JP3341353B2 - 医療用具 - Google Patents

医療用具

Info

Publication number
JP3341353B2
JP3341353B2 JP11897893A JP11897893A JP3341353B2 JP 3341353 B2 JP3341353 B2 JP 3341353B2 JP 11897893 A JP11897893 A JP 11897893A JP 11897893 A JP11897893 A JP 11897893A JP 3341353 B2 JP3341353 B2 JP 3341353B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
medical device
soft material
medical
soft
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11897893A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06304244A (ja
Inventor
京子 山口
達夫 杵渕
将 宮原
隆司 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP11897893A priority Critical patent/JP3341353B2/ja
Publication of JPH06304244A publication Critical patent/JPH06304244A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3341353B2 publication Critical patent/JP3341353B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の摩擦係数の少な
い医療用具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴムのように弾性のある軟質
の材質からなる種々の医療用具が使用されている。しか
しながら、軟質の材質は、体内に挿入する場合に体内組
織に適合して形状を屈曲させたり変化させることができ
る点及び体内の組織に柔らかく接触する点で好ましい
が、摩擦抵抗は硬質の材質より大きくなり、摩擦による
体内組織の損傷が問題となる。すなわち、医療用具の摩
擦には、例えば、イントロデューサのように、皮膚から
血管に突き刺し、カテーテル等を血管に挿通するような
医療用具では、皮膚組織、筋肉組織及び血管を突き抜け
る際に軟質シース表面との摩擦が大きいと、それらの組
織を損傷し、また、シースを体内に長時間留置する場合
なども人体が揺れるたびに体内組織とシース表面との間
に摩擦が生じることによる損傷があり、留置途中の出血
又はシースを抜いた後の止血が困難になる場合もある。
また、薬液注入回路又は体液排出回路に使用されている
種々の水密性摺動面を有する医療用具、例えば、注射器
などのように水密性スライド表面を有するものは、液の
漏れと摩擦低減を両立させる必要のあるものがあり、軟
質であると水密性は向上するが、摩擦が増大するという
困難が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、軟質材の変
形追従性を維持しながら、表面摩擦の少ない医療用具を
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、医療用具
において、材質が柔らかいと表面摩擦が増加する現象に
着目して、医療用具の表面の摩擦を低減するために、医
療用具の表面のみを硬化させると、軟質材質の変形追従
性及び柔らかい接触感触を維持しながら摩擦を低減でき
ることを見いだしこの知見に基づき本発明を完成するに
至った。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)ショア硬度80A〜65Dの高分子物質製医療用
具の表面層に架橋剤を反応させることにより、元の表面
より固い表面を形成して、該表面にシリコーンオイルを
塗布したことを特徴とする体内に挿入する軟質材料の医
療用具、 (2)ショア硬度80A〜65Dの高分子物質製医療用
具の表面に架橋剤を反応させることにより、元の表面よ
り固い表面を形成したのち、プラズマ処理によって、表
面を活性化して、該表面にシリコーンオイルを塗布した
ことを特徴とする体内に挿入する軟質材料の医療用具、 (3)シリコーンオイルが重合度100〜20000の
ポリジメチルシロキサンである第1項又は第2項記載の
体内に挿入する軟質材料の医療用具、 (4)プラズマ処理がコロナ放電による低温プラズマ処
理である第2項記載の体内に挿入する軟質材料の医療用
具、 (5)高分子物質がポリウレタンである第1項、第2
項、第3項又は第4項記載の体内に挿入する軟質材料の
医療用具、及び (6)医療用具がカテーテルである第1項、第2項、第
3項又は第4項記載の体内に挿入する軟質材料の医療用
具、を提供するものである。本発明が適用できる医療用
具は、使用態様において、人体組織と医療用具表面との
摩擦が人体組織の損傷を起こす恐れのある医療用具、例
えば、カテーテル、イントロデューサ、シースその他の
体内に挿入する軟質材質の医療用具に適用することがで
きる。また、人体組織の接触しない医療用具では、輸液
回路等の体内への液体注入回路、人工心臓回路等の循環
回路又は体液排出回路等に用いられるシリンジ等の水密
性摺動面を有する医療用具に適用することができる。本
発明の軟質高分子物質製医療用具とは、合成又は天然の
軟質高分子物質を材質とするものであり、軟質樹脂及び
ゴム物質等の通常、医療用具に用いられる樹脂、例え
ば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂等の軟質樹脂並び
にポリイソブレン、ポリウレタン等のゴム物質の医療用
具を使用することができ、特にポリウレタン樹脂製が好
ましい。本発明において、軟質高分子物質とは、同一の
材質の厚さ10mmの試験片によるショア硬度が80A以
上でありかつ65D以下の高分子物質を示す。
【0006】本発明に用いる架橋剤は、医療用具に使用
されている軟質高分子物質に応じて適当な架橋剤を使用
することができる。架橋剤としては、多官能基を有する
化合物、脱水素により架橋結合を形成する化合物及び過
酸化物によるラジカル架橋の生成などを適用することが
できる。本発明の表面硬化方法は、軟質樹脂がウレタン
樹脂である場合に、ウレタン樹脂に適した架橋剤を表面
に含浸させて加熱して硬化させることができる。例え
ば、ウレタン樹脂表面の架橋剤としては、ポリオールと
イソシアナート、又はフッ素ガスを使用することがで
き、特に好ましい架橋剤はポリウレタン樹脂を構成する
モノマーと、同一のポリオールとイソシアナートのモノ
マー、又はオリゴマーである。これらを表面に接触させ
て、架橋反応を形成する方法によって表面の硬化を行う
ことができる。フッ素ガスの場合は単にガスを接触させ
るだけであり、ポリオールとイソシアナートは、ポリウ
レタン樹脂の表面層に含浸させてから直ちに加熱して架
橋反応を進行させる。また、ポリイソプレンなどの炭化
水素系ポリマーの場合には、過酸化物を溶解して溶剤を
表面に塗布して、直ちに加熱して表面の架橋反応を起こ
すことができる。これらの架橋剤の使用量を適度に調節
することによって、表面の硬度を最初の硬度(内部の硬
度)より適度に固くすることができる。このように、表
面を固くすることによって、医療用具の摩擦係数を大幅
に低減させることができる。しかし、表面の架橋を内部
の材質と比較してあまり大きくすると、本来当該材質に
期待されていた医療用具の柔軟性を喪失、又は表面層が
破損するので好ましくない。本発明において採用した架
橋条件を、医療用具と同一材質からなる厚さ10mmの試
験片に適用した場合に、最初のショア硬度より、すなわ
ち、内部の硬度より表面が固くなる架橋条件が望まし
い。例えば、ショア硬度80Aのものの場合には90A
程度に、60Dのものの場合は70D程度になることが
好ましい。この硬度の上昇が大きすぎると、軟質高分子
物質としての変形追従性及び柔らかい接触感触が低下す
る。さらに、硬くなった表面層が、破損又は潤滑剤の剥
離が生じ易くなる。また、硬度上昇が少ない場合には摩
擦の低減効果がない。
【0007】本発明に用いる潤滑剤は、人体に影響のな
いものであれば特に制限なく使用することができ、例え
ば、シリコーン、フッ素樹脂オリゴマー、流動パラフィ
ンなどの生理活性のないものを使用することができる。
特にシリコーンオイル又はフッ素系オリゴマーが本発明
に好適である。本発明に用いるシリコーンオイルとして
は、重合度100〜20000程度のジメチルポリシロ
キサン、フェニルメチルシロキサン、γ−トリフロロプ
ロピルメチルシロキサン及びシラノール基を有するもの
など変性ポリシロキサン等を使用することができる。ま
た、フッ素樹脂オリゴマーとしては、フッ素メタクリレ
ートオリゴマーやフッ素アクリレートオリゴマー等を使
用することができる。本発明医療用具の軟質高分子物質
の硬化表面に塗布した潤滑剤が脱離するのを防止するた
めに、本発明の医療用具の硬化表面にさらにプラズマ処
理好ましくはコロナ放電処理を行うことにより、高分子
物質表面にカルボキシル基又はカルボニル基などの極性
基を生成せしめて、これが樹脂表面の吸着力を増大させ
る。特に、ポリウレタン樹脂の場合には、カルボキシル
基の発生が容易で、表面の活性化が起こり易い。本発明
に用いるプラズマ処理は、上記樹脂塗装又はフイルム印
刷の前処理で行われている公知の方法、放電条件及び放
電設備を用いて実施することができる。本発明における
プラズマ処理は、例えば2電極を設置した真空空間に医
療用具を置き、該真空空間に微量の酸素、炭酸ガス又は
窒素を供給しながら、放電が発生するまで両電極間の電
圧を上げて、プラズマ放電を行い医療用具の樹脂表面を
活性化する。酸素又は炭酸ガスを導入したときは主とし
てカルボキシル基又はカルボニル基が表面分子に付加さ
れ、窒素ガスの場合は、前記の極性基以外に窒化物が表
面に付加される。また、コロナ放電処理としては、常圧
の空気存在下において、高電圧放電により、コロナ放電
を行い、その雰囲気下で医療用具の樹脂表面を活性化す
ることもできる。
【0008】本発明のプラズマ処理を行った場合におい
ても、処理後の水に対する表面張力に基づく濡れ指数
が、30ダイン以上、好ましくは、40ダイン以上にな
ることが望ましい。本発明の表面処理による樹脂表面の
活性化の程度が大きいほど、潤滑剤塗布前の表面の潤滑
剤に対する吸着活性の維持期間が長くなる。通常のプラ
ズマ処理による場合は、長期間、例えば、6カ月程度の
表面活性維持期間があるので、表面活性化後、乾燥状態
で密封包装しておけば、使用直前に潤滑剤を塗布しても
表面活性が維持されるので、コーティングしていない医
療用具の状態で保存できる利点がある。プラズマ処理の
場合、表面活性が低下した場合は再度プラズマ処理を行
うことによって、再度長期間維持できる表面活性を復活
させることができる。
【0009】
【実施例】
実施例1 ショア硬度60Dのポリウレタンで形成されたカテーテ
ルの表面にポリテトラメチレングリコールとメチレンジ
フェニルジイソシアナートの混合物(モル比:NCO/
OH=2)を塗布し、90℃で24時間加熱した後、ポ
リジメチルシロキサンの原液に浸漬して、本発明に係る
カテーテルを得た。表面硬度を測定したところ、ショア
硬度70Dであった。別途成形した架橋処理をしないシ
ョア硬度70Dからなるポリウレタン製カテーテルに比
べて、遥かに柔軟性があり、かつ表面の滑り性も良好で
経皮的に体内へ挿入したところ、スムーズに挿入するこ
とができた。一方、前記架橋処理をしないショア硬度7
0Dからなるカテーテルのの場合は目的部位までスムー
ズに挿入できなかった。 実施例2 ショア硬度55Dのポリウレタンシースの表面にフッ素
ガスと窒素ガスの混合ガス(F2:N2=1:4)を30
分間室温で接触させた。後、1分間のコロナ放電処理を
行ない、直ちにポリジメチルシロキサンの原液に浸漬し
た。得られたチューブの表面はショア硬度65Dであっ
た。実施例1のカテーテルよりさらに柔軟性があり、表
面の滑りも良好であった。
【0010】
【発明の効果】本発明のコーティングした医療用具は、
軟質高分子物質によって形成されているので、変形追従
性及びソフトな接触感触を維持していながら、表面が内
部より固くなっているため摩擦が低減され、挿入し易い
上、体内組織を損傷しない利点がある。本発明の摩擦低
減効果は、硬化表面にさらに放電処理を行うことによっ
てコーティングされた潤滑剤が脱落しないので、長期間
維持することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−289264(JP,A) 特開 平1−270872(JP,A) 特開 平4−285566(JP,A) 特開 平3−275070(JP,A) 特開 昭63−164956(JP,A) 特開 昭63−3866(JP,A) 特開 昭63−305875(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 29/00 - 33/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ショア硬度80A〜65Dの高分子物質製
    医療用具の表面層に架橋剤を反応させることにより、元
    の表面より固い表面を形成して、該表面にシリコーンオ
    イルを塗布したことを特徴とする体内に挿入する軟質材
    料の医療用具。
  2. 【請求項2】ショア硬度80A〜65Dの高分子物質製
    医療用具の表面に架橋剤を反応させることにより、元の
    表面より固い表面を形成したのち、プラズマ処理によっ
    て、表面を活性化して、該表面にシリコーンオイルを塗
    布したことを特徴とする体内に挿入する軟質材料の医療
    用具。
  3. 【請求項3】シリコーンオイルが重合度100〜200
    00のポリジメチルシロキサンである請求項1又は2記
    載の体内に挿入する軟質材料の医療用具。
  4. 【請求項4】プラズマ処理がコロナ放電による低温プラ
    ズマ処理である請求項2記載の体内に挿入する軟質材料
    の医療用具。
  5. 【請求項5】高分子物質がポリウレタンである請求項
    1、2、3又は4記載の体内に挿入する軟質材料の医療
    用具。
  6. 【請求項6】医療用具がカテーテルである請求項1、
    2、3又は4記載の体内に挿入する軟質材料の医療用
    具。
JP11897893A 1993-04-22 1993-04-22 医療用具 Expired - Fee Related JP3341353B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11897893A JP3341353B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 医療用具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11897893A JP3341353B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 医療用具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06304244A JPH06304244A (ja) 1994-11-01
JP3341353B2 true JP3341353B2 (ja) 2002-11-05

Family

ID=14749995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11897893A Expired - Fee Related JP3341353B2 (ja) 1993-04-22 1993-04-22 医療用具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3341353B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5449747B2 (ja) * 2008-11-18 2014-03-19 オリンパス株式会社 チューブの製造方法、およびチューブ
JP4896245B2 (ja) * 2010-03-31 2012-03-14 朝日インテック株式会社 ガイドワイヤ
US20110301553A1 (en) * 2010-06-04 2011-12-08 Smiths Medical Asd, Inc. Antimicrobial lubricant

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06304244A (ja) 1994-11-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2132783C (en) Lubricious silicone surface modification
US5272012A (en) Medical apparatus having protective, lubricious coating
US3434869A (en) Foley catheter with silicone rubber coating
US5026607A (en) Medical apparatus having protective, lubricious coating
EP2475405B1 (en) Substrate surface modification utilizing a densified fluid and a surface modifier
EP0517890B1 (en) Biocompatible abrasion resistant coated substrates
US5558900A (en) One-step thromboresistant, lubricious coating
JP4920414B2 (ja) 潤滑性コーティング表面を有する医療デバイス及びその製造方法
US5540661A (en) Needleless valve having a covalently bonded lubricious coating
JPH0321677A (ja) エラストマーセグメント親水性ポリエーテルウレタンをベースとする潤滑性被覆
IE911354A1 (en) Flexible lubricious organic coatings
CN115666784A (zh) 新型局部皮肤闭合组合物和***
JPH07100744B2 (ja) 湿潤時に表面が潤滑性を有する医療用具およびその製造方法
JP3341353B2 (ja) 医療用具
JPH07124263A (ja) ガイドワイヤー及びその製造法
CN103619398A (zh) 插管器用鞘和插管器组装体
Pinchuk et al. The use of silicone/polyurethane graft polymers as a means of eliminating surface cracking of polyurethane prostheses
WO1992019289A1 (en) Treatment of polyurethane surfaces
JPH0819599A (ja) 湿潤時に表面が潤滑性を有する医療用具及びその製造方法
JPH06304243A (ja) 医療用具
Nagaoka et al. Newly developed hydrophilic slippery surface for medical application
BERNHARD et al. New flexible vascular adhesive for use in cardiovascular surgery
US6558732B1 (en) Process for producing an implantable apparatus comprising a biomedical device coated with crosslinked TPU
CN116832224A (zh) 一种静脉留置针导管用涂料及其制备方法和应用方法
CN115335092B (zh) 具有自修复能力的神经缝合贴片及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees