JP3348510B2 - 糸条巻取装置 - Google Patents
糸条巻取装置Info
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Description
詳しくは糸条をボビンに巻き取るに際し、その糸端部を
ボビンに糸掛けするための糸把持手段を改良した糸条巻
取装置に関する。
糸条の生産者側とその消費者側との流通経費を削減する
目的から、材質に紙を使用したものが主流を占めている
が、なかにはプラスチック製または金属製などの繰り返
し使用可能な材質からなるものも使用されている。
としては、ボビン端部に段部を設け、この段部に糸条切
断把持のための溝をつけた補助筒を嵌合して糸掛けを行
う方法が、実公平3−2454号公報により知られてい
る。
着脱自在な糸条切断把持装置を装着する方法が、実公平
4−5508号公報により知られている。
ることで形成された溝部を、糸条切断把持部とするもの
が、実公平2−3477号公報により知らている。
−24544号公報記載のボビンでは、補助筒の溝によ
る糸条の把持力が弱いため、特に産業用合成繊維のよう
に、比較的繊度の大きいマルチフィラメントの場合に
は、糸掛け性が劣り、またこのボビンを繰り返し使用す
る時に、前記糸切断把持のための溝に把持された前回の
把持糸条の切れ端を、溝から完全に除去することが難し
く、その後の糸掛け成功率が非常に悪化するという問題
があった。
載のボビンも、糸条切断把持装置の糸把持部に把持され
た前回の把持糸条の切れ端を、装置を分解して除去する
ことなしに次の糸掛けを行う場合に、糸掛け成功率が非
常に低下するという問題があった。しかも、この糸条切
断把持装置は、製作精度を満足させる目的から金属材料
を使用するため、装置重量が重いものとなり作業性が悪
化するばかりか、スピンドル取り付け回転時に振動発生
を生じ、巻き糸の崩れを引き起こすという問題があっ
た。
載のボビンは、紙製ボビンを加工して形成するため、コ
ストが増加するばかりかボビンの再使用を繰り返すうち
に、ボビン端部に傷や変形が起こり、糸掛け成功率が著
しく悪化するという問題があった。
点の解決を課題として検討した結果、達成されたもので
ある。
を解決し、簡単な構造で残糸の除去を容易に行うことが
でき高い糸掛け成功率を維持できると共に、軽量で安価
な糸切断把持機構を備えた糸条巻取装置を提供すること
にある。
るために本発明の糸条巻取装置は、糸条を巻き取るため
の円筒状のボビンと、このボビンを装着しこれを回転自
在に支持するスピンドルとからなる糸条巻取装置におい
て、前記ボビンと、回転軸方向の端部に挿入された円筒
状の糸掛けリングとの接触部に形成された溝部によっ
て、糸条の切断および切断された糸条端部を把持するた
めの糸条切断把持部と、スピンドルに挿入された弾性リ
ングを押圧、変形することによって、ボビンと糸掛けリ
ングとを半径方向に固定、支持するとともに、前記糸条
切断把持部に、押圧を発生せしめる支持機構を構成した
ことを特徴とする。
を参照しながら具体的に説明する。
施態様例を模式的に示した断面図、図2は図1に示した
糸掛けリングの断面図、図3は糸掛けリングの他の実施
態様例を示す斜視図、図4および5は同じく断面図、図
6は図4の糸掛けリングに図3の構造を組み合わせた実
施態様例を示すX−X矢視図である。
糸条を巻き取るための円筒状のボビン2と、このボビン
2を装着しこれを回転自在に支持するスピンドル1と、
前記ボビン2の回転軸方向の端部に同軸関係を保ちなが
ら挿入された円筒状の糸掛けリング8とから概略形成さ
れており、前記ボビン2と前記糸掛けリング8との接触
部に形成された溝部(糸掛け溝9および糸把持部10)
によって、糸条の切断および切断された糸条端部を把持
するための糸条切断把持部が構成されていることを特徴
とする。
らなっている。すなわち、糸条を巻取るボビン2は、こ
れを装着し回転自在に支持するスピンドル1に装着され
たスプリング4が、同じくスピンドル1の軸方向に摺動
可能に取り付けられた押さえフランジ3を矢印A方向に
押圧することによって、スピンドル1に装着されるよう
に構成されている。
機構に相当するゴムなどの弾性体を材料とする弾性リン
グ5とスリーブ7を介して、もう1個の弾性リング6を
押圧することになる。押圧され変形して矢印B方向には
み出した弾性リング5、6は、ボビン2と糸掛けリング
8を支持し、一応位置が固定されるが、押さえフランジ
3がさらに矢印A方向に押圧されて移動するので、ボビ
ン2と糸掛けリング8間に押圧を加えることになる。
8の端部の接触面で形成された糸把持部10は、糸条の
切断の切断把持に十分な押圧を持つことになるのであ
る。
を巻き取る場合には、スピンドル1を回転させ、ボビン
2の表面速度が所定の速度となったところで、ボビン2
の回転と逆方向に走行する巻取り糸条を糸掛け溝9に案
内する。このとき、糸条は糸掛け溝9内部に入り、糸把
持部10で把持されると共に切断され、次いでボビン2
に巻取られていく。
ドル1の回転を停止した後、スプリング4の押しつけを
解除し、スピンドル1から抜き取られる。このとき、糸
掛けリング8との糸把持部10に把持されていた糸条端
部は自動的に遊離されるため、ボビン2の抜き取り毎
に、糸掛け溝9内部の糸条端部の除去を行えることにな
る。
ンに糸条を巻取る場合にも、ボビン2と糸掛けリング8
を交互に装着することで、容易に糸掛け溝9を形成し、
糸掛けできることはいうまでもない。
鉄、アルミ、銅などの金属材料の他、硬質ゴム、プラス
チック、紙、セラミック、あるいはこれらの複合材など
任意のものを選ぶことができる。そして、材料の軽量
性、強度、加工性の点では、例えば繊維強化プラスチッ
クを使用するのが好ましい。
把持部への案内を確実にするために、図1および図2に
示したように、面取り11により糸掛け溝9を形成した
ものであることが好ましい。この面取り11の幅は、糸
条の繊度により異なるが、本発明では0.5mm以上の
面取り幅で良好な結果を得られる。
良く、この場合にはR0.5mm以上で良好な結果を得
られる。ようするに糸条を連続的に糸掛け溝9へ案内す
る形状であればどのようなものでも良い。
めに、糸掛リング8の一端面を平面的に切り取ることに
より、傾斜部12を形成した例を示し、この傾斜部12
には、糸掛けリング8の端面に1個所あるいは複数個所
設けてもよい。
の内周端部を削り取ることにより、糸把持部10の幅を
狭くすることで、単位面積当たりの糸条把持力を大きく
した例を示す。
糸掛けリング8の端面に適用したときのX−X矢視図で
ある。ここで、平面で切り取られた傾斜部12を、リン
グ内側部13に達する大きさにすることで、糸掛け溝9
に案内された糸条Yは、一旦糸掛けリング内側部13を
通過し、確実に糸把持部10を横切るため、糸把持力が
一層向上し、糸切替成功率をさらにすぐれたものにする
ことができる。
0デニールのポリエステル糸条Yを、巻取速度2500
m/分から6000m/分で、内径73mm、外径89
mm、長さ335mmの紙製ボビンに巻取る糸条巻取装
置において、比較例として、実公平4−5508の糸条
切断把持装置を使用して、糸掛けした時には、6カ月間
の糸掛け失敗率は1.11%という結果であった。
製糸掛けリングを使用して、糸掛けを行った結果、6カ
月間の総糸掛け数に対する糸掛け失敗率は、0.38%
に抑えられた。しかもスピンドルの振動も小さくでき、
良好な巻き姿のボビンが得られた。
構成、すなわち、ボビンと糸掛けリングの端面で糸掛け
溝を形成し、この糸掛け溝に押圧力をかけることで糸条
切断把持部を形成した糸条巻取装置としたので、糸条切
断把持力が上がり、さらに高強度糸の糸掛けもできる。
また糸条を巻取ったボビンの交換毎に、溝部から切断し
た糸条端部の除去を自動的に行うことができ、大幅な作
業の効率化が図れると共に、高い糸掛け成功率を維持す
ることができる。
加するだけで、糸条の切断把持を行うことができるの
で、ボビンに特別な加工をする必要がなく、きわめて経
済的であり、端部の変形などに留意する必要もない。
的に使用できる上、糸掛けリングに軽い材質を適用する
ことで、スピンドルを高速回転しても振動による巻糸の
崩れがなく、より一層の高速回転での生産を実現できる
のである。
施態様例の断面図である。
る。
視図である。
示す断面図である。
示す断面図である。
合わせた実施態様例を示すX−X矢視図である。
Claims (7)
- 【請求項1】糸条を巻き取るための円筒状のボビンと、
このボビンを装着しこれを回転自在に支持するスピンド
ルとからなる糸条巻取装置において、前記ボビンと、回
転軸方向の端部に挿入された円筒状の糸掛けリングとの
接触部に形成された溝部によって、糸条の切断および切
断された糸条端部を把持するための糸条切断把持部と、
スピンドルに挿入された弾性リングを押圧、変形するこ
とによって、ボビンと糸掛けリングとを半径方向に固
定、支持するとともに、前記糸条切断把持部に、押圧を
発生せしめる支持機構を構成したことを特徴とする糸条
巻取装置。 - 【請求項2】糸掛けリング外周に、全周にわたる面取り
加工を施したことを特徴とする請求項1記載の糸条巻取
装置。 - 【請求項3】糸掛けリング外周の全周にわたり施した面
取り加工が、幅0.5mm以上であることを特徴とする
請求項2記載の糸条巻取装置。 - 【請求項4】糸掛けリング外周に、全周にわたるR加工
を施したことを特徴とする請求項1記載の糸条巻取装
置。 - 【請求項5】糸掛けリング外周の全周にわたり施したR
加工が、R0.5mm以上であることを特徴とする請求
項4記載の糸条巻取装置。 - 【請求項6】糸掛けリング外周端部に、平面的に切り取
った傾斜部を1個所以上設けたことを特徴とする請求項
1、2、3、4または5に記載の糸条巻取装置。 - 【請求項7】ボビンと糸掛けリングの接触部に形成され
た溝部の接触幅を狭くするように、前記糸掛けリング内
周端部を切削したことを特徴とする請求項1、2、3、
4、5または6に記載の糸条巻取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06123994A JP3348510B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 糸条巻取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06123994A JP3348510B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 糸条巻取装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07267510A JPH07267510A (ja) | 1995-10-17 |
JP3348510B2 true JP3348510B2 (ja) | 2002-11-20 |
Family
ID=13165487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06123994A Expired - Lifetime JP3348510B2 (ja) | 1994-03-30 | 1994-03-30 | 糸条巻取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3348510B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-30 JP JP06123994A patent/JP3348510B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07267510A (ja) | 1995-10-17 |
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