JP3364037B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JP3364037B2
JP3364037B2 JP05127895A JP5127895A JP3364037B2 JP 3364037 B2 JP3364037 B2 JP 3364037B2 JP 05127895 A JP05127895 A JP 05127895A JP 5127895 A JP5127895 A JP 5127895A JP 3364037 B2 JP3364037 B2 JP 3364037B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、四ほう酸リチウム単結
晶(Li2 4 7 ) を用いた弾性表面波装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波装置は、電気信号を表面波に
変換することで、信号処理を行う回路素子であり、フィ
ルタ、共振子、遅延線などに用いられている。通常、圧
電性を有する弾性体基板(圧電基板)上にインタデジタ
ルトランスジューサ(IDT、櫛形電極、すだれ状電
極)と呼ばれる金属電極を設けることで電気信号から表
面波への変換・逆変換を行っている。弾性表面波装置の
特性は、圧電基板を伝搬する弾性表面波の伝搬特性に依
存している。特に、弾性表面波装置の高周波化に対応す
るためには弾性表面波の伝搬速度が速い圧電基板が必要
である。
【0003】弾性表面波装置に用いられる基板材料とし
ては、水晶、タンタル酸リチウム(LiTaO3 )、ニ
オブ酸リチウム(LiNbO3 )、四ほう酸リチウム
(Li 2 4 7 )等が知られている。また、弾性表面
波装置に用いられる弾性表面波としては、レイリー波
(Rayleigh Wave)や、リーキー波(Le
aky Wave、疑似弾性表面波、漏洩弾性表面波)
が主に知られている。
【0004】レイリー波は、弾性体の表面を伝搬する表
面波であり、そのエネルギーを圧電基板内へ放散するこ
となく、すなわち、理論上伝搬損失なく伝搬する。レイ
リー波を利用した弾性表面波装置に用いられる基板材料
として、伝搬速度が3100m/secのSTカット水
晶、3300m/secのX−112°Y LiTaO
3 、4000m/secの128°Y−X LiNbO
3 、3400m/secの45°X−Z Li2 4
7 がある。
【0005】一方、弾性表面波としてリーキー波と呼ば
れる弾性体の深さ方向にエネルギーを放散しながら伝搬
する弾性表面波(漏洩弾性表面波)を利用することが検
討されている。リーキー波はレイリー波より伝搬速度が
速い。一般にリーキー波は放射による伝搬損失が大きく
弾性表面波装置に利用できないが、特別な切り出し角お
よび伝搬方向では比較的伝搬損失が少ないため利用可能
である。例えば、伝搬速度が3900m/secのLS
Tカット水晶、4200m/secの36°Y−X L
iTaO3 、4500m/secの41°Y−X Li
NbO3 、4500m/secの64°Y−X LiN
bO3 などが知られている。
【0006】また、縦波型リーキー波は、通常のリーキ
ー波と同様に伝搬損失を伴なう。しかしながら、同じ方
向に伝搬するバルク波の速い横波と縦波との間の速度で
圧電基板表面を伝搬するため、通常のリーキー波より伝
搬速度が速いという特徴がある。四ほう酸リチウムの切
り出し角及び伝搬方向がオイラー角表示で(0°〜45
°,44°〜50°,80°〜90°)及びそれと等価
な範囲内で、自由表面及び金属表面上において、高伝搬
速度で低伝搬損失の弾性表面波が存在することが知られ
ている。この縦波型リーキー波は6000〜7200m
/secと非常に高速であるため、高周波の弾性表面波
装置を実現することができるものとして期待されている
(特開平06−112763号公報、欧州特許出願公開
第560634号明細書、Soviet Physics Crystallogr
aphy, vol.37, No.2, pp.220-223,1992参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】弾性表面波装置として
利用するためには、少なくとも一つのIDT(インター
ディジタルトランスジューサ)が必要である。IDTと
して、ダブル電極IDTとシングル電極IDTが、一般
に広く使用されている。ダブル電極IDTは、電極指の
極性が2本ずつ等しく、電極指が同一周期で配置されて
いる。IDT内部で生じる多重反射を抑圧することがで
きるため、周波数応答に歪みが生じ難いという特徴を有
している。
【0008】一方、シングル電極IDTは、極性の異な
る電極指が互いに間挿するように同一周期で配置されて
おり、同じ周波数の信号を処理しようとする場合、ダブ
ル電極IDTの電極周期の2倍とすることができる。こ
のため、圧電基板上に電極を形成しやすく、高周波用の
弾性表面波装置ではシングル電極IDTが利用されてい
る。
【0009】ところで、圧電基板上にIDT等の電極を
形成すると、電極の質量負荷効果等によって弾性表面波
の伝搬特性が変化することが予想される。そのため、弾
性表面波の良好な伝搬特性を得るためにIDTの最適な
電極指膜厚や電極指幅が存在するはずである。例えば、
圧電基板として四ほう酸リチウム単結晶を用い、圧電基
板の表面の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオ
イラ角表示で(0°〜45°,44°〜50°,80°
〜90°)であり、弾性表面波が縦波型リーキー波の場
合、全面にアルミニウム膜が形成されたアルミニウム膜
伝搬路では、規格化膜厚が3%程度のとき、伝搬損失が
比較的小さくなる。しかしながら、アルミニウムのダブ
ル電極IDTでは、規格化膜厚が3%程度のときは伝搬
損失が非常に大きく、規格化膜厚が2%程度のときに、
伝搬損失が最も小さくなる。
【0010】このように圧電基板上に形成される電極構
造により、その伝搬特性が異なることが知られている
(1994年電子情報通信学会秋季大会、SA−11−
8)。しかしながら、オイラー角表示で(0°〜45
°,45°〜50°,80°〜90°)の四ほう酸リチ
ウムに関しては、良好な弾性表面波の伝搬特性を与える
シングル電極IDTの最適な電極指膜厚や電極指幅など
の構造について、何ら知見が得られていなかった。
【0011】本発明の目的は、四ほう酸リチウムの切り
出し角及び伝搬方向がオイラー角表示で(0°〜45
°,44°〜50°,80°〜90°)及びそれと等価
な範囲内にIDTを形成し、伝搬速度が同一の方向に伝
搬するバルク波の速い横波より速く、縦波を越えない弾
性表面波を利用した弾性表面波装置に対して、良好な伝
搬特性を示すようなシングル電極IDTの最適な電極構
造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による弾性表面波装置は、四ほう酸リチウム
単結晶からなる圧電基板と、前記圧電基板の表面に形成
され、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬するための
電極とを有する弾性表面波装置において、前記電極が、
アルミニウムを主成分とする金属により形成され、前記
電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように配置
された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面の切
り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で
(0°〜45°,44°〜50°,80°〜90°)お
よびそれと等価な範囲内になるように形成され、前記電
極指の周期をP、前記電極指の幅をMとして、前記電極
の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格化した前記電
極の規格化膜厚h/λが、次式 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 の範囲内であり、前記弾性表面波の速度が同一方向に伝
搬するバルク波の速い横波の速度以上であり、縦波の速
度を越えないことを特徴とする。
【0013】また、上記目的を達成するために、本発明
による弾性表面波装置は、四ほう酸リチウム単結晶から
なる圧電基板と、前記圧電基板の表面に形成され、弾性
表面波を励起、受信、反射、伝搬するための電極とを有
する弾性表面波装置において、前記電極が、アルミニウ
ムを主成分とする金属により形成され、前記電極が、1
本ずつの電極指が互いに間挿するように配置された一対
の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面の切り出し角お
よび弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(0°〜4
5°,44°〜50°,80°〜90°)およびそれと
等価な範囲内になるように形成され、前記電極指の周期
をP、前記電極指の幅をMとして、前記電極の膜厚hを
前記弾性表面波の波長λで規格化した前記電極の規格化
膜厚h/λが、次式 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 の範囲内であり、前記弾性表面波の速度が同一方向に伝
搬するバルク波の速い横波の速度以上であり、縦波の速
度を越えないことを特徴とする。
【0014】また、本発明による弾性表面波装置は、四
ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基板と、前記圧電基
板の表面に形成され、弾性表面波を励起、受信、反射、
伝搬するための電極とを有する弾性表面波装置におい
て、前記電極が、アルミニウムを主成分とする金属によ
り形成され、前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間
挿するように配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧
電基板の表面の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向
がオイラ角表示で(0°〜40°,44°〜50°,8
0°〜90°)およびそれと等価な範囲内になるように
形成され、前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をM
として、前記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで
規格化した前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 の範囲内であり、前記弾性表面波の速度が同一方向に伝
搬するバルク波の速い横波の速度以上であり、縦波の速
度を越えないことを特徴とする。
【0015】また、上記目的を達成するために、四ほう
酸リチウム単結晶からなる圧電基板と、前記圧電基板の
表面に形成され、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬
するための電極とを有する弾性表面波装置において、前
記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形成
され、前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿する
ように配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板
の表面の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイ
ラ角表示で(0°〜40°,44°〜50°,80°〜
90°)およびそれと等価な範囲内になるように形成さ
れ、前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとし
て、前記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格
化した前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 の範囲内であり、前記弾性表面波の速度が同一方向に伝
搬するバルク波の速い横波の速度以上であり、縦波の速
度を越えないことを特徴とする。
【0016】また、上記目的を達成するために、四ほう
酸リチウム単結晶からなる圧電基板と、前記圧電基板の
表面に形成され、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬
するための電極とを有する弾性表面波装置において、前
記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形成
され、前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿する
ように配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板
の表面の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイ
ラ角表示で(0°〜5°,44°〜50°,80°〜9
0°)およびそれと等価な範囲内になるように形成さ
れ、前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとし
て、前記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格
化した前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 の範囲内であり、前記弾性表面波の速度が同一方向に伝
搬するバルク波の速い横波の速度以上であり、縦波の速
度を越えないことを特徴とする。
【0017】また、上記目的を達成するために、四ほう
酸リチウム単結晶からなる圧電基板と、前記圧電基板の
表面に形成され、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬
するための電極とを有する弾性表面波装置において、前
記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形成
され、前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿する
ように配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板
の表面の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイ
ラ角表示で(0°〜5°,44°〜50°,80°〜9
0°)およびそれと等価な範囲内になるように形成さ
れ、前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとし
て、前記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格
化した前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 の範囲内であり、前記弾性表面波の速度が同一方向に伝
搬するバルク波の速い横波の速度以上であり、縦波の速
度を越えないことを特徴とする。
【0018】
【作用】本願発明者は、四ほう酸リチウムの切り出し角
及び伝搬方向がオイラー角表示で(0°〜45°,44
°〜50°,80°〜90°)及びそれと等価な範囲内
にシングル電極IDTを形成し、伝搬速度が同一の方向
に伝搬するバルク波の速い横波より速く、縦波を越えな
い弾性表面波を利用した弾性表面波装置に対して、シン
グル電極IDTの最適な電極指幅及び電極指膜厚をシミ
ュレーションにより求めた。
【0019】図1に示すモデルを用いてシミュレーショ
ンを行った。圧電基板上にピッチPで電極指が形成され
ている。電極指の幅はMであり、膜厚はhである。極性
の異なる電極指が1本ずつ交互に配置されている。図1
に示すモデルのIDTの弾性表面波の伝搬特性は、電極
指(ストリップ)による周期的な摂動効果により1次の
ブラック反射を生じ、伝搬定数κ(波数)に周波数分散
を生じる。まず、この伝搬定数κの周波数分散をシミュ
レーションする。弾性表面波の変位Ui と静電変位φは
フロケ(Floquet)の定理を用いて、次の空間高
調波の和で表される。
【0020】
【数1】
【0021】
【数2】 ここで、減衰定数α(m,n) と振幅定数βi (m,n) は、伝
搬定数κと角周波数ωを設定し、各次数mに対して、運
動方程式及びマクスウェルの方程式を準静電近似した電
荷方程式を解くことで求めることができる。また、空間
高調波の振幅定数A(m,n) は、式(1)、式(2)に次
の境界条件を与えることにより求められる。弾性的な境
界条件として、ストリップ下では変位U1 、U2 、U3
とx3 方向での応力T3jが連続であり、ストリップ間で
はx 3 方向での応力T3jが零、また、電気的な境界条件
として、ストリップ下では静電電位φが一定、ストリッ
プ間ではx3 方向での電気密度D3 が連続を適用する。
また、図1に示すモデルで、電気端子を開放した場合
(開放ストリップ)はストリップ上の全電荷が零、短絡
の場合(短絡ストリップ)はストリップ上の静電電位φ
が零を与える。以上のシミュレーションから、ある角周
波数ωに対する伝搬定数κを求めることができる。な
お、空間高調波の次数mは、充分に大きな有限の数とし
てシミュレーションしている。
【0022】一般に、ストリップによる周期的な摂動が
加えられると、伝搬定数κが1次のブラック反射の条件
(Re(κ)=π/P、但し、Pはストリップ周期長)
を満足する周波数帯域であるストップバンドを生じる。
短絡ストリップ列に対するストップバンドの両端の周波
数をf1s(下端)、f2s(上端)とし、開放ストリップ
列に対するストップバンドの両端の周波数をf1o(下
端)、f2o(上端)とすると、ストップバンド幅(f2s
−f1s)、(f2o−f1o)は、ストリップ1本当りの反
射量に比例する。
【0023】ここで、短絡ストリップ列のストップバン
ドと開放ストリップ列のストップバンドのどちらか一方
の端は、レイリー波の場合は常に一致し、リーキー波や
縦波型リーキー波の場合は必ずしも一致しないがほぼ近
い値を示す。ストップバンド端での伝搬定数κの虚数部
成分(減衰成分)は、計算上伝搬損失の生じないレイリ
ー波の場合には0となるが(Im(κ)=0)、リーキ
ー波や縦波型リーキー波の場合には0とならない(Im
(κ)≠0)。
【0024】ストリップのない部分(フリー部)の速度
と、ストリップのある部分(金属部)の速度と、短絡ス
トリップ列及び開放ストリップ列におけるストップバン
ド端の周波数とから、弾性表面波の設計手法として広く
利用されているスミスのクロスフィールドモデルに必要
なパラメータを抽出することができることが知られてい
る(例えば、M. Koshiba and S. Mitobe, "Equivalent
Networks for SAW Gratings", IEEE Trans. Ultrason.
Ferro. Freq. Contr., 35, pp.531-535, (1988) ;稲
川,小柴,「弾性表面波すだれ状電極の等価回路定数の
理論的導出」,信学論(C),J73-C-I, pp.731-737,
(1990) )。
【0025】パラメータとして、音響インピーダンスの
不整合量ε(=(Zo/Zm)−1;但し、Zoはスト
リップがない部分の音響インピーダンス、Zmはストリ
ップがある部分の音響インピーダンスである)、エネル
ギ蓄積量を表わすサセプタンス分B、電気機械結合計数
2 を求めた。また、分散特性におけるストップバンド
端の伝搬定数κの虚数部Im(κ)と、スミスのクロス
フィールドモデルより得られるストップバンド端の伝搬
定数κSmith の虚数部Im(κSmith )とが一致するよ
うな伝搬損失を求めることで、短絡ストリップ列のスト
ップバンド端f s1、fs2における伝搬損失αs1、α
s2と、開放ストリップ列のストップバンド端fo1、fo2
における伝搬損失αo1、αo2とを求めた。通常、弾性表
面波フィルタの通過帯域は短絡ストリップ列の下端fs1
に生じる。このため、伝搬損失αs1は弾性表面波フィル
タの特性を大きく左右し、特に重要である。
【0026】シミュレーションは、四ほう酸リチウム単
結晶基板の切り出し角及び伝搬方向がオイラー角表示
で、(0°〜45°,44°〜50°,80°〜90
°)及びそれと等価な範囲内になるように基板上にアル
ミニウムよりなるシングル電極IDTを形成し、弾性表
面波の速度が同一方向に伝搬するバルク波の速い横波の
速度以上であり、縦波の速度を越えない縦波型リーキー
波を利用した弾性表面波装置において、シングル電極I
DTの電極指幅及び電極指膜厚を変化させたときの縦波
型リーキーはの伝搬特性(ストップバンド端周波数、伝
搬損失、電気機械結合係数)を計算することを目的とし
た。シミュレーション結果について図2乃至図8を用い
て詳細に説明する。
【0027】図2乃至図6に、四ほう酸リチウム単結晶
基板の切り出し角及び弾性表面波の伝搬方向がオイラー
角表示で(0°,47.3°,90°)すなわち、(0
11)面のX軸に対して垂直な伝搬方向となるように、
アルミニウムを主成分とするシングル電極IDTが形成
された弾性表面波装置における縦波型リーキー波の伝搬
特性の計算結果を示す。ここで、周波数はP=50cm
(λ=2P=1m)として規格化した。
【0028】図2は、電極指ピッチPで規格化した電極
指幅(M/P)が0.3で、電極指膜厚h/λを変化さ
せた場合における、ストップバンド端周波数(f1s、f
2s、f1o、f2o)、フリー部の周波数(ffree)及び金
属部の周波数(fmetal )の計算結果(図2(a))、
伝搬損失(α1s、αs2)の計算結果(図2(b))、電
気機械結合係数k2 の計算結果(図2(c))である。
【0029】電極指膜厚hを電極周期の2倍の値(λ=
2P)で規格化した規格化膜厚h/λを0.0%から
3.0%に変化させると、図2(a)に示すように、開
放及び短絡に対するストップバンド幅(f2o−f1o)、
(f2s−f1s)は広くなり、図2(c)に示すように、
電気機械結合係数k2 は1.0%から2.6%に増大
し、特に、規格化膜厚h/λが約0.8%以上では電気
機械結合係数k2 は1.6%以上となる。図2(b)に
示すように、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが約
2.5%以上で0.05dB/λ以上に増加するが、規
格化膜厚h/λが2.0%以下では0.02dB/λ以
下と小さい。
【0030】したがって、電極指幅M/Pが0.3の
時、規格化膜厚h/λが0.8〜2.0%の範囲で、電
気機械結合係数k2 が大きく、伝搬損失が小さくなる。
また、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが1.1%付
近で最小となり、規格化膜厚h/λが0.30〜1.6
4%の範囲では0.005dB/λ以下と非常に小さ
い。
【0031】図3は、電極指ピッチPで規格化した電極
指幅(M/P)が0.4で、電極指膜厚h/λを変化さ
せた場合における、ストップバンド端周波数(f1s、f
2s、f1o、f2o)、フリー部の周波数(ffree)及び金
属部の周波数(fmetal )の計算結果(図3(a))、
伝搬損失(α1s、αs2)の計算結果(図3(b))、電
気機械結合係数k2 の計算結果(図3(c))である。
【0032】電極指膜厚hを電極周期の2倍の値(λ=
2P)で規格化した規格化膜厚h/λを0.0%から
3.0%に変化させると、図3(a)に示すように、開
放及び短絡に対するストップバンド幅(f2o−f1o)、
(f2s−f1s)は広くなり、図3(c)に示すように、
電気機械結合係数k2 は1.2%から2.8%に増大
し、特に、規格化膜厚h/λが約0.3%以上では電気
機械結合係数k2 は1.6%以上となる。図3(b)に
示すように、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが約
2.1%以上で0.05dB/λ以上に増加するが、規
格化膜厚h/λが1.7%以下では0.02dB/λ以
下と小さい。
【0033】したがって、電極指幅M/Pが0.4の
時、規格化膜厚h/λが0.3〜1.7%の範囲で、電
気機械結合係数k2 が大きく、伝搬損失が小さくなる。
また、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが0.9%付
近で最小となり、規格化膜厚h/λが0.27〜1.4
0%の範囲では0.005dB/λ以下と非常に小さ
い。
【0034】図4は、電極指ピッチPで規格化した電極
指幅(M/P)が0.5で、電極指膜厚h/λを変化さ
せた場合における、ストップバンド端周波数(f1s、f
2s、f1o、f2o)、フリー部の周波数(ffree)及び金
属部の周波数(fmetal )の計算結果(図4(a))、
伝搬損失(α1s、αs2)の計算結果(図4(b))、電
気機械結合係数k2 の計算結果(図4(c))である。
【0035】電極指膜厚hを電極周期の2倍の値(λ=
2P)で規格化した規格化膜厚h/λを0.0%から
3.0%に変化させると、図4(a)に示すように、開
放及び短絡に対するストップバンド幅(f2o−f1o)、
(f2s−f1s)は広くなり、図4(c)に示すように、
電気機械結合係数k2 は1.2%から3.0%に増大
し、特に、規格化膜厚h/λが約0.16%以上では電
気機械結合係数k2 は1.6%以上となる。図4(b)
に示すように、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが約
2.0%以上で0.05dB/λ以上に増加するが、規
格化膜厚h/λが1.6%以下では0.02dB/λ以
下と小さい。
【0036】したがって、電極指幅M/Pが0.5の
時、規格化膜厚h/λが0.16〜1.6%の範囲で、
電気機械結合係数k2 が大きく、伝搬損失が小さくな
る。また、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが0.8
%付近で最小となり、規格化膜厚h/λが0.23〜
1.26%の範囲では0.005dB/λ以下と非常に
小さい。
【0037】図5は、電極指ピッチPで規格化した電極
指幅(M/P)が0.6で、電極指膜厚h/λを変化さ
せた場合における、ストップバンド端周波数(f1s、f
2s、f1o、f2o)、フリー部の周波数(ffree)及び金
属部の周波数(fmetal )の計算結果(図5(a))、
伝搬損失(α1s、αs2)の計算結果(図5(b))、電
気機械結合係数k2 の計算結果(図5(c))である。
【0038】電極指膜厚hを電極周期の2倍の値(λ=
2P)で規格化した規格化膜厚h/λを0.0%から
3.0%に変化させると、図5(a)に示すように、開
放及び短絡に対するストップバンド幅(f2o−f1o)、
(f2s−f1s)は広くなり、図5(c)に示すように、
電気機械結合係数k2 は1.4%から3.0%に増大
し、特に、規格化膜厚h/λが約0.13%以上では電
気機械結合係数k2 は1.6%以上となる。図5(b)
に示すように、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが約
2.0%以上で0.05dB/λ以上に増加するが、規
格化膜厚h/λが1.6%以下では0.02dB/λ以
下と小さい。
【0039】したがって、電極指幅M/Pが0.6の
時、規格化膜厚h/λが0.13〜1.6%の範囲で、
電気機械結合係数k2 が大きく、伝搬損失が小さくな
る。また、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが0.8
%付近で最小となり、規格化膜厚h/λが0.20〜
1.22%の範囲では0.005dB/λ以下と非常に
小さい。
【0040】図6は、電極指ピッチPで規格化した電極
指幅(M/P)が0.7で、電極指膜厚h/λを変化さ
せた場合における、ストップバンド端周波数(f1s、f
2s、f1o、f2o)、フリー部の周波数(ffree)及び金
属部の周波数(fmetal )の計算結果(図6(a))、
伝搬損失(α1s、αs2)の計算結果(図6(b))、電
気機械結合係数k2 の計算結果(図6(c))である。
【0041】電極指膜厚hを電極周期の2倍の値(λ=
2P)で規格化した規格化膜厚h/λを0.0%から
3.0%に変化させると、図6(a)に示すように、開
放及び短絡に対するストップバンド幅(f2o−f1o)、
(f2s−f1s)は広くなり、図6(c)に示すように、
電気機械結合係数k2 は1.4%から3.0%に増大
し、特に、規格化膜厚h/λが約0.15%以上では電
気機械結合係数k2 は1.6%以上となる。図6(b)
に示すように、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが約
2.0%以上で0.05dB/λ以上に増加するが、規
格化膜厚h/λが1.6%以下では0.02dB/λ以
下と小さい。
【0042】したがって、電極指幅M/Pが0.6の
時、規格化膜厚h/λが0.15〜1.6%の範囲で、
電気機械結合係数k2 が大きく、伝搬損失が小さくな
る。また、伝搬損失α1sは、規格化膜厚h/λが0.9
%付近で最小となり、規格化膜厚h/λが0.20〜
1.29%の範囲では0.005dB/λ以下と非常に
小さい。
【0043】以上の説明から明らかなように、電気機械
結合係数k2 が1.6%以上と大きく、伝搬損失が0.
02dB/λ以下と小さくなる、電極指の幅M/P及び
規格化膜厚h/λの最適領域を、図7にハッチングした
領域として示す。この最適領域を数式をもって表現する
と、 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 となる。
【0044】また、伝搬損失が0.005dB/λ以下
と非常に小さくなる、電極指の幅M/P及び規格化膜厚
h/λの最適領域を、図8にハッチングした領域として
示す。この最適領域を数式をもって表現すると、 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 となる。
【0045】なお、伝搬損失が最小となる電極指の規格
化膜厚h/λを数式をもって表現すると、 h/λ=0.023−0.055×(M/P)+0.0
50×(M/P)2 となる。
【0046】なお、四ほう酸リチウム単結晶は点群4m
mの対象性を有し、弾性表面波の特性も所定の対称性を
有するので、上述したオイラ角表示の方向は、(0°〜
360°,44°〜50°,80°〜100°)、(0
°〜360°,44°〜50°,−80°〜−100
°)、(0°〜360°,−44°〜−50°,80°
〜100°)、(0°〜360°,−44°〜−50
°,−80°〜−100°)等との等価の方向も含むも
のである。
【0047】また、四ほう酸リチウム単結晶は、(01
1)、(255)、(356)、(231)、(34
5)の切り出しが容易な複数の面を(0°〜40°,4
4°〜50°,80°〜90°)に有し、特にラウエ点
の回折強度が強くX線回折により切り出し面の精度を高
くすることができる(011)を含む(0°〜5°,4
4°〜50°,80°〜90°)が好ましく使用でき
る。なお、(0°〜40°,44°〜50°,80°〜
90°)、(0°〜5°,44°〜50°,80°〜9
0°)も、四ほう酸リチウム単結晶、弾性表面波の対称
性に準じた等価な範囲を同様に含むものとする。
【0048】
【実施例】本発明の一実施例による弾性表面波装置を図
9及び図10を用いて説明する。本実施例による弾性表
面波装置を図9に示す。本実施例の弾性表面波装置はト
ランスバーサルフィルタであり、主面が(011)面で
ある四ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基板21の表
面に、同一構造の入力IDT22と出力IDT23が形
成され、これら入力IDT22と出力IDT23間の伝
搬領域に、入力IDT22及び出力IDT23と同一周
期及び同一開口長の短絡ストリップ24が形成されてい
る。
【0049】入力IDT22、出力IDT23は、極性
の異なる電極指が互いに間挿するように同一周期で配置
されたシングル電極IDTであり、それぞれ、20対、
電極指周期(P)4μm、開口長400μmであり、弾
性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(0°,47.3
°,90°)となるような向きに形成されている。入力
IDT22、出力IDT23、短絡ストリップ24は、
同じ厚さのアルミニウム膜により形成され、弾性表面波
の伝搬方向がX軸方向に対して垂直な向きになるように
形成されている。
【0050】ストップバンドの両端の周波数は、通過周
波数特性のメインローブに生じるストップバンドの反射
に基づく大きな減衰域の両端の周波数より測定し、伝搬
損失は、伝搬路長を400μm、800μm、1200
μmと変えた場合のストップバンド端周波数の挿入損失
の変化より測定し、電気機械結合係数k2 はIDT2
2、23の入力アドミッタンスより測定した。
【0051】図10に、電極指線幅(M)が電極指周期
(P)に対して0.5で、電極指膜厚を変化させたとき
のストップバンドの両端の周波数の測定結果(下端●、
上端▲)と計算結果(実線)(図10(a))、伝搬損
失の測定結果(下端●、上端▲)と計算結果(実線)
(図10(b))、電気機械結合係数k2 の測定結果
(○)と計算結果(実線)(図10(c))を共に示
す。
【0052】図10より明らかなように、実験結果と計
算結果は比較的よい一致を示し、電極指膜厚が1%付近
では伝搬損失が非常に小さくなっており、電気機械結合
係数k2 がおよそ2.1%となっていることがわかっ
た。本発明は上記実施例に限らず種々の変形が可能であ
る。例えば、本発明の弾性表面波装置としては上記実施
例の弾性表面波装置とは異なる構造でもよい。例えば、
一対のグレーティング反射器の間にIDTを設けた共振
子型フィルタや、共振子にも本発明を適用できる。ま
た、多数のIDTを並列に接続した構造(IIDT構
造)の弾性表面波装置にも本発明を適用することもでき
る。
【0053】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、四ほう酸
リチウム単結晶からなる圧電基板と、圧電基板の表面に
形成され、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬するた
めの電極とを有する弾性表面波装置において、電極が、
アルミニウムを主成分とする金属により形成され、電極
が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように配置され
た一対の櫛形電極を有し、圧電基板の表面の切り出し角
および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(0°〜
45°,44°〜50°,80°〜90°)およびそれ
と等価な範囲内になるように形成され、電極指の周期を
P、電極指の幅をMとして、電極の膜厚hを弾性表面波
の波長λで規格化した電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 の範囲内となるようにしたので、電気機械結合係数k2
が大きく、伝搬損失が小さい弾性表面波装置を実現する
ことができる。
【0054】また、本発明によれば、四ほう酸リチウム
単結晶からなる圧電基板と、圧電基板の表面に形成さ
れ、弾性表面波を励起、受信、反射、伝搬するための電
極とを有する弾性表面波装置において、電極が、アルミ
ニウムを主成分とする金属により形成され、電極が、1
本ずつの電極指が互いに間挿するように配置された一対
の櫛形電極を有し、圧電基板の表面の切り出し角および
弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表示で(0°〜45
°,44°〜50°,80°〜90°)およびそれと等
価な範囲内になるように形成され、電極指の周期をP、
電極指の幅をMとして、電極の膜厚hを弾性表面波の波
長λで規格化した電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 の範囲内となるようにしたので、伝搬損失が非常に小さ
い弾性表面波装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による弾性表面波装置のシミュレーショ
ンに用いたモデルを示す図である。
【図2】四ほう酸リチウム単結晶基板表面にアルミニウ
ムを主成分とするIDTが形成された弾性表面波装置に
おいて、四ほう酸リチウム単結晶基板の切り出し角およ
び伝搬方向をオイラ角表示で(0°,47.3°,90
°)とし、電極指幅M/Pが0.3で、電極指膜厚h/
λを変化させた場合における、ストップバンド端周波数
(同図(a))、伝搬損失(同図b))、電気機械結合
係数(同図(c))のシミュレーション結果を示すグラ
フである。
【図3】四ほう酸リチウム単結晶基板表面にアルミニウ
ムを主成分とするIDTが形成された弾性表面波装置に
おいて、四ほう酸リチウム単結晶基板の切り出し角およ
び伝搬方向をオイラ角表示で(0°,47.3°,90
°)とし、電極指幅M/Pが0.4で、電極指膜厚h/
λを変化させた場合における、ストップバンド端周波数
(同図(a))、伝搬損失(同図b))、電気機械結合
係数(同図(c))のシミュレーション結果を示すグラ
フである。
【図4】四ほう酸リチウム単結晶基板表面にアルミニウ
ムを主成分とするIDTが形成された弾性表面波装置に
おいて、四ほう酸リチウム単結晶基板の切り出し角およ
び伝搬方向をオイラ角表示で(0°,47.3°,90
°)とし、電極指幅M/Pが0.5で、電極指膜厚h/
λを変化させた場合における、ストップバンド端周波数
(同図(a))、伝搬損失(同図b))、電気機械結合
係数(同図(c))のシミュレーション結果を示すグラ
フである。
【図5】四ほう酸リチウム単結晶基板表面にアルミニウ
ムを主成分とするIDTが形成された弾性表面波装置に
おいて、四ほう酸リチウム単結晶基板の切り出し角およ
び伝搬方向をオイラ角表示で(0°,47.3°,90
°)とし、電極指幅M/Pが0.6で、電極指膜厚h/
λを変化させた場合における、ストップバンド端周波数
(同図(a))、伝搬損失(同図b))、電気機械結合
係数(同図(c))のシミュレーション結果を示すグラ
フである。
【図6】四ほう酸リチウム単結晶基板表面にアルミニウ
ムを主成分とするIDTが形成された弾性表面波装置に
おいて、四ほう酸リチウム単結晶基板の切り出し角およ
び伝搬方向をオイラ角表示で(0°,47.3°,90
°)とし、電極指幅M/Pが0.7で、電極指膜厚h/
λを変化させた場合における、ストップバンド端周波数
(同図(a))、伝搬損失(同図b))、電気機械結合
係数(同図(c))のシミュレーション結果を示すグラ
フである。
【図7】四ほう酸リチウム単結晶基板表面にアルミニウ
ムを主成分とするIDTが形成された弾性表面波装置に
おいて、電気機械結合係数が大きく、伝搬損失が小さく
なる、電極指の幅M/P及び規格化膜厚h/λの最適領
域を示すグラフである。
【図8】四ほう酸リチウム単結晶基板表面にアルミニウ
ムを主成分とするIDTが形成された弾性表面波装置に
おいて、伝搬損失が非常に小さくなる、電極指の幅M/
P及び規格化膜厚h/λの最適領域を示すグラフであ
る。
【図9】本発明の一実施例による弾性表面波装置を示す
図である。
【図10】本発明の一実施例による弾性表面波装置にお
いて、電極指膜厚を変化させたときのストップバンドの
両端の周波数(同図(a))、伝搬損失(同図
(b))、電気機械結合係数(同図(c))の測定結果
とシミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
21…圧電基板 22…入力IDT 23…出力IDT 24…短絡ストリップ 25…電極指 26…絶縁層 27…絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−86868(JP,A) 佐藤隆裕、阿部秀典,Li2B4O7 上の周期的金属グレーティングを伝播す る縦波型Leaky SAWの特性,電 子情報通信学会1995年総合大会講演論文 集,1995年 3月10日,基礎・境界, p.373(A−373) 佐藤隆祐、阿部秀典,AI/Li2B 4O7構造における縦波型リーキー波の 伝搬特性,電子情報通信学学会1994年秋 季大会−ソサエティ先行大会−講演論 集,1994年 9月 5日,p.309(S A−11−8) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/145 H03H 9/25

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基
    板と、前記圧電基板の表面に形成され、弾性表面波を励
    起、受信、反射、伝搬するための電極とを有する弾性表
    面波装置において、 前記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形
    成され、 前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように
    配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面
    の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表
    示で(0°〜45°,44°〜50°,80°〜90
    °)およびそれと等価な範囲内になるように形成され、 前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとして、前
    記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格化した
    前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 の範囲内であり、 前記弾性表面波の速度が同一方向に伝搬するバルク波の
    速い横波の速度以上であり、縦波の速度を越えないこと
    を特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 四ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基
    板と、前記圧電基板の表面に形成され、弾性表面波を励
    起、受信、反射、伝搬するための電極とを有する弾性表
    面波装置において、 前記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形
    成され、 前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように
    配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面
    の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表
    示で(0°〜45°,44°〜50°,80°〜90
    °)およびそれと等価な範囲内になるように形成され、 前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとして、前
    記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格化した
    前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 の範囲内であり、 前記弾性表面波の速度が同一方向に伝搬するバルク波の
    速い横波の速度以上であり、縦波の速度を越えないこと
    を特徴とする弾性表面波装置。
  3. 【請求項3】 四ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基
    板と、前記圧電基板の表面に形成され、弾性表面波を励
    起、受信、反射、伝搬するための電極とを有する弾性表
    面波装置において、 前記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形
    成され、 前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように
    配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面
    の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表
    示で(0°〜40°,44°〜50°,80°〜90
    °)およびそれと等価な範囲内になるように形成され、 前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとして、前
    記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格化した
    前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 の範囲内であり、 前記弾性表面波の速度が同一方向に伝搬するバルク波の
    速い横波の速度以上であり、縦波の速度を越えないこと
    を特徴とする弾性表面波装置。
  4. 【請求項4】 四ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基
    板と、前記圧電基板の表面に形成され、弾性表面波を励
    起、受信、反射、伝搬するための電極とを有する弾性表
    面波装置において、 前記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形
    成され、 前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように
    配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面
    の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表
    示で(0°〜40°,44°〜50°,80°〜90
    °)およびそれと等価な範囲内になるように形成され、 前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとして、前
    記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格化した
    前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 の範囲内であり、 前記弾性表面波の速度が同一方向に伝搬するバルク波の
    速い横波の速度以上であり、縦波の速度を越えないこと
    を特徴とする弾性表面波装置。
  5. 【請求項5】 四ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基
    板と、前記圧電基板の表面に形成され、弾性表面波を励
    起、受信、反射、伝搬するための電極とを有する弾性表
    面波装置において、 前記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形
    成され、 前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように
    配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面
    の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表
    示で(0°〜5°,44°〜50°,80°〜90°)
    およびそれと等価な範囲内になるように形成され、 前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとして、前
    記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格化した
    前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.029−0.097×(M/P)+0.082×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.033−0.059×(M/P)+0.050×(M/P)2 の範囲内であり、 前記弾性表面波の速度が同一方向に伝搬するバルク波の
    速い横波の速度以上であり、縦波の速度を越えないこと
    を特徴とする弾性表面波装置。
  6. 【請求項6】 四ほう酸リチウム単結晶からなる圧電基
    板と、前記圧電基板の表面に形成され、弾性表面波を励
    起、受信、反射、伝搬するための電極とを有する弾性表
    面波装置において、 前記電極が、アルミニウムを主成分とする金属により形
    成され、 前記電極が、1本ずつの電極指が互いに間挿するように
    配置された一対の櫛形電極を有し、前記圧電基板の表面
    の切り出し角および弾性表面波の伝搬方向がオイラ角表
    示で(0°〜5°,44°〜50°,80°〜90°)
    およびそれと等価な範囲内になるように形成され、 前記電極指の周期をP、前記電極指の幅をMとして、前
    記電極の膜厚hを前記弾性表面波の波長λで規格化した
    前記電極の規格化膜厚h/λが、次式 0.006−0.013×(M/P)+0.011×(M/P)2 ≦(h/λ)≦ 0.030−0.060×(M/P)+0.051×(M/P)2 の範囲内であり、 前記弾性表面波の速度が同一方向に伝搬するバルク波の
    速い横波の速度以上であり、縦波の速度を越えないこと
    を特徴とする弾性表面波装置。
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佐藤隆祐、阿部秀典,AI/Li2B4O7構造における縦波型リーキー波の伝搬特性,電子情報通信学学会1994年秋季大会−ソサエティ先行大会−講演論集,1994年 9月 5日,p.309(SA−11−8)
佐藤隆裕、阿部秀典,Li2B4O7上の周期的金属グレーティングを伝播する縦波型Leaky SAWの特性,電子情報通信学会1995年総合大会講演論文集,1995年 3月10日,基礎・境界,p.373(A−373)

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