JP3357222B2 - 微小凹部付きガラス基板及びこのガラス基板を用いた平板型マイクロレンズアレイ - Google Patents
微小凹部付きガラス基板及びこのガラス基板を用いた平板型マイクロレンズアレイInfo
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Description
部に透明樹脂等を充填してなる平板型マイクロレンズを
製造するのに適した微小凹部付きガラス基板およびその
製造方法に関する。
タテレビジョン(PTV)が、実用化されている。現
在、このPTVの開発において、スクリーン上のでの高
輝度をいかに実現するかがその焦点となっており、高出
力のライトバルブや光学装置の開発や、平板マイクロレ
ンズの応用等が精力的に検討されている。
ば、液晶表示素子のブラックマトリクスや画素電極部分
に入射し、画素開口部の照明には寄与していなかった光
を大きく低減できるため、照明光の強度を上げることな
くスクリーン上の輝度を向上することができ、この結
果、表示素子の光および熱による特性の劣化の問題を解
決することが可能となる。
示素子の光入射側に配置され、ブラックマトリクスや画
素電極部分に入射していた光を、画素開口部に集光して
有効に利用し、実効開口効率を向上させる働きを持って
いる。
ダライムガラスにTi等の耐食性保護皮膜(マスク膜)
を成膜し、周知のフォトリソグラフィ技術を用いて、円
形あるいは直線スリット状の開口を設け、これを溶融塩
に浸漬して開口部からイオン交換を行う、いわゆるイオ
ン交換法により、その断面が略半円状の屈折率分布を形
成した平板マイクロレンズアレイ(特開昭57−537
02号)や、また化学エッチングによってガラス基板表
面に半球面状凹部を形成し、これに透明樹脂等を充填し
レンズとした平板型マイクロレンズが知られている(特
開平5−45624号)。またさらに、ドライエッチン
グによって、半導体基板表面に凹部を形成する方法が開
示されている(特開平1−219702号)。
その表面に設けたマスク膜付き平面ガラス基板に、化学
エッチングを施し、前記微小開口からエッチングを進め
ることにより得られる、その平面視の輪郭形状が略円形
の凹部に、透明樹脂等を充填しレンズとした平板型マイ
クロレンズの製造においては、化学エッチングの際に欠
陥が生じることがあった。具体的には、本来円形の輪郭
形状となるべきところが、いびつな楕円状(ラグビーボ
ール状)輪郭形状となったり、また化学エッチングの途
中でマスク膜が、ガラス基板から剥離してしまうことが
あった。
屈折率の異なる樹脂等を充填してレンズを形成した場合
に、その集光特性は前記ガラス基板の屈折率と前記樹脂
等の屈折率の差によってだけ決められることになる。ま
た、前記ガラス基板の屈折率や前記樹脂等の屈折率は、
あまり自由に選択することができないので、前記レンズ
の集光特性を自由に変化させることは、難しいこととな
る。
成され1次元または2次元に配列された微小凹部の輪郭
形状が円形である平板型マイクロレンズ用のガラス基板
を提供するものである。さらに、それを用いた平板型マ
イクロレンズを提供する。
ガラス基板をエッチャントに浸漬し、マイクロレンズの
微小凹部を形成する際に生じる楕円状欠陥および耐食性
膜の剥離が、前記ガラス基板表面の研磨程度、特に表面
粗さによって支配されているという知見に基づきなされ
たものである。
よびポリッシングを行い、平滑表面を創出する。しかし
ながら、ラッピングやポリッシング工程で一旦生じた傷
は、ポリッシュが進んで見かけ上判別できなくなって
も、潜傷という形態でガラス基板表面近傍に残ってい
る。
エッチャントと接触すると、エッチャントが潜傷深部に
しみ込み、潜傷部がエッチングされる。これによって、
エッチング前には判別できなかった潜傷が顕在化され
る。
形成し、例えばこの耐食性膜にレンズアレイの配列に対
応した微小開口を形成し、微小開口からエッチングを行
うことにより凹部を形成しようとする場合、潜傷の顕在
化が起こることにより、楕円状にエッチングが進んだ
り、特定方向にエッチングが速く進むため、耐食性膜の
ガラス基板からの剥離が生じたりすることがある。
と、この基板に耐食性保護膜を形成しさらにこの耐食性
膜に微小開口を形成し、微小開口から等方的にエッチン
グを行ったときに形成される凹部を平面視したときの凹
部の輪郭の例を示す。なお、aは凹部の輪郭の最短の長
さ、bは最長の長さと、定義し測定した。また、図中の
矢印はガラス基板表面の潜傷の方向を示している。な
お、前記表面粗さ(Ra)は、原子間力顕微鏡(デジタ
ルインスツルメント(株)製:NanoScope )にて測定し
た。つまり、ガラス基板表面に潜傷があると、その方向
が特に優先的にエッチングされ、形成される凹部が上述
のようなラグビーボール状となることが確認された。
は、ガラス基板のRaが0.55nm以上となると、エ
ッチングにより形成される凹部の輪郭のb/aが1.5
以上となり、さらにその輪郭も乱れておりもはや円形を
なしているとはいえなくなっていることがわかる。一
方、前記基板のRaが0.4nm未満であると、前記b
/aは1.1以下であり前記輪郭はほぼ円形を保ってい
るといえる。
と、前記b/aはほとんど1であり、前記輪郭は完全な
円形をなしているといえる。
れる微小凹部に上述した潜傷が存在して起こることであ
り、全ての凹部が上述のラグビーボール状になるわけで
はない。ガラス基板のRaが大きい場合(例えば、Ra
>0.7nm)では、ほとんどの凹部が上述のラグビー
ボール状となるのだが、例えば0.4<Ra<0.5n
mの範囲では、ガラス基板表面の潜傷の存在確立の問題
となるので、ある凹部では良好な円形の輪郭形状を有し
ていても、別の凹部ではラグビーボール状になっている
ことがある。
エッチングメカニズムは、簡単には以下の式で表され
る。 SiO2+6HF → H2SiF6 + 2H2O 一般にエッチングレートを支配するのは、HF2 -イオン
であることが知られており(日経マイクロデバイス,19
90年2月号,p124)、HF2 -イオン濃度は、以下の
解離反応の平衡によって決まる。 HF+H2O → H3O++F- HF+F- → HF2 -
口径と、前記凹部の形状の関係について考えてみる。エ
ッチング反応は、マスク膜の開口部分から等方的に進行
する。このとき、前記開口径とエッチング長の比率が1
/4以下の場合には、前記エッチング反応の進行は、点
拡散として取り扱うことができる。このときの凹部の形
状は、ほぼ半球状と見なせる。
が1/4を越える場合には、もはや点拡散として取り扱
うことができなくなってしまう。このときの凹部の形状
は、前記開口径に対応した底部を有するボウルのよう
な、すなわち長円を長軸方向に2等分した半長円を回転
して得られる形状となる(厳密にいうと、この形状は、
市販されているようなボウルの形状とは異なるが、本明
細書ではこの形状をボウル状と呼ぶことにする。
00μm程度の大きさ、特に20〜40μm程度のもの
をいう。凹部の大きさが大きいと、上述した潜傷や研磨
傷の顕在化による不均一エッチングが発生しても、その
影響が小さいためである。
一エッチングの発生および耐食性膜の剥離を抑制し、前
記微小凹部を平面視したときの輪郭が円形とするため
に、耐食性膜を形成するガラス基板の表面粗さを厳密に
中心線平均粗さRaで0.4nm以下に制御することを
特徴としている。
0.4nmを越える場合には、潜傷や研磨傷の顕在化に
よる不均一エッチングの発生および耐食性膜の剥離を生
じ易くなる。
板の表面粗さは、小さいほど好ましいが、実際には、中
心線平均粗さRaを0.05nm未満にすることは技術
的に非常に難しく、またその生産性を確保することが難
しい。
的・経済的な点を考慮すると、ガラス基板のRaは0.
1〜0.24nm程度が特に好ましい。
に制御したガラス基板の表面は、以下の示す方法等によ
って創出することができる。 (1)従来の研磨方法の酸化セリウム等の砥粒を用いた
最終の研磨工程で、低加重、低速度条件下で研磨を緩や
かに行う (2)最終の研磨工程で粒径の小さな酸化セリウム砥粒
を用いて研磨を行う。 (3)コロイダルシリカ等の形状が球で比較的硬度の低
い砥粒を用いて研磨を行う。
越える基板に対しては、塗膜熱分解法やゾルゲル法等に
よってガラス基板と同じ組成の皮膜をガラス基板表面に
形成し、これを焼結させ潜傷を埋めることによっても、
ガラス基板の表面粗さが改善でき、中心線平均粗さを
0.4nm以下にすることができる。また、イオン注入
法によって高エネルギーの荷電粒子をガラス基板に衝突
させ、局所的な高温を実現しガラスの粘性流動と焼結を
利用することによってもガラス基板の表面粗さが改善で
き、中心線平均粗さを0.4nm以下にすることができ
る。
滑化することにより、ガラス基板の潜傷による不均一エ
ッチングの発生をなくすることが可能となる。さらに、
ガラス基板に所望のパターンを有する耐食性保護膜を形
成した場合には、この所望のパターンの微小開口から等
方的にエッチングを進行させることできる。この基板の
凹部に透明樹脂等を充填し平板型マイクロレンズを作製
すると、良好な微小レンズを形成することが可能にな
る。
ガラス、ソーダライムガラス、アルカリアルミノシリケ
ートガラス、アルカリボロシリケートガラス、多成分無
アルカリガラス、低膨張結晶化ガラスが挙げられる。
は、従来フォトマスク研磨と称されている研磨レベルで
あり、このレベルのガラス基板の平滑性は、原子間力顕
微鏡等の高分解能を有する分析手法によって、評価する
ことが可能である。
るエッチャントに対する耐性やフォトリソパターニング
の作業性および成膜コストによって、適当なものを選定
することができる。また形成する膜厚も目的に応じて任
意に選定することができ、組成の異なる膜材料を多層に
積層することもできる。
ム、ニッケル、タンタル、シリコン、金等の金属および
その酸化物または窒化物が挙げられる。これら耐食性保
護膜は、スパッタリング法、蒸着法などによって形成す
ることができる。
グを行う際の、エッチャント組成はエッチングを行うガ
ラス基板の組成によって選定される。例えば、石英ガラ
ス基板をエッチングする場合には、フッ化水素とドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤を含有
する水溶液が、エッチャントとして用いることができ
る。また、ソーダライムガラス基板をエッチングする場
合には、フッ化水素に加えて硫酸等の鉱酸、酢酸等の有
機酸を加えることが多く、必要に応じてドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム等の界面活性剤が加えられると
よい。
ガラス基板表面との境界は、平面視したときほぼ完全な
円形となっている。したがって、この微小凹部に前記基
板の屈折率と異なる樹脂等を充填することで、良好な光
学性能を有する平板マイクロレンズが得られる。
一エッチングの発生および開口を有する耐食性膜の剥離
を抑制するために、耐食性膜を形成するガラス基板の表
面粗さを、上述した種々の方法で厳密に中心線平均粗さ
Raで0.4nm以下に、より好ましくは0.1〜0.
24nmに制御している。このため、ガラス基板表面の
潜傷による不均一エッチングの発生をなくすることが可
能になる。
グすることによって、微小凹部が稠密に充填されたガラ
ス基板を得ることができる。
平均粒径0.05μm、2次粒子平均粒径約0.5μ
m)を用いて、低加重(30gf/cm2)、 低速度
(50rpm)で石英ガラス基板の最終研磨を行った。
原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメント(株)製:
NanoScope ,以下「AFM」と呼ぶ)により、研磨後の
ガラス基板の表面粗さを調べた結果、中心線平均粗さR
aは0.15nmになっていることが分かった。
法により、エッチャントに対する耐食性保護膜として、
CrOx/Cr/CrOxの3層膜を形成した。Cr膜の
ESCA分析の結果、トータル膜厚120nmの 40
Cr・60CrOx/75Cr・25CrOx/45Cr
・55CrOx(原子%)の3層構造になっていた。次
に、フォトレジストを塗布、露光、現像をおこなうフォ
トリソグラフィによって3層Cr膜に所定の微小凹部配
列パターンで小開口を形成した。形成した小開口配列
は、六方配列(x方向ピッチ50μm、y方向ピッチ4
0μm)であり、これにより六法配列の微小凹部アレイ
が得られる。本実施例1では、微小凹部を得るために、
前記小開口径を10μmとし、エッチング長は15μm
となるようにエッチング時間を調整した(開口径/エッ
チング長=2/3)。
Fおよび界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを含む水溶液に浸漬して、化学エッチング
を行った。ここで、HFおよびドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウムの濃度は、それぞれ10重量%および
0.1重量%とした。これにより、前記小開口を始点と
して石英ガラス基板の表面がエッチングされた。前記耐
食性保護膜を、硝酸セリウムアンモニウムと過塩素酸を
含む水溶液でエッチングを行い、これを完全に除去し
た。
結果、曲率半径約15μmの等方的な凹部側壁面と、直
径10μmの底部を有するボウル状凹部(その断面形状
は、長軸が40μm,単軸が30μmの長円を長軸方向
に2等分した半長円)が、マスク開口部形成位置に対応
して得られていることが分かった(図1)。前記微小凹
部をくまなく観察した結果、楕円状欠陥等の欠陥は、全
く観察されなかった。図4(a)に形成された微小凹部
のある一列の輪郭をトレースしたものを、(b)にその
部分拡大断面図を示す。
その輪郭が全て円形である微小凹部を有する基板が得ら
れる。
面に稠密配列する場合について述べる。上記基板を、先
のエッチャントに再び浸漬して、基板表面全体をエッチ
ングした。この2段階エッチングにより、平面視でそれ
ぞれが同一の六角形をなし隣接する微小凹部同士が密接
した完全稠密充填配列となった。
に石英ガラス基板よりも屈折率の高いエポキシ系透明樹
脂材料を充填し、その上から別途石英基板を貼合せ、前
記樹脂を光硬化させた。これにより、無欠陥の石英製平
板マイクロレンズを得ることができた。
0.05μm)を砥粒として用いて、実施例1と同じ条
件で石英ガラス基板の最終研磨を行った。AFM観察に
より、研磨後のガラス基板の中心線平均粗さRaは、
0.12nmになっていることが分かった。
グ法により、エッチャントに対する耐食性保護膜として
Cr膜を形成した。Cr膜のESCA分析の結果、トー
タル膜厚120nmの80Cr・20CrOx(原子
%)になっていた。次に、実施例1と同様に、前記耐食
性保護膜に小開口パターンを作製し、さらにエッチング
処理を行って、続いて前記耐食性保護膜を除去した。
結果、曲率半径約15μmの等方的な凹部側壁面と、直
径10μmの底部を有するボウル状凹部(その断面形状
は、長軸が40μm,単軸が30μmの長円を長軸方向
に2等分した半長円)が、マスク開口部形成位置に対応
して得られていることが分かった。前記微小凹部をくま
なく観察した結果、楕円状欠陥等の欠陥は、全く観察さ
れなかった。
て、基板表面全体をエッチングした。この2段階エッチ
ングにより、平面視でそれぞれが同一の六角形をなし隣
接する微小凹部同士が密接した完全稠密充填配列となっ
た。
に石英ガラス基板よりも屈折率の高いエポキシ系透明樹
脂材料を充填し、その上から別途石英基板を貼合せ、前
記樹脂を光硬化させた。これにより、無欠陥の石英製平
板マイクロレンズを得ることができた。
(OC2H5)4) のエタノール溶液に、希塩酸(1重量
%)を加え、室温で1時間攪拌することにより、テトラ
エトキシシランの加水分解、縮重合反応を行った。ここ
で、テトラエトキシシランに対するエタノールと水のモ
ル比は、それぞれ5および6とした。この溶液を、塗膜
の膜厚を制御するためにエタノールでさらに希釈して、
ゾルゲルコーティング溶液とした。
終研磨レベルの石英ガラス基板(Ra=0.6nm)
に、ディップコーティングを行った。室温で1時間乾燥
させた後、熱処理を850℃で5時間行うことにより、
ゾルゲルSiO2 膜の焼結を行った。焼結後、ゾルゲル
SiO2 膜の膜厚は200nmになっていた。AFMに
よる観察結果、焼成後のガラス基板のRaは約0.2n
mになっていることが分かった。
グ法により、エッチャントに対する耐食性保護膜として
Cr膜を形成した。このCr膜は実施例2と同様のもの
であった。次に、実施例1と同様に、前記耐食性保護膜
に小開口パターンを作製し、さらにエッチング処理を行
って、続いて前記耐食性保護膜を除去した。
結果、曲率半径約15μmの等方的な凹部側壁面と、直
径10μmの底部を有するボウル状凹部(その断面形状
は、長軸が40μm,単軸が30μmの長円を長軸方向
に2等分した半長円)が、マスク開口部形成位置に対応
して得られていることが分かった。前記微小凹部をくま
なく観察した結果、楕円状欠陥等の欠陥は、全く観察さ
れなかった。
て、基板表面全体をエッチングした。この2段階エッチ
ングにより、平面視でそれぞれが同一の六角形をなし隣
接する微小凹部同士が密接した完全稠密充填配列となっ
た。
に石英ガラス基板よりも屈折率の高いエポキシ系透明樹
脂材料を充填し、その上から別途石英基板を貼合せ、前
記樹脂を光硬化させた。これにより、無欠陥の石英製平
板マイクロレンズを得ることができた。
粒(1次粒子平均粒径0.05μm、2次粒子平均粒径
約0.5μm)を用いて、低加重(30gf/c
m2)、 低速度(50rpm)でソーダライムガラス基
板の最終研磨を行った。原子間力顕微鏡(AFM)によ
り、研磨後のガラス基板の表面粗さを調べた結果、中心
線平均粗さRaは0.20nmになっていることが分か
った。
じ条件で、CrOx/Cr/CrOxの3層膜を形成し
た。次に、実施例3と同様に、前記耐食性保護膜に小開
口パターンを作製し、さらにエッチング処理を行って、
続いて前記耐食性保護膜を除去した。
結果、曲率半径約15μmの等方的な凹部側壁面と、直
径10μmの底部を有するボウル状凹部(その断面形状
は、長軸が40μm,単軸が30μmの長円を長軸方向
に2等分した半長円)が、マスク開口部形成位置に対応
して得られていることが分かった。前記微小凹部をくま
なく観察した結果、楕円状欠陥等の欠陥は、全く観察さ
れなかった。
て、基板表面全体をエッチングした。この2段階エッチ
ングにより、平面視でそれぞれが同一の六角形をなし隣
接する微小凹部同士が密接した完全稠密充填配列となっ
た。
にソーダライムガラス基板よりも屈折率の高いエポキシ
系透明樹脂材料を充填し、その上から別途石英基板を貼
合せ、前記樹脂を光硬化させた。これにより、無欠陥の
ソーダライムガラス製平板マイクロレンズを得ることが
できた。
0.05μm)を砥粒として用いて、実施例4と同じ条
件でソーダライムガラス基板の最終研磨を行った。AF
M観察により研磨後のガラス基板の中心線平均粗さRa
は0.14nmになっていることが分かった。
例2と同一条件でCr膜を形成した。次に、実施例2と
同様に、前記耐食性保護膜に小開口パターンを作製し、
さらにエッチング処理を行って、続いて前記耐食性保護
膜を除去した。
結果、曲率半径約15μmの等方的な凹部側壁面と、直
径10μmの底部を有するボウル状凹部(その断面形状
は、長軸が40μm,単軸が30μmの長円を長軸方向
に2等分した半長円)が、マスク開口部形成位置に対応
して得られていることが分かった。前記微小凹部をくま
なく観察した結果、楕円状欠陥等の欠陥は、全く観察さ
れなかった。
て、基板表面全体をエッチングした。この2段階エッチ
ングにより、平面視でそれぞれが同一の六角形をなし隣
接する微小凹部同士が密接した完全稠密充填配列となっ
た。
にソーダライムガラス基板よりも屈折率の高いエポキシ
系樹脂材料を充填し、その上から別途石英基板を貼合
せ、前記樹脂を光硬化させた。これにより、無欠陥のソ
ーダライムガラス製平板マイクロレンズを得ることがで
きた。
は、いずれも微小凹部を六方配列した場合であったが、
目的に応じて微小凹部を四方配列し、上述の2段階エッ
チングの処理を行えば、平面視にてその輪郭が正方形ま
た長方形であり、前記基板表面に完全稠密に配列された
微小凹部付きガラス基板が得られることは言うまでもな
い。
いては、上述した2段階エッチング処理により、基板表
面に完全稠密に配列された微小凹部付きガラス基板を得
ていたが、2段階目のエッチング処理時間によっては、
初期の基板表面を一部残した状態の微小凹部付きガラス
基板が得られることは言うまでもない。
ス基板(R=0.45nm)に対して、実施例1と同一
のCrOx/Cr/CrOxの3層膜形成とフォトリソパ
ターニングを行った。さらに前記小開口を有するCr膜
付き従来研磨の石英基板のエッチングを、実施例1と同
じ条件で行った。これにより、前記小開口を始点とし
て、石英ガラス基板の表面がエッチングされた。
鏡と電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。従来の
研磨レベルであるRaが0.45nm程度の石英ガラス
基板には、表面に潜傷が残存しており、エッチング工程
によってこれが顕在化し、微小凹部が形成されるはず
が、研磨傷および潜傷の方向に対応してその平面視形状
が楕円状のいびつな開口になってしまった。この前記凹
部に透明樹脂等を充填してレンズを形成しようとする
と、この前記凹部ではレンズ欠陥になると判断された。
なお、図5に前記凹部のある一列の輪郭をトレースした
ものを示す。
イムガラス基板(R=0.75nm)に対して、実施例
4と同一のCrOx/Cr/CrOxの3層膜形成とフォ
トリソパターニングを行った。さらに前記小開口を有す
るCr膜付き従来研磨のソーダライムガラス基板のエッ
チングを実施例4と同じ条件で行った。これにより、前
記小開口を始点として、ソーダライムガラス基板の表面
がエッチングされた。
電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。従来の研磨
レベルであるRaが0.75nm程度のソーダライムガ
ラス基板には、表面に潜傷が残存しており、エッチング
工程によってこれが顕在化し、微小凹部が形成されるは
ずが、研磨傷および潜傷の方向に対応してその平面視形
状が楕円状のいびつな開口になってしまった。また、C
r膜がエッチング処理の途中で剥離してしまい、前記凹
部は形成されていないところがあった。前記凹部および
Cr膜の剥離が生じた部分は、レンズ欠陥になるような
欠陥になると判断された。
ダライムガラス基板の結果を示したが、多成分無アルカ
リガラスや低膨張結晶化ガラスにおいても、ガラス表面
粗さとエッチング特性の関係は、同じ傾向を示した。
の表面の中心線平均粗さRaで0.4nm以下に平滑化
したガラス基板をエッチング法によって微小凹部を形成
すると、ガラス基板の潜傷や研磨傷による不均一エッチ
ングの発生をなくすることが可能になる。
るガラス基板を平面視したときの図。
表す模式図。
表すグラフ。
凹部の輪郭および部分拡大断面を表す模式図。
m)のガラス基板から得られた楕円状(ラグビーボール
状)輪郭凹部の輪郭を表す模式図。
輪郭、4…透明樹脂。
Claims (5)
- 【請求項1】研磨法にて表面の中心線平均粗さRaを
0.4nm以下としたガラス基板表面に、エッチング法
によって形成された微小凹部が多数個1次元または2次
元に規則配列された平板マイクロレンズ用ガラス基板で
あって、 前記微小凹部は略ボウル状をなすとともに、底部の曲率
半径は側部の曲率半径よりも大きく、また前記微小凹部
を平面視したときの輪郭はほぼ円形であり、さらにその
長径と短径の比が1.1以下であることを特徴とする微
小凹部付きガラス基板。ただし、輪郭の最も長い径を長
径と、最も短い径を短径とする。 - 【請求項2】請求項1に記載の微小凹部付きガラス基板
において、 前記輪郭が円形である微小凹部付きガラス基板。 - 【請求項3】研磨法にて表面の中心線平均粗さRaを
0.4nm以下としたガラス基板表面に、エッチング法
によって形成された微小凹部が多数個1次元または2次
元に規則配列された平板マイクロレンズ用ガラス基板で
あって、 前記微小凹部は、略ボウル状をなすとともに、底部の曲
率半径は側部の曲率半径よりも大きく、さらに前記基板
のレンズ形成面のほぼ全面に形成されていることを特徴
とする微小凹部付きガラス基板。 - 【請求項4】請求項3に記載の微小凹部付きガラス基板
において、 前記微小凹部は完全稠密に配列され、前記輪郭形状は平
面視にて、正方形、長方形、正六角形または六角形であ
る微小凹部付きガラス基板。 - 【請求項5】請求項1から4に記載の微小凹部付きガラ
ス基板の前記微小凹部に、前記ガラス基板の屈折率と異
なる樹脂を充填し、レンズ作用を持たせたことを特徴と
する平板型マイクロレンズアレイ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19393395A JP3357222B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 微小凹部付きガラス基板及びこのガラス基板を用いた平板型マイクロレンズアレイ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19393395A JP3357222B2 (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 微小凹部付きガラス基板及びこのガラス基板を用いた平板型マイクロレンズアレイ |
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