JP3340307B2 - プリント配線板用銅箔の製造方法 - Google Patents

プリント配線板用銅箔の製造方法

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JP3340307B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/022Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates

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  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板用
銅箔の製造方法に関するものであり、特に、銅イオンを
含む電解液が供給される電解槽中で回転する陰極ドラム
上に銅を電着させ、陰極ドラムを電解槽中で回転させつ
つ銅箔を陰極ドラムから剥離させてプリント配線板用銅
箔を連続的に製造する連続電解式製造方法に関するもの
である。
【従来の技術】
【0002】近年、プリント配線板は多層化が促進され
ており、これに伴ってプリント配線板用の銅箔中におけ
るホイルクラックの発生防止が問題となっている。この
ような観点から、特に、180℃での熱間の伸び率(以
下、「熱間伸び率」と言う)の高い銅箔が要望されるに
至っている。そして、熱間伸び率を高めるため、従来よ
り、電解液中に各種添加剤を添加することが提案されて
いる。
【0003】例えば、特開昭63−310989号公報
および同63−310990号公報には、トリイソアミ
ルアミンやヒドロキシウキルアミンと塩化物およびゼラ
チンを組み合わせてなる添加剤を電解液中に添加するこ
とが記載されている。特公平2−25995号公報にも
同様なトリイソプロパノールアミンとゼラチンを組み合
わせて添加剤とすることが記載されている。特開平2−
182890号公報には水溶性セルロースエーテルを添
加液とすることが記載されている。さらに、特開平7−
278866号公報にはニカワ濃度が0.55ppm以
下で塩化物イオン20〜100ppm、硫酸濃度20〜
200g/l、電解液温20〜70℃の条件下で銅箔を
得る方法が、また、特開平7−278867号公報には
電解液中に0.1μg/l〜250mg/lのタングス
テンまたはタングステン化合物を添加する方法がそれぞ
れ記載されている。
【0004】このような従来技術においては、上述した
ように特殊な添加剤を使用することが多く、必然的にコ
スト増となるのみならず、例えばアミンと塩化物および
ゼラチン等、複数の添加物の濃度管理が必要とされ、さ
らには、これら添加剤の分解生成物の蓄積が生じるため
に電解液の管理が繁雑となる。また、前記特開平7−2
78867号公報に記載された方法では、タングステン
の沈殿生成を抑制するために亜燐酸、燐酸ピロリン酸、
ポリリン酸、亜ヒ酸、メタバナジン酸のいずれか一種を
添加する必要があるが、これらの物質はいずれも毒物で
あり、かつ、多量に添加すると銅箔の物性に悪影響を及
ぼす等の問題がある。
【0005】さらに、プリント配線板用の銅箔として、
一般的には前述したように熱間伸び率の高い銅箔が要望
されている反面、熱間伸び率が過度に高い銅箔は加工工
程に際しての熱処理に起因して引張強度が低下する傾向
があるため、用途に応じて熱間伸び率レベルの異なる銅
箔が要望されている。しかるに従来技術では熱間伸び率
レベルの異なる銅箔を作り分けるのが困難であり、か
つ、得られた銅箔は熱間伸び率のバラツキが大きいため
に加工時に問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した各
種問題点に鑑み、従来技術よりも熱間伸び率のレベルの
異なる銅箔の作り分けが容易で、しかも熱間伸び率のバ
ラツキが小さい電解銅箔を製造することのできる新規な
製造方法を提案することを主要な課題とする。特に本発
明は、特殊な添加剤を必要とせず、かつ、添加剤の濃度
管理が容易となるのみならず、添加剤濃度を調整するこ
とにより任意の熱間伸び率を容易に達成することがで
き、しかも熱間伸び率のバラツキを小さくすることが可
能となるとの着想に立脚している。
【0007】
【課題を解決するための手段】そして、上記課題の解決
手段として本発明は、電解液が供給される電解槽中で回
転する陰極ドラム上に銅を電着させ、陰極ドラムを回転
させつつ銅箔を陰極ドラムから剥離させてプリント配線
板用銅箔を製造する連続電解方法において、電解槽中に
供給される電解液を活性炭処理し、活性炭処理後の電解
補給液に添加剤の添加量を制御して所望範囲の180℃
熱間の伸び率の銅箔を得ることを特徴とするプリント配
線板用銅箔の製造方法を提案するものである。
【0008】本発明によれば、電解槽中に供給される電
解液を活性炭処理して電解液中の残留添加剤を一旦完全
に取り除いた後、新たに所定量の添加剤を添加すること
により電解補給液中の添加剤濃度を所望の値に精密に制
御することが可能となる。したがって、銅箔物性を容易
に制御することができる。また添加剤の添加量を調整し
て熱間伸び率のレベルの異なる銅箔の作り分けが可能で
ある。
【0009】本発明の方法を実施するにあたり、活性炭
処理は、例えば30cm/sec以下の空塔速度で行うのが望
ましい。
【0010】活性炭処理後の電解補給液に添加する添加
剤は、活性炭により吸着除去可能なものであれば種類を
問わず、また複数の添加剤を組み合わせることも可能で
ある。したがって、活性炭により容易に吸着されるもの
であれば従来より銅の電解に用いられている一般的およ
び特殊な添加剤でも良く、例えば、ブドウ糖、チオ尿
素、グリシン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレングリコー
ル、トリエタノールアミン、ヒドラジン、酢酸ビニル等
を本発明においても添加剤として使用することができ
る。しかし、実用上の観点からは、比較的安価に入手可
能なニカワ又はゼラチンを添加剤として使用するのが望
ましい。
【0011】
【実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づいて詳述
する。
【0012】図1は従来方法を実施するための電解設備
の概要を示すフローチャート、図2は本発明方法を実施
するための電解設備の概要を示す同様なフローチャー
ト、図3は添加剤としてのゼラチンの濃度と電解銅箔の
熱間伸び率との関係を示すグラフ、図4は従来方法によ
り電解液の循環サイクル毎に残留添加剤及び分解生成物
が蓄積される状況を示す説明図、図5は本発明方法によ
り電解液の循環サイクル毎に残留添加剤及び分解生成物
が取り除かれる状況を示す説明図である。
【0013】図1および図2において、参照数字1は陰
極ドラムが回転可能に配置された電解槽、2は尾液槽、
3は溶解塔、4,4’は補給液貯槽、5は活性炭塔、6
は添加剤槽であって所定濃度に調合された添加剤水溶液
が蓄えられている。また、符号pは定量ポンプを表して
いる。銅箔の連続電解設備においては、銅イオンを含有
する電解液を循環させて陰極ドラムとこれに対向する陽
極(図示せず)との間に通液しながら電解を行い、陰極
ドラム上に銅を電着させ、陰極ドラムを連続回転させつ
つ銅箔を陰極ドラムから剥離させて巻き取りドラムd上
に巻き取るものである。
【0014】ところで、従来技術においては、図1に示
すとおり、添加剤槽6内の添加剤を濃度が所定範囲内に
収まるよう定量ポンプpにより補給液貯槽4に連続的に
添加している。この場合、添加剤の添加量は自然分解お
よび電解によって消費される添加物の量と同等とすべき
ことは言うまでもない。しかし、自然分解による添加物
消費量および電解による添加物消費量がいずれも正確に
測定できないため、もっぱら作業者の経験や勘と得られ
た銅箔の物性等に基づいて管理されているのが実状であ
り、また電解補給液中の添加剤の濃度が一定せず、その
結果として銅箔物性のバラツキが増大する等の問題が不
可避的となっている。
【0015】これに対して本発明においては、補給液貯
槽4’の下流側に活性炭塔5を配設して補給液貯槽4’
内の補給液を活性炭塔5に通すことにより、補給液に含
まれていた古い添加剤を吸着除去した後、新たに必要量
の添加剤を定量ポンプpで添加・混合された補給液を電
解槽1に供給する。そのために、補給液中の添加剤の濃
度を、添加される添加剤の量と電解補給液の流量によっ
て容易に管理することが可能である。
【0016】図2に示した電解設備において、活性炭処
理は例えば30cm/sec以下の空塔速度で行うことができ
る。なお、添加剤溶液は活性炭塔5の出口配管に直接圧
入しても良く、この場合には補給液貯槽4’を省略でき
る。
【0017】本発明によれば、電解補給液中の添加剤濃
度を制御することにより銅箔の物性を容易に制御するこ
とが可能である。前述したとおり、添加剤としては活性
炭により容易に吸着除去可能な有機物、好適にはニカワ
又はゼラチンを使用する。そして、目標とする熱間伸び
率等の物性を得るために好適な添加剤濃度は、使用する
添加剤に応じて異なることは言うまでもない。例えば、
添加剤としてゼラチンを使用する場合には、図3に示す
ように、供給液中の添加剤濃度を0〜10ppmの間で
調整することにより熱間伸び率が2%〜30%の範囲内
で添加剤濃度に対応した熱間伸び率の銅箔を容易に得る
ことができる。
【0018】電解銅箔の製造設備における工程保有液量
は規模にもよるが通常は数百m3 である。この電解液は
工程内を循環して電解槽に供給される。その際、電解供
給液中の添加剤の種類と濃度が銅箔の物性を決定する重
要な因子である。
【0019】従来方法では、電解液中に古い残存添加剤
およびその分解生成物と新たな添加剤とが混在してお
り、電解液の循環サイクル毎に残存添加剤および分解生
成物が図4に示すように蓄積していくことと相俟って、
それぞれの濃度を管理することが困難であるのみなら
ず、添加剤によってはその分解生成物が銅箔の物性(引
張強度や伸び率)に悪影響を及ぼすことがある。
【0020】これに対して本発明方法では、図5に示す
ように、電解液の循環サイクル毎に電解液中の古い残存
添加剤およびその分解生成を活性炭処理により除去する
ため、新たな添加剤の濃度のみを管理すれば良く、古い
添加剤等による箔物性のバラツキを低減し、物性の安定
化を容易に達成し得る利点がある。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさ
らに具体的に説明する。 [実施例1]図2に示す銅箔の製造設備において、銅イ
オン濃度85g/l、硫酸濃度150g/l、塩素イオ
ン濃度30mg/lに調整した電解液を用いて電流密度
60A/dm2 で連続電解を行い、35μm厚さの電解
銅箔を作成した。その際、補給液貯槽4’と電解槽1と
の間に設置された活性炭槽5に30cm/secの空塔
速度で補給液を通液し、その後に新田ゼラチン(株)製
の食品添加物用の水溶性ゼラチンを、補給液中の濃度が
5ppmとなるよう定量ポンプで連続的に補給した。
【0022】[実施例2]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
新田ゼラチン(株)製の食品添加物用の水溶性ゼラチン
を、補給液中の濃度が2ppmとなるよう定量ポンプで
連続的に補給した。
【0023】[実施例3]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
新田ゼラチン(株)製の食品添加物用の水溶性ゼラチン
を、補給液中の濃度が0.2ppmとなるよう定量ポン
プで連続的に補給した。
【0024】[実施例4]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
昭和電工(株)製の食品添加物に用いられるグリシン
を、補給液中の濃度が15ppmとなるよう定量ポンプ
で連続的に補給した。
【0025】[実施例5]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
昭和電工(株)製の食品添加物に用いられるグリシン
を、補給液中の濃度が10ppmとなるよう定量ポンプ
で連続的に補給した。
【0026】[実施例6]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
昭和電工(株)製の食品添加物に用いられるグリシン
を、補給液中の濃度が5ppmとなるよう定量ポンプで
連続的に補給した。
【0027】[実施例7]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
クラレ(株)製の化粧品等に用いられるポリビニルアル
コール(PVA)の鹸化度98.5%品を、補給液中の
濃度が20ppmとなるよう定量ポンプで連続的に補給
した。
【0028】[実施例8]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
クラレ(株)製の化粧品等に用いられるポリビニルアル
コールの鹸化度98.5%品を、補給液中の濃度が10
ppmとなるよう定量ポンプで連続的に補給した。
【0029】[実施例9]図2に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、活性炭槽5に3
0cm/secの空塔速度で補給液を通液し、その後に
クラレ(株)製の化粧品等に用いられるポリビニルアル
コールの鹸化度98.5%品を、補給液中の濃度が5p
pmとなるよう定量ポンプで連続的に補給した。
【0030】[比較例1]図1に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、新田ゼラチン
(株)製の食品添加物用の水溶性ゼラチンを、予め補給
液中の濃度が5ppmとなるよう調整しておいた電解液
を使用し、電解中は補給液槽4の添加剤槽6から定量ポ
ンプpを用いて、経験的観点から得られる消費量相当よ
り若干多いと思われる添加濃度3.75ppmで連続添
加しながら銅箔を作成した。
【0031】[比較例2]図1に示す銅箔の製造設備に
おいて、銅イオン濃度85g/l、硫酸濃度150g/
l、塩素イオン濃度30mg/lに調整した電解液を用
いて電流密度60A/dm2 で連続電解を行い、35μ
m厚さの電解銅箔を作成した。その際、新田ゼラチン
(株)製の食品添加物用の水溶性ゼラチンを、予め補給
液中の濃度が5ppmとなるよう調整しておいた電解液
を使用し、電解中は補給液槽4の添加剤槽6から定量ポ
ンプpを用いて経験的観点から得られる消費量相当より
若干少ないと思われる添加濃度2.5ppmで連続添加
しながら銅箔を作成した。
【0032】表1は、上記の実施例1〜9および比較例
1〜2において10日間連続使用された電解液で得られ
た銅箔の物性を示すものである。実施例1〜9における
添加物の添加に際しては、添加量を補給液流量と添加濃
度から計算によって算出した。表1から明らかなとお
り、本発明におけるように予め活性炭処理を施した電解
液を用いて電解すれば、添加剤の量に応じて熱間伸び率
が2%〜30%の範囲内で添加剤濃度に応じた伸び率の
銅箔を長期間にわたり安定に製造することができる。
【0034】
【表1】
【0035】実施例1および比較例1、2における電解
液を30日間にわたって連続使用し、それぞれ10日
目、20日目および30日目の添加剤濃度を分析し、各
時点における銅箔について物性評価を行った。その結果
を表2に示す。表2から明らかなとおり、本発明方法に
よれば長期の連続電解による添加剤の分解物の蓄積や濃
度のバラツキによる銅箔物性の劣化(例えば表面粗さの
上昇等)を防止することができる。
【0036】
【表2】
【0037】以上詳述したところから明らかなとおり、
本発明によれば、電解槽中に供給される電解液を活性炭
処理して電解液中の残留添加剤を一旦完全に取り除いた
後、新たに所定量の添加剤を添加するために電解補給液
中の添加剤濃度を所望の値に精密に制御することが可能
となる。したがって、銅箔の物性を容易に制御すること
ができる。また添加剤の添加量を調整して熱間伸び率の
レベルの異なる銅箔の作り分けが可能である。
【0038】さらに本発明によれば、多量に添加すると
銅箔の物性に悪影響を及ぼすことがあり、毒性の強い特
殊な添加剤を使用する必要がなく、ニカワやゼラチン等
の安価に入手可能な物質を添加剤として使用することが
でき、かつ、電解浴中に余分な成分を必要としないため
に、添加剤の濃度管理が容易となる利点も達成し得るも
のである。従来一つの製造ラインで物性値の異なる銅箔
を作り分けることは電解液中の残留添加物の影響が大き
く、切り替え及び立上げに1〜2週間程度必要であり、
実用上別々のラインで製造していたが、本発明では残留
添加物の影響を受けないので、一つの製造ラインで物性
値の異なる銅箔を容易に製造できる。
【0039】なお、本発明の上記実施形態は単なる例示
に過ぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能であるこ
とは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来方法を実施するための電解設備の概要を
示すフローチャートである。
【図2】 本発明方法を実施するための電解設備の概要
を示す同様なフローチャートである。
【図3】 添加剤としてのゼラチンの濃度と電解銅の熱
間伸び率との関係を示すグラフである。
【図4】 従来方法により電解液の循環サイクル毎に残
留添加剤及び分解生成物が蓄積される状況を示す説明図
である。
【図5】 本発明方法により電解液の循環サイクル毎に
残留添加剤及び分解生成物が取り除かれる状況を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2 尾液槽 3 溶解塔 4,4’ 補給液貯槽 5 活性炭塔 6 添加剤槽 p 定量ポンプ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 1/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液が供給される電解槽中で回転する
    陰極ドラム上に銅を電着させ、陰極ドラムを回転させつ
    つ銅箔を陰極ドラムから剥離させてプリント配線板用銅
    箔を製造する連続電解方法において、溶解塔から供給さ
    れた補給液を貯めるための補給液貯槽と活性炭処理液を
    貯めるための補給液貯槽との間に活性炭塔を配置し、電
    解槽中に供給される電解液を30cm/sec以下の空塔速度
    活性炭処理し、活性炭処理後の電解補給液中に添加剤
    の添加量を制御して所望範囲の180℃熱間の伸び率の
    銅箔を得ることを特徴とする、プリント配線板用銅箔の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記添加剤が活性炭により吸着される有
    機物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記添加剤がニカワ又はゼラチンである
    ことを特徴とする請求項2記載の方法。
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