JP3372061B2 - 高周波誘電体材料ならびに共振器およびその製造方法 - Google Patents
高周波誘電体材料ならびに共振器およびその製造方法Info
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Description
た高周波誘電体材料と、共振器とその製造方法とに関す
る。
基板材料として、低温で焼成可能なものが開発されてお
り、これにより基板材料、導体、抵抗体等を例えば10
00℃以下の低温で同時一体焼成することが可能となっ
ている。このような低温焼成基板は、低周波領域例え
ば、周波数0.5GHz 程度以下で使用され、基板材料に
は、一般に、軟化点700〜900℃程度のガラスと、
Al2 O3 骨材とを含む低温焼結材料が用いられいる。
低温焼結材料を用いて形成した誘電体層を積層し、この
誘電体層間にストリップ線路を形成してトリプレート回
路とし、高周波用共振器を試作した。
した誘電体層の誘電率は、温度により変化し、例えば周
波数2GHz における誘電率の温度係数τεは、130pp
m /℃程度ある。このため、高周波領域、例えば周波数
0.5GHz 以上で使用すると、温度変化により共振周波
数が大幅に変化してしまい、実用化が困難であることが
判明した。
波数の温度特性を改善した高周波誘電体材料と、このよ
うな高周波誘電体材料を用いた共振器とを提供すること
にある。
(1)〜(12)の本発明により達成される。 (1) ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の酸化物
骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材とを含
有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとをともに
含有することはない)し、前記τεが負の酸化物骨材と
してチタン酸カルシウム、また前記τεが正の酸化物骨
材としてチタン酸マグネシウムを含有し、酸化物骨材中
のチタン酸カルシウムの含有量が20〜30体積%であ
り、前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃における誘
電率の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜2
90℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10
-6deg-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体に対
する前記ガラスの含有量が50〜80体積%である高周
波誘電体材料。 (2) ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の酸化物
骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材とを含
有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとをともに
含有することはない)し、前記τεが負の酸化物骨材と
してチタン酸カルシウム、また前記τεが正の酸化物骨
材として酸化アルミニウムを含有し、酸化物骨材中のチ
タン酸カルシウムの含有量が20〜33体積%であり、
前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃における誘電率
の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜290
℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6de
g-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体に対する
前記ガラスの含有量が50〜80%である高周波誘電体
材料。 (3) ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の酸化物
骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材とを含
有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとをともに
含有することはない)し、前記τεが負の酸化物骨材と
してチタン酸ストロンチウム、また前記τεが正の酸化
物骨材としてチタン酸マグネシウムを含有し、酸化物骨
材中のチタン酸ストロンチウムの含有量が10〜13体
積%であり、前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃に
おける誘電率の温度係数τεが150〜170ppm/℃、
40〜290℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.
5×10-6deg-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス
全体に対する前記ガラスの含有量が50〜80体積%で
ある高周波誘電体材料。 (4) ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の酸化物
骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材とを含
有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとをともに
含有することはない)し、前記τεが負の酸化物骨材と
してチタン酸ストロンチウム、また前記τεが正の酸化
物骨材として酸化アルミニウムを含有し、酸化物骨材中
のチタン酸ストロンチウムの含有量が10〜15体積%
であり、前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃におけ
る誘電率の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40
〜290℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×
10-6deg-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体
に対する前記ガラスの含有量が50〜80体積%である
高周波誘電体材料。 (5) ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の酸化物
骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材とを含
有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとをともに
含有することはない)し、前記τεが負の酸化物骨材と
して酸化チタン、また前記τεが正の酸化物骨材として
チタン酸マグネシウムを含有し、酸化物骨材中の酸化チ
タンの含有量が35〜48体積%であり、前記ガラスの
2GHz 、−40〜125℃における誘電率の温度係数τ
εが150〜170ppm/℃、40〜290℃における平
均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6deg-1 であり、
前記酸化物骨材およびガラス全体に対する前記ガラスの
含有量が50〜80体積%である高周波誘電体材料。 (6) 前記ガラスの組成が、 SiO2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モ
ル% B2 O3 :10モル%以下およびアルカリ土類金属酸化
物の1種以上:25〜45モル%であるか、または SiO2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モ
ル% およびアルカリ土類金属酸化物の1種以上:25〜45
モル%である上記(1)ないし(5)のいずれかの高周
波誘電体材料。 (7) 前記ガラスの組成が、SiO2 :50〜70モ
ル%、Al2 O3 :5〜20モル%、B2 O3 :3〜1
0モル%およびアルカリ土類金属酸化物の1種以上:2
5〜45モル%である上記(6)の高周波誘電体材料。 (8) 誘電率の温度係数τεが、−40〜+20ppm/
℃である上記(1)ないし(7)のいずれかの高周波誘
電体材料。 (9) 前記ガラスの軟化点が700〜900℃である
上記(1)ないし(8)のいずれかの高周波誘電体材
料。 (10) 上記(1)ないし(9)のいずれかの高周波
誘電体材料を用いて形成した誘電体層を積層し、少なく
ともこの誘電体層間にストリップ線路を形成したことを
特徴とする共振器。 (11) 2GHz 、−40〜125℃における誘電率の
温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜290℃
における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6deg
-1 のガラスと、酸化アルミニウム骨材と、酸化チタン
骨材とを用い、ガラス/(ガラス+骨材)量が50〜8
0体積%、酸化チタン/(酸化チタン+酸化アルミニウ
ム)量が40〜60体積%となるように混合して高周波
誘電体用材料を得、この高周波誘電体用材料を用いて誘
電体層の積層体を形成するとともに、この積層体中に導
体材料のストリップ線路を形成して焼成して共振器を
得、誘電率の温度係数τεが−40〜+20ppm/℃の誘
電体層として共振周波数の温度係数τfを低下させる共
振器の製造方法。 (12) 前記ガラスの組成が、 SiO2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モ
ル% B2 O3 :10モル%以下およびアルカリ土類金属酸化
物の1種以上:25〜45モル%であるか、またはSi
O2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モル%
およびアルカリ土類金属酸化物の1種以上:25〜45
モル%であり、その軟化点が700〜900℃である上
記(11)の共振器の製造方法。
物骨材と、τεが負の酸化物骨材と、ガラスとを所定の
配合比に混合して高周波誘電体材料を構成し、高周波誘
電体材料のτεを零に近づける。このような高周波誘電
体材料を用いることにより共振器の共振周波数の温度係
数τfを零に近づけることができる。このため、高周波
領域、例えば周波数0.5GHz 以上で使用しても温度変
化による共振周波数の変動が小さい高周波用共振器が実
現する。
に説明する。
程度以下、例えば800〜1000℃程度の低温で焼成
でき、周波数0.5GH以上、例えば0.5GHz 〜2GH
z の高周波領域で使用される共振器の基板材料であり、
ガラスと、酸化物骨材とを含有する。酸化物骨材として
は、誘電率の温度係数τεが正の酸化物骨材と、τεが
負の酸化物骨材とを用いる。
タン酸マグネシウム(MgTiO3)、酸化アルミニウ
ム(Al2 O3 )、R2 Ti2 O7 (Rはランタノイド
元素の1種以上)、Ca2 Nb2 O7 、SrZrO3 等
を挙げることができ、これらを単独で用いても、2種以
上併用してもよいが、このうち焼成の際ガラスと反応し
にくい等の点から、MgTiO3 、Al2 O3 、R2 T
i2 O7 およびSrZrO3 の1種以上、特にMgTi
O3 またはAl2 O3 が好ましい。これらの2GHz での
−40〜125℃におけるτεは80〜300ppm /℃
程度であり、MgTiO3 のτεは+100ppm/℃程
度、Al2 O3 のτεは120ppm /℃程度である。
均熱膨張係数αは6〜12×10-6deg-1 、特に6〜1
0×10-6deg-1 程度であり、MgTiO3 のαは9.
7×10-6deg-1 程度、Al2 O3 のαは7.2×10
-6deg-1 程度である。
えばチタン酸カルシウム(CaTiO3 )、チタン酸ス
トロンチウム(SrTiO3 )、酸化チタン(TiO
2 )、SnO2 ・TiO2 、ZrTiO4 、Ba2 Ti
9 O20、Sr2 Nb2 O7 、SrSnO3 等を挙げるこ
とができ、これらを単独で用いても2種以上併用しても
よいが、このうち焼成の際ガラスと反応しにくい等の点
からCaTiO3 、SrTiO3 およびTiO2 の1種
以上が好ましい。これらの2GHz でのτεは−30〜−
4000ppm /℃程度であり、CaTiO3 のτεは−
1600/℃程度、SrTiO3 のτεは−3400/
℃程度、TiO2 のτεは−920ppm /℃程度であ
る。
均熱膨張係数αは6〜12×10-6deg-1 程度であり、
CaTiO3 のαは11.2×10-6deg-1 程度、Sr
TiO3 のαは9.4×10-6deg-1 程度、TiO2 の
αは7.1×10-6deg-1 程度である。
量論組成から多少偏倚した組成であってもよく、偏倚し
た組成のものとの混合物、あるいは偏倚した組成のもの
同志の混合物であってもよい。なお、この出願の先願で
ある特開平4−82297号にはAl2 O3 とTiO2
との併用によって、共振周波数の温度係数τfを小さな
ものとする旨の提案がなされている。そこで、この出願
で請求する高周波誘電体材料からは、この併用組み合せ
を除く。ただし、この併用組み合せに関する特殊な使用
方法についての提案は行う。
と、τεが負の酸化物骨材との混合比には特に制限がな
く、用いる酸化物骨材のτε、ガラスのτε、酸化物骨
材とガラスとの含有比等に応じ、高周波誘電体材料のτ
εが所定値に近づくように、すなわち共振器の共振周波
数の温度係数τf が零に近づくように適宜決定すればよ
い。
が、0.5〜3μm 程度が好ましい。前記範囲未満では
シート形成が困難となり、前記範囲を超えると共振器素
体の強度不足となってくる。
り1000℃以下で焼成されるため、ガラスには軟化点
が700〜900℃程度のガラスを用いることが好まし
い。軟化点が900℃を超えると1000℃以下の温度
での焼成が困難となり、軟化点が700℃未満では、シ
ート成形時のバインダーが抜けにくく、絶縁性に問題が
出てくる。
が、1000℃以下の焼成温度で高強度の基板が得られ
る等の点から、下記の組成が好ましい。
%、 B2 O3 :0〜10モル%、
ては、SrO、CaOおよびMgOの1種以上、特に前
記3種を併用することが好ましく、3種を併用する場
合、SrOの含有量は15〜30モル%、CaOの含有
量は1〜8モル%、MgOの含有量は1〜7モル%が好
ましい。
における平均熱膨張係数αは、5.5〜6.5×10-6
deg-1 程度であり、周波数2GHz 、−40〜125℃に
おける誘電率の温度係数τεは、150〜170ppm/℃
程度である。そして、このようなガラスを用いたときの
誘電体材料ないし誘電体層のτεの低減のさせ方、およ
び共振器のτfの低下のさせ方については、前記公報に
示されていない。
用いて測定すればよい。また、τεは、実際に誘電体共
振器を作製し、共振周波数の温度係数τfを求め、下記
式から算出して求める。 式 τε=−2(τf+α)
℃〜+50℃、10℃きざみで共振周波数を測定して求
める。この他、例えば、1.4mm角、60mm程度の所定
の形状のサンプルとしたのち、摂動法で誘電率を求め、
これからτεを算出してもよい。これらの場合、酸化物
骨材やガラスのαやτεは骨材単独の焼結体やガラスを
用いて測定すればよい。
通常成形性等を考慮して1〜2.5μm 程度のものを用
いる。
スの含有量は、50〜80体積%、特に65〜75体積
%が好ましい。少なすぎると、焼結性が悪化し、多すぎ
ると誘電体の抗析強度が低下してくる。
いる際、Al2 O3 骨材(τε>0)と、TiO2 骨材
(τε<0)とを用いるときには、Al2 O3 骨材およ
びTiO2 骨材全体に対するTiO2 骨材の含有量は4
0〜60体積%、特に45〜55体積%が好ましい。T
iO2 骨材の含有量が前記範囲を超えると、高周波誘電
体材料のτεが小さくなりすぎ、例えば−40ppm/℃未
満になり、TiO2 の含有量が前記範囲未満では、高周
波誘電体材料のτεが大きく成りすぎ、例えば20ppm/
℃を超えてしまう。
材(τε>0)と、CaTiO3 骨材(τε<0)とを
用いるが、このときには酸化物骨材中のCaTiO3 含
有量は、同様の理由で、MgTiO3 の場合が、20〜
30体積%、Al2 O3 の場合が20〜33体積%であ
る。さらに、MgTiO3 またはAl2 O3 の骨材(τ
ε>0)とSrTiO3 骨材(τε<0)とを用いる。
酸化物骨材中のSrTiO3 含有量は、同様の理由で、
MgTiO3 の場合が10〜13体積%、Al2 O3 の
場合が10〜15体積%である。さらにはMgTiO3
骨材(τε>0)とTiO2 骨材(τε<0)との組み
合せも好ましいが、酸化物骨材中のTiO2 含有量は、
同様の理由で35〜48体積%である。
α、ガラスの含有量、τε>0の酸化物骨材のτεや
α、τε<0の酸化物骨材のτεやα等に応じて、τε
>0の酸化物骨材と、τε<0の酸化物骨材との体積比
を所定の値に調整することにより、高周波誘電体材料の
τεを所定値に近づけ、共振器のτfを小さなものとす
るのである。
z 、−40〜125℃における誘電率の温度係数τεを
−40〜20ppm/℃、特に−25〜+5ppm/℃とするこ
とが好ましく、理想的には、τε=−2(τf+α)の
式に従ってτf=0になるτεが好ましい。例えば、誘
電体のαが6.0×10-6deg-1 程度の場合、τεは−
12ppm/℃程度が好ましい。なお、τfとしては−15
〜+15ppm/℃、特に−10〜+10ppm/℃、さらには
−5〜+5ppm/℃とすることができる。また、本発明の
高周波誘電体材料を焼結して得られる誘電体層ないし基
板の40〜290℃における平均熱膨張係数αは6.3
〜6.7×10-6deg-1 程度、比誘電率は8〜20、特
に8〜12、さらには10〜11程度である。
ヒクルを加えてスラリーとされる。ビヒクルとしては、
エチルセルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル
樹脂、ブチルメタアクリレート等のバインダ、テルピネ
オール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセ
テート、アセテート、トルエン、アルコール、キシレン
等の溶剤、その他各種分散剤、活性剤、可塑剤等が挙げ
られ、これらのうち任意のものが目的に応じて適宜選択
される。ビヒクルの添加量は、酸化物骨材とガラスの合
計量100重量部に対し、65〜85重量%程度とする
ことが好ましい。
誘電体層を形成した共振器を有する電圧制御発振器(V
CO)について、図1に示される好適例に従って説明す
る。なお、図1は、電圧制御発振器の部分断面図であ
る。
は、周波数0.5GHz 以上、特に0.5〜2GHz で使用
されるものであり、図示されるように誘電体層21、2
3、25、27を積層一体化した積層体2を有し、少な
くともこの積層体2の誘電体層23、25間にストリッ
プ線路3を有する。ストリップ線路の形状、寸法、数等
には特に制限がなく、目的等に応じて適宜決定すればよ
い。
応じて内部導体7が形成される。この場合内部導体7
は、例えば、コイルの導体、コンデンサの電極等種々の
目的や用途に応じて所望のパターンに形成される。
層27上にはグランドプレーン4が形成されている。こ
の場合、グランドプレーン4、4間にストリップ線路3
を位置させる。
れ、この外部導体6と、前記ストリップ線路3、グラン
ドプレーン4および内部導体7とがそれぞれスルホール
5内の導体を介して電気的に接続される。
内部導体7およびスルーホール5内の導体には、それぞ
れ、導電性が良いこと等を優先させる点からAgまたは
Cuを主体とする導体、特に酸素含有雰囲気、例えば空
気中で焼成する場合にはAgを用いることが好ましい。
また、外部導体6には、耐マイグレーション性、半田喰
われ性、半田濡れ性等の点からAgまたはCuを主体と
する導体、特に酸素含有雰囲気、例えば空気中で焼成す
る場合にはAgと、Pdおよび/またはPtとを含有す
る導体を用いることが好ましい。
して製造する。まず、内部導体用ペーストおよび外部導
体用ペーストをそれぞれ作製する。これらのペースト
は、導電粒子と、導電粒子に対し、1〜5重量%程度の
ガラスフリットと、ビヒクルとを含有する。次いで、誘
電体層材料となるグリーンシートを作製する。この場
合、前述した本発明の高周波誘電体材料のスラリーを用
い、例えばドクターブレード法により所定枚数作製す
る。
シーンや金型プレスを用いてスルーホール5を形成し、
その後、内部導体用ペーストを各グリーンシート上に、
例えばスクリーン印刷法により印刷し、所定のパターン
の内部導体7、ストリップ線路3、グランドプレーン4
を形成するとともにスルーホール5内に充填する。
プレス(約40〜120℃、50〜1000Kgf/cm2)を
加えてグリーンシートの積層体とし、必要に応じて脱バ
インダー処理、切断用溝の形成等を行なう。
気中で、1000℃程度以下、特に800〜1000℃
程度の温度で10分間程度焼成、一体化し、誘電体層2
3、25間にストリップ線路3が形成された共振器を得
る。そして、外部導体用ペーストをスクリーン印刷法等
により印刷し、焼成して外部導体6を形成する。この場
合、好ましくは、これら外部導体6を誘電体層21、2
3、25、27と一体同時焼成して形成する。
6に半田付けし、必要に応じ、絶縁被覆層を形成して図
2に示す電圧制御発振器(VCO)1が得られる。
少なくとも誘電体層間にTEM線路等のストリップ線路
を有し、周波数0.5GHz 以上で使用されるものであれ
ば特に制限がなく種々のものであってよい。この場合共
振周波数は通常0.5〜2GHz 程度とする。具体的に
は、本発明の共振器は、ハイパスフィルタ、ローパスフ
ィルタ、バンドパスフィルタ、バンドエリミネーション
フィルタ等の各種フィルタ、これらのフィルタを組み合
わせた分波フィルタ、ディプレクサ、電圧制御発振器等
に応用が可能である。
をさらに詳細に説明する。
径1.5μm のAl2O3 粒子:15体積%および平均
粒径1.0μm のTiO2 粒子:15体積%を有する本
発明の高周波誘電体材料No. 1を作製した。そしてこの
高周波誘電体材料100重量部に対し、ビヒクルを73
重量部添加し、ボールミルで混合してスラリー化し、ス
ラリーを得た。ビヒクルには、バインダとしてアクリル
系樹脂、溶剤としてエチルアルコールおよびトルエン、
可塑剤としてフタル酸エステルを用いた。また、ガラス
粒子の組成は、SiO2 :62モル%、Al2 O3 :8
モル%、B2 O3 :3モル%、SrO:20モル%、C
aO:4モル%、MgO:3モル%であり、軟化点は8
15℃であった。
をそれぞれ単独で焼結し、αと2GHz での比誘電率ε
r 、τεを求めたところ、Al2 O3 のαは7.2×1
0-6deg-1 、τεは、+120ppm /℃、εr は9.
8、TiO2 のαは7.1×10-6deg-1 、τεは−9
20ppm /℃、εr は104、ガラスのαは6.0×1
0-6deg-1 、τεは+160ppm /℃、εr は6.5で
あった。
ドクターブレード法により厚さ0.25mmのグリーンシ
ートを作製した。
ーストをスクリーン印刷法により印刷し、ストリップ線
路、グランドプレーンを形成した後、熱プレスにより積
層してグリーンシート積層体を得た。そして、この積層
体を脱脂後、空気中で温度900℃で10分間同時焼成
した。
をスクリーン印刷法により印刷し、空気中で温度850
℃で10分間焼成して共振周波数約2GHz の共振器サン
プルNo. 1を得た。サンプルNo. 1の寸法は10mm×1
0mm×2mmであった。
において、Al2 O3 粒子:15体積%およびTiO2
粒子:15体積%の混合酸化物骨剤を、Al2 O3 粒
子:30体積%に換えた他は同様にして高周波誘電体材
料No. 2を得た。そして、共振器サンプルNo. 1におい
て、高周波誘電体材料No. 2を用いた他は同様にして、
共振周波数約2GHz の共振器サンプルNo. 2を作製し
た。サンプルNo. 2の寸法は10mm×10mm×2mmであ
った。
おける共振周波数の温度係数τfを求めたところ表1に
示されるとおりであった。
れた誘電体層の熱膨張係数αを求め、下記式から誘電率
の温度係数τεを算出したところ−40〜125℃にお
けるτεおよび平均熱膨張係数αは表1に示されるとお
りであった。 式: τε=−2(τf+α)
、25℃における比誘電率εr を摂動法により求めた
ところ表1に示されるとおりであった。
らかである。
加え、平均粒径2.0μm CaTiO3 (τε=−16
00ppm /℃、α=11.2×10-6deg-1 )、平均粒
径2.0μm のSrTiO3 (τε=−3400ppm /
℃、α=9.4×10-6deg-1 )、平均粒径2.0μm
のMgTiO3 (τε=+100ppm /℃、α=9.7
×10-6deg-1 )を用い、これを表2に示される混合比
で混合し、実施例1と同様にして共振器を得た。結果を
表2に示す。
らかである。
周波数の変動が小さい。
れる部分断面図である。
れる斜視図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の
酸化物骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材
とを含有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとを
ともに含有することはない)し、 前記τεが負の酸化物骨材としてチタン酸カルシウム、
また前記τεが正の酸化物骨材としてチタン酸マグネシ
ウムを含有し、酸化物骨材中のチタン酸カルシウムの含
有量が20〜30体積%であり、 前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃における誘電率
の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜290
℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6de
g-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体に対する
前記ガラスの含有量が50〜80体積%である高周波誘
電体材料。 - 【請求項2】 ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の
酸化物骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材
とを含有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとを
ともに含有することはない)し、 前記τεが負の酸化物骨材としてチタン酸カルシウム、
また前記τεが正の酸化物骨材として酸化アルミニウム
を含有し、酸化物骨材中のチタン酸カルシウムの含有量
が20〜33体積%であり、 前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃における誘電率
の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜290
℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6de
g-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体に対する
前記ガラスの含有量が50〜80%である高周波誘電体
材料。 - 【請求項3】 ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の
酸化物骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材
とを含有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとを
ともに含有することはない)し、 前記τεが負の酸化物骨材としてチタン酸ストロンチウ
ム、また前記τεが正の酸化物骨材としてチタン酸マグ
ネシウムを含有し、酸化物骨材中のチタン酸ストロンチ
ウムの含有量が10〜13体積%であり、 前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃における誘電率
の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜290
℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6de
g-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体に対する
前記ガラスの含有量が50〜80体積%である高周波誘
電体材料。 - 【請求項4】 ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の
酸化物骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材
とを含有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとを
ともに含有することはない)し、 前記τεが負の酸化物骨材としてチタン酸ストロンチウ
ム、また前記τεが正の酸化物骨材として酸化アルミニ
ウムを含有し、酸化物骨材中のチタン酸ストロンチウム
の含有量が10〜15体積%であり、 前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃における誘電率
の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜290
℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6de
g-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体に対する
前記ガラスの含有量が50〜80体積%である高周波誘
電体材料。 - 【請求項5】 ガラスと、誘電率の温度係数τεが正の
酸化物骨材と、誘電率の温度係数τεが負の酸化物骨材
とを含有(ただし、酸化アルミニウムと酸化チタンとを
ともに含有することはない)し、 前記τεが負の酸化物骨材として酸化チタン、また前記
τεが正の酸化物骨材としてチタン酸マグネシウムを含
有し、酸化物骨材中の酸化チタンの含有量が35〜48
体積%であり、 前記ガラスの2GHz 、−40〜125℃における誘電率
の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜290
℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10-6de
g-1 であり、前記酸化物骨材およびガラス全体に対する
前記ガラスの含有量が50〜80体積%である高周波誘
電体材料。 - 【請求項6】 前記ガラスの組成が、 SiO2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モ
ル% B2 O3 :10モル%以下およびアルカリ土類金属酸化
物の1種以上:25〜45モル%であるか、または SiO2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モ
ル% およびアルカリ土類金属酸化物の1種以上:25〜45
モル%である請求項1ないし5のいずれかの高周波誘電
体材料。 - 【請求項7】 前記ガラスの組成が、SiO2 :50〜
70モル%、Al2O3 :5〜20モル%、B2 O3 :
3〜10モル%およびアルカリ土類金属酸化物の1種以
上:25〜45モル%である請求項6の高周波誘電体材
料。 - 【請求項8】 誘電率の温度係数τεが、−40〜+2
0ppm/℃である請求項1ないし7のいずれかの高周波誘
電体材料。 - 【請求項9】 前記ガラスの軟化点が700〜900℃
である請求項1ないし8のいずれかの高周波誘電体材
料。 - 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかの高周波
誘電体材料を用いて形成した誘電体層を積層し、少なく
ともこの誘電体層間にストリップ線路を形成したことを
特徴とする共振器。 - 【請求項11】 2GHz 、−40〜125℃における誘
電率の温度係数τεが150〜170ppm/℃、40〜2
90℃における平均熱膨張係数が5.5〜6.5×10
-6deg-1 のガラスと、酸化アルミニウム骨材と、酸化チ
タン骨材とを用い、 ガラス/(ガラス+骨材)量が50〜80体積%、酸化
チタン/(酸化チタン+酸化アルミニウム)量が40〜
60体積%となるように混合して高周波誘電体用材料を
得、 この高周波誘電体用材料を用いて誘電体層の積層体を形
成するとともに、この積層体中に導体材料のストリップ
線路を形成して焼成して共振器を得、 誘電率の温度係数τεが−40〜+20ppm/℃の誘電体
層として共振周波数の温度係数τfを低下させる共振器
の製造方法。 - 【請求項12】 前記ガラスの組成が、 SiO2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モ
ル% B2 O3 :10モル%以下およびアルカリ土類金属酸化
物の1種以上:25〜45モル%であるか、またはSi
O2 :50〜70モル%、Al2 O3 :5〜20モル%
およびアルカリ土類金属酸化物の1種以上:25〜45
モル%であり、その軟化点が700〜900℃である請
求項11の共振器の製造方法。
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JP3-224979 | 1991-08-09 | ||
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JPH05211006A JPH05211006A (ja) | 1993-08-20 |
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