JP3362986B2 - 機械式過給機付エンジン - Google Patents

機械式過給機付エンジン

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JP3362986B2
JP3362986B2 JP31665494A JP31665494A JP3362986B2 JP 3362986 B2 JP3362986 B2 JP 3362986B2 JP 31665494 A JP31665494 A JP 31665494A JP 31665494 A JP31665494 A JP 31665494A JP 3362986 B2 JP3362986 B2 JP 3362986B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸気通路に機械式過給
機を備えたエンジンに関し、とくにこのエンジンが手動
変速機に連結されて用いられる場合の機械式過給機の駆
動の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特公平2−52094号公
報に示されるように、エンジンの吸気通路に機械式過給
機を設けるとともに、この機械式過給機を電磁クラッチ
および伝動手段を介してエンジン出力軸に連結し、上記
電磁クラッチのオン、オフにより過給機を駆動状態と停
止状態とに切換えることができるようにした機械式過給
機付エンジンは知られている。一般にこの種の機械式過
給機付エンジンにおいては、上記公報にも示されている
ように、エンジン負荷が所定値以下の低負荷域では、エ
ンジン出力の一部が過給機に消費されることを避けるた
め、上記電磁クラッチをオフとすることにより過給機を
停止状態とし、一方、エンジン負荷が所定値より大きい
高負荷域では、吸気の過給によりエンジンのトルクアッ
プを図るため、電磁クラッチをオンとすることにより過
給機を駆動状態とするようにしている。
【0003】また、特開昭63−201325号公報に
示されるように、吸気マニホールド内の吸気圧力が設定
値以下の低負荷域では機械式過給機を停止状態(電磁ク
ラッチをオフ)とし、上記吸気圧力が設定値よりも高い
高負荷域では機械式過給機を駆動状態(電磁クラッチを
オン)とするが、エンジン始動時(エンジン回転数が5
00rpm以下のとき)やアイドル時(スロットル弁全
閉かつ低速のとき)には機械式過給機を停止状態とする
ようにした過給機の駆動制御方法も知られている。この
公報に示された方法は、吸気圧力に応じて過給機の駆動
を制御する場合に、エンジン始動時やアイドル時には低
負荷であっても吸気圧力が上記設定値を越えることがあ
るので、このようなときに過給機が駆動することを避け
るようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記各公報
に示されるようなルーツポンプあるいは後述のリショル
ムポンプ等で構成される機械式過給機には、一対のロー
タを連動させるためのギヤや増速用のギヤが付設されて
いるが、従来の機械式過給機付エンジンによると、特に
手動変速機を搭載したMT車に適用される場合、発進加
速時等に低速高負荷の状態となったときに、機械式過給
機に付設されているギヤの歯打音による騒音が生じると
いう問題がある。
【0005】具体的に説明すると、発進直後等に加速操
作によってエンジン負荷が上昇したとき、トルクコンバ
ータを有するAT車であれば負荷の上昇に伴いエンジン
回転数が比較的速やかに上昇するが、MT車の場合には
加速操作後にエンジン回転数が次第に上昇するので、加
速操作直後は高負荷で、かつエンジン回転数がアイドル
回転数より若干高い程度の低速の状態となる。そして、
従来の過給機付エンジンではアイドル近傍の低速域でも
高負荷時には過給機が駆動状態となる。つまり、特公平
2−52094号公報に示された機械式過給機付エンジ
ンでは、エンジン回転数に関係なく高負荷時に過給機が
駆動状態とされ、また特開昭63−201325号公報
に示されたものでも、アイドル回転数近傍の低速域でス
ロットル弁が開かれて高負荷状態になれば過給機が駆動
状態とされる。
【0006】このように発進加速時等に機械式過給機が
駆動されると、アイドル回転数近傍の低速域ではエンジ
ンのトルク変動が大きいため、そのトルク変動に伴い、
上記機械式過給機に付設されたギヤのバックラッシュに
よる歯打音が生じる。
【0007】この場合、とくにエンジンが高圧縮比で、
かつ気筒数が比較的少ない直列エンジンであれば、トル
ク変動が増大し易いために歯打音が大きくなる傾向があ
る。また、機械式過給機に上記両ロータを連動させるた
めのギヤと増速ギヤとが設けられている場合は、各ギヤ
でそれぞれ歯打音が生じるとともに、増速されることで
上記ロータのイナーシャが大きくなることにより歯打音
が増大し易い。さらに、機械式過給機に駆動抵抗が小さ
いもの或いは駆動抵抗の変動が大きいものが用いられた
場合に歯打音が増大し易くなる。
【0008】本発明は上記の事情に鑑み、機械式過給機
を用いて要求される出力性能を維持しつつ、MT車にお
ける発進加速時等にギヤの歯打音が生じることを防止
し、騒音を低減することができる機械式過給機付エンジ
ンを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
手動変速機に連結されるエンジンであって、吸気通路に
配置された機械式過給機と、この機械式過給機に付設さ
れたギヤと、この機械式過給機に対して動力を伝達する
接続状態と動力の伝達を遮断する切断状態とに切替可能
なクラッチ手段とを備え、低速低負荷域で上記クラッチ
手段を切断状態とするようにした機械式過給機付エンジ
ンにおいて、高負荷域でも設定回転数より低速側の領域
では上記クラッチ手段を切断状態とするように制御する
クラッチ制御手段を設け、上記設定回転数を、アイドル
回転数より高く、かつアイドル回転数の近傍の回転数と
したものである。
【0010】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
機械式過給機付エンジンにおいて、気筒数が5気筒以下
の直列エンジンであって、圧縮比が9.0以上であると
したものである。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1または2
に記載の機械式過給機付エンジンにおいて、機械式過給
機が内部圧縮型ポンプからなるものである。
【0012】請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の機械式過給機付エンジンにおいて、機
械式過給機は一対のロータを備え、この両ロータを連動
させるギヤと増速ギヤとが機械式過給機に付設されてい
るものである。
【0013】請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の機械式過給機付エンジンにおいて、上
記クラッチ制御手段が、低負荷域では上記設定回転数よ
りも高い所定の回転数を境にこれより低速側で上記クラ
ッチ手段を切断状態とし、高速側で上記クラッチ手段を
接続状態とするように制御する構成としたものである。
【0014】請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の
いずれれかに記載の機械式過給機付エンジンにおいて、
機械式過給機をバイパスするバイパス通路と、上記クラ
ッチ手段が切断状態にあるときに上記バイパス通路を開
くバイパスバルブとを備えるとともに、加速時において
高負荷域の低速側からエンジン回転数が設定回転数を越
えたときに上記バイパスバルブの閉作動を遅延させるバ
イパスバルブ制御手段を設けたものである。
【0015】請求項7に係る発明は、請求項6に記載の
機械式過給機付エンジンにおいて、上記開閉弁制御手段
が、手動変速機の変速段に応じ、高速段側ほど上記バイ
パスバルブの閉作動の遅延を増大させるようになってい
るものである。
【0016】
【作用】請求項1に係る発明の機械式過給機付エンジン
によると、MT車において発進時等にアイドル回転数付
近の低速域で加速操作が行われたとき、加速操作によっ
て負荷が高くなってもエンジン回転数が上記設定回転数
に達するまでは上記クラッチ手段が切断状態とされるこ
とにより、エンジンのトルク変動が大きい低速高負荷域
での機械式過給機の駆動が避けられて、機械式過給機に
付設されたギヤの歯打音が防止される。そして、上記設
定回転数がアイドル回転数より高いがその近傍の回転数
とされ、加速操作後にエンジン回転数がこの設定回転数
を越えるとクラッチ手段が接続状態とされて機械式過給
機が駆動されため、加速性能は良好に保たれる。
【0017】とくに、5気筒以下の直列エンジンで、か
つ圧縮比が9.0以上の高圧縮比エンジンの場合(請求
項2)、低速高負荷域でのトルク変動が増大し易いこと
から、この領域で歯打音の防止のために機械式過給機を
停止させることの有用性が高い。
【0018】機械式過給機が内部圧縮型ポンプからなる
場合(請求項3)は、その駆動抵抗の変動が大きいた
め、エンジンのトルク変動が大きい運転域で駆動された
ときのギヤの歯打音が増大し易く、また、機械式過給機
に一対のロータを連動させるギヤと増速ギヤとが付設さ
れている場合(請求項4)は、トルク変動が大きい運転
域で駆動されたとき上記各ギヤにおいて歯打音が生じる
とともに、増速されることで上記ロータのイナーシャが
大きくなってギヤの歯打音が増大し易いが、これらの場
合も上記のように低速高負荷域で上記クラッチ手段が切
断手段とされて機械式過給機が停止されることにより、
有効に歯打音が防止される。
【0019】請求項5に係る発明の機械式過給機付エン
ジンによると、上記所定回転数より高速側では低負荷か
ら高負荷まで上記クラッチ手段が接続状態に保たれるた
め、高速域でクラッチ手段の断続の切換えが行なわれて
クラッチ手段に過大な負担が加わるといった事態が避け
られる。
【0020】請求項6に係る発明の機械式過給機付エン
ジンによると、低速域において加速操作により高負荷と
なった後にエンジン回転数が上昇していく途中で上記ク
ラッチ手段が接続されて過給機が駆動状態に切換わった
ときに、上記バイパスバルブの閉作動が遅延されること
により、急激に過給が行なわれてトルクが急変するとい
った事態が避けられ、スムーズな加速感が得られる。
【0021】とくにこのようなバイパスバルブの閉作動
の遅延を、手動変速機の変速段に応じて高速段側ほど増
大させるようにすれば(請求項7)、より一層スムーズ
な加速感が得られる。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は機械式過給機付エンジンの概略を示している。こ
の図において、エンジンは、エンジン本体1と、機械式
過給機10を備えた吸気通路2と、排気通路3等で構成
されており、このエンジンの出力側にはクラッチを介し
て手動変速機50が連結されている。なお、エンジンは
5気筒以下の直列エンジン、例えば4気筒直列エンジン
であり、圧縮比は9.0以上の高圧縮比となっている。
【0023】上記吸気通路2には、上流側から順にエア
クリーナ4、エアフローメータ5、スロットル弁6、機
械式過給機10、インタークーラ7、サージタンク8、
燃料噴射弁9が配設されている。上記機械式過給機10
は、図外のエンジン出力軸により機械的に駆動されて吸
気の過給を行うものであり、図示の例では内部圧縮型ポ
ンプの一種であるリショルムポンプが用いられている。
【0024】このリショルムポンプからなる過給機10
は、図2にも示すように、一対のロータ11,ロータ1
2を有し、両ロータ11,12に相対応する翼(図示せ
ず)が設けられ、両ロータ11,12が所定回転数比で
回転することにより吸入空気を圧縮して吐出するように
なっており、両ロータ11,12の回転軸には互いに噛
合する連動用ギヤ13,14が設けられている。さら
に、入力軸15と一方の回転軸との間には、入力軸15
の回転を増速してロータ11,12に伝達する増速ギヤ
16,17が設けられている。また、エンジン出力軸の
回転はベルト(図示せず)を介して過給機駆動用プーリ
18に伝達されるが、このプーリ18と上記入力軸15
との間にはクラッチ手段としての電磁クラッチ19が設
けられており、電磁クラッチ19がオン(接続状態)と
なったときには上記プーリ18の回転が入力軸15に伝
達されて過給機10が駆動状態となり、電磁クラッチ1
9がオフ(切断状態)となったときには上記プーリ18
から入力軸への回転の伝達が遮断されて過給機10が停
止状態となるように構成されている。
【0025】また、図1に示すエンジンの吸気通路2に
は、上記過給機10をバイパスするバイパス通路21が
付設され、このバイパス通路21にバイパスバルブ22
が介設されている。このバイパスバルブ22は、バイパ
ス通路21に形成されたハウジング23内に弁体24を
有するとともに、この弁体24を作動するアクチュエー
タ25を有している。
【0026】上記アクチュエータ25は、上記弁体24
にロッドを介して連結されたダイヤフラム26と、その
両側に設けられた負圧室27及び大気圧室28と、上記
ダイヤフラム26の片側に配置されて上記弁体24を閉
弁方向に付勢するスプリング29とを備えている。上記
負圧室27は、バキュームポンプ等の負圧源32に通じ
る負圧通路33と、スロットル弁6より上流の吸気通路
2に通じる大気圧通路34とに、ソレノイドバルブ31
を介して接続され、上記大気圧室28はスロットル弁6
より上流の吸気通路2に通じる通路35に接続されてい
る。そして、上記ソレノイドバルブ31が後記ECUか
らのデューティ信号に応じて作動し、それによって上記
負圧室27に対する負圧と大気圧との導入割合が調節さ
れることにより、バイパスバルブ22の弁体24の開度
が全閉から全開にまでわたって調節されるようになって
いる。
【0027】また、40はエンジン制御用のECU(コ
ントロールユニット)であり、このECU40には、上
記エアフローメータ5からの信号が入力されるととも
に、スロットル弁6の開度を検出するスロットル開度セ
ンサ41、エンジン回転数を検出する回転数センサ4
2、手動変速機50の変速段を検出するシフトセンサ4
3等からの信号が入力されている。このECU40は、
運転状態に応じて上記電磁クラッチ19を制御するクラ
ッチ制御手段45と、運転状態および手動変速機の変速
段に応じて上記ソレノイドバルブ31をデューティ制御
することによりバイパスバルブ22が制御するバイパス
バルブ制御手段46とを含んでいる。
【0028】上記ECU40のクラッチ制御手段45に
よる運転状態に応じた電磁クラッチ19の制御を、図3
によって説明する。同図は、縦軸をエンジントルク、横
軸をエンジン回転数として、過給機10が停止される運
転領域である過給機停止領域Iと、過給機10が駆動さ
れる運転領域である過給機駆動領域IIとを示しており、
過給機停止領域Iでは上記電磁クラッチ19がオフとさ
れ、過給機駆動領域IIでは上記電磁クラッチ19がオン
とされる。また、同図中のラインAは、過給機下流の吸
気圧力が大気圧となるときのトルク、つまり、無過給時
の全開トルクに相当するものであり、またラインBは、
過給機10による吸気の過給が行われた場合の全開トル
クに相当するものである。
【0029】同図に示すように、第1設定回転数N1よ
り低速側においては、低負荷域に加えて高負荷域でも過
給機10が停止状態とされる。この第1設定回転数N1
は、エンジンのアイドル回転数よりも高く、かつこのア
イドル回転数の近傍の回転数(例えば1000rpm)
とされている。また、低負荷域では、上記第1設定回転
数N1よりも高い所定の回転数(例えば2500rp
m)である第2設定回転数N2を境にこれより低速側で
過給機10が停止状態とされ、高速側で過給機が駆動状
態とされる。そして、上記第1設定回転数N1と第2設
定回転数N2との間においては、過給機下流の吸気圧力
が大気圧となるラインAよりもある程度低い所定トルク
のラインを境に低負荷側と高負荷側とで過給機10が停
止状態と駆動状態とに切換えられる。
【0030】つまり、過給機停止領域Iは、上記第1設
定回転数N1より低速側における低負荷から高負荷にわ
たる領域および上記第1設定回転数N1と第2設定回転
数N2との間における低負荷側の領域とされ、また過給
機駆動領域IIは、上記第1設定回転数N1と第2設定回
転数N2との間における高負荷側の領域および上記第2
設定回転数N2より高速側おける低負荷から高負荷にわ
たる領域とされている。
【0031】また、上記ECU40のバイパスバルブ制
御手段46による上記バイパスバルブ22の制御は次の
ように行われる。
【0032】上記電磁クラッチ19がオフとされる過給
機停止領域Iではバイパスバルブ22が開かれ、一方、
電磁クラッチ19がオンとされる過給機駆動領域IIにう
ちの高負荷域ではバイパスバルブ22が閉じられる。ま
た、当実施例のように上記第2設定回転数N2より高速
側では低負荷から高負荷にわたって過給機10が駆動状
態とされるようになっている場合に、この高速側の領域
のうちの低負荷側ではバイパスバルブ22が開かれ、負
荷が高くなるにつれて次第にバイパスバルブ22が閉じ
られるように、上記ソレノイドバルブ31がデューティ
制御される。
【0033】さらに、図3中に破線矢印で示すように加
速時において高負荷域の低速側からエンジン回転数が上
記第1設定回転数N1を越えたときには、上記バイパス
バルブ22の閉作動が遅延される。つまり、図4にも示
すように、上記第1設定回転数N1よりも低速側の領域
において加速操作によりスロットル開度が所定開度以上
となってからエンジン回転数が上昇して上記第1設定回
転数N1を越えたときに、上記電磁クラッチ19がオフ
からオンに切換えられるとともに、上記バイパスバルブ
22が開状態から閉状態に作動されるが、このときにバ
イパスバルブ制御手段46はバイパスバルブ22の閉作
動を徐々に行わせるように上記ソレノイドバルブ31を
デューティ制御する。この場合に、上記シフトセンサ4
3にからの信号に応じ、手動変速機50の変速段が高速
段側ほど上記バイパスバルブ22の閉作動の遅延を増大
させ、具体的には上記変速段が1速のときと比べて2速
のときにはバイパスバルブ22の閉作動をより緩やかに
行わせるように制御する。
【0034】以上のような当実施例の過給機付エンジン
の作用を、次に説明する。
【0035】エンジンの低速低負荷域では、高トルクを
必要としないことから、機械式過給機10の駆動による
エネルギー損失を避けるべく、上記電磁クラッチ19が
オフとされて過給機10が停止状態とされる。また、高
負荷域において、上記第1設定回転数N1より高速側の
運転領域では、電磁クラッチ19がオンとされ、過給機
10が駆動されて吸気の過給が行われることにより、エ
ンジントルクが高められる。
【0036】ところで、機械式過給機付エンジンに手動
変速機50が接続されるMT車では、発進加速時等に、
エンジン負荷が所定値より高く、かつエンジン回転数が
上記第1設定回転数N1よりも低い状態となることがあ
るが、このような低速高負荷域では電磁クラッチ19が
オフとされて過給機10の駆動が停止されることによ
り、ギヤの歯打音の発生が防止される。
【0037】すなわち、従来のように低速高負荷域で機
械式過給機が駆動されると歯打音が生じることは先に述
べたが、より詳しく説明すると、機械式過給機に付設さ
れたギヤの歯打音は、ギヤに伝えられるトルクに変動が
あったときのバックラッシュによるギヤのがたつきによ
り生じ、具体的には相対応するギヤ当接面がいったん離
間してから衝突する際の衝撃により発生するものであ
り、アイドル回転数付近の低速域において高負荷時に電
磁クラッチがオンとされると、トルク変動が大きいため
に上記ギヤのがたつきが生じ、しかも過給機の駆動によ
りトルクが高められることで上記ギヤ当接面が衝突する
際の衝撃が大きくなるために大きな歯打音が生じる。
【0038】この場合に、低速高負荷時のトルク変動が
増大し易いエンジン、例えば比較的少数気筒(5気筒以
下)の直列エンジンで、かつ圧縮比が9.0以上という
ような高圧縮比エンジンの場合には、ギヤの歯打音も増
大し易い。また、機械式過給機がリショルムポンプ等の
内部圧縮型ポンプである場合は、その駆動抵抗の変動が
大きいために、歯打音が増大し易くなる。さらに、図2
に示すように一対のロータ11,12を連動させるため
のギヤ13,14と増速ギヤ16,17とが設けられて
いる場合は、各ギヤにおいてそれぞれ歯打音が生じると
ともに、上記増速ギヤ16,17で増速されてロータ1
1,12が高回転することでそのイナーシャが大きくな
り、これによっても上記衝撃が大きくなって歯打音が増
大し易くなる。
【0039】これに対し、当実施例の機械式過給機付エ
ンジンによると、上記第1設定回転数N1より低速側の
トルク変動が大きい領域では、高負荷時にも電磁クラッ
チ19がオフとされて過給機10の駆動が停止されるこ
とにより、歯打音の発生が確実に防止される。
【0040】しかも、電磁クラッチ19がオフとされる
のは、高負荷域の中ではアイドル回転数近傍の上記第1
設定回転数N1より低速側の領域に限られているため、
加速性能は良好に保たれる。つまり、発進加速時等にア
イドル付近の低速低負荷状態から加速操作が行われたと
きは一時的に上記第1設定回転数N1より低速で高負荷
の状態となるが、この状態からエンジン回転数が上昇し
て上記第1設定回転数N1を越えるまでの時間は短く、
上記第1設定回転数N1に越えれば電磁クラッチ19が
オンとされて過給機10が駆動されることによりエンジ
ントルクが高められるため、良好に加速が行われる。
【0041】また、上記電磁クラッチ19がオフとされ
る過給機停止領域Iでは、上記バイパスバルブ22が開
かれることにより、吸気がバイパス通路21を通してエ
ンジン本体1に供給され、上記電磁クラッチ19がオン
とされる過給機駆動領域IIにおける高負荷域では、上記
バイパスバルブ22が閉じられることにより、過給機1
0により加圧された吸気がエンジン本体1に供給され
る。そして、加速時において高負荷域の低速側からエン
ジン回転数が第1設定回転数N1を越えたときには、図
4に示すように、上記電磁クラッチ19がオフからオン
に切換えられるとともに、上記バイパスバルブ22が閉
作動されるが、このバイパスバルブ22の閉作動は遅延
され、かつ、手動変速機50の変速段に応じて高速段側
ほど上記バイパスバルブ22の閉作動の遅延が増大され
ることにより、加速途中で加速度が急変することが避け
られ、スムーズな加速感が得られる。
【0042】この作用を図5によって説明する。この図
は、発進加速時等において図3中の破線矢印のように運
転状態が変化するときの加速度の変化を、変速段が1速
の場合と2速の場合とについてそれぞれ示している。こ
の図のように、加速時にはエンジン負荷の上昇に伴い、
先ず過給機停止領域Iにある間にある程度まで加速度が
増加し(線C1,D1)、次いでエンジン回転数が第1
設定回転数N1を越えると、過給機10が駆動されてト
ルクが高められることにより加速度がさらに増加する
が、このときにバイパスバルブ22の閉作動が急速に行
われた場合にはそれまでと比べて加速度が急激に増加し
(線C2’,D2’)、運転者に違和感を与える。これ
に対し、当実施例のようにバイパスバルブ22の閉作動
を遅延させると、過給機駆動開始直後は過給機10から
吐出された空気の一部がバイパス通路21を通して過給
機上流にリサーキュレートされ、バイパスバルブ22が
閉じられるにつれて過給圧が高められることにより加速
度が次第に増加し(線C2,D2)、加速度の急激な増
加が避けられてスムーズな加速感が得られる。
【0043】そして、上記過給機停止領域Iのある間の
加速度の増加は変速段が1速の場合(線C1)よりも2
速の場合(線D1)の方が緩やかであるため、上記バイ
パスバルブ22の閉作動の遅延が1速にくらべて2速で
大きくされることにより、過給機駆動開始後の加速度の
増加も変速段に応じて適度に調整されることとなる。
【0044】また、図3中に示すように低負荷域では上
記第2設定回転数N2より高速側が過給機駆動領域IIと
され、この高速側の低負荷域では、上記電磁クラッチ1
9がオンとされるとともに、上記バイパスバルブ22の
開度がエンジン負荷に応じて制御される。このように上
記第2設定回転数N2より高速側では低負荷から高負荷
まで電磁クラッチ19がオン状態に保たれることによ
り、高速域で電磁クラッチ19がオフからオンに切換わ
ることがなく、電磁クラッチ19や伝動機構に過大な負
荷が加わることが避けられてこれらの信頼性が確保され
る。この場合、低負荷域において過給機10が停止され
る領域が不必要に狭められると燃費的に不利となること
から、上記第2設定回転数N2は、第1設定回転数N1
よりも高くて、例えば2500rpm程度とされる。
【0045】なお、図3に示す例では、高負荷域におい
て電磁クラッチ19のオフ、オンの切換点となる第1設
定回転数N1を一定の値としているが、低速域で機械式
過給機が駆動された場合のギヤの歯打音は高負荷側ほど
増大し易いので、図6に示すように、所定負荷以上の高
負荷域において負荷が高くなるほど第1設定回転数N1
を高速側にずらすように設定しておいてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明は、ギヤが付設され
た機械式過給機とこれに対する動力の伝達を断続するク
ラッチ手段とを備えた機械式過給機付エンジンであって
手動変速機に連結されるものにおいて、低速低負荷域で
上記クラッチ手段を切断状態とするほかに、高負荷域で
も、設定回転数よりも低速側の領域では上記クラッチ手
段を切断状態とするようにしているため、MT車におい
て発進加速時等にトルク変動の大きい低速高負荷状態と
なったときに、上記機械式過給機に付設されたギヤの歯
打音が生じることを確実に防止することができる。しか
も、上記設定回転数を、アイドル回転数より高くてその
近傍の回転数とし、高負荷域ではトルク変動の生じ易い
アイドル回転数付近の領域に限って機械式過給機の駆動
を停止させるようにしているので、加速性能は充分に良
好に保つことができる。
【0047】本発明は、とくに低速高負荷域でのトルク
変動が増大し易いエンジン、例えば5気筒以下の直列エ
ンジンで、かつ圧縮比が9.0以上のエンジンに適用し
た場合にも、有効に歯打音を防止することができる。ま
た、機械式過給機に内部圧縮型ポンプを用いた場合や、
機械式過給機に一対のロータを連動させるギヤと増速ギ
ヤとを付設した場合は、エンジンのトルク変動が大きい
運転域で駆動されたときに上記歯打音が増大し易いが、
これらの場合にも有効に歯打音を防止することができ
る。
【0048】また、加速時において高負荷域の低速側か
らエンジン回転数が設定回転数を越えたときに、機械式
過給機をバイパスするバイパス通路のバイパスバルブの
閉作動を遅延させるようにしておくと、加速時に高速域
の低速側からエンジン回転数が上昇していく途中で上記
クラッチ手段が接続されて過給機が駆動状態に切換わっ
たときに加速度が急変することを避け、スムーズな加速
感を与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機械式過給機付エンジンの一実施例を
示す全体概略図である。
【図2】機械式過給機の一例を示す断面図である。
【図3】過給機停止状態とされる運転領域および過給機
駆動状態とされる運転領域の設定の一例を示す図であ
る。
【図4】低速域からの加速時の電磁クラッチおよびバイ
パスバルブの動作を示す説明図である。
【図5】加速時において高負荷域の低速側からエンジン
回転数が設定回転数を越えて上昇するときの加速度の時
間的変化を示す図である。
【図6】過給機停止状態とされる運転領域および過給機
駆動状態とされる運転領域の設定の別の例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 吸気通路 10 機械式過給機 11,12 ロータ 13,14 連動用ギヤ 16,17 増速ギヤ 19 電磁クラッチ 20 バイパス通路 22 バイパスバルブ 40 ECU 45 クラッチ制御手段 46 バイパスバルブ制御手段 50 手動変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大島 智巳 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 見崎 幸男 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 33/00 F02B 39/12 F02D 29/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手動変速機に連結されるエンジンであっ
    て、吸気通路に配置された機械式過給機と、この機械式
    過給機に付設されたギヤと、この機械式過給機に対して
    動力を伝達する接続状態と動力の伝達を遮断する切断状
    態とに切替可能なクラッチ手段とを備え、低速低負荷域
    で上記クラッチ手段を切断状態とするようにした機械式
    過給機付エンジンにおいて、高負荷域でも設定回転数よ
    り低速側の領域では上記クラッチ手段を切断状態とする
    ように制御するクラッチ制御手段を設け、上記設定回転
    数を、アイドル回転数より高く、かつアイドル回転数の
    近傍の回転数としたことを特徴とする機械式過給機付エ
    ンジン。
  2. 【請求項2】 気筒数が5気筒以下の直列エンジンであ
    って、圧縮比が9.0以上であることを特徴とする請求
    項1記載の機械式過給機付エンジン。
  3. 【請求項3】 機械式過給機は内部圧縮型ポンプからな
    ることを特徴とする請求項1または2記載の機械式過給
    機付エンジン。
  4. 【請求項4】 機械式過給機は一対のロータを備え、こ
    の両ロータを連動させるギヤと増速ギヤとが機械式過給
    機に付設されていることを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の機械式過給機付エンジン。
  5. 【請求項5】 上記クラッチ制御手段は、低負荷域では
    上記設定回転数よりも高い所定の回転数を境にこれより
    低速側で上記クラッチ手段を切断状態とし、高速側で上
    記クラッチ手段を接続状態とするように制御するもので
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の機械式過給機付エンジン。
  6. 【請求項6】 機械式過給機をバイパスするバイパス通
    路と、上記クラッチ手段が切断状態にあるときに上記バ
    イパス通路を開くバイパスバルブとを備えるとともに、
    加速時において高負荷域の低速側からエンジン回転数が
    設定回転数を越えたときに上記バイパスバルブの閉作動
    を遅延させるバイパスバルブ制御手段を設けたことを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の機械式過給
    機付エンジン。
  7. 【請求項7】 上記開閉弁制御手段は、手動変速機の変
    速段に応じ、高速段側ほど上記バイパスバルブの閉作動
    の遅延を増大させるようになっていることを特徴とする
    請求項6記載の機械式過給機付エンジン。
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