JP3338626B2 - 表面プラズモン共鳴を利用した測定装置 - Google Patents

表面プラズモン共鳴を利用した測定装置

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JP3338626B2
JP3338626B2 JP8252897A JP8252897A JP3338626B2 JP 3338626 B2 JP3338626 B2 JP 3338626B2 JP 8252897 A JP8252897 A JP 8252897A JP 8252897 A JP8252897 A JP 8252897A JP 3338626 B2 JP3338626 B2 JP 3338626B2
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

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  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面プラズモン共鳴
を利用した測定装置、特に測定精度が一層向上し高感度
で測定できる表面プラズモン共鳴を利用した測定装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体や液体等の被検体中に含まれる化学
物質の検出し、被検体の濃度やpHを測定する装置とし
てプラズモン共鳴を利用した測定装置が既知であり、例
えば特開平7−159319号公報に記載されている。
この既知の測定装置では、光源としてLEDが用いら
れ、LEDから放射された光ビームをコリメータレンズ
により拡大ビームに変換し、シリンドリカルレンズを経
て一方向に集束した光ビームに変換してから高屈折率プ
リズムに入射させている。高屈折率プリズムの一面には
数十nm程度の厚さの表面プラズモン励起用の金属薄膜
が形成され、この金属薄膜が測定すべき被検体と接触す
るように配置されている。金属薄膜で全反射した反射光
は別のシリンドリカルレンズを経て2次元CCDアレイ
に入射し電気信号に変換されている。そして、プラズモ
ン励起用の金属薄膜に対する光線の入射角と測定された
反射率との関係から被検体の濃度やpH等が測定されて
いる。
【0003】この既知の測定装置では、シリンドリカル
レンズで集束された光ビームを高屈折率プリズムの金属
薄膜に入射させているので、種々の入射角の光ビームが
金属薄膜に同時に入射している。そして、金属薄膜で全
反射した反射光を受光する2次元CCDアレイの各受光
素子は金属薄膜に対して入射角が規定された反射光だけ
を受光するので、各受光素子からの出力信号は金属薄膜
に対して規定された入射角の光ビームについての反射率
を表している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した既知の表面プ
ラズモン測定装置は、光検出器の各受光素子の配置位置
が、金属薄膜に入射する光ビームの入射角に正確に対応
しているため、検出精度が比較的良好な利点がある。し
かしながら、光源として用いられているLEDがブロー
ドな発光スペクトル幅を有しているため、測定感度に難
点があり、微小な濃度やpH値を正確に検出しにくい欠
点があった。
【0005】従って、本発明の目的は、被検体中に含ま
れる化学物質及びその濃度等を高感度で測定できるプラ
ズモン共鳴を利用した測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によるプラズモン
共鳴を利用した測定装置の参考例は、レーザビームを放
出するレーザ光源と、このレーザビームを偏向するビー
ム偏向装置と、一面に表面プラズモン励起用の金属薄膜
が形成されている光学素子と、前記偏向されたレーザビ
ームをプリズム素子の金属薄膜に入射角が連続して変化
するように入射させる集束性レンズと、前記ビーム偏向
装置の偏向方向と対応する方向に沿って配列した複数の
受光素子を有するリニアイメージセンサと、前記ビーム
偏向装置の駆動を制御するビーム偏向装置駆動回路と、
前記リニアイメージセンサの読出を制御するリニアイメ
ージセンサ読出回路とを具えることを特徴とする。
【0007】本発明では、測定感度を改善するため、光
源としてレーザ光源を用いる。レーザ光源は、発光スペ
クトル幅が狭いためR−θ曲線に鋭い吸収ピークを与
え、測定感度を大幅に改善することができる。しかしな
がら、レーザ光はスペックルパターンのような光学的ノ
イズが発生し易すいため、上述した既知の表面プラズモ
ン測定装置の光源としてレーザ光源を用いただけでは逆
に検出精度が低下する不都合が生じてしまう。そこで、
本発明では、レーザ光源の出射側にビーム偏向装置を配
置すると共に、光検出器として複数の受光素子がライン
状に配置されたリニアイメージセンサを用いる。レーザ
から出射したレーザ光を一方向に周期的に偏向して光学
素子に入射させれば、たとえレーザビーム中にスペック
ルパターン等の光学的ノイズが発生しても、各受光素子
に入射する全ての反射ビーム中に同一のノイズ成分が含
まれるので、光検出器からの出力信号にはノイズとして
検出されず、従ってレーザ光源を用いる利点を維持しな
がら良好な測定精度を得ることができる。
【0008】本発明では、ビーム偏向装置をスペックル
パターンの除去に用いると共に、高屈折率プリズムに対
する入射角を変化させるためにも用いる。すなわち、ビ
ーム偏向装置の出射側に集束性レンズを配置し、このレ
ンズの後側焦点をビーム偏向装置の出射点と一致させ前
側焦点を金属薄膜の表面上に位置するように配置すれ
ば、偏向されたレーザ光を収束性レンズを介してプリズ
ム素子に入射させることにより、プリズム素子の金属薄
膜には入射角が時間的に連続して変化するレーザ光が入
射することになる。そして、金属薄膜で全反射した反射
光はリニアイメージセンサ上を一定の周波数で走査する
ことになる。従って、リニアイメージセンサの各受光素
子の出力信号を読み出せば入射角に対する反射光強度を
高精度に測定することができる。
【0009】ここで重要なことは、リニアイメージセン
サの各受光素子をビーム偏向装置の偏向方向と対応する
方向に沿って配置することにより、リニアイメージセン
サの各受光素子の配置位置が入射角に対応するので、リ
ニアイメージセンサの読出周波数をビーム偏向装置の偏
向周波数に対して無関係に独立して設定できることであ
る。これに対して、プリズム素子からの反射光をフォト
マルのような光検出器で検出したのでは、光検出器とビ
ーム偏向装置との間で同期をとるために複雑な処理回路
が必要であり、測定装置が複雑化してしまう。従って、
本発明による測定装置は、複雑な同期回路を用いること
なく測定感度を大幅に改善することができる。
【0010】本発明による表面プラズモン共鳴を利用し
た測定装置の好適実施例は、ビーム偏向装置の偏向周波
数をリニアイメージセンサの読出周波数よりも高くした
ことを特徴とする。光ビームが金属薄膜に入射した際に
生ずる反射光のエネルギー消失は比較的微弱であること
が多く、測定感度が不足してノイズの影響を受け易い特
性がある。この場合、フォトマルのような高感度な光検
出器を用いざるを得なくなってしまう。しかしながら、
上述したように、フォトマルを用いる場合複雑な同期回
路が必要であり、装置の構造が複雑になってしまう。一
方、本発明者が種々の実験及び解析を行った結果、発生
するノイズは一般的に入射角に対してランダムに発生す
ることが判明した。一方、エネルギー消失が生ずる入射
角は常時一定している。従って、ビーム偏向装置の偏向
周波数をリニアイメージセンサの読出周波数よりも高速
に設定してプリズム素子からの反射ビームでリニアイメ
ージセンサを複数回走査してからリニアイメージセンサ
の各受光素子に蓄積された電荷を読み出せば、ノイズが
平均化され測定精度が大幅に向上する。ここで重要なこ
とは、リニアイメージセンサが電荷蓄積能力を有してい
るので、プリズム素子からの反射光でリニアイメージセ
ンサを複数回走査してからリニアイメージセンサに蓄積
された電荷を読出せば、測定感度は走査回数に応じて増
大するので、この結果測定感度が大幅に向上すると共に
ノイズが平均化され、測定精度及び感度の両方を向上さ
せることができる。
【0011】本発明による表面プラズモン共鳴を利用し
た測定装置は、ビーム偏向装置を音響光学素子で構成し
たことを特徴とする。ビーム偏向装置として、ガルバノ
ミラー、振動ミラー、ポリゴンミラー、或いは音響光学
素子を用いることができる。しかし、ガルバノミラー、
振動ミラー、ポリゴンミラーのような偏向装置は機械的
な駆動機構であり駆動速度が比較的遅いため、リニアイ
メージセンサの読出と対応しにくい欠点がある。通常市
販されているリニアイメージセンサの読出周波数は、上
記機械的な偏向装置の駆動周波数よりも高速であるた
め、特別な制御回路を用いてリニアイメージセンサの読
出周波数を低速に変換する必要がある。これに対して、
音響光学素子の偏向周波数はリニアイメージセンサの読
出周波数よりもはるかに高速であるため、市販のリニア
イメージセンサをそのまま光検出器として用いることが
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明によるプラズモン共
鳴を利用した測定装置の一例の構成を示す線図である。
レーザ光源1から測定用のレーザ光を放出する。レーザ
光源としHe−Neレーザ、Arレーザ、色素レーザ等
の種々のレーザを用いことができる。放出されたレーザ
光はハーフミラー2に入力し、その反射光は反射して光
検出器3に入射し、レーザ光源1の放出強度制御に用い
られる。ハーフミラー2を通過したレーザ光は偏光子4
によりP偏向した光に変換され、音響光学素子5に入射
する。音響光学素子5は、音響光学素子駆動回路6から
の駆動信号により、入射したレーザ光を高速で周期的に
偏向する。本例では、レーザ光を紙面内で偏向するもの
とする。偏向されたレーザ光は、収束性レンズ7を経て
高屈折率のプリズム素子8の底面に形成したプラズモン
励起用の金属薄膜9に入射して光スポットを形成する。
レンズ7は、その前側焦点が音響光学素子の出射点と一
致しその後側焦点が金属薄膜9の入射点と一致するよう
に配置する。従って、プリズム素子8の金属薄膜9に
は、入射角が時間的に連続して変化するレーザ光が周期
的に入射する。
【0013】プラズモン励起用に金属薄膜として、白
金、銀、アルミニウム、銅等の金属薄膜を用いることが
できる。また、金属薄膜の表面に誘電体層を保護層とし
てコーティングすることもでき、或いは生化学やバイオ
系で測定する場合金属薄膜上に抗原や抗体を含む皮膜を
形成することができる。プリズム素子の金属薄膜9は測
定すべき試料10と接触するように配置する。特定の入
射角のP偏光したレーザ光が金属薄膜に入射すると、試
料10と金属薄膜9との間の界面にエバネッセント波が
発生すると共に金属薄膜にも表面プラズモンが励起さ
れ、これらの表面波の共鳴により特定の入射角のレーザ
光にエネルギー消失が生ずる。発生する減光は、金属薄
膜9と接する試料10の濃度、屈折率、誘電率等に応じ
て定まる。従って、入射角と全反射した反射光強度との
関係を求めることにより測定すべき試料の濃度、pH
値、屈折率、誘電率等が求められる。
【0014】金属薄膜9で全反射した光ビームはプリズ
ム素子8を出射し、レンズ素子11により平行ビームに
変換されてリニアイメージセンサ12にほぼ垂直に入射
する。リニアイメージセンサ12は、音響光学素子5の
偏向方向に沿ってライン状に配列された複数の受光素子
有する。従って、プリズム素子8の金属薄膜9で全反射
した光ビームは、リニアイメージセンサ12の各受光素
子上を音響光学素子5の偏向周波数で走査することにな
る。ここで、各受光素子の配置位置は、試料10に入射
するレーザ光の金属薄膜に対する入射角に対応している
から、各受光素子は特定の入射角で金属薄膜に入射した
レーザ光による反射光だけを受光することになる。従っ
て、各受光素子に蓄積された電荷を読出せば、入射角と
反射率との関係を求めることができる。ここで重要なこ
とは、リニアイメージセンサの各受光素子の配置位置が
入射角を表すため、リニアイメージセンサの読出周波数
を音響光学素子5の偏向周波数と同期させる必要がない
ことである。
【0015】リニアイメージセンサ12の各受光素子に
蓄積された電荷はリニアイメージセンサ読出回路13か
らの読出信号により一定の周期で読出され、制御兼信号
処理回路14に供給する。制御兼信号処理回路14は、
リニアイメージセンサの各受光素子のアドレス及びその
出力信号から入射角θと反射率との関係を求めてディス
プレイ15に供給して入射角θと反射率Rとの関係を表
示することができる。このように構成すれば、測定すべ
き試料の濃度変化等をリアルタイムで表示することがで
きる。
【0016】制御兼信号処理回路14は音響光学素子駆
動回路6の偏向周波数を制御するための制御信号を発生
すると共に、リニアイメージセンサの読出周波数を制御
する読出制御信号も発生する。また、光検出器3からの
出力信号を用いてレーザ駆動回路16への制御信号を発
生してレーザ光源1からの出力光を常時一定の強度とな
るように制御することができる。
【0017】表面プラズモン共鳴により減光される光量
は、測定すべき試料又は測定項目によって微弱である場
合が多い。このような場合、ノイズの影響により吸収が
生ずる入射角を正確に検出しにくい不都合が生じてしま
う。このため、音響光学素子5の偏向周波数をリニアイ
メージセンサ12の読出周波数よりも高く設定し、金属
薄膜9で全反射した光ビームでリニアイメージセンサ1
2を複数回走査してからリニアイメージセンサの各受光
素子に蓄積した電荷を読出すこともできる。リニアイメ
ージセンサは電荷蓄積能力を有しているから、複数回走
査してから電荷を読出せば一層大きな出力を得ることが
でき、例えば2回走査してから読出せば2倍の大きさの
出力信号を発生させることができる。この場合、常時一
定の位置の受光素子の出力信号に光吸収が発生するの
で、測定感度を大幅に改善することができ、光吸収が微
弱であっても正確に測定することができる。
【0018】上記測定感度に関連して、制御兼信号処理
回路14に測定感度レベル入力装置17を接続する。そ
して、操作者は測定感度レベル入力装置17から測定感
度を入力することができる。制御兼信号処理回路14
は、入力された感度レベル信号に応じてリニアイメージ
センサ12の読出周波数を切替える。例えば、測定感度
レベルが比較的高い測定試料を測定する場合、音響光学
素子5の偏向周波数とリニアイメージセンサ12の読出
周波数とを等しく設定する。一方、測定感度レベルが比
較的低い試料について測定する場合、偏向周波数に対す
る読出周波数を1/2,1/3,1/4等により遅くな
るように切替える。例えば、読出周波数をビーム偏向周
波数に対して1/4に切替えれば、リニアイメージセン
サの各受光素子は、金属薄膜からの反射ビームにより4
回走査されてから蓄積された電荷が読み出されるので、
測定感度の低い試料についても高感度でθ−Rの関係を
出力することができる。このように、制御兼信号処理回
路14が入力された感度レベル信号に応じてリニアイメ
ージセンサ12の読出周波数を切替えることにより、測
定対策試料又は測定項目に応じて適切な測定感度レベル
を設定することができる。
【0019】図2は本発明による表面プラズモン共鳴を
利用した測定装置に用いる光源系の変形例を示す線図で
ある。音響光学素子の偏向角は比較的小さいため、表面
プラズモン励起用の金属薄膜に対するレーザビームの入
射角の範囲が比較的小さくなってしまう。このため、本
例では、音響光学素子を用いても十分に大きな偏向角し
たがって金属膜に対する入射角を大きく設定できる光学
系を実現する。レーザ光学21から放射された光ビーム
を2個のレンズ22a及び23bから成る拡大光学系2
2により拡大平行ビームに変換し、この拡大平行ビーム
を音響光学素子23に投射して入射ビームを偏向信号に
応じた方向に偏向する。図面上偏向されずに通過する光
ビームを破線で示し、偏向された光ビームを実線で示
す。尚、説明を明瞭にするため、音響光学素子23への
入射ビームの光軸と出射ビームの光軸とをずらして図示
した。音響光学素子22の出射側に2個の凸レンズ24
a及び24bから成る縮小光学系24を配置する。これ
ら凸レンズ24a及び24bはそれぞれ焦点距離f1
びf2 を有し、凸レンズ24aの前側焦点が凸レンズ2
4bの後側焦点と一致するように配置する。音響光学素
子23からの偏向ビームは光軸Lに対して角度θ1 の偏
向角をなすものとする。この偏向ビームは凸レンズ24
aによりその焦点面上に結像するるこの結像点は凸レン
ズ24bに対して物点として作用するから、凸レンズ2
4bを通過し縮小平行ビームに変換されて出射する。こ
の縮小光学系24の縮小率δはδ=f2 /f1 で表わす
ことができる。この場合、幾何光学の原理から明らかな
ように、縮小平行ビームは光軸Lに対して角度θ2 をな
し、この角度θ2 はθ2 ≒θ1 /δとして表わすことが
できる。この結果、音響光学素子23からの偏向ビーム
の偏向角は1/δ倍だけ拡大されることになる。尚、こ
の作用は、偏向ビームの中心光線L1 が凸レンズ4aの
後側小伝−F1 を通過するものとするとすれば、図1か
ら容易に理解できる。すなわち、光線L1 は凸レンズ2
4aの後側焦点−F1 を通過した後光軸Lに対して平行
光線となり、前側焦点+F1 (−F2 )を通過し凸レン
ズ24bに入射する。そして、凸レンズ24bの前側焦
点+F2 を通過する。今、音響光学素子23の偏向角θ
1 をtan θ1 =k/f1 とする。ここでkは像高を表わ
す光軸Lからの距離とする。偏向角θ1 は微小角である
からsin θ1 ≒θ1 と近似すると、θ1 =k/f1 とな
る。一方、この光線L1 が凸レンズ24bを出射した後
の光軸となす角度θ2 は、tan θ2 =k/f2 となる。
また、sin θ2 ≒θ2 と近似すると、θ2 ≒k/f2
なる。この結果、θ2 ≒θ1 ・f1 /f2 =θ1/δが
成立し、音響光学素子24からの偏向ビームの偏向角
は、縮小光学系24の縮小率δの1/δ倍だけ拡大され
ることになる。
【0020】上述した説明から明らかなように音響光学
素子からの偏向ビームを縮小平行ビームに変換すれば、
その縮小率の逆数にほぼ等して倍率だけ偏向ビームの偏
向角を拡大することができる。このため、本発明では、
音響光学素子の入射側に拡大光学系を配置し出射側には
縮小光学系を配置して偏向角を拡大させる。拡大光学系
は、通常用いられているエキスパンダ光学系をそのまま
利用でき、或いはエキスパンダとは別に拡大光学系を配
置することもできる。また、拡大光学系の拡大率と縮小
光学系の縮小率の逆数は必ずしも一致させる必要はな
い。しかし、一致させることにより拡大光学系と縮小光
学系とを同一の光学系で構成できる大きな利点を達成で
きる。また、拡大光学系及び縮小光学系は、光軸と直交
する面内において二次元的に拡大及び縮小させてもよ
く、或いは偏向方向に一次元的に拡大および縮小する構
成とすることもできる。偏向方向に一次元的に拡大及び
縮小する場合、一方向に伸長した形状、すなわち直方形
の断面形状の音響光学素子を用いることができ、二次元
的に拡大及び縮小する場合に比べて音響光学素子の体積
が小さくなり、安価な音響光学素子を用いることができ
る。このように構成すれば、音響光学素子を用いても金
属膜に対して十分に大きな入射角の範囲を得ることがで
きる。
【0021】本発明は上述した実施例だけに限定されず
種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施
例ではビーム偏向装置として音響光学素子を用いたが、
振動ミラーやガルバノミラー又はポリゴンミラーのよう
なビーム偏向装置を用いることもできる。勿論、これら
のミラーの偏向周波数をリニアイメージセンサの読出周
波数よりも高くし、プリズム素子からの反射ビームで複
数回リニアイメージセンサを走査してからリニアイメー
ジセンサの各受光素子に蓄積された電荷を読出すことも
できる。
【0022】さらに、上述した実施例ではプリズム素子
にレーザ光を投射する収束性レンズとして球面レンズを
用いたが、シリンドリカルレンズを用いて線状のレーザ
ビームをプリズム素子に入射させることができる。この
場合、測定すべき試料として多数の導管に液体試料が流
通するものを用いて多数の試料を同時に測定するマルチ
チャネル測定を行うことができる。
【0023】さらに、表面プラズモン励起用の金属薄膜
を支持する光学素子として種々の形態のものを用いるこ
とができ、例えば断面が三角形のプリズム素子、断面が
半円形の円柱状のプリズム素子等を用いることができ
る。
【0024】上述した実施例では、リニアイメージセン
サの前側にレンズ素子を配置してプリズム素子からの反
射光を平行光に変換してからリニアイメージセンサに入
射させる構成としたが、リニアイメージセンサの各受光
素子の受光特性が入射角に大きな依存性を有しない場
合、必ずしもこのレンズ素子を用いる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面プラズモン共鳴を利用した測
定装置の一例の構成を示す線図である。
【図2】ビーム偏向光学系の変形例を示す線図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 ハーフミラー 3 光検出器 4 偏光子 5 音響光学素子 6 音響光学素子駆動回路 7 収束性レンズ 8 プリズム素子 9 金属薄膜 10 試料 11 レンズ素子 12 リニアイメージセンサ 13 リニアイメージセンサ読出回路 14 信号処理回路 15 ディスプレイ 16 レーザ駆動回路 17 感度レベル入力装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/74 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを放出するレーザ光源と、
    このレーザビームを偏向するビーム偏向装置と、表面プ
    ラズモン励起用の金属薄膜を支持する光学素子と、前記
    偏向されたレーザビームを前記光学素子の金属薄膜に入
    射角が連続して変化するように入射させる集束性レンズ
    と、前記ビーム偏向装置のビーム偏向方向と対応する方
    向に沿って配列した複数の受光素子を有するリニアイメ
    ージセンサと、前記ビーム偏向装置の駆動を制御するビ
    ーム偏向装置駆動回路と、前記リニアイメージセンサの
    読出を制御するリニアイメージセンサ読出回路とを具
    え、前記ビーム偏向装置の偏向周波数をリニアイメージ
    センサの読出周波数よりも高くしたことを特徴とする表
    面プラズモン共鳴を利用した測定装置。
  2. 【請求項2】 前記ビーム偏向装置を音響光学素子で構
    成したことを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモ
    ン共鳴を利用した測定装置。
  3. 【請求項3】 レーザビームを放出するレーザ光源と、
    このレーザビームを周期的に偏向するビーム偏向装置
    と、表面プラズモン励起用の金属薄膜を支持する光学素
    子と、前記周期的に偏向されたレーザビームを前記光学
    素子に形成されている金属薄膜に入射角が連続して変化
    するように入射させる集束性レンズと、前記ビーム偏向
    装置のビーム偏向方向と対応する方向に沿って配列した
    複数の受光素子を有し、各受光素子に蓄積された電荷が
    周期的に読み出されるリニアイメージセンサと、前記ビ
    ーム偏向装置を駆動する駆動信号を発生するビーム偏向
    装置駆動回路と、前記リニアイメージセンサの読出信号
    を発生するリニアイメージセンサ読出回路と、制御兼信
    号処理回路とを具え、前記制御兼信号処理回路が、前記
    ビーム偏向装置のビーム偏向周波数及びリニアイメージ
    センサの読出周波数を制御することを特徴とする表面プ
    ラズモン共鳴を利用した測定装置。
  4. 【請求項4】 前記制御兼信号処理回路に測定感度レベ
    ル入力手段を接続し、この測定感度レベル入力手段から
    入力された感度レベルに応じて、前記制御兼信号処理回
    路が、前記ビーム偏向装置のビーム偏向周波数に対する
    リニアイメージセンサの読出周波数を切替えることを特
    徴とする請求項に記載の表面プラズモン共鳴を利用し
    た測定装置。
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