JP3359389B2 - ポリマー電解質 - Google Patents

ポリマー電解質

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JP3359389B2
JP3359389B2 JP20275993A JP20275993A JP3359389B2 JP 3359389 B2 JP3359389 B2 JP 3359389B2 JP 20275993 A JP20275993 A JP 20275993A JP 20275993 A JP20275993 A JP 20275993A JP 3359389 B2 JP3359389 B2 JP 3359389B2
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裕史 上町
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電池、キャパシター、
センサー、表示素子、記録素子等の電気化学素子に用い
られるポリマー電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】シート状の電解質を用いることにより、
A4版、B5版等の大面積でしかも薄形の電池、電気二
重層キャパシタ、あるいはエレクトロクロミック表示素
子等の電気化学デバイスを得ることができる。この様な
目的に合った電解質として、リチウム塩を溶解した有機
溶媒をポリアクリロニトリルでゲル化したポリマー電解
質が提案されている(ジャーナル オブ エレクトロケ
ミカル ソサイエティ、137巻、1675ページ)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のポリマー電解質
は、大面積、たとえば100cm2で、かつ厚みが20
0μm程度のシート状とした場合それ自身で形状を保持
するのは困難であるし、長期に渡って保存していると溶
媒の浸み出しが起こり、そのため収縮が起こり、形状が
変化する欠点があった。また、接着性、結着性に乏し
く、電池等の電気化学デバイスの電解質として用いた
際、正極材料あるいは負極材料との接合が不十分で、電
池を長期に渡り保存したり、充放電すると、電池内に緩
みが生じ、内部抵抗の増加、動作電圧の低下、放電容量
の低下を招く欠点があった。
【0004】従って本発明の目的は、厚みが200μm
以下であっても大面積で、保存中における溶媒の浸み出
しが起こらず形状の変化がなく、また、電極材料との接
着性、結着性に優れ、しかも室温で10-3S/cm以上
の高いイオン伝導度を与えるポリマー電解質を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のポリマー電解質は、アクリロニトリルと、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチルあるいはアクリル酸ブチル
との共重合体、直鎖状ポリエチレンオキシド、およびリ
チウム塩を溶解した非プロトン性溶媒を含むゲルからな
り、前記ポリエチレンオキシドが、ゲルの網目構造の架
橋点を形成していることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明の電解質シートは、アクリロニトリル共
重合体の他にポリアルキレンオキサイドを含んでおり、
塩を溶解した非プロトン性溶媒がアクリロニトリル共重
合体の作用によりゲル化した際、親水性のポリアルキレ
ンオキシドはゲル内にあって部分的に結晶化し、アクリ
ロニトリル共重合体の架橋点として作用し、共重合体分
子が絡まった編目構造が発達し、塩を溶解した非プロト
ン性溶媒を有効に保持するため、長期間に渡り保存して
おいても溶媒の浸み出しは全く起こらない。従って、大
面積で200μm以下の厚さであっても、可撓性に富ん
だ機械強度の高い自己形状保持性に優れたポリマ電解質
シートとなる。また、ポリアルキレンオキシドは、ゲル
内にあって高い接着性、結着性を付与し、電極材料との
良好な接合を可能とする。
【0007】本発明のポリマー電解質は、次にようにし
て作製することができる。先ず、塩を溶解した非プロト
ン性の第1の溶媒(以後、電解液と呼ぶ)にアクリロニ
トリルの共重合体の粉末を加熱溶解し、第1の粘性液体
を得る。次に、アクリロニトリル共重合体を溶解するの
に用いた第1の溶媒より沸点が低い第2の溶媒にポリア
ルキレンオキシドを溶解し、第2の粘性液体を得る。こ
うして得られた粘性溶液を各々用いた溶媒の沸点以下で
加熱しながら所定の割合で混合する。次いで、得られた
均一液体をガラス板上に展開したのち、第2の溶媒を加
熱真空脱気により散逸させたのち、0℃以下に冷却す
る。以上のようにしてポリマー電解質を作製する。
【0008】アクリロニトリルの共重合体(A)とポリ
アルキレンオキシド(B)との配合比は、各々の分子量
により異なるが、重量比でA:B=95:5〜50:5
0が好ましい。95:5以下にポリアルキレンオキシド
の配合量が少なくなると、電解液のしみだしが起こり易
くなる。50:50以上にポリアルキレンオキシドの量
が多くなると、ポリマー電解質が柔らかくなり過ぎて自
己形状保持が困難となる。最適な範囲は、A:B=8
0:20ないし60:40である。アクリロニトリルの
共重合体(A)とポリアルキレンオキシド(B)の合計
量を1重量部とすると、電解液(C)の配合量は、2重
量部から10重量部が好ましい。
【0009】本発明に用いるアクリロニトリル共重合体
としては特に制限はないが、アクリロニトリルと共重合
させる共重合成分としては、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、スチレ
ン、塩化ビニル、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル
等が用いられる。なかでも、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチルを共重合成分とするアク
リロニトリル共重合体は、塩を溶解した非プロトン性有
機溶媒の保持量が多く好ましい。共重合体の平均分子量
としては、1万〜100万が好ましい。1万より小さい
と、冷却してもゲル化が起こらず、自己形状保持性のあ
るシートとならない。100万より大きいと、粘性液体
の粘度が高くなり、均一な膜が得られない。粘性液体の
粘度を下げるのに、加熱、溶媒による希釈が有効である
が、分子量が100万以上になると、加熱温度を上げれ
ば分散に必要な粘度に下がる前に共重合体の熱分解が起
こる。また、希釈剤を用いると凝固が起こり、共重合体
と溶媒とが分離する。アクリロニトリルと共重合成分と
の共重合モル比は、アクリロニトリル:共重合成分=9
9:1〜80:20が好ましい。この範囲内であると、
塩を溶解した非プロトン性の有機溶媒を加えて加熱溶解
した際、製膜、成形に適した粘度約500〜3000c
psの粘性液体が得られる。
【0010】本発明に用いられるポリアルキレンオキシ
ドとしては特に制限はなく、例えばエチレンオキシドあ
るいはプロピレンオキシド等のアルキレンオキシド単量
体の単独重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合
体、あるいはそれらを架橋して得られる架橋体が用いら
れる。中でも、エチレンオキシドが単独で直鎖状に重合
した直鎖状ポリエチレンオキシドが、アクリロニトリル
共重合体と混和性が良好で好ましい。ポリアルキレンオ
キシドの平均分子量としては、10万〜1000万が好
ましい。10万以下になると、塩を溶解した非プロトン
性溶媒に対する溶解性が高くなり、結晶化して架橋点と
して作用できなくなり、溶媒が流れ出しやくすなる。1
000万以上になると、アクリロニトリル重合体との混
和性が低下し、ポリアルキレンオキシドの塊が分離し、
ポリマー電解質の溶媒の保持性が低下する。
【0011】非プロトン性の溶媒としては、ブチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、スルホラン、メチルスルホラン、ジメトキシエタ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テ
トラヒドロフラン、アセトニトリル、あるいはこれらの
混合溶媒が用いられる。非プロトン性の溶媒に溶解する
塩としては、LiClO4、LiBF4、LiPF6、L
iAsF6、LiCF3SO3、LiI、NaBF4、(C
25)4NBF4、安息香酸アンモニウム、あるいは酒石
酸アンモニウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩が用いられる。塩の濃度は0.5M
〜1.5Mが最も高いイオン伝導度が得れるので好まし
い。
【0012】また、本発明のポリマー電解質には上記成
分のほかに、機械強度をさらに高めるために、シリカゲ
ル、アルミナゲル等の無機物質粉末を添加混合してもよ
いし、あるいは、LiI、β−Al23等の固体電解質
粉末を添加混合することも可能である。また、本発明の
ポリマー電解質をポリプロピレン微多孔膜、ガラス繊維
強化高密度紙、ポリエステルメッシュ等の電気絶縁性の
支持体に含浸あるいは担持してもよい。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。 [実施例1]LiBF4を2.3g溶かしたエチレンカ
ーボネート(以下、ECで表す)とスルホラン(以下、
SLで表す)の混合溶媒(EC:SL=1:1容積比)
よりなる電解液20g中に、アクリロニトリル(以下、
ANで表す)とアクリル酸メチル(以下、MAで表す)
の共重合モル比が90:10、平均分子量が51000
のAN−MA共重合体粉末を3.0g加え、150℃に
加熱して透明な粘性溶液とした後、アセトニトリル30
gを加えて希釈し溶液(1)を調製する。次に、アセト
ニトリル100gに平均分子量が170〜220万の直
鎖ポリエチレンオキサイド(商品名:PEO−8,住友
精化製)2.8gを溶解し溶液(2)を調製する。溶液
(1)と溶液(2)を重量比で5:1、2:1、1:1
の割合で混合して溶液(a)、溶液(b)、溶液(c)
を調製する。これらの溶液を、直径90mmのガラスシ
ャーレに流延し、40cmHgの減圧下で60℃に加熱
し、アセトニトリルを散逸させたのち、マイナス20℃
に冷却することにより、厚さ150〜200μmのポリ
マー電解質(a)、(b)、(c)を得る。それぞれの
ポリマー電解質の組成比を表1に示す。組成比はすべて
重量比である。
【0014】
【表1】
【0015】ポリマー電解質(a)、(b)、(c)
は、何れもガラスシャーレから容易に剥がれ、可撓性に
富んだ膜となった。直径50mmの円柱の外周に沿って
折り曲げる試験を5000回繰り返した後も破れること
はなかった。これらポリマー電解質を直径12.5mm
の円板に打ち抜き、リチウム円板に挟んで電解セルを組
み立て伝導度を測定したところ、20℃で1〜2×10
-3S/cm、マイナス20℃で7〜9×10-5S/cm
の高伝導度を与えた。さらに、電解セルの電圧を−0.
5ボルト〜+0.5ボルトの範囲で連続的に1mV/s
ecの掃引速度で50回繰り返し変化させる分極試験を
行ったところ、試験後、電解液のしみ出しは全く見られ
なかった。また、これらのポリマー電解質を20℃で6
ヶ月間に渡り保存した後も、電解液のしみ出しは全く見
られなかった。
【0016】次に、ポリマー電解質(a),(b),
(c)の電極材料との接着性・結着性を調べるために、
ポリマー電解質3重量部、LiCoO2粉末2重量部、
カーボン粉末0.5重量部よりなる厚さ170μmの電
極組成物を調製し、直径12.5mmの円板に打ち抜い
た正極と、円板状ポリマー電解質と、円板状金属リチウ
ムとを重ね合わせて電池を組み立てた。これらの電池を
20℃において、4.30ボルト〜3.0ボルトの間で
0.2mA/cm2の一定電流で充放電を行い、充放電
サイクル進行に伴う放電容量の変化を調べたところ、い
ずれの電解質を用いた電池も、50サイクル後において
も初期の90%以上の放電容量を与えた。
【0017】[比較例1]実施例1で調製した溶液
(1)を、直径90mmのガラスシャーレに流延し、4
0cmHgの減圧下で60℃に加熱し、アセトニトリル
を散逸させたのち、マイナス20℃に冷却することでポ
リエチレンオキシドを含まない厚さ620μmのポリマ
ー電解質(d)を得る。ポリマー電解質(d)は、直径
90mmの膜としてガラスシャーレから剥がすことが可
能であるが、流延する量を1/3に減らして、より薄い
電解質シートの製膜を試みたが、出来た膜は自己保持性
に乏しくガラスシャーレから剥がすことは困難で、ま
た、破れやすく取扱いが極めて困難であった。厚さ62
0μmのポリマー電解質について、リチウム円板を両極
とするセルを組み立て、実施例1と同様の分極試験を行
ったところ、透明の電解液がセルの外にしみ出している
のが観測された。
【0018】また、実施例1と同様の電池充放電試験を
行ったところ、充放電サイクルの進行とともに放電容量
が減少し、50サイクル後には初期の32%の放電容量
しか得られなかった。容量の低下した電池を加圧して再
度充放電を行ったところ、初期の78%の容量に回復し
たことから、放電容量の低下は、充放電サイクル進行に
伴ってポリマー電解質と電極材料間の緩みが生じ内部抵
抗が増加したために起こったものと考えれる。この緩み
は、比較例に用いたポリマー電解質の接着性・結着性の
不足によるものと考えられる。
【0019】[実施例2]LiPF6を3.8g溶かし
たEC−プロピレンカーボネート(以下、PCで表す)
混合溶媒(EC:PC=1:1容積比)よりなる電解液
20g中に、AN−アクリル酸エチル(以下、EAで表
す)の共重合モル比が85:15、平均分子量が610
00のAN−EA共重合体粉末を4.0g加え、150
℃に加熱して透明な粘性溶液とした後、アセトニトリル
30mlを加えて希釈して溶液(3)を調製する。次
に、アセトニトリル100gに平均分子量が430〜4
80万の直鎖ポリエチレンオキサイド(商品名:PEO
−18,住友精化製)2.8gを溶解し溶液(4)を調
製する。溶液(3)と溶液(4)を重量比で5:1、
2:1、1:1の割合で混合して溶液(e)、溶液
(f)、溶液(g)を調製する。これらの溶液を、直径
90mmのガラスシャーレに流延し、40cmHgの減
圧下で60℃に加熱し、アセトニトリルを散逸させたの
ち、マイナス20℃に冷却することで厚さ150〜20
0μmのポリマー電解質(e)、(f)、(g)を得
る。それぞれのポリマー電解質の組成比(重量比)を表
2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】ポリマー電解質(e)、(f)、(g)
は、何れもガラスシャーレから容易に剥がれ、可撓性に
富んだ膜となった。直径50mmの円柱の外周に沿って
折り曲げる試験を5000回繰り返した後も破れること
はなかった。これらポリマー電解質を直径12.5mm
の円板に打ち抜き、リチウム円板に挟んで電解セルを組
み立て伝導度を測定したところ、20℃で1×10-3
/cm、マイナス20℃で6〜8×10-5S/cmの高
伝導度を与えた。さらに、実施例1と同様の分極試験を
行ったところ、試験後、電解液のしみ出しは全く見られ
なかった。また、これらのポリマー電解質を20℃で6
ヶ月間に渡り保存した後も、電解液のしみ出しは全く見
られなかった。
【0022】また、ポリマー電解質(e),(f),
(g)の電極材料との接着性・結着性を調べるために、
ポリマー電解質3重量部、LiNiO2粉末2重量部、
カーボン粉末0.5重量部よりなる厚さ160μmの電
極組成物を調製し、直径12.5mmの円板に打ち抜い
た正極と、ポリマー電解質円板と、金属リチウム円板と
を重ね合わせて電池を組み立てた。これらの電池を20
℃において、4.30ボルト〜3.0ボルトの間で0.
2mA/cm2の一定電流で充放電を行い、充放電サイ
クル進行に伴う放電容量の変化を調べたところ、いずれ
の電解質を用いた電池も、50サイクル後においても初
期の90%以上の放電容量を与えた。
【0023】[比較例2]実施例2で調製した溶液
(3)を、直径90mmのガラスシャーレに流延し、4
0cmHgの減圧下で60℃に加熱し、アセトニトリル
を散逸させたのち、マイナス20℃に冷却することでポ
リエチレンオキシドを含まない厚さ570μmのポリマ
ー電解質(h)を得る。ポリマー電解質(h)は、直径
90mmの膜としてガラスシャーレから剥がすことが可
能であるが、流延する量を1/3に減らして、より薄い
電解質シートの製膜を試みたが、出来た膜は自己保持性
に乏しくガラスシャーレから剥がすことは困難で、ま
た、破れやすく取扱いが極めて困難であった。厚さ57
0μmのポリマー電解質について、リチウム円板を両極
とするセルを組み立て、実施例2と同様の分極試験を行
ったところ、透明の電解液がセルの外にしみ出している
のが観測された。また、実施例2と同様の電池充放電試
験を行ったところ、充放電サイクルの進行とともに放電
容量が減少し、50サイクル後には初期の46%の放電
容量しか得られなかった。
【0024】[実施例3]LiClO4を2.3g溶か
したPC−ジメトキシエタン(以下、DMEで表す)混
合溶媒(PC:DME=5:1容積比)よりなる電解液
20g中に、AN−アクリル酸ブチル(以下、BAで表
す)の共重合モル比が80:20、平均分子量が750
00のAN−BA共重合体粉末を3.5g加え、150
℃に加熱して透明な粘性溶液とした後、アセトニトリル
30mlを加えて希釈して溶液(5)を調製する。次
に、アセトニトリル100gに平均分子量が15〜40
万の直鎖ポリエチレンオキシド(商品名:PEO−1,
住友精化製)2.8gを溶解し溶液(6)を調製する。
溶液(5)と溶液(6)を重量比で5:1、2:1、
1:1の割合で混合して溶液(i)、溶液(j)、溶液
(k)を調製する。これらの溶液を、直径90mmのガ
ラスシャーレに流延し、40cmHgの減圧下で60℃
に加熱し、アセトニトリルを散逸させたのち、マイナス
20℃に冷却することで厚さ150〜200μmのポリ
マー電解質(i)、(j)、(k)を得る。それぞれの
ポリマー電解質の組成比(重量比)を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】ポリマー電解質(i)、(j)、(k)
は、何れもガラスシャーレから容易に剥がれ、可撓性に
富んだ膜となった。直径50mmの円柱の外周に沿って
折り曲げる試験を5000回繰り返した後も破れること
はなかった。これらポリマー電解質を直径12.5mm
の円板に打ち抜き、リチウム円板に挟んで電解セルを組
み立て伝導度を測定したところ、20℃で3〜4×10
-3S/cm、マイナス20℃で1〜2×10-4S/cm
の高伝導度を与えた。さらに、実施例1と同様の分極試
験を行ったところ、試験後、電解液のしみ出しは全く見
られなかった。また、これらのポリマー電解質を20℃
で6ヶ月間に渡り保存した後も、電解液のしみ出しは全
く見られなかった。
【0027】また、ポリマー電解質(i),(j),
(k)の電極材料との接着性・結着性を調べるために、
ポリマー電解質3重量部、LiNi0.8Mn0.22 粉末
2重量部、カーボン粉末0.5重量部よりなる厚さ16
0μmの電極組成物を調製し、直径12.5mmの円板
に打ち抜いた正極と、ポリマー電解質円板と、金属リチ
ウム円板とを重ね合わせて電池を組み立てた。これらの
電池を20℃において、4.30ボルト〜3.0ボルト
の間で0.2mA/cm2の一定電流で充放電を行い、
充放電サイクル進行に伴う放電容量の変化を調べたとこ
ろ、いずれの電解質を用いた電池も、50サイクル後に
おいても初期の90%以上の放電容量を与えた。
【0028】[比較例3]実施例3で調製した溶液
(5)を、直径90mmのガラスシャーレに流延し、4
0cmHgの減圧下で60℃に加熱し、アセトニトリル
を散逸させたのち、マイナス20℃に冷却することでポ
リエチレンオキシドを含まない厚さ680μmのポリマ
ー電解質(l)を得る。ポリマー電解質(l)は、直径
90mmの膜としてガラスシャーレから剥がすことが可
能であるが、流延する量を1/3に減らして、より薄い
電解質シートの製膜を試みたが、出来た膜は自己保持性
に乏しくガラスシャーレから剥がすことは困難で、ま
た、破れやすく取扱いが極めて困難であった。厚さ68
0μmのポリマー電解質について、リチウム円板を両極
とするセルを組み立て、実施例1と同様の分極試験を行
ったところ、透明の電解液がセルの外にしみ出している
のが観測された。また、実施例3と同様の電池充放電試
験を行ったところ、充放電サイクルの進行とともに放電
容量が減少し、50サイクル後には初期の53%の放電
容量しか得られなかった。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明に従うポリマー電
解質は、大面積でしかも200μm以下の薄膜状に製膜
しても、自己形状保持性に富み、可撓性に優れ、しかも
高い伝導度を与える。電解および長期保存においても電
解液のしみ出しがなく、電極材料に対し良好な接着性・
結着性を有する、優れた機械強度および電気特性を兼ね
備えたポリマー電解質である。従って、電池、電気二重
層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子等の薄形
大面積の電気化学素子に有効に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // H01M 10/40 H01G 9/00 301G (56)参考文献 特開 平3−177409(JP,A) 特開 平4−306560(JP,A) 特開 平5−67477(JP,A) 特開 平2−236906(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/06 C08L 33/04 C08L 71/02 H01M 6/18 H01G 9/025

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリロニトリルと、アクリル酸メチ
    ル、アクリル酸エチル、あるいはアクリル酸ブチルとの
    共重合体、直鎖状ポリエチレンオキシド、およびリチウ
    塩を溶解した非プロトン性溶媒を含むゲルからなり、
    前記ポリエチレンオキシドが、ゲルの網目構造の架橋点
    を形成していることを特徴とするポリマー電解質。
JP20275993A 1993-07-23 1993-07-23 ポリマー電解質 Expired - Fee Related JP3359389B2 (ja)

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