JP3357422B2 - プレス機械による剪断加工方法 - Google Patents

プレス機械による剪断加工方法

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JP3357422B2
JP3357422B2 JP14232793A JP14232793A JP3357422B2 JP 3357422 B2 JP3357422 B2 JP 3357422B2 JP 14232793 A JP14232793 A JP 14232793A JP 14232793 A JP14232793 A JP 14232793A JP 3357422 B2 JP3357422 B2 JP 3357422B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス機械を用いて歯
形部品等を製造するための剪断加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に、プレス機械10によって、例え
ば円形のブランク110を打抜き剪断加工する場合を示
す。同(A)において、ダイ12に対して正のクリアラ
ンスを持つパンチ11、つまりダイ12の内径よりも小
さな外径を持つパンチ11で板材100を一気に剪断加
工すると、同(B)に示すブランク110の外周面(切
口面)には破断面Bと剪断面Sとからなる新生面が表わ
れる。
【0003】ところで、各種工業部品の中には、全面が
剪断面Sでなければならないものおよび抜きダレ面が許
されないものも多い。特に、小型で薄型の歯形部品で
は、上下面にダレ面が無く全面が剪断面Sであることが
強く要求される。かくして、上記ブランク110のよう
に一気にプレス打抜き加工したのでは、この両要件を満
足できない。また、破断面Bが大きくては歯形部品とし
て不適である。
【0004】ここに、いわゆるファインブランキング法
によるプレス加工を施すと破断面Bの発生を防止できる
が、ダレ面の発生を防止することはできない。これに対
し、ダレ面の発生を少なくして平歯車等部品を加工する
方法が種々提案されている。例えば、特開昭63−25
31号,2532号,10037号,13640号公報
や特開昭64−2736号公報が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記い
ずれの従来加工方法においても、一長一短があり全面を
剪断面としかつ上下にダレ面が生じない良好な抜き面を
成形することはできない。特に、ラチェット内歯,イン
ボリュート内歯,一部にインボリュート外歯を持つ歯形
部品等を製造する場合、剪断輪郭たる歯形凸部のダレが
非常に大きくなってしまうので、歯形部品相互の歯合せ
時における接触面積が不足してしまう。かくして、従来
は素材(板材)を厚くしてそのダレを防止しているの
が、実情である。
【0006】しかし、この従来対策は抜本的といえな
い。歯形部品等の薄型化が一段と強く求められる今日で
は、完成品の厚みが大きくなることは致命的欠陥となっ
てしまうからである。いわんや、プレス加工後に切削等
を施すことはコスト高となってしまうので許され難い。
【0007】本発明の目的は、全面が剪断面で上下にダ
レ面のない歯形部品等を製造することのできるプレス機
械による剪断加工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプレス機械
による剪断加工方法は、第1目標剪断輪郭の部品側をス
トリッパーを用いて第1ダイの上面に押付けた状態で板
材を第1ダイにセットし、続いて第1ダイに対して負の
第1クリアランスを持つ第1パンチを用いて板材の上方
第1面側からプレス力を加えて第1目標剪断輪郭で半抜
き加工し、しかる後に第1ダイ内を摺動可能な逆板押え
を用いてその下方第2面側から戻し加工力を加えて部品
側とスクラップ側とを分離して第1半完成品を形成する
第1の加工工程と、この第1半完成品の第1面と第2面
とを反転させた状態でかつ第2目標剪断輪郭の部品側を
ストリッパーを用いて第2ダイの上面に押付けた状態で
第1半完成品を第2ダイにセットし、続いて絶対値が第
1クリアランスよりも小さくかつ第2ダイに対して負の
第2クリアランスを持つ第2パンチを用いて第1半完成
品の上方の第2面側からプレス力を加えて第1の加工工
程で生じたダレ面を消滅させつつ第2目標剪断輪郭でシ
ェービング加工して第2半完成品を形成する第2の加工
工程と、この第2半完成品の最終剪断輪郭の部品側をス
トリッパーを用いて第3ダイの上面に押付けた状態で第
2半完成品を第3ダイにセットし、続いて絶対値が第2
クリアランスよりも小さくかつ第3ダイに対して正の第
3クリアランスを持つ第3パンチを用いて第2半完成品
の上方第2面側からプレス力を加えて最終剪断輪郭でシ
ェービング加工して完成品を形成する第3の加工工程、
とを有しかつこの順番により各シェービング加工代を後
加工工程に行くにしたがって小さくすることを特徴とし
た。
【0009】
【作用】上記構成による本発明の場合、図3に示すよう
に負の第1クリアランスを持つ第1パンチを用いて第1
ダイにセットされた板材の上方第1面側からプレス力を
加えて第1目標剪断輪郭で半抜き加工し、続いて逆板押
えを用いて下方第2面側から戻し加工力を加え部品側と
スクラップ側とを分離する第1の加工工程で、第1半完
成品を形成する。負のクリアランスを有する第1パン
チ,第1ダイと逆板押えを用いた半抜き加工であるか
ら、2次破断の発生を大幅に抑制できる。
【0010】次いで、第1半完成品をその上下面を反転
(図4)させて第2ダイにセットし、負の第2クリアラ
ンスを持つ第2パンチを用いて上方第2面側からプレス
力を加えつつ第2目標剪断輪郭でシェービング加工する
第2の加工工程で、第2半完成品を形成する。この際、
第1の加工工程により生じたダレ面は、シェービング加
工により、板材が第2ダイの上面に圧縮されるので消滅
する。また、第2の加工工程によるシェービング加工代
が小さいので、新たなダレ面は発生しない。
【0011】続いて、第2半完成品を第3ダイにそのま
まの姿勢でセット(図5)し、その上面側から通常の正
の第3クリアランスを持つ第3パンチを用いてかつ一段
と小さなシェービング加工代で最終剪断輪郭においてシ
ェービング加工する。すなわち、この第3の加工工程を
施すことにより、全面が剪断面で上下面にダレがない完
成品を製造することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本プレス機械による剪断加工方法は、図3〜図5
に順次に示す第1の加工工程,第2の加工工程および第
3の加工工程からなり、かつ図1に示すラチェット内歯
部品(100)を製造するものとされている。
【0013】図1において、説明便宜のためにハッチン
グ表示した板材100には、4つの位置決め用パイロッ
ト穴109が設けられ、詳細後記の各ダイ12A,12
B,12Cの所定位置に設けられた各パイロットピン
(図示省略)に嵌合させて各ダイに正確にセットするた
めに用いられる。また、板材100は、JIS G31
31で板厚が4.5mmである。図1中の106は、打
抜き後の空間を示す。
【0014】まず、各加工工程の相互関係を図2を参照
して説明する。CONT1は第1目標剪断輪郭,CON
T2は第2目標剪断輪郭,CONT3は最終目標剪断輪
郭である。そして、各加工工程におけるシェービング加
工代は、ラチェット内歯部品の全周を均一とせずかつ各
凸部のシェービング加工代を後工程に行く程に小さくし
てある。
【0015】すなわち、各凸部における第1目標剪断輪
郭CONT1と第2目標剪断輪郭CONT2との間のシ
ェービング加工代Za1と、第2目標剪断輪郭CONT
2と最終剪断輪郭CONT3との間のシェービング加工
代Zb1との関係はZa1>Zb1とされる。但し、各
凸部を除く各シェービング加工代は、Za2(>Za
1)およびZb2(>Zb1)とされている。
【0016】したがって、Za1>Zb1、Za2>Z
b2であるから、各凸部の曲げ半径RA,RB,RC
を、RA>RB>RCとすることができる。つまり、第
1の加工工程における凸部の第1目標剪断輪郭CONT
1の曲げ半径RAを大きく設定できるから、切口面に発
生する2次破断を最小的に抑制できるとともに、凸部の
ダレ面を小さくできる。
【0017】ここに、本発明を実施するに好適なプレス
機械を説明する。図3は、第1の加工工程を実施するも
ので、第1パンチ11Aと第1ダイ12Aとから金型1
0Aが形成されている。16Aはストリッパーで、板材
100の図2に示す第1目標剪断輪郭CONT1を境と
した図3で左側の部品(第1半完成品200)側を第1
ダイ12Aの上面に押圧力P1で押付けるものである。
また、逆板押え15Aは、第1ダイ12A内を摺動可能
とされ、戻し加工たる押圧力P2が付加されている。
【0018】第1パンチ11Aは、第1ダイ12Aに対
して負の第1クリアランスC1を持つ。つまり、第1パ
ンチ11Aの外径は、第1ダイ12Aの内径よりも第1
クリアランスC1だけ大きい。切り口面への2次破断の
発生を抑制することのできる半抜き加工を実行可能とす
るためである。すなわち、第1パンチ11Aが取付けら
れたスライド(図示省略)の下死点において、第1パン
チ11Aの下端面は第1ダイ12Aの上面から図3(A
2)に示す間隙L1だけ上方の位置となるように、ダイ
ハイトが設定されている。したがって、半抜き加工をす
ると、左側の部品(第1半完成品200)側と右側のス
クラップ(105)側とは、厚さL1の未切断部101
で連なった状態となっている。
【0019】そして、スライド(第1パンチ11A)が
下死点から上昇するに伴って、押圧力P2が付加された
逆押板15Aが上昇し、未切断部101を分離する〔同
(A3)参照〕。このために、戻し加工力(P2)は切
断力P1より大きく、かつ押圧力P1は未切断部101
の切断力P′よりも大きく選定されている。すなわち、
P2≧P1>P′の関係としている。もっとも、押圧力
P′は間隙L1により決まる。例えば、抜き加工力の1
3%以上とされる。なお、図中201は半抜き加工時に
発生した、ダレ面である。
【0020】また、第1クリアランスC1は、材質,板
厚を勘案しかつ第2の加工工程との関係において適宜な
値に決定される。第1パンチ11Aとストリッパー16
Aとの間には、摺動に支障が生じない範囲の小さなクリ
アランスが設けられている。第1ダイ12Aと逆板押え
15Aとの間も同様である。
【0021】図4は、第2の加工工程を実施する金型1
0Bを示す。この金型10Bは、第2パンチ11Bと第
2ダイ12Bとから形成されている。15Bはカウンタ
であり、16Bは第1半完成品200の図2に示す第2
目標剪断輪郭CONT2を境とした図4で左側の部品
(第2半完成品300)側を第2ダイ12Bの上面に押
圧力P1で押付けるものである。ここに、第1半完成品
200は、上下面を反転させて第2ダイ12Bにセット
される。先のダレ面201は下方に位置する。
【0022】第2パンチ11Bは、第2ダイ12Aに対
して負の第2クリアランスC2を持つ。つまり、第2パ
ンチ11Bの外径は、第2ダイ12Bの内径よりも第2
クリアランスC2だけ大きい。この第2クリアランスC
2は、図2に示すシェービング加工代Zb1<Za1の
関係から、第1クリアランスC1よりも絶対値が小さ
い。また、この第2クリアランスC2は、材質,板厚に
より変化させて決定すべきものであるが、小さ過ぎると
第1の加工工程によるダレ面201を消滅できない。だ
からと言って、あまり大き過ぎると図4(B2)に示す
シェービングカス205を押潰すことができないので、
慎重に選択すべきである。
【0023】また、図4(B1)において、第1半完成
品200の△lは、第1クリアランスC1の大きさに比
例的に増大する。したがって、第1の加工工程を実施す
る第1クリアランスC1を大きくし過ぎると、本第2の
加工工程におけるシェービング加工に支障を生じる。
【0024】かくして、第1クリアランスC1と第2ク
リアランスC2との値を適宜な値に選択決定し、第2パ
ンチ11Bを下降させてプレス力を加えれば、第1半完
成品200の第2目標剪断輪郭CONT2で円滑なシェ
ービング加工が行え、かつ第1の加工工程で発生したダ
レ面201を第2ダイ12Bの上面に圧縮することによ
り、消滅させることができるわけである。
【0025】図4(B2)において、同(B1)のシェ
ービング加工によって発生するシェービングカス205
は、第2パンチ11Bと第2ダイ12Bとが噛合わない
ので、第2半完成品300からは分離されない。すなわ
ち、スライドの下死点において第2パンチ11Bの下面
と第2ダイ12Bの上面との間に、L2の厚さで残る。
この間隙L2と第1の加工工程時の間隙L1とは、小さ
い程よいので、当該プレス機械の下死点精度上許される
範囲内で最小的に決められる。
【0026】なお、第2ダイ12Bの上面とカウンタ1
5Bの上面との間の段差h1は、第1の加工工程で発生
されたダレ面201の消滅具合を見て調整する。消滅が
不十分の場合は、零(0)に近ずける。反対に、押潰し
加工力が過大となる場合は、大きくする。
【0027】かくして、第2パンチ11Bを下降させる
と、上下面が反転された第1半完成品200は、その第
2目標剪断輪郭CONT2でシェービング加工されつ
つ、第1の加工工程によるダレ面201は第2ダイ12
Bの上面に圧縮されて消滅され、結果として第2半完成
品300となる。この際、シェービング加工代Za1が
小さいので、この加工工程によって新たなダレ面が生じ
ることはない。また、シェービングカス205は、カウ
ンタ15Bとの間で押潰される。しかし、第2半完成品
300とは分離されない。
【0028】次に、図5は第3の加工工程を実施するも
ので、金型10Cは第3パンチ11Cと第3ダイ12C
とから形成されている。第3パンチ11Cと第3ダイ1
2Cとの間には、絶対値が第2クリアランスC2より小
さくかつ通常の正のクリアランスC3が設けられてい
る。16Cはストリッパーである。
【0029】すなわち、第3パンチ11Cにプレス力を
加えて下降させて、第2半完成品300の最終目標剪断
輪郭CONT3でシェービング加工する。凸部の曲げ半
径RCは最終製品として小さいが、シェービング加工代
Zb1が非常に小さいので、新たなダレ面は発生せず良
好な抜き面が得られる。
【0030】また、このシェービング加工によるシェー
ビングカス207は、第2の加工工程時に発生したシェ
ービングカス205に積み重ねられるので、内径が第2
ダイ12Bの内径より大きい第3ダイ12C内に強固に
嵌合され、カスは2工程分が一体でボリュームが大のた
めカス上り等が生じない。したがって、シェービング加
工上もカス処理上も都合が良い。このことは、シェービ
ング加工を多数回施す場合に一段と有効である。
【0031】次に、このプレス機械(上型10A,10
B,10C)を用いての本剪断加工方法を説明する。
【0032】まず、板材100を図3(A)に示す第1
ダイ12Aにセットする。すなわち、板材100の各位
置合せ用パイロット穴109を第1ダイ12Aに取付け
られたパイロットピンに嵌合させる。そして、板材10
0の図2に示す第1目標剪断輪郭CONT1を境とした
図3(A1)で左側の部品(第1半完成品200)側を
押圧力P1が加えられたストリッパー16Aで押付けた
状態でセットする。
【0033】この板材100のセットが終了次第、プレ
ス駆動して負の第1クリアランスC1を持った第1パン
チ11Aを下降させ、板材100内に喰込ませる。さら
に、同(A2)に示す如く下死点まで下降させる。この
下死点における第1パンチ11Aと第1ダイ12Aとの
間には、間隙L1が設けられている。したがって、板材
100は半抜き加工される。加工代が大きいので、板材
100の左側にはダレ面201が発生する。しかし、間
隙L1が設けられているので、切り口面に2次破断が発
生することを大幅に抑制でき、かつ全面を剪断面とする
ことができる。この際、部品(200)側とスクラップ
(105)側とは、未切断部101で連なっている。
【0034】次に、第1パンチ11Aが上死点に向って
上昇すると、押圧力(戻し加工力)P2が加えられた逆
押え板15Aが、同(A3)に示すように上昇する。こ
の押圧力P2は、未切断部101の切断力P′より大き
いから、部品(200)側とスクラップ105側を分離
することができる。かくして、この第2の加工工程によ
って、破断面のない第1半完成品200を形成すること
ができる。
【0035】次に、第1半完成品200を、上下面を反
転させかつ上記場合と同様にその位置合せ用パイロット
穴109を用いて、図4(B1)に示す第2ダイ12B
にセットする。第2目標剪断輪郭CONT2の左側をス
トリッパー16Bで押付けてセットする。
【0036】絶対値が第1クリアランスC1より小さく
かつ負の第2クリアランスC2を持つ第2パンチ11B
を下降させると、小さなシェービング加工代Za1でシ
ェービング加工できる。その凸部の曲げ半径RBが大き
いので、新たなダレ面は発生しない。しかも、第1の加
工工程によって発生されたダレ面201は、第2ダイ1
2Bの上面に圧縮され消滅される。
【0037】また、下死点において、第2パンチ11B
が第2ダイ12Bに噛合わない。つまり、図4(B2)
に示す如く、間隙L2が設けてあるので,シェービング
加工により発生したシェービングカス205は第2半完
成品300と分離せず、かつ第2パンチ11Bとカウン
タ15Bとの協働により押潰される。
【0038】したがって、この第2の加工工程により、
第1の加工工程で発生されたダレ面201を消滅させつ
つ、凸部の曲げ半径RBが比較的に大きくかつシェービ
ング加工代Za1が小さな条件のもとに新たなダレ面を
発生させずに、良好なシェービング加工ができる。つま
り、第2半完成品300を得られる。
【0039】続いて、第2半完成品300の姿勢をその
ままとして、図5(C1)に示す第3ダイ12Cに第2
半完成品300をセットする。最終剪断輪郭CONT3
を境とした左側(完成品400)側は、押圧力P1が加
えられたストリッパー16Cで第3ダイ12C上に押付
けられている。
【0040】この第2半完成品300の凸部における最
終剪断輪郭CONT3の曲げ半径RCは、図2に示す如
く、第2の加工工程(図5)の場合の曲げ半径RBより
も一段と小さい。しかし、凸部のそのシェービング代Z
b1が第2の加工工程の場合のシェービング代Za1よ
りも一段と小さくされているので、この第3の加工工程
によって新たなダレ面は発生せず優れた切口面を形成で
きる。
【0041】すなわち、第3ダイ12Cに対して通常の
シェービング用の正の第3クリアランスC3を持つ第3
パンチ11Cを下降させつつ、図5(C1)に示す最終
剪断輪郭CONT3でシェービング加工する。この際に
生ずるシェービングカス207は、同(C2)に示すよ
うに、第2の加工工程で発生されたシェービングカス2
05に積み重ねられ、かつ両カス205,207が一体
として第3ダイ12C内に強固に嵌合する。したがっ
て、カス上りが生じない円滑なシェービング加工ができ
るとともに、カスの処理が非常に簡単である。
【0042】かくして、上面および下面にダレ面がなく
かつ切口面が全体的に剪断面とされた完成品(ラチェッ
ト内歯部品)400を製造することができる。
【0043】しかして、この実施例によれば、第1ダイ
12Aに対して負の第1クリアランスC1を持つ第1パ
ンチ11Aを用いて板材100の上方第1面側からプレ
ス力を加えて第1目標剪断輪郭CONT1で半抜き加工
し、しかる後に逆板押え15Aを用いて下方第2面側か
ら戻し加工力P2を加えて部品(第1半完成品200)
側とスクラップ105とを分離して第1半完成品200
を形成する第1の加工工程と、第1半完成品200を上
下反転させた状態で第2ダイ12Bにセットし、絶対値
が第1クリアランスC1よりも小さくかつ第2ダイ12
Bに対して負の第2クリアランスC2を持つ第2パンチ
11Bを用いてその上方第2面側からプレス力を加えて
第1の加工工程で生じたダレ面201を消滅させつつ、
第2目標剪断輪郭CONT2でシェービング加工して第
2半完成品300を形成する第2の加工工程と、この第
2半完成品300の姿勢をそのままとして第3ダイ12
Cにセットし、絶対値が第2クリアランスC2よりも小
さくかつ第3ダイ12Cに対して通常の正の第3クリア
ランスC3を持つ第3パンチ11Cを用いて上方第2面
側からプレス力を加えて最終剪断輪郭CONT3でシェ
ービング加工して完成品400を形成する第3の加工工
程、とを有しかつこの順番により各シェービング加工代
Za1,Zb1、Za2,Zb2を後加工工程に行くに
したがって小さくしつつ各加工工程を実施して剪断加工
する方法であるから、凸部を有する歯形部品等であって
もダレ面がなく切口面を全面的に剪断面とした良好な製
品を製造できる。
【0044】また、各シェービング加工代は全周均一で
なく、凸部のシェービング加工代Za1,Zb1を他の
シェービング加工代Za2,Zb2よりも小さくかつ後
の加工工程に行くほど小さくするとともに、各前の加工
工程における凸部の曲げ半径RA,RBを大きくしてる
から、2次破断を最小的に抑えかつ板材100の厚さを
薄くしてもダレ面201を大幅に抑制できる。
【0045】また、第1の加工工程(図3)では、寸法
L1の未切断部101を残しかつその後に逆板押え15
Aを用いて第1半完成品200とスクラップ105とを
分離させるように形成されているので、良好な抜き面を
形成できる。
【0046】また、第2の加工工程(図4)は、第1半
完成品200の上下面を反転させてシェービング加工す
るので第1の加工工程により発生したダレ面201を第
2ダイ12B上に圧縮させて完全に消滅できるととも
に、シェービング加工代Za1が小さいので新たなダレ
面を発生させないで済む。
【0047】また、第2の加工工程(図4)では、下死
点において第2パンチ11Bと第2ダイ12Bとの間に
間隙L2を設けているので、シェービングカス205が
分離せずかつカウンタ15Bによって押潰されるので、
円滑な加工ができる。
【0048】また、第3の加工工程(図5)では、凸部
の曲げ半径RCを小さくしているが、そのシェービング
加工代Zb2がより小さくされているので、通常のシェ
ービング加工を行ってもダレ面が発生しない。
【0049】また、第3の加工工程(図5)で発生した
シェービングカス207は第2の加工工程(図4)で発
生したシェービングカス205と積み重ねられかつ第3
ダイ12C内に嵌合されるので、カス上りが発生せず円
滑なシェービング加工ができ、かつカス処理が簡単であ
る。
【0050】また、板材100には4つの位置合せ用パ
イロット穴109が設けられているので、各加工工程を
実施する各ダイ12A,12B,12Cに正確に位置決
めできる。よって、高精度な完成品400を製造でき
る。とともに、板材100,第1半完成品200,第2
半完成品300を、次の金型10B,10C等へ自動搬
送できる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、第1ダイに対して負の
第1クリアランスを持つ第1パンチを用いて板材の上方
第1面側からプレス力を加えて第1目標剪断輪郭で半抜
き加工し、しかる後に逆板押えを用いて下方第2面側か
ら戻し加工力を加えて部品(第1半完成品)側とスクラ
ップとを分離して第1半完成品を形成する第1の加工工
程と、第1半完成品を上下反転させた状態で第2ダイに
セットし、絶対値が第1クリアランスよりも小さくかつ
第2ダイに対して負の第2クリアランスを持つ第2パン
チを用いてその上方第2面側からプレス力を加えて第1
の加工工程で生じたダレ面を消滅させつつ第2目標剪断
輪郭でシェービング加工して第2半完成品を形成する第
2の加工工程と、この第2半完成品の姿勢をそのままと
して第3ダイにセットし、絶対値が第2クリアランスよ
りも小さくかつ第3ダイに対して通常の正の第3クリア
ランスを持つ第3パンチを用いて上方第2面側からプレ
ス力を加えて最終剪断輪郭でシェービング加工して完成
品を形成する第3の加工工程、とを有しかつこの順番に
より各シェービング加工代を後加工工程に行くにしたが
って小さくしつつ各加工工程を実施して剪断加工する方
法であるから、凸部を有する歯形部品等であってもダレ
面がなく切口面を全面的に剪断面した良好な製品を製造
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における板材を説明するための
図である。
【図2】同じく、各加工工程におけるシェービング代を
説明するための図である。
【図3】同じく、第1の加工工程を説明するための図で
ある。
【図4】同じく、第2の加工工程を説明するための図で
ある。
【図5】同じく、第3の加工工程を説明するための図で
ある。
【図6】同じく、従来例による切口面を説明するための
図である。
【符号の説明】
10A 第1金型 10B 第2金型 10C 第3金型 11A 第1パンチ 11B 第2パンチ 11C 第3パンチ 12A 第1ダイ 12B 第2ダイ 12C 第3ダイ 15A 逆板押え 15B カウンタ 16A,16B,16C ストリッパー 100 板材 101 未切断部 105 スクラップ 109 位置決め用パイロット穴 200 第1半完成品 201 第1の加工工程により発生したダレ面 205 第2の加工工程により発生したシェービングカ
ス 207 第3の加工工程により発生したシェービングカ
ス 300 第2半完成品 400 完成品 CONT1 第1目標剪断輪郭 CONT2 第2目標剪断輪郭 CONT3 最終剪断輪郭 Za1,Za2 第2の加工工程によるシェービング
加工代 Zb1,Zb2 第3の加工工程によるシェービング
加工代 RA,RB,RC 凸部の曲げ半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 28/00 - 28/02 B21D 28/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1目標剪断輪郭の部品側をストリッパ
    ーを用いて第1ダイの上面に押付けた状態で板材を第1
    ダイにセットし、続いて第1ダイに対して負の第1クリ
    アランスを持つ第1パンチを用いて板材の上方第1面側
    からプレス力を加えて第1目標剪断輪郭で半抜き加工
    し、しかる後に第1ダイ内を摺動可能な逆板押えを用い
    てその下方第2面側から戻し加工力を加えて部品側とス
    クラップ側とを分離して第1半完成品を形成する第1の
    加工工程と、 この第1半完成品の第1面と第2面とを反転させた状態
    でかつ第2目標剪断輪郭の部品側をストリッパーを用い
    て第2ダイの上面に押付けた状態で第1半完成品を第2
    ダイにセットし、続いて絶対値が第1クリアランスより
    も小さくかつ第2ダイに対して負の第2クリアランスを
    持つ第2パンチを用いて第1半完成品の上方の第2面側
    からプレス力を加えて第1の加工工程で生じたダレ面を
    消滅させつつ第2目標剪断輪郭でシェービング加工して
    第2半完成品を形成する第2の加工工程と、 この第2半完成品の最終剪断輪郭の部品側をストリッパ
    ーを用いて第3ダイの上面に押付けた状態で第2半完成
    品を第3ダイにセットし、続いて絶対値が第2クリアラ
    ンスよりも小さくかつ第3ダイに対して正の第3クリア
    ランスを持つ第3パンチを用いて第2半完成品の上方第
    2面側からプレス力を加えて最終剪断輪郭でシェービン
    グ加工して完成品を形成する第3の加工工程、 とを有しかつこの順番により各シェービング加工代を後
    加工工程に行くにしたがって小さくすることを特徴とし
    たプレス機械による剪断加工方法。
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