JP3336275B2 - トキソプラズマ・ゴンディ抗原、該抗原に対する抗体及び該抗原又は抗体を用いた免疫測定方法 - Google Patents
トキソプラズマ・ゴンディ抗原、該抗原に対する抗体及び該抗原又は抗体を用いた免疫測定方法Info
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Description
ズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii )抗原、該抗原を
コードする核酸、該核酸を含む組換えベクター、該抗原
に対する抗体及び該抗原又は該抗体を用いて抗トキソプ
ラズマ・ゴンディ抗体又はトキソプラズマ・ゴンディ抗
原を免疫測定する方法に関する。本発明はトキソプラズ
マ・ゴンディによる感染症の診断に利用することができ
る。
的な抗原に関して、幾つかの抗原領域について明確化さ
れているが、増殖型虫体特異的抗原として116、7
8、64、61、54、52、42、30、24、6K
Da蛋白質が知られている。また、シスト型虫体特異的
抗原としては、36、34、21、18KDa蛋白質が
知られている。さらに、スポロゾイト特異的抗原として
は、25、67KDaが存在する。これら様々な抗原の
中でトキソプラズマ症に於ける病変は増殖型虫体の増殖
が原因で発生することから臨床的側面から現存している
各種抗トキソプラズマ特異抗体検出試薬は増殖型虫体抗
原を使用している例が多く存在する。また、最近では、
分子生物学的な手法を用いて増殖型虫体抗原の一つであ
るトキソプラズマ膜抗原であるP30を大腸菌発現やそ
れらの領域の抗原エピトープを含む合成ペプタイドを用
いた試薬も存在している。
組織の細胞内に寄生する細胞内寄生性原虫であり、広く
世界に分布する。その生活史は、終宿主であるネコの粘
膜上皮細胞内で有性生殖によってオーシストを生じ便内
に排出する。外界に出たオーシストはやがて8個のスポ
ロゾイトを生じ成熟オーシストとなり感染力を持つよう
になる。成熟オーシストの経口感染によって腸管内でス
ポロゾイトが遊離して、腸管壁から侵入し、増殖型虫体
となり増殖しながら全身に伝播される。
って発熱、リンパ節腫脹の症状を呈し、網脈絡膜炎、肺
炎、心筋炎などが起きるが、やがて慢性期に移行する
と、脳、リンパ節や筋肉内に嚢子型虫体を包含する嚢子
を形成して、ほとんど増殖を止めた状態でおとなしく感
染を継続する。
て異なるが、日本においても数十パーセントから70〜
80%の感染率を示す重要な原虫感染疾患である。最も
悲惨なトキソプラズマ症は先天性トキソプラズマ症であ
る。
るトキソプラズマ症は、最近、医原病としての重要性が
言われてきている。すなわち未感染の臓器移植患者がト
キソプラズマ感染臓器の移植を受ける事により、急性ト
キソプラズマ症を起こす。臓器移植による拒絶反応を抑
える為に使用される免疫抑制剤は、同時に移植患者の感
染症に対する免疫反応を低下させ、その結果、感染臓器
の移植によって感染した場合のトキソプラズマ症は重症
であり、致命的な場合が多い。
増殖、生存可能である。感染初期に於け る防御免疫の
面からはマクロファージ感染が重要である。マクロファ
ージが異物を貪食するとファゴソームを形成し、このフ
ァゴソームはやがてリソソームと融合し、ファゴリソソ
ーム(二次リソソーム)になり、プロテアーゼによる酵
素分解を行う。細胞内寄生体はこの異物消化機序から逃
れられる。
ージに侵入、感染すると、細胞内に侵入したトキソプラ
ズマ原虫によってファゴソーム膜は修飾され、parasite
-phorous vacuoleと呼ばれる特異的な細胞内構造物を作
り上げる。このparasitophorous vacuole membraneは宿
主細胞質膜分子を欠いている。やがて、ロプトリーから
分泌された物質によりparasito phorous networkと呼ば
れる索状構造物が出来る。これはトキソプラズマ原虫の
生存、増殖に必要な栄養、環境の維持に機能しているの
だと考えられている。さらに、生存しているトキソプラ
ズマ原虫が感染しているparasitophorous vacuole はリ
ソソームと融合せす゛プロテアーゼによる攻撃を受けな
い。一方、死んだトキソプラズマの場合にはマクロファ
ージによって取り込まれた液胞(ファゴソーム)はリソ
ソームと融合し酵素消化を受ける。
知られていない新規なトキソプラズマ・ゴンディ抗原を
提供することである。また、本発明の目的は、本発明の
新規トキソプラズマ・ゴンディ抗原をコードする核酸、
該核酸を含む組換えベクター、該抗原に対する抗体及び
該抗原又は該抗体を用いて抗トキソプラズマ・ゴンディ
抗体又はトキソプラズマ・ゴンディ抗原を免疫測定する
方法を提供することである。
の結果、トキソプラズマ・ゴンディには、ヒトhsp7
0蛋白質(Hunt, C., and R.I. Morimoto. 1985. Conse
rved features of eukaryotic hsp70 genes revealed b
y comparison with the nucleotide sequenceof human
hsp70. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82; 6455-6459)
にある程度類似した新規な抗原が存在することを見出
し、該抗原をコードするDNAのクローニング及び発現
並びに該抗原の精製に成功し、該抗原に対する抗体を作
製することに成功し、該抗原又は抗体を用いて体液中の
抗トキソプラズマ・ゴンディ抗体又はトキソプラズマ・
ゴンディを免疫測定する方法を開発し、本発明を完成し
た。
に示されるアミノ酸配列又は該アミノ酸配列において1
又は数個のアミノ酸残基が置換され、欠失され、挿入さ
れ及び/又は付加されたアミノ酸配列であって、トキソ
プラズマ・ゴンディに特異的な抗原性を発揮するアミノ
酸配列から成る、トキソプラズマ・ゴンディ抗原と、体
液中の抗トキソプラズマ・ゴンディ抗体との抗原抗体反
応を利用して体液中の抗トキソプラズマ・ゴンディ抗体
を測定する免疫測定方法を提供する。また、本発明は、
上記トキソプラズマ・ゴンディ抗原に対する抗体と、体
液中のトキソプラズマ・ゴンディ抗原との抗原抗体反応
を利用して体液中のトキソプラズマ・ゴンディ抗原を測
定する免疫測定方法を提供する。
本発明の新規トキソプラズマ・ゴンディ抗原の好ましい
一例は、配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列を
有する。
該タンパク質のアミノ酸配列のうち少数のアミノ酸残基
が置換し若しくは欠失し、又は少数のアミノ酸残基が挿
入若しくは付加された場合であっても、元のタンパク質
とほぼ同じ抗原性を有している場合があることは当業者
において広く知られている。従って、配列番号1に示さ
れるアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基が
置換され、欠失され、挿入され及び/又は付加されたア
ミノ酸配列を有し、かつ、トキソプラズマ・ゴンディに
特異的な抗原性を発揮するアミノ酸配列から成る抗原も
本発明の範囲に含まれる。なお、ここで、「トキソプラ
ズマ・ゴンディに特異的な抗原性」とは、配列番号1で
示されるアミノ酸配列から成るタンパク質に対する抗体
と特異的に抗原抗体反応を行うことを意味する。
ズマ・ゴンディ抗原をコードする核酸を提供する。下記
実施例においてクローニングされた、配列番号1で示さ
れるアミノ酸配列を有するトキソプラズマ・ゴンディ抗
原をコードするDNAの塩基配列が、そのコードする推
定アミノ酸配列とともに配列表の配列番号2に示されて
いる。なお、配列番号2に示されるアミノ酸配列は配列
番号1に示されるアミノ酸配列と同じである。なお、上
記した本発明のトキソプラズマ・ゴンディ抗原(配列番
号1のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸残基
が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたものを包含す
る)をコードするいずれの核酸も本発明の範囲内に含ま
れる。
み、宿主細胞中で上記本発明のトキソプラズマ・ゴンデ
ィ抗原を発現することができる組換えベクターを提供す
る。この組換えベクターは、宿主中での複製を可能にす
る複製開始点と、プロモーターと、該プロモーターの下
流にクローニング部位とを少なくとも有する発現ベクタ
ーのクローニング部位に上記本発明の核酸を挿入、連結
することにより作製することができる。上記のような発
現ベクターは、この分野において周知であり、種々のも
のが市販されている。本発明の組換えベクターは、この
ような市販の発現ベクターのマルチクローニング部位に
常法により本発明の核酸を挿入、連結することにより容
易に作製することができる。なお、下記実施例に組換え
ベクター作製の手順の一例が具体的に記載されている。
は、上記の組換えベクターで常法により宿主細胞を形質
転換し、得られた形質転換体から目的のタンパク質を精
製することにより得ることができる。組換えベクター中
に挿入される核酸は、下記実施例において具体的に記載
する方法によっても作製することができるし、また、該
核酸の塩基配列が本発明により明らかにされているの
で、トキソプラズマ・ゴンディ細胞から常法であるRT
−PCR法により容易に作製することもできる。
ズマ・ゴンディ抗原に対する抗体を提供する。この抗体
は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよ
いが、免疫測定に用いた場合の測定結果の信頼性の観点
からモノクローナル抗体がより好ましい。ポリクローナ
ル抗体もモノクローナル抗体も常法により得ることがで
きる。すなわち、ポリクローナル抗体は、上記抗原を常
法により動物に免疫し、抗血清として又は抗血清からさ
らに精製することにより得ることができる。また、モノ
クローナル抗体は、上記抗原を常法により動物に免疫
し、脾細胞又はリンパ球を回収してミエローマ細胞と常
法により融合し、融合細胞を選択し、上記抗原と抗原抗
体反応を行うモノクローナル抗体を産生しているクロー
ンを選択し、該クローンを培養してモノクローナル抗体
を回収することにより得ることができる。なお、モノク
ローナル抗体の作製方法の一例が下記実施例に具体的に
記載されている。
ズマ・ゴンディ抗原又は上記本発明の抗体を用いて検体
中の抗トキソプラズマ・ゴンディ抗体又はトキソプラズ
マ・ゴンディ抗原を免疫測定する方法を提供する。免疫
測定方法自体はこの分野において周知であり、種々の方
式のものが知られているが、そのいずれの方式をも採用
することができる。すなわち、例えば、反応形式により
分類すると、サンドイッチ法、競合法、凝集法等がある
が、これらのいずれであってもよく、また、用いる標識
の種類により分類すると、酵素免疫測定法、放射免疫測
定法、蛍光免疫測定法、ビオチン免疫測定法等があるが
これらのいずれであってもよい。要するに、本発明のト
キソプラズマ・ゴンディ抗原と、検体中の抗トキソプラ
ズマ・ゴンディ抗体との抗原抗体反応を利用して検体中
の抗トキソプラズマ・ゴンディ抗体を測定する免疫測定
方法、及び本発明の抗体と、検体中のトキソプラズマ・
ゴンディ抗原との抗原抗体反応を利用して検体中のトキ
ソプラズマ・ゴンディ抗原を測定する免疫測定方法は全
て本発明の範囲に含まれる。
しては、トキソプラズマ・ゴンディによる感染が疑われ
る人の血液や血清等の体液が挙げられるがこれらに限定
されるものではない。
説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定される
ものではない。
ドする遺伝子のクローニング MOSEI cDNAライブラリー作製キット(Amersha
m LIFE SCIENCE社より市販)を用い、トキソプラズマ・
ゴンディRH株のtayzoiteから分離したpoly(A)
+RNAから構成されたcDNAを作製した。これらの
cDNAライブラリーに対してヒトのhsp70 DN
Aを放射性核種である(32P)で標識したプローブ(A
TCC受託番号57494ヒトgDNA由来)を用いて
クロスハイブリダイゼーション法によってヒトhsp7
0遺伝子領域と特異的に反応するトキソプラズマ・ゴン
ディ遺伝子のスクリーニングを行った。ハイブリダイゼ
ーション時に使用したハイブリダイゼーションバッファ
ー、洗浄バッファーの各組成及び反応温度は次の通りで
あった。すなわち、3×SSC、5×デンハート液、5
0mMトリスベース(pH7.5)、1mM EDT
A、0.5% SDS及び60℃で変性した20μg/
μlのサケ***を各々添加してハイブリダイゼーション
に用いた。また、0.1×SSC、0.1%SDSを各
々添加し、各々60℃で反応及び洗浄を行った。この方
法によって1×105個のcDNAクローンからヒトh
sp70 DNAプローブに対して特異的に反応する1
5クローンを取得した。
NAのサイズが大きいpTH14クローンをクローニン
グベクターpBluescript SKII(+)(Stratagene社製)のマ
ルチクローニングサイト内の制限酵素サイトBamHI
内に挿入し、クローン化した。
(パーキンエルマー社製)を使用して行った。この際、
シークエンスプライマーの標識には、サイクルシークエ
ンスキットFS(パーキンエルマー社製)を使用しダイ
ターミネーター法により実施した。また、シークエンシ
ングに際しては、合計12個のプライマーを合成し(パ
ーキンエルマー社 ABIDNAシンセサイザー391
型)プライマーウォーキングによるシークエンシングに
供試した。決定された塩基配列を、これがコードする推
定アミノ酸配列とともに配列番号2に示す。
c software(Software development)を用いて行った。
発現と精製 (1)発現ベクターの構築 発現ベクターを構築する際には、pTH14クローンを
鋳型としてPCR法を用いてT.gondiihsp7
0領域を増幅し、発現ベクターpET15b(米国Nova
gen 社より市販)の制限酵素サイトXhoI−BamH
I内に再クローニングした。この際、5' 末端の転写開
始コドンを設定プライマー内から除外する事で削除し
た。この際目的領域を増幅する為に使用したプライマー
を以下に示す。
精製 トキソプラズマ・ゴンディhsp70様蛋白質をコード
する遺伝子を含む発現ベクターpET15bで形質転換
した宿主細胞 Escherichia coli BL21を培養して目的遺
伝子の発現を行った。その際、培養液としてLB培地
(BIO101社製)を使用し、抗生物質アンピシリン
を50μg/μlになる様に添加した。また、培養温度
は37℃で実施した。更に、蛋白質の発現は終濃度1m
MのIPTG(ナカライタスク社製)を添加し、3時間
誘導した。
is(pH8.0)10mlに発現抗原を浮遊させ、超
音波破砕装置(オリンパス社製)によって200W、5
分、0℃の条件で細胞を破砕した。次に、これらの細胞
破砕物を除外する為に12000rpm、10分、4℃
の条件で遠心沈殿した。
mMイミダゾール、0.5MNaCl、20mMTri
s−HClpH8.0)でホモジナイズした。遠心沈殿
後の上清をニッケルキレートカラム精製の為にProbond
column(Invitrogen、San Diego、CA) に10mlアプライ
した。 次に、Probond column を洗浄バッファー(60m
Mイミダゾール、0.5MNaCl、20mMTris
−HCl pH8.0)4mlで2回洗浄した。
蛋白質は、溶出バッファー(1Mイミダゾール、0.5
M NaCl、20mMTris−HCl)5mlを用
いて溶出した。これらの蛋白質は、セントリプレップ−
30(アミコン社製)濃縮器を用いて遠心濃縮した。そ
の結果、これらの組換え蛋白質の収量は、1Lの培養で
約1mgであった。更に、これらの精製済み発現蛋白質
の精製度は、クマシーブリリアントブルー蛋白質染色で
76KDa,46KDa,31KDaの三本のメジャー
なバンドとして確認出来た。
質の抗原性の確認 実施例4で精製した組換えトキソプラズマ・ゴンディh
sp70様蛋白質を用いてその免疫学的な特異性につい
て臨床材料を用いてウエスタンブロッティングによる抗
原解析を行った。この操作の具体的な手順は次の通りで
あった。すなわち、組換えトキソプラズマ・ゴンディhs
p70 様蛋白質1μgを10%SDS−ポリアクリラマイ
ドゲルで電気泳動した後、ニトロセルロース膜へ再び電
気泳動によって転写した。ニトロセルロース膜の活性基
を脱脂粉乳液(明治乳業製)でコートした後、リン酸緩
衝液(0.01 M, pH7.2)で100倍に希釈した血清検体1
mlで室温2時間反応させた後、リン酸緩衝液(0.01
M, pH7.2)で4回洗浄した。その後、パーオキシダーゼ
結合抗ヒト免疫グロブリン抗体(Amersham製)を反応さ
せ、ECLキット(Amersham製)にてフィルム(フジフ
ィルム)に感光させた。
スタンブロッティングの結果が完全に一致する結果とな
った。結果を下記表1に示す。
を用いた抗体の作製 トキソプラズマ・ゴンディHR株のTachyzoites は、ヒ
トB細胞系ARHで生成した。また、トキソプラズマ・
ゴンディFUKAYA株は、B10.A(4R)マウス
で生成した。
70様タンパク質モノクローナル抗体の作製 BALB/cマウスに対して、200μg/mlの精製
組換えトキソプラズマ・ゴンディhsp70様蛋白質を
Freundの完全アジュバントと1:1で混合し、体
幹部皮下の3ヶ所に対して各々0.25ml接種し初回
免疫を実施した。次に、2週間後、初回免疫時同様の抗
原を用いてFreundの不完全アジュバントによって
誘導免疫を行った。この際のアジュバントと抗原の混合
比、接種容量及び接種部位は初回免疫時と同様である。
ーマ作製のためマウス脾臓細胞を取り出し細胞融合装置
SSH−1型(島津製作所社製、京都)を用いてBAL
B/cマウス由来SP2ミエローマ細胞と融合した。な
お、摘出された脾臓細胞はケラーらの方法(Kohler et
al.,Nature, vol.256,p495-497(1975) )により実施し
た。
ーリンガーマンハイム社製)で中2日ごとに2回に亘り
細胞選択を行った。この際の培養上清から、ELISA
によって抗トキソプラズマ・ゴンディhsp70様タン
パク質モノクローナル抗体の存在を確認した。陽性ハイ
ブリドーマ細胞は、限界希釈法によってクローニングを
行った。また、ヒトhsp70に対して非特異的な反応
を示すモノクローナル抗体については、ポリエチレング
リコールを用いた細胞融合方法を使用した事を除き他は
同様の方法によって選択した。さらに、取得した腹水
は、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによって
IgGを精製しモノクロナール抗体とした。
た。ELISAは、Current Protocols in immunology
1997, vol. 1, 2.1.2-2.1.20に従い構築した。すなわ
ち、平底マイクロタイタープレート(Dynatech社製、Z
ug、スイス国)に2μg/mlの濃度にPBS(−)
で調整した精製組換えトキソプラズマ・ゴンディhsp
70様発現蛋白質を固相した。固相条件は、4℃で12
時間以上静置した。前述の固相プレートは、ブロッキン
グ液(0.05%Tween20加ホウ酸バッファー、
1mMEDTA、0.25%BSA、 0.05%NaN
3 )を用いてブロッキングを行った。ブロッキングの条
件は、4℃で一夜静置した。
ラズマ・ゴンディIgG抗体ELISAの行程を示す。
後各ホール内へ100μl滴下し、むらなく免疫反応が
起こる様に振とうした後静置して常温(15〜25℃)
で1時間インキュベートした。
Tween20、1.4mMリン酸二水素カリウム3.
6mMリン酸水素二ナトリウム・12水和物、146m
M塩化ナトリウム)を用いて3回洗浄後、2000倍希
釈アルカリフォスファターゼ標識抗マウスIgGコンジ
ュゲート(Tago、Camarillo、CA )を100μl各ホール
内に分注し振とうした後常温で1時間インキュベートし
た。
3回洗浄後、1mMp−ニトロフェニルリン酸を各ホー
ルに100μl分注した後、振とうし、常温暗所で30
分間発色させる。その後1.5N硫酸100μlを添加
し反応を停止した。
を用いて吸光度の測定を行った。
IgG抗体(ヒト)検出酵素免疫測定法の構築 平底マイクロタイタープレート(Dynatech社製、Zug 、
スイス国)に10μg蛋白/mlの濃度に0.01MP
BS(pH7.0)で調整した精製組み換えトキソプラ
ズマ・ゴンディhsp70様蛋白質を50μl固相し
た。固相条件は、4℃で一晩静置した。前述のプレート
は、ブロッキング液(0.2%BSA、0.1%Twe
en20加、0.01MPBS(pH7.0))200
μlを用いてブロッキングを行った。ブロッキングの条
件は常温(15〜25℃)2時間静置した。ブロッキン
グ後洗浄液(ブロッキング液と同様のもの)200μl
で3回洗浄した。
ラズマ・ゴンディhsp70様蛋白質IgG抗体(ヒ
ト)酵素免疫測定法の行程を示す。
100倍に希釈した被検血清及び髄液50μlを各ホー
ル内へ滴下し、むらなく免疫反応が起きるように振とう
した後静置して常温で2時間インキュベートした。
を用いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後、0.0
1MPBS(pH7.0)で1000倍希釈したアルカ
リフォスファターゼ標識抗ヒトIgG(Tago社製)
50μlを各ホール内に分注し振とうした後常温で2時
間インキュベートした。
を用いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後、0.0
5M炭酸ナトリウム及び0.5mM塩化マグネシウムの
入った溶液で3mMとなるように希釈したp−ニトロフ
ェニルリン酸100μlを各ホール内に分注し振とうし
た後常温で30〜60分間インキュベートした。
て吸光度の測定を行った。このときODが0.110 以下を
陰性、0.200 以上を陽性、0.110 〜0.200 を判定保留と
した。
トキソプラズマ・ゴンディ特異IgM抗体の検出、胎盤
でのPCR法によるトキソプラズマ・ゴンディ特異DN
Aの検出により先天性トキソプラズマ症と診断した症例
で、健常人2例に比べて先天性トキソプラズマ症新生児
やその母はODが高く、トキソプラズマ・ゴンディ感染急
性期及び治療効果判定のマーカーとして有用である。
p70様蛋白質の検出酵素免疫測定法の構築 平底マイクロタイタープレート(Dynatech社製、Zug 、
スイス国)に10μg蛋白/mlの濃度に0.01MP
BS(pH7.0)で調整したトキソプラズマ・ゴンデ
ィhsp70様蛋白質に対するモノクローナル抗体を1
00μl固相した。固相条件は、4℃で一晩静置した。
前述のプレートは、ブロッキング液(0.2%BSA、
0.1%Tween20加、0.01MPBS(pH
7.0))200μlを用いてブロッキングを行った。
ブロッキングの条件は、常温(15〜25℃)2時間静
置した。ブロッキング後洗浄液(ブロッキング液と同様
のもの)200μlで3回洗浄した。
ズマ・ゴンディhsp70様蛋白質検出の酵素免疫測定
法の行程を示す。
10倍に希釈した被検血清及び髄液100μlを各ホー
ル内へ滴下し、むらなく免疫反応が起きるように振とう
した後静置して常温で1時間インキュベートした。
を用いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後、0.0
1MPBS(pH7.0)で希釈したビオチン標識トキ
ソプラズマ・ゴンディhsp70様蛋白質50μl
(0.1μg蛋白)を各ホール内に分注し振とうした後
常温で2時間インキュベートした。
用いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後、0.01
MPBS(pH7.0)で希釈したアルカリフォスファ
ターゼ標識アビジン(1μg/ml Sigma 製、Mo、米
国)100μlを各ホール内に分注し振とうした後常温
で30分間インキュベートした。
用いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後、0.05
M炭酸ナトリウム及び0.5mM塩化マグネシウムの入
った溶液で3mMとなるように希釈したp−ニトロフェ
ニルリン酸100μlを各ホール内に分注し振とうした
後常温で30〜60分間インキュベートした。
吸光度の測定を行った。このときODが1.000 以上を陰
性、0.800 以下を陽性、0.800 〜1.000 を判定保留とし
た。
キソプラズマ・ゴンディ特異IgM抗体の検出、胎盤で
のPCR法によるトキソプラズマ・ゴンディ特異DNA
の検出により先天性トキソプラズマ症と診断した症例
で、健常人2例に比べて先天性トキソプラズマ症新生児
やその母はODが低く、トキソプラズマ・ゴンディ感染急
性期及び治療効果判定のマーカーとして有用である。
p70様蛋白質の検出酵素免疫測定法の構築 平底マイクロタイタープレート(Dynatech社製、Zug 、
スイス国)に10μg蛋白/mlの濃度に0.01MP
BS(pH7.0)で調整したトキソプラズマ・ゴンデ
ィhsp70様蛋白質に対するモノクローナル抗体(Y
A−1)を100μl固相した。固相条件は、4℃で一
晩静置した。前述のプレートは、ブロッキング液(0.
2%BSA、0.1%Tween20加、0.01MP
BS(pH7.0))200μlを用いてブロッキング
を行った。ブロッキングの条件は、常温(15〜25
℃)2時間静置した。ブロッキング後洗浄液(ブロッキ
ング液と同様のもの)200μlで3回洗浄した。
ズマ・ゴンディhsp70様蛋白質検出の酵素免疫測定
法の行程を示す。
0倍に希釈した被検血清及び髄液100μlを各ホール
内へ滴下し、むらなく免疫反応が起きるように振とうし
た後静置して常温で1時間インキュベートした。
いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後0.01MP
BS(pH7.0)で希釈したビオチン標識トキソプラ
ズマ・ゴンディhsp70様蛋白質に対するモノクロー
ナル抗体(YA−2)50μl(0.1μg蛋白/ml)
を各ホール内に分注し振とうした後常温で2時間インキ
ュベートした。
用いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後、0.01
MPBS(pH7.0)で希釈したアルカリフォスファ
ターゼ標識アビジン(1μg/ml Sigma 製、Mo、米
国)100μlを各ホール内に分注し振とうした後常温
で30分間インキュベートした。
用いて2回、蒸留水200μlで1回洗浄後、0.05
M炭酸ナトリウム及び0.5mM塩化マグネシウムの入
った溶液で3mMとなるように希釈したp−ニトロフェ
ニルリン酸100μlを各ホール内に分注し振とうした
後常温で30〜60分間インキュベートした。
吸光度の測定を行った。このときODが0.150 以下を陰
性、0.500 以上を陽性、0.150 〜0.500 を判定保留とし
た。
キソプラズマ・ゴンディ特異IgM抗体の検出、胎盤で
のPCR法によるトキソプラズマ・ゴンディ特異DNA
の検出により先天性トキソプラズマ症と診断した症例
で、健常人2例に比べて先天性トキソプラズマ症新生児
やその母はODが高く、トキソプラズマ・ゴンディ感染急
性期及び治療効果判定のマーカーとして有用である。
ゴンディ抗原が提供された。本発明の方法に従い、この
抗原又はこの抗原に対する抗体を免疫測定することによ
り、トキソプラズマ・ゴンディの感染を診断することが
できる。特に、本発明の抗原を用いた免疫測定による
と、感染初期に生じる抗体を感度良く測定することがで
きる。
Claims (7)
- 【請求項1】 配列表の配列番号1に示されるアミノ酸
配列又は該アミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸
残基が置換され、欠失され、挿入され及び/又は付加さ
れたアミノ酸配列であって、トキソプラズマ・ゴンディ
に特異的な抗原性を発揮するアミノ酸配列から成る、ト
キソプラズマ・ゴンディ抗原と、体液中の抗トキソプラ
ズマ・ゴンディ抗体との抗原抗体反応を利用して体液中
の抗トキソプラズマ・ゴンディ抗体を測定する免疫測定
方法。 - 【請求項2】 前記トキソプラズマ・ゴンディ抗原は、
配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列又はその一
部分であってトキソプラズマ・ゴンディに特異的な抗原
性を発揮するアミノ酸配列から成る請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】 前記トキソプラズマ・ゴンディ抗原は、
配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列から成る請
求項2記載の方法。 - 【請求項4】 配列表の配列番号1に示されるアミノ酸
配列又は該アミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸
残基が置換され、欠失され、挿入され及び/又は付加さ
れたアミノ酸配列であって、トキソプラズマ・ゴンディ
に特異的な抗原性を発揮するアミノ酸配列から成る、ト
キソプラズマ・ゴンディ抗原に対する抗体と、体液中の
トキソプラズマ・ゴンディ抗原との抗原抗体反応を利用
して体液中のトキソプラズマ・ゴンディ抗原を測定する
免疫測定方法。 - 【請求項5】 前記トキソプラズマ・ゴンディ抗原は、
配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列又はその一
部分であってトキソプラズマ・ゴンディに特異的な抗原
性を発揮するアミノ酸配列から成る請求項4記載の方
法。 - 【請求項6】 前記トキソプラズマ・ゴンディ抗原は、
配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列から成る請
求項5記載の方法。 - 【請求項7】 前記抗体はモノクローナル抗体である請
求項4記載の方法。
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JP9-309262 | 1997-10-23 | ||
JP32001598A JP3336275B2 (ja) | 1997-10-23 | 1998-10-23 | トキソプラズマ・ゴンディ抗原、該抗原に対する抗体及び該抗原又は抗体を用いた免疫測定方法 |
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KR101073717B1 (ko) | 2007-04-10 | 2011-10-13 | 도시바 기카이 가부시키가이샤 | 글래스 성형용 금형 및 그 제조 방법 |
EP2654782A4 (en) * | 2010-12-23 | 2015-03-25 | Immport Therapeutics Inc | PROCESSES AND COMPOSITIONS FROM PROTEIN ANTIGEN FOR THE DIAGNOSIS AND TREATMENT OF TOXOPLASMA GONDII INFECTIONS AND TOXOPLASMOSIS |
-
1998
- 1998-10-23 JP JP32001598A patent/JP3336275B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Title |
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Exp.Parasitol.,1992年,75,p.323−328 |
Gene,1996年,168,p.103−107 |
Mol.Biochem.Parasitol.,1993年,62,p.187−197 |
Parasite Immunology,1995年,17(7),p.353−359 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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