JP3338418B2 - 無線基地局 - Google Patents

無線基地局

Info

Publication number
JP3338418B2
JP3338418B2 JP2000018867A JP2000018867A JP3338418B2 JP 3338418 B2 JP3338418 B2 JP 3338418B2 JP 2000018867 A JP2000018867 A JP 2000018867A JP 2000018867 A JP2000018867 A JP 2000018867A JP 3338418 B2 JP3338418 B2 JP 3338418B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
threshold value
base station
value
electric field
mobile station
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000018867A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001211473A (ja
Inventor
明 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2000018867A priority Critical patent/JP3338418B2/ja
Publication of JP2001211473A publication Critical patent/JP2001211473A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3338418B2 publication Critical patent/JP3338418B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radio Transmission System (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)
  • Radio Relay Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の移動局との
間で空間多重により無線通信を行う無線基地局に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、PHS、携帯電話等の移動局の増
加に伴い、周波数資源の有効利用に対する社会的要請が
高まっている。この要請に応える方法の1つに、空間多
重方式による通信がある。空間多重方式とは、無線基地
局において、送受信ともに、指向性を形成するアダプテ
ィブアレーアンテナを用いることにより、異なる方向に
ある複数の移動局と無線基地局との間で同時刻において
1つの周波数を用いて多重して通信する方式である。
【0003】空間多重方式において、既に1台の移動局
が通信中である場合に、新たに別の移動局を空間多重し
ようとするとき、無線基地局は、次に示すようにして、
空間多重をするか否かを判断する。各無線基地局は、あ
らかじめそれぞれ所定の値が設定されている相関値しき
い値及び電界強度比しきい値とを記憶している。
【0004】また、無線基地局は、既に通信中の移動局
及び新たに通信しようとする移動局の応答ベクトルを算
出する。ここで、応答ベクトルは、移動局の存在する方
向を示す情報である。次に、算出した2個の応答ベクト
ル間の相関値を計算する。また、前記2台の移動局の電
界強度を測定し、測定した2個の電界強度間の電界強度
比(D波レベル比)を算出する。ここで、電界強度比
は、0より大きく、1以下の値をとるものとし、算出さ
れた電界強度比が1以上の場合には、その逆数とする。
【0005】次に、応答ベクトルの相関値が相関値しき
い値より小さい又は等しい(条件1)とき、かつ、2個
の電界強度間の電界強度比が電界強度比しきい値より大
きい又は等しい(条件2)ときに、無線基地局と移動局
との間の通信品質が良いと考えられるので、無線基地局
は、移動局との間で、空間多重方式により通信を行う。
【0006】一方、前記条件1を満たさないとき、又は
前記条件2を満たさないとき、無線基地局と移動局との
間の通信品質が良くないと考えられるので、無線基地局
は、移動局との間で、他の空き通信チャネルを用いて通
信し、他の無線基地局へ通信を移し、又は通信を拒否す
る。このようにして、無線基地局と移動局との間で、一
定のトラフィック量を確保しつつ、一定の通信品質を保
証する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】無線基地局の通信環境
や通信状態により、無線基地局と移動局との間の通信品
質は異っているが、無線基地局は、固定的に設定された
相関値しきい値及び電界強度比しきい値を用いて、空間
多重を行うか否かを決定するので、無線基地局と移動局
との間で、一定のトラフィック量の確保と、一定の通信
品質の保証との間の関係を最適化できないという問題点
がある。
【0008】上記問題点を解決するために、本発明は、
無線基地局と移動局との間において、一定のトラフィッ
ク量の確保と、一定の通信品質の保証との間の関係を最
適にすることができる無線基地局を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、複数の移動局との間で空間多重により
無線通信を行う無線基地局であって、あらかじめしきい
値を記憶しているしきい値記憶手段と、新たに無線通信
しようとする移動局との間の通信品質を示す品質指標値
を算出する第1算出手段と、算出された前記品質指標値
と前記しきい値とを比較して、空間多重を行うか否かを
判断する多重判断手段と、空間多重を行うと判断される
場合に、前記移動局との間で空間多重により無線通信を
行う通信手段と、無線基地局の通信環境状態を示す状態
指標値を算出する第2算出手段と、算出された状態指標
値に応じて、しきい値記憶手段に記憶されているしきい
値を更新するしきい値更新手段とを備えることを特徴と
する。
【0010】ここで、前記しきい値記憶手段は、しきい
値として、第1しきい値と第2しきい値とをあらかじめ
記憶しており、前記第1算出手段は、品質指標値とし
て、既に通信中の移動局及び新たに無線通信しようとす
る移動局の応答ベクトル間の相関値と、前記2個の移動
局の電界強度間の電界強度比とを算出し、前記多重判断
手段は、前記相関値と前記第1しきい値とを比較し、又
は前記電界強度比と前記第2しきい値とを比較して、空
間多重を行うか否かを判断し、前記しきい値更新手段
は、算出された状態指標値に応じて、しきい値記憶手段
に記憶されている第1しきい値又は第2しきい値を更新
するように構成してもよい。
【0011】ここで、前記多重判断手段は、前記相関値
が前記第1しきい値より小さいか又は等しい場合、か
つ、前記電界強度比が前記第2しきい値より大きいか又
は等しい場合に、空間多重を行うと判断するように構成
してもよい。ここで、前記第1算出手段は、状態指標値
として、空間多重により無線通信している移動局の通信
チャネルを単位時間当りに変更した回数を示す干渉回避
起動数、無線基地局の周囲に設置されている他の無線基
地局の設置密度、又は前記多重判断手段により前記品質
指標値と前記しきい値とを比較して空間多重を行わない
と判断されることにより単位時間当りにリンクチャネル
割当を拒否した拒否回数を算出し、前記しきい値更新手
段は、算出された状態指標値としての前記干渉回避起動
数、前記設置密度、又は前記拒否回数に応じて前記しき
い値を更新するように構成してもよい。
【0012】ここで、前記しきい値更新手段は、定期的
にしきい値を更新するように構成してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の1の実施の形態としての
無線基地局100について説明する。無線基地局100
は、PHS規格で定められた時分割多重方式(TDMA
/TDD、Time Division Multip
le Access/Time Division D
uplex)によりPHS移動局(以下、移動局と呼
ぶ。)と無線接続し、前記時分割多重に加えて、さらに
空間多重を行って移動局と通信する。 1 無線基地局100の構成 無線基地局100は、図1に示すように、アンテナ部1
1〜14、無線部21〜24、信号処理部50、モデム
部60、ベースバンド部70、制御部80及び情報記憶
部90から構成される。 (1)ベースバンド部70 ベースバンド部70は、ISDN回線を介して、交換機
と接続されている。
【0014】ベースバンド部70は、ISDN回線を介
して、パケットデータを受信し、受信したパケットデー
タからトラフッィク情報を抜き出し、TDMA変調処理
及び空間多重処理を行って、複数個のチャネルを介し
て、抜き出したトラフィック情報を複数個のベースバン
ド信号に分解し、モデム部60へ出力する。ここで、前
記TDMA変調処理は、PHS規格に従って1個のTD
MA/TDDフレーム内に4個のチャネルを多重する。
1個のTDMA/TDDフレームは、4個の送信タイム
スロットと、4個の受信タイムスロットとから構成され
る。送信タイムスロット及び受信タイムスロットの各々
1個のタイムスロットは、時分割多重による1のチャネ
ルを構成する。各タイムスロットは、5mS長である。
さらに、前記空間多重処理は、前記各チャネルにつき最
大4個の信号を多重する。従って、TDMA変調処理及
び空間多重処理により、1個のTDMA/TDDフレー
ム内に最大16個のチャネルにより多重化される。
【0015】また、ベースバンド部70は、1個のTD
MA/TDDフレーム内の最大16個のチャネルを介し
て、モデム部60から複数のベースバンド信号を受け取
り、複数の受け取ったベースバンド信号からパケットデ
ータを生成し、生成したパケットデータをISDN回線
を介して、出力する。 (2)モデム部60 モデム部60は、信号処理部50からπ/4シフトQP
SK(Quadrature Phase Shift
Keying)により変調されたベースバンド信号を
受け取り、変調されたベースバンド信号を復調して、ベ
ースバンド信号を生成し、生成したベースバンド信号を
ベースバンド部70へ出力する。
【0016】また、モデム部60は、ベースバンド部7
0からベースバンド信号を受け取り、受け取ったベース
バンド信号をπ/4シフトQPSKにより変調し、変調
されたベースバンド信号を信号処理部50へ出力する。
なお、モデム部60は、1個の時分割チャネルにおいて
空間多重される最大4つのTDMA/TDDフレームに
ついて、前記変調及び前記復調を並列して行う。 (3)情報記憶部90 情報記憶部90は、しきい値テーブル200、品質指標
値テーブル300、情報記憶テーブル400及び無線基
地局テーブル500を有している。 (しきい値テーブル200)しきい値テーブル200
は、図2に一例として示すように、無線基地局100の
通信環境状態を示す状態指標値201である干渉回避起
動数211と、設置密度212と、拒否回数213と、
しきい値202である相関値しきい値214と電界強度
比しきい値215とから構成される組をあらかじめ複数
個記憶している。
【0017】ここで、干渉回避起動数211は、通信チ
ャネル切替回数及びハンドオーバ回数の和である。通信
チャネル切替回数とは、通信品質が悪いときに、無線基
地局が移動局に対して通信チャネルを切り換えるように
指示する単位時間当たりの回数であり、単位時間は、1
日である。例えば、干渉波によって妨害を受けるような
場合に、同じセル内でも妨害の少ない無線チャネルを選
択して切り替えることがある。また、ハンドオーバ回数
とは、ハンドオーバが発生する単位時間当たりの回数で
あり、ハンドオーバとは、移動機が通話しながら複数の
セルを横断するときに、通話中であっても移行先セルの
無線チャンネルに切り替えることをいう。また、自無線
基地局に空きチャネルがなく、他の無線基地局に通信チ
ャネルを切り換える場合にも、発生する。
【0018】設置密度212は、無線基地局100の近
辺に設置されている他の無線基地局の数である。拒否回
数213は、通信品質不良によりリンクチャネル割当が
拒否された単位時間当たりの回数であり、単位時間は、
1日である。相関値しきい値214は、既に通信チャネ
ルが割り当てられている移動局の応答ベクトルと新たに
空間多重される移動局の応答ベクトルとの相関値に関す
るしきい値である。
【0019】電界強度比しきい値215は、既に通信チ
ャネルが割り当てられている移動局の電界強度と新たに
空間多重される移動局の電界強度との比に関するしきい
値である。図2に一例として示すように、干渉回避起動
数211は、「〜10」、「11〜50」、「51〜1
00」及び「101〜」の4種類の値の範囲を有する。
設置密度212は、「〜10」及び「11〜」の2種類
の値の範囲を有する。また、拒否回数213は、「〜1
0」、「11〜100」及び「101〜」の3種類の値
の範囲を有する。これらの範囲の組み合せにより、しき
い値テーブル200は、状態指標値201をあらかじめ
24個記憶しており、これらの24個の状態指標値20
1に対応する24個のしきい値202が設定されてい
る。 (品質指標値テーブル300)品質指標値テーブル30
0は、図3に一例として示すように、各TDMA/TD
Dフレーム内の各タイムスロットについて、空間多重さ
れる4個のチャネルを用いる移動局の応答ベクトル30
3と電界強度304との組を4個格納する領域をn個有
している。
【0020】ここで、n=(TDMA/TDDフレーム
の数)× 4(フレーム内のタイムスロットの数)であ
る。図3に一例として示すように、タイムスロット番号
301が「1」のタイムスロットについて、空間多重番
号302が「1」のチャネルを用いる移動局の応答ベク
トルは、「R1」であり、電界強度は、「I1」であ
り、空間多重番号302が「2」のチャネルを用いる移
動局の応答ベクトルは、「R2」であり、電界強度は、
「I2」であり、空間多重番号302が「3」及び
「4」のチャネルは、まだ用いられていないので、それ
ぞれ、応答ベクトル及び電界強度は、「空白」である。 (情報記憶テーブル400)情報記憶テーブル400
は、図4に一例として示すように、前の干渉回避起動数
Eb、現在の干渉回避起動数Et、現在の設置密度D
t、前の拒否回数Rb、現在の拒否回数Rt、相関値し
きい値Jt、電界強度比しきい値Kt及び多重化フラグ
Fをそれぞれ記憶する領域を有している。
【0021】前の干渉回避起動数Ebは、現時点より1
個前の単位時間において、計数された干渉回避起動数を
示す。現在の干渉回避起動数Etは、現時点を含む単位
時間において、計数中の干渉回避起動数である。現在の
設置密度Dtは、現時点における無線基地局100の近
辺に設置されている他の無線基地局の数である。
【0022】前の拒否回数Rbは、現時点より1個前の
単位時間において、計数された拒否回数である。現在の
拒否回数Rtは、現時点を含む単位時間において、計数
中の拒否回数である。相関値しきい値Jtは、既に通信
チャネルが割り当てられている移動局の応答ベクトルと
新たに空間多重される移動局の応答ベクトルとの相関値
に関するしきい値であり、空間多重を行うか否かを判断
するために用いられる。
【0023】電界強度比しきい値Ktは、既に通信チャ
ネルが割り当てられている移動局の電界強度と新たに空
間多重される移動局の電界強度との比に関するしきい値
であり、空間多重を行うか否かを判断するために用いら
れる。多重化フラグFは、空間多重を行うか否かの判断
結果を示す。多重化フラグFが「1」のときに、空間多
重を行うことを示し、多重化フラグFが「0」のとき
に、空間多重を行わないことを示す。 (無線基地局テーブル500)無線基地局テーブル50
0は、図5に一例として示すように、無線基地局ID5
01と電界強度502との組を複数個記憶する領域を有
する。
【0024】無線基地局ID501は、無線基地局10
0の他の無線基地局を識別する識別子であり、電界強度
502は、その識別子により識別される無線基地局の電
界強度である。無線基地局ID501と電界強度502
との組は、電界強度の強い順に並べられて記憶される。 (4)信号処理部50 信号処理部50は、信号調整部51、応答ベクトル算出
部53及びRSSI検出部54から構成され、具体的に
は、プログラマブルなDSP(DigitalSign
al Processor)により実現される。 (信号調整部51)信号調整部51は、無線部21〜2
4から、それぞれ信号を受け取り、各TDMA/TDD
フレーム内の4個の受信タイムスロットにおいて、受け
取った信号の内容が予め分かっている部分について、受
信されるべき信号との誤差を減らすように、無線部21
〜24の各送受信信号の振幅と位相とを調整することに
より、移動局ごとに指向性パターンを形成し、これによ
り、無線部21〜24から受け取った空間多重された信
号から移動局ごとの信号を分離してモデム部60へ出力
し、また、モデム部60から受け取った信号を所望の移
動局のみへ送信されるよう空間多重して無線部21〜2
4へ出力する。 (RSSI検出部54)RSSI検出部54は、各TD
MA/TDDフレーム内のタイムスロットごとに、当該
タイムスロットにおいて無線部21〜24が受信した移
動局の電界強度を検出し、リンクチャネルの確立してい
ない移動局について、検出した電界強度を制御部80へ
出力する。また、リンクチャネルの確立した移動局につ
いて、検出した電界強度を品質指標値テーブル300
の、当該タイムスロット及び空間多重番号により特定さ
れる領域に書き込む。
【0025】また、他の無線基地局の電界強度を検出
し、他の無線基地局を識別する識別子とともに、検出し
た電界強度を、電界強度の強い順に、無線基地局テーブ
ル500に書き込む。なお、RSSI検出部54は、移
動局からリンクチャネルの割当要求があったときに、前
記の検出を行う。 (応答ベクトル算出部53)応答ベクトル算出部53
は、各TDMA/TDDフレーム内のタイムスロットご
とに、無線部21〜24から受け取った信号と信号調整
部51により調整された信号とに基づいて、当該タイム
スロットにおいて通信している移動局の方向情報を含む
応答ベクトルを、次に示すようにして、算出する。
【0026】移動局a、移動局b、移動局c、移動局d
から空間多重されて送信され、それぞれ無線部21〜2
4が受信した信号X1 、X2 、X3 及びX4 並びに移動
局a、移動局b、移動局c、移動局dから理想的に受信
されるべき信号Aa 、Ab 、Ac 及びAd について、 X1 =h1aAa +h1bAb +h1cAc +h1dAd X2 =h2aAa +h2bAb +h2cAc +h2dAd X3 =h3aAa +h3bAb +h3cAc +h3dAd X4 =h4aAa +h4bAb +h4cAc +h4dAd と表わすとき、応答ベクトル算出部53は、Ra=(h1
a、h2a、h3a、h4a)を算出する。
【0027】ここで、Raは、移動局aの応答ベクトル
である。論理的には、無線部21に受信された信号X1
と、移動局aから理想的に受信されるべき信号Aa との
相関をとることで、他局の信号の項が除かれh1aが求ま
るが、移動局で信号の全体にわたってAa を知ることは
不可能なため、信号調整部51によって分離された移動
局aの信号Uaを代用してh1aを漸近的に求めている。
h2a、h3a、h4aについても各々の無線部に受信された
信号と、分離された移動局aの信号Ua との相関をとる
ことで求まる。
【0028】移動局b、移動局c、移動局dの応答ベク
トルRb 、Rc 、Rd 、についても同様にして算出す
る。応答ベクトル算出部53は、リンクチャネルの確立
した移動局について、算出した応答ベクトルを品質指標
値テーブル300内の、当該タイムスロット及び当該空
間多重チャネルを識別する空間多重番号により特定され
る領域に書き込む。リンクチャネルの確立していない移
動局について、算出した応答ベクトルを制御部80へ出
力する。
【0029】なお、応答ベクトル算出部53は、移動局
からリンクチャネルの割当要求があったときに、前記の
算出を行う。 (5)アンテナ部11〜14、無線部21〜24 アンテナ部11〜14は、アダプティブアレイアンテナ
である。アンテナ部11〜14は、それぞれ無線部21
〜24に接続している。
【0030】無線部21は、ハイパワーアンプ等を含む
送信部111と、ローノイズアンプ等を含む受信部11
2とから構成される。送信部111は、信号処理部50
から入力された低周波信号を高周波信号に変換し、送信
出力レベルにまで増幅してアンテナ部11に出力する。
送信部111は、制御部80からの指示に応じて、ハイ
パワーアンプのゲインを制御する等して送信出力を調整
する。受信部112は、アンテナ11部に受信された高
周波信号を低周波信号に変換し、増幅して信号処理部5
0に出力する。
【0031】無線部22、23、24は、無線部21と
同じ構成であるので、説明を省略する。 (6)制御部80 制御部80は、具体的には、マイクロプロセッサ、コン
ピュータプログラム(以下、プログラム)の記録されて
いるROM(Read Only Memory)及び
作業用に用いられるRAM(Random Acces
s Memory)などから構成され、マイクロプロセ
ッサがROMに記録されているプログラムを実行するこ
とにより、その機能を達成する。
【0032】制御部80は、無線基地局100の全体の
動作を制御する。 (状態指標値の算出処理としきい値の更新処理)制御部
80は、状態指標値の算出処理と、相関値しきい値と電
界強度比しきい値とからなるしきい値の更新処理とを、
繰り返し行う。制御部80は、次に示すようにして、状
態指標値の算出処理を行う。
【0033】制御部80は、現時刻が午前0時であるか
否かを判断し、午前0時である場合に、情報記憶テーブ
ル400の現在の干渉回避起動数Etを前の干渉回避起
動数Ebへ複写し、現在の拒否回数Rtを前の拒否回数
Rbへ複写する。次に、現在の干渉回避起動数Et及び
現在の拒否回数Rtに0の値を設定する。また、240
時間(10日)の経過を監視し、240時間の経過毎
に、次に示すようにして、設置密度Dtの算出を行う。
【0034】制御部80は、無線基地局テーブル500
から、無線基地局ID501と電界強度502との組を
順に読み出し、読み出した電界強度502と所定の電界
強度とを比較し、読み出した電界強度502が所定の電
界強度より大きいか等しい場合を計数する。このように
読出しと比較と計数とを繰り返す。こうして得られた計
数値を設置密度Dtとする。
【0035】制御部80は、次に示すようにして、しき
い値の更新処理を行う。制御部80は、現時刻が午前3
時であるか否かを判断し、午前3時である場合に、情報
記憶テーブル400から前の干渉回避起動数Ebと現在
の設置密度Dtと前の拒否回数Rbとを読み出し、読み
出した前の干渉回避起動数Ebと現在の設置密度Dtと
前の拒否回数Rbとが含まれる範囲を、しきい値テーブ
ル200の状態指標値201から抽出し、抽出された状
態指標値に対応するしきい値202を読み出す。読み出
したしきい値202に含まれる相関値しきい値214と
電界強度比しきい値215とを、それぞれ情報記憶テー
ブル400の相関値しきい値Jtと電界強度比しきい値
Ktとに上書きする。 (リンクチャネル確立時の処理)制御部80は、次に示
すようにして、リンクチャネル確立時の処理を行う。
【0036】制御部80は、新たに無線通信しようとす
る移動局について新たに空間多重しようとする場合に、
空きスロットがあるとして選択された候補チャネルにお
いて、まだ、他の移動局が空間多重されていないなら
ば、リンクチャネルを割り当てるように制御する。すで
に、他の移動局が空間多重されているならば、制御部8
0は、以下に示す多重化決定処理を行い、多重化決定処
理により設定された多重化フラグFが「1」の場合に
は、リンクチャネルを割り当てるように制御する。多重
化フラグFが「0」の場合には、他の候補チャネルをサ
ーチするか否かを判断し、サーチしない場合には、拒否
回数Rtに1の値を加算し、リンクチャネルの割当を拒
否するように制御する。サーチする場合には、再度候補
チャネルをサーチするように制御する。 (多重化決定処理)制御部80は、次に示すようにし
て、多重化決定処理を行う。
【0037】制御部80は、新たに無線通信しようとす
る移動局aの応答ベクトルRaを応答ベクトル算出部5
3から受け取り、品質指標値テーブル300の当該タイ
ムスロットを識別するタイムスロット番号により識別さ
れる領域から、既存の移動局Xの応答ベクトルRxを読
み出し、以下に示すようにして、応答ベクトルRaと応
答ベクトルRxとの相関値Jaを算出する。
【0038】
【数1】
【0039】次に、制御部80は、新たに無線通信しよ
うとする移動局aの電界強度IaをRSSI検出部54
から受け取り、品質指標値テーブル300の当該タイム
スロットを識別するタイムスロット番号により識別され
る領域から、既存の移動局Xの電界強度Ixを読み出
し、電界強度比Kaを Ka = Ia / Ix により算出する。ここで、Ka>1の場合には、 Ka = Ix / Ia により算出する。
【0040】次に、算出した相関値Jaと、情報記憶テ
ーブル400に記憶されている相関値しきい値Jtとを
比較する。また、算出した電界強度比Kaと情報記憶テ
ーブル400に記憶されている電界強度比しきい値Kt
とを比較する。Ja≦Jt かつ Ka≧Ktの場合
に、多重化フラグFを1の値に設定し、その他の場合
に、多重化フラグFを0の値に設定する。
【0041】なお、既に複数個(2〜3個)の移動局と
空間多重により通信している場合には、制御部80は、
各移動局毎に、前記の判定処理を行う。 (通信中の処理)制御部80は、次に示すようにして、
通信中の処理を行う。制御部80は、通信品質が悪く、
無線基地局が移動局に対して通信チャネルを切り換える
ように指示すると判断する場合に、現在の干渉回避起動
数Etに1の値を加算し、移動局に対して、通信チャネ
ルを切り換えるように制御する。
【0042】また、ハンドオーバが発生したと判断する
場合に、現在の干渉回避起動数Etに1の値を加算し、
移行先セルの無線チャンネルに切り替えるように制御す
る。 2 無線基地局100の動作 無線基地局100の動作について説明する。 (1)状態指標値の算出処理としきい値の更新処理の動
作 状態指標値の算出処理としきい値の更新処理の動作につ
いて、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0043】制御部80は、状態指標値の算出処理を行
い(ステップS101)、相関値しきい値と電界強度比
しきい値とからなるしきい値の更新処理を行い(ステッ
プS102)、これらを繰り返す。次に、図6に示すフ
ローチャートのステップS101における状態指標値の
算出処理の詳細について、図7に示すフローチャートを
用いて説明する。
【0044】制御部80は、現時刻が午前0時であるか
否かを判断し、午前0時である場合に(ステップS12
1)、情報記憶テーブル400の現在の干渉回避起動数
Etを前の干渉回避起動数Ebへ複写し、現在の拒否回
数Rtを前の拒否回数Rbへ複写する(ステップS12
2)。次に、現在の干渉回避起動数Et及び現在の拒否
回数Rtに0の値を設定する(ステップS123)。ま
た、240時間(10日)の経過を監視し、240時間
の経過毎に(ステップS124)、設置密度Dtの算出
を行う(ステップS125)。
【0045】次に、図7に示すフローチャートのステッ
プS125における設置密度Dtの算出処理の詳細につ
いて、図8に示すフローチャートを用いて説明する。制
御部80は、変数iに0の値を設定し(ステップS14
1)、無線基地局テーブル500から、無線基地局ID
501と電界強度502との組を順に読み出し(ステッ
プS142)、読み出しが終了すれば(ステップS14
3)、変数iを設置密度Dtに代入し(ステップS14
6)、設置密度Dtの算出処理を終了する。
【0046】読み出しが終了していなければ(ステップ
S143)、読み出した電界強度と所定の電界強度とを
比較し、読み出した電界強度が所定の電界強度より大き
いか等しい場合(ステップS144)、変数iに1を加
算し(ステップS145)、ステップS142に制御を
戻す。そうでなければ(ステップS144)、ステップ
S146へ制御を移す。
【0047】次に、図6に示すフローチャートのステッ
プS102におけるしきい値の更新処理の詳細につい
て、図9に示すフローチャートを用いて説明する。制御
部80は、現時刻が午前3時であるか否かを判断し、午
前3時である場合に(ステップS161)、情報記憶テ
ーブル400から前の干渉回避起動数Ebと現在の設置
密度Dtと前の拒否回数Rbとを読み出し(ステップS
162)、読み出した前の干渉回避起動数Ebと現在の
設置密度Dtと前の拒否回数Rbとが含まれる範囲を、
しきい値テーブル200の状態指標値201から抽出
し、抽出された状態指標値に対応するしきい値202を
読み出す(ステップS163)。読み出したしきい値2
02に含まれる相関値しきい値214を、情報記憶テー
ブル400の相関値しきい値Jtに上書きし(ステップ
S164)、読み出したしきい値202に含まれる電界
強度比しきい値215を、情報記憶テーブル400の電
界強度比しきい値Ktに上書きする(ステップS16
5)。 (2)リンクチャネル確立時の動作 リンクチャネル確立時の動作について、図10に示すフ
ローチャートを用いて説明する。
【0048】無線基地局100は、移動局からリンクチ
ャネル確立要求を受け(ステップS181)、又は無線
基地局100は、移動局からリンクチャネル確立再要求
を受け(ステップS182)、応答ベクトル算出部53
は応答ベクトルを算出し(ステップS183)、無線基
地局100は、候補チャネルをサーチし(ステップS1
84)、候補チャネルがなければ(ステップS18
5)、移動局に対してリンクチャネル割当を拒否する
(ステップS186)。
【0049】候補チャネルがあれば(ステップS18
5)、新たに無線通信しようとする移動局について新た
に空間多重しようとする場合に、空きスロットがあると
して選択された候補チャネルにおいて、まだ他の移動局
が空間多重されていないならば(ステップS187)、
移動局に対してリンクチャネルを割り当てる(ステップ
S188)。すでに、他の移動局が空間多重されている
ならば(ステップS187)、制御部80は、多重化決
定処理を行い(ステップS189)、多重化決定処理に
より設定された多重化フラグFが「1」の場合には(ス
テップS190)、移動局に対してリンクチャネルを割
り当てる(ステップS194)。
【0050】多重化フラグFが「0」の場合には(ステ
ップS190)、制御部80は、他の候補チャネルをサ
ーチするか否かを判断し、サーチしない場合には(ステ
ップS191)、拒否回数Rtに1の値を加算し(ステ
ップS192)、移動局に対してリンクチャネルの割当
を拒否する(ステップS193)。サーチする場合には
(ステップS191)、ステップS184へ戻って、再
度候補チャネルのサーチから繰り返す。
【0051】次に、図10に示すフローチャートのステ
ップS189における多重化決定処理の詳細について、
図11に示すフローチャートを用いて説明する。制御部
80は、新たに無線通信しようとする移動局aの応答ベ
クトルRaを応答ベクトル算出部53から受け取り(ス
テップS221)、品質指標値テーブル300の当該タ
イムスロットを識別するタイムスロット番号により識別
される領域から、既存の移動局Xの応答ベクトルRxを
読み出し(ステップS222)、応答ベクトルRaと応
答ベクトルRxとの相関値Jaを算出する(ステップS
223)。
【0052】次に、制御部80は、新たに無線通信しよ
うとする移動局aの電界強度IaをRSSI検出部54
から受け取り(ステップS224)、品質指標値テーブ
ル300の当該タイムスロットを識別するタイムスロッ
ト番号により識別される領域から、既存の移動局Xの電
界強度Ixを読み出し(ステップS225)、電界強度
比Kaを算出する(ステップS226)。
【0053】次に、制御部80は、算出した相関値Ja
と、情報記憶テーブル400に記憶されている相関値し
きい値Jtとを比較し、算出した電界強度比Kaと情報
記憶テーブル400に記憶されている電界強度比しきい
値Ktとを比較し、Ja≦Jt(ステップS227)か
つ Ka≧Kt(ステップS228)の場合に、多重化
フラグFを1の値に設定し(ステップS229)、その
他の場合に(ステップS227、S228)、多重化フ
ラグFを0の値に設定する(ステップS230)。 (3)通信中の処理動作 通信中の処理動作について、図12に示すフローチャー
トを用いて説明する。
【0054】制御部80は、通信品質が悪く、無線基地
局が移動局に対して通信チャネルを切り換えるように指
示すると判断する場合に(ステップS251)、現在の
干渉回避起動数Etに1の値を加算し(ステップS25
2)、移動局に対して、通信チャネルを切り換えるよう
に制御する(ステップS253)。また、制御部80
は、ハンドオーバが発生したと判断する場合に(ステッ
プS254)、現在の干渉回避起動数Etに1の値を加
算し(ステップS255)、移行先セルの無線チャンネ
ルに切り替えるように制御する(ステップS256)。 3 まとめ アダプティブアレイアンテナを搭載したTDMA通信方
式の無線基地局100は、同一タイムスロットに同一周
波数でパス多重無線チャネル割当を行う場合、同一スロ
ットにパス多重する際に用いる応答ベクトルの相関値し
きい値を調整し、周囲の環境等に応じた最適なパス多重
無線チャネル割当を行う。また、さらに、パス多重され
る移動局同士の電波強度の比を用いて、より通信品質の
良好なパス多重通信を行う。
【0055】無線基地局100は、干渉回避起動数を計
数し、無線基地局の周囲に設置されている他の無線基地
局の設置密度を計数し、通信品質不良によりリンクチャ
ネル割当が拒否された拒否回数を計数し、計数された前
記干渉回避起動数、前記設置密度及び前記拒否回数に応
じて相関値しきい値及び電界強度比しきい値を更新す
る。 4 その他の変形例 (1)上記の実施の形態では、電界強度比として、2個
の移動局の電界強度の比を用いているが、デジベルを用
いるとしてもよい。 (2)制御部80は、多重化フラグFが「0」の場合
に、他の候補チャネルをサーチするか否かを判断すると
きに、判断の回数を計数し、計数した判断の回数により
決定するとしてもよい。例えば、判断の回数が2回以内
であれば、他の候補チャネルをサーチするとし、3回以
上であれば、拒否回数Rtに1の値を加算し、リンクチ
ャネルの割当を拒否するように制御するとしてもよい。
【0056】また、制御部80は、多重化フラグFが
「0」の場合に、他の基地局に制御を移すようにしても
よい。 (3)拒否回数、通信チャネル切替回数又はハンドオー
バ回数を計数する単位時間を1日以外の単位としてもよ
い。例えば、1時間、12時間、3日などとしてもよ
い。
【0057】また、拒否回数は、移動局からの一定数の
リンク確立要求当たりの拒否回数であるとしてもよい。 (4)制御部80は、午前0時に情報記憶テーブル40
0の現在の干渉回避起動数Etを前の干渉回避起動数E
bへ複写し、現在の拒否回数Rtを前の拒否回数Rbへ
複写し、現在の干渉回避起動数Et及び現在の拒否回数
Rtに0の値を設定するとしているが、もちろん他の時
刻でもよい。一日に複数回実施してもよい。 (5)制御部80は、240時間(10日)の経過を監
視し、240時間の経過毎に、設置密度Dtの算出を行
うとしているが、この240時間に限らない。他の時間
としてもよい。 (6)制御部80は、午前3時に、しきい値の更新処理
を行うとしているが、他の時刻であってもよい。一日に
複数回実施してもよい。また、情報記憶テーブル400
の現在の干渉回避起動数Etを前の干渉回避起動数Eb
へ複写し、現在の拒否回数Rtを前の拒否回数Rbへ複
写し、現在の干渉回避起動数Et及び現在の拒否回数R
tに0の値を設定する時刻と同じ時刻に行うとしてもよ
い。 (7)上記の実施の形態によると、制御部80は、応答
ベクトル間の相関値が相関値しきい値Jtより小さいか
又は等しい場合、かつ、電界強度比が前記電界強度比し
きい値Ktより大きいか又は等しい場合に、空間多重を
行うとしている。図13(a)〜(c)は、横軸に相関
値、縦軸に電界強度比をとり、相関値と相関値しきい値
Jtとの関係及び電界強度比と電界強度比しきい値Kt
との関係を図示している。図13(a)において、線分
L11と線分L12と縦軸と横軸とにより囲まれた矩形
領域E10(斜線により示される領域)が、前記の条件
に対応する部分である。相関値と電界強度比とがこの領
域E10内に含まれる場合に、空間多重を行うとしてい
る。
【0058】ここで、次に示すようにしてもよい。図1
3(b)に示すように、相関値しきい値Jtと電界強度
比しきい値Ktとを結ぶ曲線L21と縦軸と横軸とによ
り囲まれた領域E20(斜線により示される領域)が、
相関値と相関値しきい値Jtとの関係及び電界強度比と
電界強度比しきい値Ktとの関係を示すものとし、相関
値と電界強度比とがこの領域E20内に含まれる場合
に、空間多重を行うとしてもよい。
【0059】また、図13(c)に示すように、相関値
しきい値Jtと電界強度比しきい値Ktとを結ぶ線分L
31と線分L32と線分L33と線分L34と縦軸と横
軸とにより囲まれた多角形領域E30(斜線により示さ
れる領域)が、相関値と相関値しきい値Jtとの関係及
び電界強度比と電界強度比しきい値Ktとの関係を示す
ものとし、相関値と電界強度比とがこの多角形領域E3
0内に含まれる場合に、空間多重を行うとしてもよい。 (8)RSSI検出部54は、移動局からリンクチャネ
ルの割当要求があったときに、前記の検出を行い、応答
ベクトル算出部53は、移動局からリンクチャネルの割
当要求があったときに、前記の算出を行うとしている
が、移動局から同期バーストを受けたとき、又は、通信
チャネルバーストを受けたときに、前記検出及び前記算
出を行うとしてもよい。
【0060】
【発明の効果】上記に説明したように、本発明は、複数
の移動局との間で空間多重により無線通信を行う無線基
地局であって、あらかじめしきい値を記憶しているしき
い値記憶手段と、新たに無線通信しようとする移動局と
の間の通信品質を示す品質指標値を算出する第1算出手
段と、算出された前記品質指標値と前記しきい値とを比
較して、空間多重を行うか否かを判断する多重判断手段
と、空間多重を行うと判断される場合に、前記移動局と
の間で空間多重により無線通信を行う通信手段と、無線
基地局の通信環境状態を示す状態指標値を算出する第2
算出手段と、算出された状態指標値に応じて、しきい値
記憶手段に記憶されているしきい値を更新するしきい値
更新手段とを備える。
【0061】この構成によると、無線基地局の通信環境
状態を示す状態指標値によりしきい値を更新するので、
無線基地局の通信環境状態に応じて、適切に空間多重を
行うことができるという効果がある。このため、無線基
地局毎に、無線基地局と移動局との間において、一定の
トラフィック量の確保と一定の通信品質の保証との間の
関係を最適化することができる。
【0062】ここで、前記しきい値記憶手段は、しきい
値として、第1しきい値と第2しきい値とをあらかじめ
記憶しており、前記第1算出手段は、品質指標値とし
て、既に通信中の移動局及び新たに無線通信しようとす
る移動局の応答ベクトル間の相関値と、前記2個の移動
局の電界強度間の電界強度比とを算出し、前記多重判断
手段は、前記相関値と前記第1しきい値とを比較し、又
は前記電界強度比と前記第2しきい値とを比較して、空
間多重を行うか否かを判断し、前記しきい値更新手段
は、算出された状態指標値に応じて、しきい値記憶手段
に記憶されている第1しきい値又は第2しきい値を更新
するように構成してもよい。
【0063】この構成によると、既に通信中の移動局及
び新たに無線通信しようとする移動局の応答ベクトル間
の相関値と、前記2台の移動局の電界強度間の電界強度
比とを、通信品質を示す品質指標値とするので、移動局
と無線基地局との間の通信品質を正確に把握することが
できるという効果がある。ここで、前記多重判断手段
は、前記相関値が前記第1しきい値より小さいか又は等
しい場合、かつ、前記電界強度比が前記第2しきい値よ
り大きいか又は等しい場合に、空間多重を行うと判断す
るように構成してもよい。
【0064】この構成によると、無線基地局の通信環境
状態に応じて、より適切に空間多重を行うことができる
という効果がある。ここで、前記第1算出手段は、状態
指標値として、空間多重により無線通信している移動局
の通信チャネルを単位時間当りに変更した回数を示す干
渉回避起動数、無線基地局の周囲に設置されている他の
無線基地局の設置密度、又は前記多重判断手段により前
記品質指標値と前記しきい値とを比較して空間多重を行
わないと判断されることにより単位時間当りにリンクチ
ャネル割当を拒否した拒否回数を算出し、前記しきい値
更新手段は、算出された状態指標値としての前記干渉回
避起動数、前記設置密度、又は前記拒否回数に応じて前
記しきい値を更新するように構成してもよい。
【0065】この構成によると、干渉回避起動数を無線
基地局の通信環境状態を示す状態指標値とするので、無
線基地局の周囲に設置されている他の無線基地局の設置
密度を、無線基地局の通信環境状態を示す状態指標値と
するので、また、前記品質指標値と前記しきい値とを比
較して、空間多重を行わないと判断されることにより、
リンクチャネル割当が拒否された拒否回数を、無線基地
局の通信環境状態を示す状態指標値とするので、無線基
地局の通信環境状態を正確に把握することができるとい
う効果がある。
【0066】ここで、前記しきい値更新手段は、定期的
にしきい値を更新するように構成してもよい。この構成
によると、しきい値が定期的に更新されるので、定期的
に更新されたしきい値を用いて、適切に空間多重を行う
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】無線基地局100の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】しきい値テーブル200の一例を示す。
【図3】品質指標値テーブル300の一例を示す。
【図4】情報記憶テーブル400の一例を示す。
【図5】無線基地局テーブル500の一例を示す。
【図6】制御部80の状態指標値の算出処理としきい値
の更新処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】制御部の状態指標値の算出処理の詳細を示すフ
ローチャートである。
【図8】制御部80の設置密度Dtの算出処理の詳細を
示すフローチャートである。
【図9】制御部80のしきい値の更新処理の詳細を示す
フローチャートである。
【図10】無線基地局100のリンクチャネル確立時の
動作を示すフローチャートである。
【図11】制御部80の多重化決定処理動作を示すフロ
ーチャートである。
【図12】無線基地局100の通信中の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図13】相関値と相関値しきい値Jtとの関係及び電
界強度比と電界強度比しきい値Ktとの関係を示す。
(a)相関値と電界強度比とが矩形領域E10内に含ま
れる場合に、空間多重を行うことを示している。(b)
相関値と電界強度比とが領域E20内に含まれる場合
に、空間多重を行うことを示している。(c)相関値と
電界強度比とが多角形領域E30内に含まれる場合に、
空間多重を行うことを示している。
【符号の説明】
11〜14 アンテナ部 21〜24 無線部 50 信号処理部 51 信号調整部 53 応答ベクトル算出部 54 RSSI検出部 60 モデム部 70 ベースバンド部 80 制御部 90 情報記憶部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の移動局との間で空間多重により無
    線通信を行う無線基地局であって、 あらかじめしきい値を記憶しているしきい値記憶手段
    と、 新たに無線通信しようとする移動局との間の通信品質を
    示す品質指標値を算出する第1算出手段と、 算出された前記品質指標値と前記しきい値とを比較し
    て、空間多重を行うか否かを判断する多重判断手段と、 空間多重を行うと判断される場合に、前記移動局との間
    で空間多重により無線通信を行う通信手段と、 無線基地局の通信環境状態を示す状態指標値を算出する
    第2算出手段と、算出された状態指標値に応じて、しき
    い値記憶手段に記憶されているしきい値を更新するしき
    い値更新手段とを備えることを特徴とする無線基地局。
  2. 【請求項2】 前記しきい値記憶手段は、しきい値とし
    て、第1しきい値と第2しきい値とをあらかじめ記憶し
    ており、 前記第1算出手段は、品質指標値として、既に通信中の
    移動局及び新たに無線通信しようとする移動局の応答ベ
    クトル間の相関値と、前記2個の移動局の電界強度間の
    電界強度比とを算出し、 前記多重判断手段は、前記相関値と前記第1しきい値と
    を比較し、又は前記電界強度比と前記第2しきい値とを
    比較して、空間多重を行うか否かを判断し、 前記しきい値更新手段は、算出された状態指標値に応じ
    て、しきい値記憶手段に記憶されている第1しきい値又
    は第2しきい値を更新することを特徴とする請求項1記
    載の無線基地局。
  3. 【請求項3】 前記多重判断手段は、前記相関値が前記
    第1しきい値より小さいか又は等しい場合、かつ、前記
    電界強度比が前記第2しきい値より大きいか又は等しい
    場合に、空間多重を行うと判断することを特徴とする請
    求項2に記載の無線基地局。
  4. 【請求項4】 前記第1算出手段は、状態指標値とし
    て、空間多重により無線通信している移動局の通信チャ
    ネルを単位時間当りに変更した回数を示す干渉回避起動
    数、無線基地局の周囲に設置されている他の無線基地局
    の設置密度、又は前記多重判断手段により前記品質指標
    値と前記しきい値とを比較して空間多重を行わないと判
    断されることにより単位時間当りにリンクチャネル割当
    を拒否した拒否回数を算出し、 前記しきい値更新手段は、算出された状態指標値として
    の前記干渉回避起動数、前記設置密度、又は前記拒否回
    数に応じて前記しきい値を更新することを特徴とする請
    求項1〜請求項3のいずれかに記載の無線基地局。
  5. 【請求項5】 前記しきい値更新手段は、定期的にしき
    い値を更新することを特徴とする請求項1〜請求項4の
    いずれかに記載の無線基地局。
JP2000018867A 2000-01-27 2000-01-27 無線基地局 Expired - Fee Related JP3338418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018867A JP3338418B2 (ja) 2000-01-27 2000-01-27 無線基地局

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000018867A JP3338418B2 (ja) 2000-01-27 2000-01-27 無線基地局

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001211473A JP2001211473A (ja) 2001-08-03
JP3338418B2 true JP3338418B2 (ja) 2002-10-28

Family

ID=18545654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000018867A Expired - Fee Related JP3338418B2 (ja) 2000-01-27 2000-01-27 無線基地局

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3338418B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4663369B2 (ja) * 2004-05-20 2011-04-06 パナソニック株式会社 無線通信システム、無線通信方法、基地局装置及び端末装置
US20060063494A1 (en) 2004-10-04 2006-03-23 Xiangdon Zhang Remote front-end for a multi-antenna station
JP6508712B2 (ja) * 2015-03-25 2019-05-08 Necプラットフォームズ株式会社 無線lan通信装置、無線チャネル決定方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001211473A (ja) 2001-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5995836A (en) Method and system for variable handoff hysteresis in a radiocommunication system
US5579373A (en) Transmission power control method in cellular radiotelephone system
US6023622A (en) Wireless communication system with dynamic channel allocation
EP0458768B1 (en) A method for determining the transmission quality of a home traffic connection in a mobile radio system
US5491837A (en) Method and system for channel allocation using power control and mobile-assisted handover measurements
US7054631B2 (en) Enhancement of soft handoff in a mobile wireless network through the use of dynamic information feedback from mobile users
US7805144B2 (en) Channel assignment based on spatial strategies in a wireless network using adaptive antenna arrays
EP1186108B1 (en) Method and apparatus for selecting a communication data rate between mobile and base stations
US5577047A (en) System and method for providing macrodiversity TDMA radio communications
US6640104B1 (en) Dynamic channel assignment for intelligent antennas
EP0941003A2 (en) Flexible channel allocation for a cellular system based on a hybrid of measurement-based dynamic channel assignment and a reuse-distance criterion algorithm
EP0940999A2 (en) Cost-function-based dynamic channel assignment for a cellular system
KR19990087406A (ko) 원격 통신 시스템에서의 적응성 주파수 할당
JPH08508865A (ja) 異なる容量を有する2クラスのチャネルの使用
US6941140B2 (en) Allocation of channels to radio transceivers
JPH06244791A (ja) 移動無線通信システム
JP2001148656A (ja) 無線基地局
EP0941000A2 (en) Controlling operations in a cellular system using neighbor association-based cost values
JP3400431B2 (ja) 移動通信システムにおける無線回線割当判定方法および無線回線制御装置
GB2396522A (en) Determining transmission power
JP2002530958A (ja) チャンネル割り当て方法及びセルラー無線システム
JP3338418B2 (ja) 無線基地局
WO2001076099A1 (fr) Station radio de base, son procede de commande et support d'enregistrement de programmes
GB2331203A (en) Defining transmission power according to previous transmission powers
WO1997033394A9 (en) Wireless communication system with dynamic channel allocation

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3338418

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070809

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080809

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090809

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100809

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110809

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120809

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130809

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees