JP3335471B2 - αーシアノアクリレート接着剤組成物 - Google Patents

αーシアノアクリレート接着剤組成物

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JP3335471B2 JP09592194A JP9592194A JP3335471B2 JP 3335471 B2 JP3335471 B2 JP 3335471B2 JP 09592194 A JP09592194 A JP 09592194A JP 9592194 A JP9592194 A JP 9592194A JP 3335471 B2 JP3335471 B2 JP 3335471B2
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J4/00Adhesives based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; adhesives, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09J183/00 - C09J183/16

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は瞬間接着剤として有用な
α−シアノアクリレート接着剤組成物の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】α−シアノアクリレートは極めてアニオ
ン重合を起こし易く、固体表面や空気中の水分、アルカ
リ物質等のアニオン活性種により触媒の添加や加熱を行
なう事なく短時間で重合硬化する性質を有するので、ゴ
ム、プラスチックス、金属、ガラス等の瞬間接着剤とし
て広く利用されている。
【0003】しかしながら、α−シアノアクリレート接
着剤を単独で用いる場合、その高い凝集力と重合時に於
ける体積収縮率が大きいために、その硬化物は一般に柔
軟性がなく、固くて脆く、特に曲げに対する接着や平滑
でない面での接着に不充分であり、変形、剥離等の現象
が現われる欠点を有している。それ故、種々の産業で利
用されているものの仮止めの域を脱しきれていない。
【0004】従来、このような欠点を解決すべくα−シ
アノアクリレートに各種の資材を添加する種々の方法が
提案されており、例えば、α−シアノアクリレートに、
モノカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸のエステル類等
の可塑剤を添加する方法(米国特許2,784,127 号明細
書)、可塑剤としてジオクチルフタレートを添加する方
法( 特公昭53−37263 号公報) 、フタル酸ジアリル、フ
タル酸ジブチル等のフタル酸エステル等の可塑剤とカル
ボン酸又はポリカルボン酸を併用する方法(米国特許3,
354,128 号明細書、特開昭52−115386号公報) 、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体と可塑剤を併用添加す方法
(特開昭60−166361号公報) 等により、α−シアノアク
リレート系接着剤の弱点の一つである硬化物の柔軟性、
脆性を改良する方法等が記載され、或いは試みられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ものは、皮膚に対する接着力を減少させたり、比較的容
易に解離し得る結合力を形成する(いわゆる仮止め)こ
とを目的とし、主として可塑剤を添加することで柔軟性
を改善することが試みられているが、本発明者らの追試
によると、この場合には硬化速度が遅くなったり、接着
強度が著しく低下したり、又接着後の強度劣化が大き
く、充分な接着力が維持できない等の問題があり、α−
シアノアクリレートの瞬間接着剤としての特徴を充分に
生かしきれていない。
【0006】従って、例えば、プラスチックやゴム等の
接着に際し、特に接着面が平面でない場合や接着後に接
着面に強い歪みが生ずる等の場合、接着力が弱く或いは
柔軟性に欠けたり、脆いために接着後、すぐに剥がれが
生じたり、また曲げに対する接着や平滑でない面での接
着に対しては極めて弱い接着強度しか得られず、瞬間接
着剤として商品価値の低いものであった。
【0007】本発明の目的は、硬化物の柔軟性を改善
し、かつ瞬間接着剤としての機能、すなわち、速硬化性
で、高い接着強度を維持し、更に必要によりエラストマ
ーを含有させることにより耐衝撃性、高剥離性、耐水性
及び耐熱性等を併せ持つ、瞬間接着剤としてのイメージ
を損なうことのない柔軟性の優れた接着剤組成物を提供
することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、α−シアノア
クリレートに、下記一般式(1)
【0009】
【化−4】
【0010】(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に炭
素数1〜3の置換されていてもよいアルキル基を表わ
す。)
【0011】で示されるフタル酸エステルを5〜55重
量%含有することを特徴とするα−シアノアクリレート
接着剤組成物である。本発明に使用されるα−シアノア
クリレートは、下記一般式(4)
【0012】
【化−5】
【0013】(式中、R4 は置換若しくは非置換のアル
キル、アルケニル、アリール又はシクロヘキシル基を示
す)
【0014】で示されるα−シアノアクリレート類から
選ばれた1種以上のα−シアノアクリレートであり、こ
こでR4 の具体例としては、メチル、エチル、n−,i
−プロピル、n−,i−,sec−ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、エチルヘキシル、ドデシル、アリ
ル、プロパギル、メトキシエチル、エトキシエチル、2
−メトキシプロピル、テトラヒドロフルフリル、ベンジ
ル、フェニル、クロロエチル、シクロヘキシル、トリフ
ルオロエチルなどが挙げられ、これらのα−シアノアク
リレートは1種にとどまらず2種以上を混合使用するこ
ともできる。
【0015】本発明において、前記一般式(1)で示さ
れるフタル酸エステルとしては、一般式(1)で示され
るフタル酸エステルから選ばれた1種以上のフタル酸エ
ステルであり、具体的にはフタル酸ジメチル、フタル酸
ジエチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸ジ−n−プ
ロピル等が挙げられる。
【0016】本発明において、α−シアノアクリレート
に対する一般式(1)で示されるフタル酸エステルの添
加量は、α−シアノアクリレート接着剤組成物中、5〜
55重量%、好ましくは10〜50重量%であり、更に
好ましくは20〜40重量%である。ここで、5重量%
以下では本発明の目的とする柔軟性を付与することがで
きず、また、55重量%を越えると本発明の目的とする
接着強度を達成し難くなる。
【0017】本発明のα−シアノアクリレート接着剤組
成物の調製は、前記一般式(1)で示されるフタル酸エ
ステルから選ばれた化合物をα−シアノアクリレートに
添加混合すれば容易に得られるが、添加方法としてはフ
タル酸エステルをそのままα−シアノアクリレートに混
合してもよく、又適当な溶媒に溶解してから添加混合し
てもよい。
【0018】本発明のα−シアノアクリレート接着剤組
成物においては、その使用目的に応じて、以下の(a) 、
(b) 及び/又は (c)を更に含有させることにより、優れ
た性能を具備する接着剤組成物とすることができる。
【0019】(a) エラストマー (b) 下記一般式(2)
【0020】
【化−6】
【0021】(式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立
に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは非置
換のアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基
を示す。pは1以上の整数、qは2以上の整数を示し、
末端は環形成されていてもよい。)なる繰り返えし単位
を有する化合物から選ばれた1種以上
【0023】(c) 下記一般式(3)
【0024】
【化−7】
【0025】(式中、rは2〜6の整数を表し、少なく
とも2ケのヒドロキシ基は、隣接位置にあるものとす
る。Yは水素原子、置換若しくは非置換のアルキル、ア
ルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル基又は
ハロゲン原子を表わし、sは0〜4の整数を表わす。)
で示されるポリヒドロキシ化合物から選ばれた1種以上
【0026】ここで、前記(a) のエラストマーは、主と
して耐衝撃性、高剥離性に寄与するものであり、用いら
れるエラストマーとしては、α−シアノアクリレートを
溶解又は分散させることができる常温付近でゴム状弾性
を有するものを意味し、具体的にはアクリル酸エステル
系共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合
体系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、クロ
ロプレン系エラストマー、カルボキシル化アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体系エラストマー、ポリエステ
ル系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリイソプ
レン系エラストマー、エピクロルヒドリン系エラストマ
ー、エチレン−プロピレン共重合体系エラストマー、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体系エラストマー等から選択
されるものがあげられ、これらは1種又は2種以上を併
用してもよい。
【0027】これらのエラストマーの中でも、アクリル
酸エステル系共重合体エラストマーは本発明の目的に特
に好ましく用いられる。これらは一般にはアクリルゴム
とよばれるゴム状弾性を意味し、具体的には、例えばア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアク
リレート、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸、
アクリロニトリル、或いはエチレン等からなる二元、三
元乃至はそれ以上の共重合体であり、これらは、ノック
スタイト A,PA (日本オイルシール)、ニポール AR
(日本ゼオン)、ベイマック(Vamac)( デュポン社) 、
レオコート R(第一レース)、パラクロン BX (新中村
化学)、シアナクリル(Cyanacryl R,L,C)(アメリカンシ
アナミッド社) 、ハイカー(Hycar)(B.F.グードリッチ
社) 、トーアクロン AR,SA(東亜ペイント)等の商品名
で市販されているものを、通常未加硫或いは未架橋の状
態でそのまま使用される。
【0028】その他、本発明に好ましく用いられるエラ
ストマーとして、エリーテルUE3400(ユニチカ社製)、
バイロン(東洋紡)、ケミット(東レ)等の商品名で市
販されているポリエステル系エラストマー、デスモコー
ル( 住友バイエルウレタン社製ウレタン系エラストマ
ー) 等が挙げられる。
【0029】本発明のα−シアノアクリレート接着剤組
成物において、エラストマーの添加・含有量は、α−シ
アノアクリレート接着剤組成物中、エラストマー1〜5
0重量%、好ましくは2〜40重量%である。
【0030】また、前記 (b)の一般式(2)なる繰り返
えし単位を有する化合物は、主として速硬化添加剤とし
て機能するものであり、具体的には次のような化合物が
例示される。
【0031】ホルムアルデヒド縮合体、アセトアルデヒ
ド縮合体、トリオキサン重合体、ポリアルキレングリコ
ール(例えばジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール(400,1000,etc) 、ジプロピレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキシ
ド、ポリ3,3−ビス(クロロメチル)ブチレンオキシ
ド、ポリ1,3−ジオキソラン、エチレンオキシド−プ
ロピレンオキシドブロックポリマーなど。)、ポリアル
キレングリコールモノエーテル(例えば、メチルカルビ
トール、カルビトール、ジエチレングリコール−n−ブ
チルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテ
ル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、ジプロピ
レングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールメチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエ
ーテル、ポリエチレングリコールプロピルエーテル、ポ
リエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレン
グリコールステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールアリル
エーテルなど。)、
【0032】ポリアルキレングリコールジエーテル(例
えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチ
レングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレン
グリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジメ
チルエーテルなど。)、ポリアルキレングリコールモノ
エステル(例えば、ジエチレングリコールモノプロピオ
ネート、テトラエチレングリコールモノアセテート、ト
リプロピレングリコール−モノ−n−ブチレート、ポリ
エチレングリコールモノアセテート、ポリエチレングリ
コールモノプロピオネート、ポリエチレングリコールラ
ウレート、ポリエチレングリコールセシレート、ポリエ
チレングリコールステアレート、ポリエチレングリコー
ルオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート、ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレ
ングリコールメタクリレート、ジエチレングリコールク
ロトネートなど。)、ポリアルキレングリコールジエス
テル(例えば、ジエチレングリコールジアセテート、ジ
エチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジステア
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テト
ラエチレングリコールジクロトネート、ポリエチレング
リコールジアセテート、ポリエチレングリコールジ−n
−ブチレート、ポリエチレングリコールジウラレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール
ジクロトネート、ポリエチレングリコールジ−α−シア
ノアクリレート、ポリエチレングリコールステアリルメ
タクリレート、ポリエチレングリコールラウリルアクリ
レートなど。)、
【0033】ポリアルキレングリコールモノエーテルモ
ノエステル(例えば、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
レングリコールモノエチルエーテル、テトラオキシエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレ
ングリコールモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ングリコールモノノニルフェニルエーテル等のグリコー
ルモノエーテル化合物のアクリレート、メタクリレー
ト、クロトネート、又はα−シアノアクリレートな
ど。)、その他ビスフェノールA−ポリアルキレンオキ
シド付加物、トリメチロールプロパン−ポリアルキレン
オキシド付加物、グリセリン−ポリアルキレンオキシド
付加物、アジピン酸−ポリアルキレンオキシド付加物、
トリメット酸−ポリアルキレンオキシド付加物などが挙
げられる。その他環状化合物としては例えば、18−ク
ラウン−6、15−クラウン−5、18−クラウン−
5、ジチオ−15−クラウン、ジベンゾ−18−クラウ
ン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6、 1.2
−ナフト−15−クラウン−5、 1.2−メチルベンゾ−
18−クラウン−6なども使用することができ、これら
の添加剤は1種又は2種以上を使用してもよい。
【0034】この一般式(2)なるなる繰り返えし単位
を有する化合物の添加量は、α−シアノアクリレート接
着剤組成物中、0.005〜5重量%、好ましくは0.
01〜1重量%である。
【0035】また、前記(c) の一般式(3)で示される
ポリヒドロキシ化合物は、主として強度向上剤、耐水性
付与剤として寄与し、該ポリヒドロキシ化合物として
は、具体的にはピロガロール、カテコール、ジ−t−ブ
チルカテコール、1,2,4−トリヒドロキシベンゼ
ン、テトラヒドロキシベンゼン、ヘキサヒドロキシベン
ゼン、ガーリック酸、ガーリック酸エチル、ガーリック
酸メトキシエチルエステル、ジクロロガーリック酸等が
挙げられ、これらは必要により1種又は2種以上の混合
物として用いられる。中でもピロガロールが本発明の目
的に最も好ましい。
【0036】該ポリヒドロキシ化合物の添加量はα−シ
アノアクリレート接着剤組成物中、0.001〜1重量
%、好ましくは0.01〜0.1重量%である。
【0037】本発明のα−シアノアクリレート接着剤組
成物においては、更に安定剤として、亜硫酸ガス、メタ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸等の各種スルホン酸、
HBF4、 BF3エーテル錯塩、スルトン、 BF3酢酸錯塩等の
アニオン重合禁止剤、ハイドロキノン、ハイドロキノン
モノメチルエーテル等のラジカル重合禁止剤等を1種又
は2種以上を添加することができる。
【0038】中でも、HBF4及び/又は BF3エーテル錯塩
は、本発明の目的に特に優れている。これらの安定剤を
上記の他の安定剤と併用使用することもできる。ここ
で、これら安定剤の添加量はα−シアノアクリレート接
着剤組成物中、0.0001〜0.1重量%、好ましく
は0.0005〜0.01重量%である。
【0039】本発明の最も好ましい一態様は、α−シア
ノアクリレートに、一般式(1)で示されるフタル酸エ
ステルから選ばれた1種以上を5〜55重量%、安定剤
としてHBF4又はBF3 エーテル錯塩を0.0001〜0.
1重量%、(b) 速硬化添加剤として一般式(2)なるな
る繰り返えし単位を有する化合物を0.005〜5重量
%及び(c) 一般式(3)で示されるポリヒドロキシ化合
物0.001〜1重量%からなるα−シアノアクリレー
ト接着剤組成物である。
【0040】本発明の他の好ましい一態様は、α−シア
ノアクリレートに、一般式(1)で示されるフタル酸エ
ステルから選ばれた1種以上を5〜55重量%、(a )エ
ラストマーを1〜50重量%、安定剤としてHBF4又はBF
3 エーテル錯塩を0.0001〜0.1重量%、速硬化
添加剤として一般式(2)なるなる繰り返えし単位を有
する化合物を0.005〜5重量%及び一般式(3)で
示されるポリヒドロキシ化合物0.001〜1重量%か
らなるα−シアノアクリレート接着剤組成物である。
【0041】本発明のα−シアノアクリレート接着剤組
成物には、更に必要に応じて、従来α−シアノアクリレ
ート接着剤組成物に使用される添加剤、例えば着色剤、
香料、溶剤などの他、上記以外の可塑剤、増粘剤、揺変
剤等を加えることができる。ここで、増粘剤としては、
α−シアノアクリレートの増粘剤として一般的な例え
ば、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリル酸/
アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸/メタクリ
ル酸エステル共重合体、セルロースアセテート等の増粘
剤をあげることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明のα−シアノアクリレート接着剤
組成物は、α−シアノアクリレート系接着剤の特徴であ
る速硬化性、接着強度を低下させずに、弱点の一つであ
る硬化物の柔軟性或いは脆性を一段と改善することがで
きる。例えば更にエラストマーを含有させることによ
り、優れた耐衝撃性、高剥離性及び耐水性、耐熱性等を
併せ持ち、瞬間接着剤としてのイメージを損なうことの
ない柔軟性の優れた接着剤組成物を工業的、経済的に有
利に提供でき、その使用範囲を拡大することができ、そ
の利用価値は極めて大きいものがある。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。 実施例1、比較例1、2
【0044】〔試料の調製〕安定剤としてS02 を30
ppm 添加して調製したエチル−α−シアノアクリレート
に、表−1に記載のフタル酸エステルを、表−1に記載
の所定量を添加し、α−シアノアクリレート接着剤組成
物を調製した。
【0045】このα−シアノアクリレート接着剤組成物
を用いて、以下の試験方法に従って、それぞれについて
接着剤の性能試験を行ない、結果を表−1に示した。
【0046】なお、本発明によらない、フタル酸エステ
ル(フタル酸ジブチル)を用いた場合及びフタル酸エス
テルを添加せずにそれぞれ調製したα−シアノアクリレ
ート接着剤組成物を用いて、同様に実験を行ない、比較
例1、2としてそれぞれ表−1に示した。
【0047】〔試験方法〕 (1)硬度の測定 ショア硬度計・Dタイプ(上島製作所社製)を用い、2
5℃で硬化層の硬度を測定した。
【0048】(2)曲げ角度の測定 25×50mmのゴム上に厚み1mmの接着層を作り、
充分硬化させた後、その硬化層をゴムと共に曲げ、硬化
層が割れる角度を測定した。単位(角度)
【0049】(3)引張剪断強度の測定法 JIS K 6861−6「引張剪断接着強さ測定方
法」に準ずる方法により測定した。単位(Kgf/cm2)
【0050】(4)耐熱性 JIS K−6861に準じて接着硬化後、100℃で
24時間加熱後、室温で放冷した後、前記(2)により
引張剪断強度を測定した。単位(Kgf/cm2)
【0051】(5)硬化速度(セットタイム)の測定法 JIS K−6861−8「セットタイム測定法」に準
ずる方法により測定した。単位 (秒)
【0052】
【表−1】
【0053】実施例2、比較例3、4 安定剤としてS02 を15ppm 、HBF4 を15ppm 添
加して調製したエチル−α−シアノアクリレートに、表
−2に記載のフタル酸エステル及び速硬化添加剤を、表
−2に記載の所定量を添加し、α−シアノアクリレート
接着剤組成物を調製した。
【0054】このα−シアノアクリレート接着剤組成物
を用いて、前記の試験方法に従って、それぞれについて
接着剤の性能試験を行ない、結果を表−2に示した。
【0055】なお、本発明によらない、フタル酸エステ
ル(フタル酸ジオクチル)を用いた場合及びフタル酸エ
ステルを添加せずにそれぞれ調製したα−シアノアクリ
レート接着剤組成物を用いて、同様に実験を行ない、比
較例3、4としてそれぞれ表−2に示した。
【0056】なお、表−2中の記号の意味は次のとおり
である。 PEG-400 ;ポリエチレングリコール(400)
【0057】
【表−2】
【0058】実施例3、4、比較例5 安定剤としてHBF4 を15ppm 添加して調製したエチ
ル−α−シアノアクリレートに、表−3に記載のフタル
酸エステル及び速硬化添加剤を、表−3に記載の所定量
を添加し、α−シアノアクリレート接着剤組成物を調製
した。
【0059】このα−シアノアクリレート接着剤組成物
を用いて、前記の試験方法に従って、それぞれについて
接着剤の性能試験を行ない、結果を表−3に示した。な
お、本発明によらない、フタル酸エステルを添加せずに
それぞれ調製したα−シアノアクリレート接着剤組成物
を用いて、同様に実験を行ない、比較例5としてそれぞ
れ表−3に示した。
【0060】なお、表−2中の記号の意味は次のとおり
である。 PEG1000 ;ポリエチレングリコール(1000) PGL ; ピロガロール
【0061】
【表−3】
【0062】実施例5、6、比較例6 安定剤としてHBF4 を10ppm 及びS02 を10ppm
添加して調製したエチル−α−シアノアクリレートに、
表−4に記載のフタル酸エステル及び速硬化添加剤を、
表−4に記載の所定量を添加し、α−シアノアクリレー
ト接着剤組成物を調製した。
【0063】このα−シアノアクリレート接着剤組成物
を用いて、前記の試験方法に従って、それぞれについて
接着剤の性能試験を行ない、結果を表−4に示した。な
お、本発明によらない、フタル酸エステルを添加せずに
それぞれ調製したα−シアノアクリレート接着剤組成物
を用いて、同様に実験を行ない、比較例6としてそれぞ
れ表−4に示した。
【0064】なお、表−2中の記号の意味は次のとおり
である。 M90G ;ポリエチレングリコール(400)モノメ
チルエーテルのモノアクリレート PGL ;ピロガロール
【0065】
【表−4】
【0066】実施例7〜12 〔試料の調製〕以下の表−5−a、表−5−b及び表−
5−cに記載した添加物を所定量加え、40±2℃の温
度で数時間撹拌、溶解して均一なエラストマーを含有す
る接着剤組成物を調製した。この接着剤組成物を用い
て、以下の試験方法に従って、それぞれについて接着剤
の性能試験を行ない、結果をそれぞれ表−5−a、表−
5−b及び表−5−cに示した。
【0067】〔試験方法〕 (1)ショア硬度・D ショア硬度計・Dタイプ(上島製作所社製)を用い、2
5℃で硬化層の硬度を測定した。
【0068】(2)曲げ試験(角度) 25×50mmのゴム上に厚み1mmの接着層を作り、
充分硬化させた後、その硬化層をゴムと共に曲げ、硬化
層が割れる角度を測定した。単位(角度)
【0069】(3)硬化速度(セットタイム) JIS K−6861−8「セットタイム測定法」に準
ずる方法により測定した。単位 (秒)
【0070】(4)T型剥離強さ JIS K 6854「接着剤のはく離接着強さ試験方
法」に準ずる方法により測定した。但し、鋼試験片は研
磨せず脱脂のみで接着を行ない、測定した。単位(Kgf/2
5mm)
【0071】(5)衝撃強さ JIS K 6855「接着剤の衝撃接着強さ試験方
法」に準ずる方法により測定した。単位(Kgf.cm/cm2)
【0072】(6)引張剪断強さ JIS K 6861−6「引張剪断接着強さ測定方
法」に準ずる方法により測定した。単位(Kgf/cm2)
【0073】(7)耐水性 JIS K 6861に準じ、接着硬化後、40℃の水
に5日間浸漬した後、前記(3)により引張剪断強度を
測定した。単位(Kgf/cm2)
【0074】(8)耐熱性(引張剪断強さ) JIS K−6861に準じて接着硬化後、100℃で
24時間加熱後、室温で放冷した後、前記(2)により
引張剪断強度を測定した。単位(Kgf/cm2)
【0075】(9)粘度の測定 JIS K−6833−6.3「粘度測定法」に準ずる
方法により測定した。単位センチポイズ(CPS)なお、表
中で初期粘度とは、接着剤組成物配合直後に測定した値
であることを、また保存後粘度とは、接着剤組成物を7
0℃で7日間保存後に測定した値であることを示す。
【0076】表−5中の記号の意味は次のとおりであ
る。 DEP ; フタル酸ジエチル レオコート ;アクリル系エラストマー 第一レース
株式会社商品名 PEG1000;ポリエチレングリコール(1000) M90G ;ポリエチレングリコール(400)モ
ノメチルエーテルのモノアクリレート デスモコール ;ポリウレタン系エラストマー 住友バ
イエルウレタン株式会社商品名 GA ;ガーリック酸
【0077】
【表−5−a】
【0078】
【表−5−b】
【0079】
【表−5−c】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 橋本 栄和 (56)参考文献 特開 昭63−3072(JP,A) 特開 平2−34678(JP,A) 特開 昭58−168677(JP,A) 特開 昭54−28342(JP,A) 特開 昭58−8771(JP,A) 特開 平3−7786(JP,A) 特開 平3−137178(JP,A) 特開 昭52−78933(JP,A) 特開 昭60−166361(JP,A) 特開 昭52−115386(JP,A) 特開 平6−329995(JP,A) 特開 平6−57215(JP,A) 特開 平5−331423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 4/00 - 201/10

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−シアノアクリレートに、下記一般式
    (1) 【化−1】 (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に炭素数1〜3の
    置換されていてもよいアルキル基を表わす。)で示され
    るフタル酸エステルを5〜55重量%含有することを特
    徴とするα−シアノアクリレート接着剤組成物。
  2. 【請求項2】フタル酸エステルを10〜50重量%含有
    することを特徴とする請求項1に記載のα−シアノアク
    リレート接着剤組成物。
  3. 【請求項3】以下の(a) 、(b) 及び/又は (c)を更に含
    有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれ
    かに記載のα−シアノアクリレート接着剤組成物。 (a) エラストマー (b) 下記一般式(2) 【化−2】 (式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立に水素原子、
    ハロゲン原子、水酸基、置換若しくは非置換のアルキ
    ル、アルケニル、アリール又はアラルキル基を示す。p
    は1以上の整数、qは2以上の整数を示し、末端は環形
    成されていてもよい。)なる繰り返えし単位を有する化
    合物から選ばれた1種以上 (c) 下記一般式(3) 【化−3】 (式中、rは2〜6の整数を表し、少なくとも2ケのヒ
    ドロキシ基は、隣接位置にあるものとする。Yは水素原
    子、置換若しくは非置換のアルキル、アルコキシ、カル
    ボキシル、アルコキシカルボニル基又はハロゲン原子を
    表わし、sは0〜4の整数を表わす。)で示されるポリ
    ヒドロキシ化合物から選ばれた1種以上
  4. 【請求項4】エラストマーを1〜50重量%を含有する
    ことを特徴とする請求項3に記載のα−シアノアクリレ
    ート接着剤組成物。
  5. 【請求項5】エラストマーが、アクリル酸エステル系共
    重合体エラストマーである請求項3又は請求項4のいず
    れかに記載のα−シアノアクリレート接着剤組成物。
  6. 【請求項6】アクリル酸エステル系共重合体エラストマ
    ーが、アクリル酸エチルエステルを共重合体の一成分と
    してなる請求項5に記載のα−シアノアクリレート接着
    剤組成物。
  7. 【請求項7】一般式(2)なる繰り返えし単位を有する
    化合物を0.005〜5重量%含有する請求項3に記載
    のα−シアノアクリレート接着剤組成物。
  8. 【請求項8】一般式(3)で示されるポリヒドロキシ化
    合物を0.001〜1重量%含有する請求項3に記載の
    α−シアノアクリレート接着剤組成物。
  9. 【請求項9】安定剤としてHBF4又はBF3 エーテル錯塩を
    含有する請求項1〜請求項8のいずれかに記載のα−シ
    アノアクリレート接着剤組成物。
  10. 【請求項10】HBF4又はBF3 エーテル錯塩を0.000
    1〜0.1重量%含有する請求項9に記載のα−シアノ
    アクリレート接着剤組成物。
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