JP3375693B2 - 薄膜トランジスタを有する半導体装置の作製方法 - Google Patents

薄膜トランジスタを有する半導体装置の作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス等の絶縁基板上
に設けられたTFT(薄膜トランジスタ)を有する半導
体装置及びその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の絶縁基板上にTFTを有する
半導体装置としては、これらのTFTを画素の駆動に用
いるアクティブ型液晶表示装置やイメージセンサー等が
知られている。
【0003】これらの装置に用いられるTFTには、薄
膜状の珪素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状の
珪素半導体としては、非晶質珪素半導体(a−Si)か
らなるものと結晶性を有する珪素半導体からなるものの
2つに大別される。非晶質珪素半導体は作製温度が低
く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性
に富むため、最も一般的に用いられているが、導電率等
の物性が結晶性を有する珪素半導体に比べて劣るため、
今後より高速特性を得る為には、結晶性を有する珪素半
導体からなるTFTの作製方法の確立が強く求められて
いた。尚、結晶性を有する珪素半導体としては、多結晶
珪素、微結晶珪素、結晶成分を含む非晶質珪素、結晶性
と非晶質性の中間の状態を有するセミアモルファス珪素
等の非単結晶珪素半導体が知られている。以下において
は、これら結晶性を有する非単結晶珪素半導体を結晶性
珪素ということとする。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状の珪素半導体
を得る方法としては、 (1) 成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する。 (2) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、レーザー光
のエネルギーにより結晶性を有せしめる。 (3) 非晶質の半導体膜を成膜しておき、熱エネルギ
ーを加えることにより結晶性を有せしめる。 と言った方法が知られている。しかしながら、(1)の
方法は良好な半導体物性を有する膜を基板上に全面に渡
って均一に成膜することが技術上困難であり、また成膜
温度が600℃以上と高いので、安価なガラス基板が使
用できないというコストの問題もあった。また、(2)
の方法は、現在最も一般的に使用されているエキシマレ
ーザーを例にとると、レーザー光の照射面積が小さいた
め、スループットが低いという問題がまずあり、また大
面積基板の全面を均一に処理するにはレーザーの安定性
が充分ではなく、次世代の技術という感が強い。(3)
の方法は、(1)、(2)の方法と比較すると大面積に
対応できるという利点はあるが、やはり加熱温度として
600℃以上の高温にすることが必要であり、安価なガ
ラス基板を用いることを考えると、さらに加熱温度を下
げる必要がある。特に現在の液晶表示装置の場合には大
画面化が進んでおり、その為ガラス基板も同様に大型の
物を使用する必要がある。この様に大型のガラス基板を
使用する場合には、半導体作製に必要不可欠な加熱工程
における縮みや歪みといったものが、マスク合わせ等の
精度を下げ、大きな問題点となっている。特に現在最も
一般的に使用されている7059ガラスの場合には、歪
み点が593℃であり、従来の加熱結晶化方法では大き
な変形を起こしてしまう。また、温度の問題以外にも現
在のプロセスでは結晶化に要する加熱時間が数十時間以
上にも及ぶので、さらにその時間を短くすることも必要
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決する手段を提供するものである。より具体的には
非晶質珪素からなる薄膜を加熱により結晶化させる方法
を用いた、結晶性を有する珪素半導体からなる薄膜の作
製方法において、結晶化に必要な温度の低温化と時間の
短縮を両立するプロセスを提供することをその目的とす
る。勿論、本発明で提供されるプロセスを用いて作製し
た結晶性を有する珪素半導体は、従来技術で作製された
ものと同等以上の物性を有し、TFTの活性層領域にも
使用可能なものであることは言うまでもないことであ
る。
【0006】〔発明の背景〕本発明人らは、上記従来の
技術の項で述べた、非晶質の珪素半導体膜をCVD法や
スパッタ法で成膜し、該膜を加熱によって結晶化させる
方法について、以下のような実験及び考察を行った。
【0007】まず実験事実として、ガラス基板上に非晶
質珪素膜を成膜し、この膜を加熱により結晶化させるメ
カニズムを調べると、結晶成長はガラス基板と非晶質珪
素との界面から始まって、膜厚方向に比較的ランダムに
結晶成長していくことが認められた。
【0008】上記現象は、界面における不均一核生成に
おいては、その臨界核が小さいことが理由の一つと考え
られるが、より直接的には、ガラス基板と非晶質珪素膜
との界面に、結晶成長の基となる結晶核(結晶成長の基
となる種)が存在しており、その核から結晶が成長して
いくことに起因すると考察される。このような結晶核
は、基板表面に微量に存在している不純物金属元素やガ
ラス表面の結晶成分、あるいは表面の微細な凹凸等であ
ると考えられる。
【0009】そこで、より積極的に結晶核を導入するこ
とによって結晶化温度の低温化が可能ではないかと考
え、その効果を確認すべく、他の金属を微量に基板上に
成膜し、その上に非晶質珪素からなる薄膜を成膜、その
後加熱結晶化を行う実験を試みた。その結果、幾つかの
金属を基板上に成膜した場合においては結晶化温度の低
下が確認され、異物を結晶核とした結晶成長が起こって
いることが予想された。そこで低温化が可能であった複
数の不純物金属について更に詳しくそのメカニズムを調
査した。
【0010】結晶化は、初期の核生成と、その核からの
結晶成長の2段階に分けて考えることができる。ここ
で、初期の核生成の速度は、一定温度において点状に微
細な結晶が発生するまでの時間を測定することによって
観測されるが、この時間は上記不純物金属を成膜した薄
膜ではいずれの場合も短縮され、結晶核導入の結晶化温
度低温化に対する効果が確認された。しかも予想外のこ
とであるのだが、核生成後の結晶粒の成長を加熱時間を
変化させて調べたところ、ある種の金属を成膜後、その
上に成膜した非晶質珪素薄膜の結晶化においては、核生
成後の結晶成長の速度までが飛躍的に増大することが観
測された。このメカニズムについては後ほど詳しく述べ
ることにする。
【0011】いずれにしろ、上記2つの効果により、あ
る種の金属を微量に成膜した上に非晶質珪素からなる薄
膜を成膜、その後加熱結晶化した場合には、従来考えら
れなかったような、580℃以下の温度で4〜8時間程
度の時間で十分な結晶性が得られることが判明した。こ
の様な効果を多少なりとも有する不純物金属の一例とし
て、インジウム、タリウム、アンチモン、ビスマス、
錫、鉛、が挙げられるが、我々の実験において最も効果
が顕著であった材料がインジウムであった。そこで、以
下においてはインジウムを添加した場合に限定して説明
を加えていくことにする。
【0012】まず、低温結晶化の効果を、インジウムが
どの程度有するのか一例を挙げると、なんら処理を行な
わない、即ちインジウムの微量な薄膜を成膜していない
基板上(コーニング7059)にプラズマCVD法で形
成された非晶質珪素からなる薄膜を窒素雰囲気中での加
熱によって、結晶化する場合、その加熱温度として60
0℃とした場合、加熱時間として10時間以上の時間を
必要としたが、インジウムの微量な薄膜を成膜した基板
上の非晶質珪素からなる薄膜を用いた場合には、1時間
程度の加熱において同様な結晶化状態を得るこができ
た。尚この際の結晶化の判断はラマン分光スペクトルを
利用した。このことだけからも、インジウムの効果が非
常に大きいことが判るであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記説明から判る様に、
インジウムの微量な薄膜を成膜した上から、非晶質珪素
からなる薄膜を成膜した場合、結晶化温度の低温化及び
結晶化に要する時間の短縮が可能である。そこで、この
プロセスをTFTの製造に用いることを前提に、さらに
詳細な説明を加えていくことにする。
【0014】まずインジウムの添加の方法について説明
する。インジウムの微量添加は、基板上に微量なインジ
ウム金属薄膜を成膜し、その後非晶質珪素を成膜する方
法、あるいはイオン注入によってインジウムを非晶質珪
素薄膜内に直接導入する方法、あるいは先に非晶質珪素
を成膜し、その上から微量なインジウム薄膜をスパッタ
法によって成膜する方法のいずれかにおいて低温結晶化
が達成された。しかしながら、先に非晶質珪素を成膜
し、その上から微量なインジウム薄膜を蒸着法によって
成膜する方法の場合には、かなり多量のインジウムを添
加しないと低温結晶化が達成されなかった。このこと
は、結晶成長機構と大きく関係したことがらであり、そ
れを説明するために以下に非晶質珪素の結晶成長理論、
及びインジウムを添加した場合に変化する要素を追って
いくことにする。
【0015】上述の通り、インジウム等の金属を添加し
ない純粋な非晶質珪素の場合には、基板界面等の結晶核
からランダムに核が発生し、その核からの結晶成長も同
様にランダムで、作製方法によっては(110)或いは
(111)に比較的配向した結晶が得られることが報告
されており、当然ながら薄膜全体に渡ってほぼ均一な結
晶成長が観測される。
【0016】まずこの機構を確認すべく、DSC(示差
走査熱量計)による解析を行った。プラズマCVDで基
板上に成膜した非晶質珪素薄膜を、基板についたまま試
料容器に充填し、一定速度で昇温していった。すると、
およそ700℃前後で明確な発熱ピークが観察され、結
晶化が観測された。この温度は、昇温速度を変えると当
然シフトするが、例えば10℃/minの速度で行った
場合には700.9℃から結晶化が開始した。次に昇温
速度を3種類変えたものを測定し、それらから小沢法に
よって初期核生成後の結晶成長の活性化エネルギーを求
めた。すると、およそ3.04eVという値が得られ
た。また、反応速度式を理論曲線とのフィッティングか
ら求めたところ、無秩序核生成とその成長モデルによっ
て、最も良く説明されることが判明し、基板界面等の結
晶核からランダムに核が発生し、その核からの結晶成長
というモデルの妥当性が確認された。
【0017】前述と全く同様の測定を、インジウムを添
加したものについても行ってみた。すると、10℃/m
inの速度で昇温を行った場合には625.5℃から結
晶化が開始し、それら一連の測定から求めた結晶成長の
活性化エネルギーはおよそ2.3eVであって、結晶成
長が容易となっていることが数値的にも明らかとなっ
た。
【0018】ここで、結晶化開始温度が低温化されるこ
とについては、前述の通り異物の効果として比較的容易
に考えられるのであるが、結晶成長の活性化エネルギー
まで下がった原因は何であろうか。この理由として、発
明者らは以下の様な理由を考えている。
【0019】非晶質の結晶化における核生成速度式及び
結晶成長速度式はAvramiらによる非常に優れた仕
事が残されており、それによると両式には母相と結晶相
との界面における原子の拡散定数が一次の積の形で含ま
れており、更に融点よりもかなり低温側では、成長速度
は主に拡散速度で決まることが示されている。其故に原
子の拡散定数を大きくすることにより結晶化の促進が可
能であることが理解される。その為の手法としては、
1.非晶質膜の粘性を変化させて、より珪素原子が動き
やすい環境にする。2.欠陥あるいは空孔等を大量に導
入し、珪素原子が動きやすい環境にする。の2つが考え
られる。そして、今回のインジウム添加はその低融点故
の1.及び、価電子の違いに起因する欠陥導入の2.の
効果を併せもっていることが期待される。しかしなが
ら、非晶質珪素膜上に蒸着した場合には、低温結晶化が
顕著でないことから、特に1.の効果が大であることが
期待され、膜の粘性を低下させている、あるいは更には
インジウムの液相を介在とした結晶成長が発生している
ことが推測される。
【0020】上記の機構により結晶化が促進されている
と考えると、インジウムは少なくとも膜中に存在してい
ることが必要であり、前述の様に非晶質珪素膜上にイン
ジウムを成膜した場合には、その部分だけが溶融し非晶
質珪素には殆ど影響が無いと考えられ、低温結晶化が達
成されなかったことが理解できる。また、イオン注入あ
るいはスパッタ法の場合には、同様に非晶質珪素膜上か
らの処理であるが、ある程度膜中に深さを持って添加さ
れている為に低温結晶化が可能であったと考ることによ
り矛盾なく説明が可能である。
【0021】次いで、上記インジウム添加によって得ら
れた結晶性珪素膜の結晶形態について説明を加える。非
晶質珪素内部に添加したインジウムは結晶化温度におい
てかなり広い領域に拡散する。このことは、SIMS
(二次イオン質量分析)によって確認されている。そし
てその結果、これら拡散領域においても結晶化温度の低
温化が達成されている。そして、このインジウムの直接
添加領域と、その拡散領域においては結晶形態がことな
ることが明らかとなった。即ち、直接添加領域の結晶形
態は添加していない部分とほぼ同様に比較的ランダムに
等方的な結晶成長をするのに対し、その周辺の拡散領域
は結晶が基板に概略水平方向に、直接添加領域から放射
線状に成長する様が確認された。これらは、いずれも結
晶の初期核生成の違いによるものであろうと推測してい
る。即ち、直接添加部分は、それらの異物が結晶核にな
り、そこからランダムに成長が起こるのに対し、周辺の
拡散領域は、結晶核は前述の縦方向に成長した直接添加
部分の結晶であって、そこから成長が始まるために必然
的に放射線状に結晶成長すると考えられるからである。
そしてこの放射線状の結晶成長は、インジウムの融液を
介在としているために、液相からの結晶成長に近く、擬
似的なエピタキシャルであると考えられる。また、基板
に対して概略平行になる理由としては、基板に対して平
行なもの以外は、界面に衝突し、そこで結晶成長が終わ
ってしまい、結果として平行なものだけが観察されるの
だと考えている。以下、本明細書において、このように
インジウムの直接添加領域から周辺に伸びた横方向の結
晶成長領域を「横成長」領域と呼ぶことにする。
【0022】次いで、インジウムの添加量と結晶性との
相関について述べる。量を制御可能な方法として、最も
精度が高いと考えられるイオン注入法を例に取ると、イ
ンジウムの添加量については、1×1017atoms/
cm3 以上の量の添加において低温結晶化が確認されて
いるが、5×1021atoms/cm3 以上の添加量に
おいては、ラマン分光スペクトルのピークの形状が珪素
単体の物とは若干ずれてくる傾向を有する。そこで実際
に使用可能であるのは1×1017atoms/cm3
1×1021atoms/cm3 の範囲であると思われ
る。また、半導体物性として、TFTの活性層に使用す
ることを考えると、この量を5×1020atoms/c
3 以下に抑えることが必要である。次に、インジウム
を添加した場合の、直接添加部分とその近傍の横成長部
分についての電気特性を説明する。直接添加部分の電気
特性は、導電率に関しては添加していない膜、例えば従
来使用されている600℃程度で数十時間結晶化を行っ
たもの、あるいは1000℃程度で結晶化を行ったもの
と同程度の値であり、また導電率の温度依存性から活性
化エネルギーを求めたところ、インジウムの添加量を前
述の範囲の内、1017atoms/cm3 〜1018at
oms/cm3程度とした場合には、約0.54eVと
求められ、フェルミ面のシフトは観測されなかった。即
ち、インジウムに起因すると思われる挙動は発生してい
ないと考えて良いと思われる。このことは非晶質珪素膜
上の蒸着によって低温結晶化が促進されないことと関連
し、膜中に導入されたインジウムの内で活性であるもの
の比率が非常に小さいことに起因すると考えられる。勿
論余りに多量のインジウム添加は、膜をP型化してしま
い、I層として使用できなくなるため注意が必要である
ことは言うまでもない。しかしながら、今回の程度の量
では、全く問題は観測されていない。即ち、この実験事
実からは、上記の濃度であればTFTの活性層等として
使用が可能であることが考察される。
【0023】それに対し、横成長部分は、導電率がイン
ジウムの直接添加部分と比較して1桁程度高く、結晶性
を有する珪素半導体としてはかなり高い値を有してい
た。このことは、電流のパス方向が結晶の横成長方向と
合致したため、電極間で電子が通過する間に存在する粒
界が少ない、あるいは殆ど無かったことによるものと考
えられる。即ち、キャリアの移動が横方向に成長した結
晶の粒界に沿ったものとなるので、キャリアは移動しや
すい状態が実現されている、と考えることができる。ま
た、横方向成長した領域のインジウムの濃度は、インジ
ウムが直接添加された領域よりもその濃度が約1桁低か
った。これは、インジウムの影響を最小限に押さえつつ
結晶性珪素膜を利用するためには有用なことである。
【0024】では最後に、上述の各種特性を踏まえた上
でTFTに応用する方法について説明する。ここでTF
Tの応用分野としてはTFTを画素の駆動に用いるアク
ティブマトリックス型液晶表示装置を想定するものとす
る。
【0025】前述の様に、最近の大画面のアクティブマ
トリックス型液晶表示装置においては、ガラス基板の縮
みを抑えることが重要であるが、本発明のインジウム添
加プロセスを用いることにより、ガラスの歪み点に比較
して十分に低い温度で結晶化が可能であり、特に好適で
ある。本発明を用いれば、従来非晶質珪素を用いていた
部分に、インジウムを微量添加し、500〜550℃程
度で4〜8時間程度結晶化させることにより、結晶性を
有する珪素に置き換えることが容易に可能である。勿
論、デザインルール等をそれ相応に変更する必要はある
が、装置、プロセス共従来の物で十分に対応可能であ
り、そのメリットは大きいものと考えられる。
【0026】しかも、今回の発明を用いれば、画素に用
いるTFTと、周辺回路のドライバーを形成するTFT
とを、それぞれ特性に応じた結晶形態を利用して作り分
けることも可能であり、アクティブ型液晶表示装置への
応用に特にメリットが多い。画素に用いるTFTは、そ
れほどのモビリティは必要とされておらず、それよりは
オフ電流が小さいことの方がメリットが大きい。そこで
本発明を用いる場合には、画素に用いるTFTのチャネ
ルとなるべき領域にインジウムの直接添加を行うことに
よって、結晶をランダムに成長させ、その結果チャネル
方向に粒界を多数形成してオフ電流を低下させることが
可能である。それに対して、周辺回路のドライバーを形
成するTFTは、今後ワークステーションへの応用等を
考えた場合には、非常に高いモビリティが必要である。
そこで本発明を応用する場合には、周辺回路のドライバ
ーを形成するTFTのチャネル近傍にインジウム添加を
行い、そこから横方向に結晶を成長させ、その結晶成長
方向をチャネルの電流のパス方向と揃えることにより、
非常に高いモビリティを有するTFTを作製することが
可能である。
【0027】本発明は、結晶化のための微量元素である
インジウムの微量添加を行い、そこから基板に平行な方
向に2次元的な結晶成長を行わせ、その内の概略平行で
ある部分、即ち1次元的な結晶成長が行われた領域を利
用して電子デバイスを構成することを特徴とする。特に
この領域の結晶性を有する薄膜珪素半導体を用いて絶縁
ゲイト型電界効果トランジスタを形成する際に、そのチ
ャネル形成領域において、キャリアが移動する方向と珪
素膜の結晶成長方向とを概略揃えることによって、高移
動度を有するTFTを得ることができる。また、この基
板に平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜を利用し
て、ダイオード、トランジスタを集積化して形成するこ
とは有用である。さらにまた、同一基板上にキャパシ
タ、抵抗等を集積化することもできる。またこれらは、
安価なガラス基板を利用して構成できるという別な特徴
を有する。
【0028】
【作用】第一の作用として、低温でかつ短時間に従来と
同等以上の特性を有する結晶性珪素膜を得ることが可能
である。
【0029】第二の作用として薄膜珪素半導体を用いた
半導体装置において、結晶性珪素膜の結晶成長方向をキ
ャリアの移動方向と概略揃えることにより、キャリアの
移動を結晶粒界に沿った方向とすることができ、キャリ
アを高移動度で動かすことができる。
【0030】
【実施例】
〔実施例1〕本実施例は、ガラス基板上に結晶シリコン
を用いたPチャネル型TFT(PTFTという)とNチ
ャネル型TFT(NTFTという)とを相補型に組み合
わせた回路を形成する例である。本実施例の構成は、ア
クティブ型の液晶表示装置の画素電極のスイッチング素
子や周辺ドライバー回路、さらにはイメージセンサや集
積回路に利用することができる。
【0031】特にキャリアを高速度で移動できるTFT
を作製することができるので、本実施例におけるTFT
回路をアクティブマトリクス型液晶表示装置の周辺ドラ
イバー回路に応用することは極めて有意義である。
【0032】図1に本実施例の作製工程の断面図を示
す。まず、基板(コーニング7059)101上にスパ
ッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪素の下地
膜102を形成した。つぎにメタルマスクまたは酸化珪
素膜等によって形成されたマスク103を設ける。この
マスク103は、スリット状に下地膜102を露呈させ
る。即ち、図1(A)の状態を上面から見ると、スリッ
ト状に下地膜102は露呈しており、他ぼ部分はマスク
されている状態となっている。
【0033】上記マスク103を設けた後、スパッタリ
ング法によって、厚さ5〜200Å、例えば20Åのイ
ンジウムからなる薄膜を100の領域に選択的に成膜す
る。
【0034】つぎに、プラズマCVD法によって、厚さ
500〜1500Å、例えば1000Åの真性(I型)
の非晶質珪素膜104を成膜する。そして、これを水素
還元雰囲気下(好ましくは、水素の分圧が0.1〜1気
圧),550℃、または不活性雰囲気化(大気圧),5
50℃、で4時間アニールして結晶化させる。この際、
インジウムが選択的に成膜された100の領域において
は、基板101に対して垂直方向に結晶性珪素膜104
の結晶化が起こる。そして、領域100以外の領域で
は、矢印105で示すように、領域100から横方向
(基板と平行な方向)に結晶成長が行われる。
【0035】また、この後に赤外光の照射よるランプア
ニールを行なって、結晶化を助長させてもよい。赤外光
(例えば波長1.2 μmの赤外線)によるアニールは、赤
外線が珪素半導体に選択的に吸収され、ガラス基板をそ
れほど加熱せず、しかも1回の照射時間を短くすること
で、ガラス基板に対する加熱を抑えることができ、極め
て有用である。ランプアニールを行なう場合には、被照
射面表面が600℃〜1000℃程度になるように、6
00℃の場合は数分間、1000℃の場合は数秒間のラ
ンプ照射を行なうようにする。
【0036】上記工程の結果、非晶質珪素膜を結晶化さ
せて、結晶性珪素膜104を得ることができる。その
後、スパッタリング法によって厚さ1000Åの酸化珪
素膜106をゲイト絶縁膜として成膜する。スパッタリ
ングには、ターゲットとして酸化珪素を用い、スパッタ
リング時の基板温度は200〜400℃、例えば350
℃、スパッタリング雰囲気は酸素とアルゴンで、アルゴ
ン/酸素=0〜0.5、例えば0.1以下とする。引き
続いて、スパッタリング法によって、厚さ6000〜8
000Å、例えば6000Åのアルミニウム(0.1〜
2%のシリコンを含む)を成膜する。なお、この酸化珪
素膜106とアルミニウム膜の成膜工程は連続的に行う
ことが望ましい。
【0037】そして、珪素膜104をパターニングし
て、ゲイト電極107、109を形成する。さらに、こ
のアルミニウムの電極の表面を陽極酸化して、表面に酸
化物層108、110を形成する。この陽極酸化は、酒
石酸が1〜5%含まれたエチレングリコール溶液中で行
った。得られた酸化物層108、110の厚さは200
0Åであった。なお、この酸化物108と110とは、
後のイオンドーピング工程において、オフセットゲイト
領域を形成する厚さとなるので、オフセットゲイト領域
の長さを上記陽極酸化工程で決めることができる。
【0038】次に、イオンドーピング法によって、活性
層領域(ソース/ドレイン、チャネルを構成する)に一
導電型を付与する不純物を添加する。このドーピング工
程において、ゲイト電極107とその周囲の酸化層10
8、ゲイト電極109とその周囲の酸化層110をマス
クとして不純物(燐およびホウ素)を注入する。ドーピ
ングガスとして、フォスフィン(PH3 )およびジボラ
ン(B26 )を用い、前者の場合は、加速電圧を60
〜90kV、例えば80kV、後者の場合は、40〜8
0kV、例えば65kVとする。ドース量は1×1015
〜8×1015cm-2、例えば、燐を2×1015cm-2
ホウ素を5×1015とする。ドーピングに際しては、一
方の領域をフォトレジストで覆うことによって、それぞ
れの元素を選択的にドーピングする。この結果、N型の
不純物領域114と116、P型の不純物領域111と
113が形成され、Pチャネル型TFT(PTFT)の
領域とNチャネル型TFT(NTFT)との領域を形成
することができる。
【0039】その後、レーザー光の照射によってアニー
ル行う。レーザー光としては、KrFエキシマレーザー
(波長248nm、パルス幅20nsec)を用いた
が、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射条
件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm2
例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜10
ショット、例えば2ショット照射する。このレーザー光
の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱すること
は有用である。このレーザアニール工程において、先に
結晶化された領域にはインジウムが拡散しているので、
このレーザー光の照射によって、再結晶化が容易に進行
し、P型を付与する不純物がドープされた不純物領域1
11と113、さらにはNを付与する不純物がドープさ
れた不純物領域114と116は、容易に活性化させる
ことができる。
【0040】この活性化は、赤外光の照射によるランプ
アニールによるものでもよい。また公知の加熱によるも
のでもよい。しかし前述のように、赤外光によるアニー
ルはガラス基板に対する加熱を抑えることができ、極め
て有用である。ランプアニールを行なう場合には、被照
射面表面が600℃〜1000℃程度になるように、6
00℃の場合は数分間、1000℃の場合は数秒間のラ
ンプ照射を行なうようにする。
【0041】続いて、厚さ6000Åの酸化珪素膜11
8を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成
し、これにコンタクトホールを形成して、金属材料、例
えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTF
Tの電極・配線117、120、119を形成する。最
後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニー
ルを行い、TFTを相補型に構成した半導体回路を完成
した。(図1(D))
【0042】上記に示す回路は、PTFTとNTFTと
を相補型に設けたCMOS構造であるが、上記工程にお
いて、2つのTFTを同時に作り、中央で切断すること
により、独立したTFTを2つ同時に作製することも可
能である。
【0043】図2に、図1(D)を上面から見た概要を
示す。図2における符号は図1の符号に対応する。図2
に示すように結晶化の方向は矢印で示す方向であり、ソ
ース/ドレイン領域の方向(ソース領域とドレイン領域
を結んだ線方向)に結晶成長が行われている。この構成
のTFTの動作時において、キャリアはソース/ドレイ
ン間を横成長の結晶成長方向に沿って移動する。即ちキ
ャリアは横成長の結晶の結晶粒界に沿って平行に移動す
る。従って、キャリアが移動する際に受ける抵抗を低減
することができ、高移動度を有するTFTを得ることが
できる。
【0044】本実施例においては、インジウムを導入す
る方法として、非晶質珪素膜104下の下地膜102上
に選択的にインジウムを薄膜(極めて薄いので、膜とし
て観察することは困難である)として形成し、この部分
から結晶成長を行わす方法を採用したが、非晶質珪素膜
104を形成後に、選択的にインジウム添加を行っても
良い。しかしながらこの場合には、インジウムが非晶質
珪素膜内部に存在することが必要であるので、蒸着より
はスパッタ、またはイオンドーピング、イオン注入の如
き手法を用いることが望ましい。この場合にはインジウ
ムの濃度を制御することができるという特徴を有する。
【0045】〔実施例2〕本実施例は、アクティブ型の
液晶表示装置において、Nチャネル型TFTをスイッチ
ング素子として各画素に設けた例である。以下において
は、一つの画素について説明するが、他に多数(一般に
は数十万)の画素が同様な構造で形成される。また、N
チャネル型ではなくPチャネル型でもよいことはいうま
でもない。また、液晶表示装置の画素部分に設けるので
はなく、周辺回路部分にも利用できる。また、イメージ
センサや他の装置に利用することができる。即ち薄膜ト
ランジタと利用するのであれば、特にその用途が限定さ
れるものではない。
【0046】本実施例の作製工程の概略を図3に示す。
本実施例において、基板201としてはコーニング70
59ガラス基板(厚さ1.1mm、300×400m
m)を使用した。まず、下地膜203(酸化珪素)をス
パッタリング法で2000Åの厚さに形成する。この後
選択的にインジウムを導入するために、メタルマスクや
酸化珪素膜、またはフォトレジスト等により、マスク2
03を形成する。そして、スパッタリング法によって、
厚さ5〜200Å、例えば20Åのインジウムからなる
薄膜を成膜した。
【0047】この後、LPCVD法もしくはプラズマC
VD法で非晶質珪素膜205を1000Åの厚さに形成
し、400℃で1時間脱水素化を行った後、加熱アニー
ルによって結晶化を行う。このアニール工程は、水素還
元雰囲気下(好ましくは、水素の分圧が0.1〜1気
圧)、550℃で4時間行った。またこの加熱アニール
工程を窒素等の不活性雰囲気中で行ってもよい。
【0048】このアニール工程において、非晶質珪素膜
205下の一部の領域には、インジウムが成膜され、そ
の部分が溶融状態に近い状態をとるため、珪素の拡散速
度が上昇して低温から結晶成長が始まる。この結晶化の
際、図3(B)の矢印で示すように、インジウムが成膜
されている部分204では、基板201に垂直方向にシ
リコンの結晶成長が進行する。また、同様に矢印で示さ
れるように、インジウムが成膜されいていない領域(領
域205以外の領域)においては、基板に対し、平行な
方向に結晶成長が行われる。
【0049】こうして、結晶性珪素よりなる半導体膜2
05を得ることができる。次に、上記半導体膜205を
パターニングして島状の半導体領域(TFTの活性層)
を形成する。さらにテトラ・エトキシ・シラン(TEO
S)を原料として、酸素雰囲気中のプラズマCVD法に
よって、酸化珪素のゲイト絶縁膜(厚さ70〜120n
m、典型的には100nm)206を形成する。基板温
度はガラスの縮みやソリを防止するために400℃以
下、好ましくは200〜350℃とする。
【0050】次に、公知のシリコンを主成分とした膜を
CVD法で形成し、パターニングを行うことによって、
ゲイト電極207を形成する。その後、N型の不純物と
して、リンをイオンドーピング法で注入し、自己整合的
にソース領域208、チャネル形成領域209、ドレイ
ン領域210を形成する。そして、KrFレーザー光を
照射することによって、イオンドーピングのために結晶
性の劣化した珪素膜の結晶性を改善させる。このときに
はレーザー光のエネルギー密度は250〜300mJ/
cm2 とする。このレーザー照射によって、このTFT
のソース/ドレインのシート抵抗は300〜800Ω/
cm2 となる。
【0051】その後、酸化珪素によって層間絶縁物21
1を形成し、さらに、画素電極212をITOによって
形成する。そして、コンタクトホールを形成して、TF
Tのソース/ドレイン領域にクロム/アルミニウム多層
膜で電極213、214を形成し、このうち一方の電極
213はITO121にも接続するようにする。最後
に、水素中で200〜300℃で2時間アニールして、
シリコンの水素化を完了する。このようにして、TFT
を完成する。この工程は、同時に他の多数の画素領域に
おいても同時に行われる。
【0052】本実施例で作製したTFTは、ソース領
域、チャネル形成領域、ドレイン領域を構成する活性層
として、キャリアの流れる方向に結晶成長させた結晶性
珪素膜を用いているので、結晶粒界をキャリアが横切る
ことがなく、即ちキャリアが放射線状、その内でも概略
平行な結晶の結晶粒界に沿って移動することになるか
ら、キャリアの移動度の高いTFTを得ることができ
た。本実施例で作製したTFTはNチャネル型であり、
その移動度は、90〜130(cm2 /Vs)であっ
た。従来の600℃、48時間の熱アニールによる結晶
化によって得られた結晶シリコン膜を用いたNチャネル
型TFTに移動が、80〜100(cm2 /Vs)であ
ったことと比較すると、これはこれは大きな特性の向上
である。
【0053】また上記の工程と同様な作製方法によっ
て、Pチャネル型TFTを作製し、その移動度を測定す
ると、50〜80(cm2 /Vs)であった。これも従
来の600℃、48時間の熱アニールによる結晶化によ
って得られた結晶性珪素膜を用いたPチャネル型TFT
に移動が、30〜60(cm2 /Vs)であったことに
比較すると大きな特性の向上である。
【0054】〔実施例3〕本実施例は、実施例2に示す
TFTにおいて、結晶の成長方向に大して垂直な方向に
ソース/ドレインを設けた例である。即ち、移動する方
向が結晶成長方向とは垂直になっており、横成長部分の
結晶の結晶粒界を横切るようにしてキャリアが移動する
構成とした例である。このような構成とすると、ソース
/ドレイン間の抵抗を高くすることができる。これは、
横成長部分の放射線状に伸びた結晶の結晶粒界を横切る
ようにキャリアが移動しなければならないためである。
本実施例の構成を実現するには、実施例2に示す構成に
おいて、単にTFTをどのような向きで設けるかを設定
すればよい。
【0055】〔実施例4〕本実施例は、実施例2に示す
構成において、TFTを設ける向き(ここではソース/
ドレイン領域を結ぶ線で定義する。即ち、キャリアの流
れる向きでTFTの方向を決めることとする)を結晶性
珪素膜の基板表面に対する結晶成長方向と任意の角度で
設定することにより、TFTの特性を選択することを要
旨とする。
【0056】前述のように、結晶の成長方向にキャリア
を移動させる場合、キャリアは結晶粒界に沿って移動す
るので、その移動度を向上させることができる。一方、
結晶の成長方向に対して垂直な方向にキャリアを移動さ
せる場合には、キャリアが多数の粒界を横切らなければ
ならないので、キャリアの移動度は低下する。
【0057】そこで、この2つの状態の間で、即ち結晶
成長方向とキャリアの移動する方向との角度を0〜90
°の範囲において設定することにより、キャリアの移動
度を制御することができる。また別な見方をするなら
ば、上記結晶成長方向とキャリアの移動する方向との角
度設定することにより、ソース/ドレイン領域間の抵抗
を制御できることになる。勿論この構成は、実施例1に
示す構成にも利用することができる。この場合、図2に
示すスリット状の鉛微量添加領域100が0〜90°の
範囲で回転し、矢印105で示す結晶の成長方向と、ソ
ース/ドレイン領域を結ぶ線との角度が0〜90°範囲
で選択されることになる。そして、この角度が、0°に
近い場合は移動度が大きく、ソース/ドレイン間の電気
抵抗が小さい構成とすることができる。またこの角度が
90°に近い場合、移動度が小さく、ソース/ドレイン
間の抵抗が大きい構成とすることができる。
【0058】
【効果】基板上に設けられ、しかも基板表面に平行な方
向に結晶成長した結晶性を有する非単結晶珪素半導体膜
をTFTに利用するに際して、TFT内を移動するキャ
リアの流れの方向を結晶成長が行われた方向と合わせる
ことにより、キャリアの移動が横成長した結晶の結晶粒
界に沿って(平行に)移動する構成とすることができ、
高移動度を有するTFTを得ることができる。そしてそ
の作製方法も、インジウムを微量に添加する以外は、従
来のプロセスがほぼそのまま使用可能であり、かつ従来
の結晶性を有する非単結晶珪素半導体膜の作製方法に比
較し、結晶化に要する温度の低温化、時間の短縮を可能
としている。
【0059】尚、本明細書においては、素子構造として
はプレーナー型の例を用いた。その為に基板としては、
ガラス基板、あるいはガラス上に絶縁性下地膜を成膜し
たものを使用した例を示した。しかしながら思想から明
らかな様に、本発明における基板としては、導電性の膜
が成膜されたガラス基板や、ボトムゲート型のTFTの
場合には、ゲート及びゲート絶縁膜等が設けられたもの
であっても基板として使用しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の作製工程を示す。
【図2】 実施例の概要を示す。
【図3】 実施例の概要を示す。
【符号の説明】 101 ガラス基板 102 下地膜(酸化珪素膜) 103 マスク 104 珪素膜 105 結晶化の方向 106 ゲイト絶縁膜 107 ゲイト電極 108 陽極酸化層 109 ゲイト電極 110 陽極酸化層 111 ソース/ドレイン領域 112 チャネル形成領域 113 ドレイン/ソース領域 114 ソース/ドレイン領域 115 チャネル形成領域 116 ドレイン/ソース領域 117 電極 118 層間絶縁物 120 電極 119 電極 201 ガラス基板 202 下地膜(酸化珪素膜) 203 マスク 204 インジウム微量添加領域 205 珪素膜 206 ゲイト絶縁膜 207 ゲイト電極 208 ソース/ドレイン領域 209 チャネル形成領域 210 ドレイン/ソース領域 211 層間絶縁物 213 電極 214 電極 212 ITO(画素電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/20 H01L 21/265

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に非晶質珪素膜を形成し、 前記非晶質珪素膜中に選択的にインジウムを1×1017
    atoms/cm3〜1×1018atoms/cm3の濃度で導入し、 前記非晶質珪素膜を加熱し、前記インジウムを導入した
    領域から基板と平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜
    を形成し、 前記結晶性珪素膜からソース領域、ドレイン領域および
    チャネル形成領域を形成することを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタを有する半導体装置の作製方法。
  2. 【請求項2】 基板上に非晶質珪素膜を形成し、 前記非晶質珪素膜中に選択的にインジウムを1×1017
    atoms/cm3〜1×1018atoms/cm3の濃度で導入し、 前記非晶質珪素膜を加熱し、前記インジウムを導入した
    領域から基板と平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜
    を形成し、 前記結晶性珪素膜に赤外光を照射し、 前記結晶性珪素膜からソース領域、ドレイン領域および
    チャネル形成領域を形成することを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタを有する半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】 前記インジウムを導入する方法は、イオ
    ンドーピングもしくはイオン注入であることを特徴とす
    る請求項1もしくは2に記載の薄膜トランジスタを有す
    る半導体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】 前記チャネル形成領域は、前記インジウ
    ムを導入した領域と重ならないことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか一に記載の薄膜トランジスタを有す
    る半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】 基板上に選択的にインジウム薄膜を成膜
    し、 前記基板および前記インジウム薄膜上に非晶質珪素膜を
    形成し、 前記非晶質珪素膜を加熱し、前記インジウム薄膜から基
    板と平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜を形成し、 前記結晶性珪素膜に赤外光を照射し、 前記結晶性珪素膜からソース領域、ドレイン領域および
    チャネル形成領域を形成することを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタを有する半導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】 基板上に選択的にインジウム薄膜を成膜
    し、 前記基板および前記インジウム薄膜上に非晶質珪素膜を
    形成し、 前記非晶質珪素膜を加熱し、前記インジウム薄膜から基
    板と平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜を形成し、 前記結晶性珪素膜に赤外光を照射し、 前記結晶性珪素膜からソース領域、ドレイン領域および
    チャネル形成領域を形成することを特徴とする薄膜トラ
    ンジスタを有する半導体装置の作製方法であって、 前記チャネル形成領域は前記インジウム薄膜と重ならな
    いことを特徴とする薄膜トランジスタを有する半導体装
    置の作製方法。
  7. 【請求項7】 基板上に選択的にインジウム薄膜を成膜
    し、 前記基板および前記インジウム薄膜上に非晶質珪素膜を
    形成し、 前記非晶質珪素膜を加熱し、前記インジウム薄膜から基
    板と平行な方向に結晶成長した結晶性珪素膜を形成し、 前記結晶性珪素膜に赤外光を照射し、 前記結晶性珪素膜から不純物領域およびチャネル形成領
    域を形成するPチャネル型薄膜トランジスタとNチャネ
    ル型薄膜トランジスタからなるCMOSを形成する半導
    体装置の作製方法であって、 前記Pチャネル型薄膜トランジスタと前記Nチャネル型
    薄膜トランジスタ前記不純物領域は、前記インジウム薄
    膜と重なり、 前記チャネル形成領域は前記インジウム薄膜と重ならな
    いことを特徴とする薄膜トランジスタを有する半導体装
    置の作製方法。
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