JP3353197B2 - クリーンルーム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌方法及び該装置 - Google Patents

クリーンルーム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌方法及び該装置

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JP3353197B2 JP27343796A JP27343796A JP3353197B2 JP 3353197 B2 JP3353197 B2 JP 3353197B2 JP 27343796 A JP27343796 A JP 27343796A JP 27343796 A JP27343796 A JP 27343796A JP 3353197 B2 JP3353197 B2 JP 3353197B2
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尚士 本望
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリーンルーム用衣
服とその付属品の清浄度の向上に関し、より詳しくは、
これらを洗浄して除塵,乾燥及び滅菌を行う方法及びそ
の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、半導体製造装置等の作業環境に用
いられているクリーンルーム内の発塵源としては作業者
が最大の原因といわれている。すなわち、作業者がクリ
ーンルーム用衣服やその他の帽子や手袋、マスクなどの
付属品を着用していても、発塵源としては人体からの発
塵が大きい比重を占めている。このため、発塵の抑制の
点からクリーンルーム内に入る作業者の数を減らすこと
に努力が払われてきた。しかしながら、クリーンルーム
内を完全に無人化することはできず、人体発塵の抑制が
大きな問題となっている。
【0003】人体発塵のうちクリーンルーム用衣服の素
材からの発塵や衣服の内側からの発塵抑制対策は取られ
つつあるが、クリーンルーム用衣服などの着衣の汚れに
よる汚染は深刻な問題となっている。特に、半導体素子
の微細化,高密度化に伴い製造環境が厳しくなるにつ
れ、クリーンルーム用衣服のより高い清浄度が要求され
るようになり、着衣の汚れによるクリーンルーム内の汚
染を防止することは重要な課題となってきた。
【0004】クリーンルーム用衣服とその付属品の洗
浄,除塵及び乾燥の各作業の多くは、各事業所のクリー
ンルームよりクリーンルーム用衣服などを拠点となる場
所に集荷した後、洗浄,除塵及び乾燥用に特別に作られ
たクリーンレベル100程度のクリーンルーム内で、水
道水又は超純水を使って噴流式又はドラム回転式の構造
の洗濯機で洗浄されている。そして、洗浄後、同じクリ
ーンルーム内に設置された乾燥機で温風清浄空気を送風
しつつ攪拌することにより、クリーンルーム用衣服とそ
の付属品の除塵及び乾燥がなされている。
【0005】ところが、個々のクリーンルーム用衣服及
びその付属品について、清浄度の測定はなされておら
ず、滅菌もなされていない。しかし、個々の清浄度の測
定に代えて、クリーンルーム用衣服及びその付属品の代
表例について、予め清浄度と乾燥時間の関係を把握して
おき、所定の清浄度が得られるよう所定の除塵,乾燥時
間を設定して、この時間に基づいて除塵及び乾燥の作業
が行われている。このようにして、除塵,乾燥した後、
同じくクリーンレベル100程度の環境下で乾燥した衣
服を1点づつ個別包装し、その後、大袋に一括包装す
る。中には一重梱包もあるが、多くは一括包装品をプラ
スチックコンテナーなどに梱包し、各事業所へ車などで
配送した後、外側の梱包を解梱し、その後、半導体製造
装置などのクリーンルームへ収められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの洗浄,除塵及
び乾燥の各工程により、クリーンルーム用衣服及びその
付属品の清浄度は一応向上し、使用に耐え得るものでは
あったが、充分なものではなかった。すなわち、乾燥工
程などにおいて、クリーンルーム用衣服及びその付属品
に静電気が帯電して微粒子を吸着してしまい、除塵を充
分に行うことができないという問題があった。また、カ
ビや細菌などの微生物の滅菌処理がなされていないた
め、作業者の口や肌に直接触れる衣服及び付属品には臭
気が残ったりして衛生上の問題があった。
【0007】このように、個々のクリーンルーム用衣服
の塵埃モニターによる管理がなされないまま、近年益々
高密度化,微細化が進んでいる半導体製造などのクリー
ンルームで使用されることは、クリーンルーム内の発塵
源では衣服を含む人体発塵が最大発塵源であるといわれ
ているだけに、工程の歩留り向上を阻害する大きな要因
の一つとなっていた。
【0008】また、除塵,洗浄及び乾燥したクリーンル
ーム用衣服などを各事業所のクリーンルームへ再配送し
た後、解梱しなければならないため、クリーンルーム用
衣服などが再汚染されるという問題があった。同時に、
集荷,包装,再配送及び解梱という除塵及び乾燥以外の
工程で、多くの労力と工数を必要としていた。
【0009】加えて、衣服の摩擦からくる糸切れや毛ば
だち等に起因する塵埃は測定されておらず、クリーンル
ーム用衣服の寿命判定は洗浄回数と外観上の検査だけに
委ねられており、クリーンルーム用衣服自身からの発塵
管理がなされていないなどの問題があった。
【0010】そこで、本発明者はこのような課題を解決
するべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るクリーンル
ーム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌方法の要
旨とするところは、クリーンルーム内で、クリーンルー
ム用衣服とその付属品を洗浄液により洗浄した後、温風
又は乾燥風と、オゾンを供給しつつ該洗浄されたクリー
ンルーム用衣服とその付属品を帯電を防止しつつ攪拌し
て乾燥させるとともに除塵し且つ滅菌することにある。
【0012】かかる方法を実施する本発明に係るクリー
ンルーム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌装置
の要旨とするところは、洗浄されたクリーンルーム用衣
服とその付属品を撹拌して除塵,乾燥及び滅菌を促進さ
せる回転ドラムと、該回転ドラムを回転させるための駆
動装置と、該クリーンルーム用衣服とその付属品を乾燥
させるために外部から空気を取り入れて供給する送風機
と、取り入れられる空気を清浄にする空気清浄機と、オ
ゾンを発生させるオゾン発生装置と、空気排出口又は該
近傍部に設けられて排出空気中に含まれる塵埃の量を測
定する塵埃測定手段とを備え、前記塵埃測定手段で、排
出空気中に含まれる塵埃の量を測定することにより、除
塵,乾燥及び滅菌の時間又は回数と塵埃測定値との関係
によるクリーンルーム用衣服とその付属品の寿命を判定
ることにある。
【0013】そして、帯電を防止する方法として、帯電
防止剤を使用することも可能であるが、かかるクリーン
ルーム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌装置に
おいて、プラスイオン又はマイナスイオンのいずれか一
方又は双方を発生させるイオン発生装置を備えて構成し
たり、あるいはオゾン発生装置とイオン発生装置に代え
て、イオンとオゾンを同時に発生させるいわゆるイオナ
イザーを用いることも可能である。
【0014】更に、かかるクリーンルーム用衣服とその
付属品の除塵,乾燥及び滅菌装置において、温度調節が
可能なヒーターを設けたことにある。
【0015】本発明に係る方法及び装置によれば、ま
ず、クリーンルーム用衣服とその付属品の洗濯について
は前工程として行われ、通常の一般洗濯でも良いが、本
発明の除塵,乾燥,滅菌効果を向上させるためには脱イ
オン水又は超純水を用いて洗濯する方が好ましい。ま
た、汚れの著しいときは活性剤を0.02〜0.1%
(重量比)添加すると効果的である。このクリーンルー
ム用衣服などの洗浄は、クリーンルーム内(クリーンレ
ベル100〜1000程度)に設置された洗浄機で行わ
れる。
【0016】次いで、洗浄されたクリーンルーム用衣服
とその付属品は同じクリーンルーム内に設置された無塵
構造機構の除塵,乾燥,滅菌装置の回転ドラムの中に入
れられる。一方、所定の温度に調節された所定のオゾン
とイオン電子を含む所定の清浄空気が送風機、イオナイ
ザー、空気清浄機及びヒーターを通して除塵,乾燥,滅
菌装置の回転ドラムに供給される。そして、回転ドラム
に入れられたクリーンルーム用衣服と付属品は供給され
た所定の清浄空気とともに回転させられる回転ドラムに
より攪拌され、乾燥させられる。と同時に、摩擦などに
よって静電気が帯電して衣服に付着している粉塵などの
微粒子をイオン電子により電気的に中和して除塵すると
ともに、更に、オゾンと場合によっては熱により衣服な
どに付着している細菌類やカビ類などの微生物の滅菌が
行われる。除塵,乾燥,滅菌後の空気は、排気ファンに
より強制的に排気口部へ導かれ排出される。所定の時間
まで、この工程が継続して行われて、クリーンルーム用
衣服などの清浄化が行われる。このように、イオナイザ
ーの配設によりイオン電子を発生させて供給し、クリー
ンルーム用衣服及びその付属品に発生する静電気を除電
して帯電に係わる微粒子を除塵し、また同時にイオナイ
ザーによりオゾンを発生させて微生物を滅菌させる効果
を高めることができる。
【0017】次に、かかるクリーンルーム用衣服とその
付属品の除塵,乾燥及び滅菌方法において、前記乾燥,
除塵及び滅菌工程から排出される空気中に含まれる塵埃
の量を測定することにより、該測定値に基づいて乾燥,
除塵及び滅菌の時間を制御し、クリーンルーム用衣服と
その付属品の清浄度を所定の値以下にすることにある。
この方法を実施する装置として、上記クリーンルーム用
衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌装置において、
空気排出口又は該近傍部に、排出空気中に含まれる塵埃
の量を測定する塵埃測定手段を設けることにある。
【0018】すなわち、上述の装置の排気口に塵埃測定
手段としてたとえばパーテイクルカウンターの測定部を
配設し、除塵された微粒子を測定する。そして、所定時
間の除塵,乾燥,滅菌作業の後、測定された微粒子の個
数が所定の範囲内にあるときは正常と判断されて、乾燥
などの工程が止められ、クリーンルーム用衣服などが回
転ドラムから取り出される。それに対して、測定された
微粒子の個数が所定の値から外れているときは、汚れが
取れていないか、まだ、衣服などの表面に微粒子が付着
しているものと判断され、更に乾燥などの工程が続けら
れるか、あるいは再度、洗浄からやり直すかの判断がな
される。
【0019】また、かかるクリーンルーム用衣服とその
付属品の除塵,乾燥及び滅菌方法において、前記乾燥,
除塵及び滅菌工程から排出される空気中に含まれる塵埃
の量を測定することにより、除塵,乾燥及び滅菌の時間
又は回数と塵埃測定値との関係に基づきクリーンルーム
用衣服又はその付属品の寿命を判定するようにしたこと
にある。
【0020】更に、この方法を実施する装置として、ク
リーンルーム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌
装置において、塵埃測定手段で排出空気中に含まれる塵
埃の量を測定することにより、除塵,乾燥及び滅菌の時
間又は回数と塵埃測定値との関係によるクリーンルーム
用衣服又はその付属品の寿命の判定手段を備えたことに
ある。
【0021】すなわち、クリーンルーム用衣服とその付
属品を除塵,乾燥,滅菌する場合、単に無塵構造機構の
除塵,乾燥,滅菌装置で除塵を塵埃測定手段でその値を
測定管理するだけでなく、同時に塵埃測定手段の値と衣
服及びその付属品の磨耗状態との相関関係を予め定量的
に把握することにより、衣服及びその付属品の寿命の判
定も行うことができる。詳しくは、所定時間の除塵,乾
燥,滅菌作業の後、測定された除塵に係る微粒子が所定
の範囲内にあるときは正常と判断される。それに対し
て、測定された微粒子の個数が所定の範囲から外れてい
るときは、前工程の寿命からくる磨耗による発塵である
と判定される。磨耗による発塵の場合、いったん最小値
を示した後、再び上昇し所定の範囲を外れた値で測定さ
れる。この値の推移の変化により洗浄不充分かあるいは
寿命による発塵かが判定される。
【0022】更に、クリーンルーム用衣服とその付属品
の除塵,乾燥及び滅菌装置において、洗浄されたクリー
ンルーム用衣服とその付属品を除塵,乾燥及び滅菌させ
て排出される空気を前記空気清浄機に循環させる循環手
段と、該循環させられる空気中から除湿をする除湿手段
とを備えたことにある。
【0023】空気をクリーンルーム内である装置の外部
へ排気することが適さない場合は、排気口を配設しない
閉ループの空気循環方式により、ダンパーを介して再び
空気が回転ドラムへ導かれることにより、除塵,乾燥,
滅菌がなされる。この場合、塵埃測定手段は排気部に配
設される。
【0024】
【発明の実施の形態】次に本発明に係わるクリーンルー
ム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌の方法及び
その装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】図1及び図2は無塵機構を有する除塵・乾
燥・滅菌装置10の一実施例を示す図であり、本装置1
0はクリーンレベルが約100〜1000程度に維持管
理されたクリーンルーム内に設置される。この装置10
はプレフィルター12、ドレイン口14、排気口16及
び回転ドラム18と駆動装置20とを結ぶシャフト21
が通るシャフト穴22以外は、全てフレーム24と扉2
6により密閉されている。また、フレーム24の内部に
は、プレフィルター12を通して空気を取り入れるため
の送風機28と、送風機28により取り入れられた空気
にオゾンと、プラスとマイナスのイオン電子を発生させ
るためのイオナイザー30と、オゾンとイオン電子を含
む空気を清浄にするための空気清浄機32と、清浄にさ
れた空気を加熱するためのヒーター34とを備えて構成
されている。
【0026】ここで、本装置10が設置されるクリーン
ルームは半導体素子などの製造設備が配設されたクリー
ンルーム内の一部か、あるいはその製造設備に隣接して
設けられているクリーンルーム用衣服に着替える更衣室
など、クリーンレベルが一定以下に保持されているクリ
ーンルームが好ましく、特に、製造設備に付帯するクリ
ーンルームから外部に出ない箇所に設けられるのが好ま
しい。このような箇所に設けることにより、クリーンル
ーム用衣服などの洗浄などのために特にクリーンルーム
を設備する必要がなく、また清浄にした後に、クリーン
ルーム用衣服などが搬送に伴って汚染されることもなく
なる。
【0027】プレフィルター12は装置10のフレーム
24に形成された空気の取り入れ口に設けられ、クリー
ンルーム内の空気中に浮遊する塵埃を予め除去するため
のフィルターであり、たとえばガラス繊維などから構成
されるフィルターが用いられる。このプレフィルター1
2としては粒径10μm以下、好ましくは粒径5μm以
下、より好ましくは粒径2μm以下の塵埃を捕集効率8
0%以上、好ましくは95%以上で除去し得るフィルタ
ーが用いられる。
【0028】プレフィルター12を通してクリーンルー
ム内の空気は送風機28によって取り入れられる。送風
機28は内部に組み込まれたモーターによりファンが回
転させられるように構成されていて、モーターやファン
の構造や形状は特に限定されない。ただし、クリーンル
ーム用衣服などを乾燥させるために、充分な送風量が得
られるものが選定され、また、回転部などにおいて、粉
塵などがほとんど発生しない構造のものが好ましい。
【0029】送風機28によってプレフィルター12を
通してクリーンルーム内の空気が吸引されて、さらに清
浄にされた空気は、イオナイザー30へ送られる。イオ
ナイザー30は正負のイオン電子とオゾンを同時に発生
させることができる装置であり、空気中で対向させた電
極間を放電させることにより、イオンとオゾンを発生さ
せるようにした装置など、公知の装置が用いられる。ま
た、イオン電子とオゾンを同時に発生させる装置だけで
なく、イオン電子のみを発生させるイオン発生装置と、
オゾンのみを発生させるオゾン発生装置の両者を組み合
わせて用いることも可能である。更に、クリーンルーム
用衣服などを乾燥させるときに生ずる静電気の極性が正
負のいずれかに一定している場合は、正イオン又は負イ
オンのいずれかのみを発生させるイオン発生装置を用い
ても良く、特に限定されない。なお、イオン電子とオゾ
ンの発生量は送風量や被乾燥物であるクリーンルーム用
衣服などの量などによって決定される。
【0030】イオナイザー30によってイオン電子とオ
ゾンが発生させられた空気は空気清浄機32によって、
空気中に含まれる微小な塵埃が除去される。空気清浄機
32はガラス繊維から成るフィルターなどによって構成
されていて、粒径0.5μm以下、好ましくは0.3μ
m以下、より好ましくは0.1μm以下の塵埃を捕集効
率99.0%以上、好ましくは99.95%以上、より
好ましくは99.999%以上で除去できるものが用い
られる。この空気清浄機32として、たとえばULPA
(ULTRA LOW PENETRATION AIR FILTER 粒径0.1μmの
微粒子を捕集効率99.999%以上で捕集することが
できるガラス繊維から構成されるフィルター)又は、H
EPA( HIGH EFFICIENCY PARTICULATE AIR FILTER 粒
径0.3μmの微粒子を捕集効率99.97%以上で捕
集することができるガラス繊維から構成されるフィルタ
ー)を用いることができる。この空気清浄機32によっ
て、送風機28などによって生じた粉塵も除去され、ク
リーンレベルが非常に高い乾燥用の空気が得られる。な
お、この空気清浄機32によってイオン電子やオゾンが
除去されることはない。
【0031】イオン電子とオゾンを含む清浄にされた空
気はヒーター34により加熱されて送風される。ヒータ
ー34で加熱される空気の温度は、洗浄されたクリーン
ルーム用衣服などが効率的に乾燥させられる温度であっ
て、しかも、乾燥させられるクリーンルーム用衣服など
が熱変形し得ない温度以下に設定される。ヒーター34
による加熱温度として、90℃以下、特に70℃以下
で、常温以上、特に30℃以上が好ましい。ヒーター3
4で加熱される空気の温度を高く設定できる場合には、
熱による殺菌効果が期待でき、更に乾燥の促進を図るこ
とになる。ヒーター34は塵埃を発生しない構造のもの
が用いられ、電気ヒーター特に防塵性セラミックヒータ
ーが好ましい。ヒーター34により適温に加熱されたイ
オン電子とオゾンを含む空気は通風路36を通って回転
ドラム18に送られる。
【0032】回転ドラム18には筒状体19の内部に1
又は複数のパッド38が配設されていて、筒状体19の
中に入れられたクリーンルーム用衣服などがからみ付く
のを防止するとともに、クリーンルーム用衣服などを攪
拌して乾燥を促進するようにされている。回転ドラム1
8の筒状体19はその軸方向がほぼ水平方向に配設され
ていて、筒状体19の一端側面には壁40が設けられて
いる。壁40にはその回転中心にシャフト21が設けら
れ、且つ適宜箇所に空気導入口42が設けられて、通風
路36からの温風が筒状体19の中に導入されるように
されている。また、筒状体19の他端側面は開口(4
3)させられ、扉26を開けて、その筒状体19の中に
クリーンルーム用衣服などを入れるように構成されてい
る。
【0033】筒状体19の壁40に設けられたシャフト
21の他端は駆動装置20に連結されていて、回転ドラ
ム18が回転させられる。駆動装置20はモーター44
と減速機46とから構成され、約20rpmから60r
pm程度の回転数で、クリーンルーム用衣服などの生地
を傷めない程度の速度で、且つ乾燥を促進し得る速度で
回転させられる。駆動装置20はフレーム24の外側に
配設されていて、フレーム24を貫くシャフト21のシ
ャフト孔22の内径は、シャフト21の外径より若干大
きく形成され、たとえば約0.3mm程度大きめに形成さ
れている。このように隙間を設けるのは、回転させられ
るシャフト21とフレーム24とが接触して粉塵が発生
しないようにするとともに、かりに粉塵が発生したとし
ても、通風路36側から隙間を通じて外部へ向かって流
れる空気流を作ることにより、粉塵が内部に入らないよ
うにし、装置10内が塵埃で汚染されるのを防止するた
めである。
【0034】なお、駆動装置20が配設されるフレーム
24の側壁側はクリーンルームの側壁を貫いて、外部に
配設されるのが、粉塵をクリーンルーム内に拡散させな
いために好ましい。また、駆動装置20はフレーム24
の外部側壁に強固に取り付けられ、シャフト21及び回
転ドラム18はフレーム24の内部に宙に浮いた状態で
配設され、内部の部材に接触しないようにされるのが、
粉塵の発生を防止する観点から好ましい。回転ドラム1
8をフレーム24内部で支持する必要がある場合は、ベ
アリングなどを用いて粉塵が発生しないように構成され
る。
【0035】回転ドラム18へ送られた清浄空気は予め
その中に入れられていたクリーンルーム用衣服とその付
属品とともに回転ドラム18の回転により攪拌され、ク
リーンルーム衣服などの除塵,乾燥,滅菌がなされる。
すなわち、クリーンルーム用衣服などが攪拌されつつ温
風により乾燥させられるのに伴い、クリーンルーム用衣
服などの摩擦によってプラス又はマイナスの静電気が帯
電し、その静電気によりクリーンルーム用衣服などの表
面に粉塵などが吸着する。このため、イオナイザー30
により発生させたプラス及びマイナスのイオン電子を温
風とともに攪拌することにより、静電気が電気的に中和
してクリーンルーム用衣服などの表面に帯電がなくな
り、除塵がなされる。また、クリーンルーム用衣服など
の表面に付着している大腸菌や雑菌などの細菌類やカビ
類などの微生物については、同じくイオナイザー30に
より発生させたオゾンの殺菌力によって殺菌して、滅菌
が図られる。更に、滅菌によって微生物の死骸が塵埃と
して排出されるとき、静電気によってクリーンルーム用
衣服などの表面に付着することはなく、除塵されること
になる。
【0036】このクリーンルーム衣服などの除塵,乾
燥,滅菌の時間は、クリーンルーム用衣服及びその付属
品の種類によって分類され、約20分以上であって約6
0分以下の範囲で設定されるのが好ましい。この時間が
短いと、除塵,乾燥及び滅菌が不充分となり、時間が長
すぎると、クリーンルーム用衣服などの生地を傷めるだ
けで好ましくない。なお、この時間は回転ドラム18に
入れるクリーンルーム用衣服などの枚数や、温風の温度
と送風量などによって異なり、必ずしも限定されるもの
ではない。
【0037】クリーンルーム用衣服などの除塵,乾燥及
び滅菌に使用された空気は筒状体19の開口部43から
排出され、排気ファン48に吸引されて排気路50を通
り、更に防塵性除湿機52を通って排気口16から外部
へ排気される。この回転ドラム18から排出された空気
は粉塵と水分を含んでいて、防塵性除湿機52によって
水蒸気は凝縮されて液化し、ドレイン口14から外部に
排出される。また、水分が除去されて乾燥した空気には
クリーンルーム用衣服などから除塵された粉塵が含まれ
ており、この乾燥空気が排気口16から外部へ排気され
る。そこで、この排気口16にパーティクルカウンター
54の測定部を配設し、排気口16から排出される空気
中に含まれる粉塵の量が計測される。なお、ドレイン口
14はクリーンルーム内に設けられた排水管に接続さ
れ、また、排気口16はクリーンルーム内に排出されて
も良いが、ダクトなどによってクリーンルームの室外に
排出されるようにするのが好ましい。
【0038】パーティクルカウンター54の測定部はレ
ーザー式のものなど、空気中に含まれる微粒子の個数を
ほぼ正確に計測することができる装置が用いられる。計
測することができる微粒子の直径は0.1μm以下のも
のまで測定するようにしても良いが、たとえば0.1μ
m以上あるいは0.3μm以上の粒径のものを代表的に
測定することにより、清浄度を判定するようにしても良
い。すなわち、パーテイクルカウンター54により測定
された値、換言すれば排気口16から排気される単位体
積の空気中に含まれる粉塵の個数が所定の範囲以下であ
るときは正常と判定され、逆に測定された値が所定の範
囲から外れているときは前の工程の洗浄が不充分である
か、あるいはクリーンルーム用衣服などの寿命により清
浄度が不充分であると判定される。
【0039】より詳しく説明すると、図3中に実線で示
すように、洗濯回数が0回の新しいクリーンルーム用衣
服を洗浄した後、本装置10により除塵,乾燥及び殺菌
しつつ、排気口16から排気される空気に含まれる微粒
子の個数をパーテイクルカウンター54により測定する
と、乾燥開始時には約7000個程であった微粒子の数
が、10分後には約2000個程になり、更に開始から
30分後には100個未満となり、その後はさらに個数
が減少した。この結果から、洗浄時にクリーンルーム用
衣服の表面に付着していた微粒子が次第に除塵されてい
き、クリーンルーム用衣服自体の繊維などによる自己発
塵がないことが分かる。
【0040】また、洗濯回数が75回のものを同図3に
点線で、洗濯回数が100回のものを同図3に2点鎖線
でそれぞれ示すように、使用回数が多い衣服について
は、洗浄時にクリーンルーム用衣服の表面に付着してい
た微粒子は次第に除塵されていくが、ある一定の時間以
上経過しても、パーテイクルカウンター54により測定
される微粒子の個数に減少が見られず、長時間の乾燥に
よって却って微粒子の個数が増加することが分かる。こ
の結果から、ある一定の時間、クリーンルーム用衣服を
乾燥させた時のパーテイクルカウンター54の測定値が
一定の値以下であるときは、クリーンルーム用衣服に寿
命がきていなく、また清浄度が充分であることが分か
る。それに対して、ある一定の時間、クリーンルーム用
衣服を乾燥させた時のパーテイクルカウンター54の測
定値が一定の値を越えるときは、清浄度が不充分であ
り、クリーンルーム用衣服に寿命がきているか、洗浄が
不充分であることが分かる。したがって、このときは、
クリーンルーム用衣服の洗浄をやり直すか、クリーンル
ーム用衣服を新しいものと取り替えるかの判断がなされ
ることになる。特に、同図から明らかなように、一定の
時間を越えて乾燥させたときに、一旦、最小値にまで減
少した微粒子の個数が再び増加したとき、クリーンルー
ム用衣服自体の繊維などによる自己発塵が原因すること
から、クリーンルーム用衣服の寿命がきていることが分
かる。
【0041】なお、上述の各構成要素を覆うフレーム2
4と扉26は、断熱材を両側からステンレス製などのプ
レートで覆って気密に構成されるのが好ましい。また、
図1に示すように、防塵性除湿機52を通って排気口1
6から外部へ排気される空気の一部をダンパー56を介
して、回転ドラム18の中に導くように構成することも
可能である。このようにすれば、熱効率が一層良くな
る。
【0042】以上、クリーンルーム用衣服とその付属品
の除塵,乾燥及び滅菌装置10の実施の形態を図面に基
づいて説明したが、この装置10は次のようにして作動
させられる。
【0043】すなわち、クリーンルーム用衣服とその付
属品は先ず、本装置10に隣接させてクリーンルーム内
に配設された洗浄装置によって、適切に洗濯される。洗
浄装置に使用される水は通常の水道水であっても良い
が、脱イオン水や超純水を用いるのが最も好ましい。水
による洗濯は洗剤などを用いない方が好ましいが、衣服
などの汚れが激しい場合には、活性剤を0.5重量%以
下、好ましくは0.01〜0.2重量%、より好ましく
は0.02〜0.1重量%の範囲で添加することも可能
である。そして、濯ぎの水が充分に透明度を有した後、
洗濯を終了し、脱水した後、取り出される。なお、この
洗浄装置としては、通常の洗濯機を用いることができ、
特に限定されない。
【0044】クリーンルーム用衣服とその付属品は、図
4に示すように、通常、続服から成るクリーンルーム用
衣服58と、付属品としてフード60、マスク61、腕
カバー62、手袋63、指サック64、クリーンシュー
ズ65などから構成される。これらを1セットとして洗
浄しても良いが、種類別に洗浄するようにしても良く、
特に限定されない。また、洗浄されたクリーンルーム用
衣服とその付属品は次に、これらを1セットとして除
塵,乾燥及び滅菌させるようにしても良いが、同様に、
種類別に行うようにしても良い。
【0045】洗浄後、生地を傷めない程度にクリーンル
ーム用衣服58などを充分脱水し、その後、隣接して配
設された除塵・乾燥・滅菌装置10の回転ドラム18の
中に入れ、扉26を閉める。次いで、駆動装置20を駆
動させて回転ドラム18を回転させると同時に、送風機
28を駆動させて空気を取り入れ、更にイオナイザー3
0、空気清浄機32及びヒーター34を作動させて、プ
ラスとマイナスのイオン電子とオゾンを含む清浄な加熱
空気を回転ドラム18に供給する。所定の予め設定され
た温度に加熱された空気により、回転ドラム18内のク
リーンルーム用衣服58などは徐々に乾燥させられる。
乾燥に伴い、クリーンルーム用衣服58などの表面に付
着している微粒子などの粉塵は剥がれて、空気とともに
排出されることになる。このとき、化学繊維で形成され
ているクリーンルーム用衣服58は回転ドラム18内で
攪拌されることにより衣服同士が摩擦しあって、静電気
を帯電し、表面から剥がれようとする微粒子を吸着して
しまう。そこで、イオナイザー30によってイオン化さ
れた空気が供給されることにより、静電気が電気的に中
和して、除電される。その結果、クリーンルーム用衣服
58などに静電気が帯電することはなく、除塵が円滑に
進むことになる。また、クリーンルーム用衣服58など
は洗浄によって、細菌などの微生物はある程度まで除去
されているが、充分でないことが多い。このため、イオ
ナイザー30によってイオン電子とともに作られたオゾ
ンを供給し、攪拌されるクリーンルーム用衣服58など
に接触させることにより、オゾンの殺菌力で微生物を殺
菌することができる。したがって、オゾンで殺菌された
クリーンルーム用衣服58などは衛生的であり、また、
細菌類やカビ類などの微生物が生きたまま、装置10か
ら空気とともに排出されることはなく、一層衛生的なも
のとなる。
【0046】回転ドラム18の回転によって攪拌され
て、クリーンルーム用衣服58などが迅速に乾燥させら
れるとともに、除塵され、さらに滅菌される一方、乾燥
などに供された空気は排気ファン48に吸引され、防塵
性除湿機52によって水分が除去された後、水分はドレ
イン口14から排出され、乾燥空気は排気口16から排
出される。この乾燥空気の中にはクリーンルーム用衣服
58などから除塵された微粒子などが含まれており、排
気口16に取り付けられたパーティクルカウンター54
の測定部により、微粒子の個数が計測される。
【0047】パーティクルカウンター54の測定部によ
り計測される微粒子の個数は除塵,乾燥及び滅菌の開始
時には最高値を示し、除塵などの開始後、時間の経過と
ともに計測される微粒子の個数は急激に減少していく。
そして、ある一定の時間が経過すると、計測される微粒
子の個数の減り方は鈍化し、遂にはほとんど減少しなく
なる。そこで、パーティクルカウンター54の測定部に
より計測される微粒子の個数がある一定の値よりも減っ
たとき、クリーンルーム用衣服58などからの発塵量が
規格値の範囲内にあるものと推定することができ、乾燥
が充分であるときは、装置10の作動を停止して、クリ
ーンルーム用衣服58などが取り出される。
【0048】このように、パーティクルカウンター54
の測定部により計測される微粒子の個数がある一定の値
よりも減ったときに、装置10の作動を停止させるよう
にしても良いが、更に、クリーンルーム用衣服58など
の寿命の判定も同時に行うようにしても良い。すなわ
ち、先に図3に基づいて説明したように、パーティクル
カウンター54の測定部により計測される微粒子の個数
は、クリーンルーム用衣服58などの使用回数換言すれ
ば洗濯回数が多いものほど、毛羽立ちなどによる自己発
塵量が増加することから、最低値が高くなり、しかも一
旦、最低値を示した後、増加する傾向を示す。そこで、
この最低値がクリーンルーム用衣服58などからの発塵
量の規格値の範囲を越えているときは、寿命であるとし
て廃棄される。また、最低値が規格値の範囲内であって
も、パーテイクルカウンター54により除塵した微粒子
を測定することにより測定された値と、クリーンルーム
用衣服及びその付属品の寿命との相関関係を定量的に把
握することにより、相関関係が一致する場合は、クリー
ンルーム用衣服58などは寿命がきたものとして廃棄さ
れる。この判定により、クリーンルーム用衣服58など
を着用して作業をする作業者からの発塵量を最小限に抑
えることが可能となる。
【0049】以上、本発明に係るクリーンルーム用衣服
とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌方法とその装置の実
施の形態を説明したが、本発明はかかる形態に限定され
るものではない。
【0050】たとえば上述の形態における装置10は、
クリーンルーム内の一部、特にクリーンレベルの高い製
造設備に入る前室や更衣室などに配設され、排気口16
から排出される微粒子を含む空気を直接、クリーンルー
ムの一部である前室や更衣室などの室内に排出し、クリ
ーンルーム用の空気清浄機によって清浄にすることとし
ていた。また、可能な場合には、クリーンルームの壁又
は床の一部に孔を設けて、排気口やモーターなどの駆動
装置をクリーンルームの室外に配設するように構成して
いた。しかし、クリーンルームの型式によっては、室内
に排気口を設けて微粒子を含む空気を排出したり、壁又
は床に孔を開けることができない場合がある。
【0051】このような場合には、図5に示すように、
排気口16に排気ダクト58を接続し、その排気ダクト
58の他端をプレフィルター12の一部に接続して循環
路60を構成するのが好ましい。そして、排気ダクト5
8の途中に、防塵性除湿機52と、その防塵性除湿機5
2により除湿されて液化させられたドレインを排出する
ためのドレイン口14と、排気路50内の排気を吸引す
るための排気ファン48を配設し、更に、排気ダクト5
8にパーティクルカウンター54の測定部を配設して、
閉ループの空気循環路60を構成するのである。
【0052】この循環方式の構成により、前述の作動と
効果に加えて、装置10の外部であるクリーンルーム内
を、排気された空気中に含まれる微粒子などの粉塵で汚
染したり、排気ガスの温度やそれに含まれる水分によっ
て、クリーンルーム内の温度や湿度を変化させることが
なくなり好ましい。しかも、排気ガスを循環させること
により、温風を再利用することができ、ヒーター34に
よる消費電力を少なくすることができ、経済的なものと
なる。
【0053】以上、本発明に係るクリーンルーム用衣服
とその付属品の除塵,乾燥,滅菌の方法及び装置の代表
的な構成を説明したが、本発明は上述の図示した形態に
限定されるものではないのは言うまでもない。
【0054】たとえば、上述の形態ではイオナイザーを
用いて、プラスとマイナスのイオン電子と、オゾンを同
時に発生させていたが、イオン発生装置とオゾン発生装
置を用い、それぞれが個別にイオンとオゾンを発生させ
るように構成することも可能である。この場合、イオン
の濃度と、オゾンの濃度をそれぞれ適宜調整し得る利点
がある。
【0055】また、クリーンルーム用衣服などに帯電す
る静電気の極性が一定している場合は、その極性を確認
したのち、イオン発生装置から発生させるイオンの極性
を静電気の極性とは反対の極性のものに選択して、選択
的に発生させるように構成することも可能である。この
場合、静電気の除去を効率的に行うことができる。
【0056】更に、イオン発生装置を用いずに、静電気
除去剤(帯電防止剤)をたとえばスポンジなどに含浸さ
せたものを回転ドラム内に入れて、クリーンルーム用衣
服などとともに回転させることにより、静電気がクリー
ンルーム用衣服などに帯電するのを防止するように構成
することも可能である。このように、イオン発生装置や
静電気除去剤(帯電防止剤)などを利用することによ
り、クリーンルーム用衣服などに帯電する静電気を除去
しつつ、静電気によって微粒子が吸着されるのを防止
し、効率的に除塵を図ることが可能となる。
【0057】また、オゾンを送ることによって、クリー
ンルーム用衣服などに付着していた大腸菌や雑菌などの
細菌類や、カビ類などの微生物を効率的に死滅させるこ
とが可能であり、より衛生的なクリーンルーム用衣服と
その付属品を得ることが可能となる。しかし、乾燥のた
めに供給される空気の温度を高温にし、且つ乾燥時間を
長くすることによって、細菌類をほぼ完全に死滅させる
ことができるため、オゾンに代えて高温の乾燥風によっ
て滅菌を図ることができる。なお、カビ類については、
温度に対して強いことから、熱風によって死滅すること
はほとんどないため、マスクなどの湿気を帯び易く、カ
ビ類が繁殖し易い付属品を除いて、高温の乾燥風で滅菌
を行うことも可能である。
【0058】回転ドラムを回転させる駆動装置であるモ
ーターや減速機などの配設位置や構造などは適宜設計変
更できるものであり、図示した例示に限定されないのは
言うまでもない。また、回転ドラムの筒状体に脱水用の
孔を開けることは可能であり、また、パッドを設けるこ
とは必ずしも必要ではない。更に、回転ドラムの筒状体
は円筒状に限定されず、四角状、六角状、…、十二角
状、…などでも良く、あるいは球状などでも良い。
【0059】その他、クリーンルーム内の空気を吸引し
て送風する送風機やイオナイザー、空気清浄機、ヒータ
ーの配置や順番などは、適宜変更し得るものであるな
ど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内で、当業者の
知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を加えた態様
で実施し得るものである。
【0060】
【実施例 1】図1及び図2に示す構造の除塵・乾燥・
滅菌装置10を構成した。プレフィルター12として粒
径5μmの微粒子を捕集効率95%以上で捕集すること
ができるガラス繊維から構成されるフィルターを用い
た。また、送風機28は空気量5CMM( CUBIC METER
PER MINUTES ) 以上、30CMM以下の性能のものを用
いた。更に、イオナイザー30は、0.01PPM以
上、3PPM以下のオゾンと、400×103 〜600
×103 イオン/ccのポジティブ及びネガティブのイオ
ンを放出し得るものを用いた。また、空気清浄機32に
はHEPA( HIGH EFFICIENCY PARTICULATE AIR FILTER
粒径0.3μmの微粒子を捕集効率99.97%以上
で捕集することができるガラス繊維から構成されるフィ
ルター)を用いた。更に、ヒーター34として防塵性セ
ラミックヒーターを用いて、空気を温度70℃以下に加
温した。そして、回転ドラム18に洗濯回数が0回又は
0回に近い新品のクリーンルーム用衣服を入れて、毎分
40回転させ、30分間、除塵,乾燥,滅菌処理をし
た。
【0061】処理後のクリーンルーム用衣服を、JIS
B 9923「タンブリング法」に基づき、試験装置
のタンブラーに入れて、衣服に付着している残留微粒子
の個数を測定した。使用したクリーンルーム用衣服の素
材はポリエステルであり、白色の続き服であった。測定
された微粒子濃度(粒径0.5μm以上の微粒子を測
定)は図6に示すように、10個/CFであった。
【0062】
【比較例 1】クリーンルーム用衣服の洗濯を業とする
事業者3社について、その事業者が納品したクリーンル
ーム用衣服について、1995年度の12箇月間にわた
り、毎月、洗濯回数が0回又は0回に近い新品のものを
選んで100着を抜き取り、実施例1と同様に検査を行
った。そして、合計1200着の平均値を求めて、A
社、B社、C社として、図6に示した。
【0063】
【比較例 2】クリーンルーム用衣服を超純水を用いて
洗浄した後、実施例1で用いた装置により除塵,乾燥,
滅菌処理を行う前に、そのクリーンルーム用衣服に付着
する微生物を調べた。調査方法はフードスタンプ法によ
り行った。フードスタンプ法は厚生省食品衛生調査研究
報告書(1973年)の「食品衛生検査法の簡易化に関
する開発研究」に記載された「生菌数用標準寒天」培地
を利用した生菌検査法であり、37℃で2日間培養し
た。その結果、図7(a) に示すように、大腸菌やカビ類
などの生菌が多数生存しているのが確認された。
【0064】
【比較例 3】クリーンルーム用衣服を超純水を用いて
洗浄した後、実施例1で用いた装置により除塵,乾燥,
滅菌処理を行うのにあたり、イオナイザーを作動させな
いで、除塵,乾燥処理を行った。そして、比較例2と同
様にしてフードスタンプ法により、そのクリーンルーム
用衣服に付着する微生物を調べた。その結果、図7(b)
に示すように、生菌はかなり減少したが、主としてカビ
類などの生菌が生存しているのが確認された。
【0065】
【実施例 2】クリーンルーム用衣服を超純水を用いて
洗浄した後、実施例1で用いた装置によりイオナイザー
を作動させて除塵,乾燥,滅菌処理を行った。そして、
比較例2と同様にしてフードスタンプ法により、そのク
リーンルーム用衣服に付着する微生物を調べた。その結
果、図7(c) に示すように、生菌はなかった。
【0066】
【発明の効果】本発明に係るクリーンルーム用衣服とそ
の付属品の除塵,乾燥,滅菌の方法及び装置を用いてク
リーンルーム用衣服などから除塵をした後、その衣服な
どに付着している残留微粒子を調査したところ、従来の
方法によるものと比較して著しく清浄度を向上させるこ
とができた。また、イオナイザーなどの配設により微生
物の滅菌効果が得られ、非常に衛生的なクリーンルーム
用衣服とその付属品が繰り返して提供できるようになっ
た。更に、クリーンルームに本装置を設置できることに
より、集荷,配送,梱包などの流通に伴うコストが不要
となり、また多くの工数低減ができ、しかも、再配送な
どによる再汚染の問題も解消された。
【0067】また、パーテイクルカウンターの配設によ
り磨耗程度(清浄回数)とパーテイクルカウンターの値
との相関関係が定量的に得られ、これにより所定の値の
範囲を外れたとき、前工程の洗浄が不十分なのか又は寿
命による微粒子の増加なのか原因を判定できるようにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクリーンルーム用衣服とその付属
品の除塵,乾燥,滅菌の装置を示す側面断面説明図であ
る。
【図2】図1に示す装置の要部破砕正面説明図である。
【図3】除塵時間とクリーンルーム用衣服の劣化度の相
関関係を示す図である。
【図4】クリーンルーム用衣服とその付属品の1例を示
す説明図である。
【図5】本発明に係るクリーンルーム用衣服とその付属
品の除塵,乾燥,滅菌の装置の他の実施例を示す側面断
面説明図である。
【図6】洗濯後のクリーンルーム用衣服に残留する微粒
子濃度を示すグラフである。
【図7】同図(a) は洗浄後、除塵,乾燥,滅菌を行う前
の生菌の状態を示す培養写真であり、同図(b) はイオナ
イザーを用いずに除塵,乾燥処理を行った後の生菌の状
態を示す培養写真であり、同図(c) は本発明装置により
除塵,乾燥,滅菌処理を行った後の生菌の状態を示す培
養写真である。
【符号の説明】
10;除塵・乾燥・滅菌装置 12;プレフィルター 14;ドレイン口 16;排気口 18;回転ドラム 20;駆動装置 22;シャフト穴 24;フレーム 26;扉 28;送風機 30;イオナイザー 32;空気清浄機 34;ヒーター 44;モーター 46;減速機 48;排気ファン 50;排気路 52;防塵性除湿機 54;パーテイクルカウンター 56;ダンパー 58;クリーンルーム用衣服 60,61,62,63,64,65;付属品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B08B 6/00 A61L 2/14 A61L 2/20 D06F 58/02 A41D 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クリーンルーム内で、クリーンルーム用
    衣服とその付属品を洗浄液により洗浄した後、温風又は
    乾燥風を供給しつつ該洗浄されたクリーンルーム用衣服
    とその付属品を帯電を防止しつつ撹拌して乾燥させると
    ともに除塵し且つ滅菌するクリーンルーム用衣服とその
    付属品の除塵,乾燥及び滅菌方法において、 前記乾燥,除塵及び滅菌工程から排出される空気中に含
    まれる塵埃の量を測定することにより、該測定値に基づ
    いて乾燥,除塵及び滅菌の時間を制御し、クリーンルー
    ム用衣服とその付属品の清浄度を所定の値以下にし、除
    塵,乾燥及び滅菌の時間又は回数と塵埃測定値との関係
    に基づきクリーンルーム用衣服とその付属品の寿命を判
    することを特徴とするクリーンルーム用衣服とその付
    属品の除塵,乾燥及び滅菌方法。
  2. 【請求項2】 洗浄されたクリーンルーム用衣服とその
    付属品を撹拌して除塵,乾燥及び滅菌を促進させる回転
    ドラムと、該回転ドラムを回転させるための駆動装置
    と、該クリーンルーム用衣服とその付属品を乾燥させる
    ために外部から空気を取り入れて供給する送風機と、取
    り入れられる空気を清浄にする空気清浄機と、オゾンを
    発生させるオゾン発生装置と、空気排出口又は該近傍部
    に設けられて排出空気中に含まれる塵埃の量を測定する
    塵埃測定手段とを備え 前記 塵埃測定手段で排出空気中に含まれる塵埃の量を測
    定することにより、除塵,乾燥及び滅菌の時間又は回数
    と塵埃測定値との関係によるクリーンルーム用衣服とそ
    の付属品の寿命判定することを特徴とするクリーンル
    ーム用衣服とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌装置。
  3. 【請求項3】 プラスイオン又はマイナスイオンのいず
    れか一方又は双方を発生させるイオン発生装置を備える
    ことを特徴とする請求項記載のクリーンルーム用衣服
    とその付属品の除塵,乾燥及び滅菌装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項乃至請求項のいずれかに
    記載するクリーンルーム用衣服とその付属品の除塵,乾
    燥及び滅菌装置において、温度調節が可能なヒーターを
    設けたことを特徴とするクリーンルーム用衣服とその付
    属品の除塵,乾燥及び滅菌装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項乃至請求項のいずれかに
    記載するクリーンルーム用衣服とその付属品の除塵,乾
    燥及び滅菌装置において、洗浄されたクリーンルーム用
    衣服とその付属品を除塵,乾燥及び滅菌させて排出され
    る空気を前記空気清浄機に循環させる循環手段と、該循
    環させられる空気中から除湿をする除湿手段とを備えた
    ことを特徴とするクリーンルーム用衣服とその付属品の
    除塵,乾燥及び滅菌装置。
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