JP3349185B2 - 2液型一次防錆塗料組成物用顔料分散液及びこの分散液の一次防錆塗料組成物 - Google Patents

2液型一次防錆塗料組成物用顔料分散液及びこの分散液の一次防錆塗料組成物

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JP3349185B2
JP3349185B2 JP01592193A JP1592193A JP3349185B2 JP 3349185 B2 JP3349185 B2 JP 3349185B2 JP 01592193 A JP01592193 A JP 01592193A JP 1592193 A JP1592193 A JP 1592193A JP 3349185 B2 JP3349185 B2 JP 3349185B2
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昭男 柴田
明彦 鈴木
伸 原田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、造船用鋼材などの2
液型一次防錆塗料組成物用顔料分散液及びこの分散液の
一次防錆塗料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、船舶塗装の合理化が、クローズア
ップされ、ハイソリッド化、速乾化、ライン塗装による
省力化が検討されている。その一環として塗膜性能に優
れた粉体塗料による造船用鋼材のプレコート方式が考え
られる。
【0003】ところで、従来から造船用鋼材は、船の建
造の期間中の一次防錆のためショッププライマーが塗装
されるが、一次防錆性、溶接性、上塗り塗装後の塗装系
の耐久性などに優れる無機ジンクショッププライマー
(以下「IZP」という)が広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のIZ
Pの上に粉体塗料を上塗りすると、粉体塗料の加熱硬化
時に発泡を生じたり、粉体塗膜の強靭な物性や硬化収縮
応力によってIZP層内で凝集破壊を生じるなどの不具
合があって、粉体塗料の性能を十分に発揮できない。
【0005】IZPの上の粉体塗膜の発泡は、加熱硬化
時のIZPの空隙中の空気の膨脹が主原因と考えられ
る。従って、IZPの膜厚を低下させることによって改
善することができるが、従来のIZPは薄膜に塗装する
と、カスレを生じ易く、防錆性が著しく低下して実用的
ではない。
【0006】また、IZPはあらゆるショッププライマ
ーの中で最良の溶接性を有するものではあるが、造船工
程の効率化のためには更なる溶接性の向上が求められて
いる。これ等のIZPの不具合や溶接性向上の限界は、
亜鉛末を主成分とする顔料の溶剤中への分散液(以下
「ペースト」という)中に添加された有機系添加剤が原
因と考えられる。すなわち、有機系添加剤のなかでケー
キング防止剤は、塗料液にチキソトロピックな性質を付
与するため、IZPを吹付塗装する際に、ウェット塗膜
のレベリング性を阻害し、薄膜となればなる程ウェット
被膜の連続性が損なわれることとなる。また、ケーキン
グ防止剤は、顔料粒子同士の接触を防止してケーキング
防止の目的を達成するものであり、防錆性の発揮に必要
な亜鉛末粒子の接触を少なからず阻害することとなる。
また、IZPの塗膜は、顔料粒子が結合剤であるアルキ
ルシリケートによって連続的に結合されて形成されるも
のであるが、ここでも顔料粒子の間に割り込んだ形で存
在する有機系ケーキング防止剤が、エチルシリケートに
よる顔料の結合を阻害し、塗膜強度を低下させることと
なる。また、有機系添加剤は溶接時の熱で分解してガス
を発生し、溶接を大きく阻害してきた。
【0007】また、有機系添加剤を用いない場合は、ペ
ーストの貯蔵安定性が不良である。顔料粉末を、シリケ
ート液に使用直前に分散する方法も考えられるが,分散
不良となってチップに詰まりを生じたり、混合液に短時
間で沈降して塗装作業性が十分でない。
【0008】そこで本発明の目的は、粉体塗料の上塗り
に適し、さらに従来のIZPよりも薄い膜厚で同等以上
の防食性を有し、溶接性が向上した2液型一次防錆塗料
組成物用顔料分散液及びこの分散液の一次防錆塗料組成
物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる亜鉛末を
主成分とする2液型一次防錆塗料組成物用顔料分散液の
第1の特徴は、加水分解されたアルキルシリケートの溶
液中に、亜鉛末を主成分とする顔料を分散させておき、
水の溶解度が1重量%以下の溶剤を添加して、アルキル
シリケート加水分解物を顔料表面に析出させることによ
って被覆処理したところにある。
【0010】本発明にかかる2液型一次防錆塗料組成物
用顔料分散液の第2の特徴は、前記加水分解されたアル
キルシリケートが、高度に加水分解されたアルキルシリ
ケートであるところにある。
【0011】さらに、第3の特徴は、前記加水分解され
たアルキルシリケートの溶液中に、亜鉛末を主成分とす
る顔料を連続的に撹拌して浮遊させておき、水の溶解度
が1重量%以下の溶剤を徐々に添加して形成されたとこ
ろにある。さらに、第4の特徴は、ケーキング防止剤か
らなる有機系添加剤の含有率が、0.4重量%以下であ
るところにある。
【0012】また、本発明にかかる一次防錆塗料組成物
の第1の特徴は、(A)アルキルシリケートの部分加水
分解物を主たる成分とする主剤結合剤溶液と、(B)亜
鉛末を主成分とする顔料分散液と、からなる2液型塗料
組成物において、上記分散液(B)が、加水分解された
アルキルシリケートの溶液中に、亜鉛末を主成分とする
顔料を分散させておき、水の溶解度が1重量%以下の溶
剤を添加して、アルキルシリケート加水分解物を顔料表
面に析出させることによって被覆処理した亜鉛末を主成
分とする2液型一次防錆塗料組成物用顔料分散液である
ところにある。
【0013】さらに、この一次防錆塗料組成物の第2の
特徴は、上記分散液(B)の形成の加水分解されたアル
キルシリケートが、高度に加水分解されたアルキルシリ
ケートであるところにある。
【0014】さらに、この一次防錆塗料組成物の第3の
特徴は、上記分散液(B)が、加水分解されたアルキル
シリケートの溶液中に、亜鉛末を主成分とする顔料を連
続的に撹拌して浮遊させておき、水の溶解度が1重量%
以下の溶剤を徐々に添加して形成されたものであるとこ
ろにある。
【0015】さらに、第4の特徴は、上記分散液(B)
が、ケーキング防止剤からなる有機系添加剤の含有率
が、0.4重量%以下であるところにある。
【0016】ところで、本願発明者は、有機系添加物を
用いずに貯蔵安定性の良好なペーストを製造する方法を
検討した結果、高度に加水分解されたアルキルシリケー
トを顔料粒子表面に析出・固着させてコーティング被膜
を形成すると、顔料粒子にケーキングが見られないこと
を見出し本発明を完成した。
【0017】本発明によるペーストについて具体的に説
明する。
【0018】アルキルシリケートのアルコール溶液に、
酸触媒と水とを加えて高度に加水分解すると、アルコー
ルや親水性溶剤には溶解するが、疎水性溶剤に溶解し難
いポリヒドロキシシロキサンの溶液が得られる。この液
に、疎水性溶剤を加えるとカサ高いポリヒドロキシシロ
キサンが析出する。この現象を応用して、ポリヒドロキ
シシロキサンによる顔料の被覆処理を行なうことができ
る。すなわち、ポリヒドロキシシロキサンの溶液に、顔
料を強力に撹拌して分散した状態で疎水性溶剤を徐々に
加えて行くと、析出したポリヒドロキシシロキサンは、
顔料粒子の表面に付着してコーティング被膜を形成す
る。このようにしてコーティング処理された顔料ペース
トは、静置しておくと顔料が沈降して上澄みと分離する
が、比重が7.1もある亜鉛末でも沈降層が非常にカサ
高く、長時間放置していてもケーキングの徴候を示さ
ず、撹拌すると容易に再分散でき、極めて低粘度でチキ
ソトロピックな性質を示さない。
【0019】本発明に用いる疎水性溶剤としては、水の
溶解度が1重量%以下のものが好ましく、トルエン、キ
シレン等の芳香族系溶剤、n−ヘキサン、燈油、タ−ペ
ン等の脂肪族系溶剤などが最も好ましい。水の溶解度が
1重量%よりも多いものを使用すると、ポリヒドロキシ
シロキサンの析出が不十分となって、経時とともに顔料
の2次凝集を生じて好ましくない。
【0020】コーティングに用いるポリヒドロキシシロ
キサンは、アルキルシリケートのアルコール溶液に、酸
と水とを加えて加温することによって、容易に調整する
ことができる。加える水の量は、アルキルシリケートの
有するアルコキシ基の75%以上を分解するに要する量
が必要で、90%以上がより好ましい。逆に、75%未
満では、僅かに溶剤中に溶解したポリヒドロキシシロキ
サンが経時とともに架橋して、顔料の2次凝集を生じて
好ましくない。
【0021】本発明による顔料の分散方法がディスパー
による撹拌であるため、高度の分散を必要とする着色顔
料などは、少量のケーキング防止剤とともに別途SGミ
ルなどで分散して、本発明によるコーティングされた顔
料液へ加えることが好ましい。有機系添加剤のなかで使
用するケーキング防止剤は、着色顔料の分散を助け、2
次凝集を防止するに必要な最少限で用いることが必要
で、ペースト中の全顔料に対して、0.4重量%以下で
使用されなければならない。
【0022】本発明に用いるアルキルシリケートは、ペ
ースト中の顔料の被覆処理と結合剤の両方に用いられる
が、アルキル基の炭素数が1〜4のものが好適で、中で
もエチルシリケートが最も好適である。
【0023】本発明の一次防錆塗料組成物に用いる他の
原材料としては、従来のIZPに用いられている原材料
を用いることができる。たとえば、ケーキング防止剤と
しては酸化ポリエチレン系、アマイド系、ポリエーテル
系、有機ベントナイト系、アルステ系、オルベンゲル系
などの有機系ケーキング防止剤や、アエロジル系、アス
ベスト系などの無機系ケーキング防止剤を、溶剤として
はアルコール系、芳香族系、エステル系、ケトン系、エ
チレングリコール系、脂肪族系などから選ばれた溶剤
を、顔料としては着色顔料、導電性顔料、体質顔料、溶
接性向上用顔料、その他の機能性顔料を適宜選定して用
いることができる。
【0024】本発明によるIZPは、粉体塗装に適する
ものであるが、その強い塗膜強度によって従来のIZP
上に塗装できなかった厚膜で高強度の塗膜、例えばガラ
スフレーク入り塗料や無溶剤型エポキシ塗料などの塗装
も可能である。
【0025】
【実施例】以下実施例によって本発明をより具体的に説
明する。
【0026】(主剤調整) エチルシリケート40(日本コルコート製)350g、
エタノール200g、水40g、35%塩酸0.5gを
容器に仕込み、撹拌しながら50〜55℃に5時間保っ
た後、IPAを409.5g加えて主剤を調整した。本
主剤を比較例−1,2、実施例−1,2に共通に用い
た。
【0027】(塗料の調整) 比較例−1 シリカ末50g、亜鉛華30g、ルチルフラワー80
g、有機ベントナイト10g、酸化ポリエチレンペース
ト(20%)10g、キシロール120g、イソブチル
アルコール120g、イソプロピルアルコール100g
を容器に仕込み、ガラスビースを加えてペイントシェー
カーで1時間振とうして分散した後、亜鉛末500gを
加えてさらに5分間振とうしてペーストを調整した。こ
のペーストと主剤とを65:35に混合して比較例−1
の塗料を調整した。
【0028】比較例−2 亜鉛末、主剤、イソブチルアルコールを塗布直前に50
0:350:150に混合して比較例−2の塗料を調整
した。混合直後よりただちに亜鉛末の沈澱が始まり、3
0分の放置で著しいケーキングが見られた。
【0029】実施例−1 エチルシリケート250g、水70g、イソプロピルア
ルコール250g、35%塩酸0.1gを容器に仕込
み、撹拌しながら50〜55℃で3時間保った後、さら
に50℃のオーブン内で14時間エイジングし、イソプ
ロピルアルコール430gを加えて被覆処理液を調整し
た。この被覆処理液を実施例−1,2に共通して用い
た。
【0030】被覆処理液20g、イソブチルアルコール
20g、トルオール40gを容器に仕込み、強く撹拌し
ながら亜鉛末500gを分散し、続いてトルオールとキ
シロールの1:1の混合物80gを30分かけて滴下し
た。さらに0.1%のエチルアミンキシロール溶液2g
を加えて塩酸を中和した。攪拌をさらに1時間継続して
亜鉛末の被覆処理液を調整した。
【0031】シリカ末50g、亜鉛華30g、ルチルフ
ラワー80g、酸化ポリエチレンペースト(20%)1
0g、トルオール50g、キシロール118gとガラス
ビーズを容器に仕込み、ペイントシェーカーで振とうし
て得た顔料スラリーに、先に被覆処理した亜鉛末分散液
680gを加えてペーストを調整した。このペーストと
主剤とを65:35に混合して実施例−1の塗料を得
た。1時間放置して顔料を沈澱させても軽く撹拌すれば
良好な分散ができた。
【0032】実施例−2 実施例−1で調整した被覆処理液20g、イソブチルア
ルコール20g、トルオール40gを容器に仕込み、強
く撹拌しながら亜鉛末400gと亜鉛華30gとを分散
し、トルオールとキシロールとの1:1の混合物88g
を30分かけて滴下した。さらに0.1%のエチルアミ
ンキシロール溶液2gを加えて塩酸を中和した。撹拌を
さらに1時間継続して実施例−2のペーストを得た。1
時間放置して顔料を沈澱させても軽く攪拌すれば良好な
分散ができた。
【0033】比較例−3 実施例−1で調整した被覆処理液20g、イソブチルア
ルコール20g(イソブチルアルコールの水の溶解度:
15%(20℃))、トルオール40gを容器に仕込
み、強く撹拌しながら亜鉛末500gを分散し、続いて
イソブチルアルコール80gを30分かけて滴下した。
さらに、0.1%のエチルアミンイソブチルアルコール
溶液2gを加えて塩酸を中和した。撹拌をさらに1時間
継続し、亜鉛末の被覆処理液を調整した。この液を室内
で7日間放置後の状態を調べたところ、亜鉛末は沈殿
し、スプーンで撹拌しても分散できなかった。さらに、
1ヶ月放置後に状態を調べたところ、全体がゲル化して
いた。この被覆処理亜鉛末を用いて塗料調製をすること
はできなかった。
【0034】比較例−4 実施例−1で調整した被覆処理液20g、イソブチルア
ルコール20g、トルオール40gを容器に仕込み、強
く撹拌しながら亜鉛末500gを分散し、60℃に加温
して30分撹拌を継続し、0.1%のエチルアミンイソ
ブチルアルコール溶液2gを加えて撹拌を止めた。亜鉛
末の状態を調べたところ、亜鉛末が凝集してざらざらし
たスラリー状であった。これにトルエン、キシレン1:
1の混合物80gを加えて再分散を試みたが、ざらざら
した状態は改善できず、塗料の顔料状態としては不適当
と判断した。この被膜処理亜鉛末を用いて塗料調製をす
ることはできなかった。
【0035】比較例−5 エチルシリケートの25%イソプロピルアルコール20
g、イソブチルアルコール20g、トルオール40gを
容器に仕込み、強く撹拌しながら亜鉛末500gを分散
し、トルエン、キシレン1:1の混合物80gを30分
かけて滴下し、 さらに1時間撹拌して亜鉛末の被膜を試
みた。
【0036】この亜鉛末分散液を、室内で一晩放置して
状態を調べたところ、透明な溶剤の上澄層と亜鉛末層に
分離し、亜鉛末は固くケーキングして分散困難であっ
た。上澄をガラス版に塗り広げて溶剤を蒸発させたとこ
ろ、やや粘着性のある薄いエチルシリケート層の存在を
認め、エチルシリケートが亜鉛末表面に十分に析出して
皮膜を形成していないことを確認した。この被膜処理亜
鉛末を用いて塗料調製をすることはできなかった。
【0037】評価 ペーストの安定性; 比較例−1、実施例−1,2のペーストを密閉容器に入
れ、50℃で1ヵ月保った後、ケーキングの状態を調べ
た。次のとおり評価した。 ○ : 容易に均質化できる。 △ : 沈澱がやや硬く、均質化に時間がかかる。 × : 沈澱が硬く、均質化が困難。 塗装性; 比較例−1,2、実施例−1,2の塗料を70×150
×0.8mmtのミガキ軟鋼板に乾燥膜厚が6μ,10
μ,15μとなるようにエアスプレ−にて塗付し、塗膜
の状態を調べた。次のとおり評価した。 ○ : 塗膜が均質でスケがない。 △ : スケはないが、表面がザラザラしている。 × : ザラザラしてスケが多い。 防錆性; 70×150×3.2mmtのショットブラスト板に比
較例−1,2、実施例−1,2の塗料を乾燥膜厚が6
μ,10μ,15μとなるようにエアスプレーにて塗付
し、室内で7日間乾燥して試験片とした。
【0038】これ等の試験片を海浜地区の屋外に南面4
5°に固定された台に設置して3ヵ月間バクロし、発錆
の状況を調べた。次のとおり評価した。 ○ : 全く発錆の徴候なし。 △ : 点さび。 × : 著しい発錆。 粉体塗料の上塗り適性; 防食性の評価で用いた試験片と同様にして調整した試験
片に、硬化膜厚が100ミクロンとなるようにエポキシ
系粉体塗料を静電塗装し、200℃に調整した熱風炉中
で10分間硬化させて、粉体塗膜の発泡の状況と付着力
を調べた。
【0039】発泡については肉眼判定で、次のとおり評
価した。 ○ : 表面が平滑で発泡がみられない。 △ : 小さい泡の先端が表面にみられるがピンホール
はない。 × : 大きい泡の先端が表面にみられ、一部ははじけ
てクレーター状の凹凸となっている。 付着力については、ドーリーをエポキシ接着剤で取り付
け、垂直に引張って破断に要した力(Kgf/平方c
m)と剥離の状況を記録した。 溶接性; サイズ100×500×12mmtのサンドブラスト処
理した鋼材に、防錆性の評価で用いた試験片と同様の方
法で塗装した。
【0040】そして、図1に示すように、立板1と水平
板2とを組み合わせて水平隅肉溶接3を実施した。この
立板とこの水平板の上面を塗装し塗膜4を形成し、立板
の端面の塗装は行なわなかった。実験の精度を高めるた
め、端面は機械加工によって平滑にし、水平板と立板の
仮付溶接の際、クサビを打込んで固定して、隙間がない
ように配慮した。その他の溶接条件を表1に示す。
【0041】
【表1】 溶接第2ビート(後行ビート)について、ピットの発生
数と破断面のブローホールの発生率を調べて記録した。
以上の評価結果をまとめて表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】1.本発明による方法で調整されたペー
ストは、有機系ケーキング防止剤を用いずとも安定性が
良好である。 2.アルキルシリケート液と本発明によるペーストとを
混合したものを吹付塗装すると、スプレーミストの微粒
化とウェット塗膜の流動性、つまりレベリング性が良好
で、薄膜塗装性が向上した。 3.塗膜中の顔料粒子は、結合剤であるアルキルシリケ
ートによって強固に結合され、粉体塗料の強靭な塗膜強
度や硬化収縮応力に対抗できる塗膜強度が確保でき、凝
集破壊が防止できる。 4.塗膜中の顔料粒子、特に亜鉛末が密に接触すること
ができるため、防錆性が著しく向上する。 5.薄膜塗装が実用化できたことにより、塗膜空隙の空
気の膨脹による粉体塗膜の焼付け時の発泡が防止でき
る。 6.薄膜塗装であること、および塗膜中に加熱により分
解する有機物がほとんどないため、溶接欠陥が大幅に減
少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この実施例の溶接性を調べるための立板と水平
板の接合の様子を示す断面図である。
フロントページの続き (72)発明者 原田 伸 広島県広島市中区吉島東1丁目15番2号 中国塗料株式会社船舶塗料本部技術部 内 (72)発明者 田辺 真一 広島県広島市中区吉島東1丁目15番2号 中国塗料株式会社船舶塗料本部技術部 内 (56)参考文献 特開 昭63−17976(JP,A) 特開 昭60−51756(JP,A) 特開 昭54−112936(JP,A) 特開 昭61−204282(JP,A) 特開 昭50−145340(JP,A) 特開 昭60−112870(JP,A) 特開 平4−46932(JP,A) 特開 昭60−168772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 183/02 B05D 7/14 C09C 3/06 C09C 3/12 C09D 5/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解されたアルキルシリケートの溶
    液中に、亜鉛末を主成分とする顔料を分散させておき、
    水の溶解度が1重量%以下の溶剤を添加して、アルキル
    シリケート加水分解物を顔料表面に析出させることによ
    って被覆処理したことを特徴とする亜鉛末を主成分とす
    る2液型一次防錆塗料組成物用顔料分散液。
  2. 【請求項2】 加水分解されたアルキルシリケートが、
    高度に加水分解されたアルキルシリケートであることを
    特徴とする請求項1に記載された2液型一次防錆塗料組
    成物用顔料分散液。
  3. 【請求項3】 加水分解されたアルキルシリケートの溶
    液中に、亜鉛末を主成分とする顔料を連続的に撹拌して
    浮遊させておき、水の溶解度が1重量%以下の溶剤を徐
    々に添加して形成されたことを特徴とする請求項1また
    は2に記載された2液型一次防錆塗料組成物用顔料分散
    液。
  4. 【請求項4】 ケーキング防止剤からなる有機系添加剤
    の含有率が、0.4重量%以下であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1に記載の2液型一次防錆塗料
    組成物用顔料分散液。
  5. 【請求項5】 (A)アルキルシリケートの部分加水分
    解物を主たる成分とする主剤結合剤溶液と、 (B)亜鉛末を主成分とする顔料分散液と、 からなる2液型塗料組成物において、 上記分散液(B)が、加水分解されたアルキルシリケー
    トの溶液中に、亜鉛末を主成分とする顔料を分散させて
    おき、水の溶解度が1重量%以下の溶剤を添加して、ア
    ルキルシリケート加水分解物を顔料表面に析出させるこ
    とによって被覆処理した亜鉛末を主成分とする2液型一
    次防錆塗料組成物用顔料分散液であることを特徴とする
    一次防錆塗料組成物。
  6. 【請求項6】 上記分散液(B)の形成の加水分解され
    たアルキルシリケートが、高度に加水分解されたアルキ
    ルシリケートであることを特徴とする請求項5に記載さ
    れた一次防錆塗料組成物。
  7. 【請求項7】 上記分散液(B)が、加水分解されたア
    ルキルシリケートの溶液中に、亜鉛末を主成分とする顔
    料を連続的に撹拌して浮遊させておき、水の溶解度が1
    重量%以下の溶剤を徐々に添加して形成されたものであ
    ることを特徴とする請求項5または6に記載された一次
    防錆塗料組成物。
  8. 【請求項8】 上記分散液(B)が、ケーキング防止剤
    からなる有機系添加剤の含有率が、0.4重量%以下で
    あることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1に記載
    された一次防錆塗料組成物。
JP01592193A 1993-01-05 1993-01-05 2液型一次防錆塗料組成物用顔料分散液及びこの分散液の一次防錆塗料組成物 Expired - Lifetime JP3349185B2 (ja)

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