JP3339034B2 - 周波数安定化レーザ - Google Patents

周波数安定化レーザ

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JP3339034B2 JP25347996A JP25347996A JP3339034B2 JP 3339034 B2 JP3339034 B2 JP 3339034B2 JP 25347996 A JP25347996 A JP 25347996A JP 25347996 A JP25347996 A JP 25347996A JP 3339034 B2 JP3339034 B2 JP 3339034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路中の光誘
起グレーティング(以下、単にグレーティングと称す
る)と半導体レーザで構成される外部共振器型の周波数
安定化レーザにおいて、モードホップが抑制された周波
数安定化レーザの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】石英系導波路中のグレーティングと半導
体レーザで構成される外部共振器型の周波数安定化レー
ザは、グレーティングの周波数選択性を利用して単一モ
ード発振をすること、温度係数が半導体レーザに比較し
て低いこと、発振周波数の制御が容易であること等の特
徴を有するため、光通信、光情報処理、光計測、分光用
光源として様々な応用が期待されている。なお、グレー
ティングの作製技術については、ケニース・オー・ヒル
等により発明されて開示されている(特開平7−140
311号公報)。以後、グレーティングを名称の簡略化
のためグレーティングと言い換える場合がある。
【0003】図7は従来の技術を用いて作製した周波数
安定化レーザを斜め上から観察した模式図であり、11
は半導体レーザ、13石英導波路のコア層、14は石英
導波路のクラッド層、15はグレーティング、16はS
iの基板、18は半導体レーザを搭載するために石英ガ
ラスを取り除いた部分でシリコンテラスと呼ばれるもの
である。
【0004】石英系導波路中のグレーティング15と半
導体レーザ11で構成される周波数安定化レーザの発振
モードを以下に説明する。
【0005】半導体レーザ11に注入電流を流し発光さ
せると、グレーティング15の反射スペクトルに対応し
た周波数の光のみがグレーティング15で反射される。
従って、半導体レーザ11の後端面からグレーティング
15までの区間をレーザキャビティとして発振する。な
お、半導体レーザ11の出力面は反射防止膜が施されて
いる。一般にグレーティング15の反射周波数の帯域は
40GHz程度で、レーザキャビティ長が1cm程度で
あるので縦モードの周波数間隔は10GHz程度となる
ので、縦モードが4本程度存在し得るが、この中でグレ
ーティング15の反射中心周波数に最も近いものだけが
選択されて発振する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
周波数安定化レーザでは、選択される縦モードが温度に
依存するので温度変化と共に発信するモードがとぶ(モ
ードホップ)。縦モードの温度係数とグレーティング1
5の反射中心周波数の温度係数が等しくないからであ
る。従来の周波数安定化レーザにおいては、縦モードの
温度係数は、数1の式で示される。
【0007】
【数1】
【0008】ただし、前記数1の式において、mLDは半
導体レーザ11の共振器の共振周波数の温度係数、mW
はSi基板上の石英導波路で形成した共振器の共振周波
数の温度係数である。nLDは半導体レーザ11の導波層
の等価屈折率、nWは石英導波路の等価屈折率である。
LDは半導体レーザ11の共振器長、LWGは半導体レー
ザ11の出射端からグレーティング15の手前までの石
英導波路長、LGはグレーティング15の端からグレー
ティング15中の光の反射点までの有効長である。ここ
で、グレーティング15は石英導波路中に書き込まれて
おり、図7に示す構造においては、グレーティング15
の反射中心周波数の温度係数はmWに等しくなってい
る。mLD〜10mWより、縦モードの温度係数mは、グ
レーティング15の反射中心周波数の温度係数mWより
も大きい。すなわち、縦モードとグレーティング15の
反射中心周波数の温度係数は等しくない。
【0009】従って、図8の説明図に示すように、温度
変化と共にモードホップが生じる。N番目の縦モードで
発振していたとすると、温度変化によりグレーティング
15の反射中心周波数に最も近い縦モードがN+1番目
に移り、モードホップが生じるのである。モードホップ
は伝送信号の誤り確率を上昇させるため、抑制方法の実
現が望まれていた。
【0010】本発明の目的は、グレーティングの反射中
心周波数の温度係数と縦モードの温度係数を一致させる
ことにより、温度上昇に起因するモードホップが抑制さ
れた周波数安定化レーザを提供することにある。
【0011】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0013】(1)基板上に搭載された半導体レーザ
と、該基板上に形成された光導波路と、該光導波路に形
成されたグレーティング(光誘起グレーティング)から
なる集積型外部共振器を用いた周波数安定化レーザであ
って、前記グレーティング上あるいはその直下の基板裏
面に該基板の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数の板状
の材料(熱膨張係数調整用基板)を設け、グレーティン
グの反射中心周波数の温度係数を大きくして縦モードの
温度係数に一致させるものである。
【0014】(2)基板上に搭載された半導体レーザ
と、該基板上に形成された光導波路と、該光導波路に形
成されたグレーティングからなる集積型外部共振器を用
いた周波数安定化レーザであって、前記光導波路上ある
いはその直下の基板裏面に該基板よりも熱膨張係数の小
さな板状の材料(熱膨張係数調整用基板)を設け、縦モ
ードの温度係数を小さくしてグレーティングの温度係数
に一致させるものである。
【0015】(3)基板上に搭載された半導体レーザ
と、該基板上に形成された光導波路と、該光導波路に形
成されたグレーティングからなる集積型外部共振器を用
いた周波数安定化レーザであって、前記グレーティング
上あるいはその直下の基板裏面に該基板の熱膨張係数よ
りも大きい熱膨張係数の板状の材料を設け、前記光導波
路上あるいはその直下の基板裏面に該基板よりも熱膨張
係数の小さな板状の材料を設け、グレーティングの温度
係数を大きくすると同時に縦モードの温度係数を小さく
して両者を一致させるものである。
【0016】前述した手段によれば、例えば、以下の3
つの方法でモードホップを抑制できる。
【0017】(1)基板の熱膨張係数よりも大きい熱膨
張係数の板(熱膨張係数調整用基板)をグレーティング
上に貼り付け、グレーティングの反射中心周波数の温度
係数を大きくして縦モードの温度係数に一致させる。
【0018】(2)半導体レーザとグレーティングの間
の導波路上に基板の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数
の板(熱膨張係数調整用基板)を貼り付け、縦モードの
温度係数を小さくしてグレーティングの温度係数に一致
させる。
【0019】(3)前記(1)及び(2)の手段を同時
に用い、グレーティングの温度係数を大きくすると同時
に縦モードの温度係数を小さくして両者を一致させる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態(実施例)を詳細に説明する。
【0021】なお、実施形態(実施例)を説明するため
の全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0022】(実施形態1)図1は本発明の実施形態
(実施例)1の周波数安定化レーザの概略構成を示す摸
式的断面図であり、11は半導体レーザ、12は熱膨張
係数(α)の調整用の基板でSi基板16の熱膨張係数
よりも大きい基板(例えば、BK7基板を用いる)、1
3は石英導波路のコア層、14は石英導波路クラッド
層、15はグレーティング(光誘起グレーティング)、
16はSi基板(ベース)である。
【0023】本実施形態1の周波数安定化レーザは、グ
レーティング15上にSi基板16よりも熱膨張係数の
大きい熱膨張係数の基板12を貼り付け、Si基板16
の熱膨張以上にグレーティング15の部分を熱膨張させ
ることにより、グレーティング15の反射中心周波数の
温度係数を大きくして縦モードの温度係数に一致させる
方法を用いている。
【0024】半導体レーザ11の周波数は1.30μm
である。これは後で説明する実施形態2,3でも同様で
ある。従って周波数安定化レーザのおおよその光の周波
数νは下記の数2の式で表される。
【0025】
【数2】ν=231(THz) 図1に示す周波数安定化レーザの縦モードの温度係数m
は、下記の数3の式で表される。
【0026】
【数3】
【0027】ただし、mLDはそれぞれ半導体レーザ11
の共振器の共振周波数の温度係数、mWGは半導体レーザ
11の出射端からグレーティング15の手前までの石英
導波路部分を共振器とした場合の共振周波数の温度係
数、mGはグレーティングの反射中心周波数の温度係数
である。nLDは半導体レーザ11の導波層の等価屈折
率、nWGは半導体レーザの出射端からとグレーティング
15の手前までの石英導波路の等価屈折率、nGはグレ
ーティング部分の石英導波路の等価屈折率である。LL D
は半導体レーザ11の共振器長、LWGは半導体レーザ1
1の出射端からグレーティング15の手前までの石英導
波路長、LGはグレーティング15の端からグレーティ
ング15中の光の反射点までの有効長である。
【0028】モードホップの温度間隔Tは、縦モードの
周波数間隔を縦モードの温度係数mとグレーティング1
5の反射中心周波数の温度係数mGの差で割ることによ
り下記の数4の式で得られる。
【0029】
【数4】
【0030】ただし、cは光の速さを表し、c=3.0
×108(m/s)である。ここで数3,4の式は、後
で説明する実施形態2,3にも適用することができる。
【0031】数4の式によれば、縦モードの温度係数m
とグレーティング15の反射中心周波数の温度係数mG
を近づければモードホップの温度間隔は大きくなる。す
なわち、モードホップが生じないような温度範囲を広げ
ることができる。
【0032】まず、実施形態1において、半導体レーザ
11の出射端からグレーティング15の手前までの石英
導波路部分の温度係数mWG、グレーティング15の反射
中心周波数の温度係数mGの具体的な数値を示す。
【0033】一般に、屈折率n、熱膨張係数αの材料で
形成した共振器の共振周波数の温度係数は、光弾性効果
を無視すると数5の式で表されることが知られている。
また、屈折率n、熱膨張係数αの材料で形成されたグレ
ーティング15の反射中心周波数の温度係数も同じく下
記の数5の式で表されることが知られている。
【0034】
【数5】
【0035】計算の手順としては、屈折率の温度変化d
n/dTと熱膨張係数αを、半導体レーザの出射端から
グレーティング15の手前までの石英導波路部分、グレ
ーティング15の部分の石英導波路部分について求める
ことで、温度係数mWG及びmGを求めていく。屈折率の
温度係数は、両方の部分とも材料は石英であるので下記
の数6の式で表される。
【0036】
【数6】dn/dT=7.0×10~6(1/K) 熱膨張係数αは、半導体レーザ11端からグレーティン
グ15までの石英導波路部分、グレーティング15の部
分で異なるので、各々求めていく。図1に示す石英導波
路のコア層13及び石英導波路クラッド層14の石英部
分の厚みを合わせて70μm程度であるのに対して、S
i基板16の厚みは1mm程度と十分大きい。従って、
半導体レーザ11の端からグレーティング15までの石
英導波路部分の熱膨張係数αWGはSi基板16の熱膨張
係数で表される(下記の数7の式)。
【0037】
【数7】αWG=2.33×10~6(1/K) 続いて、グレーティング部分の熱膨張係数αGを計算す
る。BK7基板12の厚みは4mmであり、Si基板1
6に比較して十分厚いので、グレーティング15部分の
熱膨張係数は、熱膨張係数調整用基板(BK7基板)1
2の熱膨張係数で表される(下記の数8の式)。
【0038】
【数8】αG=7.1×10~6(1/K) 従って、温度係数mWGは数2,数6及び数7の各式を数
5の式へ代入することで、下記の数9の式で表される。
【0039】
【数9】mWG=dν/dT=−1.7(GHz/K) 温度係数mGは数2,数6及び数8の各式を数5の式へ
代入することで、下記の数10の式で表される。
【0040】
【数10】mG=dν/dT=−2.8(GHz/K) ただし、前記数9の式及び数10の式の導出において、
半導体レーザ11とグレーティング15の間の石英導波
路の等価屈折率nWG及びグレーティング15の部分の石
英導波路の等価屈折率nGが1.45であることを用いて
いる。
【0041】また、半導体レーザ11の長さLLDは0.
60mm、半導体レーザ11の導波層の等価屈折率nLD
は3.5、半導体レーザ11の共振器の共振周波数の温
度係数mLDは−14(GHz/K)であり、グレーティ
ング15の長さは5mmである。F.Koyama等の
論文「1.5μm GaInAsP/InP Dynamic-Single-Mode(DS
M)Lasers with Distributed Bragg Reflector」、IEEE
J.Quantum.Elec.vol.QE-19,No.6,1042(1983)で「Effecti
ve Length of DBR」として述べられているように、グレ
ーティング15中の光の反射点は、等価的にグレーティ
ング15の中心とLD側のグレーティング15の端の間
に位置している。そこで、本実施形態1の設計において
は、距離LG=2.0mmとした。前記数3及び数4の式
において、前記パラメータ及び数9及び数10の式にも
とづき、モードホップ温度間隔T=370℃となるよう
に、LWG=15mmで設計した。
【0042】以上の条件(パラメータ)にもとづき、周
波数安定化レーザを設計し、その特性を評価した。図2
は本実施形態1の周波数安定化レーザの発振周波数の温
度依存性を示す図であり、これにより−10℃から+6
0℃の範囲内でモードホップが存在しないことが確認で
きる。
【0043】(実施形態2)図3は本発明の実施形態
(実施例)2の周波数安定化レーザの概略構成を示す模
式的断面図であり、17は熱膨張係数(α)調整用の基
板でSi基板16の熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数
の基板(例えば、ゼロデュア基板を用いる)である。本
実施形態2の周波数安定化レーザは、図3に示すよう
に、半導体レーザ11とグレーティング15の間の石英
導波路上にSi基板16の熱膨張係数よりも小さい熱膨
張係数の熱膨張係数調整用基板(ゼロデュア基板)を貼
り付け、Si基板16の熱膨張を抑圧することにより、
縦モードの温度係数を小さくしてグレーティング15の
温度係数に一致させる方法を用いている。
【0044】まず、本実施形態2において、半導体レー
ザ11の出射端からグレーティング15の手前までの石
英導波路部分の温度係数mWG、グレーティング15の部
分の石英導波路の温度係数mGの具体的な数値を示す。
屈折率の温度変化dn/dTは、両方の部分とも材料が
石英であるので数6の式で表される。図3で石英導波路
のコア層13及び石英導波路クラッド層14の石英部分
の厚みを合わせて70μm程度であるのに対して、Si
基板16の厚みは1mm程度と十分大きいので、グレー
ティング15の部分の石英導波路の熱膨張係数は、Si
基板16のSiの熱膨張係数で表される(下記の数11
の式)。
【0045】
【数11】αG=2.33×10~6(1/K) 続いて、半導体レーザ11の出射端からグレーティング
15の手前までの石英導波路の熱膨張係数αWGを示す。
熱膨張係数調整用基板(ゼロデュア基板)17の厚みは
4mmであり、Si基板16に比較して十分厚いので、
この部分の熱膨張係数は、熱膨張係数調整用基板(ゼロ
デュア基板)17の熱膨張係数で表される(下記の数1
2の式)。
【0046】
【数12】αWG=−0.05×10~6(1/K) 従って、温度係数mWGは、数2,数6及び数12の各式
を数5の式へ代入することで、下記の数13の式で表さ
れる。
【0047】
【数13】mWG=dν/dT=−1.1(GHz/K) 温度係数mGは、数2,数6及び数11の各式を数5の
式へ代入することで、下記の数14の式で表される。
【0048】
【数14】mG=dν/dT=−1.7(GHz/K) ただし、数13及び数14の各式の導出において、前記
実施形態1と同様にnWG=nG=1.45であることを用
いている。
【0049】また、前記実施形態2において、LLD,n
LD,グレーティング15の長さ,mLD及びLGの値は前
記実施形態1と同じ値である。数3及び数4の式におい
て、前記のパラメータと数13及び数14の式にもとづ
き、T=130℃となるように、LWG=31mmで設計
した。
【0050】以上の条件(パラメータ)にもとづき、周
波数安定化レーザを設計しその特性を評価した。図4は
本実施形態2の周波数安定化レーザの発振周波数の温度
依存性を示す図であり、これにより−10℃〜+60℃
の範囲でモードホップが存在しないことが確認できる。
【0051】(実施形態3)図5は本発明の実施形態
(実施例)3の周波数安定化レーザの概略構成を示す摸
式的断面図である。本実施形態3の周波数安定化レーザ
は、グレーティング15の温度係数を大きくすると同時
に縦モードの温度係数を小さくして両者を一致させる方
法を用いている。
【0052】まず、本実施形態3の周波数安定化レーザ
において、半導体レーザ11の出射端からグレーティン
グ15の手前までの石英導波路部分の温度係数mWG、グ
レーティング15の部分の石英導波路の温度係数mG
具体的な数値を示す。
【0053】半導体レーザ11の出射端からグレーティ
ング15の手前までの石英導波路部分は、厚さ1mmの
Si基板16に比較して十分厚い厚み4mmの熱膨張係
数調整用基板(ゼロデュア基板)17を貼り付けてある
ので、前記実施形態2と同様に温度係数mWGは前記数1
3の式で表される。一方、グレーティング15の部分の
石英導波路は、Si基板16に比較して十分厚い厚み4
mmの熱膨張係数調整用基板(BK7基板)12を貼り
付けてあるので、前記実施形態1と同様に温度係数mG
は前記数10の式で表される。
【0054】また、本実施形態3において、LLD
LD,nWG,nG,グレーティング15の長さ,mLD
びLGの値は前記実施形態1と同じ値である。数3及び
数4の式において、前記パラメータ及び数10及び数1
3の式にもとづきT=110℃となるように、LWG=9
mmと設計した。
【0055】本実施形態3の周波数安定化レーザを前記
の条件(パラメータ)に従って設計し、その特性を測定
した。図6は本実施形態3の周波数安定化レーザの発振
周波数の温度依存性を示し、モードホップは−10℃か
ら+60℃の範囲内で存在しないことが確認できた。
【0056】なお、本発明は、前記実施形態1,2及び
3において、Si基板16上の石英ガラス導波路を用い
たが、本発明はこれに限定されることなく、他の基板材
料、導波路材料を用いた場合においても、貼り付ける基
板の材料、グレーティング15の長さ,LLD,LWG及び
Gの値を適当に選択することで、モードホップの抑制
は可能である。
【0057】熱膨張係数調整のため、導波路表面に熱膨
張係数αの異なる基板を貼り付けたが、反対に導波路直
下のSi基板16の裏面に貼り付けても同様の効果が得
られた。
【0058】前記実施形態1,2及び3は、貼り付ける
基板材料は、BK7基板12、ゼロデュア基板17であ
ったが、一般的には導波路直下の基板と熱膨張係数が異
なる材料であれば、グレーティング15の長さ,LLD
WG及びLGの値を適当に選択することで、モードホッ
プの抑制は可能である。
【0059】前記実施形態2及び3では、ゼロデュア基
板17の貼り付け位置をグレーティング15と半導体レ
ーザ11の間の全面にしていたが、一般的にはグレーテ
ィング15と半導体レーザ11の間の一部を貼り付け位
置としても、LWGの長さを適当に選択することで、モー
ドホップの抑制は可能である。
【0060】前記実施形態1,2及び3では、Si基板
16上に搭載する半導体レーザ11を発振周波数1.3
0μmの半導体レーザ11としたが、一般的には他の発
振周波数の半導体レーザを用いても、光導波路の設計
や、貼り付ける板の材料と位置を適当に選択すること
で、モードホップの抑制が可能であることは言うまでも
ない。
【0061】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、
前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論で
ある。
【0062】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0063】基板と熱膨張係数αの異なる材料を貼り付
けるという簡便な方法で、縦モードの温度係数とグレー
ティングの反射中心周波数の温度係数を一致させ、従来
問題となっていたモードホップを容易に抑制することが
できる。
【0064】従って、本発明を用いれば低コストで、温
度依存性が小さく安定した単一モードレーザの実現が可
能となり、光通信等レーザを用いる分野において多大な
効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(実施例)1の周波数安定化
レーザの概略構成を示す摸式的断面図である。
【図2】本実施形態1の周波数安定化レーザの発振周波
数の温度依存性を示す図である。
【図3】本発明の実施形態(実施例)2の周波数安定化
レーザの概略構成を示す摸式的断面図である。
【図4】本実施形態2の周波数安定化レーザの発振周波
数の温度依存性を示す図である。
【図5】本発明の実施形態(実施例)3の周波数安定化
レーザの概略構成を示す摸式的断面図である。
【図6】本実施形態3の周波数安定化レーザの発振周波
数の温度依存性を示す図である。
【図7】従来の光誘起グレーティングを用いたレーザを
斜め上方から観察した図である。
【図8】従来の光誘起グレーティングを用いた周波数安
定化レーザにおいて温度変化によるモードホップを説明
するための図である。
【符号の説明】
11…半導体レーザ、12…熱膨張係数調整用の基板
(BK7基板)、13…石英導波路のコア層、14…石
英導波路のクラッド層、15…光誘起グレーティング、
16…Si基板、17…熱膨張係数調整用の基板(ゼロ
デュア基板)、18…シリコンテラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−229890(JP,A) 特表 昭59−500248(JP,A) Electronics Lette rs,1996年,32[13],p.1202− 1203 Optical and Quant um Electronics,1984 年,16,p.463−469 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に搭載された半導体レーザと、該
    基板上に形成された光導波路と、該光導波路に形成され
    た光誘起グレーティングからなる集積型外部共振器を用
    いた周波数安定化レーザであって、前記光誘起グレーテ
    ィング上あるいはその直下の基板裏面に該基板の熱膨張
    係数よりも大きい熱膨張係数の板状の材料を設け、光誘
    起グレーティングの反射中心周波数の温度係数を大きく
    して縦モードの温度係数に一致させることを特徴とする
    周波数安定化レーザ。
  2. 【請求項2】 基板上に搭載された半導体レーザと、該
    基板上に形成された光導波路と、該光導波路に形成され
    た光誘起グレーティングからなる集積型外部共振器を用
    いた周波数安定化レーザであって、前記光導波路上ある
    いはその直下の基板裏面に該基板よりも熱膨張係数の小
    さな板状の材料を設け、縦モードの温度係数を小さくし
    てグレーティングの温度係数に一致させることを特徴と
    する周波数安定化レーザ。
  3. 【請求項3】 基板上に搭載された半導体レーザと、該
    基板上に形成された光導波路と、該光導波路に形成され
    た光誘起グレーティングからなる集積型外部共振器を用
    いた周波数安定化レーザであって、前記光誘起グレーテ
    ィング上あるいはその直下の基板裏面に該基板の熱膨張
    係数よりも大きい熱膨張係数の板状の材料を設け、前記
    光導波路上あるいはその直下の基板裏面に該基板よりも
    熱膨張係数の小さな板状の材料を設け、光誘起グレーテ
    ィングの反射中心周波数の温度係数を大きくすると同時
    に縦モードの温度係数を小さくして両者を一致させるこ
    とを特徴とする周波数安定化レーザ。
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