た血清は40,000ダルト
ンCLMFサブユニットからのペプチドフラグメントと
は反応せず、そして(c)血清試料から精製したIgGは
合成ペプチドとも反応することから、この抗体はこのペ
プチドに対して特異的であることを証明した。
【0154】ウサギの1匹から得た血清試料(第1回採
血)を75kDa CLMF及び35kDa CLMFサ
ブユニットとの反応性に関してウェスタンブロット分析
により検査した(図37)。部分精製CLMF(約12
0μg/ml)をSDS/PAGEで泳動し、ニトロセ
ルロースに移行させ、そしてウサギ抗CLMFペプチド
抗血清の1:500希釈物で処理した。抗体反応性は、
ビオチニル化ヤギ抗−ウサギIgGおよびアルカリホスフ
ァターゼ接合ストレプトアビジンを用いることにより検
出した。抗CLMFペプチド抗体は、非還元75kDa
CLMFタンパク質および還元35kDa CLMFサ
ブユニットの両方と反応することが判明した(図3
7)。
【0155】この実施例で生成された抗体はポリクロー
ナルであるが、同様の方法を用いてCLMFの35kD
aサブユニットに対するモノクローナル抗体を調製する
こともできた。この実施例で使用した合成ペプチドまた
は35kDa CLMFサブユニットのアミノ酸配列に
基づく他の合成ペプチド(図26)をラットの免疫化に
使用できた。上記したようにして融合を行ない、ハイブ
リドーマ培養物をモノクローナル抗−CLMF抗体の産
生に関してスクリーニングした。
【0156】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】上清溶液をNu-Gel P-SPカラムにかけ、TGF
活性を含有するタンパク質フラクションが塩グラジエン
トで溶離されることを示すプロット図。
【図2】図1に示される分離により得られたTGF活性
含有物質がブルーB−アガロース(Blue-B-Agarose)カ
ラムを通って塩グラジエント勾配で溶離されるプロット
図。
【図3】図2に示される分離から得られたTGF活性含
有物質がモノ(Mono)Qカラムを通ってNaClグラジ
エントで溶離されるプロット図。
【図4】図3は図示した工程から得られたフラクション
30から45までと、48および50のSDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析を
示す。
【図5】図3で示されるMono Qクロマトグラフィー分
離(逆相HPLC)から得られたフラクション38をVy
dacジフェニル(Diphenyl)カラムに通した溶離プロフ
ィールを示す図。
【図6】図5に示される分離工程から回収されたタンパ
ク質フラクション85−90のタンパク質純度のSDS
−PAGE分析を示す図。
【図7】逆相HPLC分離から得られたフラクション8
7および88を非還元および還元条件下でSDS−PA
GE分析した結果を示す図。
【図8】NC−37細胞からの上清溶液から得られたタ
ンパク質をNu-Gel P-SPカラムにかけ、塩グラジエント
で溶離した溶離パターンを示す図。
【図9】図8に示されるNu-Gel P-SPカラム溶離により
得られた活性フラクションのブルー−B−アガロースカ
ラム塩グラジエント溶離プロフィール図。
【図10】図9に示される溶離により得られた活性フラ
クションのモノQカラム塩グラジエント溶離プロフィー
ル図。
【図11】図10に示されるモノQクロマトグラフィー
から得られた活性フラクション39および40の、Vyda
cジフェニルカラムを通した溶離パターン図。
【図12】図11に示される分離工程から得られた活性
フラクションの還元条件下でのSDS−PAGE分析を
示す図。
【図13】CLMFサイトカインの35kDaサブユニ
ットからの40kDaサブユニットの分離を表す模式
図。
【図14】CLMFサイトカインの40kDaサブユニ
ットのアミノ酸組成の決定、N−末端配列決定、タンパ
ク分解的消化および完全な配列決定を示す模式図。
【図15】CLMFサイトカインの消化された40kD
aサブユニットのトリプシン処理ペプチドの分離を示す
図。
【図16】スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylo
coccus aureus)V8プロテアーゼ消化を受けた40k
DaサブユニットCLMFのタンパク分解ペプチドの分
離を示す図。
【図17】CLMFの40kDaサブユニットタンパク
分解ペプチドの分析から得られたタンパク質構造に関す
る情報を要約したチャート。
【図18】図3に示されるMono Q FPLC溶離プロフ
ィールから得られたフラクション39のSDS−PAG
E分析を示す図。
【図19】逆相HPLCによる35kDaサブユニット
の精製に関するもので、5%β−メルカプトエタノール
中で還元されたMono Qクロマトグラフィーのフラクシ
ョン39をVydac C-18カラムに通して溶離したパターン
を示す図。
【図20】図19に示されるVydac C-18カラム溶離プロ
フィールから得られたフルオレサミン陽性フラクション
の、非還元条件下でのSDS−PAGEゲル分析を示す
図。
【図21】Mono Qクロマトグラフィーのフラクション
36および37のトリプシン消化物をYMC ODSカ
ラムに通した溶離パターンを示す図。
【図22】染色したPVDF膜を示す図。
【図23】CLMFをCNBrで分解することにより得
られたペプチドフラグメントの逆相HPLC分離を示す
図。
【図24】アガロース樹脂に共有結合されたモノクロー
ナル抗体7B2を用いるアフィニティークロマトグラフ
ィーによって精製された、純粋なCLMFおよび「遊
離」の会合していない40kDa CLMFサブユニッ
トのSDS−PAGEを示す図。
【図25】ヒトCLMFの40kDaサブユニットのD
NA配列および推定アミノ酸配列を示す図。
【図26】CLMFの35kDaサブユニットのcDN
A配列および推定アミノ酸配列を示す図。
【図27】CLMFで免疫したラット由来の、および非
免疫ラット(対照)由来の血清によるCLMF生物活性
の阻害を示す図。
【図28】125I−CLMFの、モノクローナル抗体に
よる免疫沈降反応、対照抗体による免疫沈降反応、免疫
ラット血清による免疫沈降反応および正常ラット血清に
よる免疫沈降反応のSDS−PAGE分析を示す図。
【図29】CLMF生物活性(TGF活性)の、モノク
ローナル抗−CLMF抗体(a−CLMF)による免疫
低下を示す図。
【図30】CLMF生物活性(LAK誘導活性)の、モ
ノクローナル抗−CLMF抗体(a−CLMF)による
免疫低下を示す図。
【図31】モノクローナル抗体(mAb)7B2,4A
1,8E3,6A3,9F5および2A3とCLMF7
5kDaヘテロダイマーとの反応性およびラットポリク
ローナル抗−CLMF抗体(RS1)と同ヘテロダイマ
ーとの反応性に関するウェスタンブロット分析を示す
図。
【図32】モノクローナルおよびラットポリクローナル
抗−CLMF抗体のCLMF40kDaサブユニットと
の反応性に関するウェスタンブロット分析を示す図。
【図33】125I−CLMFの、PHA−活性化末梢血
液リンパ球(PBL)リンパ芽球との結合を示す図。
【図34】PHA−活性化PBL芽細胞に対する125
−CLMFの結合の、ラット抗−CLMF血清による阻
害を示す図。
【図35】PHA−活性化PBL芽細胞に対する125
−CLMFの結合の、モノクローナル抗体上清による阻
害を示す図。
【図36】PHA−活性化PBL芽細胞に対する125
−CLMFの結合の、様々な濃度の精製モノクローナル
抗体による阻害を示す図。
【図37】ウサギポリクローナル抗−CLMF抗体と7
5kDa CLMF(非還元)との反応性および35k
Da CLMFサブユニット(還元)との反応性に関す
るウェスタンブロット分析を示す図。尚、図6、図7、
図12、図18、図20、図22、図24、図28、図
31、図32および図37は電気泳動を表す写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲイトリー,モーリス,ケント アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07058 モントヴィル,コナー アヴェ ニュー 162 (72)発明者 ガブラー,ウルリッチ,アンドリアス アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07028 グレン リッジ,インズ プレ イス 4 (72)発明者 ハルムス,ジェフリー,ディヴィッド アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07456 リングウッド,ウェルチ ロー ド 23 (72)発明者 パン,ユーチング ユーゲン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07058 パイン ブルック,クレーン ドライヴ 10 (72)発明者 ポドラスキー,フランク,ジョン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 10956 ニュー シティー,ロムバーデ ィ ドライヴ 28 (72)発明者 スターン,アルヴィン,セッチ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07055 パセック パーク,ブルック アヴェニュー 295 (56)参考文献 J.EXP.MED(1898)Vol. 170,No.3,p.827−845 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/47 C07K 16/24 C12N 15/00 - 15/90 C12P 21/08 SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 および のアミノ酸配列からなり、少なくとも5.2×10
    位/mgの比活性を有し、T細胞増殖因子アッセイで活
    性な細胞障害性リンパ球成熟因子(CLMF)タンパク
    質に対する実質的に純粋なポリクローナル抗体またはモ
    ノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のCLMFに対する抗体
    を製造するに当たり、(a)請求項1記載のタンパク質
    を該タンパク質に対する免疫応答を生じ得るヒト以外の
    温血動物に注射し、そして(b)該動物から抗体を回収
    する、ことからなる方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法により製造された請
    求項1記載のCLMFに対する抗体。
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