JP3340468B2 - 電子線露光装置及び電子線露光方法 - Google Patents
電子線露光装置及び電子線露光方法Info
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Description
積回路又はプリント基盤配線等の露光を行う電子線露光
装置及びそのような露光を行う電子線露光方法に関す
る。
外線、X線、電子線等を利用した方法がある。そのうち
の電子線による方法は、波長による微細化の限界が光よ
りはるかに小さいために、X線と並んで今後の描画技術
として注目されている。電子線露光方法は、点状あるい
は矩形状の断面を持つ電子線を偏向し、位置を移動しな
がらウェハ上に照射し、さらにステージも移動させて全
ウェハ上に微細パタンを描画しようとするものである。
この方法は解像度の向上を望むことが出来るが、膨大な
パタンデータを元にしたいわゆる一筆書きの露光のた
め、露光に時間がかかり、スループットが低く量産には
向かない。
の穴開きマスク間で電子ビームを偏向し、投射される電
子ビームの断面形状を、描画すべきパターンに適合する
ように変化させる可変成型方式の電子線露光装置(特公
昭53−20391)が実用化されている。さらに、二
個の穴開きマスクのうち一方に集積回路のパターンを持
った穴を作り、その集積回路のパターン形状を持った電
子線を形成し、ウェハに露光する方法(特開昭54−2
9981)も提唱されている。しかし、これらの方法で
はマスクを空中に保持しないかぎり、島状の孤立パター
ンは描けない。従って、一回の投射で露光できる面積は
限られており、スループットが低いという問題はやはり
残る。
イエンス テクノロジー B7(6)巻、1422〜1
425頁(1989)(J.Vac.Sci.Technol.B7(6),p142
2〜1425(1989))に記載のように、集積回路のパターン
に相当する光電子が面状に発生するよう製作された光電
子マスクを紫外線等で照射し、光電子を発生させ、それ
を加工面状に投影する方式の装置も試みられている。ま
た、特開昭59−143326には、液晶によるパター
ン形成装置を用いた投射方式の露光装置が記載されてい
る。
クを用いる方法は、光電膜自体を所望のパターン形状に
製作する必要があり、個々の転写パターンに対応した光
電面を製作しなければならないという問題があった。ま
た、上記従来の液晶によるパターン形成装置を用いた露
光装置は、セルの間隔については考慮されていなかっ
た。
しかも、転写方式でありながら、個々のパターンに応じ
て光電面を製作することの不要な、量産用として実用と
なりうる電子線露光装置及び電子線露光方法を提供する
ことにある。
は、光源と、電極を有する複数のセルが配列され、個別
に動作する液晶部材と、パターンデータから上記セルを
動作させる信号を形成するパターン発生器と、パターン
発生器からの信号に基づいて選択された液晶部材のセル
を通過した光パターンの像が投射される位置に配置され
た光電子カソードとを具備し、この光電子カソードを電
子源とし、このセルを4層構造の液晶基板からなるよう
にしたものである。
複数のセルごとに、オン/オフできるように構成され
る。これにより、所望のパターンの電子ビームを得るこ
とができる。
有する複数のセルが配列され、個別に動作し、4層構造
の液晶基板からなる液晶部材のセルを動作させる信号
を、パターンデータから与える工程と、液晶部材に光源
から光線を照射する工程と、液晶部材のセルを通過した
光パターンの像を光電子カソードに投射する工程と、光
電子カソードから放出された、パターンを持った電子ビ
ームを被照射面に投射する工程を設けるようにしたもの
である。
状に区切り、それぞれの画素ごとにオン/オフできるよ
うにする。この面状電子源に集積回路等のパターンデー
タを送ることで所望のパターンの電子ビームを自由に作
ることができる。また、面状電子源として光電子カソー
ドを用い、このカソードに照射する光を液晶等の電気的
に制御可能なシャッタにより任意の形状に成型しても、
所望のパターンの電子ビームを自由に作ることができ
る。
のパターン寸法より数倍から数10倍大きくすることが
できる。従って、半導体電子放出材や液晶装置の加工、
製作に特別の微細性は不要であり、安価に製作できる。
放出された面状の電子線はウェハ上に露光する大きさよ
り拡大されたものとなっているため、磁界又は電界によ
る電子レンズにより所望の大きさに縮小してウェハ上に
露光することが好ましい。これにより、電子線露光の特
徴である微細性を維持しながら、高スループットの描画
装置が実現できる。
体電子放出材1は多数の格子状に細分化されたセルによ
って構成されている。各セルは独立に動作し、電子を放
出する。集積回路のパターンを発生するパターン発生器
2から各セルに信号を送るようになっている。この半導
体電子放出材1から放出された集積回路のパターン形状
を持った電子線はブランカ3を通った後、電子レンズ4
により縮小され、偏向器5を通過し、ウェハ6に照射さ
れる。ウェハ6はステージ7に乗っている。このステー
ジ7を移動することでウェハ6上の電子線8の露光位置
を広い範囲で移動させることができる。偏向器5は露光
位置の狭い範囲の移動又はウェハ6上の所定の位置に露
光位置を正確に合わせるときに用いられる。ブランカ3
は電子線8を偏向器で移動中又はウェハ6をステージ7
で移動中に電子線8がウェハ6上に照射されないように
ブランキングするために用いられる。以上が基本的な構
成である。半導体電子放出材に関し詳細な説明を以下に
述べる。
属で挾んだ構造のMIM(メタル・インシュレータ・メ
タル)型カソードを用いる。このカソードは金属膜間に
電圧を印加することで金属膜間に強電界を発生させ、こ
のとき金属から放出されるトンネル電流を真空中に取り
だすものである。これについてはジャーナル オブアプ
ライドフィジックス、ボリューム32、ナンバー4、6
46頁(1961)(Journal of Applied Physics vol
ume32,No.4,P646(1961))等に記載されている。
示すようにストライプ状にする。図2(a)は上部から
このカソードを透過して見た図、図2(b)はこのカソ
ードを横から見た断面図である。絶縁膜11はAl2O3
の厚さ10nm程度の薄膜とする。上部金属電極12、
下部金属電極13は共にストライプ状に設けられ、各ス
トライプ間はSiO2膜14により絶縁されている。絶
縁膜11はSiO2等であってもよく、また、SiO2膜
14はAl2O3膜等であってもよい。この金属電極のス
トライプの方向は上部電極12と下部電極13で直交さ
せる。
を放出させる場合は、上部電極i列に加速電位Vaより
数Vから数10V低い電位を、下部電極j列には加速電
位Vaより数Vから数10V高い電位をかける。その他
の電極は加速電圧電位Vaとする。上部と下部の金属間
の電界がある一定の強度になると電子放出が始まる。従
って、i列とj列の交差する部分のみからVa+10
[eV]程度のエネルギーの電子が放出される。
投射するパターンの周辺部がひずむ場合がある。この電
子放出材のストライプ状電極を図3に示すように周辺部
を湾曲させ、このレンズの周辺部の歪を相殺するような
構造とすることで精度の良いパターンを投射することが
可能となる。
カソードと液晶を用いた実施例について図4を用いて説
明する。光源21から発せられた光22は光学系23に
入り、均一化及び平行化される。光学系23を出た光は
透過型の液晶装置24を透過する。このとき液晶装置2
4にパターン発生器2より集積回路のパターン信号を与
えることで、液晶部にパターンの明暗が発生する。この
液晶装置24の明暗を透過した光22は光学レンズ25
により縮小されて光電子カソード26に照射される。こ
の光電子カソードは石英ガラス等の表面に光電子放出材
の薄膜を形成したもので光は石英ガラス側から入射し、
これによって電子線が反対側から放出される。これ以後
は第一の実施例と同様で、所定のパターンの電子線は、
ブランカ3、電子レンズ4、偏向器5を通過した後、ウ
ェハ6上に投影される。これにより、パターン信号発生
器2により液晶回路24に発生させた集積回路のパター
ンが縮小されてウェハ6上に露光される。
する。通常液晶装置は液晶を透明電極で挾み、その電極
間に適当な電位差を与えることで光の透過特性を変化さ
せることで動作する。この際、一方の電極を適当な形状
にしておけば、その形状に対応する透過光が得られる。
本発明では、任意の形状を形成する必要があるので、マ
トリクス上にドットを無数に並べたパターンが必要とな
る。しかし、ドット間には、絶縁のためにすきまを設け
る必要があり、連続した線状のパターンを形成すること
が出来ない。
て説明する。第一は、電極のすきまが光電子カソード上
の像の解像度以下になるよう縮小する方法である。これ
により、液晶上では隙間のあるパターンが、光電子カソ
ード上では連続したパターンとして得られる。第二は、
特殊な液晶装置を用いる方法である。これを図5で説明
する。この図は液晶部の一部を拡大したものである。こ
の図のように液晶は4層構造となっている。各液晶基板
33、34、35、36の液晶駆動部31は正方形のド
ット上(図5中の斜線部)に電極が形成されており、他
の部分(ドット間の間隙32)は絶縁のための部分で光
は透過してしまう。ドット間の間隙32はドットの正方
形の一辺の長さに等しい。各層ともに同一な形状に電極
が形成されているが、その相対的な位置が図5に示され
るように1ドットづつずれている。これにより、4層分
で全面に隙間なく電極を配置したのと同様な作用をする
わけである。
投射するパターンの周辺部が歪む場合がある。この液晶
装置の電極の形状を図3に示した半導体電子放出材と同
様に周辺部を湾曲させ、このレンズの周辺部の歪を相殺
するような構造とすることで精度の良いパターンを投射
することが可能となる。
て、MIM構造の一様な面状カソードを使用することも
できる。これについて詳しく説明する。MIM構造の光
電子カソードのポテンシャル図を図6に示す。41は上
部金属膜、42は絶縁膜、43は下部金属膜、44は真
空のポテンシャルを表す。上部金属膜41と下部金属膜
43の間に電圧をかけるとポテンシャルは図6(a)の
状態から図6(b)の状態になる。このとき、上部金属
膜41中の電子はトンネル電流として絶縁膜42のポテ
ンシャル壁を通過し下部金属膜43に達する。下部金属
膜43は非常に薄いため、上部金属膜41、下部金属膜
43間の電位差で加速された電子は下部金属膜43を通
過し、真空44中に放出される。このとき上部金属膜4
1と下部金属膜43間に、電子が真空中に放出される寸
前の電圧を印加しておく。ここで、上部金属膜41に光
を照射すると電子は励起され、励起された電子はポテン
シャル障壁が十分薄い部分をトンネル電流として通りぬ
け真空中に放出される。
電子カソードより有利な点は、放出される電子の方向が
法線方向に揃っているという点である。この理由を説明
する。光電子カソードからの光電子放出は、入射した光
により励起されて真空エネルギ準位を超えた電子が真空
中に放出される現象である。従って、放出電子の方向を
揃える要因はなく、一般にcosine分布になると言
われている。一方、MIM型の光電子カソードでは電界
が電子放出面に垂直に印加されており、電子の放出強度
は電界強度の増加によって急速に増加する。この関係は
(1)式に示したファウラーノルドハイムの式と呼ばれ
る関係で良く知られている。
界、φは仕事関数である。MIM型の光電子カソードで
は電界Eは電子放出面の法線方向から離れるほど弱い。
従って法線方向から離れるほど放出される電子が減少す
る。この関係と絶縁膜、金属膜を電子が透過するときの
減衰を考慮して放出電子の角度分布を計算したものが図
7である。横軸は放出角度のラジアン表示である。比較
のためにcosine分布を図8に示す。図7の方が図
8より方向が集中しているのが分かる。このように電子
の放出角が揃っていると、電子レンズの中心付近のみを
利用することが出来る。電子レンズの中心ほどレンズ収
差は小さいため、歪の小さい電子光学系が実現できる。
点であった、スループットの向上を達成し、しかも、転
写方式でありながら、個々のパターンに応じて光電面を
製作することの不要な、量産用として実用となりうる露
光装置が実現できる。これにより電子線の微細性を活か
しながら、製造コストの低い集積回路が実現できる。
ある。
導体電子放出材の平面及び断面模式図である。
導体電子放出材の金属電極の配列を示す模式図である。
である。
液晶装置の説明図である。
ンシャルを説明する図である。
の角度分布を説明する図である。
を説明する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】光源と、 電極を有する複数のセルが配列され、個別に動作する液
晶部材と、 パターンデータから上記セルを動作させる信号を形成す
るパターン発生器と、 該パターン発生器からの信号に基づいて選択された上記
液晶部材のセルを通過した光パターンの像が投射される
位置に配置された光電子カソードと、 該光電子カソードを電子源とする電子線露光装置であっ
て、 上記セルは、4層構造の液晶基板からなることを特徴と
する電子線露光装置。 - 【請求項2】電極を有する複数のセルが配列され、個別
に動作し、4層構造の液晶基板からなる液晶部材の上記
セルを動作させる信号を、パターンデータから与える工
程と、 上記液晶部材に光源から光線を照射する工程と、 上記液晶部材のセルを通過した光パターンの像を光電子
カソードに投射する工程と、 上記光電子カソードから放出された、パターンを持った
電子ビームを被照射面に投射する工程を有することを特
徴とする電子線露光方法。
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JP22251892A JP3340468B2 (ja) | 1992-08-21 | 1992-08-21 | 電子線露光装置及び電子線露光方法 |
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JPH06236840A JPH06236840A (ja) | 1994-08-23 |
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- 1992-08-21 JP JP22251892A patent/JP3340468B2/ja not_active Expired - Fee Related
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