JP3341973B2 - 酸化物固溶体粒子及びその製造方法 - Google Patents

酸化物固溶体粒子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化物固溶体粒子及
びその製造方法に関する。本発明の酸化物固溶体として
は、例えばセリウム酸化物(以下セリアという)とジル
コニウム酸化物(以下ジルコニアという)の固溶体が例
示され、この場合はセリアによる酸素の吸蔵・排出能
(酸素ストアレージ能)が一層向上するので、排ガス浄
化用触媒の助触媒として有用である。また本発明の酸化
物固溶体は、これ以外にもディーゼルパティキュレート
酸化触媒、固体電解質、電極材料、セラミックス分散強
化粒子、紫外線遮蔽用材料などに用いることができる。
【0002】
【従来の技術】セリアは酸素ストアレージ能(酸素吸蔵
放出能)を有するため、内燃機関からの排ガスを浄化す
る排ガス浄化用触媒の助触媒として広く用いられてい
る。また、酸素ストアレージ能を高めるためには比表面
積を大きくすることが望ましいため、セリアは粉末状態
として用いられている。
【0003】しかしながら、排ガス浄化用触媒は高温で
使用され、かつ高温における浄化活性が高いことが必要
である。そのためセリアには、粉末として高比表面積を
もつようにして用いた場合においても、高温での使用時
に比表面積の低下が生じないこと、つまり耐熱性に優れ
ていることが要求されている。そこで従来より、セリア
にジルコニアやセリウムを除く希土類元素の酸化物を固
溶させることが提案されている。
【0004】例えば特開平4−55315号公報には、
セリウムの水溶性塩とジルコニウムの水溶性塩の混合水
溶液からセリアとジルコニアとを共沈させ、それを熱処
理する酸化セリウム微粉体の製造方法が開示されてい
る。この製造方法によれば、共沈物を熱処理することに
よりセリウムとジルコニウムは酸化物となり、互いに固
溶した酸化物固溶体が生成する。
【0005】また特開平4−284847号公報には、
含浸法又は共沈法により、ジルコニア又は希土類元素の
酸化物とセリアとが固溶した粉末を製造することが示さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが本発明者らの
研究によれば、上記公報に開示された方法で製造された
酸化物固溶体では、耐熱性には優れているものの酸素ス
トアレージ能が十分でないことが明らかとなった。つま
りセリウムとジルコニウムとでは析出する水溶液のpH
が異なるため、混合水溶液から共沈させる方法では共沈
物の組成が不均一となり、共沈物の段階ではほとんど固
溶は生じていない。また含浸法では、セリア粉末にジル
コニウム塩を含む水溶液を含浸させる方法と、ジルコニ
ア粉末にセリウム塩水溶液を含浸させる方法とがある
が、いずれの場合にも酸化物粉末の一次粒子が大きいた
め、粒子全体における組成が不均一となり、固溶が促進
されにくい。
【0007】そのため両法とも熱処理により固溶を起こ
させており、共沈法では500〜900℃、含浸法では
700〜1200℃の温度で熱処理しているが、固溶は
十分ではない。また両法とも粉末を熱処理することによ
り粒子間にネックが形成され、このネックにより固溶が
促進されるが、それに伴い粒成長や焼結が促進されるた
め粉末の比表面積が低下し、結晶子の粒子径も増大す
る。また、いったん大きく粒成長した固溶体粒子は、容
易に粉砕することは困難である。
【0008】例えば特開平4−55315号公報に開示
された製造方法で得られる固溶体の固溶度は、高々40
%程度である。また特開平4−284847号公報の方
法では、20%以下の固溶度しか得られない。このよう
に固溶度が低い従来のセリア−ジルコニア系の酸化物固
溶体においては、セリアによる酸素ストアレージ容量
(以下OSCという)は高々100〜150μmolO
2 /g程度と小さく、また500℃以上の高温でないと
酸素の吸蔵・放出能が十分発現せず、酸素ストアレージ
能が低いという問題がある。
【0009】なお、1600℃程度で十分熱処理すれ
ば、セリアとジルコニアの固溶体の固溶度はほぼ100
%となることが知られている。しかしこの場合は、OS
Cは高いものの結晶子の平均粒径が1000nm以上に
もなり、比表面積が小さくなるため過渡的な酸素吸蔵・
放出速度が小さな比表面積に律速されてしまい、助触媒
としての実用性がない。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、固溶度を高くすることで酸素ストアレージ
能など固溶体としての性能を高めるとともに、結晶子の
平均径が小さく大きな比表面積を有する酸化物固溶体粒
子と、その固溶体粒子を容易にかつ確実に製造できる製
造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の本発明の酸化物固溶体粒子の特徴は、セリウ
ム酸化物にジルコニウム酸化物が固溶した酸化物固溶体
を含む粒子であって、粒子中のセリウムとジルコニウム
の比率はモル比で0.25≦Zr/(Ce+Zr)≦
0.75の範囲にあり、粒子中のセリウム酸化物に対す
るジルコニウム酸化物の固溶度が70%以上であって、
粒子中の結晶子の平均径が100nm以下であり、かつ
粒子の比表面積が20m 2 /g以上であることにある。
【0012】この酸化物固溶体粒子は、請求項2にいう
ように粒子が集合して粉末を形成したもの(粉末)とし
て利用することが望ましい。この酸化物固溶体粒子は、
固溶度が90%以上であることが望ましい。
【0013】また本発明の酸化物固溶体粒子は、アルカ
リ土類元素の酸化物又はセリウム以外の希土類元素の酸
化物の一つ以上が請求項に記載のセリアとジルコニア
とが互いに固溶した酸化物固溶体にさらに固溶した酸化
物固溶体を含む粒子であって、粒子中のセリアとジルコ
ニアに対してアルカリ土類元素の酸化物又はセリウム以
外の希土類元素の酸化物の少なくとも一つ(M)がモル
比で0<M/(Ce+Zr+M)≦0.15の範囲にあ
ること、及び結晶子の平均径が10nm以下であること
が望ましい。
【0014】なお、請求項1における酸化物固溶体粒子
の結晶子の平均径は12nm以下であることがより望ま
しく、比表面積は352 /g以上、さらには50m2
/g以上であることがより望ましい。また上記酸化物固
溶体粒子を製造する請求項記載の本発明の製造方法の
特徴は、4価のセリウム化合物とジルコニウム化合物が
溶解した水溶液に界面活性剤とアルカリ性物質を添加す
ることにより沈殿物を得る第1工程と、沈殿物を加熱し
て、セリウム酸化物にジルコニウム酸化物が固溶した酸
化物固溶体を含む粒子であって、粒子中のセリウム酸化
物に対するジルコニウム酸化物の固溶度が50%以上で
あり、かつ粒子中の結晶子の平均径が100nm以下で
ある酸化物固溶体粒子を得る第2工程と、よりなること
にある。
【0015】なお、3価のセリウムを出発原料とする場
合には、請求項8に記載されたように、第1工程におい
て3価のセリウム塩とジルコニウム塩とが溶解した水溶
液に過酸化水素と、界面活性剤及びアルカリ性物質を添
加することにより沈殿物を得るようにし、第2工程は上
記の製造方法と同様に行う。
【0016】また上記した本発明の製造方法において、
請求項9に記載されたように、界面活性剤は臨界ミセル
濃度が0.1mol/リットル以下のものとすることが
望ましい。また、界面活性剤が形成するミセルの形状
は、球状など内部に狭い空間ができるものが望ましい。
さらに請求項11記載のように、水溶液を103 sec
-1以上の高せん断速度で高速撹拌しながらアルカリ性物
質を添加することが望ましい。
【0017】
【0018】なお、請求項7〜11において製造される
酸化物固溶体粒子の結晶子の平均径は、12nm以下で
あることがより望ましく、比表面積は352 /g以
上、さらには50m2 /g以上であることがより望まし
い。
【0019】
【発明の実施の形態】固溶度とは次式によって定義され
る値をいう。 固溶度(%)=100×(酸化物Aの総量に固溶した酸
化物Bの量)/酸化物Bの総量 ここで酸化物Aの総量に固溶した酸化物Bは、酸化物A
の総量に対して均一に固溶していると仮定する。
【0020】例えばセリアとジルコニアの固溶体の場合
は、セリアが酸化物Aに相当し、ジルコニアが酸化物B
に相当し、固溶度(%)は 100 ×(セリアの総量に固溶したジルコニアの量)/ジルコニアの総量 …(1) で表される。ここで、セリア・ジルコニア固溶体(固溶
度100%)のジルコニア濃度x(mol%)と格子定
数a(オングストローム)の間には式(2)の関係があ
る。
【0021】 x=(5.423−a)/0.003 …(2) これは次のように導出された。各セリア、ジルコニアの
配合比において界面活性剤の量を増加させながら後述の
実施例1と同様の調製を行い格子定数を測定すると、そ
の格子定数の値はある一定の値に漸近する。セリア/ジ
ルコニア=5/5の組成の例を図3に示す。これを各組
成で行い、界面活性剤の多い領域で得られる格子定数
を、ジルコニア濃度に対してプロットすると図9とな
る。この値を最小二乗法によって整理したものが式
(2)である。
【0022】図9中でジルコニア濃度0%及び100%
の時のプロットは、JCPDSカードに示されている値
である。図9の各プロットはベガード(Vegard) の法則
に従っており、式(2)は固溶度100%の際のジルコ
ニア濃度と格子定数の関係を示していることが判断でき
る。式(1)と式(2)を基に、セリア・ジルコニア固
溶体の固溶度S(%)は式(3)によって示される。
【0023】 S=100×(x/C)×〔(100−C)/(100−x)〕 …(3) ここでxは式(2)によって求められる。試料中のジル
コニア含有率Cは、セリウムとジルコニウムの配合比か
ら求められる。請求項1及び請求項4に記載の本発明の
酸化物固溶体粒子では、固溶体粒子中の酸化物の固溶度
が50%以上である。固溶度が50%未満であると所望
の特性が得られない。例えばセリアとジルコニアの固溶
体の場合は、固溶度が50%未満であると固溶体粒子の
OSCが150μmolO2 /g以下と低い。しかし固
溶度が50%以上であれば、OSCは250〜800μ
molO2 /g以上となり、酸素ストアレージ能にきわ
めて優れている。
【0024】酸化物Aに対して2種以上の酸化物B,
C,・・・が固溶した場合には、酸化物Aに対する2種
以上の酸化物B,C,・・・のいずれもの固溶度が50
%以上となる。したがって、各酸化物の固溶度は、 酸化物Bの固溶度(%)=100×(酸化物Aの総量に
固溶した酸化物Bの量)/酸化物Bの総量 酸化物Cの固溶度(%)=100×(酸化物Aの総量に
固溶した酸化物Cの量)/酸化物Cの総量 ・・・・・・ で定義され、どの酸化物(B,C,・・・)の固溶度も
50%以上とする必要がある。
【0025】また本発明の酸化物固溶体粒子では、固溶
体粒子中の結晶子の平均径が100nm以下である。こ
の結晶子の大きさは、X線回折ピークの半値幅より、次
式のシェラーの式を用いて算出される。 D=kλ/(βcosθ) ここでk:定数0.9、λ:X線波長(Å)、β:試料
の回折線幅−標準試料の回折線幅(ラジアン)、θ:回
折角(度) 結晶子の平均径が100nm以下であれば、結晶子が緻
密な充填になっておらず、結晶子間に細孔をもった固溶
体粒子となる。平均粒子径が100nmを超えると、細
孔容積及び比表面積が低下し耐熱性も低下するようにな
る。この比表面積は、1m2 /g以上、さらには20m
2 /g以上、より好ましくは50m2 /g以上であるこ
とが望ましい。
【0026】本発明の酸化物固溶体粒子では、例えばセ
リアとジルコニアの固溶体の場合は、酸化第2セリウム
の蛍石構造を保ったままセリウムの位置の一部をジルコ
ニウムが置換して固溶体となり、ジルコニアが十分固溶
している。その固溶体中では、ジルコニアの骨格が形成
される。したがって立方晶の結晶構造が安定となり、そ
の固溶体が多くの酸素を排出しても立方晶が維持され
る。その機構は明らかではないが、立方晶の場合には酸
素の移動が容易となると考えられ、他の正方晶や単斜晶
などに比べて高いOSCを示す。
【0027】また結晶子の平均径が100nm以下と小
さいので、結晶子間の粒界が大きくなり、粒界を移動す
る酸素イオンが移動しやすくなるため、酸素の吸蔵・放
出速度が十分大きくなり、酸素ストアレージ能が一層向
上する。そして比表面積が1m2 /g以上と大きけれ
ば、酸素の吸蔵・放出は表面で行われるから、酸素の吸
蔵・放出速度が十分大きくなり、高いOSCと相まって
優れた酸素ストアレージ能を示す。
【0028】なお、セリアとジルコニアの固溶体の場合
は、セリウムとジルコニウムのモル比で、0.25≦Z
r/(Ce+Zr)≦0.75の範囲が好ましく、0.
4≦Zr/(Ce+Zr)≦0.6の範囲が特に好まし
い。ジルコニウムの含有率が25モル%以下になると、
固溶体の結晶中でジルコニウムの骨格を形成する作用が
弱まり、酸素の脱離により蛍石構造の立方晶を維持する
ことが困難となるため、酸素が脱離できなくなりOSC
が低下する。また酸素の吸蔵・放出能はセリウムの3価
と4価の価数変化によるため、ジルコニウムの含有率が
75モル%以上になると、セリウムの絶対量が不足する
ことによりOSCが低下する。
【0029】また本発明の酸化物固溶体粒子は、熱力学
的な安定相ではないため、酸化雰囲気での使用において
固溶度が低下する場合がある。その場合、酸化物固溶体
粒子中のセリアとジルコニアに対してアルカリ土類元素
の酸化物又はセリウム以外の希土類元素の酸化物の少な
くとも一つを添加し、酸化物固溶体粒子中の固溶体相を
安定化することができる。
【0030】添加するアルカリ土類元素の酸化物又はセ
リウム以外の希土類元素の酸化物は、セリア及びジルコ
ニアからなる酸化物固溶体粒子と共存し、その一部が酸
化物固溶体粒子の固溶体相に固溶すればよく、すべてが
酸化物固溶体粒子の固溶体相に固溶する必要はない。そ
の組成範囲は、セリアとジルコニアに対してアルカリ土
類元素の酸化物又はセリウム以外の希土類元素の酸化物
の少なくとも一つ(M)がモル比で0<M/(Ce+Z
r+M)≦0.15の範囲が望ましい。そして、その酸
化物固溶体粒子の結晶子の平均径は10nm以下が望ま
しく、比表面積が20m2 /g以上であることが望まし
い。50m2 /gであればさらに望ましい。
【0031】セリアとジルコニアに対するアルカリ土類
元素の酸化物又はセリウム以外の希土類元素の酸化物の
少なくとも一つの添加は、900℃以上の酸化雰囲気に
おいてセリアとジルコニアからなる固溶体相の安定度を
高める効果をもつ。製造されたままの状態の酸化物固溶
体粒子のOSCを高めるという意味では、アルカリ土類
元素の酸化物又はセリウム以外の希土類元素の酸化物の
添加はほとんど効果がない。むしろセリアとジルコニア
のみからなる固溶体粒子の方がOSCが優れている。た
だ高温の酸化雰囲気において長時間使用する場合におい
ては、セリアとジルコニアのみからなる固溶体粒子で
は、固溶体相が徐々に2相に分離し、OSCが低下する
傾向がある。そのような条件下で使用する場合、アルカ
リ土類元素又はセリウム以外の希土類元素の酸化物を添
加した固溶体粒子は、固溶体相が相対的に安定なため、
使用後のOSCがセリアとジルコニアの2元系より相対
的に優れる。
【0032】したがって、セリアとジルコニアに対して
アルカリ土類元素の酸化物又はセリウム以外の希土類元
素の酸化物の少なくとも一つ(M)がモル比で0<M/
(Ce+Zr+M)≦0.15の範囲より多くなると、
OSCがかえって小さくなる。また、成分が増えコスト
的に降りとなる。また結晶子の平均径が10nmより大
きい、又は比表面積が20m2 /g未満であると、酸素
の吸放出速度が小さくなるため、急激に酸素分圧が変化
する雰囲気で用いた場合、実質的なOSCが小さくな
る。
【0033】なお、アルカリ土類元素の酸化物又はセリ
ウム以外の希土類元素の酸化物がセリアとジルコニアよ
りなる酸化物固溶体に固溶すると、結晶の格子定数が変
化するため、格子定数からセリアに対するジルコニアの
固溶度を判定することは困難である。ただ、生成した単
一の固溶体相がセリウム主成分の相とジルコニウム主成
分の相とに分離するか否かをX線回折ピークの形態から
判定することはできる。
【0034】上記酸化物固溶体粒子を製造する請求項
記載の本発明の製造方法では、4価のセリウム化合物と
ジルコニウム化合物が溶解した水溶液に界面活性剤とア
ルカリ性物質を添加することにより沈殿物を得る。ここ
で界面活性剤の作用は明らかではないが、以下のように
推察される。つまり、アルカリ性物質で中和したばかり
の状態では、酸化物となる元素は数nm以下の粒径の非
常に微細な水酸化物又は酸化物の状態で沈殿する。従来
はこのまま乾燥させているが、本発明では界面活性剤の
添加により界面活性剤のミセルの中に複数種の沈殿粒子
が均一に取り込まれる。そしてミセル中で中和、凝集及
び熟成が進行することによって、複数成分が均一に含ま
れ濃縮された小さな空間の中で固溶体粒子の生成が進行
する。さらに、界面活性剤の分散効果により沈殿微粒子
の分散性が向上し、偏析が小さくなって接触度合いが高
まる。これらにより固溶度が高くなるとともに、結晶子
の平均径を小さくすることができる。
【0035】界面活性剤の添加時期は、アルカリ性物質
の先に添加してもよいし、アルカリ性物質と同時でもよ
く、またアルカリ性物質より後に添加することもでき
る。しかし界面活性剤の添加時期があまり遅くなると偏
析が生じてしまうので、アルカリ物質の添加と同時もし
くはそれより前に添加することが望ましい。水溶液とさ
れている酸化物となる元素の化合物としては、硝酸セリ
ウム(III)、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、塩化
セリウム(III )、硫酸セリウム(III )、硫酸セリウ
ム(IV)、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコ
ニウムなどが例示される。またアルカリ性物質として
は、水溶液としてアルカリ性を示すものであれば用いる
ことができる。加熱時に容易に分離できるアンモニアが
特に望ましい。しかしアルカリ金属の水酸化物などの他
のアルカリ性物質であっても、水洗によって容易に除去
することができるので用いることができる。
【0036】界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオ
ン系及び非イオン系のいずれも用いることができるが、
その中でも形成するミセルが内部に狭い空間を形成しう
る形状、例えば球状ミセルを形成し易い界面活性剤が望
ましい。また臨界ミセル濃度(cmc)が0.1mol
/リットル以下のものが望ましい。より望ましくは、
0.01mol/リットル以下の界面活性剤が望まし
い。
【0037】これらの界面活性剤を例示すると、アルキ
ルベンゼンスルホン酸、及びその塩、αオレフィンスル
ホン酸、及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキ
ルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテル硫酸エス
テル塩、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、エー
テル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテルスルホン酸塩、
飽和脂肪酸、及びその塩、オレイン酸等の不飽和脂肪
酸、及びその塩、その他のカルボン酸、スルホン酸、硫
酸、リン酸、フェノールの誘導体等の陰イオン性界面活
性剤、ポリオキシエチレンポリプロレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレングリコール、多価アルコ
ール;グリコール;グリセリン;ソルビトール;マンニ
トール;ペンタエスリトール;ショ糖;など多価アルコ
ールの脂肪酸部分エステル、多価アルコール;グリコー
ル;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ペンタ
エスリトール;ショ糖;など多価アルコールのポリオキ
シエチレン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリグ
リセン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミ
ン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド
等の非イオン性界面活性剤、第一脂肪アミン塩、第二脂
肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、テトラアルキルアンモ
ニウム塩;トリアルキルベンジルアンモニウム塩;アル
キルピロジニウム塩;2−アルキル−1−アルキル−1
−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩;N,N−ジア
ルキルモルホリニウム塩;ポリエチレンポリアミン脂肪
酸アミド塩;等の第四吸アンモニウム塩、等の陽イオン
性界面活性剤、ベタイン化合物等の両イオン性界面活性
剤から選ばれる少なくとも一種である。
【0038】なお、上記臨界ミセル濃度(cmc)と
は、ある界面活性剤がミセルを形成する最低の濃度のこ
とである。界面活性剤の添加量としては、製造する酸化
物固溶体粒子100重量部に対して1〜50重量部とな
る範囲が望ましい。1重量部以上とすることにより、よ
り固溶度が向上する。50重量部を超えると、界面活性
剤が効果的にミセルを形成しにくくなるおそれがある。
【0039】セリアとジルコニアの固溶体を製造する場
合には、セリウムの価数に注意する必要がある。4価の
セリウムの場合には、セリアはジルコニアと比較的容易
に固溶するため、上記製造方法で本発明の酸化物固溶体
粒子を製造することができる。しかし3価のセリウムの
場合には、セリアはジルコニアと固溶しにくいので、別
の手段を採用することが望ましい。
【0040】そこで請求項に記載の発明では、セリウ
ム(III )が過酸化水素と錯体を作り酸化されてセリウ
ム(IV)となるので、セリアをジルコニアと容易に固溶
させやすくすることができる。過酸化水素の添加量は、
セリウムイオンの1/4以上であることが望ましい。過
酸化水素の添加量がセリウムイオンの1/4未満である
とセリアとジルコニアの固溶が不十分となる。過酸化水
素の過剰の添加は特に悪影響を及ぼさないが、経済的な
面で不利となるのみでメリットはなく、セリウムイオン
の1/2〜2倍の範囲にあることがより望ましい。
【0041】なお、過酸化水素の添加時期は特に制限さ
れず、アルカリ性物質及び界面活性剤の添加前でもよい
し、これらと同時あるいはそれより後に添加することも
できる。また過酸化水素は後処理が不要となるので特に
望ましい酸化剤であるが、場合によっては酸素ガスやオ
ゾン、過塩素酸、過マンガン酸などの過酸化物など他の
酸化剤を用いることもできる。
【0042】さらに本発明の製造方法では、酸化物とな
る元素が複数種類溶解した水溶液を103 sec-1
上、望ましくは104 sec-1以上の高せん断速度で高
速撹拌しながらアルカリ性物質を添加することにより沈
殿物を得ることが望ましい。中和生成物である沈殿微粒
子中の成分は、ある程度の偏析が避けられない。本発明
では、強力な撹拌によりこの偏析を均一にするとともに
分散性を向上させているので、例えばセリウム源とジル
コニウム源の接触度合いが一層向上する。
【0043】また例えばセリウム塩とジルコニウム塩の
水溶液から共沈させる場合、両者の沈殿するpHが異な
るため同種の沈殿粒子が集団になりやすい。そこで高せ
ん断速度で高速撹拌することにより、同種の沈殿微粒子
の集団が破壊され、沈殿粒子がよく混合される。したが
って本発明によれば、固溶度が向上するとともに結晶子
の平均粒径を一層小さくすることができる。せん断速度
が103 sec-1未満では、固溶促進効果が十分でな
い。なお、せん断速度Vは、V=v/Dで表される。こ
こでvは撹拌機のロータとステータの速度差(m/se
c)であり、Dはロータとステータの間隙(m)であ
る。
【0044】この高せん断速度での撹拌は、本発明の製
造方法に適用されることにより一層固溶が促進される。
また、3価のセリウムを用いた場合でも固溶が促進され
るため、本発明を用いれば請求項8の発明のように過酸
化水素で4価に酸化しなくとも高い固溶度をもつ固溶体
粒子を製造できる。本発明の製造方法の第2工程では、
沈殿物を加熱することにより、沈殿物中の元素を酸化物
とする。この加熱雰囲気は、酸化雰囲気、還元雰囲気、
中性雰囲気のいずれの雰囲気でもよい。沈殿物中の元素
が酸化物となるのは、原料として使用した水溶液の水等
に含まれる酸素が関与し、加熱時に沈殿物中の元素を酸
化させるからである。したがって、還元雰囲気で加熱し
ても酸化物が得られるのである。
【0045】また原料の水溶液に界面活性剤を添加しな
くても、第2工程において還元雰囲気で沈殿物を加熱す
ることにより、粒子中の該酸化物の固溶度が高く、かつ
粒子中の結晶子の平均径が小さい酸化物固溶体粒子が得
られる。これは、以下の理由によるものと考えられる。
【0046】例えば、セリアとシルコニアとの固溶体粒
子の場合、加熱する雰囲気が還元状態であるため、酸化
物中でセリウム原子が3価となって酸素欠陥ができ、セ
リウムとジルコニウムの相合拡散が容易となってセリア
とジルコニアの固溶が促進されやすい状態になる。さら
に、ジルコニウムが規則的に配列し、セリア中にジルコ
ニアの骨格を確実に形成させることができる。また、大
気中の熱処理では、十分な固溶状態を得るのに1600
℃以上の温度が必要であるが、請求項10の製造方法で
は1300℃以下の熱処理温度で十分固溶が進行する。
したがって、形成される結晶子の大きさが小さくなる。
【0047】還元雰囲気としては、一酸化炭素、水素、
炭化水素等の気体が含まれる状態とするのがよい。ま
た、上記で述べたように、還元雰囲気でも、原料として
使用した水溶液中の水等に含まれる酸素が加熱時に沈殿
物中の元素を酸化させるため、酸化物が得られる。
【0048】還元雰囲気としては、例えば、COにより
還元雰囲気とする場合、0.1〜30%のCO濃度が望
ましい。この範囲であれば、より固溶度が向上する。沈
殿物の回収方法としては、フィルタープレスなどで沈殿
から大部分の水分を搾り取った後にフィルターケーキを
乾燥する方法、スプレードライヤーなどで沈殿と水を噴
霧して乾燥する方法などが例示される。また沈殿の乾燥
は100℃以上で速やかに行うことができるが、200
℃以上、さらには300℃以上で乾燥すれば、中和によ
って生成した硝酸アンモニウムなどが分解して除去され
易くなるため好ましい。
【0049】本発明の製造方法において、沈殿物を加熱
する方法としては、どのような方法でもよい。また、加
熱温度としては、150〜600℃の範囲が望ましい。
加熱温度が150℃未満では、酸化物が得られにくく、
600℃を超えると、得られた酸化物が焼結を起こし
て、粒子が凝集するおそれがある。また、上記沈殿の回
収時に乾燥する際に、乾燥温度が上記加熱温度(150
〜600℃)に達する場合には、乾燥工程と沈殿物の加
熱工程とを兼用することもできる。
【0050】また本発明の製造方法において、得られた
酸化物固溶体粒子に以下に示す後処理を施すことが望ま
しい。すなわち、還元雰囲気(例えば、一酸化炭素、水
素、炭化水素等の気体が含まれる状態)において、80
0〜1300℃で酸化物固溶体粒子に熱処理を行うこと
も、固溶を促進させるので好ましい。例えば、セリア中
にジルコニアの骨格を確実に形成させOSCを高めるこ
とができるので、好ましい。このように、還元雰囲気に
おける熱処理の際には、得られた固溶体中の酸素の一部
が欠落し、陽イオン(セリウム)の一部が低い価数(3
価)に還元された状態となっている。しかし、その後空
気中で約300℃以上に加熱されれば容易に元の状態に
復帰する。よって、熱処理後の冷却過程で、約600℃
以下で空気と接触させ、元の価数に復帰させる処理をあ
わせて行ってもよい。
【0051】沈殿物の加熱の際に、噴霧乾燥により加熱
した場合には、粉末状のもの(乾燥物)として酸化物固
溶体粒子が得られる。また、その他の加熱方法による場
合には、得られる酸化物固溶体粒子は塊状であるため、
ハンマーミル、ボールミル、振動ミルなどで乾式粉砕す
ることにより、酸化物固溶体粒子よりなる粉末が得られ
る。
【0052】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。 (実施例1)硝酸セリウム(III )と硝酸ジルコニル
を、モル比でCe/Zr=5/5となるように混合した
水溶液を調製し、攪拌しながらアンモニア水を滴下して
中和し沈殿を生成させた。続いてこの混合水溶液に含ま
れるセリウムイオンの1/2のモル数の過酸化水素を含
む過酸化水素水と、得られる酸化物の重量の10%のア
ルキルベンゼンスルホン酸を含む水溶液を添加し、混合
攪拌した。
【0053】得られたスラリーを導入空気温度400
℃、排出空気温度250℃の雰囲気中に噴霧し、スプレ
ードライ法で乾燥させるとともに共存する硝酸アンモニ
ウムを蒸発または分解し、酸化物固溶体粒子を含む粉末
を調製した。この酸化物固溶体粒子の固溶度をX線回折
による格子定数と出発原料の配合比から式(3)により
算出したところ、固溶度は100%であった。また結晶
子の平均径をX線回折パターンの311ピークからシュ
ラーの式を用いて算出したところ、平均径は10nmで
あった。さらにBET法により測定された酸化物固溶体
粒子の比表面積は45m2 /gであった。
【0054】(比較例1)セリア粉末とジルコニア粉末
をモル比でCe/Zr=5/5となるように混合して水
に分散させ、ボールミルを用いて48時間混合した。得
られたスラリーを120℃で乾燥させ、混合粉末を得
た。次に、この混合粉末をアルミナ製坩堝に入れて16
00℃で5時間加熱し、固溶体とした。冷却後乳鉢で粉
砕し、さらに水とともにボールミルで48時間粉砕し
て、比較例1の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1
と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度
は100%、結晶子の平均径は1000nm、比表面積
は0.3m2 /gであった。
【0055】(比較例2)過酸化水素と界面活性剤を用
いない他は実施例1と同様に酸化物粒子を調製した。こ
の酸化物粒子の固溶度は18%、結晶子の平均径は6n
m、比表面積は80m2 /gであった。 (比較例3)界面活性剤を用いない他は実施例と同様に
酸化物粒子を調製した。この酸化物粒子の固溶度は38
%、結晶子の平均径は7nm、比表面積は70m2 /g
であった。
【0056】<耐熱性評価>実施例1の酸化物固溶体粒
子を熱処理した。熱処理後の比表面積と結晶子の平均径
を測定した結果を図1及び図2に示す。熱処理温度は3
50〜1200℃の範囲で4水準選び、熱処理時間はそ
れぞれ5時間である。図1及び図2より、実施例1の酸
化物固溶体は熱処理によって比表面積が低下するものの
1200℃の熱処理によっても1m2 /g以上の高い比
表面積を有し、結晶子径も100nm以下に維持されて
いることがわかる。
【0057】<OSC測定>また実施例1と比較例1〜
3の酸化物固溶体粒子について、それぞれOSCを測定
した。OSCの測定は、熱重量分析器を用いて水素と酸
素を交互に流通させて試料の酸化還元を繰り返し、その
際の重量変化を測定することにより求めた。その結果、
実施例1の酸化物固溶体のOSCは450μmolO2
/gであったのに対し、比較例1〜3の酸化物固溶体の
OSCはそれぞれ100、95、150μmolO2
gとかなり低い値を示した。この結果は、比較例1につ
いては、比表面積の差、比較例2、3については固溶度
の差に起因するものであることが明らかである。
【0058】(実施例2)アンモニア水を滴下する前の
硝酸セリウム(III )と硝酸ジルコニルの水溶液に、予
め過酸化水素水を添加しておいたこと以外は実施例1と
同様にして、実施例2の酸化物固溶体粒子を調製した。
実施例1と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子
の固溶度は100%、結晶子の平均径は10nm、比表
面積は45m2 /gであった。
【0059】(実施例3)アンモニア水を滴下する前の
硝酸セリウム(III )と硝酸ジルコニルの水溶液に、予
めアルキルベンゼンスルホン酸水溶液を添加しておいた
こと以外は実施例1と同様にして、実施例3の酸化物固
溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定された
この酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の平
均径は12nm、比表面積は35m2 /gであった。
【0060】(実施例4)アルキルベンゼンスルホン酸
水溶液の代わりにαオレフィンスルホン酸水溶液を用い
たこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の酸化物
固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定され
たこの酸化物固溶体粒子の固溶度は95%、結晶子の平
均径は8nm、比表面積は35m2 /gであった。
【0061】(実施例5)アルキルベンゼンスルホン酸
水溶液の代わりにポリオキシエチレンポリプロピルアル
キルエーテル水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様
にして、実施例5の酸化物固溶体粒子を調製した。実施
例1と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固
溶度は100%、結晶子の平均径は8nm、比表面積は
40m2 /gであった。
【0062】(実施例6)アルキルベンゼンスルホン酸
水溶液の代わりにセチルトリメチルアンモニウムクロラ
イド水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
実施例6の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同
様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は9
5%、結晶子の平均径は7nm、比表面積は58m2
gであった。
【0063】(実施例7)アルキルベンゼンスルホン酸
水溶液の代わりにモノアルキルアンモニウムアセテート
水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施
例7の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様に
して測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は90
%、結晶子の平均径は8nm、比表面積は60m2 /g
であった。
【0064】(実施例8)アルキルベンゼンスルホン酸
水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て、実施例8の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1
と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度
は95%、結晶子の平均径は8nm、比表面積は50m
2 /gであった。
【0065】(実施例9)アルキルベンゼンスルホン酸
水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテル
水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施
例9の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様に
して測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は95
%、結晶子の平均径は8nm、比表面積は54m2 /g
であった。
【0066】(実施例10)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルアミン
水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施
例10の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様
にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は90
%、結晶子の平均径は6nm、比表面積は48m2 /g
であった。
【0067】(実施例11)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレン脂肪酸アミド水
溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例
11の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様に
して測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は90
%、結晶子の平均径は7nm、比表面積は62m2 /g
であった。
【0068】(実施例12)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにトリアルキルアミンオキサイド水溶
液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例1
2の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にし
て測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は95%、
結晶子の平均径は9nm、比表面積は67m2 /gであ
った。
【0069】(実施例13)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルメチル
アンモニウムクロライド水溶液を用いたこと以外は実施
例1と同様にして、実施例13の酸化物固溶体粒子を調
製した。実施例1と同様にして測定されたこの酸化物固
溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の平均径は9n
m、比表面積は37m2 /gであった。
【0070】(実施例14)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりに牛脂ジアミンジオレイン酸水溶液を
用いたこと以外は実施例1と同様にして、実施例14の
酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測
定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結
晶子の平均径は8nm、比表面積は35m2 /gであっ
た。
【0071】<評価>実施例2〜14の結果より、これ
らに用いた界面活性剤は全てアルキルベンゼンスルホン
酸と同等の効果をもつことがわかる。 (実施例15)アルキルベンゼンスルホン酸の添加量
を、得られる酸化物の重量の0〜30%の範囲で種々選
んだことおよび出発原料中のCe/Zrの比を変化させ
たこと以外は実施例1と同様にして、それぞれの酸化物
固溶体粒子を調製した。X線回折法によりそれぞれの酸
化物固溶体粒子の結晶の格子定数を測定し、実施例1の
酸化物固溶体粒子の格子定数とともに図3に示す。また
格子定数と組成(モル比でCe/Zr=5/5)より式
(3)を用いて算出した固溶度との関係を図5に示す。
また、各組成におけるセリアとジルコニアの固溶体にお
ける、ジルコニア含有量と格子定数との関係を各固溶度
ごとに図4に示す。請求項3に対応する範囲を斜線で表
す。
【0072】さらに、Ce/Zr=5/5のそれぞれの
活性剤添加率について酸化物固溶体粒子の比表面積を測
定し、図5に合わせて示した。 <評価>図3より、アルキルベンゼンスルホン酸の添加
率が増すにつれて格子定数が低下し、添加率が約10%
以上では格子定数は5.275でほぼ一定となってい
る。また図4には、Ce/Zr=5/5の場合には固溶
度が100%で格子定数が5.275となることが示さ
れているから、アルキルベンゼンスルホン酸の添加量が
10%以上であれば完全に固溶していることがわかる。
これは実際に固溶度を測定した図5の結果からも裏付け
られる。つまり界面活性剤の添加により固溶が促進され
ることが明らかであり、アルキルベンゼンスルホン酸の
添加率は約1%以上で十分であることがわかる。
【0073】(実施例16)フィルタープレスを用いて
沈殿物を含むスラリーから水分を搾り取った後に、30
0℃に加熱して固形分を乾燥し、機械的に粉砕したこと
以外は実施例1と同様にして、実施例16の酸化物固溶
体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定されたこ
の酸化物固溶体粒子の固溶度は95%、結晶子の平均径
は8nm、比表面積は60m2 /gであった。
【0074】(実施例17)沈殿物を含むスラリーを2
50℃に加熱したセラミック製ボールと接触させて乾燥
させると同時に、そのボールによって機械的に粉砕した
こと以外は実施例1と同様にして、実施例17の酸化物
固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定され
たこの酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の
平均径は8nm、比表面積は40m2 /gであった。
【0075】(実施例18)沈殿物を含むスラリーを3
00℃に加熱した加熱容器に入れ、水分及び硝酸アンモ
ニウムが蒸発又は分解脱離するまで加熱し、次いで機械
的に粉砕したこと以外は実施例1と同様にして、実施例
18の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様に
して測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は100
%、結晶子の平均径は9nm、比表面積は35m2 /g
であった。
【0076】<評価>実施例1及び実施例16〜18の
結果より、用いた乾燥及び粉砕手段によって所定の特性
の粒子が得られることが明らかである。 (実施例19)硝酸セリウム(III )と硝酸ジルコニル
を、モル比でCe/Zr=5/5となるように混合した
水溶液を調製し、さらに、得られる酸化物の重量の5%
のポリオキシエチレンポリプロピルアルキルエーテル
と、Ceイオンと当モルの過酸化水素を含む過酸化水素
水を添加し、混合攪拌する。続いて攪拌しながらアンモ
ニア水を滴下して中和し、沈殿を生成させた。
【0077】沈殿を含むスラリーを静置し、上澄みを除
去した。再度、除去した水と同量の水を足し、攪拌後上
澄みを除去した。この操作をもう一度行った後、残りの
スラリーを250℃に加熱した容器に入れ、水分及び硝
酸アンモニウムが蒸発又は分解脱離するまで加熱し、酸
化物固溶体を含む粉末を得た。この酸化物固溶体粒子の
固溶度は95%、結晶子の平均径は6nm、比表面積は
80m2 /gであった。
【0078】実施例19の酸化物固溶体粒子を熱処理
し、熱処理後の比表面積と結晶子の平均径を測定した結
果を図6及び図7に示す。熱処理温度は300、60
0、800、1000、1200℃の5水準、熱処理時
間はそれぞれ5時間である。 (実施例20)実施例1で得られた酸化物固溶体粒子
を、一酸化炭素が1体積%含まれる還元雰囲気中で12
00℃にて2時間熱処理し、実施例20の酸化物固溶体
粒子を調製した。実施例1と同様にして測定されたこの
酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の平均径
は55nm、比表面積は4m2 /gであった。また、こ
の粉末のOSCは800μmolO2 /gであった。
【0079】(実施例21)実施例1で得られた酸化物
固溶体粒子を、水素ガスが1体積%含まれる還元雰囲気
中で1100℃にて5時間熱処理し、実施例21の酸化
物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定さ
れたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子
の平均径は48nm、比表面積は8m2 /gであった。
また、OSCは750μmolO2 /gであった。
【0080】<評価>すなわち実施例1の酸化物固溶体
粒子を還元雰囲気で熱処理することにより、平均粒子径
はある程度大きくなるがOSCはより大きくなることが
わかる。 (実施例22)硝酸セリウム(III )と硝酸ジルコニル
の量を、セリウムとジルコニウムのモル比がCe/Zr
=9/1〜1/9の範囲で種々混合した水溶液を用いた
こと以外は実施例1と同様にして、それぞれの酸化物固
溶体粒子を調製した。それぞれの酸化物固溶体粒子につ
いて実施例1と同様にOSCを測定し、結果を図8に示
す。またそれぞれの酸化物固溶体粒子について結晶の格
子定数を測定し、結果を図4に示す。
【0081】<評価>図8より、Ce/Zrの比が75
/25〜25/75の範囲にあればOSCが250μm
olO2 /g以上となることが明らかである。また図4
より、これらの粉末に含まれるジルコニアは、ほぼ10
0%セリア中に固溶していることがわかる。
【0082】(実施例23)過酸化水素水を用いず、中
和時及び界面活性剤添加時の攪拌を、104 sec -1
上の高せん断速度で行ったこと以外は実施例1と同様に
して、実施例23の酸化物固溶体粒子を調製した。実施
例1と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固
溶度は90%、結晶子の平均径は7nm、比表面積は6
0m2 /gであった。
【0083】(比較例4)過酸化水素水を用いなかった
こと以外は実施例1と同様にして、比較例4の酸化物固
溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定された
この酸化物固溶体粒子の固溶度は40%、結晶子の平均
径は6nm、比表面積は85m2 /gであった。
【0084】<評価>比較例4は実施例23より固溶度
が低く固溶の進行が劣っているが、実施例23は実施例
1とほぼ同様に高い固溶度を示している。すなわち10
4 sec-1以上の高せん断速度で攪拌することにより、
過酸化水素を用いた場合と同様に固溶が促進されること
が明らかである。
【0085】(実施例24)硝酸セリウム(IV)と硝酸
ジルコニルを、モル比でCe/Zr=5/5となるよう
に混合した水溶液を調製し、攪拌しながらアンモニア水
を滴下して中和し沈殿を生成させた。続いて、得られる
酸化物の重量の10%のアルキルベンゼンスルホン酸を
含む水溶液を添加し、混合攪拌した。
【0086】得られたスラリーを導入空気温度400
℃、排出空気温度250℃の雰囲気中に噴霧し、スプレ
ードライ法で乾燥させるとともに共存する硝酸アンモニ
ウムを分解し、酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1
と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度
は100%、結晶子の平均径は10nm、比表面積は5
0m2 /gであった。
【0087】<評価>比較例2と実施例24の比較よ
り、4価のセリウムの場合には、3価のセリウムとは異
なり過酸化水素を用いずとも高い固溶度で固溶すること
がわかる。 (実施例25)アンモニア水を滴下する前の硝酸セリウ
ム(IV)と硝酸ジルコニルの水溶液に、予めアルキルベ
ンゼンスルホン酸水溶液を添加しておいたこと以外は実
施例24と同様にして、実施例25の酸化物固溶体粒子
を調製した。実施例1と同様にして測定されたこの酸化
物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の平均径は1
0nm、比表面積は40m2 /gであった。
【0088】<評価>すなわち実施例25では実施例2
4と同等の固溶体が製造されていることから、界面活性
剤の添加時期はアルカリで中和する前後に関わらず同じ
作用を示し、つまり界面活性剤の作用は、アルカリで中
和する時のみならずアルカリで中和された後の酸化物の
状態に対しても有効であることがわかる。
【0089】(実施例26)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにαオレフィンスルホン酸水溶液を用
いたこと以外は実施例24と同様にして、実施例26の
酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測
定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は95%、結晶
子の平均径は8nm、比表面積は60m2 /gであっ
た。
【0090】(実施例27)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレンポリプロピルア
ルキルエーテル水溶液を用いたこと以外は実施例24と
同様にして、実施例25の酸化物固溶体粒子を調製し
た。実施例1と同様にして測定されたこの酸化物固溶体
粒子の固溶度は100%、結晶子の平均径は8nm、比
表面積は45m 2 /gであった。
【0091】(実施例28)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにセチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド水溶液を用いたこと以外は実施例24と同様にし
て、実施例28の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例
1と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶
度は95%、結晶子の平均径は7nm、比表面積は62
2 /gであった。
【0092】(実施例29)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにモノアルキルアンモニウムアセテー
ト水溶液を用いたこと以外は実施例24と同様にして、
実施例29の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と
同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は
90%、結晶子の平均径は8nm、比表面積は60m2
/gであった。
【0093】(実施例30)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル水溶液を用いたこと以外は実施例24と同様
にして、実施例30の酸化物固溶体粒子を調製した。実
施例1と同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の
固溶度は95%、結晶子の平均径は8nm、比表面積は
55m2 /gであった。
【0094】(実施例31)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル水溶液を用いたこと以外は実施例24と同様にして、
実施例31の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と
同様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は
95%、結晶子の平均径は8nm、比表面積は57m2
/gであった。
【0095】(実施例32)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルアミン
水溶液を用いたこと以外は実施例24と同様にして、実
施例32の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同
様にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は9
0%、結晶子の平均径は6nm、比表面積は45m2
gであった。
【0096】(実施例33)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレン脂肪酸アミド水
溶液を用いたこと以外は実施例24と同様にして、実施
例33の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様
にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は90
%、結晶子の平均径は7nm、比表面積は59m2 /g
であった。
【0097】(実施例34)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにトリアルキルアミンオキサイド水溶
液を用いたこと以外は実施例24と同様にして、実施例
34の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様に
して測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は95
%、結晶子の平均径は9nm、比表面積は62m2 /g
であった。
【0098】(実施例35)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりにポリオキシエチレンアルキルメチル
アンモニウムクロライド水溶液を用いたこと以外は実施
例24と同様にして、実施例35の酸化物固溶体粒子を
調製した。実施例1と同様にして測定されたこの酸化物
固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の平均径は9n
m、比表面積は30m2 /gであった。
【0099】(実施例36)アルキルベンゼンスルホン
酸水溶液の代わりに牛脂ジアミンジオレイン酸水溶液を
用いたこと以外は実施例24と同様にして、実施例36
の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして
測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、
結晶子の平均径は8nm、比表面積は40m2 /gであ
った。
【0100】<評価>実施例24と実施例26〜36の
結果より、過酸化水素を用いない場合であっても、用い
た界面活性剤は全てアルキルベンゼンスルホン酸と同等
の効果をもつことがわかる。 (実施例37)フィルタープレスを用いて沈殿物を含む
スラリーから水分を搾り取った後に、300℃に加熱し
て固形分を乾燥し、機械的に粉砕したこと以外は実施例
24と同様にして、実施例37の酸化物固溶体粒子を調
製した。実施例1と同様にして測定されたこの酸化物固
溶体粒子の固溶度は95%、結晶子の平均径は8nm、
比表面積は70m2 /gであった。
【0101】(実施例38)沈殿物を含むスラリーを2
50℃に加熱したセラミック製ボールと接触させて乾燥
させると同時に、そのボールによって機械的に粉砕した
こと以外は実施例24と同様にして、実施例38の酸化
物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定さ
れたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子
の平均径は8nm、比表面積は40m2 /gであった。
【0102】(実施例39)沈殿物を含むスラリーを3
00℃に加熱した加熱容器に入れ、水分及び硝酸アンモ
ニウムが蒸発又は分解脱離するまで加熱し、次いで機械
的に粉砕したこと以外は実施例24と同様にして、実施
例39の酸化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様
にして測定されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は10
0%、結晶子の平均径は9nm、比表面積は35m2
gであった。
【0103】<評価>実施例24及び実施例37〜39
の結果より、過酸化水素を用いない場合であっても、用
いた粉砕手段による差異はないことが明らかである。 (実施例40)実施例24で得られた酸化物固溶体粒子
を、一酸化炭素が1体積%含まれる還元雰囲気中で12
00℃にて2時間熱処理し、実施例40の酸化物固溶体
粒子を調製した。実施例1と同様にして測定されたこの
酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の平均径
は52nm、比表面積は5m2 /gであった。
【0104】(実施例41)実施例24で得られた酸化
物固溶体粒子を、水素ガスが1体積%含まれる還元雰囲
気中で1100℃にて5時間熱処理し、実施例41の酸
化物固溶体粒子を調製した。実施例1と同様にして測定
されたこの酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶
子の平均径は44nm、比表面積は9m2 /gであっ
た。
【0105】<評価>すなわち実施例24の酸化物固溶
体粒子を還元雰囲気で熱処理することにより、過酸化水
素を用いない場合であっても平均粒子径はある程度大き
くなるが、OSCはより大きくなることがわかる。 (実施例42)アルキルベンゼンスルホン酸を含む水溶
液の添加量を種々選択したこと以外は実施例24と同様
にして、それぞれの酸化物固溶体粒子を調製した。これ
らの酸化物固溶体粒子の結晶の格子定数は図3と同様の
結果を示し、4価のセリウムの場合には過酸化水素を用
いずとも高い固溶度でジルコニアが固溶することが明ら
かである。
【0106】(実施例43)硝酸セリウム(IV)と硝酸
ジルコニルの添加量を、セリウムとジルコニウムのモル
比がCe/Zr=9/1〜1/9の範囲で種々混合した
水溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、それ
ぞれの酸化物固溶体粒子を調製した。それぞれの酸化物
固溶体粒子のOSCは図8と同様であり、結晶の格子定
数は図9と同様であった。
【0107】つまり4価セリウムであれば、Ce/Zr
の比が75/25〜25/75の範囲にあれば過酸化水
素を用いずともOSCが250μmolO2 /g以上と
なることが明らかである。また過酸化水素を用いずと
も、ジルコニアの固溶によりセリアの結晶中にジルコニ
アの骨格が形成されている。 (実施例44)硝酸セリウム(III )と硝酸ジルコニル
を、モル比でCe/Zr=5/5となるように混合した
水溶液を調整し、攪拌しながらアンモニア水を滴下して
中和し沈殿を生成させた。このスラリーを実施例1と同
様に乾燥させ、さらに実施例20と同様に熱処理を行っ
た。この酸化物固溶体粒子の固溶度は80%、結晶子の
平均径は48nm、比表面積は3m2 /gであった。
【0108】(実施例45)硝酸セリウム(III )と硝
酸ジルコニルを、モル比でCe/Zr=5/5となるよ
うに混合した水溶液を調整し、攪拌しながらアンモニア
水を滴下して中和し沈殿を生成させた。このスラリーを
実施例1と同様に乾燥させ、さらに実施例21と同様に
熱処理を行った。この酸化物固溶体粒子の固溶度は70
%、結晶子の平均径は40nm、比表面積は9m2 /g
であった。
【0109】(実施例46)実施例1と同様に、硝酸セ
リウム(III )と硝酸ジルコニルを、モル比でCe/Z
r=5/5となるように混合した水溶液を調製し、さら
に硝酸イットリウムの水溶液を、モル比でY/(Y+C
e+Zr)=0/100〜10/10になるように5水
準で配合した。さらに、過酸化水素をセリウムイオンの
1/2のモル数になるように加え、さらにポリオキシエ
チレンポリプロピルアルキルエーテルを得られる酸化物
の重量の5%添加した後、攪拌しながらアンモニア水を
滴下して中和し、それぞれ沈殿を生成させた。この沈殿
を300℃に加熱したオーブン内に入れて水分を蒸発さ
せ、硝酸アンモニウムと界面活性剤が分解脱離するまで
加熱した。得られた酸化物固溶体粒子の結晶子の平均径
はそれぞれ8nm、比表面積はそれぞれ70m2 /gで
あった。
【0110】これらの酸化物固溶体粒子を大気中120
0℃で4時間加熱し、X線回折により結晶相の変化をそ
れぞれ調べた結果を図10に示す。図10より、イット
リウムの添加によって固溶体相がより安定になっている
ことがわかる。 (実施例47)硝酸イットリウムを硝酸カルシウムに換
えたこと以外は実施例46と同様にして、それぞれの酸
化物固溶体粒子を調製した。得られた酸化物固溶体粒子
の結晶子の平均径はそれぞれ7nm、比表面積はそれぞ
れ80m2 /gであった。
【0111】これらの酸化物固溶体粒子を大気中120
0℃で4時間加熱し、X線回折により結晶相の変化をそ
れぞれ調べた結果を図11に示す。図11より、カルシ
ウムの添加によって固溶体相がより安定になっているこ
とがわかる。 (実施例48)硝酸イットリウムに換えて、硝酸ランタ
ン、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリ
ウムをそれぞれモル比でM/(M+Ce+Zr)=7/
100、10/100、10/100、10/100と
なるように用いたこと以外は実施例46と同様にして、
それぞれの酸化物固溶体粒子を調製した。得られた酸化
物固溶体粒子の結晶子の平均径は6〜8nm、比表面積
は60〜90m2 /gであった。
【0112】次に、実施例46〜48及び実施例1の酸
化物固溶体粒子について、大気中で300℃又は120
0℃で2時間焼成し、それぞれ実施例1と同様にOSC
の測定を行った。それぞれの結果を実施例1の結果と併
せて図12に示す。図12より、実施例46〜48の酸
化物固溶体粒子は実施例1と同様に大きなOSCをも
ち、しかも実施例1に比べて高温での耐久性がさらに優
れていることがわかる。
【0113】なお、実施例46と実施例47の場合に
は、図13に示すように、イットリウム及びカルシウム
の量が多くなるにつれてOSCは逆に低下することがわ
かった。すなわち、イットリウム及びカルシウムの量が
15モル%までは比較的大きなOSCを維持するが、そ
れ以上の添加量では大きく低下してしまう。 (実施例49)実施例47において、硝酸セリウムと硝
酸ジルコニルの比を変化させたこと以外は同様にしてそ
れぞれの酸化物固溶体粒子を調製した。そして実施例1
と同様にOSCを測定し、結果を図14に示す。図14
より、Ce/Zr比が25/75以下、又は75/25
以上の範囲では、酸化物固溶体のOSCが小さくなって
しまうことがわかる。
【0114】(実施例50)過酸化水素の添加量をセリ
ウムイオンの1.2倍としたこと以外は実施例1と同様
にして、実施例50の酸化物固溶体粒子を調製した。こ
の酸化物固溶体粒子の固溶度は100%、結晶子の平均
径は9nm、比表面積は50m2 /gであった。
【0115】このように過酸化水素を実施例1より増量
しても、実施例1と同様の固溶度をもつ酸化物固溶体粒
子を調製することができる。
【0116】
【発明の効果】本発明の酸化物固溶体粒子によれば、固
溶体粒子の固溶度が高くかつ結晶子の平均粒径が小さ
い。そして固溶体がセリアとジルコニアの固溶体であれ
ば、セリアの蛍石構造を維持したままセリウムの位置の
一部をジルコニウムが置換した結晶構造をもつので、セ
リアのOSCが従来の約2倍に向上し、かつ酸素の吸蔵
・放出速度が大きく、高い酸素ストアレージ能を有して
いる。
【0117】また本発明の製造方法によれば、界面活性
剤を添加することにより、ミセル内の小さな空間で複数
の元素が均一に集合して粒子が形成されると考えられ
る。したがって、結晶子の平均径を維持したままほぼ完
全な固溶体とすることができ、本発明の酸化物固溶体を
容易かつ確実に製造することができる。そしてさらに過
酸化水素を添加することにより、3価のセリウムを用い
た場合でも高い固溶度が確保される。
【0118】さらに本発明の製造方法によれば、水溶液
を強力に撹拌することにより複数の元素が共沈する際に
共沈物の偏析が抑制され、均一に分散されると考えられ
る。したがって、結晶子の平均粒径を維持したままほぼ
完全な固溶体とすることができ、本発明の酸化物固溶体
を容易かつ確実に製造することができる。また3価のセ
リウムを用いた場合にも、過酸化水素を添加しなくても
高い固溶度が確保できる。
【0119】さらに、水溶液から得られた沈殿物を還元
雰囲気で加熱することにより、結晶子の平均径を維持し
たままほぼ完全な固溶体とすることができ、本発明の酸
化物固溶体を容易かつ確実に製造することができる。ま
た3価のセリウムを用いた場合にも、過酸化水素を添加
しなくても高い固溶度が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理温度と比表面積の関係を示すグラフであ
る。
【図2】熱処理温度と結晶子の平均径の関係を示すグラ
フである。
【図3】アルキルベンゼンスルホン酸の添加率と形成さ
れた酸化物固溶体粒子の結晶の格子定数との関係を示す
グラフである。
【図4】ジルコニア含有率と形成される酸化物固溶体粒
子の結晶の格子定数との関係を示すグラフである。
【図5】界面活性剤添加率と形成された酸化物固溶体粒
子の固溶度及び比表面積との関係を示すグラフである。
【図6】熱処理温度と比表面積の関係を示すグラフであ
る。
【図7】熱処理温度と結晶子の平均径の関係を示すグラ
フである。
【図8】Ce/Zrモル比と形成された酸化物固溶体粒
子のOSCとの関係を示すグラフである。
【図9】酸化物固溶体粒子中のジルコニア濃度と格子定
数との関係を示すグラフである。
【図10】イットリウムの添加量による効果を示すX線
回折チャート図である。
【図11】カルシウムの添加量による効果を示すX線回
折チャート図である。
【図12】各種アルカリ土類元素又は希土類元素を添加
した場合のOSCを示すグラフである。
【図13】イットリウム又はカルシウムの添加量とOS
Cの関係を示すグラフである。
【図14】ジルコニウム含有量とOSCの関係を示すグ
ラフである。
フロントページの続き (72)発明者 神取 利男 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 右京 良雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉浦 正洽 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 木村 希夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平8−215569(JP,A) 特開 平9−40425(JP,A) 特開 平8−2918(JP,A) 特開 平7−187676(JP,A) 特開 平6−198175(JP,A) 特開 平4−55315(JP,A) J.Alloy.Compd.193 (1993)p.73−75 触媒学会・日本化学会共催「1989年度 触媒研究発表会講演予稿集」(1989年10 月13日,14日),3C28,p.176−177 豊田中央研究所R&Dレビュー 27 [3](1992)p.43−53 J.Chem.Soc.Chem.C ommun.(1995年11月)p.2181− 2182 J.Catal.151[1](1995), p.168−177 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 13/14 - 13/32 B01J 23/10 B01D 53/94 C01F 17/00 C01G 25/00 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セリウム酸化物にジルコニウム酸化物が
    固溶した酸化物固溶体を含む粒子であって、 該粒子中のセリウムとジルコニウムの比率がモル比で
    0.25≦Zr/(Ce+Zr)≦0.75の範囲にあ
    り、該粒子中の該セリウム酸化物に対する該ジルコニウ
    ム酸化物の固溶度が70%以上であって、該粒子中の結
    晶子の平均径が100nm以下であり、かつ該粒子の比
    表面積が20m2 /g以上であることを特徴とする酸化
    物固溶体粒子。
  2. 【請求項2】 前記粒子が集合して粉末を形成している
    請求項1記載の酸化物固溶体粒子。
  3. 【請求項3】 前記粒子の比表面積が35m2 /g以上
    である請求項1記載の酸化物固溶体粒子。
  4. 【請求項4】 前記粒子の比表面積が50m2 /g以上
    である請求項1記載の酸化物固溶体粒子。
  5. 【請求項5】 前記粒子の結晶子径が12nm以下であ
    る請求項1記載の酸化物固溶体粒子。
  6. 【請求項6】 前記粒子の固溶度が90%以上である請
    求項1記載の酸化物固溶体粒子。
  7. 【請求項7】 4価のセリウム化合物とジルコニウム化
    合物が溶解した水溶液に界面活性剤とアルカリ性物質を
    添加することにより沈殿物を得る第1工程と、該沈殿物
    を加熱して、セリウム酸化物にジルコニウム酸化物が固
    溶した酸化物固溶体を含む粒子であって、該粒子中のセ
    リウムとジルコニウムの比率がモル比で0.25≦Zr
    /(Ce+Zr)≦0.75の範囲にあり、該粒子中の
    該セリウム酸化物に対する該ジルコニウム酸化物の固溶
    度が70%以上であり、かつ該粒子中の結晶子の平均径
    が100nm以下である酸化物固溶体粒子を得る第2工
    程と、よりなることを特徴とする酸化物固溶体粒子の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 3価のセリウム化合物とジルコニウム化
    合物とが溶解した水溶液に過酸化水素と、界面活性剤及
    びアルカリ性物質を添加することにより沈殿物を得る第
    1工程と、 該沈殿物を加熱して、セリウム酸化物にジルコニウム酸
    化物が固溶した酸化物固溶体を含む粒子であって、該粒
    子中のセリウムとジルコニウムの比率がモル比で0.2
    5≦Zr/(Ce+Zr)≦0.75の範囲にあり、
    粒子中の該セリウム酸化物に対する該ジルコニウム酸化
    物の固溶度が70%以上であり、かつ該粒子中の結晶子
    の平均径が100nm以下である酸化物固溶体粒子を得
    る第2工程と、よりなることを特徴とする酸化物固溶体
    粒子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記界面活性剤は臨界ミセル濃度が0.
    1mol/リットル以下のものである請求項7〜8のい
    ずれかに記載の酸化物固溶体粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記水溶液には希土類元素及びアルカ
    リ土類金属から選ばれる少なくとも一種がさらに含まれ
    ていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載
    の酸化物固溶体粒子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記水溶液を103 sec-1以上の高
    せん断速度で高速撹拌しながらアルカリ性物質を添加す
    ることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の
    酸化物固溶体粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】 セリウム酸化物にジルコニウム酸化物
    が固溶した酸化物固溶体を含む粒子であって、該粒子に
    はセリウム酸化物以外の希土類元素の酸化物がさらに固
    溶し、該粒子中のセリウムとジルコニウムの比率がモル
    比で0.25≦Zr/(Ce+Zr)≦0.75の範囲
    にあり、該粒子中の該セリウム酸化物に対するジルコニ
    ウム酸化物の固溶度が70%以上であり、比表面積が6
    0m2/g以上であることを特徴とする酸化物固溶体粒
    子。
  13. 【請求項13】 セリウム酸化物にジルコニウム酸化物
    が固溶した酸化物固溶体を含む粒子であって、該粒子に
    はアルカリ土類金属の酸化物の少なくとも一種がさらに
    固溶し、該粒子中のセリウムとジルコニウムの比率がモ
    ル比で0.25≦Zr/(Ce+Zr)≦0.75の範
    囲にあり、該粒子中の該セリウム酸化物に対するジルコ
    ニウム酸化物の固溶度が70%以上であり、かつ該粒子
    中の結晶子の平均径が100nm以下であることを特徴
    とする酸化物固溶体粒子。
  14. 【請求項14】 前記セリウム酸化物以外の希土類元素
    の酸化物又は前記アルカリ土類金属の酸化物は、希土類
    元素又はアルカリ土類金属である金属Mがモル比で0<
    M/(Ce+Zr+M)≦0.15の範囲となるように
    含まれ、結晶子の平均径は10nm以下であることを特
    徴とする請求項12又は請求項13に記載の酸化物固溶
    体粒子。
  15. 【請求項15】 前記希土類元素の酸化物はイットリウ
    ム酸化物であり、前記アルカリ土類金属の酸化物はカル
    シウム酸化物であることを特徴とする請求項12又は請
    求項13に記載の酸化物固溶体粒子。
  16. 【請求項16】 4価のセリウム化合物とジルコニウム
    化合物が溶解した水溶液に界面活性剤とアルカリ性物質
    を添加することにより沈殿物を得る第1工程と、該沈殿
    物を加熱する第2工程とよりなる製造方法にて製造さ
    れ、 セリウム酸化物にジルコニウム酸化物が固溶した酸化物
    固溶体を含む粒子であって、該粒子中のセリウムとジル
    コニウムの比率がモル比で0.25≦Zr/(Ce+Z
    r)≦0.75の範囲にあり、該粒子中の該セリウム酸
    化物に対するジルコニウム酸化物の固溶度が70%以上
    であり、かつ該粒子中の結晶子の平均径が100nm以
    下であることを特徴とする酸化物固溶体粒子。
  17. 【請求項17】 3価のセリウム化合物とジルコニウム
    化合物とが溶解した水溶液に過酸化水素と界面活性剤及
    びアルカリ性物質を添加することにより沈殿物を得る第
    1工程と、該沈殿物を加熱する第2工程とよりなる製造
    方法にて製造され、 セリウム酸化物にジルコニウム酸化物が固溶した酸化物
    固溶体を含む粒子であって、該粒子中のセリウムとジル
    コニウムの比率がモル比で0.25≦Zr/(Ce+Z
    r)≦0.75の範囲にあり、該粒子中の該セリウム酸
    化物に対するジルコニウム酸化物の固溶度が70%以上
    であり、かつ該粒子中の結晶子の平均径が100nm以
    下であることを特徴とする酸化物固溶体粒子。
  18. 【請求項18】 前記粒子の比表面積が20m 2 /g以
    上である請求項16及び請求項17のいずれかに記載の
    酸化物固溶体粒子。
  19. 【請求項19】 前記粒子の比表面積が35m2 /g以
    上である請求項16〜18のいずれかに記載の酸化物固
    溶体粒子。
  20. 【請求項20】 前記粒子の比表面積が50m2 /g以
    上である請求項16〜18のいずれかに記載の酸化物固
    溶体粒子。
  21. 【請求項21】 前記粒子の結晶子径が12nm以下で
    ある請求項16〜18のいずれかに記載の酸化物固溶体
    粒子。
  22. 【請求項22】 前記粒子の固溶度が90%以上である
    請求項16〜18のいずれかに記載の酸化物固溶体粒
    子。
  23. 【請求項23】 4価のセリウム化合物とジルコニウム
    化合物が溶解した水溶液に界面活性剤とアルカリ性物質
    を添加することにより沈殿物を得る第1工程と、該沈殿
    物を加熱する第2工程と、得られた酸化物粒子を110
    0〜1200℃の間で還元処理する第3工程とよりなる
    製造方法にて製造され、 セリウム酸化物にジルコニウム酸化物が固溶した酸化物
    固溶体を含む粒子であって、該粒子中のセリウムとジル
    コニウムの比率がモル比で0.25≦Zr/(Ce+Z
    r)≦0.75の範囲にあり、該粒子中の該セリウム酸
    化物に対するジルコニウム酸化物の固溶度が70%以上
    であり、該粒子中の結晶子の平均径が100nm以下、
    比表面積が1m2 /g以上であることを特徴とする酸化
    物固溶体粒子。
  24. 【請求項24】 3価のセリウム化合物とジルコニウム
    化合物とが溶解した水溶液に過酸化水素と界面活性剤及
    びアルカリ性物質を添加することにより沈殿物を得る第
    1工程と、該沈殿物を加熱する第2工程と、得られた酸
    化物粒子を1100〜1200℃の間で還元処理する第
    3工程とよりなる製造方法にて製造され、 セリウム酸化物にジルコニウム酸化物が固溶した酸化物
    固溶体を含む粒子であって、該粒子中のセリウムとジル
    コニウムの比率がモル比で0.25≦Zr/(Ce+Z
    r)≦0.75の範囲にあり、該粒子中の該セリウム酸
    化物に対するジルコニウム酸化物の固溶度が70%以上
    であり、該粒子中の結晶子の平均径が100nm以下、
    比表面積が1m2 /g以上であることを特徴とする酸化
    物固溶体粒子。
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