JP3341777B2 - 効果付与装置 - Google Patents

効果付与装置

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JP3341777B2
JP3341777B2 JP08449492A JP8449492A JP3341777B2 JP 3341777 B2 JP3341777 B2 JP 3341777B2 JP 08449492 A JP08449492 A JP 08449492A JP 8449492 A JP8449492 A JP 8449492A JP 3341777 B2 JP3341777 B2 JP 3341777B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、入力した楽音波形信
号に種々の効果を付与して出力する効果付与装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、楽音波形信号に対し種々の効
果(エフェクト)を付与する効果付与装置が知られてい
る。付与する効果としては、例えば残響(リバーブ)、
ディレイ、コーラス、エキサイター、およびディストー
ションなどがある。これらの効果のうち、リバーブやデ
ィレイなどのいわゆる遅延系の効果を付与する場合に
は、ディジタル信号である入力信号をシフトレジスタや
ランダムアクセスメモリ(RAM)を用いて遅延させる
処理が行なわれる。
【0003】例えばリバーブでは、所定のサンプリング
周波数で順次入力する楽音信号をRAMに記憶し、新た
に入力があった時点ではその入力を記憶するとともに過
去に入力した所定数の楽音信号をも保持しておき、これ
らのデータからリバーブ効果を付与した楽音信号を生成
するような処理が行なわれる。リバーブタイム(残響時
間)やディレイタイムなどはRAMによる遅延時間によ
り決定され、さらにその遅延時間は遅延処理に用いられ
るRAMの容量によって左右される。すなわち、倍の遅
延時間を実現するためには倍の容量のRAMが必要であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、残響時間や
ディレイ時間を大きく取りたいときには、上記のRAM
の容量を大きくせざるを得ない。しかし、RAMの容量
を大きくすれば、遅延時間は増大するが、コストがかさ
むという問題点がある。
【0005】一方、楽音信号に付与する効果としては上
述したように種々の種類があるが、大容量のRAMを必
要とする効果はそれほど多くあるわけではない。したが
って、数少ない種類の効果付与のために大容量のRAM
を用意しなければならず、大変に不経済であった。
【0006】この発明は、上述の従来例における問題点
に鑑み、より少ない容量のRAMを用いてより大きい遅
延時間を実現し、種々の効果を付与することのできる効
果付与装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、この発明は、ディジタル楽音波形信号を入力し、種
々の効果を付与して出力する効果付与装置において、デ
ィジタル楽音波形信号に付与する第1の効果または第2
の効果を選択するための効果選択手段と、前記効果選択
手段で第1の効果が選択されたときは入力した第1のサ
ンプリング周波数のディジタル楽音波形信号を変更せず
に出力し、前記効果選択手段で第2の効果が選択された
ときは入力した第1のサンプリング周波数のディジタル
楽音波形信号を第2のサンプリング周波数のディジタル
楽音波形信号に変換して出力するサンプリング周波数変
更手段と、前記サンプリング周波数変更手段から出力さ
れるディジタル楽音波形信号に対し、前記効果選択手段
により選択された効果を付与して出力する効果付与手段
とを備えたことを特徴とする。
【0008】サンプリング周波数を変更して効果付与し
た後は、再び元のサンプリング周波数に戻すとよい。
【0009】
【作用】効果付与手段は、入力するディジタル楽音波形
信号のサンプリング周波数に依存した動作周波数で動作
することとなる。効果付与手段における動作周波数が変
更されると、効果付与手段で楽音信号を遅延させるため
に用いている記憶手段への書込み読出しもその動作周波
数で行なわれることになる。したがって、例えば第2の
効果(遅延時間を長く取りたい効果)を付与する場合に
は入力する楽音波形信号のサンプリング周波数を落と
し、これに合せて効果付与手段の動作周波数をも落とし
て、記憶手段の容量が少なくても遅延時間を長くするこ
とができる。また、第1の効果を選択したときには、従
来と同様に始めからのサンプリング周波数を変えずに効
果付与することもできる。
【0010】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。
【0011】図1は、この発明の一実施例に係る効果付
与装置を適用した電子楽器のブロック構成を示す。この
実施例の電子楽器は、鍵盤1、鍵盤インターフェース
2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3、リードオン
リーメモリ(ROM)4、中央処理装置(CPU)5、
パネル6、パネルインターフェース7、音源8、効果付
与部9、サウンドシステム10、およびバスライン11
を備えている。
【0012】鍵盤1は、ユーザが操作(演奏)するため
の複数の鍵を有する。鍵盤インターフェース2は、鍵盤
1の操作を検出してその操作に応じた演奏情報をバスラ
イン11に出力する。RAM3には各種のワークエリア
やフラグなどが割当てられており、これらはCPU5に
よりアクセスされる。ROM4は、CPU5が実行する
プログラムやテーブルなどを記憶している。またROM
4は、効果付与部9が実行する効果付与プログラムを記
憶している。CPU5は、この電子楽器の全体の動作を
制御する。
【0013】パネル6は、この電子楽器のパネル部であ
り、ユーザが操作するための種々のスイッチなどが設け
られている。61は音色を選択するための10個の音色
選択スイッチ、62は楽音に付与する効果を選択するた
めの4個の効果選択スイッチ、63はスライダ操作子で
ある。効果選択スイッチ62は、リバーブスイッチ62
−1、コーラススイッチ62−2、エキサイタースイッ
チ62−3、およびディストーションスイッチ62−4
からなる。パネルインターフェース7は、パネル6上の
スイッチなどの操作を検出して、その操作情報をバスラ
イン11に出力する。
【0014】ユーザが鍵盤1を操作すると、鍵盤1から
鍵盤インターフェース2およびバスライン11を介し
て、演奏情報(キーオン信号、キーコードおよびキータ
ッチ情報など)がCPU5に入力する。CPU5は、こ
の演奏情報に基づいて音源8に発音指示を行なう。音源
8は、CPU5からの指示に基づき所定の音色で楽音信
号を発生する。音源8から発生する楽音信号のサンプリ
ング周波数は50kHzとする。すなわち、音源8から
出力される楽音信号は、1/50,000秒ごとに順次
シーケンシャルに出力されるディジタルデータ(楽音波
形の振幅値を表すデータ)の列である。
【0015】発生する楽音の音色は音色選択スイッチ6
1により選択できる。すなわち、ユーザが音色選択スイ
ッチ61のいずれかのスイッチを押下すると、その操作
情報がパネルインターフェース7およびバスライン11
を介してCPU5に入力する。CPU5は、この操作情
報に基づいてROM4から音色パラメータを読出し、音
源8に向けて送出する。これ以後、音源8は入力した音
色パラメータで特定される音色で楽音信号を発生する。
【0016】発生する楽音に付与する効果は、効果選択
スイッチ(エフェクトスイッチ)62により選択でき
る。すなわち、ユーザがリバーブスイッチ62−1を押
下すると、これ以後発生する楽音にはリバーブの効果が
付与される。同様に、ユーザがコーラススイッチ62−
2、エキサイタースイッチ62−3、またはディストー
ションスイッチ62−4を押下すると、これ以後発生す
る楽音にはコーラス、エキサイター、またはディストー
ションの効果が付与される。
【0017】効果の付与は効果付与部9により行なって
いる。効果付与部9は、ディジタルシグナルプロセッサ
(DSP)およびその他の回路から構成されている。こ
の効果付与部9内のDSPがエフェクトプログラムを実
行することにより、楽音信号に対する効果の付与が行な
われるようになっている。DSPが実行するエフェクト
プログラムは、ユーザの効果選択スイッチ62の操作に
応じてDSPにロードされる。
【0018】例えば、ユーザがリバーブスイッチ62−
1を操作すると、その操作情報を得たCPU5は、RO
M4からエフェクトプログラムのうちリバーブプログラ
ムを読出し、バスライン11を介して効果付与部9に送
る。送られたリバーブプログラムは、効果付与部9内の
DSPにロードされる。これ以後、効果付与部9内のD
SPは、リバーブプログラムを実行することにより、入
力した楽音信号にリバーブ効果を付与する。コーラス、
エキサイター、またはディストーションの効果に関して
も、ロードされるエフェクトプログラムが代るだけで上
記の動作は同様である。
【0019】効果付与部9にて効果付与された楽音信号
は、サウンドシステム10に入力し実際の楽音として放
音される。
【0020】図2は、効果付与部9の詳細なブロック構
成を示す。効果付与部9は、デシメーションフィルタ2
01、セレクタ202、DSP203、セレクタ20
4、RAM205、インターポレーションフィルタ20
6、セレクタ207、乗算器208,209、および加
算器210を備えている。
【0021】音源8からの楽音信号はデシメーションフ
ィルタ201に入力するとともに、セレクタ202のB
端子および乗算器209に入力する。デシメーションフ
ィルタ201は、サンプリング周波数50kHzで入力
する楽音信号をサンプリング周波数25kHzの楽音信
号に変換して出力する。デシメーションフィルタ201
の出力は、セレクタ202のA端子に入力する。
【0022】セレクタ202は、CPU5から送出され
る選択信号SSが「1」のときA端子の入力信号を出力
し、「0」のときB端子の入力信号を出力する。したが
って、選択信号SSが「1」のときはセレクタ202を
介してサンプリング周波数25kHzの楽音信号がDS
P203に入力し、選択信号SSが「0」のときはセレ
クタ202を介してサンプリング周波数50kHzの楽
音信号がDSP203に入力する。
【0023】DSP203は、エフェクトプログラムを
実行することにより、入力した楽音信号に所定の効果を
付与して出力する。実行するエフェクトプログラムは、
ユーザの効果選択スイッチ62の操作に応じてDSP2
03にロードされている。DSP203の動作周波数
は、セレクタ204を介してDSP203に入力するク
ロック信号により規定される。
【0024】セレクタ204は、選択信号SSが「1」
のとき25kHzのクロック信号CK1を、選択信号S
Sが「0」のとき50kHzのクロック信号CK2を、
それぞれDSP203に供給する。したがって、DSP
203は、選択信号SSが「1」のときは25kHzの
動作周波数で、選択信号SSが「0」のときは50kH
zの動作周波数で、動作する。
【0025】RAM205は、DSP203がエフェク
トプログラムを実行する際に用いられる。例えば、楽音
にリバーブ効果を付与するリバーブプログラムでは、サ
ンプリング周期ごとに順次入力する楽音データをRAM
205に記憶して遅延させる処理が行なわれる。RAM
205へのDSP203のアクセスは、DSP203の
動作周波数に応じたタイミングで行われる。
【0026】DSP203の出力すなわち効果付与後の
楽音信号は、インターポレーションフィルタ206に入
力するとともに、セレクタ207のB端子に入力する。
インターポレーションフィルタ206は、入力する楽音
信号のサンプリング周波数を2倍に上げて出力する。イ
ンターポレーションフィルタ206の出力は、セレクタ
207のA端子に入力する。セレクタ207は、CPU
5から送出される選択信号SSが「1」のときA端子の
入力信号を出力し、「0」のときB端子の入力信号を出
力する。
【0027】選択信号SSが「1」のときは、DSP2
03の出力すなわちインターポレーションフィルタ20
6への入力である楽音信号のサンプリング周波数は25
kHzであるから、インターポレーションフィルタ20
6からの出力はサンプリング周波数50kHzの楽音信
号となる。このときセレクタ207は、このインターポ
レーションフィルタ206からの楽音信号を選択して乗
算器208に向けて出力する。選択信号SSが「0」の
ときは、DSP203の出力楽音信号のサンプリング周
波数は50kHzであり、この楽音信号がセレクタ20
7のB端子に入力する。このときセレクタ207は、こ
のDSP203からの楽音信号を選択して乗算器208
に向けて出力する。
【0028】乗算器208は、入力した楽音信号にエフ
ェクトバランス係数BD1を乗算し、加算器210に出
力する。一方、乗算器209は、音源8からの楽音信号
にエフェクトバランス係数BD2を乗算し、加算器21
0に出力する。加算器210は、乗算器208からの出
力(効果付与した楽音信号に重み付けしたもの)と乗算
器209からの出力(効果付与しない元の楽音信号に重
み付けしたもの)とを加算し、加算結果を最終的な効果
付与した楽音信号としてサウンドシステム10に出力す
る。
【0029】以上をまとめると、図2の効果付与部で
は、選択信号SSが「1」のときは入力楽音信号のサン
プリング周波数を50kHzから25kHzに落として
DSP203で効果付与し、その後サンプリング周波数
を50kHzに戻して出力している。また、選択信号S
Sが「0」のときは入力楽音信号のサンプリング周波数
50kHzのままDSP203で効果付与して、そのま
ま出力している。
【0030】図3(a)は、デシメーションフィルタ2
01のブロック構成を示す。デシメーションフィルタ2
01は、ローパスフィルタ演算部301とデータ間引き
部302を有する。ローパスフィルタ演算部301に入
力したサンプリング周波数50kHzの楽音信号は、所
定の高い周波数成分が除去される。ここでは、サンプリ
ング周波数を50kHzから半分の25kHzに落とす
際の折り返しノイズ成分を除去するため、12.5kH
z以上の周波数成分を除去するようにカットオフ周波数
を設定してある。
【0031】ローパスフィルタ演算部301の出力は、
データ間引き部302に入力する。データ間引き部30
2は、具体的には、図3(b)に示すラッチ303によ
り構成される。ラッチ303は、25kHzのクロック
信号CKにより入力信号をサンプルホールドする。ここ
ではサンプリング周波数50kHzの楽音信号が入力す
るから、結果として1つ置きにデータが間引かれサンプ
リング周波数25kHzの楽音信号として出力される。
【0032】図4は、インターポレーションフィルタ2
06のブロック構成を示す。インターポレーションフィ
ルタ206は、データ補間部401とローパスフィルタ
演算部402を有する。データ補間部401に入力した
サンプリング周波数25kHzの楽音信号は、各データ
の間に1つのゼロデータが補間される。データ補間部4
01の出力は、ローパスフィルタ演算部402(カット
オフ周波数は前記ローパスフィルタ演算部301と同じ
でよい)に入力し、ここで所定の高い周波数成分が除去
され、見かけ上、サンプリング周波数50kHzの楽音
信号として出力される。
【0033】次に、上記のように構成された実施例の電
子楽器の動作を説明する。
【0034】図5のフローチャートを参照して、この電
子楽器におけるメインルーチンでは、まずステップS1
で初期設定を行う。次に、ステップS2でパネル処理
(図6)を行い、ステップS3で鍵盤処理を行い、ステ
ップS4でその他の処理を行った後、ステップS2に戻
り、以降の処理を繰返す。ステップS3の鍵盤処理は、
ユーザの鍵盤1の演奏を検出し、その演奏に応じて音源
8に楽音の発生を指示する処理である。
【0035】図6(a)のフローチャートを参照して、
パネル処理ルーチンにおいては、まずステップS11で
リバーブスイッチ62−1が押下されたか否か判別す
る。押下されていないときは、ステップS14に進む。
リバーブスイッチ62−1が押下されているときは、ス
テップS12で選択信号SSを「1」とし、ステップS
13でエフェクトプログラムのうちリバーブプログラム
をDSP203に送出しロードする。ロードするリバー
ブプログラムは、図6(b)に図示するようにROM4
上に記憶されている。
【0036】次に、ステップS14で他のエフェクトス
イッチ62−2,62−3,62−4が押下されたか否
か判別する。押下されていないときは、ステップS17
に進む。エフェクトスイッチ62−2,62−3,62
−4のうちいずれかのスイッチが押下されているとき
は、ステップS15で選択信号SSを「0」とし、ステ
ップS16で押下されたエフェクトスイッチに対応する
エフェクトプログラムをDSP203に送出しロードす
る。ロードするエフェクトプログラムすなわちコーラス
プログラム、エキサイタープログラム、またはディスト
ーションプログラムも、図6(b)に図示するようにR
OM4上に記憶されている。
【0037】上記実施例によれば、楽音にリバーブ効果
を付与するときは選択信号SSが「1」になる。したが
ってこれ以降、図2の効果付与部9においては、音源8
から送出されたサンプリング周波数50kHzの楽音信
号はサンプリング周波数25kHzに間引きされた後、
リバーブ効果を付与されて、再びサンプリング周波数5
0kHzに戻される。DSP203によるリバーブ効果
付与の際には、RAM205は楽音信号を遅延させるた
めに使用されるが、このRAM205の読出しおよび書
込みも動作周波数25kHzで行なわれることとなるの
で、サンプリング周波数50kHzの楽音信号を遅延さ
せるときに比較して、2倍の遅延時間が得られることと
なる。したがって、少ないRAM容量でも十分な残響時
間のリバーブ効果を付与することができる。
【0038】上記実施例では、帯域制限しサンプリング
周波数を落としてリバーブ効果を付与しているので、周
波数特性は劣化する。しかし、遅延系の効果付与に際し
ては、音源からの音の反射をRAMを用いた遅延でシミ
ュレートしている。反射音の特性として高周波数の音域
の減衰ほど速いので、従来の遅延系の効果付与において
はローパスフィルタを通していた。したがって、上記実
施例のように帯域制限しサンプリング周波数を落として
リバーブ効果を付与しても、周波数特性の上では何等問
題ではない。さらに、上記実施例ではリバーブ効果を付
与した楽音信号を元の楽音信号と混合して出力している
ので、直接音の周波数特性は確保でき聴感上はほとんど
影響がない。
【0039】また、遅延系の効果以外の効果であるコー
ラス、エキサイターまたはディストーションの効果を付
与するときは選択信号SSが「0」になる。したがって
これ以降、音源8から送出されたサンプリング周波数5
0kHzの楽音信号は、そのままDSP203により効
果付与される。これらの効果付与においては、それほど
多くのRAM205の容量を必要としない。またこれら
の効果付与においては、高域にわたる周波数特性を必要
とする場合があるが、サンプリング周波数50kHzの
ままで効果付与されるので、周波数特性が劣化すること
もない。
【0040】上記実施例においては、上述したように、
付与する効果に応じて自動的にサンプリング周波数を変
更あるいはそのままにして効果を付与しているので、R
AM容量を増やすことなく、遅延系の効果では十分な遅
延時間を実現でき、かつ遅延系以外の効果は周波数特性
を劣化せずに効果が付与できる。
【0041】なお、上記実施例ではリバーブタイムは所
定値であることを前提としたが、リバーブタイムを変更
できるような場合は、リバーブタイムに応じてサンプリ
ング周波数を変更するようにしてもよい。すなわち、リ
バーブタイムが短く遅延時間が短くてよい場合は元のサ
ンプリング周波数のまま処理し、リバーブタイムが長く
遅延時間が長いためRAM205の容量が足りない場合
にはサンプリング周波数を半分にして効果付与処理をす
る、というようにしてもよい。
【0042】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
第2の実施例は、図1〜図4に示した第1の実施例と同
じ構成を有し、メインルーチンも図5と同じであるの
で、これらについては説明を省略する。第1の実施例の
図6のパネル処理ルーチンは図7に置き換える。
【0043】図7(a)のフローチャートを参照して、
第2の実施例におけるパネル処理ルーチンにおいては、
まずステップS21で音色選択スイッチ61が押下され
ているか否か判別する。音色選択スイッチ61が押下さ
れていなければ、ステップS26に進む。音色選択スイ
ッチ61が押下されている場合は、ステップS22で選
択された音色番号に対応する音色パラメータを音源8に
送出する。音色パラメータは、図7(b)に図示するよ
うにROM4上の音色パラメータテーブルに記憶されて
いる。なお、ステップS22で音源8に送出される音色
パラメータは、音色パラメータPn (n =1〜10)の
うちエフェクト番号とエフェクトバランスを除いた狭義
の音色パラメータの部分である。
【0044】次に、ステップS23で選択された音色番
号に応じた音色パラメータPn のエフェクト番号を参照
し、そのエフェクト番号で特定される効果のエフェクト
サンプリング周波数フラグを読出し、選択信号SSとし
て送出する。エフェクト番号は、リバーブが「1」、コ
ーラスが「2」、…というように定められている。エフ
ェクトサンプリング周波数フラグは、図7(c)に図示
するようにROM4上に、各エフェクトプログラム本体
とともに記憶されている。ここでは、リバーブのエフェ
クトサンプリング周波数フラグが「1」、他の効果のエ
フェクトサンプリング周波数フラグが「0」となってい
る。
【0045】次に、ステップS24でそのエフェクト番
号のエフェクトプログラムをDSP203に送出しロー
ドする。そして、ステップS25で選択された音色番号
に対応する音色パラメータPn のエフェクトバランスを
読出し、乗算器208,209における乗数BD1,B
D2として送出する。次に、ステップS26でその他の
パネル処理を行なった後、リターンする。
【0046】この第2の実施例によれば、楽音に付与す
る効果は選択した音色に応じて定められる。また、その
効果に応じて選択信号SSが定められているので、音色
を選択すれば効果付与する際のサンプリング周波数をど
のようにするかが自動的に決定される。音色の追加およ
び変更や効果の追加および変更は、図7(b)および図
7(c)の情報を追加および変更することにより容易に
行なうことができる。なお、第2の実施例では音色に応
じて効果が定められるので効果選択スイッチ62は不要
であるが、音色を選択した後に効果選択スイッチ62を
押下すると効果が切替わるようにしてもよい。
【0047】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
第3の実施例は、図1〜図4に示した第1の実施例と同
じ構成を有し、メインルーチンも図5と同じであるの
で、これらについては説明を省略する。また第3の実施
例では、ユーザの効果選択スイッチ62の操作に応じた
エフェクトプログラムのロードは第1の実施例の図6
(a)と同様にしてあらかじめ実施されているものとし
て説明する。すなわち、これ以降説明する図8(a)の
フローチャート中のステップS37で図6(a)と同様
のエフェクトプログラムのロード処理を行なっているも
のとする。
【0048】第3の実施例では、スライダ操作子63を
用いて、付与する効果の程度を変化させることができ
る。例えば、リバーブ効果を付与するときスライダ操作
子63を操作してリバーブタイムを変化させることがで
きる。ここで、リバーブタイムの大小に応じて遅延処理
のために用いるRAM205(図2)の使用容量は変化
する。そこで、以下のフローチャートで分かるように、
操作子出力が所定のしきい値Aより大きいときはサンプ
リング周波数を1/2にして効果付与し、操作子出力が
所定のしきい値A以下のときはサンプリング周波数を変
更せずに効果付与するようにしている。
【0049】図8(a)のフローチャートを参照して、
第3の実施例におけるパネル処理ルーチンにおいては、
まずステップS31でスライダ操作子63の操作イベン
トがあるか否か判別する。操作イベントがなければ、ス
テップS37に進む。スライダ操作子63の操作イベン
トがある場合は、ステップS32でその時点で選択され
ている効果に対応するエフェクトプログラム中からしき
い値Aを読出し、スライダ操作子63の操作子出力とこ
のしきい値Aとを比較する。しきい値Aは、図8(b)
に図示するように、ROM4上の各エフェクトプログラ
ムの本体とともに記憶されている。
【0050】ステップS32で操作子出力がしきい値A
より大きいときは、ステップS33で選択信号SSとし
て「1」を送出する。そして、ステップS35で操作子
出力の半分の値を効果付与部9に送出し、ステップS3
7に進む。ステップS32で操作子出力がしきい値A以
下のときは、ステップS34で選択信号SSとして
「0」を送出する。そして、ステップS36で操作子出
力の値を効果付与部9に送出し、ステップS37に進
む。ステップS37でその他のパネル処理を行なった
後、リターンする。
【0051】ステップS35,S36で効果付与部9に
送出された値は、(図示しないが)DSP203に入力
し、DSP203はこの入力値に基づいて効果付与の程
度を決定する。例えば、リバーブ効果の付与であれば、
この入力値に対応する容量分の領域をRAM205に確
保して遅延用の記憶領域として用いるようにする。その
ため、サンプリング周波数が25kHzのときはサンプ
リング周波数が50kHzのときに比較して半分の容量
で同じ遅延時間が得られるから、ステップS35では操
作子出力の半分の値を効果付与部9に送出するようにし
ている。
【0052】上記第3の実施例によれば、遅延処理用の
RAM205を有効に使用することができる。すなわ
ち、上記しきい値Aを適当に選べば、RAM205の全
容量を使い切るまではサンプリング周波数50kHzで
処理し、それ以上の遅延時間を実現したいときはサンプ
リング周波数25kHzで処理する、というようにでき
る。特に、RAM205をエフェクトプログラムと遅延
用の記憶領域の両方に兼用する場合は、エフェクトプロ
グラムの容量に応じて遅延用の記憶領域の容量が増減す
るため、この第3の実施例のようにエフェクトプログラ
ムに応じてしきい値を変更し、各エフェクトプログラム
を有効に動作させることができる。
【0053】なお、上記第1〜第3の実施例では、簡単
のためにサンプリング周波数50kHzを半分の25k
Hzに落として効果付与する例を説明したが、これに限
らずどのようなサンプリング周波数に落として処理して
もよい。例えば、元のサンプリング周波数のn/mの周
波数にして効果付与してもよい。ただしこの場合は、周
波数を1/2,1/4,…にする場合と比較して、デシ
メーションフィルタとインターポレーションフィルタの
回路は複雑になる。具体的には、元の楽音信号を1/m
に間引きしてからn倍オーバサンプリングする。インタ
ーポレーションフィルタでは、この逆の処理を行なうよ
うにする。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第1のサンプリング周波数のディジタル楽音波形信
号を、効果選択手段により選択された効果の種類に応じ
てそのままあるいは第2のサンプリング周波数のディジ
タル楽音波形信号に変換してリバーブなどの効果を付与
するようにしているので、より少ない容量のRAMを用
いてより大きい遅延時間を実現しつつ種々の効果を付与
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る効果付与装置を適
用した電子楽器のブロック構成図
【図2】 効果付与部の詳細なブロック構成図
【図3】 デシメーションフィルタのブロック構成図
【図4】 インターポレーションフィルタのブロック構
成図
【図5】 実施例の電子楽器のメインルーチンのフロー
チャート
【図6】 パネル処理ルーチンのフローチャートおよび
エフェクトプログラムを示す図
【図7】 第2の実施例のパネル処理ルーチンのフロー
チャート、音色パラメータテーブルおよびエフェクトプ
ログラムを示す図
【図8】 第3の実施例のパネル処理ルーチンのフロー
チャートおよびエフェクトプログラムを示す図
【符号の説明】
1…鍵盤、2…鍵盤インターフェース、3…ランダムア
クセスメモリ(RAM)、4…リードオンリーメモリ
(ROM)、5…中央処理装置(CPU)、6…パネ
ル、7…パネルインターフェース、8…音源、9…効果
付与部、10…サウンドシステム、11…バスライン、
61…音色選択スイッチ、62…効果選択スイッチ、6
3…スライダ操作子、201…デシメーションフィル
タ、202…セレクタ、203…DSP、204…セレ
クタ、205…RAM、206…インターポレーション
フィルタ、207…セレクタ、208,209…乗算
器、210…加算器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−204897(JP,A) 特開 平4−212996(JP,A) 特開 平3−256097(JP,A) 特開 昭61−90514(JP,A) 特開 昭64−68799(JP,A) 特開 平1−321486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 - 7/00 541 G10G 1/02 G10K 15/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディジタル楽音波形信号を入力し、種々
    の効果を付与して出力する効果付与装置において、 ディジタル楽音波形信号に付与する第1の効果または第
    2の効果を選択するための効果選択手段と、 前記効果選択手段で第1の効果が選択されたときは入力
    した第1のサンプリング周波数のディジタル楽音波形信
    号を変更せずに出力し、前記効果選択手段で第2の効果
    が選択されたときは入力した第1のサンプリング周波数
    のディジタル楽音波形信号を第2のサンプリング周波数
    のディジタル楽音波形信号に変換して出力するサンプリ
    ング周波数変更手段と、 前記サンプリング周波数変更手段から出力されるディジ
    タル楽音波形信号に対し、前記効果選択手段により選択
    された効果を付与して出力する効果付与手段とを備えた
    ことを特徴とする効果付与装置。
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