JP3358048B2 - プロテーゼ用殻体とその製造方法 - Google Patents
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Description
とその製造方法に関する。
形のプロテーゼ(prosthesis)が検討されている。その
中で、軟骨や骨などの硬組織に係るものは隆鼻用プロテ
ーゼ、耳介形成用プロテーゼ、下顎用プロテーゼ、頬骨
用プロテーゼなどである。
多くは、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン、
ジメチルポリシロキサン等の有機高分子材料や、種々の
バイオセラミックスなどで製作したものであるため、骨
欠損部を補綴、修復することはできても、骨欠損部を生
体骨で再建することは不可能である。移植材を同一人の
腸骨または助軟骨に求める方法は、再建という観点から
すれば合理的で安全な方法であるから、現在でもなお広
く臨床面に利用されており、欠損部の再建に不可欠であ
る。
リマーの糸をメッシュ状に編み(織り)、この編物(織
物)で袋を作製して内部に硬、軟骨の砕片を充填し、プ
ロテーゼとして骨欠損部に埋入する方法が最近発表され
た。この方法は、骨欠損部に形状を付与し、且つ、骨欠
損部の再建と平行して、袋を構成する生体内分解吸収性
の糸が徐々に加水分解して生体内に吸収されるため、再
建後にはこの袋が異物として生体内に残らないという利
点を有する。
ようにメッシュ状の編物等で作製した袋は保形性がない
ため、骨の砕片を充填すると変形し、骨欠損部に埋入し
てもその形状を維持することができず、変形した状態で
再建されてしまうという問題が多々あり、実用にはかな
りの手術技術を要して、精緻な形状を付与すべき部位に
適用するするには問題の残る方法であった。
は、その形状が筒状などの極く単純なものに限られ、例
えば三次元的な曲面を有するような複雑な形状の袋は作
製が難しいという問題があるため、隆鼻用や耳介形成用
プロテーゼなどのように良好な保形性と滑らかな三次元
的曲面が要求される場合には、適用が難しいものであっ
た。
るプロテーゼ用殻体とその製造方法を提供せんとするも
のである。
め、本発明の請求項1に係るプロテーゼ用殻体は、開口
部を有する殻体であって、生体内分解吸収性ポリマーの
長繊維が絡み合って溶着し0.1〜0.5mmの厚さに
積み重なった長繊維層で形成され、長繊維中にバイオセ
ラミックスの粉体が含まれていることを特徴とするもの
である。
バイオセラミックスの粉体の大きさが0.2〜30μm
であることを特徴とし、請求項3のプロテーゼ用殻体
は、バイオセラミックスの粉体の含有量が5〜50重量
%であることを特徴とし、請求項4のプロテーゼ用殻体
は、長繊維の太さが100μm以下であることを特徴と
し、請求項5のプロテーゼ用殻体は、開口部から殻体内
部に手術中に塑性変形の容易なコア材が抜出し自在に挿
着されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項6の方法は、生体内分解吸収性ポリマー
を溶媒に溶解し、このポリマー溶液をノズルから繊維状
に吐出して殻体成形用コアの外面に略均等に吹き付けて
固化させることを特徴とするものである。
生体内分解吸収性ポリマーを溶解できる低沸点の溶剤、
又は、該溶剤と該溶剤より沸点が高い非溶剤との混合溶
媒であることを特徴とし、請求項8の製造方法は、殻体
成形用コアが手術中に塑性変形の容易なコア材であるこ
とを特徴とするものである。
繊維層は、生体内分解吸収性ポリマーの長繊維が絡み合
って溶着し0.1〜0.5mmの厚さに積み重なった適
度の剛性を有する層であるため、この長繊維層によって
形成されたプロテーゼ用殻体は実用に耐える保形性と強
度を備えている。そのため、この殻体に骨砕片を開口部
から充填しても殻体は変形せず、骨欠損部に埋入しても
その形状を保持し、従来の編物等で作製した袋のように
変形することはない。そして、埋入中に、殻体を構成す
る長繊維層の繊維間隙を通して体液が殻体内部に浸入
し、体液と接触した骨砕片の表面で骨細胞が成長して、
骨砕片が新生骨で結合され、骨欠損部が再建されるとい
う基本的な過程を履行する。このとき、長繊維中にはバ
イオセラミックスの粉体が含まれているので、このバイ
オセラミックス粉体により骨誘導、骨置換が促進されて
周囲の骨との結合が一層強個になる。そして、この再建
と平行して生体内分解吸収性ポリマーの長繊維が体液に
より徐々に加水分解され、再建後には全て吸収されて殻
体が完全に消失する。消失した後にこの殻体の厚みだけ
皮膚などの周囲組織が陥没して変形することが少ないよ
うにするためには、剛性とバランスを取って0.15〜
0.3mmの厚さの長繊維層からなる殻体がより好適に
選択される。長繊維中にバイオセラミックスの粉体を混
入するには、請求項2のプロテーゼ用殻体のように0.
2〜30μmの大きさのバイオセラミックス粉体を使用
することが好ましく、また、請求項3のプロテーゼ用殻
体のようにバイオセラミックス粉体の含有量が5〜50
重量%であると、長繊維層が脆くなく且つ周囲の骨との
結合力を得易くなる。
ーゼ用殻体は、長繊維が繊維方向に伸びのストレスをも
ったままで溶着し、層中に歪みを保持したままの状態に
なっているために、熱を加えると長繊維が収縮すると共
に歪みが是正されるような一種のアニーリングにより繊
維間隙が縮小し、殻体が収縮変形する。従って、このプ
ロテーゼ用殻体の開口部から、容易に塑性変形可能なあ
る形状をもった賦形用コアを挿入し、殻体に例えば熱湯
をかけると、簡単に殻体を賦形用コアの形状通りに収縮
変形させることができる。例えば精緻な三次元的な曲面
を有する柔軟な賦形用コアを使用すれば、その形状にそ
った精緻な三次元的な曲面を有する殻体に変形加工する
ことができる。このときコアが柔軟であれば、殻体から
変形後にコアを抜き取ることができる。
に、塑性変形の容易なコア材が開口部から殻体内部に抜
出し自在に挿着されていると、このコア材を殻体から抜
出して所望の形状に塑性変形させ、これを再び殻体に挿
入して上記のように殻体を収縮変形させることにより、
殻体を簡単に所望の形状に加工することができ、賦形用
コアを別途作製、準備することが不要となる。
みが0.1mmより薄くなると、長繊維層の剛性が小さ
くなり、実用に耐える保形性と強度を殻体に付与するこ
とが困難となる。一方、長繊維層の厚みが0.5mmよ
り厚くなると、剛性が大きく、細部にわたり精緻な賦形
が困難になり、また、生体内での分解、吸収に長期間を
要するだけでなく、分解の過程で繊維の砕片が一時期に
大量に生じるため、炎症を起こす恐れがある。従って、
長繊維層の厚みは上記のように0.1〜0.5mmの範
囲内にあることが必要であるが、消失後の周囲組織の陥
没をも加味すれば、上記のように0.15〜0.3mm
がより好適な範囲である。
て、多数の小孔が穿孔されていると、この小孔からも体
液が早期に殻体内部に浸入するので、骨細胞の成長増殖
が促進され、再建に要する期間が短縮される。そして、
生体内分解吸収性ポリマーとしてポリ乳酸、乳酸−グリ
コール酸共重合体、乳酸−カプロラクトン共重合体のい
ずれかを選択すれば、柔軟性の度合を選択することがで
き、また、これらは既に実用され安全性が確認されてい
るポリマーであるため、周囲組織への為害性を及ぼす心
配が解消される。
に長繊維の太さが100μm以下であると、生体内での
加水分解が速やかに進行し、特に、長繊維が多孔性の繊
維であると、体液と接触する長繊維の表面積が大きいた
め、その風合いがしなやかで、周囲組織に物理的になじ
みやすく、また生体内での加水分解がより促進されて、
殻体の吸収に要する時間が短縮される。
て、溶着していない部分の長繊維と長繊維の間隙の大き
さが50〜500μmであると、体液と共に細胞の通過
が容易になる。なお、長繊維中には、前述のバイオセラ
ミックスと同様に骨や周囲組織の成長促進を目的として
種々のサイトカイン、各種ホルモン、生理活性物質、抗
菌剤などを任意に添加することは、本発明の本意から外
れるものではない。
6の製造方法によって容易に得ることができる。その場
合、ポリマー溶液を繊維状に吐出して殻体成形用コアに
吹き付ける量を加減すれば、長繊維層の厚さを容易に調
節することができ、ポリマー溶液の濃度、ノズルの口
径、吐出圧などをコントロールすれば、長繊維の太さや
間隙の大きさを調節することもできる。また、請求項6
の製造方法において、ポリマーを溶解させる溶媒とし
て、溶剤と非溶剤の混合溶媒を選択使用すれば、長繊維
を多孔性の繊維とすることができる。なお、殻体成形用
コアは殻体の成形後に抜き取られるが、請求項8の製造
方法のように殻体成形用コアとして塑性変形の容易なコ
ア材を用いる場合は、殻体から抜き取る必要はない。
施形態を詳述する。
ゼ用殻体を示す斜視図、図2はその断面図である。
ーゼの殻体として好適に使用できるように、一端1aが
開口し他端1bが閉口する半円筒形袋状に形成されてい
る。そして、この殻体1には、多数の小孔2が穿孔され
ている。この小孔2は殻体内部への体液の浸入を促進す
るための孔であり、殻体内部に充填される1〜2mm程
度の大きさを有する骨(軟骨)の砕片よりも小さな孔径
を有している。
口面積の和/殻体1の全表面積)×100]は20〜7
0%程度であることが望ましく、70%より大きくなる
と、殻体1の強度や保形性が低下するといった不都合を
生じ、20%より小さくなると、体液の浸入を充分に促
進することが難しくなる。
必要がない場合もある。
収性ポリマーの長繊維が絡み合って溶着し、0.1〜
0.5mmの厚さに積み重なった長繊維層で形成されて
いるところに大きな特徴を有する。このような長繊維層
は適度の剛性を有するため、この長繊維層で形成された
上記の殻体1は、実用に耐える保形性と強度を備えてい
る。そのため、この殻体1に骨(軟骨)の砕片を開口部
1aから充填しても殻体1は変形せず、補綴すべき骨欠
損部に埋入してもその形状を維持し、従来の編物等で作
製した袋のように変形する心配はない。
ように0.1〜0.5mmの範囲にあることが必要であ
って、0.1mmより薄くなると、長繊維層の剛性が低
下するため、実用に耐える保形性と強度を殻体1に付与
することが困難となり、逆に0.5mmより厚くなる
と、生体内での分解、吸収に長期間を要するだけでな
く、分解の過程で繊維の砕片が一時期に大量に生じるた
め、炎症を起こす恐れがある。長繊維層の更に好ましい
厚みは0.15〜0.3mmである。
マーとしては、既に実用され安全性が確認されているポ
リ乳酸、乳酸−グリコール酸共重合体、乳酸−カプロラ
クトン共重合体などが好適であり、ポリ乳酸としては、
L−乳酸のホモポリマーやL−乳酸とD−乳酸のコポリ
マーが好ましく使用される。また、上記の共重合体とし
ては、乳酸とグリコール酸、あるいは乳酸とカプロラク
トンのモル比が99:1〜50:50の範囲にあるもの
が好ましくに使用される。その他、ポリ乳酸とポリエチ
レングリコールの共重合体や、ポリ乳酸とポリプロピレ
ングリコールとの共重合体なども使用できる。
なくとも繊維を形成し得る分子量以上であればよく、通
常、5万以上の粘度平均分子量を有するポリマーであれ
ば使用することができる。分子量の上限は、60万を越
えてあまり高すぎると、所謂スプレー法で繊維を吐出形
成する操作がし辛くなること、及び、分解吸収されて消
失するまでに長時間を要することから、粘度平均分子量
は10万〜30万の範囲のポリマーを使用することがよ
り好ましい。
レー法で上記ポリマーの溶液を繊維状に連続して吐出形
成したものであり、その太さは100μm以下であるこ
とが好ましい。100μmより太い長繊維は見掛け上の
加水分解速度が遅くなり、生体に吸収されてしまうまで
の期間が長くなるが、100μm以下の細い長繊維は生
体内での加水分解が速やかに進行し、比較的短期間で吸
収される利点がある。長繊維の更に好ましい太さは5〜
15μm程度である。
孔性にしていないものでもよいが、多孔性の繊維である
と、体液と接触する長繊維の表面積が増大するため、生
体内での加水分解が促進され、殻体1の吸収に要する期
間が更に短縮されるという利点がある。なお、このよう
な多孔性の長繊維は、後述するようにポリマー溶液の溶
媒として、溶剤と非溶剤の混合溶媒を使用することによ
り、スプレー法で容易に吐出形成することができる。
隙の大きさは、体液と共に細胞が通過しやすい50〜5
00μmの範囲にあることが好ましく、50μmより小
さくなると、細胞が浸入、進展しにくくなり、500μ
mより大きくなると殻体1を構成する長繊維層の剛性や
強度の低下を招くといった不都合を生じる。
は、生体活性及び生体親和性のあるバイオセラミックス
の粉体を含有させてもよい。バイオセラミックスの粉体
が含まれていると、バイオセラミックスにより骨誘導、
骨置換が促進されて周囲の骨と強固に結合できる利点が
ある。バイオセラミックスとしては、ハイドロキシアパ
タイト、バイオガラス、セラバイタル、アパタイトウォ
ラストガラスセラミックス、トリカルシウムホスフェー
ト、テトラカルシウムホスフェート、オクタカルシウム
ホスフェート、テトラカルシウムホスフェート・ジカル
シウムホスフェートジハイドライド、テトラカルシウム
ホスフェート・ジカルシウムホスフェートなどが好適で
あり、その粒子又は粒子の集合塊の大きさが繊維中に混
入するときは0.2〜30μm程度のものが、繊維層中
に繊維間に混入するときは0.2〜約150μmの範囲
のものが選択的に好ましく使用される。バイオセラミッ
クスの好ましい含有量は5〜50重量%であり、50重
量%より多くなると長繊維層が脆くなり、5重量%より
少なくなると周囲の骨との大きい結合力が得難くなる。
(隆鼻用プロテーゼの殻体として使用する場合)につい
て、図3を参照しながら説明する。
用コア3を準備する。そして、この賦形用コア3を殻体
1の一端開口部1aから挿入し、滅菌された熱湯中に殻
体1を浸す。このように熱湯中で殻体1を加熱すると、
殻体1を構成する長繊維層の構造的歪と長繊維が持つ伸
びの残留ストレスは緩和するように働いて、長繊維が収
縮すると共に繊維間隙がアニーリングして縮小し、図3
に示すように殻体1が賦形用コア3の形状通りに三次元
方向に収縮変形する。この加熱による収縮変形加工は、
従来の編物等で作製した袋などでは到底得ることができ
ない本発明独特の優れた性質であり、これにより、賦形
用コアを類似の種々の形状を有するものに変更するだけ
で、極く簡単に所望形状の殻体1に加工できるという顕
著な効果が得られるものである。
終わると、賦形用コア3を殻体1から抜き取り、殻体1
の一端開口部1aから軟骨の砕片を殻体1内部に充填す
る。このように充填しても、殻体1は良好な保形性と強
度を有するため、変形することはない。充填が終わると
殻体1の一端開口部1aを融着あるいは吸収性の縫合糸
で結び、これを鼻背に埋入固定する。このように埋入す
ると、殻体1には皮膚や筋肉による押圧力が作用する
が、殻体1は良好な保形性と強度を有するためその形状
を維持し、従来の編物等で作製した袋のように術後に変
形することはない。そして、体液が殻体1を構成する長
繊維層の繊維間隙や小孔2を通して殻体内部に浸入し、
この体液が接触した軟骨砕片の表面で軟骨細胞が成長し
て、軟骨砕片が新生軟骨で結合され、***した鼻背の軟
骨が再建される。一方、生体内分解吸収性ポリマーの長
繊維は体液により徐々に加水分解され、再建後には全て
吸収されて殻体1が完全に消失する。
ーゼ用殻体を示す斜視図、図5はその断面図であって、
殻体1の開口部1aから手術中に塑性変形の容易な半円
柱状のコア材4が抜出し自在に殻体内部に挿着されたプ
ロテーゼ用殻体を例示している。
度で容易に軟化して塑性変形する材料、例えばポリ酢酸
ビニル、低分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ゴム系ホッ
トメルトタイプの樹脂、あるいはパラフィンワックス、
およびこれらの混合物などから成るコア材が好ましく使
用される。なお、殻体1は前述したものと同一であるの
で説明を省略する。
着されたプロテーゼ用殻体1は、手術中に、該コア材4
を殻体1から抜き取り、上記の温度で軟化させて手で塑
性変形させながら設計通りの形状となし、これを再び殻
体1に挿入して前述したように殻体1をコア材4の形状
通りに熱収縮させて変形加工することができるので、前
述の賦形用コア3を別途作製、準備することが不要とな
り、頗る便利である。そして、塑性変形して得られる形
状は鼻のみならず、下顎、耳介、頬骨などの複雑なもの
まで及ぶものである。
する。
ポリマーの溶液を準備する。例えば図1に示すような半
円筒形袋状のプロテーゼ用殻体1を製造する場合には、
半円柱状のコアを準備する。勿論、先端がもっと鼻先の
形状と同じように丸みをおびていてもよい。殻体成形用
コアとしては、上記のコア材4や、生体内分解吸収性ポ
リマーとの接着性がない他のコア材が使用される。
の生体内分解吸収性ポリマーを溶解できる溶剤を使用す
るか、又は、この溶剤とこの溶剤より沸点が高い非溶剤
との混合溶媒を使用し、これに前記のポリマーを溶解し
て調製する。混合溶媒は、多孔性の繊維を形成する場合
に使用される。
散しやすい低沸点の溶剤、例えば塩化メチレン、クロロ
ホルム、1,1−ジクロルエタンなどが使用され、この
中では最も低い沸点と最も高い蒸気圧を示す低毒性の塩
化メチレンが最適である。また、非溶剤としては、溶剤
との相溶性に優れ、沸点が60〜110℃の範囲にある
一価アルコール、例えばメタノール、エタノール、1−
プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、t
er−ブタノール、ter−ペンタノールなどが使用さ
れ、この中では、毒性や臭いの少ないエタノール、1−
プロパノール、2−プロパノールが好適に使用される。
また、これらの一価アルコールに少量の水を加えたもの
も使用される。
の太さと関係があり、一般に濃度が低くなるほど長繊維
が細くなる。従って、このポリマー溶液の濃度を調節す
れば長繊維の太さをコントロールすることが可能であ
る。ポリマー溶液の濃度は、溶解するポリマーの分子量
を考慮して0.5〜10重量%の範囲内とするのが適当
であり、分子量の大きいポリマーを用いる場合は濃度を
下げ、分子量の小さいポリマーを用いる場合は濃度を上
げることが望ましい。
装置を使用して、そのノズルからポリマー溶液を繊維状
に連続して吐出し、殻体成形用コアの外面に略均等に吹
き付けて、長繊維層から成る殻体1を成形する。その場
合、ノズルの口径や吐出圧を調節すると繊維の太さをコ
ントロールすることができる。ノズルは0.1〜0.3
mm程度の口径を有するものが好ましく、また吐出圧は
3〜20kg/cm2の範囲内で適宜調節することが好
ましい。コア外面への吹き付け量は、最終的に0.1〜
0.5mmの厚さを有する長繊維層が形成されるように
コントロールする必要がある。
してコアの外面に吹き付けると、吐出された長繊維が褶
曲しながら絡み合い、絡み合った部分で溶着しながら積
み重ねられる。そして、溶媒の気散に伴って固化し、長
繊維層からなる殻体1が形成される。
を溶解したものであると、非多孔性の長繊維が形成され
るが、前述した混合溶媒にポリマーを溶解したポリマー
溶液であると、沸点の低い溶剤が優先的に気散し、非溶
剤の比率が上昇して溶解できなくなったポリマーが混合
溶媒を内包した状態で繊維状に固化し、その内包された
混合溶媒が周囲のポリマーの壁の一部を破壊して気散し
た跡が気孔として繊維中に残るため、多孔性の長繊維が
形成される。
イオセラミックスの粉体を含有させる場合は、該粉体を
均一に分散させたポリマー溶液をノズルから吐出する
か、或は、該粉体の分散液とポリマー溶液の二つの液を
共に二つのノズルから吐出して一箇所に吹付けるか、或
は、ノズルの出口で該粉体の分散液を吐出されたポリマ
ー溶液上に滴下しながら吹き付けるようにすればよい。
ックスが含有された殻体1を成形すれば、該殻体1に均
一にバイオセラミックスが分散されたものとなり、長繊
維の加水分解により上記バイオセラミックスが表面に露
出して骨誘導、骨置換が促進される。そして、長繊維の
表面にバイオセラミックスが付着した状態で長繊維層中
に含有されていると、バイオセラミックスが殻体1に均
一に分散されると共に、その内外表面にバイオセラミッ
クスが露出したものとなり、初期の骨誘導、骨置換も促
進されて初期結合強度が増す。
体成形用コアを抜き取り、必要に応じて多数の小孔2を
穿孔して、目的とするプロテーゼ用殻体1を得る。但
し、殻体成形用コアとして前記の塑性変形の容易なコア
材4を使用する場合は、コア材4の抜き取らないでその
まま残し、図4及び図5に示すようなコア材4の挿着さ
れたプロテーゼ用殻体1を製造すればよい。
後、ガス滅菌、蒸気滅菌または放射線などの手段で滅菌
処理される。
のプロテーゼ用殻体は、手術中の埋入前に賦形用コアを
挿入して熱を加えると、収縮変形して賦形用コアの形状
通りに極く簡単に変形加工することができ、しかも、良
好な保形性と強度を有するため、骨(軟骨)砕片を充填
して骨欠損部や補綴すべき部位に埋入すると、変形する
ことなく生体(軟)骨で再建することができ、また、長
繊維に含まれるバイオセラミックス粉体により骨誘導、
骨置換が促進されて周囲の骨との結合を一層強個にする
ことができ、再建と平行して加水分解が進行し再建後に
は生体内に吸収されて完全に消失するといった顕著な効
果を奏する。特に、塑性変形の容易なコア材を挿着した
タイプのプロテーゼ用殻体は、コア材を賦形用コアとし
て利用できるので頗る便利である。
を用いないで簡単にプロテーゼ用殻体を製造することが
でき、殻体を構成する長繊維層の厚みや、長繊維の太
さ、繊維間隙の大きさ等の調節が容易で、長繊維の多孔
質化も簡単に行えるといった顕著な効果を奏する。
示す斜視図である。
縦断面図である。
を示す斜視図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 開口部を有する殻体であって、生体内分
解吸収性ポリマーの長繊維が絡み合って溶着し0.1〜
0.5mmの厚さに積み重なった長繊維層で形成され、
長繊維中にバイオセラミックスの粉体が含まれているこ
とを特徴とするプロテーゼ用殻体。 - 【請求項2】 バイオセラミックスの粉体の大きさが
0.2〜30μmである請求項1に記載のプロテーゼ用
殻体。 - 【請求項3】 バイオセラミックスの粉体の含有量が5
〜50重量%である請求項1又は請求項2に記載のプロ
テーゼ用殻体。 - 【請求項4】 長繊維の太さが100μm以下である請
求項1に記載のプロテーゼ用殻体。 - 【請求項5】 開口部から殻体内部に手術中に塑性変形
の容易なコア材が抜出し自在に挿着されている請求項1
に記載のプロテーゼ用殻体。 - 【請求項6】 生体内分解吸収性ポリマーを溶媒に溶解
し、このポリマー溶液をノズルから繊維状に吐出して殻
体成形用コアの外面に略均等に吹き付けて固化させるこ
とを特徴とするプロテーゼ用殻体の製造方法。 - 【請求項7】 溶媒が、生体内分解吸収性ポリマーを溶
解できる低沸点の溶剤、又は、該溶剤と該溶剤より沸点
が高い非溶剤との混合溶媒である請求項6に記載の製造
方法。 - 【請求項8】 殻体成形用コアが、手術中に塑性変形の
容易なコア材である請求項6又は請求項7に記載の製造
方法。
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