JP3359955B2 - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JP3359955B2
JP3359955B2 JP17701093A JP17701093A JP3359955B2 JP 3359955 B2 JP3359955 B2 JP 3359955B2 JP 17701093 A JP17701093 A JP 17701093A JP 17701093 A JP17701093 A JP 17701093A JP 3359955 B2 JP3359955 B2 JP 3359955B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液癌、胃癌、肺癌、
卵巣癌等の各種癌の治療に有用な抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カンプ
トテカ・アクミナタ(Camptotheca acuminata)の樹
皮、根、果実、葉などから単離されたカンプトテシン
は、五環性のアルカロイドであり、核酸合成を阻害する
ことによって抗腫瘍活性を示すことが知られている。し
かしながら、米国で実施された臨床試験の結果、毒性の
面で問題があり、医薬品としての開発は中止されてい
る。その後、毒性の軽減や活性の増強を目的としたカン
プトテシン誘導体の研究が世界的に進められているが、
いまだ医薬品として実用化されているものはない。
【0003】ところで、カンプトテシンは水に難溶なた
め、医薬として投与する上で問題がある。カンプトテシ
ンを水溶性化する一つの方法として、ラクトン環を開裂
してカルボン酸のナトリウム塩とする方法が知られてい
るが、このものは抗腫瘍活性が数分の一に減弱するとい
う欠点を有しており、ラクトン環を開裂することなしに
水溶化できるカンプトテシン誘導体が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実情において本発
明者らは、作用が優れ、安全性が高く、しかも医薬とし
て投与するうえで望ましい物性を持つカンプトテシン誘
導体を得べく種々研究を行った結果、カンプトテシンに
水溶性基を有する環を一つ付加した6環性化合物が、カ
ンプトテシンを凌駕する特性を有し、各種癌の治療剤と
して有用であることを見いだし、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、次の一般式(1)で表さ
れる化合物又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤を提供
するものである。
【0006】
【化3】
【0007】〔式中、R1及びR2は、それぞれ水素原
子;ヒドロキシル基;ヒドロキシル基、ハロゲン原子、
ニトロ基もしくはシアノ基を有することもある炭素数1
〜6のアルキル基;炭素数1〜6のアルケニル基;炭素
数1〜6のアルキニル基;炭素数1〜6のアルコキシル
基;炭素数1〜6のアミノアルコキシル基;ハロゲン原
子;ニトロ基;シアノ基;メルカプト基;アルキルチオ
基;保護基を有することもあるアミノ基;アミノ部分に
保護基もしくは炭素数1〜6のアルキル基を有すること
もある炭素数1〜6のアミノアルキル基;アミノ部分に
保護基もしくは炭素数1〜6のアルキル基を有すること
もある炭素数1〜6のアミノアルキルアミノ基;炭素数
1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、
アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基もしくはシアノ基を
有することもある複素環を有する炭素数1〜6のアルキ
ル基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアル
コキシル基、アミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基もしく
はシアノ基を有することもある複素環を有するカルボニ
ル基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアル
コキシル基、保護基を有することもあるアミノ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、シアノ基もしくは保護基を有する
こともある複素環を有する炭素数1〜6のアルキルアミ
ノ基;複素環の窒素原子もしくはアミノ部分に保護基も
しくは炭素数1〜6のアルキル基を有することもあるア
ミノ複素環基;複素環の窒素原子もしくはアミノ部分に
保護基もしくは炭素数1〜6のアルキル基を有すること
もある複素環アミノ基;又は保護基もしくは炭素数1〜
6のアルキル基を有することもあるカルバモイル基を示
し、R3は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R4は、
保護基を有することもあるアミノ基;保護基を有するこ
ともある炭素数1〜6のアルキルアミノ基;保護基を有
することもある炭素数1〜6のアミノアルキル基;保護
基を有することもある炭素数1〜6のアルキルアミノア
ルキル基;スルホン酸基;又はカルボキシル基を示し、
Zは、酸素原子;イオウ原子;CR56(R5、R6はそ
れぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を意味す
る);又はNR7(R7は水素原子;炭素数1〜6のアル
キル基;保護基を有することもある炭素数1〜6のアミ
ノアルキル基;保護基を有することもある炭素数1〜6
のアルキルアミノアルキル基;又はアミノ基の保護基を
意味する)を示し、m及びnはそれぞれ0、1又は2を
意味する。〕
【0008】上記一般式(1)において、R1又はR2の好
ましいものとしては、メチル基、エチル基、ヒドロキシ
メチル基、ヒドロキシル基、メトキシル基、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、アミノ基、シアノ
基、アミノメチル基、ジメチルヒドラジノ基、モルホリ
ン-1-イル基、ピペラジン-1-イル基等が挙げられる。R
3の好ましいものとしては、エチル基等が挙げられる。
4の好ましいものとしては、アミノ基、又は炭素数1
〜6のアルキルアミノ基、アミノアルキル基もしくはア
ルキルアミノアルキル基が、特にメチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、アミノメチル基、メチルアミノ基、ジメ
チルアミノ基、アミノエチル基、メチルアミノエチル
基、ジメチルアミノエチル基等が挙げられる。Zの好ま
しいものとしては、メチレン、酸素原子、イオウ原子、
イミノ、アルキルイミノ等が挙げられる。アミノ基の保
護基の好ましいものとしては、ホルミル基、アセチル
基、トリチル基、第三級ブトキシカルボニル基、ベンジ
R>ル基、p-メトキシベンジルオキシカルボニル基、フタ
ロイル基、トリフルオロアセチル基等が挙げられる。複
素環基の好ましいものとしては、アゼチジン、ピロリジ
ン、ピペリジン、イミダゾール、チアゾール、オキサゾ
ール、ピリジン等から導かれる基が挙げられる。
【0009】また、本発明化合物(1)のうち、A環が6
員環である化合物(1A)が特に好ましい。
【0010】
【化4】
【0011】更に、本発明化合物(1)のうち、9位の不
斉炭素原子に関する立体配置(F環の置換基)がS型で
ある化合物が、作用の点から好ましい。
【0012】このうち、下記式
【0013】
【化5】
【0014】で表わされる(9S)-1-アミノ-9-エチル-5-
フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-1H,1
2H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]
キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン又はその塩が特に好ま
しい。
【0015】一般式(1)の化合物は、次の反応式に例示
する方法によって製造することができる。
【0016】
【化6】
【0017】すなわち、アミノケトン化合物(2)とピラ
ノインドリジン化合物(3)をフリードレンダー反応によ
って縮合させることにより、化合物(1)が得られる。
【0018】アミノケトン化合物(2)は、公知化合物で
あるか、又は公知方法に準じて容易に調製される化合物
である。化合物(2)と(3)の縮合閉環反応の条件は、酸
又は塩基の存在下で常温ないし加熱する条件から適宜選
択するのが適当である。使用できる溶媒としては、反応
に対して不活性ならば特に限定されないが、例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジク
ロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルセロソルブ、
ジエチルセロソルブ、ダイグライム等のエーテル類;メ
タノール、エタノール、プロパノール、第三級ブタノー
ル等の低級アルコール類;アセトアミド、ジメチルアセ
トアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢
酸等を挙げることができるが、特にベンゼン、トルエ
ン、酢酸等が好ましい。
【0019】使用できる酸としては、無機酸又は有機酸
のいずれでもよい。無機酸としては、塩酸、硫酸等が挙
げられる。有機酸としては、メタンスルホン酸、トリフ
ロロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエ
ンスルホン酸、ピリジンパラトルエンスルホネート等の
スルホン酸類;酢酸等のカルボン酸類等が挙げられる
が、特にp-トルエンスルホン酸、ピリジンパラトルエン
スルホネート、酢酸等が好ましい。ここで、酢酸を使用
する場合は、溶媒を兼ねさせることもできる。
【0020】使用できる塩基としては、無機塩基又は有
機塩基のいずれでもよい。無機塩基としては、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチ
ウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトリウム等のアルカ
リ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、水素化物等が
挙げられる。有機塩基としては、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウム第三級ブトキシド
等のアルカリ金属アルコキシド類;トリエチルアミン、
N,N-ジイソプロピルエチルアミン等の三級アルキルアミ
ン類;N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、
N,N-ジメチルアミノピリジン等の芳香族三級アミン類;
ピリジン、1,8-ジアザビシクロウンデセン等を例示する
ことができるが、特に炭酸カリウム、トリエチルアミン
等が好ましい。
【0021】また、原料化合物(3)の中には、塩基に対
して不安定な物もあり、そのような場合には十分に反応
条件の設定に注意するのが好ましく、例えば氷冷等の比
較的低温で反応を行う、反応時間を短縮する、酸性条件
下で反応を行う等の検討をすべきである。反応温度は、
20〜150℃の範囲、特に80〜120℃の範囲とするのが好ま
しい。しかしながら、上記のように原料の性質によって
は氷冷下の温度が好ましいこともある。反応時間は1〜
48時間の範囲でよく、通常は1〜24時間で完結する。代
表的な条件としては、例えばピリジンパラトルエンスル
ホネートの存在下、ベンゼン、トルエン又は酢酸中で加
熱還流する方法を挙げることができる。
【0022】なお、R1、R2、R4又はそれらの有する
置換基が、保護基を有するアミノ基の場合には、酸やア
ルカリによる加水分解又は還元反応によって保護基を除
去することができる。アルコキシル基を有する化合物
は、トルエン、ベンゼン等の不活性な溶媒中で塩化アル
ミニウム、臭化アルミニウム等で処理するか、臭化水素
酸溶液中で加熱することによって、対応するヒドロキシ
化合物に導くことができる。また、ニトロ基を有する化
合物は、白金やパラジウムなどを用いて接触還元するこ
とにより、対応するアミノ化合物に導くことができる。
更に、アミノ基を有する化合物は、酸性溶媒中で低温
下、亜硝酸ナトリウム等で処理してジアゾ化し、得られ
たジアゾニウム塩溶液を加水分解することにより、対応
するヒドロキシ化合物に導くことができる。また更に、
アミノ基を有する化合物は、上記と同じ方法でジアゾニ
ウム塩に導き、次いでザンドマイヤー反応を行うことに
より、対応するハロゲン化合物に導くことができる。ザ
ンドマイヤー反応は、一般に用いられている条件で、塩
化第一銅や臭化第一銅等の試薬を用いて行えばよい。
【0023】化合物(1)は、所望によりアルカリ金属、
アルカリ土類金属の水酸化物等を用いてそれらの塩に変
換し、あるいはアミノ基等を有する塩基性化合物の場合
は、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸又はギ酸、酢酸、メタ
ンスルホン酸等の有機酸の塩に変換して、生理学的に許
容される塩とすることができる。
【0024】次に実験例により、叙上のごとくして得ら
れた化合物(1)の抗腫瘍効果及び安全性を示す。 実験例1 P388マウス白血病細胞を、2.5×103cells/wellになるよ
うに96ウェル−マイクロプレートに播種し、24時間後に
検体を添加し、MTT法〔J.Immunol.Methods,65,55〜63(1
983)〕により細胞増殖抑制率を求めた。すなわち、その
後、5%CO2下、37℃で3日間培養し、薬剤接触終了4
時間前にMTT〔3-(4,5-Dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diph
enyl-2H-tetrazolium bromide〕を添加した。0.04NのHC
lを含むイソプロピルアルコールを200μl/ml加え、540n
mにて吸光度を測定し、50%細胞増殖抑制濃度(IC50)値
を求めた。この結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実験例2 P388(マウス白血病)、MKN28(ヒト胃癌)、QG56(ヒ
ト肺癌)又はHOC21(ヒト卵巣癌)を、2.5×103cells/w
ellになるように96穴ウェル−マイクロプレートに播種
し、24時間後に実施例50の化合物を添加し、MTT法〔J.I
mmunol.Methods,65,55〜63(1983)〕により、細胞増殖抑
制率を求めた。すなわち、その後、5%CO 2下、37℃で
3日間培養し、薬剤接触終了4時間前にMTT〔3-(4,5-Di
methylthiazol-2-yl)-2,5-dipheny-2H-tetrazolium bro
mide〕を添加した。0.04NのHClを含むイソプロピルアル
コールを200μl/ml加え、540nmにて吸光度を測定し、50
%細胞増殖抑制濃度(IC50値)を求めた。この結果を表2
に示す。
【0027】
【表2】
【0028】実験例3 BALB/cマウス左鼠けい部皮下に1×106個のマウス繊維
肉腫Meth Aを移植し、7日後に実施例50の化合物を尾静
脈内に1回投与した。14日後にマウスを屠殺し腫瘍重量
を測定し、腫瘍増殖抑制率を求めた。その結果を表3に
示す。
【0029】
【表3】
【0030】実験例4 実施例50の化合物を注射用蒸留水に溶解後、BALB/c雄性
マウスの尾静脈内に一回投与し死亡数及び症状を14日間
観察し、急性毒性を検討した。その結果、実施例50の化
合物のLD50は90mg/kgであった。
【0031】化合物(1)は、上記実験例1〜4の結果か
ら明らかなように抗腫瘍活性に優れ、また安全性が高
く、水溶性であり、抗腫瘍剤として有用である。
【0032】化合物(1)を有効成分とする本発明抗腫瘍
剤は、例えば肺癌、消化器癌、卵巣癌、子宮癌、乳癌、
肝癌、頭頚部癌、血液癌、腎癌、コウ丸腫瘍等の各種癌
の治療剤として用いることができる。
【0033】本発明の抗腫瘍剤は、静脈内注射、筋肉内
注射、皮下注射等の各種注射剤として、あるいは経口投
与、経皮投与等の種々の方法によって投与することがで
きる。これらの投与法の中では水性製剤による静脈内投
与、及び経口投与が好ましい。水性製剤は薬理学的に許
容される酸と酸付加物を形成させるか、ナトリウム等の
アルカリ金属塩とすることで調製できる。経口投与の場
合では遊離体のままでも、塩の型のいずれでも良い。製
剤の調製方法としては投与法に応じ適当な製剤を選択
し、通常用いられている各種製剤の調製法にて調製でき
る。本発明の抗腫瘍剤の剤型のうち経口用製剤としては
例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シ
ロップ剤、エリキシル剤、油性ないし水性の懸濁液等を
例示できる。注射剤の場合は製剤中に安定剤、防腐剤、
溶解補助剤等を使用することもできる。これらの補助剤
等を含むこともある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等に
よって固形製剤として用時調製の製剤としても良い。液
体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げること
ができるが、これらの製剤を調製する際、添加剤として
懸濁化剤、乳化剤等を使用することもできる。
【0034】本発明抗腫瘍剤は、哺乳類、特にヒトの癌
治療に用いることができ、ヒトに投与する場合、非経口
投与のときには、一般に1日当たり体表面積1m2につ
き約0.5mgから50mg、好ましくは約1mgから20mgの範囲
で一回投与し、3〜4週毎に繰り返すのが望ましい。経
口投与のときには、1日当たり体表面積1m2につき約
0.5mgから50mg、好ましくは約1mgから20mgの範囲で一
回投与し、適当な間隔で繰り返すのが望ましい。
【0035】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
する。
【0036】実施例1 (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイ
ドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インド
リジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオンの合成:
【0037】
【化7】
【0038】(1) 8-アセチルアミノ-1-テトラロン:1-
アセチルアミノテトラリン10gをアセトン400ml及び15%
硫酸マグネシウム水溶液40mlの混合溶媒に溶解した後、
0℃に保って過マンガン酸カリウム42gを加えさらに同
温度で20分間攪拌した。溶媒を濃縮して得られた残渣に
水800mlを加え析出物をクロロホルムで抽出した。抽出
液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、クロロホルムで展開し目的物を含
む画分を濃縮することにより、標記化合物5.46gを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:2.08-2.14(2H,m), 2.23(3H,s), 2.
70(2H,t,J=6.8Hz),2.97(2H,t,J=6.8Hz), 6.93(1H,d,J=
6.8Hz),7.44(1H,t,J=8.3Hz), 8.59(1H,d,J=8.3Hz)
【0039】(2) 8-アセチルアミノ-2-ハイドロキシイ
ミノ-1-テトラロン:カリウム第三級ブトキシド316mgを
テトラヒドロフラン(以下THFと略す)18mlに懸濁後窒
素気流下0℃に冷却して得られた反応液に、(1)で得ら
れた化合物500mg をTHF2mlに溶解した溶液を少量ずつ
加えた。同温で10分間攪拌後、亜硝酸ブチル0.35mlを加
え、50℃で1時間加熱攪拌した。反応液にジエチルエー
テルを加えた後、析出物を瀘取して得られる粉末を10%
塩酸水溶液に懸濁させ、酢酸エチルで抽出した。抽出液
を飽和食塩水で洗浄し硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに付し、酢酸エチル−ヘキサン(1:1)の混
合溶媒で展開し目的物を含む画分を濃縮することによ
り、標記化合物320mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3440, 1698, 1678, 1608, 1580,
1518 NMR(CDCl3中)δ:2.26(3H,s), 3.08(4H,s), 6.98(1
H,d,J=7.4Hz),7.53(1H,t,J=7.7Hz), 8.64(1H,d,J=8.5H
z) MASS m/z: 232(M+)
【0040】(3) 2,8-ジアセチルアミノ-1-テトラロ
ン:(2)で得られた化合物300mgを酢酸10ml及び無水酢酸
10mlの混合溶媒に溶解した溶液に、室温下亜鉛末1gを
加え、同温度で40分間攪拌した。不溶物を濾過により除
き、濾液を濃縮して得られた残渣を酢酸エチル及びヘキ
サンを用いて再結晶することにより、標記化合物263mg
を得た。 IRνmax KBr cm-1: 3280, 1660, 1596, 1516 NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.0(1H,m), 2.11(3H,s), 2.23
(3H,s),2.6-3.0(1H,m), 3.1-3.4(2H,m), 4.6-4.8(1H,
m),6.93(1H,d,J=6.8Hz), 7.49(1H,t,J=8.3Hz),8.59(1H,
d,J=8.3Hz) MASS m/z: 260(M+)
【0041】(4) 2-アセチルアミノ-8-アミノ-1-テトラ
ロン:(3)で得られた化合物245mgを3N塩酸水溶液40ml
に溶解し、60℃で1時間加熱攪拌した。反応液を0℃に
冷却後、炭酸ナトリウムで中和しクロロホルムで抽出し
た。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃縮し
て得られる残渣を酢酸エチル及びヘキサンを用いて再結
晶することにより、標記化合物150mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3424, 3304, 1668, 1632, 1558,
1508 NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.0(1H,m), 2.09(3H,s), 2.6-
3.2(3H,m),4.41-4.67(1H,m), 6.47-6.71(2H,m), 7.12-
7.26(1H,m) MASS m/z: 218(M+)
【0042】(5) (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-2,3
-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ
[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15
H)-ジオン:(4)で得られた化合物300mgをトルエン200ml
に溶かした溶液に(S)-4-エチル-4-ヒドロキシ-7,8-ジヒ
ドロ-1H-ピラノ[3,4-f]インドリジン-3,6,10(4H)-トリ
オン(以下トリオンと略す)361mgを加え、ディーンス
タークの装置を用い10分間加熱還流後、ピリジニウムp-
トルエンスルホネート(以下PPTSと略す)1mgを加え、
更に24時間加熱還流した。放冷後、トルエンを濃縮して
得られた残渣をクロロホルム−メタノール(10:1)の
混液300mlに懸濁し、不溶物を濾過により除いた。濾液
を濃縮して得られた残渣をメタノールを用いて粉末化す
ることにより、標記化合物336mgを得た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3452, 1750, 1660 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.2Hz),1.83-1.9
2(2H,m),1.94(3H,d,J=4Hz), 2.09-2.17(2H,m),3.14-3.
31(2H,m), 5.21(2H,d,J=5.6Hz),5.42(2H,d,J=5.6Hz),
5.58-5.61(1H,d),6.50(1H,br s), 7.35(1H,d,J=2.4Hz),
7.52(1H,d,J=7.2Hz), 7.79(1H,t,J=7.2Hz),8.02(1H,d,J
=8.7Hz), 8.52(1H,t,J=9.5Hz) MASS m/z: 445(M+)
【0043】実施例2 (9S)-1-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ
-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,
2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩の合成:
【0044】
【化8】
【0045】実施例(1)で得られた化合物300mgを6N-
塩酸水溶液100mlに加えて得られた反応液を4時間加熱
還流した。放冷後、反応液を濃縮して得られた残渣に水
100mlを加え、不溶物をFALCON7105(0.22μm)を用いて除
き、濾液を濃縮して得られた残渣を逆層高速液体クロマ
トグラフィー〔CAPCELL PAK C18(資生堂製);アセトニ
トリル:水:1N塩酸(20:80:2)で展開〕で精製
し、2種のジアステレオアイソマーを分離した。最初に
溶出する画分を濃縮して得られる残渣を、メタノール及
びアセトニトリルを用いて再沈殿することにより、標記
化合物(アイソマーA)74mgを得た。次いで2番目に溶
出する画分を同様に操作することにより、標記化合物
(アイソマーB)90mgを得た。なお、以下の実施例にお
いても同様に、逆層高速液体クロマトグラフィーにおい
て先に溶出するアイソマーをA、後に溶出するアイソマ
ーをBとする。 アイソマーA: 融点: 240℃以上(分解) [α]D 20=+178°(c=0.25,H2O中) IRνmax KBr cm-1: 3440, 1738, 1658 NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.2Hz), 1.85-1.94
(2H,m),2.17-2.23(1H,m), 3.20-3.23(1H,m),3.36-3.43
(1H,m), 5.12(1H,br s),5.42-5.46(3H,m), 5.94(1H,d,J
=19Hz), 6.53(1H,s),7.38(1H,s), 7.61(1H,d,J=7.2Hz),
7.85(1H,t,J=7.2Hz), 8.09(1H,d,J=8.8Hz),8.77(3H,br) MASS m/z: 403(M+) [α]D 20=-38°(c=0.25,H2O中) アイソマーB: 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3444, 1740, 1658 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.2Hz), 1.84-1.93
(2H,m),2.16-2.23(1H,m), 3.21-3.24(1H,m),3.38-3.45
(1H,m), 5.13(1H,br s), 5.42-5.49(3H,m),5.98(1H,d,J
=19Hz), 7.38(1H,s),7.61(1H,d,J=7.2Hz),7.86(1H,t,J=
7.2Hz), 8.09(1H,d,J=8.8Hz),8.77(3H,br) MASS m/z: 403(M+)
【0046】実施例3 (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイ
ドロキシ-4-メトキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':
6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオ
ンの合成:
【0047】
【化9】
【0048】(1) 2-ハイドロキシイミノ-5-メトキシ-8-
ニトロ-1-テトラロン:実施例1-(2)において、8-アセ
チルアミノ-1-テトラロンの代わりに5-メトキシ-8-ニト
ロ-1-テトラロン1.5gを用い、実施例1-(2)の場合と同
様に反応させ、後処理を行うことにより、標記化合物74
0mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3428, 3256, 1696, 1604, 1580,
1534 NMR(DMSO-d6中)δ:2.95(4H,s), 3.94(3H,s), 7.32
(1H,d,J=8.7Hz),7.78(1H,d,J=8.7Hz) MASS m/z: 251(M+)
【0049】(2) 2,8-ジアセチルアミノ-5-メトキシ-1-
テトラロン:実施例1-(3)において、8-アセチルアミノ
-2-ハドロキシイミノ-1-テトラロンの代わりに上記(1)
で得られた化合物500mgを用い、実施例1-(3)と同様に
反応させ、後処理を行うことにより、標記化合物225mg
を得た。 IRνmax KBr cm-1: 3432, 1696, 1642, 1532 NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.0(1H,m), 2.11(3H,s), 2.21
(3H,s),2.6-3.2(3H,m), 3.85(3H,s), 4.5-4.8(1H,m),7.
09(1H,d,J=9.2Hz), 8.55(1H,d,J=9.2Hz) MASS m/z: 290(M+)
【0050】(3) 2-アセチルアミノ-8-アミノ-5-メトキ
シ-1-テトラロン:実施例1-(4)において、2,8-ジアセ
チルアミノ-1-テトラロンの代わりに上記(2)で得られた
化合物200mgを用い、実施例1-(4)と同様に反応させ、
後処理を行うことにより、標記化合物130mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3444, 2940, 1632, 1564, 1534 NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.0(1H,m), 2.08(3H,s), 2.6-
3.4(3H,m),3.77(3H,s), 4.52-4.61(1H,m), 6.52(1H,d,J
=9.2Hz),6.98(1H,d,J=9.2Hz) MASS m/z: 248(M+)
【0051】(4) (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-2,3
-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メトキシ-1H,12H-ベンゾ
[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1
0,13(9H,15H)-ジオン:(3)で得られた化合物125mg及び
トリオン133mgを、実施例1-(5)と同様に24時間反応さ
せ、後処理を行うことにより、標記化合物207mgを得
た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3448, 1748, 1660, 1600 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,dt,J=3.2,7.2Hz), 1.84
-1.89(2H,m),1.92(3H,d,J=4.8Hz), 2.06-2.07(2H,m),3.
07-3.08(2H,m), 4.00(3H,s), 5.20(2H,d,J=4.8Hz),5.41
(2H,d,J=4.8Hz), 5.52-5.54(1H,m),6.48(1H,d,J=1.6H
z), 7.28(1H,d,J=2.4Hz),7.77(1H,d,J=9.5Hz), 8.08(1
H,d,J=9.5Hz),8.44(1H,t,J=9.5Hz) MASS m/z: 475(M+)
【0052】実施例4 (9S)-1-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ
-4-メトキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0053】
【化10】
【0054】実施例3-(4)で得られた化合物102mgを実
施例2と同様に6時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(50mg)及びアイソマー
B(44mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 240℃以上(分解) [α]D 20=+78°(c=0.25,H2O中) IRνmax KBr cm-1: 3448, 2936, 1740, 1658, 1598 NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.2Hz), 1.84-1.93
(2H,m),2.07-2.12(1H,m), 2.94-3.00(1H,m),3.25-3.33
(1H,m), 4.03(3H,s), 5.07(1H,br),5.40-5.44(3H,m),
5.91(1H,d,J=19Hz), 7.32(1H,s),7.83(1H,d,J=9.5Hz),
8.15(1H,d,J=8.8Hz),8.75(3H,br) MASS m/z: 433(M+) アイソマーB: 融点: 240℃以上(分解) [α]D 20=-34°(c=0.25,H2O中) IRνmax KBr cm-1: 3448, 1744, 1654 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.2Hz), 1.84-1.91
(2H,m),2.06-2.12(1H,m), 2.95-3.01(1H,m), 4.03(3H,
s),5.07(1H,br), 5.41-5.44(3H,br s),5.93(1H,d,J=19H
z), 7.32(1H,s),7.84(1H,d,J=9.5Hz),8.16(1H,d,J=8.8H
z), 8.78(3H,br) MASS m/z: 433(M+)
【0055】実施例5 (9S)-1-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-4,9-ジハイドロ
キシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジ
ノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩の合
成:
【0056】
【化11】
【0057】実施例3-(4)で得られた化合物90mgを、47
%臭化水素酸水溶液30mlに加え、3時間加熱還流後、減
圧下に溶媒を濃縮して得られた残渣に水30mlを加え、不
溶物をFALCON7105(0.22μm)を用いて除去した。濾液を
濃縮して得られた残渣を逆層高速液体クロマトグラフィ
ー〔CAPCELL PAK C18(資生堂製);アセトニトリル:
水:1N塩酸(20:80:2)で展開〕で精製することに
より、標記化合物をアイソマーA(34mg)及びアイソマ
ーB(35mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 240℃以上(分解) [α]D 20=+135°(c=0.2,H2O中) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.2Hz), 1.83-1.92
(2H,m),2.04-2.09(1H,m), 2.88-2.95(1H,m),3.20-3.24
(1H,m), 5.04(1H,br), 5.43(3H,m),5.89(1H,d,J=19Hz),
7.29(1H,s),7.61(1H,d,J=8.7Hz),7.99(1H,d,J=9.5Hz),
8.71(3H,br), 10.5(1H,br) MASS m/z: 419(M+) アイソマーB: 融点: 240℃以上(分解) [α]D 20=-6.0°(c=0.2,H2O中) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.2Hz), 1.84-1.91
(2H,m),2.07-2.09(1H,m), 2.88-2.95(1H,m),3.21-3.24
(1H,m), 5.05(1H,br), 5.39-5.47(3H,m),5.88(1H,d,J=1
9Hz), 7.29(1H,s),7.61(1H,d,J=8.7Hz),7.98(1H,d,J=8.
7Hz), 8.68(3H,br), 10.5(1H,br) MASS m/z: 419(M+)
【0058】実施例6 (9S)-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-4-メトキシ
-3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-1H,12H-ベン
ゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン
-10,13(9H,15H)-ジオンの合成:
【0059】
【化12】
【0060】(1) 4-ヒドロキシ-5-メトキシ-8-ニトロ-1
-テトラロン:5-メトキシ-8-ニトロ-1-テトラロン(特
開平1-279891号公報)2.0g及びN-ブロモコハク酸イミド
2.05gを50mlの四塩化炭素に加えた後、触媒量の過酸化
ベンゾイルを加え、4時間加熱還流した。反応混合物を
室温まで冷却した後、クロロホルム50mlを加え、10%水
酸化ナトリウム、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濃縮して得られ
た残渣に、テトラヒドロフラン5ml、エタノール5ml、
水8ml及び炭酸カルシウム250mgを加え、16時間加熱還
流後、溶媒を濃縮した。残渣に水50mlを加えクロロホル
ムで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し溶媒を濃縮した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エ
チル(4:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含む画分
を濃縮することにより、標記化合物1.49gを淡黄色粉末
として得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.2-2.4(2H,m), 2.5-2.7(2H,m),
3.0-3.2(1H,m),4.00(3H,s), 5.29(1H,s), 7.09(1H,d,J=
8.8Hz),7.52(1H,d,J=8.8Hz)
【0061】(2) 8-アミノ-5-メトキシ-4-(1,3-ジオキ
ソイソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:(1)で得られ
た化合物424mg、フタルイミド288mg、トリフェニルホス
フィン517mgを20mlの乾燥THFに加え、氷浴中で冷却しな
がら、0.34mlのアゾジカルボン酸ジエチル(以下DEADと
略す)のTHF溶液を徐々に加えた。同温で30分間攪拌
後、水30mlを加えクロロホルムで抽出した。クロロホル
ム層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し溶媒を留去した。残渣にジオキサン50ml及びエタノー
ル50mlを加え、10%パラジウム−炭素280mgを加えて接
触水素添加を行った後、触媒を瀘去し、瀘液を濃縮し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム−酢酸エチル(9:1)の混合溶媒で
展開し、目的物を含む画分を濃縮することにより、標記
化合物306mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.1-3.2(4H,m), 3.36(3H,s), 5.70
(1H,m),6.56(1H,d,J=9Hz), 6.86(1H,dJ=9Hz), 7.6-7.8
(4H,m)
【0062】(3) (9S)-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ヒド
ロキシ-4-メトキシ-3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-
イル)-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジ
ノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン:トルエン30
mlに(2)で得られた化合物306mg及びトリオン220mgを加
え、触媒量のPPTSを添加した後、デイーンスターク装置
を用いて6時間加熱還流した。反応液を冷却し、析出物
を瀘取することにより、標記化合物390mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.04(3H,t,J=7.6Hz), 1.8-2.0(2H,
m,), 2.3-2.4(1H,m),2.5-2.56(1H,m), 3.1-3.2(1H,m),
3.3-3.41(1H,m),3,87(3H,s), 5.25(2H,s), 5.31,5.75(2
H,ABq,J=15.9Hz),6.05(1H,m), 7.52(1H,d,J=9.5Hz), 7.
6-7.8(5H,m),8.28(1H,d,J=9.5Hz)
【0063】実施例7 (9S)-3-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-4
-メトキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0064】
【化13】
【0065】実施例6の(3)で得られた化合物224mgをク
ロロホルム14mlに溶解し、メタノール10mlを加えた後、
1.2mlのヒドラジン1水和物を加え2時間攪拌した。溶
媒を濃縮後、残渣に5N塩酸7mlを加え1時間加熱還流
した。冷後、水10mlを加え不溶物を瀘過により除き、瀘
液を濃縮して得られた残渣を、高速液体クロマトグラフ
ィー〔CAPCELL PAK C18;アセトニトリル−水−1N塩
酸(20:80:1)で展開〕で精製し、標記化合物をアイ
ソマーA(94mg)及びアイソマーB(80mg)として得
た。 アイソマーA: 融点: 215℃以上(分解) NMR(CD30D中)δ:1.00(3H,t,J=7.2Hz), 1.95(2H,m),
2.4-2.5(1H,m),2.5-2.6(1H,m), 3.2-3.4(2H,m), 4.12
(3H,s),5.17(1H,m), 5.23,5.32(2H,ABq,J=19.1Hz),5.3
7,5.55(2H,ABq,J=16.7Hz), 7.62(1H,s),7.85(1H,d,J=9.
5Hz), 8.28(1H,d,J=9.5Hz) アイソマーB: 融点: 180℃以上(分解) NMR(CD30D中)δ:1.01(3H,t,J=7.1Hz), 1.97(2H,m),
2.3-2.45(1H,m),2.5-2.6(1H,m), 3.2-3.4(2H,m), 4.16
(3H,s),5.18(1H,m), 5.25,5.38(2H,ABq,J=19.1Hz),5.3
9,5.57(2H,ABq,J=16.7Hz), 7.67(1H,s),7.89(1H,d,J=9.
5Hz), 8.31(1H,d,J=9.5Hz)
【0066】実施例8 (9S)-3-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-4,9-ジヒドロキ
シ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ
[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩の合
成:
【0067】
【化14】
【0068】実施例7で得たアイソマーA94mgを酢酸25
mlに溶かし、47%臭化水素酸20mlを加えた後、30時間加
熱還流した。溶媒を溜去した後、水10mlを加え、不溶物
を瀘去した。瀘液を高速液体クロマトグラフィー〔CAPC
ELL PAK C18;アセトニトリル−水−1N塩酸(20:8
0:1)で展開〕で精製し、目的物を含む画分を濃縮
後、残渣をメタノール−エタノール−酢酸エチルを用い
て再沈澱することにより、標記化合物をアイソマーA
(17mg)として得、これと同様の操作で、実施例7のア
イソマーB68mgから標記化合物をアイソマーB(11mg)
として得た。 アイソマーA: 融点: 170℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.2Hz), 1.82(2H,
m), 2.1-2.2(1H,m),2.4-2.6(1H,m), 3.15-3.35(2H,m),
4.93(1H,m),5.21,5.33(2H,ABq,J=19.1Hz),5.41,5.45(2
H,ABq,J=15.9Hz), 7.28(1H,s),7.64(1H,d,J=9.5Hz), 8.
20(1H,d,J=9.5Hz),8.25-8.35(3H,m) アイソマーB: 融点: 195℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.6Hz), 1.8-2.0(2
H,m), 2.1-2.2(1H,m),2.4-2.6(1H,m), 3.15-3.35(2H,
m), 4.94(1H,m),5.21,5.34(2H,ABq,J=19.1Hz), 5.43(2
H,s),7.28(1H,s), 7.65(1H,d,J=9.5Hz),8.10(1H,d,J=9.
5Hz), 8.25-8.35(3H,m)
【0069】実施例9 (9S)-2-アセチルアミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイ
ドロキシ-4-メトキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':
6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオ
ンの合成:
【0070】
【化15】
【0071】(1) 2-アセチルアミノ-8-メトキシテトラ
リン:8-メトキシ-2-テトラロン〔J. Chem. Soc., 2636
(1965)〕5.18gをメタノール100mlに溶解した溶液に、水
素化シアノホウ素ナトリウム560mg及び酢酸アンモニウ
ム4.86gを加え室温で89時間攪拌した。反応液を氷冷
し、濃塩酸でpHを1以下に調整後水500mlを加えエーテ
ルで洗浄後、水層を水酸化カリウムでpH10以上に調整
し、エーテルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を濃縮して得られた残渣を塩化メチレン50
mlに溶解した後、ピリジン2ml及び無水酢酸2.4mlを加
え室温にて1時間攪拌した。反応液を10%塩酸水溶液、
飽和重曹水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、溶媒を濃縮し残渣を酢酸エチル及びヘキ
サンを用いて再結晶することにより、標記化合物2.47g
を得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.75-2.11(2H,m), 1.98(3H,s), 2.
49-2.58(1H,m),2.79-3.32(3H,m), 3.80(3H,s), 4.21-4.
37(1H,m),6.62-6.76(2H,m), 7.12(1H,t,J=7.9Hz)
【0072】(2) 2-アセチルアミノ-8-メトキシ-5-ニト
ロテトラリン:無水酢酸20mlを0℃に冷却し、発煙硝酸
1.75mlをゆっくり加えさらに濃硫酸1滴を加えた溶液
に、(1)で得られた化合物2.2gを少量ずつ加え、20分間
攪拌した。次いで25%水酸化ナトリウム水溶液40mlを反
応液に加え30分間攪拌した。析出物を濾取し水で洗浄
後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を濃縮して
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、クロロホルム:メタノール=80:1の混合溶媒で
展開し目的物を含む画分を濃縮することにより、標記化
合物770mgを得た。 融点: 207-210℃ NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.2(2H,m), 2.01(3H,s), 2.3-
2.6(1H,m),3.10-3.24(3H,m), 3.89(3H,s), 4.26(1H,m),
6.76(1H,d,J=9.1Hz), 7.96(1H,d,J=8.9Hz)
【0073】(3) 2,5-ジアセチルアミノ-8-メトキシテ
トラリン:(2)で得られた化合物320mgを酢酸5mlと無水
酢酸5mlの混合溶媒に溶解後、10%パラジウム炭素80mg
を加え5時間接触水素添加を行う。触媒を濾過により除
き、瀘液を濃縮して得られた残渣をクロロホルムを用い
て再結晶することにより、標記化合物190mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.2(2H,m), 1.96(3H,s), 2.16
(3H,s),2.4-2.9(4H,m), 3.80(3H,s), 4.0-4.4(1H,m),6.
68(1H,d,J=8.5Hz), 7.18(1H,d,J=8.5Hz)
【0074】(4) 3,8-ジアセチルアミノ-5-メトキシ-1-
テトラロン:(3)で得られた化合物190mgをアセトン16ml
と15%硫酸マグネシウム水溶液4mlの混液に懸濁し、過
マンガン酸カリウム543mgを加えた後、室温で1.5時間攪
拌した。反応液に水150mlを加えクロロホルムで抽出
し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を濃縮して得られた残渣を酢酸エチル及び
ヘキサンを用いて再結晶することにより、標記化合物12
4mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.96(3H,s), 2.21(3H,s), 2.6-3.4
(4H,m), 3.84(3H,s),4.4-4.7(1H,m), 7.11(1H,d,J=9.2H
z),8.61(1H,d,J=9.2Hz)
【0075】(5) 3-アセチルアミノ-8-アミノ-5-メトキ
シ-1-テトラロン:(4)で得られた化合物102mgを3N−
塩酸水溶液20mlに加え、60℃で2時間加熱攪拌した。反
応液を0℃に冷却し炭酸ナトリウムで中和した後、クロ
ロホルムで抽出し、抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール
(40:1)で展開し、目的物を含む画分を濃縮すること
により、標記化合物66mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.94(3H,s), 2.51-3.34(4H,m), 3.
76(3H,s),4.06-4.75(1H,m), 6.55(1H,d,J=9.0Hz),7.00
(1H,d,J=9.0Hz)
【0076】(6) (9S)-2-アセチルアミノ-9-エチル-2,3
-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メトキシ-1H,12H-ベンゾ
[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1
0,13(9H,15H)-ジオン:(5)で得られた化合物126mg及び
トリオン134mgを実施例1-(5)と同様に24時間反応さ
せ、後処理することにより、標記化合物103mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3392,1748,1660,1600 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.85(3H,
s), 1.87-1.93(2H,m),2.67-2.81(1H,m), 3.02-3.09(1H,
m), 3.97(3H,s),4.22(1H,br), 5.09-5.25(2H,m), 5.37-
5.46(2H,m),6.47(1H,br s), 7.29(1H,s), 7.71(1H,d,J=
9.3Hz),8.03(1H,d,J=9.3Hz), 8.13(1H,br) MASS m/z: 475(M+)
【0077】実施例10 (9S)-2-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ
-4-メトキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0078】
【化16】
【0079】実施例9で得られた化合物48mgを実施例2
と同様に6時間反応させ、後処理することにより、標記
化合物42mgを得た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3440,1744,1658,1592 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.83-1.93
(2H,m),2.95-3.02(1H,m), 3.26-3.33(1H,m), 3.76(1H,b
r),4.00(3H,s), 5.15-5.26(2H,m), 5.43(2H,s),7.30(1
H,s), 7.77(1H,d,J=9.3Hz),8.09(1H,d,J=9.3Hz), 8.55
(3H,br) MASS m/z: 433(M+)
【0080】実施例11 (9S)-2-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-4,9-ジハイドロ
キシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジ
ノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩の合
成:
【0081】
【化17】
【0082】実施例9で得られた化合物46mgを実施例5
と同様に反応させ、後処理することにより、標記化合物
18mgを得た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3420,1742,1658,1590 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.85-1.92
(2H,m),2.91-2.98(1H,m), 3.24-3.31(1H,m), 3.75(1H,b
r),5.23(2H,d,J=6.4Hz), 5.42(2H,s), 7.27(1H,s),7.55
(1H,d,J=9.3Hz), 7.93(1H,d,J=8.8Hz),8.48(3H,br s),
10.5(1H,br s) MASS m/z: 419(M+)
【0083】実施例12 (9S)-1-アミノ-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-4
-メチル-12H-チイノ[4,3,2-de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0084】
【化18】
【0085】(1) 3,5-ジアセチルアミノ-8-メチル-4-チ
オクロマノン:153mgのカリウム-t-ブトキシドを含むTH
F溶液3mlに、窒素気流下0℃で攪拌しながら、5-アセ
チルアミノ-8-メチル-4-チオクロマノン〔J. Heterocyc
lic Chem., 11, 515(1974)〕291mgを含むTHF溶液9mlを
加え、5分間攪拌後、亜硝酸n-ブチル0.22mlを加え、室
温で1時間攪拌した。反応液にエーテル20mlを加え、1
時間攪拌した後、析出物を瀘取し、エーテルでよく洗浄
した。析出物を酢酸20mlと無水酢酸20mlの混液に溶か
し、室温で攪拌しながら、亜鉛末約200mgを徐々に加
え、更に0.5時間攪拌した。不溶物を瀘去後、溶媒を溜
去し、クロロホルム20mlを加え、水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去後、残さをシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エ
チル(4:1)の混合溶媒で展開して、目的物を含む画
分を濃縮することにより、標記化合物109mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.12(3H,s), 2.23(3H,s), 2.26(3
H,s),3.06(1H,dd,J=12.5Hz,13.7Hz),3.60(1H,dd,J=4.4H
z,12.5Hz),4.94(1H,ddd,J=4.4Hz,4.9Hz,13.7Hz), 6.82
(1H,m),7.29(1H,d,J=8.8Hz), 8.39(1H,d,J=8.8Hz)
【0086】(2)3-アセチルアミノ-5-アミノ-8-メチル-
4-チオクロマノン:(1)で得られた化合物109mgを6N塩
酸10mlに加え、90℃で20分間攪拌した。冷却後、水酸化
ナトリウム水溶液を加えアルカリ性とした後、クロロホ
ルムで抽出し、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エ
チル(4:1)の混合溶媒で展開して、目的物を含む画
分を濃縮することにより、標記化合物51mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.09(3H,s), 2.16(3H,s), 2.98(1
H,m), 3.60(1H,m),4.6-5.0(1H,m), 6.33(1H,d,J=9Hz),
702(1H,d,J=9Hz)
【0087】(3) (9S)-1-アミノ-9-エチル-1,2-ジヒト゛
ロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-12H-チイノ[4,3,2-de]ピラ
ノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,
15H)-ジオン・塩酸塩:(2)で得られた化合物45mg及びト
リオン47mgをトルエン10mlに加え、触媒量のPPTSを添加
後、デイーンスターク装置を用いて15時間加熱還流し
た。反応液を冷却し、溶媒を溜去後、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタ
ノール(98:2)で展開して、目的物を含む画分を濃縮
して得られた残渣に、6N塩酸10mlを加え4時間攪拌し
た。溶媒を濃縮後、水10mlを加え不溶物を瀘過により除
き、瀘液を高速液体クロマトグラフィー〔CAPCELL PAK
C18;アセトニトリル−水−1N塩酸(20:80:1)で
展開〕で精製し、標記化合物をアイソマーA(37mg)及
びアイソマーB(36mg)として得た。 アイソマーA: 融点: 210℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.8-1.95
(2H,m),3.5-3.65(2H,m), 5.38(1H,m),5.43,5.89(2H,AB
q,J=19.5Hz), 5.44(2H,s),6.53(1H,s), 7.34(1H,s), 7.
78(1H,d,J=8.3Hz),7.96(1H,d,J=8.3Hz), 8.88(3H,m) アイソマーB: 融点: 224℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.8-1.95
(2H,m),3.54(1H,dd,J=14.2Hz,1.5Hz),3.63(1H,dd,J=14.
2Hz,3.4Hz), 5.39(1H,m),5.45(2H,m), 5.47,5.92(2H,AB
q,J=19.5Hz),6.54(1H,s), 7.36(1H,s), 7.79(1H,d,J=8.
8Hz),7.97(1H,d,J=8.8Hz), 8.94(3H,m)
【0088】実施例13 (9S)-3-アミノ-4-フルオロ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-
ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イ
ンドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩
酸塩の合成:
【0089】
【化19】
【0090】(1) 2-フルオロシンナミックアシッド メ
チルエステル:2-フルオロ桂皮酸15gをメタノール100ml
中に懸濁させ、0℃に保って塩化チオニル1.7gをゆっく
りと加えた。滴下終了後0℃で30分間攪拌した後、室温
で更に4時間攪拌した。溶媒を濃縮して得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホ
ルムで展開し目的物を含む画分を濃縮することにより、
標記化合物17.8gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:3.82(3H,s), 6.54(1H,d,J=16.2H
z), 6.97-7.63(4H,m),7.82(1H,d,16.2Hz)
【0091】(2) 3-(2-フルオロフェニル)プロパノイッ
クアシッド メチルエステル:(1)で得られた化合物17.
8gをメタノール200mlに溶かし、6gの10%パラジウム−
炭素を触媒として接触水素添加を行った。触媒を瀘去し
溶媒を留去することにより、標記化合物14.7gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.53-2.72(2H,m), 2.8-3.1(2H,m),
3.67(3H,s),6.97-7.28(4H,m)
【0092】(3) 3-(2-フルオロフェニル)プロパノー
ル:2.2gのリチウムアルミニウムハイドライドを110ml
の乾燥THFに懸濁させ、室温で1時間攪拌した後、(2)で
得られた化合物5gのTHF溶液(40ml)を15分間かけて加
えた。室温で12時間攪拌した後、20mlの酢酸エチルを加
えて更に3時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液
5mlを加えて30分攪拌した後、析出物を瀘去した。瀘液
を水、飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を留去し、標記化合物4.27gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.1(2H,m), 2.75(2H,t,J=7.5H
z),3.68(2H,t,J=6.34Hz), 6.8-7.6(4H,m)
【0093】(4) 3-(2-フルオロフェニル)プロピル ト
シレート:乾燥ピリジン200mlに(3)で得られた化合物1
7.75gを溶解し、0℃でトシルクロリド24.25gをゆっく
りと加え、室温で3時間攪拌した。エーテル300mlを加
え水で洗浄した後、6N塩酸を酸性を示すまで加えて飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
溶媒を留去することにより、標記化合物31.3gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.8-2.2(2H,m), 2.45(3H,s), 2.68
(2H,t,J=7.8Hz),4.04(2H,t,J=6.2Hz), 6.8-7.4(4H.m),
7.33(2H,d,J=8Hz),7.79(2H,d,J=8Hz)
【0094】(5) 4-(2-フルオロフェニル)ブタノニトリ
ル:ジメチルスルホキシド(以下DMSOと略)35mlに9.89
gのシアン化ナトリウムを溶解させ、室温で(4)で得られ
た化合物31.2gのDMSO溶液70mlを滴下し12時間攪拌し
た。水500mlを加え、エーテル200mlで2回抽出した後、
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後溶媒を留去することにより、標記化合物15.4g
を得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.8-2.2(2H,m), 2.15-2.42(2H,m),
2.81(2H,t,J=7.65Hz), 6.8-7.3(4H.m)
【0095】(6) 4-(2-フルオロフェニル)ブタノイック
アシッド:5%水酸化ナトリウム水溶液400mlとジエチ
レングリコールモノエチルエーテル400mlの混液に(5)で
得られた化合物15.4gを加え、3.5時間加熱還流した後、
室温まで冷却しエーテルで洗浄した。水層に濃塩酸を加
え酸性にした後、酢酸エチル500mlで2回抽出し、抽出
液を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後溶媒を留去することにより、標記化合物1
5.9gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.75-2.15(2H,m), 2.28-2.55(2H,
m),2.71(2H,t,J=7.43Hz), 6.8-7.4(4H.m)
【0096】(7) 5-フルオロ-1-テトラロン:200gのポ
リリン酸を80℃に加温し攪拌しながら(6)で得られた化
合物15.9gを1時間かけて加え、さらに同温で1時間攪
拌した。反応液を氷水中に注ぎクロロホルムで抽出した
後、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和
食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後
溶媒を留去することにより、標記化合物14.1gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.16(2H,m), 2.67(2H,t,J=6.3Hz),
2.96(2H,t,J=6.3Hz),7.20-7.31(2H,m), 7.84(1H,d,J=
7.81Hz)
【0097】(8) 5-フルオロ-8-ニトロ-1-テトラロン:
濃硫酸100mlに(7)で得られた化合物14gを溶かし-5℃に
冷却した後、硝酸カリウム9.05gの濃硫酸溶液80mlを、
内温を5℃以下に保ちながら滴下した。滴下終了後さら
に30分間攪拌した後反応液を氷水中に注ぎクロロホルム
で抽出した後、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した後溶媒を留去した。残渣をメタノールから再
結晶することにより、標記化合物9.15gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.18-2.24(2H,m), 2.74(2H,t,J=6.
3Hz),2.99(2H,t,J=6.3Hz), 7.29(1H,t,J=8.3Hz),7.38(1
H,dd,J=4.4Hz,8.8Hz)
【0098】(9) 5-フルオロ-8-ニトロ-4-(1,3-ジオキ
ソイソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:四塩化炭素2
0mlに、(8)で得られた化合物323mg、N-ブロモスクシイ
ミド323mg及び触媒量の過酸化ベンゾイルを加え、4.5時
間加熱還流した。室温まで冷却した後クロロホルム30ml
を加え、冷3%水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩
水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒
を留去した。残渣を15mlのジメチルホルムアミド(以下
DMFと略)に溶かし0℃に冷却した後、100mgのアジ化ナ
トリウムを少量ずつ加え、0℃で30分間さらに室温で1
時間攪拌した後、水30mlを加えた。エーテルで2回抽出
した後、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル
(4:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃
縮することにより、4位アジド体308mgを得た。得られ
たアジド体にベンゼン10ml、トリフェニルホスフィン39
0mg、無水フタル酸220mgを加え、7時間加熱還流した
後、37mgのテトラ-n-ブチルアンモニウムシアニドを加
え、さらに12時間加熱還流した。室温まで冷却した後酢
酸エチル20mlを加え、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン
−酢酸エチル(2:1)の混合溶媒で展開し、目的物を
含む画分を濃縮することにより、標記化合物395mgを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:2.51-2.62(2H,m), 2,78-2.84(1H,
m), 3.06-3.10(1H,m),5.87(1H,t,J=5.0Hz), 7.28(1H,t,
J=8.8Hz),7.51(1H,dd,J=4.4Hz,8.8Hz), 7.74-7.78(2H,
m),7.82-7.87(2H,m)
【0099】(10) 8-アミノ-5-フルオロ-4-(1,3-ジオキ
ソイソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:(9)で得られ
た化合物320mgにジオキサン9mlとエタノール15mlを加
え、10%パラジウム−炭素290mgを加えて接触水素添加
を行った後、触媒を濾去し、濾液を濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−
酢酸エチル(2:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含
む画分を濃縮することにより、標記化合物206mgを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:2.3-2.55(2H,m), 2.61-2.70(1H,
m), 2.85-2.30(1H,m),5.78(1H,m), 6.59(1H,dd,J=4.4H
z,8.8Hz),6.96(1H,t,J=8.8Hz), 7.65-7.75(2H,m),7.75-
7.85(2H.m)
【0100】(11) (9S)-9-エチル-4-フルオロ-2,3-ジヒ
ドロ-9-ヒドロキシ-3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-
イル)-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジ
ノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン:トルエン10
mlに(10)で得られた化合物74mg及びトリオン66mgを実施
例1-(5)と同様に15時間反応させ、後処理することによ
り、標記化合物120mgを得た。 NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz), 1.89(2H,
m), 2.36(1H,m),2.45-2.5(1H,m), 3.25-3.4(2H,m), 5.3
4(2H,s),5.45(2H,s), 5.99(1H,m), 7.36(0.5H,s),7.37
(0.5H,s), 7.69(1H,t,J=9.3Hz), 7.86(4H,s),8.18(1H,d
d,J=5.4Hz,9.3Hz)
【0101】(12) (9S)-3-アミノ-4-フルオロ-9-エチル
-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラ
ノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,
15H)-ジオン・塩酸塩:(11)で得られた化合物120mgをク
ロロホルム7ml、メタノール5mlの混液に溶かし、ヒド
ラジン1水和物0.7mlを加え1時間加熱還流した。反応
液を濃縮乾固した後、残渣に4N塩酸7mlを加え1時間
加熱還流した。反応液を濃縮乾固した後、残渣に水10ml
を加え不溶物を濾去した。濾液を実施例7と同様の方法
で精製し、標記化合物をアイソマーA(32mg)及びアイ
ソマーB(20mg)として得た。 アイソマーA: 融点: 196℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz), 1.87(2H,
m), 2.15-2.30(1H,m),2.4-2.6(1H,m), 3.3-3.5(2H,m),
5.08(1H,m),5.26,5.40(2H,ABq,J=19.0Hz), 5.44(2H,s),
7.35(1H,s), 7.88(1H,t,J=9.3Hz),8.30(1H,dd,J=5.5Hz,
9.3Hz), 8.70(3H,m) アイソマーB: 融点: 215℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.15-2.30(1H,m),2.4-2.6(1H,m), 3.3-3.4(2H,m),
5.08(1H,m),5.28,5.40(2H,ABq,J=19Hz), 5.45(2H,s),
7.36(1H,s),7.89(1H,t,J=9.3Hz), 8.30(1H,dd,J=5.4Hz,
9.3Hz),8.65(3H,m)
【0102】実施例14 (9S)-3-アミノ-4-クロロ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハ
イドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0103】
【化20】
【0104】(1) 5-クロロ-8-ニトロ-4-(1,3-ジオキソ
イソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:四塩化炭素20m
lに5-クロロ-8-ニトロ-1-テトラロン403mg、N-ブロモス
クシイミド412mg及び触媒量の過酸化ベンゾイルを加
え、6時間加熱還流した。室温まで冷却した後クロロホ
ルム30mlを加え、冷3%水酸化ナトリウム水溶液、水、
飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後溶媒を留去した。残渣を10mlのDMFに溶かし0℃に
冷却した後、140mgのアジ化ナトリウムを少量ずつ加
え、0℃で30分さらに室温で1時間攪拌した後、水30ml
を加えた。エーテルで2回抽出した後水、飽和食塩水で
順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を留
去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)の混合溶媒で展
開し、目的物を含む画分を濃縮することにより、4位ア
ジド体450mgを得た。得られたアジド体にベンゼン20m
l、トリフェニルホスフィン487mg、無水フタル酸275mg
を加え、7時間加熱還流した後40mgのテトラ-n-ブチル
アンモニウムシアニドを加え、さらに12時間加熱還流し
た後溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(2:1)の
混合溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃縮することに
より、標記化合物356mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.40-2.48(1H,m), 2.56-2.67(1H,
m), 2.75-2.83(1H,m),2.96-3.75(1H,m), 5.83(1H,dd,J=
2.9Hz,4.9Hz),7.46(1H,d,J=8.3Hz), 7.63(1H,d,J=8.3H
z),7.74-7.78(2H,m), 7.82-7.84(2H,m)
【0105】(2) 8-アミノ-5-クロロ-4-(1,3-ジオキソ
イソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:(1)で得られた
化合物320mgにジオキサン9mlとエタノール15mlを加
え、10%パラジウム−炭素200mgを加えて接触水素添加
を行った後、触媒を濾去し、濾液を濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−
酢酸エチル(2:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含
む画分を濃縮することにより、標記化合物176mgを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:2.4-3.3(4H,m), 5.72(1H,m), 6.60
(1H,d,J=8.3Hz),7.17(1H,d,J=8.3Hz), 7.6-7.9(4H,m)
【0106】(3) (9S)-3-アミノ-4-クロロ-9-エチル-2,
3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ
[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15
H)-ジオン・塩酸塩:トルエン15mlに(2)で得られた化合
物176mg及びトリオン135mgを実施例1-(5)と同様に16時
間反応させ、後処理することにより、(9S)-9-エチル-4-
クロロ-2,3-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-3-(1,3-ジオキソイ
ソインドリン-2-イル)-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',
4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-
ジオン193mgを3位異性体の混合物として得た。得られ
た混合物171mgを実施例13-(12)と同様に処理することに
より、標記化合物をアイソマーA(63mg)及びアイソマ
ーB(59mg)として得た。 アイソマーA: 融点: 190℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.86(2H,
m), 2.24(1H,m),2.61(1H,m), 3.2-3.5(2H,m), 5.09(1H,
m),5.23,5.39(2H,ABq,J=19.5Hz), 5.44(2H,s),7.35(1H,
s), 7.98(1H,d,J=9.3Hz),8.23(1H,d,J=9.3Hz), 8.69(3
H,m) アイソマーB: 融点: 215℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.24(1H,m),2.54(1H,m), 3.3-3.5(2H,m), 5.12(1H,
m),5.27,5.42(2H,ABq,J=19.0Hz), 5.45(2H,s),7.36(1H,
s), 8.00(1H,d,J=9.3Hz),8.26(1H,d,J=9.3Hz), 8.56(3
H,m)
【0107】実施例15 (9S)-1-アセチルアミノメチル-4-クロロ-9-エチル-2,3-
ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ
[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15
H)-ジオンの合成:
【0108】
【化21】
【0109】(1) 8-アセチルアミノ-5-クロル-2-ハイド
ロキシメチレン-1-テトラロン:ギ酸エチル8mlを氷冷
攪拌下、60%水素化ナトリウム960mgを加え、室温に戻
して5分後、8-アセチルアミノ-5-クロル-1-テトラロン
1.43gをジメトキシエタン30mlに溶解した溶液を徐々に
加え、さらにエタノール0.06mlを加えて30分間攪拌し
た。反応液を14%塩化ナトリウム水溶液300mlに注ぎ、
酢酸エチルを加えて抽出し、10%クエン酸水溶液、飽和
食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、残
渣にエーテルを加えて析出物を濾取して標記化合物1.30
gを得た。 IRνmax KBr cm-1: 1650, 1574, 1502, 1194 NMR(CDCl3中)δ:2.23(s,3H), 2.49(t,2H,J=7Hz),
3.03(t,2H,J=7Hz),7.50(d,1H,J=9Hz), 8.56(d,1H,J=9H
z) MASS m/z: 265(M+), 267(M++2)
【0110】(2) 9-アセチルアミノ-6-クロロ-4,5-ジヒ
ドロナフト[1,2-d]イソオキサゾール:(1)で得られた化
合物1.29gを酢酸30mlに溶解し、ヒドロキシルアミン・
塩酸塩339mgを加え、120℃で10分間加熱攪拌した。反応
液を冷却後、水を加えて析出物を濾取し、水、ヘキサン
で洗浄して標記化合物1.1gを得た。 IRνmax KBr cm-1: 1664, 1524, 1390, 1288 NMR(CDCl3中)δ:2.29(s,3H), 2.80(t,2H,J=8Hz),
3.18(t,2H,J=8Hz),7.37(d,1H,J=9Hz), 8.25(s,1H), 8.3
0(d,1H,J=9Hz),8.80(s,1H) MASS m/z: 262(M+), 264(M++2)
【0111】(3) 8-アセチルアミノ-5-クロル-2-シアノ
-1-テトラロン:(2)で得られた化合物1.54gを無水エタ
ノール20mlに溶解し攪拌下、ソジウムメトキサイド460m
gを無水エタノール50mlに溶解した溶液を徐々に加えた
後、3時間室温で攪拌した。反応液に、1N塩酸10ml及
び水を加えた後、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮して標記化合
物1.36gを得た。 IRνmax KBr cm-1: 2251, 1702, 1658, 1598, 1522 NMR(CDCl3中)δ:2.26(s,3H), 2.3-2.7(m,2H), 2.9-
3.5(m,2H),3.83(dd,1H,J=12Hz,5Hz), 7.61(d,1H,J=9H
z),8.70(d,1H,J=9Hz), 11.56(s,1H) MASS m/z: 262(M+), 264(M++2)
【0112】(4) 8-アセチルアミノ-2-アセチルアミノ
メチル-5-クロル-1-テトラロン:(3)で得られた化合物
1.36gを用いて、実施例28-(3)と同様に反応させ、後処
理を行うことにより、標記化合物1.20gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.01(s,3H), 2.25(s,3H), 1.7-2.4
(m,2H),2.6-3.0(m,2H), 3.1-3.6(m,2H), 3.6-3.8(m,1
H),6.23(br.s,1H), 7.52(d,1H,J=9Hz), 8.60(d,1H,J=9H
z),11.89(s,1H) MASS m/z: 308(M+), 310(M++2)
【0113】(5) 2-アセチルアミノメチル-8-アミノ-5-
クロル-1-テトラロン:実施例1-(4)において、2,8-ジ
アセチルアミノ-1-テトラロンの代わりに上記(4)で得ら
れた化合物1.20gを用い、実施例1-(4)と同様に反応さ
せ、後処理することにより、標記化合物823mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.98(s,3H), 1.7-2.3(m,2H), 2.5-
3.0(m,2H),3.0-3.5(m,2H), 3.7-3.9(m,1H), 6.37(br.s,
2H),6.48(d,1H,J=9Hz), 7.23(d,1H,J=9Hz) MASS m/z: 266(M+), 268(M++2)
【0114】(6) (9S)-1-アセチルアミノメチル-4-クロ
ロ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベ
ンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリ
ン-10,13(9H,15H)-ジオン:(5)で得られた化合物820mg
及びトリオン808mgを実施例1-(5)と同様に24時間反応
後、反応液を濃縮し、残渣に酢酸20mlを加え、110℃で
6時間加熱攪拌した。反応液を濃縮し、得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホ
ルム−メタノール(40:1)の混合溶媒で展開し目的物
を含む画分を濃縮することにより、標記化合物420mgを
得た。 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.87(s,3H),
1.7-2.0(m,2H),2.2-3.6(m,7H), 5.37(s, 2H), 5.45(s,
2H),6.52(br.s,2H), 7.34(s,1H), 7.88(d,1H,J=9Hz),8.
04(d,1H,J=9Hz) MASS m/z: 493(M+), 495(M++2)
【0115】実施例16 (9S)-1-アミノメチル-4-クロロ-9-エチル-2,3-ジヒドロ
-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]
インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・
塩酸塩の合成:
【0116】
【化22】
【0117】実施例15-(6)で得られた化合物100mgを実
施例2と同様に8時間反応させ、後処理することによ
り、標記化合物をアイソマーA(25mg)及びアイソマー
B(22mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 230-240℃(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.8-2.0(m,2
H), 1.9-3.8(m,7H),5.32,5.48(ABq,2H,J=17Hz), 5.46
(s,2H),6.56(br.s,1H), 7.35(s,1H), 7.91(d,1H,J=9H
z),8.07(d,1H,J=9Hz), 8.14(s,3H) MASS m/z: 451(M+), 453(M++2) アイソマーB: 融点: 250-255℃(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.8-2.0(m,2
H), 1.9-3.8(m,7H),5.32,5.48(ABq,2H,J=19Hz), 5.45
(s,2H),6.57(br.s,1H), 7.35(s,1H), 7.90(d,1H,J=9H
z),8.06(d,1H,J=9Hz) MASS m/z: 451(M+), 453(M++2)
【0118】実施例17 (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ハイ
ドロキシ-4-メチル-3H,12H-ピラノ[3',4':6,7]インドリ
ジノ[1,2-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフチリジン-10,13(9H,15
H)-ジオンの合成:
【0119】
【化23】
【0120】(1) 1-アセチル-5-アセチルアミノー8-メチ
ル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:5-アミノー8-メチル-
2,3-ジヒドロキノリン-4-オン(特開平1-279891号公
報)7.0gをジクロルメタン30ml及びジオキサン80mlの混
合溶媒に溶解した後、アセチルクロライド15mlを加え、
2時間加熱還流した。溶媒を濃縮して得られた残渣に酢
酸エチル200mlを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を濃縮し、残渣をエーテルを用いて再結晶する
ことにより、標記化合物7.45gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.95(s,3H), 2.23(s,3H), 2.27(s,
3H), 2.0-5.5(m,5H),7.45(d,1H,J=8Hz), 8.59(d,1H,J=8
Hz)
【0121】(2) 1-アセチル-5-アセチルアミノ-3-ハイ
ドロキシイミノー8-メチル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オ
ン:実施例1-(2)において、8-アセチルアミノ-1-テト
ラロンの代わりに上記(1)で得られた化合物2.6gを用
い、実施例1-(2)と同様に反応させ、後処理を行うこと
により、標記化合物2.89gを得た。 融点: 195-205℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1674, 1590, 1518, 1404 NMR(CDCl3中)δ:2.24(s,9H), 1.8-5.5(m,3H), 7.54
(d,1H,J=8Hz),8.62(d,1H,J=8Hz) MASS m/z: 289(M+)
【0122】(3) 1-アセチル-3,5-ジアセチルアミノ-8-
メチル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:実施例1-(3)に
おいて、8-アセチルアミノ-2-ハイドロキシイミノ-1-テ
トラロンの代わりに上記(2)で得られた化合物2.89gを用
い、実施例1-(3)と同様に反応させ、後処理を行うこと
により、標記化合物1.65gを得た。 融点: 216-221℃ IRνmax KBr cm-1: 1662, 1594, 1518 NMR(CDCl3中)δ:2.12(s,3H), 2.23(s,6H), 2.54(s,
3H), 3.3-5.0(m,1H),6.1-6.6(br.s,1H), 7.44(d,1H,J=8
Hz),7.60(d,1H,J=8Hz) MASS m/z: 317(M+)
【0123】(4) 3-アセチルアミノ-5-アミノ-8-メチル
-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:実施例1-(4)におい
て、2,8-ジアセチルアミノ-1-テトラロンの代わりに上
記(3)で得られた化合物1.40gを用い、実施例1-(4)と同
様に反応させ、後処理を行うことにより、標記化合物0.
79gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.01(s,3H), 2.08(s,3H), 3.0-4.5
(m,3H),5.89(d,1H,J=8Hz), 6.95(d,1H,J=8Hz),5.7-6.8
(br.s,2H) MASS m/z: 233(M+)
【0124】(5) (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-1,2
-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-3H,12H-ピラノ
[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフ
チリジン-10,13(9H,15H)-ジオン:(4)で得られた化合物
790mgにトリオン900mg、PPTS3mg及び酢酸20mlを加えた
後、窒素気流中で7時間、100℃で加熱攪拌した。反応
液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、クロロホルム−メタノール(20:1)の混合
溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃縮することによ
り、標記化合物210mgを得た。 融点: 225-235℃ IRνmax KBr cm-1: 1746, 1658, 1596, 1156 NMR(DMSO-d6中)δ:0.87(t,3H,J=7Hz), 1.8-2.0(m,2
H),1.90,1.91(each s,3H), 2.30(s,3H),5.16,5.25(ABq,
2H,J=18Hz), 5.42(s,2H),5.3-5.6(m,1H), 6.17(br.s,1
H), 7.26(s,1H),7.36(d,1H,J=8Hz), 7.52(d,1H,J=8Hz) MASS m/z: 460(M+)
【0125】実施例18 (9S)-1-アミノ-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ハイドロキシ
-4-メチル-3H,12H-ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2
-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフチリジン-10,13(9H,15H)-ジオ
ン・塩酸塩の合成:
【0126】
【化24】
【0127】実施例17-(5)で得られた化合物400mgを実
施例2と同様に4時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(80mg)及びアイソマー
B(55mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 230-250℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1756, 1658, 1614 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.7-2.0(m,2
H), 2.35(s,3H),3.50,3.87(each d,1H,J=12Hz), 5.0-5.
2(m,1H),5.44(s,2H), 5.37,5.83(ABq,2H,J=10Hz), 7.31
(s,1H),7.44(d,1H,J=8Hz), 7.59(d,1H,J=8Hz), 8.77(b
r.s,3H) MASS m/z: 418(M+) アイソマーB: 融点: 220-240℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1746, 1658, 1592 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.7-2.0(m,2
H), 2.35(s,3H),3.50,3.86(each d,1H,J=12Hz), 5.0-5.
2(m,1H),5.45(s,2H), 5.39,5.79(ABq,2H,J=9Hz),6.3-6.
5(br,1H), 6.54(s,1H), 7.32(s,1H),7.45(d,1H,J=8Hz),
7.60(d,1H,J=8Hz), 8.70(br.s,3H) MASS m/z: 418(M+)
【0128】実施例19 (9S)-1-アセチルアミノ-4-クロロ-9-エチル-2,3-ジヒド
ロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,
7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン
の合成:
【0129】
【化25】
【0130】(1) 2,8-ジアセチルアミノ-5-クロロ-1-テ
トラロン:実施例1-(2)において、8-アセチルアミノ-1
-テトラロンの代わりに8-アセチルアミノ-5-クロロ-1-
テトラロン600mgを用い、実施例1-(2)の場合と同様に
反応させ、後処理を行い8-アセチルアミノ-5-クロロ-2-
ハイドロキシイミノ-1-テトラロンを粗製し、次いで得
られた化合物を実施例1-(3)と同様に反応させ、後処理
を行うことにより、標記化合物304mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3296, 1652, 1574, 1464 NMR(CDCl3中)δ:1.75-2.04(1H,m), 2.12(3H,s), 2.
23(3H,s),2.70-3.18(3H,m), 4.55-4.83(1H,m), 6.4(1H,
br),7.55(1H,d,J=9.0Hz), 8.61(1H,d,9.2Hz) MASS m/z: 294(M+)
【0131】(2) 2-アセチルアミノ-8-アミノ-5-クロロ
-1-テトラロン:実施例1-(4)において、2,8-ジアセチ
ルアミノ-1-テトラロンの代わりに上記(1)で得られた化
合物270mgを用い、実施例1-(4)と同様に反応させ、後
処理を行うことにより、標記化合物160mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3448, 1614, 1458 NMR(CDCl3中)δ:1.73-1.87(1H,m), 2.09(3H,s), 2.
66-3.15(3H,m),4.53-4.74(1H,m)6.50(1H,d,J=9.0Hz),7.
26(1H,d,J=9.0Hz) MASS m/z: 252(M+)
【0132】(3) (9S)-1-アセチルアミノ-4-クロロ-9-
エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[d
e]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,
13(9H,15H)-ジオン:(2)で得られた化合物130mg及びト
リオン136mgを実施例1-(5)と同様に24時間反応させ、
後処理を行うことにより、標記化合物174mgを得た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3416, 1660, 1494 NMR(DMSO-d6中)δ:0.86-0.90(3H,m), 1.85-1.89(2
H,m), 1.91(3/2H,s),1.92(3/2H,s), 2.16(2H,br s), 3.
24(2H,br s),5.18-5.30(2H,m), 5.43(2H,s), 5.57-5.62
(1H,m),6.52(1H,s), 7.33(1H,s), 7.89(1H,d,J=8.8Hz),
8.05(1H,d,J=8.8Hz), 8.46-8.50(1H,m) MASS m/z: 479(M+)
【0133】実施例20 (9S)-1-アミノ-4-クロロ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハ
イドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0134】
【化26】
【0135】実施例19-(3)で得られた化合物124mgを実
施例2と同様に6時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(8.2mg)及びアイソマ
ーB(8.2mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 240℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=6.8Hz), 1.81-1.92
(2H,m),2.18-2.25(1H,m), 3.16-3.25(1H,m), 5.13(1H,b
r),5.45-5.49(3H,m), 5.95(1H,d,J=19Hz), 6.56(1H,s),
7.37(1H,s), 7.97(1H,d,J=9.3Hz),8.13(1H,d,J=9.3Hz),
8.79(1H,br) アイソマーB: 融点: 240℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.81-1.92
(2H、m),2.18-2.25(1H,m), 3.16-3.25(1H,m), 5.14(1H,b
r),5.46-5.50(3H,m), 5.90(1H,d,J=19Hz), 6.56(1H,s),
7.38(1H,s), 7.98(1H,d,J=9.3Hz),8.14(1H,d,J=9.3Hz),
8.66(1H,br)
【0136】実施例21 (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-4-フルオロ-2,3-ジヒ
ドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':
6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオ
ンの合成:
【0137】
【化27】
【0138】(1) 2,8-ジアセチルアミノ-5-フルオロ-1-
テトラロン:実施例1-(2)において、8-アセチルアミノ
-1-テトラロンの代わりに8-アセチルアミノ-5-フルオロ
-1-テトラロン600mgを用い、実施例1-(2)の場合と同様
に反応させ、後処理を行い8-アセチルアミノ-5-フルオ
ロ-2-ハイドロキシイミノ-1-テトラロンを粗製し、次い
で得られた化合物を実施例1-(3)と同様に反応させ、後
処理を行うことにより、標記化合物372mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3264, 1698, 1614, 1538, 1400 NMR(CDCl3中)δ:1.83-2.04(1H,m), 2.11(3H,s), 2.
22(3H,s),2.65-3.19(3H,m), 4.61-4.82(1H,m), 6.5(1H,
br s),7.26(1H,t,J=9.2Hz), 8.62(1H,dd,J=4.6,9.6Hz) MASS m/z: 278(M+)
【0139】(2) 2-アセチルアミノ-8-アミノ-5-フルオ
ロ-1-テトラロン:実施例1-(4)において、2,8-ジアセ
チルアミノ-1-テトラロンの代わりに上記(1)で得られた
化合物300mgを用い、実施例1-(4)と同様に反応させ、
後処理を行うことにより、標記化合物182mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3428, 2960, 1622, 1472 NMR(CDCl3中)δ:1.73-1.88(1H,m), 2.10(3H,s), 2.
69-3.08(3H,m),4.49-4.69(1H,m)6.43-6.54(1H,m),7.06
(1H,t,J=8.8Hz) MASS m/z: 236(M+)
【0140】(3) (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-4-
フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ
[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1
0,13(9H,15H)-ジオン:(2)で得られた化合物160mg及び
トリオン179mgを実施例1-(5)と同様に24時間反応さ
せ、後処理を行うことにより、標記化合物224mgを得
た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3292, 2944, 1750, 1660, 1598 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=8.8Hz), 1.82-1.92
(2H,m), 1.93(3H,s),2.09-2.14(2H,m), 3.16-3.19(2H,
m),5.18-5.29(2H,m), 5.43(2H,s)5.57-5.62(1H,m),6.51
(1H,s), 7.33(1H,s), 7.78(1H,t,J=9.3Hz),8.11(1H,dd,
J=5.4,9.3Hz), 8.51(1H,d,J=8.8Hz) MASS m/z: 463(M+)
【0141】実施例22 (9S)-1-アミノ-9-エチル-4-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-
ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イ
ンドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩
酸塩の合成:
【0142】
【化28】
【0143】実施例21-(3)で得られた化合物180mgを実
施例2と同様に5時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(10mg)及びアイソマー
B(14mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 240℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.81-1.94
(2H,m),2.13-2.21(1H,m), 3.14-3.22(1H,m), 5.13(1H,b
r),5.43-5.48(3H,m), 5.92(1H,d,J=19Hz), 6.55(1H,s),
7.37(1H,s), 7.85(1H,t,J=9.3Hz),8.18(1H,dd,J=5.4,9.
3Hz), 8.68(1H,br) アイソマーB: 融点: 240℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.83-1.93
(2H,m),2.16-2.20(1H,m), 3.15-3.25(1H,m), 5.16(1H,b
r),5.45-5.50(3H,m), 5.95(1H,d,J=19Hz), 7.37(1H,s),
7.85(1H,t,J=9.3Hz), 8.19(1H,dd,J=5.4,9.3Hz),8.81(1
H,br)
【0144】実施例23 (9S)-1-アセチルアミノ-4-シアノ-9-エチル-2,3-ジヒド
ロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,
7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン
の合成:
【0145】
【化29】
【0146】(1) 2,8-ジアセチルアミノ-5-シアノ-1-テ
トラロン:実施例1-(2)において、8-アセチルアミノ-1
-テトラロンの代わりに8-アセチルアミノ-5-シアノ-1-
テトラロン1gを用い、実施例1-(2)の場合と同様に反
応させ、後処理を行い8-アセチルアミノ-5-シアノ-2-ハ
イドロキシイミノ-1-テトラロンを粗製し、次いで得ら
れた化合物を実施例1-(3)と同様に反応させ、後処理を
行うことにより、標記化合物270mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3292, 2228, 1708, 1666, 1588,
1518 NMR(CDCl3中)δ:1.71-2.05(1H,m), 2.12(3H,s), 2.
27(3H,s),2.66-3.43(3H,m), 4.60-4.87(1H,m), 6.3(1H,
br),7.77(1H,d,J=8.7Hz), 8.78(1H,d,J=9.0Hz) MASS m/z: 285(M+)
【0147】(2) 2-アセチルアミノ-8-アミノ-5-シアノ
-1-テトラロン:実施例1-(4)において、2,8-ジアセチ
ルアミノ-1-テトラロンの代わりに上記(1)で得られた化
合物250mgを用い、実施例1-(4)と同様に反応させ、後
処理を行うことにより、標記化合物182mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3428, 3336, 2216, 1652, 1614,
1542 NMR(CDCl3中)δ:1.6-2.0(1H,m), 2.09(3H,s), 2.56
-3.39(3H,m),4.51-4.71(1H,m), 6.59(1H,d,J=9.0Hz),7.
40(1H,d,J=9.0Hz) MASS m/z: 243(M+)
【0148】(3) (9S)-1-アセチルアミノ-4-シアノ-9-
エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[d
e]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,
13(9H,15H)-ジオン:(2)で得られた化合物165mg及びト
リオン179mgを実施例1-(5)と同様に43時間反応させ、
後処理を行うことにより、標記化合物135mgを得た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3296, 2940, 2228, 1752, 1662,
1602 NMR(DMSO-d6中)δ:0.86-0.90(3H,m), 1.81-1.91(2
H,m), 1.93(3/2H,s),1.94(3/2H,s), 2.16-2.34(2H,m),
3.38-3.51(2H,m),5.20-5.31(2H,m), 5.43-5.44(2H,m),
5.61-5.66(1H,m), 6.55(1H,s), 7.37(1/2H,s),7.38(1/2
H,s), 8.09(1H,d,J=8.8Hz),8.14(1H,d,J=8.8Hz), 8.51-
8.54(1H,m) MASS m/z: 470(M+)
【0149】実施例24 (9S)-1-アミノ-4-シアノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハ
イドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0150】
【化30】
【0151】実施例21-(3)で得られた化合物124mgを実
施例2と同様に3時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(29mg)及びアイソマー
B(30mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3428, 2928, 2232, 1740, 1660,
1600 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=6.8Hz), 1.87-1.91
(2H,m),2.2-2.4(1H,m), 2.6-2.7(1H,m), 3.4-3.6(2H,
m),5.18(1H,br), 5.46-5.51(3H,m), 5.96(1H,d,J=19H
z),6.58(1H,s), 7.42(1H,s), 8.17(1H,d,J=8.8Hz),8.22
(1H,d,J=8.8Hz), 8.79(1H,br) MASS m/z: 428(M+) アイソマーB: 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 2884, 2228, 1754, 1658, 1590 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.83-1.94
(2H,m),2.26-2.33(1H,m), 2.54-2.68(1H,m),3.38-3.57
(2H,m), 5.20(1H,br), 5.47-5.52(3H,m),5.97(1H,d,J=1
9Hz), 6.58(1H,s), 7.38(1H,s),8.18(1H,d,J=8.8Hz),
8.23(1H,d,J=8.8Hz),8.85(1H,br) MASS m/z: 428(M+)
【0152】実施例25 (9S)-9-エチル-9-ハイドロキシ-2-スルホニル-2,3-ジヒ
ドロ-1H,12H-ベンゾ[de][3',4':6,7]インドリジノ[1,2-
b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオンの合成:
【0153】
【化31】
【0154】3-スルホニル-8-アミノ-1-テトラロン〔An
n., 638, 43-56(1960)〕500mg及びトリオン355mgを実施
例17-(5)と同様に16時間反応させた。放冷後、反応液を
濃縮し、残渣を水で希釈後、ダイヤイオンHP-20による
カラムクロマトグラフィーに付し、25%エタノール水溶
液で展開して、目的物を含む画分を濃縮することによ
り、標記化合物220mgを得た。 融点: 190-200℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1744, 1660, 1164, 1038 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(t,3H,J=7Hz), 1.8-2.0(m,2
H), 2.9-3.6(m,5H),5.1-5.4(ABq,2H), 5.43(s,2H), 6.5
0(br,1H),7.31,7.32(each s,1H), 7.49(d,1H,J=7Hz),7.
73(t,1H,J=7Hz), 7.96(d,1H,J=7Hz) MASS m/z: 468(M+)
【0155】実施例26 (9S)-1,4-ジアミノ-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ヒドロキ
シ-12H-チイノ[4,3,2-de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジ
ノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩の合
成:
【0156】
【化32】
【0157】(1) 8-アセチルアミノ-5-ベンジルオキシ
カルボニルアミノ-4-チオクロマノン:40mlのジクロロ
メタンに570mgの8-アセチルアミノ-5-アミノ-4-チオク
ロマノン及び1mlのピリジンを加え、0℃で攪拌しなが
らカルボベンゾイルクロリド0.69mlを加え一時間攪拌し
た。反応液を希塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を留去した。残渣を
メタノールから再結晶して、標記化合物710mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.21(3H,s), 3.03(2H,m), 3.16(2
H,m), 5.21(2H,s),6.97(1H,br.s), 7.3-7.5(5H,m), 7.7
9(1H,d,J=8.8Hz),8.30(1H,d,J=8.8Hz), 11.60(1H,br.s)
【0158】(2) 3,8-ジアセチルアミノ-5-アミノ-4-チ
オクロマノン:168mgのカリウム-t-ブトキシドを含むTH
F溶液5mlに、窒素気流下0℃で攪拌しながら、(1)で得
られた化合物370mgを含むTHF溶液5mlを加え、5分間攪
拌後、亜硝酸n-ブチル0.24mlを加え、室温で1時間攪拌
した。反応液にエーテル20mlを加え1時間攪拌後、析出
物を瀘取し、エーテルでよく洗浄した。析出物を酢酸20
mlと無水酢酸20mlの混液に溶かし、室温で攪拌しなが
ら、亜鉛末約200mgを徐々に加え、更に30分間攪拌し
た。不溶物を瀘去後、溶媒を溜去し、クロロホルム20ml
を加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水の順で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を溜去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)の混合溶
媒で展開して、目的物を含む画分を濃縮した。残渣をジ
オキサン−メタノール(1:1)の混合溶媒20mlに溶か
し、5%パラジウム−炭素100mgを用いて接触水素添加
を行う。触媒を瀘去した後、溶媒を留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢
酸エチル(4:1)の混合溶媒で展開して、目的物を含
む画分を濃縮することにより、標記化合物23mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.10(3H,s), 2.19(3H,s), 2.99(1
H,t,J=13Hz),3.56(1H,dd,J=4Hz,12Hz), 4.79(1H,dt,J=4
Hz,13Hz),6.40(1H,d,J=8.8Hz)6.85(1H,m), 6.92(1H,d,J
=4Hz),7.35(1H,d,J=8.8Hz)
【0159】(3) (9S)-1,4ジアミノ-9-エチル-1,2-ジヒ
ドロ-9-ヒドロキシ-12H-チイノ[4,3,2-de]ピラノ[3',
4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-
ジオン・塩酸塩:(2)で得られた化合物23mg及びトリオ
ン20mgをトルエン5mlに加え、触媒量のPPTSを添加後、
デイーンスターク装置を用いて20時間加熱還流した。反
応液を冷却し、溶媒を溜去後、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール
(95:5)で展開して、目的物を含む画分を濃縮して得
られた残渣に、6N塩酸4mlを加え1.5時間攪拌した。
溶媒を濃縮後、水4mlを加え不溶物を瀘過により除き、
瀘液を高速液体クロマトグラフィー〔CAPCELL PAKC1
8;アセトニトリル−水−1N塩酸(20:80:1)で展
開〕で精製し、標記化合物をアイソマーA(10mg)及び
アイソマーB(7.4mg)として得た。 アイソマーA: 融点: 220℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.86(2H,
m),3.34(1H,d,J=14.0Hz), 3.50(1H,dd,J=14.0Hz,3.2H
z),5.29(1H,m), 5.36,5.76(2H,ABq,J=19.5Hz),5.43(2H,
s), 6.11(2H,s), 6.49(1H,s), 7.22(1H,s),7.42(1H,d,J
=9.3Hz), 7.82(1H,d,J=9.3Hz),8.66(3H,m) アイソマーB: 融点: 220℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.87(2H,
m),3.35(1H,d,J=13.7Hz), 3.48(1H,dd,J=13.7Hz,3.0H
z),5.28(1H,m), 5.35,5.74(2H,ABq,J=19.5Hz),5.43(2H,
s), 6.11(2H,s), 6.49(1H,s), 7.22(1H,s),7.41(1H,d,J
=9.3Hz), 7.82(1H,d,J=9.3Hz),8.61(3H,m)
【0160】実施例27 (9S)-3-(2-アセチルアミノエチル)-9-エチル-1,2-ジヒ
ドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-3H,12H-ピラノ[3',4':
6,7]インドリジノ[1,2-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフチリジン
-10,13(9H,15H)-ジオンの合成:
【0161】
【化33】
【0162】(1) 5-アセチルアミノ-8-メチル-2,3-ジ
ヒドロキノリン-4-オン:5-アミノ-8-メチル-2,3-ジヒ
ドロキノリン-4-オン2.0gをジクロルメタン20ml及びピ
リジン1.3mlの混合溶媒に溶解し、氷冷攪拌下アセチル
クロライド1.2mlを加えて、4時間攪拌した。反応液に
水を加え、クロロホルムで抽出後、飽和食塩水で洗浄し
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を濃縮して得られた
残渣をエーテルで結晶化することにより、標記化合物1.
24gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.01(s,3H), 2.20(s,3H), 2.72(t,
2H,J=7Hz),3.61(t,2H,J=7Hz), 7.19(d,1H,J=8Hz),7.94
(d,1H,J=8Hz)
【0163】(2) 5-アセチルアミノ-1-シアノメチル-8-
メチル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:(1)で得られた
化合物1.95gをDMF40mlに溶解し、ブロムアセトニトリル
6mlを加えて、3時間加熱還流した。反応液を濃縮し、
残渣にクロロホルムを加え、飽和食塩水で洗浄し無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を濃縮して得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホ
ルム−メタノール(100:1)の混合溶媒で展開し目的
物を含む画分を濃縮することにより、標記化合物605mg
を得た。 融点: 190-193℃ IRνmax KBr cm-1: 1696, 1644, 1506, 1392, 1248 NMR(CDCl3中)δ:2.22(s,3H), 2.29(s,3H), 2.93(t,
2H,J=6.5Hz),3.68(t,2H,J=6.5Hz), 4.01(s,2H), 7.38
(d,1H,J=8Hz),8.43(d,1H,J=8Hz) MASS m/z: 257(M+)
【0164】(3) 5-アセチルアミノ-1-(2-アミノエチ
ル)-8-メチル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:(2)で得
られた化合物650mgを酢酸10ml及び無水酢酸30mlの混合
溶媒に溶解し、ラネーニッケル2mlを加えて接触水素添
加を行う。触媒を濾過により除き、濾液を濃縮して得ら
れた残渣にクロロホルムを加え、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を濃縮した。得られた残渣をクロロホル
ム及びエーテルを用いて再結晶することにより、標記化
合物510mgを得た。 融点: 151-153℃ IRνmax KBr cm-1: 1690, 1646, 1520 NMR(CDCl3中)δ:2.00(s,3H), 2.21(s,3H), 2.26(s,
3H),2.76(t,2H,J=7Hz), 3.14(t,2H,J=7Hz), 3.4-3.7(m,
4H),5.98(br,1H), 7.30(d,1H,J=8Hz), 8.27(d,1H,J=8H
z) MASS m/z: 303(M+)
【0165】(4) 5-アミノ-1-(2-アミノエチル)-8-メチ
ル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:実施例1-(4)におい
て、2,8-ジアセチルアミノ-1-テトラロンの代わりに上
記(3)で得られた化合物510mgを用い、実施例1-(4)と同
様に反応させ、後処理を行うことにより、標記化合物22
0mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.99(s,3H), 2.16(s,3H), 2.6-2.9
(m,4H),3.3-3.7(m,4H), 5.8-6.8(br,1H), 6.20(d,1H,J
=8Hz),7.04(d,1H,J=8Hz) MASS m/z: 261(M+)
【0166】(5) (9S)-3-(2-アセチルアミノエチル)-9-
エチル-1,2-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-3H,12H
-ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-c]ベンゾ[ij][2,
7]ナフチリジン-10,13(9H,15H)-ジオン:(4)で得られた
化合物210mg及びトリオン230mgを実施例17-(5)と同様に
7時間反応させ、後処理を行うことにより、標記化合物
195mgを得た。 融点: 155-165℃(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.7-2.0(m,2
H), 1.82(s,3H),2.47(s,3H), 2.9−3.1(m,2H), 3.2-3.3
(m,2H),3.4-3.7(m,4H), 5.26(s,2H), 5.3-5.5(m,2H),7.
34(s,1H), 7.67(d,1H,J=7Hz), 7.74(d,1H,J=7Hz),8.0-
8.1(br.s,1H) MASS m/z: 488(M+)
【0167】実施例28 (9S)-3-(2-アミノエチル)-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ハ
イドロキシ-4-メチル-3H,12H-ピラノ[3',4':6,7]インド
リジノ[1,2-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフチリジン-10,13(9H,
15H)-ジオンの合成:
【0168】
【化34】
【0169】実施例27-(5)で得られた化合物190mgを実
施例2と同様に反応させ、後処理を行うことにより、標
記化合物120mgを得た。 融点: 210-230℃ (分解) IRνmax KBr cm-1: 1746,1660,1594 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7.5Hz), 1.8-1.9
(m,2H), 2.49(s,3H),3.1-3.5(m,8H), 5.26(s,2H), 5.43
(s,2H),7.32(s,1H),7.69(d,1H,J=9Hz), 7.78(d,1H,J=9H
z),8.1-8.3(br.s,3H) MASS m/z: 446(M+)
【0170】実施例29 (9S)-4-クロロ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ
-3-ジメチルアミノ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,
7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン
・塩酸塩の合成:
【0171】
【化35】
【0172】実施例14で得たアイソマーB 44mgを、50
%含水メタノール5mlに溶かし35%ホルマリン水溶液0.
5mlと10%パラジウム−炭素50mgを加えて接触水素添加
を行う。反応終了後触媒を瀘去し、溶媒を留去した。水
4mlを加え不溶物を瀘過により除き、瀘液を高速液体ク
ロマトグラフィー〔CAPCELL PAK C18;アセトニトリル
−水−1N塩酸(20:80:1)で展開〕で精製し、標記
化合物8mgを得た。 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.2-2.4(1H,m),2.4-2.6(1H,m), 2.67(3H,m), 3.06
(3H,m),3.3-3.5(2H,m), 5.19(1H,m),5.21,5.43(2H,ABq,
J=18.6Hz), 5.45(2H,s),6.56(1H,s), 7.37(1H,s), 8.03
(1H,d,J=9.3Hz),8.31(1H,d,J=9.3Hz)
【0173】実施例30 (9S)-1-アセチルアミノ-4-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒド
ロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,
7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン
の合成:
【0174】
【化36】
【0175】(1) 2,5,8-トリアセチルアミノー1ーテトラ
ロン:実施例1-(2)において、8-アセチルアミノ-1-テ
トラロンの代わりに5,8-ジアセチルアミノ-1-テトラロ
ン1.65gを用い、実施例1-(2)の場合と同様に反応さ
せ、後処理を行い5,8-ジアセチルアミノ-2-ハイドロキ
シイミノ-1-テトラロンを粗製し、次いで得られた化合
物を実施例1-(3)と同様に反応させ、後処理を行うこと
により、標記化合物950mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3280, 1660, 1596, 1516 NMR(CDCl3中)δ:1.79-2.02(1H,m), 2.11(3H,s), 2.
18(3H,s),2.23(3H,s), 2.4-3.0(3H,m), 4.54-4.69(1H,
m),7.60(1H,d,J=9.0Hz), 8.55(1H,d,J=9.0Hz) MASS m/z: 317(M+)
【0176】(2) 2-アセチルアミノ-5,8-ジアミノ-1-テ
トラロン:実施例1-(4)において、2,8-ジアセチルアミ
ノ-1-テトラロンの代わりに上記(1)で得られた化合物50
0mgを用い、実施例1-(4)と同様に反応させ、後処理を
行うことにより、標記化合物290mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3436, 3352, 3296, 2444, 1626,
1556 NMR(DMSO-d6中)δ:1.74-1.87(1H,m), 1.90(3H,s),
2.14-2.16(1H,m),2.54-2.77(2H,m), 4.41-4.47(1H,m),
6.48(1H,d,J=8.3Hz), 6.83(1H,d,J=8.3Hz),8.04(1H,d,J
=7.8Hz) MASS m/z: 233(M+)
【0177】(3) (9S)-1-アセチルアミノ-4-アミノ-9-
エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[d
e]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,
13(9H,15H)-ジオン:(2)で得られた化合物234mg及びト
リオン261mgを酢酸30mlに溶解し、窒素気流下14時間加
熱還流した。以下、実施例1-(5)と同様に後処理を行う
ことにより、標記化合物134mgを得た。 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3380, 2984, 2940, 1748, 1662,
1602 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.2Hz), 1.82-1.92
(2H,m),1.93(3/2H,s), 1.94(3/2H,s), 2.08-2.09(2H,
m),3.08(2H,br), 5.16-5.26(2H,m), 5.39-5.46(2H,m),
5.53-5.56(1H,m), 6.51(1H,s), 7.32(2H,s),7.96(1H,d,
J=9.5Hz), 7.99(1H,d,J=8.7Hz),8.54(1H,t,J=8.7Hz) MASS m/z: 458(M+)
【0178】実施例31 (9S)-1,4-ジアミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロ
キシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジ
ノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩の合
成:
【0179】
【化37】
【0180】実施例21-(3)で得られた化合物113mgを実
施例2と同様に6時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(28mg)及びアイソマー
B(28mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3392, 3232, 2936, 1742, 1652,
1590 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=6.8Hz), 1.82-1.92
(2H,m),2.03-2.09(1H,m), 2.67-2.93(2H,m), 4.97(1H,b
r),5.32-5.46(3H,m), 5.74-5.81(1H,m), 6.47(1H,s),7.
21(1H,s), 7.39(1H,d,J=8.8Hz),7.83(1H,d,J=8.8Hz),
8.60(1H,br) MASS m/z: 418(M+) アイソマーB: 融点: 240℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3436, 3232, 1746, 1658, 1592 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=6.8Hz), 1.81-1.92
(2H,m),2.03-2.09(1H,m), 2.68-2.95(2H,m), 4.99(1H,b
r),5.37-5.47(3H,m), 5.81(1H,d,J=19Hz), 7.23(1H,s),
7.43(1H,d,J=8.8Hz), 7.85(1H,d,J=8.8Hz),8.64(1H,br) MASS m/z: 418(M+)
【0181】実施例32 (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイ
ドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,
7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン
の合成:
【0182】
【化38】
【0183】(1) メチル (2'-トリル)アセテート:o-ト
リル酢酸25gをメタノール350mlに溶解した後、濃塩酸1
mlを加え一晩加熱還流した。溶媒を濃縮して得られた残
渣に水200mlを加え析出物をクロロホルムで抽出した。
抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を濃縮し標記化合物27.2gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.30(3H,s), 3.64(2H,s), 3.68(3
H,s), 7.17(4H,s)
【0184】(2) メチル 4-(2'-トリル)-3-ブテネー
ト:(1)で得られた化合物13.1gをトルエン100mlに溶解
した溶液を-65℃に冷却し、1M水素化ジイソブチルア
ルミニウムのトルエン溶液80mlを1時間かけて滴下し、
同温で1時間攪拌した。メタノールを加え反応を停止し
た。反応液を酢酸エチルで希釈し、10%塩酸水溶液、
水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を濃縮した。残渣をベンゼン100mlに溶解
した溶液にメチル(トリフェニルフォスフォラニリデン)
アセテート26.5gを加え、室温で一晩攪拌した。溶媒を
濃縮し、残渣に酢酸エチル: n-ヘキサン(1:9)の
混合溶媒を加え不溶物を濾去した。濾液を濃縮して得ら
れた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、酢酸
エチル: n-ヘキサン(1:9)で展開し目的物を含む
画分を濃縮することにより、標記化合物12.7gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.27(3H,s), 3.46-3.54(2H,m), 3.
70(3H,s),5.70(1H,d,15.5Hz), 6.95-7.24(5H,m)
【0185】(3) 4-(2'-トリル)酪酸:(2)で得られた化
合物12.6gをメタノール200mlに溶解した溶液に、10%パ
ラジウム炭素を加え水素気流下20分間接触還元を行っ
た。触媒を濾去し、反応液を約150mlになるまで濃縮し
た。濃縮した溶液に1N水酸化ナトリウム溶液70mlを加
え50℃で1時間加熱攪拌した。室温に戻した後、反応液
を氷冷し濃塩酸でpH1以下にした。析出物をクロロホル
ムで抽出し、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を濃縮することにより、標記化合物11.4
gを得た。 融点: 54-56℃ IRνmax KBr cm-1: 3416, 2944, 1748, 1660, 1602 NMR(CDCl3中)δ:1.83-1.99(2H,m), 2.31(3H,s), 2.
34-2.75(4H,m),7.12(4H,m) MASS m/z: 178(M+)
【0186】(4) 5-メチル-1-テトラロン:ポリリン酸1
20gを70℃に加温し、(3)で得られた化合物10.0gを粉末
状態で30分間かけて加え同温で20分間攪拌した。反応液
を氷水600mlに注ぎ、析出物を濾取した。水で洗浄後、
得られた粉末を酢酸エチルに溶解し飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃縮するこ
とにより、標記化合物8.19gを得た。 融点: 43-47℃ IRνmax KBr cm-1: 3452,2952,1676,1592,1464 NMR(CDCl3中)δ:2.07-2.27(2H,m), 2.31(3H,s), 2.
57-2.93(4H,m),7.11-7.33(2H,m), 7.89-7.98(1H,m) MASS m/z: 160(M+)
【0187】(5) 8-ニトロ-5-メチル-1-テトラロン:
(4)で得られた化合物8.1gを濃硫酸70mlに溶解した溶液
を-5℃に冷却し、硝酸カリウム5.37gを濃硫酸50mlに溶
かした溶液を、反応温度が5℃を超えないように滴下
し、さらに同温で30分間攪拌した。反応液を氷水600ml
に注ぎ、クロロホルムで抽出、飽和重曹水、飽和食塩水
の順に洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を濃
縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、
酢酸エチル: n-ヘキサン(1:15)で展開し目的物を
含む画分を濃縮することにより、標記化合物5.82gを得
た。 融点: 104-107℃ IRνmax KBr cm-1: 3452, 2964, 1690, 1596 NMR(CDCl3中)δ:2.17-2.22(2H,m), 2.37(3H,s), 2.
69-2.72(2H,m),2.89(2H,t,J=5.9Hz), 7.25(1H,d,J=8.3H
z),7.40(1H,d,J=7.8Hz) MASS m/z: 205(M+)
【0188】(6) 8-アセチルアミノ-5-メチル-1-テトラ
ロン:(5)で得られた化合物2.5gを、酢酸50ml及び無水
酢酸50mlの混合溶媒に溶解した後、10%パラジウム炭素
800mgを加え水素気流下1時間接触還元を行った。触媒
を濾去し濾液を濃縮することにより得られた残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルムで展開
し目的物を含む画分を濃縮することにより、標記化合物
2.22gを得た。 融点: 92-94℃ IRνmax KBr cm-1: 3512, 3176, 2940, 1690, 1650,
1604 NMR(CDCl3中)δ:1.95-2.18(2H,m), 2.22(3H,s), 2.
25(3H,s),2.61-2.93(4H,m), 7.33(1H,d,J=8.5Hz),8.51
(1H,d,J=8.5Hz) MASS m/z: 217(M+)
【0189】(7) 2,8-ジアセチルアミノ-5-メチル-1-テ
トラロン:実施例1-(2)において、8-アセチルアミノ-1
-テトラロンの代わりに8-アセチルアミノ-5-メチル-1-
テトラロン1gを用い、実施例1-(2)の場合と同様に反
応させ、後処理を行い8-アセチルアミノ-2-ハイドロキ
シイミノ-5-メチル-1-テトラロンを粗製し、次いで得ら
れた化合物を実施例1-(3)と同様に反応させ、後処理を
行うことにより、標記化合物476mgを得た。 融点: 195-198℃ IRνmax KBr cm-1: 3312, 2928, 1712, 1638, 1596,
1520 NMR(CDCl3中)δ:1.74-1.98(1H,m), 2.11(3H,s), 2.
22(3H,s),2.24(3H,s), 2.66-3.03(3H,m), 4.52-4.79(1
H,m),6.5(1H,br), 7.36(1H,d,J=8.5Hz), 8.50(1H,d,8.5
Hz) MASS m/z: 274(M+)
【0190】(8) 2-アセチルアミノ-8-アミノ-5-メチル
-1-テトラロン:実施例1-(4)において、2,8-ジアセチ
ルアミノ-1-テトラロンの代わりに上記(7)で得られた化
合物400mgを用い、実施例1-(4)と同様に反応させ、後
処理を行うことにより、標記化合物265mgを得た。 融点: 192-194℃ IRνmax KBr cm-1: 3460, 3360, 2924, 1618, 1566,
1536 NMR(CDCl3中)δ:1.76-1.87(1H,m), 2.10(3H,s), 2.
16(3H,s),2.63-2.69(1H,m), 2.91-2.97(2H,m),4.55-4.5
6(1H,m), 6.55(1H,d,J=8.3Hz),7.13(1H,d,J=8.3Hz) MASS m/z: 232(M+)
【0191】(9) (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-2,3
-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[d
e]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,
13(9H,15H)-ジオン:(8)で得られた化合物200mg及びト
リオン227mgを実施例1-(5)と同様に23時間反応させ、
後処理を行うことにより、標記化合物287mgを得た。 融点: 270℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3428, 2944, 1754, 1660, 1608,
1556 NMR(DMSO-d6中)δ:0.86-0.90(3H,m), 1.75-1.89(2
H,m), 1.91(3/2H,s),1.92(3/2H,s), 2.11-2.14(2H,m),
2.47(3/2H,s),2.48(3/2H,s), 3.08-3.11(2H,m), 5.19-
5.21(2H,m),5.43(2H,s), 5.52-5.57(1H,m), 6.50(1/2H,
s),6.51(1/2H,s), 7.31(1H,s), 7.71(1H,d,J=8.3Hz),7.
94(1H,d,J=8.3Hz), 8.47(1H,t,J=8.3Hz) MASS m/z: 459(M+)
【0192】実施例33 (9S)-1-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ
-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インド
リジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩
の合成:
【0193】
【化39】
【0194】実施例32-(9)で得られた化合物150mgを実
施例2と同様に7時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(58mg)及びアイソマー
B(62mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点: 250℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3432, 2936, 1746, 1658, 1594 NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=6.8Hz), 1.83-1.91
(2H,m),2.15-2.22(1H,m), 2.56-2.59(1H,m),3.12-3.28
(2H,m), 5.09(1H,br), 5.40-5.45(3H,m),5.90(1H,d,J=1
9Hz), 6.52(1H,s), 7.34(1H,s),7.76(1H,d,J=8.8Hz),
8.01(1H,d,J=8.8Hz),8.73(3H,br) MASS m/z: 417(M+) アイソマーB: 融点: 250℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3448, 2936, 1746, 1658, 1596 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=6.8Hz), 1.83-1.93
(2H,m),2.17(1H,br), 2.61-2.68(1H,m), 3.10-3.21(2H,
m),5.10(1H,br), 5.43-5.48(3H,m), 5.93(1H,d,J=19H
z),7.35(1H,s), 7.78(1H,d,J=8.8Hz),8.02(1H,d,J=8.8H
z), 8.80(3H,br) MASS m/z: 417(M+)
【0195】実施例34 (10S)-1-アセチルアミノ-10-エチル-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-10-ハイドロキシ-13H-シクロヘプト[de]ピラノ
[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-11,14(10H,1
6H)-ジオンの合成:
【0196】
【化40】
【0197】(1) 1-アセチルアミノ-6,7,8,9-テトラヒ
ドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン:1-ニトロ-6,7,8,9-テ
トラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン〔J. Am. Chem. S
oc., 5820(1969)〕8.7gを無水酢酸150ml及び酢酸50mlの
混合溶媒に溶解し、ラネーニッケル10mlを加えて接触水
素添加を行う。触媒を濾去後、濾液を濃縮し残渣にクロ
ロホルムを加え飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で
洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して標記化合
物6.17gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.5-1.9(m,6H), 2.15,2.20(each
s,3H),2.6-2.9(m,4H),6.9-7.4(m,3H) MASS m/z: 203(M+)
【0198】(2) 1-アセチルアミノ-6,7,8,9-テトラヒ
ドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-9-オン:実施例1-(1)
において、1-アセチルアミノテトラリンの代わりに上記
(1)で得られた化合物200mgを用い、実施例1-(1)と同様
に反応させ、後処理することにより、標記化合物55mgを
得た。 融点: 155-162℃ NMR(CDCl3中)δ:1.5-2.0(m,6H), 2.17(s,3H), 2.6-
2.9(m,4H),6.93(d,1H,J=8Hz), 7.38(t,1H,J=8Hz),8.30
(d,1H,J=8Hz) MASS m/z: 217(M+)
【0199】(3) 1,8-ジアセチルアミノ-6,7,8,9-テト
ラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-9-オン:実施例1-
(2)において、8-アセチルアミノ-1-テトラロンの代わり
に上記(2)で得られた化合物270mgを用い、実施例1-(2)
と同様に反応させ、後処理し得られた化合物を、さらに
実施例1-(3)と同様に反応させ、後処理することによ
り、標記化合物126mgを得た。 融点: 220-223℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1722, 1682, 1616, 1548 NMR(CDCl3中)δ:2.08(s,3H), 2.19(s,3H), 1.5-2.4
(m,4H),2.7-3.1(m,2H), 4.7-4.9(m,1H), 6.1-6.3(br.s,
1H),6.94(d,1H,J=8Hz), 7.34(t,1H,J=8Hz),8.32(d,1H,J
=8Hz), 9.01(br.s,1H) MASS m/z: 274(M+)
【0200】(4) 8-アセチルアミノ-1-アミノ-6,7,8,9-
テトラヒドロ-5H-ベンゾシクロヘプテン-9-オン:実施
例1-(4)において、2,8-ジアセチルアミノ-1-テトラロ
ンの代わりに上記(3)で得られた化合物115mgを用い、実
施例1-(4)と同様に反応させ、後処理することにより、
標記化合物90mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.04(s,3H), 1.5-1,7(m,2H), 2.0-
3.2(m,4H),4.9-5.1(m,1H), 5.98(br.s,1H), 6.53(d,1H,
J=8Hz),6.54(d,1H,J=8Hz), 6.72(br.s,1H), 7.23(t,1H,
J=8Hz)
【0201】(5) (10S)-1-アセチルアミノ-10-エチル-
1,2,3,4-テトラヒドロ-10-ハイドロキシ-13H-シクロヘ
プト[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリ
ン-11,14(10H,16H)-ジオン:(4)で得られた化合物90m
g、及びトリオン105mgを実施例1-(5)と同様に21時間反
応させ、後処理を行うことにより、標記化合物72mgを得
た。 融点: 203-206℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1748, 1660, 1600, 1160 NMR(CDCl3中)δ:0.96,1.03(each t,3H,J=7Hz), 1.5
-4.0(m,6H),2.15,2.27(each s,3H), 5.0-6.0(m,2H), 7.
3-8.2(m,4H) MASS m/z: 459(M+)
【0202】実施例35 (10S)-1-アミノ-10-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-10-
ハイドロキシ-13H-シクロヘプト[de]ピラノ[3',4':6,7]
インドリジノ[1,2-b]キノリン-11,14(10H,16H)-ジオン
・塩酸塩の合成:
【0203】
【化41】
【0204】実施例34-(5)で得られた化合物65mgを実施
例2と同様に4時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(17mg)及びアイソマー
B(21mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点 200-220℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1746, 1660, 1600, 1164 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.7-2.0(m,2
H), 2.0-3.5(m,6H),5.15(s,1H), 5.46(s, 2H),5.53,5.7
3(ABq,2H,J=19Hz),6.56(s,1H), 7.35(s,1H), 7.63(d,1
H,J=8Hz),7.79(t,1H,J=8Hz), 8.09(d,1H,J=8Hz), 8.79
(br.s,3H) MASS m/z: 417(M+) アイソマーB: 融点 210-230℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1744, 1664, 1600, 1160 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.7-2.0(m,2
H), 2.0-3.5(m,6H),5.0-5.2(m,1H), 5.46(s,2H),5.54,
5.72(ABq,2H,J=19Hz), 6.56(s,1H), 7.35(s,1H),7.62
(d,1H,J=8Hz), 7.77(t,1H,J=8Hz),8.09(d,1H,J=8Hz),
8.61(br.s,3H) MASS m/z: 417(M+)
【0205】実施例36 (9S)-9-エチル-2,3-ジヒドロ-3-(1,3-ジオキソイソイン
ドリン-2-イル)-9-ハイドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベン
ゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン
-10,13(9H,15H)-ジオンの合成:
【0206】
【化42】
【0207】(1) 4-アジド-5-メチル-8-ニトロ-1-テト
ラロン:実施例13-(9)において、5-フルオロ-8-ニトロ-
1-テトラロンの代わりに5-メチル-8-ニトロ-1-テトラロ
ン410mgを用い、実施例13-(9)の場合と同様に反応さ
せ、後処理を行うことにより、標記化合物490mgを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:2.33-2.50(2H,m), 2.55(3H,s), 2.
69-2.75(1H,m),2.98-3.07(1H,m), 5.07(1H,t,J=2.9Hz),
7.42(1H,d,J=7.8Hz), 7.54(1H,d,J=8.8Hz)
【0208】(2) 5-メチル-8-ニトロ-4-(1,3-ジオキソ
イソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:実施例13-(9)
において、4-アジド-5-フルオロ-8-ニトロ-1-テトラロ
ンの代わりに上記(1)で得られた化合物490mgを用い、実
施例13-(9)と同様に反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物366mgを得た。 融点: 220-223℃ IRνmax KBr cm-1: 3456, 3084, 2940, 1770, 1712,
1596 NMR(CDCl3中)δ:2.26(3H,s), 2.38-2.44(1H,m), 2.
55-2.65(1H,m),2.72-2.79(1H,m), 2.93-3.02(1H,m),5.7
0-5.72(1H,m), 7.39(1H,d,J=8.3Hz),7.42(1H,d,J=8.3H
z), 7.74-7.84(4H,m) MASS m/z: 350(M+)
【0209】(3) 8-アミノ-5-メチル-4-(1,3-ジオキソ
イソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:実施例13-(10)
において、5-フルオロ-8-ニトロ-4-(1,3-ジオキソイソ
インドリン-2-イル)-1-テトラロンの代わりに上記(2)で
得られた化合物145mgを用い、実施例13-(10)と同様に触
媒として10%パラジウム炭素の代わりにラネーニッケル
を用い反応させ、後処理を行うことにより、標記化合物
75mgを得た。 融点: 163-165℃ IRνmax KBr cm-1: 3456, 3344, 2952, 1770, 1710,
1622 NMR(CDCl3中)δ:2.02(3H,s), 2.25-2.32(1H,m), 2.
41-2.50(1H,m),2.58-2.64(1H,m), 2.88-2.98(1H,m),5.6
0-5.62(1H,m), 6.58(1H,d,J=8.3Hz),7.05(1H,d,J=8.3H
z), 7.70-7.81(4H,m) MASS m/z: 320(M+)
【0210】(4) (9S)-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイ
ドロキシ-4-メチル-3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-
イル)-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジ
ノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン:(3)で得ら
れた化合物62mg及びトリオン51mgを実施例6-(3)と同様
に18時間反応させ、後処理を行うことにより、標記化合
物86mgを得た。 融点: 285-290℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 3448, 2944, 1748, 1714, 1660,
1600 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89-0.93(3H,m), 1.82-1.93(2
H,m), 2.32(3H,s),2.46(1H,br), 3.18-3.22(2H,m), 5.2
2-5.48(4H,m),5.85(1H,br), 6.49(1/2H,s), 6.51(1/2H,
s),7.36(1H,s), 7.65(1H,d,J=8.3Hz), 7.79-7.84(4H,
m),8.04(1H,d,J=8.3Hz) MASS m/z: 547(M+)
【0211】実施例37 (9S)-3-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ
-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インド
リジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩
の合成:
【0212】
【化43】
【0213】実施例36-(4)で得られた化合物74mgを実施
例7と同様に反応させ、後処理を行うことにより、標記
化合物をアイソマーA(14mg)及びアイソマーB(15m
g)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点 250℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3448, 2936, 1742, 1656, 1592 NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz), 1.84-1.91
(2H,m),2.13-2.20(1H,m), 2.54-2.58(1H,m), 2.68(3H,
s),5.05(1H,br), 5.19-5.44(4H,m), 6.50(1H,s),7.33(1
H,s), 7.76(1H,d,J=8.8Hz),8.10(1H,d,J=8.8Hz), 8.27
(3H,br) MASS m/z: 417(M+) アイソマーB: 融点: 250℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3400, 3236, 2976, 1746, 1662,
1614 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.83-1.94
(2H,m),2.13-2.20(1H,m), 2.59-2.62(1H,m), 2.69(3H,
s),3,27-3.42(2H,m), 5.07(1H,br), 5.19-5.44(4H,m),
7.34(1H,s), 7.78(1H,d,J=8.8Hz),8.12(1H,d,J=8.8Hz),
8.53(3H,br) MASS m/z: 417(M+)
【0214】実施例38 (9S)-1-アミノ-4-クロロ-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ヒ
ドロキシ-12H-チイノ[4,3,2-de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0215】
【化44】
【0216】(1) 5-アセチルアミノ-8-クロロ-4-チオク
ロマノン:5-アセチルアミノ-8-アミノ-4-チオクロマノ
ン(特開平1-279891号公報)500mgを濃塩酸12ml、水3m
lに懸濁した溶液を0℃に冷却した溶液に、亜硝酸ソー
ダ153mgを水2mlに溶解した溶液を徐々に滴下後5分間
攪拌した溶液を、塩化第一銅270mgを濃塩酸3mlに溶解
した溶液に0℃で注ぎ込む。室温で一夜攪拌した後、マ
グネシウムで乾燥後溶媒を濃縮して得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム
で展開して目的物を含む画分を濃縮することにより標記
化合物478mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.22(3H,s), 2.45-3.42(4H,m), 7.
43(1H,d,J=9Hz),8.50(1H,d,J=9Hz)
【0217】(2) 3,5-ジアセチルアミノ-8-クロロ-4-チ
オクロマノン:実施例12-(1)において、5-アセチルアミ
ノ-8-メチル-4-チオクロマノンの代わりに(1)で得られ
た化合物477mgを実施例12-(1)と同様に反応させ、後処
理することにより、標記化合物171mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.08(3H,s), 2.20(3H,s), 3.20(1
H,d,J=13Hz),3.51(1H,dd,J=13,9Hz), 4.7-4.9(1H,m),7.
50(1H,d,J=9.2Hz), 8.54(1H,d,J=9.2Hz)
【0218】(3) 3-アセチルアミノ-5-アミノ-8-クロロ
-4-チオクロマノン:(2)で得られた化合物171mgを実施
例12-(2)と同様に反応させ、後処理することにより、標
記化合物22mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.09(3H,s), 3.07(1H,d,J=13Hz),
3.60(1H,dd,J=12.5Hz,4.5Hz), 4.7-4.9(1H,m),6.36(1H,
d,J=9Hz), 7.00(1H,d,J=9Hz)
【0219】(4) (9S)-1-アミノ-4-クロロ-9-エチル-1,
2-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-12H-チイノ[4,3,2-de]ピラノ
[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15
H)-ジオン・塩酸塩:(3)で得られた化合物22mg及びトリ
オン23mgを実施例12-(3)と同様に11時間反応させ、後処
理することにより、標記化合物をアイソマーA(12mg)
及びアイソマーB(11mg)として得た。 アイソマーA: IRνmax KBr cm-1: 3444, 1744, 1660, 1590, 1556 NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz), 1.89(2H,
m),3.62(2H,d,J=1.95Hz), 5.46(2H,s),5.47,5.85(1H,A
Bq,J=19.5Hz), 6.54-6.58(1H,br.s),7.39(1H,s), 7.97
(1H,d,J=8.8Hz),8.06(1H,d,J=8.8Hz), 8.80-8.87(3H,m) MASS m/z: 456(M++1) アイソマーB: IRνmax KBr cm-1: 3452, 1746, 1662, 1596, 1556 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 3.60-3.63(2H,m),5.46(2H,s), 5.48,5.81(2H,ABq,
J=19.5Hz),6.54-6.57(1H,br.s), 7.40(1H,s),7.97(1H,
d,J=8.8Hz), 8.06(1H,d,J=8.8Hz),8.75-8.82(3H,m) MASS m/z: 456(M++1)
【0220】実施例39 (9S)-1-アミノ-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-1
2H-チイノ[4,3,2-de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ
[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩の合
成:
【0221】
【化45】
【0222】(1) 3,5-ジアセチルアミノ-4-チオクロマ
ノン:実施例12-(1)において、5-アセチルアミノ-8-メ
チル-4-チオクロマノンの代わりに5-アセチルアミノ-4-
チオクロマノン360mgを用い、実施例12-(1)と同様に反
応させ、後処理することにより、標記化合物133mgを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:2.11(3H,s), 2.23(3H,s), 3.06(1
H,d,J=12.7Hz),3.52(1H,dd,J=12.5Hz,4.8Hz), 4.83-5.0
9(1H,m),6.7-6.9(1H,br), 6.93(1H,dd,J=7.9Hz,1.3Hz),
7.2-7.4(1H,br), 7.27-7.46(1H,m),8.46(1H,dd,J=8.4H
z,1.2Hz)
【0223】(2) 3-アセチルアミノ-5-アミノ-4-チオク
ロマノン:(1)で得られた化合物132mgを実施例12-(2)と
同様に反応させ、後処理することにより、標記化合物62
mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.09(3H,s), 3.13(1H,d,J=13Hz),
3.52(1H,dd,J=13Hz,9Hz), 4.72-4.97(1H,m),6.36(1H,d
d,J=8.3Hz,1Hz),6.50(1H,dd,J=7.66Hz,1.09Hz), 6.75-
7.1(1H,br),7.09(1H,t,J=8Hz)
【0224】(3) (9S)-1-アミノ-9-エチル-1,2-ジヒド
ロ-9-ヒドロキシ-12H-チイノ[4,3,2-de]ピラノ[3',4':
6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオ
ン・塩酸塩:(2)で得られた化合物62mg及びトリオン76m
gを実施例12-(3)と同様に10時間反応させ、後処理する
ことにより、標記化合物をアイソマーA(19mg)及びア
イソマーB(11mg)として得た。 アイソマーA: IRνmax KBr cm-1: 3444, 1746, 1660, 1596, 1502 NMR(DMSO-d6中)δ:0.94(3H,t,J=7.3Hz), 1.89(2H,
m),3.58(2H,ABq,J=15Hz,14Hz), 5.43(2H,s),5.49(1H,
d,J=16.1Hz), 5.91(1H,d,J=19.5Hz),6.47-6.55(1H,br.
s), 7.43(1H,s),7.69(1H,d,J=6.84Hz), 7.78-7.82(1H,
m),8.04(1H,d,J=8.3Hz), 8.86-8.95(3H,br) MASS m/z: 422(M++1) アイソマーB: IRνmax KBr cm-1: 3420, 1746, 1660, 1598, 1504 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.89(2H,
m), 3.51-3.63(1H,m),5.39-5.52(4H,m), 5.91(1H,d,J=1
9.5Hz),6.49-6.60(1H,br), 7.40(1H,s),7.71(1H,d,J=7.
33Hz), 7.79-7.83(1H,m),8.04(1H,d,J=8.3Hz), 8.87-9.
0(3H,br) MASS m/z: 422(M++1)
【0225】実施例40 (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-4-クロル-1,2-ジヒド
ロ-9-ハイドロキシ-3H,12H-ピラノ[3',4':6,7]インドリ
ジノ[1,2-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフチリジン-10,13(9H,15
H)-ジオンの合成:
【0226】
【化46】
【0227】(1) 1-アセチル-5-アセチルアミノ-8-クロ
ル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:実施例17-(1)におい
て、5-アミノ-8-メチル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン
の代わりに5-アミノ-8-クロル-2,3-ジヒドロキノリン-4
-オン(特開平1-279891号公報)3.8gを用い、実施例17-
(1)と同様に反応させ、後処理を行うことにより、標記
化合物2.8gを得た。 融点: 175-177℃ NMR(CDCl3中)δ:2.14(s,3H), 2.26(s,3H), 2.0-6.2
(m,5H),7.60(d,1H,J=9Hz), 8.66(d,1H,J=9Hz)
【0228】(2)1-アセチル-3,5-ジアセチルアミノ-8-
クロル-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン 実施例1-(2)において、8-アセチルアミノ-1-テトラロ
ンの代わりに上記(1)で得られた化合物1.4gを用い、実
施例1-(2)と同様に反応させ、後処理し、得られた化合
物をさらに実施例1-(3)と同様に反応させ、後処理を行
うことにより、標記化合物0.62gを得た。 融点: 206-210℃ IRνmax KBr cm-1: 1680, 1662, 1576, 1512, 1284 NMR(CDCl3中)δ:2.06(s,3H), 2.12(s,3H), 2.25(s,
3H), 3.5-6.5(m,3H),7.5-8.7(m,2H), 11.44(br.s,1H) MASS m/z: 337(M+), 339(M++2)
【0229】(3) 3,5-ジアミノ-8-クロル-2,3-ジヒドロ
キノリン-4-オン:(2)で得られた化合物514mgに6N塩
酸8mlを加え、110℃で1.5時間加熱攪拌した。反応液を
冷却し、クロロホルムを加え攪拌させながら1N水酸化
ナトリウム水溶液50mlを加え、クロロホルム層を抽出し
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮して標記化合物260mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:3.2-3.5(m,1H), 3.6-3.8(m,2H)5.0
0(br.s,2H),5.89(d,1H,J=9Hz), 6.37(br.s,2H), 7.09
(d,1H,J=9Hz)
【0230】(4) 3-アセチルアミノ-5-アミノ-8-クロル
-2,3-ジヒドロキノリン-4-オン:(3)で得られた化合物2
60mgをジクロルメタン5ml及びTHF5mlの混合溶媒に
溶解し氷冷攪拌下、ピリジン0.16ml及び無水酢酸0.13ml
を加え20分間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣にクロロ
ホルムを加え飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。得
られた残渣をエーテル及び石油エーテルで粉末化して標
記化合物287mgを得た。 IRνmax KBr cm-1: 3428, 1614, 1498, 1316, 1146 NMR(CDCl3中)δ:2.09(s,3H), 3.0-4.7(m,3H), 5.10
(br.s,1H),5.89(d,1H,J=9Hz), 6.51(br.s,1H), 7.11(d,
1H,J=9Hz) MASS m/z: 253(M+), 255(M++2)
【0231】(5) (9S)-1-アセチルアミノ-9-エチル-4-
クロル-1,2-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-3H,12H-ピラノ
[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフ
チリジン-10,13(9H,15H)-ジオン:(4)で得られた化合物
267mg及びトリオン277mgを実施例17-(5)と同様に7時間
反応させ、後処理を行うことにより、標記化合物202mg
を得た。 融点: 250-270℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1748, 1662, 1608, 1158 NMR(DMSO-d6中)δ:0.87(t,3H,J=7Hz), 1.7-2.0(m,2
H), 2.50(s,3H),3.4-3.6(m,2H), 5.19,5.27(ABq,2H,J=1
9Hz),5.43(s,2H), 5.4-5.6(m,1H), 6.52(s,1H),7.29,7.
30(each s,1H), 7.40(d,1H,J=9Hz),7.71(d,1H,J=9Hz),
8.52(t,1H,J=8Hz) MASS m/z: 480(M+), 482(M++2)
【0232】実施例41 (9S)-1-アミノ-9-エチル-4-クロル-1,2-ジヒドロ-9-ハ
イドロキシ-3H,12H-ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,
2-c]ベンゾ[ij][2,7]ナフチリジン-10,13(9H,15H)-ジオ
ン・塩酸塩の合成:
【0233】
【化47】
【0234】実施例40-(5)で得られた化合物190mgを実
施例2と同様に3時間反応させ、後処理を行うことによ
り、標記化合物をアイソマーA(67mg)及びアイソマー
B(40mg)としてそれぞれ得た。 アイソマーA: 融点 130-150℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1744, 1658, 1606, 1162 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.7-2.0(m,2
H),3.45(q,1H,J=7Hz), 3.57,3.89(each d,1H,J=12Hz),
4.2-4.5(br,1H), 5.15(s,1H),5.39,5.79(ABq,2H,J=19H
z), 5.45(s,2H), 6.55(s,1H),6.85(s,1H), 7.34(s,1H),
7.49(d,1H, J=9Hz),7.78(d,1H,J=9Hz), 8.68(br.s,3H) MASS m/z: 438(M+), 440(M++2) アイソマーB: 融点 250-270℃(分解) IRνmax KBr cm-1: 1750, 1600, 1608, 1160 NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(t,3H,J=7Hz), 1.7-1.9(m,2
H),3.56,3.89(ABq,1H,J=12Hz), 5.16(s,1H),5.41,5.78
(ABq,2H,J=19Hz), 5.45(s,2H), 6.56(s,1H),6.86(s,1
H), 7.34(s,1H), 7.49(d,1H,J=9Hz),7.79(d,1H,J=9Hz),
8.67(br.s,3H) MASS m/z: 438(M+), 440(M++2)
【0235】実施例42(9S)-3-アミノ-9-エチル-2,3-ジ
ヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラ ノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,
15H)-ジオン・塩酸塩の合成:
【0236】
【化48】
【0237】(1) 8-アセチルアミノ-4-(1,3-ジオキソイ
ソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:四塩化炭素60ml
に8-アセチルアミノ-1-テトラロン1.07g、N-ブロモスク
シイミド1.28g及び触媒量の過酸化ベンゾイルを加え、
1時間加熱還流した。室温まで冷却した後、析出物を瀘
去し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、クロロホルムで展開し目的物を含
む画分を濃縮して得たブロム体を20mlのDMFに溶かし0
℃に冷却した後、440mgのアジ化ナトリウムを少量ずつ
加え、0℃で30分さらに室温で1時間攪拌した後、水30
mlを加えた。エーテルで2回抽出した後水、飽和食塩水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒
を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)の混合溶媒
で展開し、目的物を含む画分を濃縮することにより、4
位アジド体1.17gを得た。得られたアジド体にベンゼン5
0ml、トリフェニルホスフィン1.38g、無水フタル酸781m
gを加え12時間加熱還流後、40mgのテトラ-n-ブチルアン
モニウムシアニドを加え、さらに4時間加熱還流した後
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(2:1)の混合
溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃縮することによ
り、標記化合物1.25gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.26(3H,s), 2.2-2.3(1H,m), 2.75
-3.0(3H,m),5.69(1H,dd,J=5.4Hz,10.8Hz), 6.74(1H,d,J
=7.8Hz),7.44(1H,t,J=7.8Hz), 7.75-7.80(2H,m),7.85-
7.82(2H,m), 8.71(1H,d,J=7.8Hz), 12.18(1H,s)
【0238】(2) 8-アミノ-4-(1,3-ジオキソイソインド
リン-2-イル)-1-テトラロン:(1)で得られた化合物339m
gを4N塩酸10mlに加え、1時間加熱還流した。室温ま
で冷却した後、炭酸水素ナトリウムを加えてアルカリ性
にした後、クロロホルムで抽出した。抽出液を水、飽和
食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(4:1)の
混合溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃縮することに
より、標記化合物190mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.15-2.21(1H,m), 2.7-3.0(3H,m),
5.60(1H,dd,J=4.6Hz,11.5Hz), 6.22(1H,d,J=7.8Hz),6.5
5(1H,d,J=7.8Hz), 7.12(1H,t,J=7.8Hz),7.74-7.79(2H,
m), 7.86-7.90(2H,m)
【0239】(3) (9S)-3-アミノ-9-エチル-2,3-ジヒド
ロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,
7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン
・塩酸塩:トルエン20mlに(2)で得られた化合物190mg及
びトリオン163mgを実施例1-(5)と同様に15時間反応さ
せ、後処理することにより、(9S)-9-エチル-2,3-ジヒド
ロ-9-ヒドロキシ-3-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イ
ル)-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ
[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン263mgを3位異
性体の混合物として得た。得られた化合物223mgを実施
例13の(12)と同様に処理することにより、標記化合物を
アイソマーA(73mg)及びアイソマーB(58mg)として
得た。 アイソマーA: 融点: 190℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz), 1.87(2H,
m), 2.2-2.5(2H,m),3.2-3.45(2H,m), 4.98(1H,m), 5.30
(2H,s),5.44(2H,s), 7.36(1H,s), 7.85-7.93(2H,m),8.1
7(1H,d,J=8.3Hz), 8.88(3H,m) アイソマーB: 融点: 218℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.3-2.5(2H,m),3.3-3.4(2H,m), 4.91(1H,m), 5.32
(2H,s),5.45(2H,s), 7.37(1H,s), 7.85(1H,d,J=6.8Hz),
7.92(1H,dd,J=6.8Hz,7.7Hz), 8.19(1H,d,J=7.7Hz),8.80
(3H,m)
【0240】実施例43 (9S)-1-アミノ-9-エチル-1,2-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-4
-メチル-12H-ピラノ[4,3,2-de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩酸
塩の合成:
【0241】
【化49】
【0242】(1) 3,5-ジアセチルアミノ-8-メチル-4-ク
ロマノン:実施例12-(1)において、5-アセチルアミノ-8
-メチル-4-チオクロマノンの代わりに5-アセチルアミノ
-8-メチル-4-クロマノン(特開平1-279891号公報)1g
を用い、同様に反応させ、後処理することにより、標記
化合物105mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.11(3H,s), 2.17(3H,s), 2.22(3
H,s),3.98(1H,dd,J=12.1Hz,15.1Hz), 4.70-5.05(2H,m),
6.26(1H,m), 7.34(1H,d,J=8.3Hz), 8.18(1H,d,J=8.3Hz)
【0243】(2) 3-アセチルアミノ-5-アミノ-8-メチル
-4-クロマノン:(1)で得られた化合物100mgを濃塩酸3m
lに加え、80℃で1時間攪拌した。冷却後、氷水5mlを
加え炭酸ナトリウムを加えアルカリ性とした後、クロロ
ホルムで抽出し、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を濃縮して得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸
エチル(4:1)の混合溶媒で展開して、目的物を含む
画分を濃縮することにより、標記化合物48mgを得た。 融点: 178-180℃ IRνmax KBr cm-1: 3448, 3328, 1650, 1628, 1484 NMR(CDCl3中)δ:2.06(3H,s), 2.08(3H,s), 3.7-4.1
(1H,m),4.65-5.05(2H,m), 6.14(1H,d,J=8.3Hz),7.06(1
H,d,J=8.3Hz)
【0244】(3) (9S)-1-アミノ-9-エチル-1,2-ジヒド
ロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-12H-ピラノ[4,3,2-de]ピラ
ノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,
15H)-ジオン・塩酸塩:(2)で得られた化合物139mg及び
トリオン156mgを酢酸12mlに加え、6時間加熱還流し
た。反応液を冷却し、溶媒を溜去後、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタ
ノール(98:2)で展開して、目的物を含む画分を濃縮
して得られた残渣に、濃塩酸5mlを加え80℃で2時間攪
拌した。反応液を濃縮後、残渣に水20mlを加え不溶物を
瀘過により除き、瀘液を高速液体クロマトグラフィー
〔CAPCELL PAK C18;アセトニトリル−水−1N塩酸
(18:82:1)で展開〕で精製し、標記化合物をアイソ
マーA(77mg)及びアイソマーB(93mg)として得た。 アイソマーA: 融点: 200℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3432, 1756, 1658, 1602 NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=6.8Hz), 1.83-1.92
(2H,m), 2.44(3H,s),4.44(1H,d,J=12.2Hz), 4.91(1H,d,
J=12.2Hz),5.20(1H,brs), 5.39,5.78(2H,ABq,J=19Hz),
5.44(2H,s), 7.37(1H,s), 7.78(1H,d,J=8.8Hz),7.80(1
H,d,J=8.8Hz), 8.88(3H,br) MASS m/z: 420(M++1) アイソマーB: 融点: 200℃以上(分解) IRνmax KBr cm-1: 3444, 1746, 1658, 1596 NMR(DMSO-d6中)δ:0.90(3H,t,J=7.3Hz), 1.83-1.92
(2H,m), 2.45(3H,s),4.44(1H,d,J=11.7Hz), 4.91(1H,d,
J=11.7Hz),5.20(1H,brs), 5.41,5.78(2H,ABq,J=19.5H
z),5.44,5.48(2H,ABq,J=16.6Hz), 7.40(1H,s),7.78(1H,
d,J=8.8Hz), 7.82(1H,d,J=8.8Hz),8.97(3H,br) MASS m/z: 420(M++1)
【0245】実施例44 (9S)-3-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-
ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イ
ンドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩
酸塩の合成:
【0246】
【化50】
【0247】(1) 4-(4-フルオロフェニル)-4-オキソブ
タノイックアシッド:フルオロベンゼン79.6gに無水コ
ハク酸50gと塩化アルミニウム133.3gを加え、6時間加
熱還流した。過剰のフルオロベンゼンを留去した後、残
渣を冷1%塩酸水溶液2lに加え、析出物を濾取し、水
で洗浄した後、乾燥することにより、標記化合物73gを
得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.82(2H,t,J=6.6Hz), 3.29(2H,t,J
=6.6Hz),7.1-7.2(2H,m), 7.9-8.1(2H,m)
【0248】(2) 4-(4-フルオロフェニル)ブタノイック
アシッド メチルエステル:(1)で得られた化合物73gを
酢酸600mlに溶解し、40%過塩素酸20ml及び10%パラジ
ウム−炭素10gを加え、5気圧で接触水素添加を行う。
酢酸を留去した後水100mlを加え、酢酸エチルで抽出し
た後、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、残渣にジクロロメタン100ml、炭酸ナトリウム74g、
塩化チオニル30mlを加え、3時間加熱還流した後0℃に
冷却した。メタノール150mlを徐々に加え室温で12時間
攪拌した後、酢酸エチル300mlを加え、水、飽和食塩水
で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒
を留去することにより、標記化合物66.7gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.93(2H,quintet,J=7.8Hz), 2.32
(2H,t,J=7.8Hz),2.62(2H,t,J=7.8Hz), 3.66(3H,s), 6.9
6(2H,m),7.13(2H,m)
【0249】(3) 4-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)ブ
タノイックアシッド メチルエステル:(2)で得られた
化合物66.7gを冷濃硫酸600mlに加え、内温5℃以下に保
ちながら硝酸カリウム50gの濃硫酸溶液300mlを滴下し
た。滴下終了後さらに30分間攪拌した後、反応液を氷水
中に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン−酢酸エチル(40:3)の混合溶媒で展開
し、目的物を含む画分を濃縮することにより、標記化合
物39.3gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.98(2H,m), 2.40(2H,t,7.3Hz),
2.91(2H,t,J=7.8Hz),3.69(3H,s), 7.27(1H,ddd,J=2.9H
z,7.8Hz,8.3Hz),7.37(1H,dd,J=5.3Hz,8.3Hz),7.66(1H,d
d,J=2.9Hz,8.8Hz)
【0250】(4) 4-(2-アセチルアミノ-4-フルオロフェ
ニル)ブタノイックアシッド メチルエステル:(3)で得
られた化合物39.3gと10%パラジウム−炭素3gをメタノ
ール200mlに加え6時間接触水素添加を行う。触媒を濾
去し溶媒を留去した後、残渣にクロロホルム50mlを加
え、室温で攪拌しながら無水酢酸50mlを加え、3時間攪
拌した。反応液を濃縮乾固することにより、標記化合物
42.0gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.72-1.85(2H,m), 2.31(3H,s), 2.
45(2H,m),2.56(2H,m), 3.76(3H,s), 6.71(1H,dt,J=2.5H
z,8.3Hz),7.04(1H,dd,J=6.3Hz,8.3Hz),8.08(1H,dd,J=2.
5Hz,10.8Hz)
【0251】(5) 5-アセチルアミノ-7-フルオロ-1-テト
ラロン:(4)で得られた化合物42gをメタノール100mlに
溶かし、1N水酸化ナトリウム200mlを加えて室温で3
時間攪拌した。反応液を約200mlに濃縮した後、濃塩酸
を加えて酸性とし酢酸エチル100mlで3回抽出を行う。
酢酸エチル層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去を留去した。残渣
にジクロロメタン100mlを加え、さらに炭酸ナトリウム1
7g、塩化チオニル12mlを加えた後、2時間加熱還流し
た。室温まで冷却し、不溶物を濾去した。濾液を濃縮
し、残渣に200mlの1,2-ジクロロエタンと塩化アルミニ
ウム40gを加え70℃で3時間、90℃で1時間攪拌した。
反応液を氷水中に注ぎ、クロロホルムで抽出した後、
水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム−酢酸エチル(7:3)の混合溶媒で
展開し、目的物を含む画分を濃縮することにより、標記
化合物17gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.16(2H,m), 2.24(3H,s), 2.66(2
H,t,J=6.83Hz),2.78(2H,t,J=6.0Hz), 7.08(1H,br.s),7.
59(1H,dd,J=2.4Hz,8.3Hz),7.84(1H,dd,J=2.4Hz,7.8Hz)
【0252】(6) 5-アセチルアミノ-7-フルオロ-1,2,3,
4-テトラヒドロナフタレン:(5)で得られた化合物10.5
g、10%パラジウム−炭素5g及び過塩素酸5mlを酢酸30
0mlに加え、5気圧で6時間接触水素添加を行う。触媒
を濾去し、反応液を約50mlに濃縮した後、水100mlを加
えクロロホルムで3回抽出を行う。クロロホルム層を
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、溶媒を留去することにより、標記化合物9.5g
を得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.7-1.9(4H,m), 2.20(3H,s), 2.52
(2H,m), 2.75(2H,m),6.61(1H,d,J=8.8Hz), 6.94(1H,m),
7.59(1H,d,J=9.8Hz)
【0253】(7) 8-アセチルアミノ-6-フルオロ-1-テト
ラロン:(6)で得られた化合物9.46gをアセトン420mlに
溶かし、42mlの15%硫酸マグネシウム水溶液を加え、0
℃に冷却し、過マンガン酸カリウム21.7gを少量づつ加
えた。添加終了後0℃で50分間攪拌し、さらに室温で1
時間攪拌した後、反応液を水1lに注ぎクロロホルムで
3回抽出した。クロロホルム層を水、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、ヘキサン−酢酸エチル(3:1)の混合溶媒で展開
し、目的物を含む画分を濃縮することにより、標記化合
物7.98gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.08(2H,m), 2.24(3H,s), 2.69(2
H,t,J=6.4Hz),2.96(2H,t,J=6.1Hz), 6.64(1H,dd,J=2.4H
z,8.3Hz),8.42(1H,dd,J=2.4Hz,12.0Hz), 12.35(1H,br.
s)
【0254】(8) 6-フルオロ-8-トリフェニルメチルア
ミノ-1-テトラロン:(7)で得られた化合物287mgに4N
塩酸10mlを加え、1時間加熱還流した。反応液を氷水中
に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキ
サン−酢酸エチル(7:3)の混合溶媒で展開し、目的
物を含む画分を濃縮した。残渣にジクロロメタン5ml、
トリエチルアミン0.8ml、トリフェニルメチルクロリド
1.5gを加え、4時間加熱還流した。室温まで冷却した
後、ジクロロメタン20mlを加え、水、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エ
チル(3:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含む画分
を濃縮することにより、標記化合物706mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.03(2H,m), 2.66(2H,t,J=6.4Hz),
2.84(2H,t,J=6.1Hz),5.67(1H,dd,J=2.4Hz,12.7Hz),6.02
(1H,dd,J=2.4Hz,8.8Hz), 7.2-7.4(15H,m),11.29(1H,s)
【0255】(9) 6-フルオロ-8-トリフェニルメチルア
ミノ-4-(1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-1-テト
ラロン:四塩化炭素30mlに(8)で得られた化合物706mg、
N-ブロモスクシイミド231mg及び触媒量の過酸化ベンゾ
イルを加え、30分間加熱還流した。室温まで冷却した後
クロロホルム30mlを加え、1N冷水酸化ナトリウム、
水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した後、溶媒を留去した。残渣を5mlのDMFに溶かし
0℃に冷却した後、160mgのアジ化ナトリウムを少量ず
つ加え、0℃で1時間さらに室温で1時間攪拌した後、
水30mlを加えた。エーテルで2回抽出した後水、飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(9:1)の混合
溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃縮することによ
り、4位アジド体344mgを得た。得られたアジド体にベ
ンゼン20ml、トリフェニルホスフィン205mg、無水フタ
ル酸116mgを加え、12時間加熱還流した後40mgのテトラ-
n-ブチルアンモニウムシアニドを加え、さらに8時間加
熱還流した後溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、クロロホルム−ヘキサン
(1:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃
縮することにより、標記化合物440mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.15(1H,m), 2.7-3.1(3H,m),5.55
(1H,dd,J=4.40Hz,12.2Hz),5.75(1H,dd,J=2.4Hz,7.8Hz),
5.77(1H,dd,J=2.4Hz,10.2Hz), 7.2-7.4(15H,m),7.67(2
H,m), 7.88(2H,m), 11.41(1H,s)
【0256】(10) 8-アミノ-6-フルオロ-4-(1,3-ジオキ
ソイソインドリン-2-イル)-1-テトラロン:0℃に冷却
したぎ酸8mlに(1)で得られた化合物423mgを加え、攪拌
しながら濃塩酸1滴を加えた。室温で1時間攪拌した
後、溶媒を留去した。残渣をクロロホルムに溶解し、濃
縮した後エーテル−ヘキサン混合溶媒を加えて析出する
結晶を濾取することにより、標記化合物132mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.16(1H,m), 2.7-3.05(3H,m),5.56
(1H,dd,J=4.4Hz,11.7Hz), 5.95(1H,dm,J=9.8Hz),6.21(1
H,dd,J=2.0Hz,10.8Hz), 7.78(2H,m), 7.90(2H,m)
【0257】(11) (9S)-3-アミノ-9-エチル-5-フルオロ
-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラ
ノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,
15H)-ジオン・塩酸塩:トルエン10mlに(10)で得られた
化合物125mg及び(S)-4-エチル-4-ヒドロキシ-7,8-ジヒ
ドロ-1H-ピラノ[3,4-f]インドリジン-3,6,10(4H)-トリ
オン104mgを実施例1-(5)と同様に22時間反応させ、後
処理することにより、(9S)-9-エチル-5-フルオロ-2,3-
ジヒドロ-9-ヒドロキシ-3-(1,3-ジオキソイソインドリ
ン-2-イル)-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イン
ドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン119mg
を3位異性体の混合物として得た。得られた化合物119m
gを、実施例13の(12)と同様に処理することにより、標
記化合物をアイソマーA(31mg)及びアイソマーB(35
mg)として得た。 アイソマーA: 融点: 206℃から徐々に着色(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.87(2H,
m), 2.21-2.33(1H,m),2.40-2.55(1H,m), 3.25-3.40(2H,
m), 4.92(1H,m),5.31(2H,s), 5.45(2H,s), 6.54(1H,s),
7.35(1H,s),7.81(1H,dd,J=2.4Hz,9.3Hz),7.97(1H,dd,J
=2.4Hz,10.3Hz), 8.70(3H,br.s) アイソマーB: 融点: 194℃から徐々に着色(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.2-2.3(1H,m),2.4-2.5(1H,m), 3.3-3.4(2H,m), 4.
94(1H,m),5.31(2H,s), 5.45(2H,s), 7.36(1H,s),7.82(1
H,dd,J=2.4Hz,9.3Hz),7.98(1H,dd,J=2.4Hz,10.2Hz), 8.
81(3H,br.s)
【0258】実施例45 (9S)-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキ
シ-3-ジメチルアミノ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':
6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオ
ン・塩酸塩の合成:
【0259】
【化51】
【0260】実施例44で得た化合物(アイソマーA)15
mgに、35%ホルマリン水溶液1ml、ぎ酸0.08mlおよび1
N水酸化ナトリウム0.03mlを加え、1時間加熱還流した
後、溶媒を留去した。残渣に1N塩酸2mlを加え、溶媒
を留去後、水4mlを加え不溶物を瀘過により除き、瀘液
を高速液体クロマトグラフィー〔CAPCELL PAK C18;ア
セトニトリル−水−1N塩酸(17:83:1)で展開〕で
精製し、標記化合物9mgを得た。 融点: 182℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.87(2H,
m), 2.3-2.7(2H,m),2.85(3H,d,J=4.4Hz), 2.87(3H,d,J=
4.4Hz),3.2-3.6(2H,m), 4.99(1H,m),5.25,5.36(2H,ABq,
J=19Hz), 5.45(2H,s),6.55(1H,m), 7.36(1H,s), 8.0-8.
1(2H,m),10.42(1H,m)
【0261】実施例46 (9S)-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキ
シ-3-ジメチルアミノ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':
6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオ
ン・塩酸塩の合成:
【0262】
【化52】
【0263】実施例44で得た化合物(アイソマーB)20
mgを、実施例45と同様に処理した後、高速液体クロマト
グラフィー〔CAPCELL PAK C18;アセトニトリル−水−
1N塩酸(21:79:1)で展開〕で精製し、標記化合物
9mgを得た。 融点: 230℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.3-2.7(2H,m),2.86(3H,d,J=4.4Hz), 2.89(3H,d,J=
4.9Hz),3.3-3.5(2H,m), 4.99(1H,m),5.26,5.37(2H,ABq,
J=19Hz), 5.45(2H,s),6.55(1H,m), 7.36(1H,s), 8.01(1
H,dm,J=9.3Hz),8.05(1H,dm,J=9.8Hz), 10.25(1H,m)
【0264】実施例47 (9S)-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキ
シ-3-メチルアミノ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,
7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン
・塩酸塩の合成:
【0265】
【化53】
【0266】(1) 5-アセトアミノ-7-フルオロ-1-メチル
トリフルオロアセトアミノテトラロン:エタノール20ml
に実施例44の(5)で得た化合物1.02g、11mlの40%メチル
アミン水溶液および1.2gの10%パラジウム−炭素を加
え、9.5時間接触水素添加を行った後、触媒を瀘去し、
瀘液を濃縮乾固した。残渣を20mlのクロロホルムに溶解
し、2mlのトリエチルアミンを加え、0℃で攪拌しなが
ら無水トリフルオロ酢酸4mlを加えた後、室温で1時間
攪拌した。反応液を希塩酸、水、飽和食塩水で順次洗浄
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し
て、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルム−酢酸エチル(9:1)で展開し、目
的物を含む画分より標記化合物1.33gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.7-2.0(1.6H,m), 2.0-2.3(2.4H,
m), 2.22(3H,s),2.5-2.7(2H,m), 2.71,2.84(3H,each
s),5.15(0.4H,m), 5.79(0.6H,m), 6.54(0.6H,d,J=8.3H
z),6.65(0.4H,d,J=8.3Hz), 6.97(1H,m), 7.65-7.75(1H,
m)
【0267】(2) 8-アセトアミノ-6-フルオロ-4-メチル
トリフルオロアセトアミノ-1-テトラロン:(1)で得た化
合物1.32gに、アセトン60mlと6mlの15%硫酸マグネシ
ウム水溶液を加え、0℃で攪拌しながら1.9gの過マンガ
ン酸カリウムを徐々に加える。添加終了後、同温度で30
分間、さらに室温で30分間攪拌した後、水60mlを加え、
クロロホルムで3回抽出した。抽出液を水、飽和食塩水
で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、クロロホルム−酢酸エチル(9:1)で
展開し、目的物を含む画分より標記化合物748mgを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:2.0-2.4(2H,m), 2.26(3H,s), 2.7-
3.0(2H,m),2.84,2.97(3H,each small m),5.30(0.3H,dd,
J=4.9Hz,11.7Hz),5.96(0.7H,dd,J=4.4Hz,11.7Hz),6.43
(0.7H,dm,J=7.3Hz), 6.56(0.3H,dm,J=7.3Hz),8.57(0.7
H,dd,J=2.4Hz,11.2Hz),8.60(0.3H,dd,J=2.9Hz,11.7Hz),
12.3(1H,br.s)
【0268】(3) 8-アミノ-6-フルオロ-4-メチルトリフ
ルオロアセチルアミノ-1-テトラロン:(2)で得た化合物
722mgに20mlの4N塩酸を加え、5時間加熱還流した。
室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウムを加え弱
アルカリ性とした後、クロロホルムで3回抽出した。抽
出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を留去した後、残渣に50mlのジクロロメ
タンと0.29mlのトリエチルアミンを加え、氷塩浴中(-1
2℃)で冷却攪拌しながら、無水トリフルオロ酢酸0.29m
lを含むジクロロメタン溶液15mlを滴下した。同温度で
1時間攪拌した後、反応液を水、飽和クエン酸水溶液、
水、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−酢酸エチ
ル(19:1)で展開し、目的物を含む画分より標記化合
物421mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.0-2.4(2H,m), 2.6-2.9(2H,m),2.
86,2.98(3H,each s),5.20(0.35H,dd,J=4.4Hz,11.7Hz),
5.87(0.65H,dd,J=4.4Hz,11.7Hz),5.97(0.65H,dm,J=9.3H
z), 6.09(0.35H,dm,J=9.3Hz),6.26(0.65H,dd,J=2.4Hz,
8.7Hz),6.28(0.35H,dd,J=2.0Hz,8.8Hz)
【0269】(4) (9S)-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒ
ドロ-9-ハイドロキシ-3-メチルアミノ-1H,12H-ベンゾ[d
e]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,
13(9H,15H)-ジオン・塩酸塩:トルエン24mlに(3)で得た
化合物378mgおよびトリオン330mgを加え、実施例1の
(5)と同様に19時間反応させ、後処理することにより(9
S)-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-ヒドロキシ-3
-メチルトリフルオロアセチルアミノ-1H,12H-ベンゾ[d
e]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,
13(9H,15H)-ジオン340mgを3位異性体の混合物として得
る。得られた化合物300mgに濃塩酸30mlを加え、80℃で
2.5時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣に水15mlを
加え、不溶物を瀘過により除き、瀘液を高速液体クロマ
トグラフィー〔CAPCELL PAK C18;アセトニトリル−水
−1N塩酸(20:80:1)で展開〕で精製し、標記化合
物をアイソマーA(83mg)とアイソマーB(103mg)と
して得た。 アイソマーA: 融点: 230℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.87(2H,
m), 2.3-2.6(2H,m),2.70(3H,br.s), 3.3-3.5(2H,m), 4.
81(1H,m),5.26,5.37(2H,ABq,J=19.1Hz), 5.45(2H,s),6.
55(1H,s), 7.36(1H,s),7.90(1H,dd,J=2.4Hz,9.3Hz),8.0
3(1H,dd,2.4Hz,J=9.8Hz), 9.2-9.4(2H,m) アイソマーB: 融点: 230℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.3-2.6(2H,m),2.70(3H,br.s), 3.3-3.5(2H,m), 4.
82(1H,m),5.26,5.37(2H,ABq,J=19Hz), 5.45(2H,s),6.54
(1H,s), 7.36(1H,s),7.91(1H,dd,J=2.4Hz,9.3Hz),8.03
(1H,dd,2.4Hz,J=10.3Hz), 9.2-9.5(2H,m)
【0270】実施例48 (9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-
ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]イ
ンドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン・塩
酸塩の合成:
【0271】
【化54】
【0272】(1) 2,8-ジアセチルアミノ-6-フルオロ-1-
テトラロン:THF溶液60mlに2.28gのカリウム-t-ブトキ
シドを加え、窒素気流下0℃で攪拌しながら、実施例44
の(7)で得た化合物3gを含むTHF溶液90mlを徐々に加
え、10分間攪拌した後、亜硝酸n-ブチル2.44mlを加え、
室温で1時間攪拌した。反応液を希塩酸水溶液に注ぎ、
クロロホルムで3回抽出した。抽出液を水、飽和食塩水
で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留
去した。残渣に酢酸87mlと無水酢酸87mlを加え、室温で
攪拌しながら亜鉛末11gを徐々に加え、さらに10分間攪
拌した。不溶物を瀘去し、溶媒を留去した後、残渣をク
ロロホルム100mlに溶解し、水、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エ
チル(2:3)の混合溶媒で展開して、目的物を含む画
分を濃縮することにより、標記化合物2.82gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.8-2.0(1H,m), 2.11(3H,s), 2.14
(3H,s),2.67(1H,m), 3.02(1H,m), 3.25(1H,m),4.65(1H,
ddd,J=4.9Hz,5.4Hz,13.2Hz),6.48(1H,br.s), 6.64(1H,d
d,J=8.3Hz,2.4Hz),8.43(1H,dd,J=8.2Hz,2.4Hz)
【0273】(2) 8-アミノ-6-フルオロ-2-トリフルオロ
アセトアミノ-1-テトラロン:(1)で得た化合物1.23gに
濃塩酸20mlを加え、100℃で12時間攪拌した。室温まで
冷却した後、水200mlを加え、クロロホルムで2回洗浄
した。水層に水酸化ナトリウムを加えアルカリ性にした
後、クロロホルムで4回抽出した。抽出液を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留
去した。残渣を乾燥THF50mlに溶かし、トリエチルアミ
ン0.59mlを加えた後、氷−塩浴中で冷却しながら0.6ml
の無水トリフルオロ酢酸を含むTHF溶液10mlを滴下し
た。同温度で1時間攪拌した後、水5mlを加え溶媒を留
去した。残渣に水30mlを加え、クロロホルムで3回抽出
した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルムで展開して、目的物を含む画分を濃縮
することにより、標記化合物1.1gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.88(1H,ddd,J=4.4Hz,13.2Hz,25.4
Hz), 2.79(1H,m),2.97(1H,m), 3.15(1H,m),4.50(1H,dd
d,J=4.4Hz,4.9Hz,13.2Hz), 6.21(2H,m)
【0274】(3) (9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-
2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラ
ノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,
15H)-ジオン・塩酸塩:(2)で得た化合物144mgとトリオ
ン130mgをトルエン30mlに加え、触媒量のPPTSを添加
後、デイーンスターク装置を用いて41時間加熱還流し
た。反応液を冷却し、溶媒を溜去後、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタ
ノール(99:1)で展開して、目的物を含む画分を濃縮
して得られる残渣に、メタノール5ml、水5ml、4N塩
酸4mlを加え80℃で5時間攪拌した。溶媒を濃縮した
後、水4mlを加え不溶物を瀘過により除き、高速液体ク
ロマトグラフィー〔CAPCELL PAK C18;アセトニトリル
−水−1N塩酸(22:78:1)で展開〕で精製し、標記
化合物をアイソマーA(19mg)およびアイソマーB(16
mg)として得た。 アイソマーA: 融点: 200℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.89(3H,t,J=7.3Hz), 1.89(2H,
m), 2.15-2.27(1H,m),2.40-2.55(1H,m), 3.20-3.45(2H,
m), 5.07(1H,m),5.42,5.84(2H,ABq,J=19.5Hz), 5.46(2
H,s),6.55(1H,s), 7.38(1H,s),7.60(1H,dd,J=2.4Hz,9.3
Hz),7.86(1H,dd,J=2.4Hz,10.3Hz), 8.2-8.6(3H,m) アイソマーB: 融点: 210℃以上(分解) NMR(DMSO-d6中)δ:0.88(3H,t,J=7.3Hz), 1.88(2H,
m), 2.15-2.27(1H,m),2.45-2.60(1H,m), 3.20-3.45(2H,
m), 5.12(1H,m),5.42,5.83(2H,ABq,J=19.1Hz), 5.46(2
H,s),6.55(1H,s), 7.38(1H,s),7.62(1H,dd,J=2.4Hz,8.8
Hz),7.86(1H,dd,J=2.4Hz,10.2Hz), 8.4-8.6(3H,m),7.86
(1H,dd,J=2.4Hz,10.2Hz), 8.4-8.6(3H,m)
【0275】実施例49 (9S)-1-アミノ-9-エチル-4,5-ジフルオロ-9-ハイドロキ
シ-2,3-ジヒドロ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]
インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオンの
合成:
【0276】
【化55】
【0277】(1) 4-(3,4-ジフルオロフェニル)-4-オキ
ソブタノイックアシッド:ジフルオロベンゼン57gに無
水コハク酸45gと塩化アルミニウム130.7gを加え、4時
間加熱還流した。反応液に1%塩酸水溶液200mlを加
え、クロロホルムで抽出し、水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した後、溶媒を留去した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィに付し、クロロホルム-
メタノール(30:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含
む画分を濃縮することにより標記化合物30gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.82(2H,t,J=7Hz), 3.26(2H,t,J=7
Hz), 7.0-7.9(3H,m)
【0278】(2) 4-(3,4-ジフルオロフェニル)ブタノイ
ックアシッド:(1)で得た化合物30gを酢酸200mlに溶解
し、60%過塩素酸8mlおよび10%パラジウム-炭素3gを
加え、6.5気圧で接触水素添加を行った。触媒を濾去
し、酢酸を留去した後、残渣に酢酸エチル600mlを加
え、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
することにより、標記化合物26gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.8-2.1(2H,m), 2.37(2H,t,J=7H
z), 2.64(2H,t,J=7Hz),6.9-7.1(3H,m)
【0279】(3) 4-(4,5-ジフルオロ-2-ニトロフェニ
ル)ブタノイックアシッド:(2)で得た化合物500mgを冷
濃硫酸4mlに加え、内温5℃以下に保ちながら硝酸カリ
ウム371mgを含む濃硫酸溶液2.5mlを滴下した。滴下終了
後30分間攪拌した後、反応液を氷水中に注ぎ、クロロホ
ルム100mlで抽出した。クロロホルム層を水洗し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去することにより、
標記化合物480mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.8-2.1(2H,m), 2.48(2H,t,J=7H
z), 2.9-3.0(2H,m),7.21(1H,dd,J=7Hz,10Hz), 7.90(1H,
dd,J=7Hz,10Hz)
【0280】(4) 4-(2-アセチルアミノ-4,5-ジフルオロ
フェニル)ブタノイックアシッド:(3)で得た化合物380m
gを酢酸5ml、無水酢酸10mlの混合溶媒に溶解し、10%
パラジウム-炭素60mgを加え、接触水素添加を行った。
触媒を濾去し、濾液を濃縮して得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィに付し、クロロホルム-メタ
ノール(10:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含む画
分を濃縮することにより標記化合物90mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.7-1.9(2H,m), 2.29(3H,s), 2.4-
2.6(4H,m),6.93(1H,dd,J=8Hz,12Hz), 8.09(1H,dd,J=8H
z,12Hz),8.53(1H,br s)
【0281】(5) 5-アセチルアミノ-7,8-ジフルオロ-1-
テトラロン:(4)で得た化合物9.07gをジクロルメタン45
0mlに溶解し、室温攪拌下、五塩化リン7.71gを加え、1
時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣にジクロルメタン
を加えて再び留去した。残渣に1,2-ジクロルエタン500m
l、無水塩化アルミニウム9.88gを加え、70℃で1時間攪
拌後、15時間穏やかに加熱還流した。反応液を氷水中に
注ぎ、クロロホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、クロロ
ホルム-メタノール(50:1)の混合溶媒で展開し、目的
物を含む画分を濃縮することにより標記化合物2.31gを
得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.1-2.2(2H,m), 2.23(3H,s), 2.5-
2.7(2H,m),2.7-2.9(2H,m), 6.93(1H,br s),7.84(1H,dd,
J=7Hz,11Hz)
【0282】(6) 5-アセチルアミノ-7,8-ジフルオロ-1,
2,3,4-テトラヒドロナフタレン:(5)で得た化合物1gを
エタノール20mlに溶解し、室温攪拌下、水素化ホウ素ナ
トリウム166mgを加え、20分間攪拌した。反応液にクロ
ロホルム、10%クエン酸を加え、クロロホルム層を抽出
した。クロロホルム層を濃縮し、残渣にトルエン20ml、
およびp-TsOHを少量加えて1時間加熱還流した。反応液
に酢酸エチル100mlを加えて、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた残
渣をエタノール20ml、ジオキサン20mlおよび酢酸0.2ml
の混合溶媒に溶解し、酸化白金200mgを加え接触水素添
加を行った。触媒を濾去し、濾液を濃縮し残渣にエーテ
ルを加えて析出物を濾取して標記化合物0.8gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.79(4H,br s), 2.18(3H,s), 2.52
(2H,br s),2.73(2H,br s), 6.91(1H,br s), 7.4-7.6(1
H,m)
【0283】(7) 8-アセチルアミノ-5,6-ジフルオロ-1-
テトラロン:(6)で得た化合物810mgをアセトン30mlに溶
解し、15%硫酸マグネシウム3mlを加えて攪拌下、過マ
ンガン酸カリウム1.17gを徐々に加えた。1時間後、反
応液にクロロホルムを加えて抽出し、水、飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去する
ことにより標記化合物806mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.05-2.17(2H,m), 2.23(3H,s), 2.
68(2H,t,J=5.85Hz),3.00(2H,t,J=5.85Hz), 8.61(1H,d
d,J=7.8Hz,13.2Hz),12.1-12.23(1H,br s)
【0284】(8) 2,8-ジアセチルアミノ-5,6-ジフルオ
ロ-1-テトラロン:(7)で得られた化合物300mgを7.5mlの
THFに溶解した溶液を、第3級カリウムブトキシド309mg
を含むTHF15mlおよび第3級ブタノール1.5mlの混合溶
媒に、N2気流下0℃で徐々に加える。同温度で10分間攪
拌後、n-ブチルナイトライト0.22mlを0℃で滴加した後
徐々に温度を20℃まで上げながら1.5時間攪拌する。1
N塩酸を用いてpHを1とした後、クロロホルムで抽出す
る。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を留去して得られる残渣に酢酸15ml、無水酢酸
15mlを加え、さらに亜鉛末1gを加えて20℃で18時間攪
拌する。不溶物を濾過により除き、溶媒を留去した後、
残渣をクロロホルムで抽出、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得られる残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィに付す。クロロホ
ルム−メタノール(97:3)の混合溶媒で展開し、目的
物を含む画分を濃縮することにより標記混合物311mgを
得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.83-1.94(1H,m), 2.10(3H,s), 2.
21(3H,s),2.59-2.67(1H,m), 2.92-3.01(1H,m), 3.18-3.
26(1H,m),4.62-4.68(1H,m), 6.70(1H,d,J=5.9Hz),8.56
(1H,dd,J=7.3Hz,13.2Hz), 11.64-11.67(1H,br s)
【0285】(9) 2,8-ジアミノ-5,6-ジフルオロ-1-テト
ラロン:(8)で得られた化合物300mgを3N塩酸50mlに加
え、60℃で3.5時間攪拌する。ついで濃塩酸15mlを加え9
0℃で30分間攪拌した後、冷却し炭酸水素ナトリウムを
用いて反応液を中和し300mlのクロロホルムで抽出す
る。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を留去することにより標記化合物140mgを得
た。 NMR(CDCl3中)δ:1.79-1.93(1H,m), 2.68-2.81(2H,
m), 3.16-3.20(1H,m),3.53-3.56(1H,m), 6.26-6.29(2H,
m), 6.34-6.45(2H,m),7.28(1H,s)
【0286】(10) 8-アミノ-5,6-ジフルオロ-2-トリフ
ルオロアセチルアミノ-1-テトラロン:(9)で得られた化
合物140mgをTHF10mlに溶解し、0℃に冷却後トリエチル
アミン75mgを加え、さらに無水トリフルオロ酢酸155mg
を徐々に加える。1.5時間攪拌した後、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出する。飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留
去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィに付し、クロロホルム−メタノール(97:3)の混合
溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃縮することにより
標記混合物93mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.85(1H,ddd,J=4.4Hz,13Hz,26.1H
z), 2.75-2.84(2H,m),3.20-3.26(1H,m), 4.5(1H,dd,J=
4.9Hz,13.7Hz),6.31(1H,dd,J=6.3Hz,11.7Hz), 6.35-6.4
4(2H,br s),7.54-7.6(1H,br s)
【0287】(11) (9S)-9-エチル-4,5-ジフルオロ-2,3-
ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1-トリフルオロアセチルアミ
ノ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ
[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン:(10)で得た化
合物90mgをトルエン20mlに溶解し、トリオン81mg、およ
びPPTS20mgを加えた後、窒素気流中で111時間加熱還流
した。反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィに付し、クロロホルム-メタノール
(30:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含む画分を濃
縮することにより標記化合物98mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.01(3H,t,J=7Hz), 1.80-1.83(2H,
m), 2.01(1H,s),2.33(1H,s), 2.96(1H,dd,J=6.35Hz,7.3
2Hz),4.32-4.36(1H,m), 5.23(3H,dd,J=6.35Hz,17.1Hz),
5.67(1H,d,J=17.1Hz), 7.55(1H,s)
【0288】(12) (9S)-1-アミノ-9-エチル-4,5-ジフル
オロ-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-1H,12H-ベンゾ[de]
ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13
(9H,15H)-ジオン 塩酸塩:(11)で得た化合物95mgを1
N塩酸30mlに加え1時間加熱還流した後、溶媒を留去し
て得られる残渣に水30mlを加え不溶物を濾過により除
く。濾液を高速液体クロマトグラフィー[CAPCELL PAK
C18;アセトニトリル:水:1N塩酸(20:80:1)で
展開]で精製し、標記化合物をアイソマーA(6.2mg)
およびアイソマーB(5.9mg)として得た。 アイソマーA: IRνmax KBrcm-1:3416,1746,1660,1602,1512 NMR(DMSO-d6中)δ:0.87(3H,t,J=7.3Hz), 1.82-1.9
1(2H,m),2.15-2.26(1H,m), 5.11-5.18(1H,br s),5.44,
5.84(2H,ABq,J=19Hz),5.45(2H,s), 7.35(1H,s),8.18(1
H,dd,J=7.8Hz,11.5Hz), 8.55-8.64(3H,br) MASS m/z: 439(M+) アイソマーB: IRνmax KBrcm-1:2932,1750,1658,1596,1508 NMR(DMSO-d6中)δ:0.86(3H,t,J=7.3Hz), 1.83-1.9
(2H,m),2.15-2.24(1H,m), 5.12-5.16(1H,br s),5.44,5.
82(2H,ABq,J=19Hz), 5.45(2H,s),6.55(1H,s),7.35(1H,
s) ,8.19(1H,dd,J=7.8Hz,11.5Hz),8.53-8.66(3H,br) MASS m/z: 439(M+)
【0289】実施例50 (9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-9-
ハイドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',
4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-
ジオン 塩酸塩:
【0290】
【化56】
【0291】(1) 4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)-4-
オキソブタノイックアシッド:2-フルオロトルエン250m
lに無水コハク酸200gと塩化アルミニウム800gを加え、8
0℃で1時間加熱する。反応液を冷1%塩酸水溶液5lに
加え、酢酸エチルで抽出し、1N塩酸および水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去すること
により標記化合物345gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.89-1.97(2H,m), 2.24(3H,s), 2.
36(2H,t,J=7.3Hz),2.60(2H,t,J=7.3Hz), 6.84-6.99(3H,
m)
【0292】(2) 4-(4-フルオロ-3-メチルフェニル)ブ
タノイックアシッド メチルエステル:(1)で得た化合
物172gを酢酸700mlに溶解し、40%過塩素酸10mlおよび1
0%パラジウム-炭素30gを加え、6気圧で接触水素添加
を行う。不溶物を濾過により除去した後、酢酸を留去し
て得られる残渣に水2lを加え、クロロホルムで抽出し
た後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
する。溶媒を留去した後、残渣にメタノール1lを加え
0℃に冷却する。この溶液に塩化チオニル269gを徐々に
滴加した後、ジメチルホルムアミド10mlを加え室温で12
時間攪拌した後反応液を濃縮し、クロロホルムで抽出
後、水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、溶媒を留去することにより、標記化合
物153gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.91(2H,quintet,J=7.5Hz), 2.24
(3H,d,J=2Hz),2.31(2H,t,7.5Hz), 2.57(2H,t,J=7.5Hz),
3.66(3H,s),6.89(1H,t,J=9Hz), 6.93(1H,ddd,J=9Hz,5H
z,3Hz),6.97(1H,dd,J=7Hz,3Hz)
【0293】(3) 4-(4-フルオロ-3-メチル-6-ニトロフ
ェニル)ブタノイックアシド メチルエステル:(2)で得
た化合物10.9gを冷濃硫酸6mlに加え、内温5℃以下に
保ちながら硝酸カリウム5.8gの濃硫酸溶液15mlを滴加す
る。滴加終了後さらに20分間攪拌した後、反応液を氷水
中に注ぎ酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を水、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、
ヘキサン−酢酸エチル(90:7)の混合溶媒で展開し、
目的物を含む画分を濃縮することにより標記化合物7.1g
を得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.97(2H,quintet,J=8Hz), 2.34(3
H,d,J=2Hz),2.41(2H,t,J=8Hz), 2.90(2H,t,J=8Hz), 3.6
9(3H,s),7.18(1H,d,J=7Hz), 7.66(1H,d,J=9Hz)
【0294】(4) 7-フルオロ-8-メチル-5-ニトロ-1-テ
トラロン:(3)で得た化合物7.1gをメタノール20mlに溶
かし、15%水酸化ナトリウム10mlを加えて室温で3時間
攪拌する。反応液を濃縮した後、濃塩酸を加えて酸性と
しクロロホルムで抽出し、クロロホルム層を水、飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
溶媒を留去を留去する。残渣を110℃に加熱したポリリ
ン酸50mlに徐々に加えた後、4.5時間攪拌する。反応液
を氷水100mlに加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去する。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィに付し、ヘキサン
−酢酸エチル(1:1)の混合溶媒で展開し、目的物を
含む画分を濃縮することにより標記化合物1.7gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.11(2H,quintet,J=7Hz), 2.60(3
H,d,J=2Hz),2.72(2H,t,J=7Hz), 3.14(2H,t,J=6.0Hz),7.
74(1H,d,J=9Hz)
【0295】(5) 5-アセチルアミノ-7-フルオロ-8-メチ
ル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン:(4)で得た化合物
1.35gをエタノール5mlおよびTHF15mlに溶解し、室温攪
拌下、水素化ホウ素ナトリウム114mgを加え、20分間攪
拌した。反応液を濃縮し、 残渣にトルエン25ml、および
p-TsOH840mgを加えて30分間加熱還流した。反応液に酢
酸エチル100mlを加えて、飽和食塩水で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した。得られた残渣を
酢酸エチル20mlに溶解し、酸化白金400mgを加え4時間
接触水素添加を行った。触媒を濾去し、濾液を濃縮して
得られる残渣にジクロルメタン10mlを加え、さらにトリ
エチルアミン1.2ml、および無水酢酸0.81mlを加え40分
間攪拌した。反応液をクロロホルム50mlで希釈し、希塩
酸、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、および飽和食塩水で
順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去す
ることにより標記化合物1.23gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.79(4H,s), 2.10(3H,s), 2.19(3
H,s), 2.53(2H,s),2.62(2H,s), 7.46(1H,d,J=9Hz)
【0296】(6) 8-アセチルアミノ-6-フルオロ−5−
メチル−1−テトラロン (5)で得た化合物1.2gをアセトン80mlに溶解し、15%硫
酸マグネシウム8mlを加えて攪拌下、過マンガン酸カリ
ウム2.63gを徐々に加えた。1時間後、反応液にクロロ
ホルムを加えて抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去することにより標
記化合物825mgを得た。 NMR(CDCl3中)δ:2.08(2H,quintet,J=7Hz), 2.15(3
H,d,J=2Hz),2.22(3H,s), 2.66(2H,t,J=7Hz), 2.88(2H,
t,J=6Hz),8.42(1H,d,J=13Hz)
【0297】(7) 2,8-ジアセチルアミノ-6-フルオロ-5-
メチル-1-テトラロン:(6)で得られた化合物4.7gを164m
lのTHFに溶解した溶液を、第3級カリウムブトキシド4.
48gを含むTHF200mlおよび第3級ブタノール10mlの混合
溶媒に、N2気流下0℃で徐々に加える。同温度で10分
間攪拌後、n-ブチルナイトライト4.79mlを0℃で滴下し
た後徐々に温度を20℃まで上げながら1.5時間攪拌す
る。1N塩酸を用いてpHを1とした後、クロロホルムで抽
出する。飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、溶媒を留去して得られる残渣に酢酸80ml、無水酢
酸60mlを加え、さらに亜鉛末15gを加えて20℃で18時間
攪拌する。不溶物を濾過により除き、溶媒を留去した
後、残渣をクロロホルムで抽出、飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して得られる
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィに付す。クロ
ロホルム−メタノール(97:3)の混合溶媒で展開し、
目的物を含む画分を濃縮することにより標記混合物3.85
gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.7-1.9(1H,m), 2.11(3H,s), 2.15
(3H,s), 2.23(3H,s),2.7-2.8(1H,m), 2.9-3.1(2H,m),
4.5-4.7(1H,m),6.53(1H,br s), 8.43(1H,d,J=13Hz),11.
76(1H,s)
【0298】(8) 2,8-ジアミノ-6-フルオロ-5-メチル-1
-テトラロン:(7)で得た化合物3.85gを、6N−塩酸100
mlに加え80℃で6時間攪拌する。反応液を水100mlに注
ぎ込み、15%水酸化ナトリウム水溶液でpH10としクロロ
ホルムで抽出する。抽出液を水、飽和食塩水で順次洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去すること
により標記化合物1.66gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.83(1H,dq,13Hz,4Hz), 2.04(3H,
s),2.25-2.4(1H,m), 2.75(1H,ddd,J=14Hz,13Hz,4Hz),2.
98(1H,ddd,J=14Hz,4Hz,3Hz),3.53(1H,dd,J=13Hz,4Hz),
6.20(1H,d,J=12Hz),6.42(1H,br s)
【0299】(9) 8-アミノ-6-フルオロ-5-メチル-2-ト
リフルオロアセチルアミノ-1-テトラロン:(8)で得た化
合物1.66gをエタノール70mlおよびTHF10mlの混合溶媒に
溶解した溶液にトリエチルアミン2mlおよびエチルトリ
フルオロアセテート1.51mlを加え、20℃で20時間攪拌す
る。反応液を希塩酸水に加え、クロロホルムで抽出し、
水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を留去
する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィに付
し、クロロホルムで展開し、目的物を含む画分を濃縮す
ることにより標記化合物1.79gを得た。 NMR(CDCl3中)δ:1.81(1H,dq,J=13Hz,5Hz), 2.06(3
H,d,J=0.5Hz),2.8-3.1(3H,m), 4.48(1H,dt,13Hz,4Hz),
6.26(1H,d,J=13Hz), 7.64(1H,br s)
【0300】(10) (9S)-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジヒ
ドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-1-トリフルオロアセチ
ルアミノ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インド
リジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9H,15H)-ジオン:(9)で
得た化合物4.0gをトルエン900mlに溶解し、トリオン4.5
7gおよびPPTS4.9gを加えた後、窒素気流中で71時間加熱
還流した。反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィに付し、クロロホルム−メタノ
ール(30:1)の混合溶媒で展開し、目的物を含む画分
を濃縮することにより標記化合物4.21g得た。 NMR(MeOH-d4+CDCl3中)δ:0.94,0.96(3H,t,J=7Hz),
1.75-1.95(2H,m),2.36(3H,s), 2.3-2.5(2H,m),3.05-3.
35(2H,m), 5.05-5.75(5H,m),7.30(0.5H,d,J=11Hz), 7.4
5(0.5H,s),7.56(0.5H,d,J=11Hz), 7.57(0.5H,s)
【0301】(11) (9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ
-2,3-ジヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベン
ゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリ
ン-10,13(9H,15H)-ジオン 塩酸塩:(10)で得た化合物6
25mgを濃塩酸7.5ml、メタノール18mlおよび水12mlの混
合液に加え、80℃で7時間攪拌する。不溶物を濾過によ
り除き、濾液を高速液体クロマトグラフィー[CAPCELL
PAK C18;アセトニトリル:水:1N塩酸(20:80:
1)で展開]で精製し、標記化合物をアイソマーA(13
8mg)およびアイソマーB(143mg)として得た。 アイソマーA: 融点:220-250℃(分解) [α]D 20=+198°(c=0.42, H2O中) IRνmax KBrcm-1:3400,1748,1660,1592 NMR(D2O中)δ:0.73(3H,t,J=7.3Hz), 1.74(2H,q,J=
7.3Hz), 2.13(3H,s),2.45-2.55(1H,m), 2.6-2.7(1H,m),
2.85-3.0(1H,m),3.2-3.3(1H,m), 5.11(1H,m), 5.18,5.
25(2H,ABq,J=19Hz),5.18, 5.32(2H,ABq,J=16Hz), 7.05
(1H,s),7.09(1H,d,J=11Hz) アイソマーB: 融点:220-230℃(分解) NMR(D2O中)δ:0.82(3H,t,J=7.3Hz), 1.83(2H,q,J=
7.3Hz), 2.13(3H,s),2.1-2.3(1H,m), 2.5-2.6(1H,m),
2.9-3.1(1H,m),3.1-3.3(1H,m), 4.97(1H,br s),5.06,5.
32(2H,ABq,J=19Hz),5.24,5.37(2H,ABq,J=16Hz), 6.99(1
H,d,J=11Hz),7.16(1H,s)
【0302】
【発明の効果】化合物(1)又はその塩は抗腫瘍活性に優
れ、安全性が高く、水溶性であり、これを有効成分とす
る本発明抗腫瘍剤は肺癌、消化器癌、卵巣癌、子宮癌、
乳癌、肝癌、頭頚部癌、血液癌、腎癌、コウ丸腫瘍等の
各種癌の治療に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三井 郁雄 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第一製薬中央研究所内 (56)参考文献 特開 平1−279891(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/47 C07D 491/22 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1)で表される化合物又はそ
    の塩を有効成分とする抗腫瘍剤。 【化1】 〔式中、R1及びR2は、それぞれ水素原子;ヒドロキシ
    ル基;ヒドロキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基もしく
    はシアノ基を有することもある炭素数1〜6のアルキル
    基;炭素数1〜6のアルケニル基;炭素数1〜6のアル
    キニル基;炭素数1〜6のアルコキシル基;炭素数1〜
    6のアミノアルコキシル基;ハロゲン原子;ニトロ基;
    シアノ基;メルカプト基;アルキルチオ基;保護基を有
    することもあるアミノ基;アミノ部分に保護基もしくは
    炭素数1〜6のアルキル基を有することもある炭素数1
    〜6のアミノアルキル基;アミノ部分に保護基もしくは
    炭素数1〜6のアルキル基を有することもある炭素数1
    〜6のアミノアルキルアミノ基;炭素数1〜6のアルキ
    ル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、アミノ基、ハロ
    ゲン原子、ニトロ基もしくはシアノ基を有することもあ
    る複素環を有する炭素数1〜6のアルキル基;炭素数1
    〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、ア
    ミノ基、ハロゲン原子、ニトロ基もしくはシアノ基を有
    することもある複素環を有するカルボニル基;炭素数1
    〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、保
    護基を有することもあるアミノ基、ハロゲン原子、ニト
    ロ基、シアノ基もしくは保護基を有することもある複素
    環を有する炭素数1〜6のアルキルアミノ基;複素環の
    窒素原子もしくはアミノ部分に保護基もしくは炭素数1
    〜6のアルキル基を有することもあるアミノ複素環基;
    複素環の窒素原子もしくはアミノ部分に保護基もしくは
    炭素数1〜6のアルキル基を有することもある複素環ア
    ミノ基;又は保護基もしくは炭素数1〜6のアルキル基
    を有することもあるカルバモイル基を示し、 R3は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、 R4は、保護基を有することもあるアミノ基;保護基を
    有することもある炭素数1〜6のアルキルアミノ基;保
    護基を有することもある炭素数1〜6のアミノアルキル
    基;保護基を有することもある炭素数1〜6のアルキル
    アミノアルキル基;スルホン酸基;又はカルボキシル基
    を示し、 Zは、酸素原子;イオウ原子;CR56(R5、R6はそ
    れぞれ水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を意味す
    る);又はNR7(R7は水素原子;炭素数1〜6のアル
    キル基;保護基を有することもある炭素数1〜6のアミ
    ノアルキル基;保護基を有することもある炭素数1〜6
    のアルキルアミノアルキル基;又はアミノ基の保護基を
    意味する)を示し、 m及びnはそれぞれ0、1又は2を意味する。〕
  2. 【請求項2】 下記式 【化2】 で表される(9S)-1-アミノ-9-エチル-5-フルオロ-2,3-ジ
    ヒドロ-9-ハイドロキシ-4-メチル-1H,12H-ベンゾ[de]ピ
    ラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-10,13(9
    H,15H)-ジオン又はその塩を有効成分とする抗腫瘍剤。
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