JP3335304B2 - 表面が改質されたポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

表面が改質されたポリイミドフィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面が改質された
ポリイミドフィルムおよびその製造方法に関する。本発
明は特に、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸またはその無水物もしくはエステルを含む芳香族
テトラカルボン酸成分とp−フェニレンジアミンを含む
芳香族ジアミン成分とから得られた芳香族ポリイミド中
に無機フィラーが分散されてなるポリイミドフィルムで
あって、その表面が良好な接着性を示すように改質され
たポリイミドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジ
アミン成分との重合・脱水などにより製造される芳香族
ポリイミド(全芳香族ポリイミド)は、顕著に優れた耐
熱性を持ち、機械的強度や化学的安定性にも優れている
ところから、特に、苛酷な条件にて使用され、かつ高度
の信頼性が要求される技術分野(例、電子材料分野、宇
宙空間にて使用される各種材料分野)において利用が増
加している。
【0003】芳香族ホリイミドは上記のように多くの特
性において優れた性質を示すが、そのフィルムなどの成
型物の表面が不活性であるため、芳香族ポリイミドフィ
ルム間の接着、あるいは芳香族ポリイミドフィルムと金
属箔(例、銅箔)との接着が容易でないという問題があ
る。そして、従来において、芳香族ポリイミドフィルム
の他の材料への接着性を高めるための接着剤の開発も行
なわれてきたが、それらの接着剤と芳香族ポリイミドフ
ィルム表面との接着性もまた充分ではない。
【0004】このため、芳香族ポリイミドフィルムの表
面をコロナ放電処理やプラズマ放電処理などの方法で放
電処理することによって、芳香族ポリイミドフィルム表
面の接着性を高める方法が検討され、利用されている。
【0005】例えば、特開昭63−61030号公報に
は、コロナ放電処理を行なうことにより、フィルム表面
の酸素/炭素比が0.01〜0.1増加させた、残揮発
物量が0.45重量%以下のポリイミドフィルムが記載
されている。
【0006】特開平1−128242号公報には、芳香
族ポリイミドフィルムを放電電極により支持しながら、
コロナ放電などの放電処理を行なう芳香族ポリイミドフ
ィルムの表面改質方法が記載されている。
【0007】特開平3−56541号公報には、芳香族
ポリイミドフィルムを予め有機溶媒で処理した後、プラ
ズマ処理することを特徴とする芳香族ポリイミドフィル
ムの改質方法が記載されている。
【0008】特開平5−1160号公報には、芳香族ポ
リイミドフィルムをドラム電極により支持しながら、特
定の形状の印加電極を用い、常圧にてプラズマ放電など
の放電処理を行なう芳香族ポリイミドフィルムの表面改
質方法が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の各公開公報に記
載の芳香族ポリイミドフィルムの表面の改質方法は、芳
香族ポリイミドフィルムを中心にして各種の耐熱性樹脂
フィルムに有効に適用され得るとされている。ただし、
それぞれの記載中において具体的事実として明らかにさ
れているのは、テトラカルボン酸成分としてピロメリッ
ト酸二無水物を用い、ジアミン成分として4,4−ジア
ミノジフェニルエーテルを用いて製造した芳香族ポリイ
ミドフィルム、あるいはそれらの材料を用いて製造し
た、商品名を「カプトン」とする芳香族ポリイミドフィ
ルムであり、各公報に記載の実施例によると、この種の
芳香族ポリイミドフィルムに対するコロナ放電処理やプ
ラズマ放電処理は、その接着力改良に有効であることが
明らかにされている。
【0010】しかしながら、本発明者による芳香族ポリ
イミドフィルムの表面特性の改良に関する研究による
と、前記したような公知のコロナ放電処理やプラズマ処
理によっても、充分な表面特性の改良が実現しない芳香
族ポリイミドフィルムが存在することが判明した。
【0011】すなわち、別種の芳香族ポリイミドフィル
ムとして、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸またはその無水物もしくはエステルを含む芳香族
テトラカルボン酸成分とp−フェニレンジアミンを含む
芳香族ジアミン成分とから得られた芳香族ポリイミドか
らなる芳香族ポリイミドフィルムが知られており、この
芳香族ポリイミドフィルムは、前記のピロメリット酸二
無水物と4,4−ジアミノジフェニルエーテルとから製
造した芳香族ポリイミドフィルムよりも、更に耐熱性に
優れ、かつ機械的強度や化学的安定性も優れた芳香族ポ
リイミドフィルムであるが、この種の芳香族ポリイミド
フィルムは、その特に優れた化学的な安定性に起因する
と推定されるが、更に表面特性の改良が困難なことが知
られている。そして、3,4,3’,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物を含む芳香族テトラカルボン
酸成分とp−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン
成分とから製造した芳香族ポリイミドフィルムに対し
て、前記のような従来技術による放電処理(特に常圧プ
ラズマ処理)を行なっても、満足できるフィルム表面の
改質(特に接着性の向上)が実現しない。
【0012】従って、本発明の目的は、表面特性、特に
接着性が改良された3,4,3’,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸またはその無水物もしくはエステルを含
む芳香族テトラカルボン酸成分とp−フェニレンジアミ
ンを含む芳香族ジアミン成分とから得られた芳香族ポリ
イミドのフィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、3,4,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸またはその無
水物もしくはエステルを含む芳香族テトラカルボン酸成
分とp−フェニレンジアミンを含む芳香族ジアミン成分
とから得られた芳香族ポリイミド中に微粒子状の無機フ
ィラーが分散されてなる厚みが20〜125μmのポリ
イミドフィルムを、アルゴンと水素との混合ガスの雰囲
気下、二列に配置した複数のプラズマ放電電極の間を非
接触下に走行させながら、それらのプラズマ放電電極に
よってプラズマ放電処理を行なうことを特徴とする表面
改質ポリイミドフィルムの製造方法にある。
【0014】本発明のプラズマ放電処理操作は、アルゴ
ンを主成分とし、これにアルゴン100モルに対して1
〜5モルの窒素そして1〜50モルの水素を添加した
0.8〜1.2気圧の気体雰囲気にて行なうことが望ま
しい。
【0015】本発明のプラズマ放電処理は、表面改質ポ
リイミドフィルムの少なくとも一方の側の表面における
元素組成中の無機フィラーの金属元素の量が0.03〜
0.5原子%増加し、かつその表面における酸素/炭素
比が0.01〜0.20増加するように行なうことが望
ましい。特に、表面改質ポリイミドフィルムの両表面に
おける元素組成中の無機フィラーの金属元素の量が0.
05〜0.5原子%増加し、かつそれらの表面における
酸素/炭素比が0.01〜0.20増加するようにプラ
ズマ放電処理を行なうことが望ましい。あるいは、プラ
ズマ放電処理を、表面改質ポリイミドフィルムの両表面
における元素組成中の無機フィラーの金属元素の量が
0.5〜1.5原子%増加し、かつそれらの表面におけ
る酸素/炭素比が0.11〜0.15増加するように行
なうことも望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の表面が改質された芳香族
ポリイミドフィルムの製造方法について、代表的な実施
の態様を示して詳しく説明する。本発明の表面改質処理
となる芳香族ポリイミドフィルムの芳香族ポリイミドの
構成や製造方法は既に多数の公開公報を含む公知の文献
に記載があり、本発明で用いる芳香族ポリイミドは、そ
のような公知の材料や条件から適宜選択して製造するこ
とができる。
【0017】本発明で用いる芳香族テトラカルボン酸成
分は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸成分(すなわち、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸、その二無水物などの無水物、またエス
テル)を含むものであるが、2,3,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸成分(例、その二無水物)やピ
ロメリット酸成分(例、その二無水物)などの他の芳香
族テトラカルボン酸成分を併用してもよい。ただし、併
用する芳香族テトラカルボン酸成分は芳香族テトラカル
ボン酸成分の全体量の90モル%を越えないこと(すな
わち、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸成分は10〜100モル%の範囲の量で使用するこ
と)が望ましい。
【0018】本発明で用いる芳香族ジアミン成分は、p
−フェニレンジアミンを含むものでであるが、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどのジフェニ
ルエーテル系ジアミンなどの他の芳香族ジアミン成分を
併用してもよい。ただし、併用する芳香族ジアミンは、
用いる芳香族ジアミン成分の全体量の90モル%を越え
ないこと(すなわち、p−フェニレンジアミンは10〜
100モル%の範囲の量で使用すること)が望ましい。
【0019】本発明の芳香族ポリイミドフィルムは、そ
の厚みが20〜125μmの範囲、好ましくは50〜1
25μmの範囲にあり、微粒子状の無機フィラーを含む
ものである。無機フィラーの代表例としては、二酸化ケ
イ素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、そしてタルクをあげることができる。無機フィラー
は、その平均粒径が0.01〜5.0μmの範囲にある
ことが望ましい。そして、無機フィラーの芳香族ポリイ
ミドフィルム中に於ける含有量は、0.02〜5.0重
量%の範囲にあることが望ましい。
【0020】本発明のプラズマ放電処理(常圧プラズマ
処理、すなわち、0.8〜1.2気圧でのプラズマ放電
処理)の対象となる芳香族ポリイミドフィルムは、芳香
族カルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とから製造され
たドープ液(ポリアミック酸溶液)を、長尺状の支持体
上に流延し、その後加熱することにより乾燥フィルムと
し、次いで乾燥フィルムを支持体から剥がした後、高温
に加熱することにより脱水イミド化を完了させることに
より製造することができる。
【0021】なお、無機フィラーは、ポリアミック酸ド
ープ液の製造前、製造中、あるいは製造後のいずれの時
期に加えてもよく、最終的に得られる芳香族ポリイミド
フィルム中に分散された状態で存在する限り、その添加
時期や添加方法については特に制限はない。
【0022】本発明は、表面改質が特に難しい芳香族ポ
リイミドフィルムである、3,4,3’,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸またはその無水物もしくはエステ
ルを含む芳香族テトラカルボン酸成分とp−フェニレン
ジアミンを含む芳香族ジアミン成分とから得られた芳香
族ポリイミドに微粒子状の無機フィラーを添加してフィ
ルム化することにより、そのフィルム表面に無機フィラ
ーにより形成される多数の突起を形成させて、フィルム
表面を形成する方法を利用している。なお、通常の芳香
族ポリイミドフィルムは、前述のように、ポリアミック
酸ドープ液を長尺状支持体上に流延し、これを加熱乾燥
させてポリアミック酸膜としたのち、そのポリアミック
酸膜を支持体から剥がし取り、このポリアミック酸膜を
高温に加熱する方法を利用して製造しているが、得られ
るポリイミドフィルムは、無機フィラーを分散状態で含
むドープ液を支持体上に流延して加熱乾燥する工程で支
持体に接していた側(一般にB面と呼ばれる)について
は、その接着性は実用上において充分なレベルに達して
いるが、その逆側の表面(一般にA面と呼ばれる)の接
着性は乏しい。
【0023】本発明のプラズマ放電処理は、特に無機フ
ィラーを含む芳香族ポリイミドフィルムのA面について
行なうと効果が高い。即ち、無機フィラーを含む芳香族
ポリイミドフィルムのA面をプラズマ放電処理すること
により、その表面で無機フィラーを被覆している芳香族
ポリイミド層が酸化、破壊、除去などされるため、無機
フィラーの表面が露出し、接着力の効果的な増大が実現
するためである。
【0024】従って、本発明のプラズマ放電処理は、無
機フィラーを含む芳香族ポリイミドフィルムのA面(非
支持体側表面)に施すことが好ましいが、プラズマ放電
処理は、勿論、芳香族ポリイミドフィルムの両面に施す
ことが好ましい。
【0025】次に、本発明の無機フィラーを含む芳香族
ポリイミドフィルムのプラズマ放電処理について説明す
る。本発明に於けるプラズマ処理は、添付図面の図1に
おいて略図により示したプラズマ処理装置を用いて行な
うことが望ましい。
【0026】図1において、11はプラズマ処理装置の
ハウジングであり、このハウジング内には、複数のプラ
ズマ放電室12が備えられている。プラズマ放電室12
の内部には、複数のプラズマ放電電極13が二列に配置
されている。プラズマ放電室12には、その放電室にて
放電雰囲気を形成するアルゴンと水素との混合ガスを供
給するための、混合ガス供給源14に接続する混合ガス
導入パイプ15が付設されており、またプラズマ処理対
象の芳香族ポリイミドフィルムの入口16と出口17が
備えられている。
【0027】本発明のプラズマ放電処理を実施するため
の気体雰囲気としては、アルゴンを主成分とし、これに
アルゴン100モルに対して1〜モルの窒素そして1
〜50モルの水素を添加した気体雰囲気が好ましい。こ
の気体雰囲気には、所望により、ヘリウム(好ましくは
1〜50モル)などのような別の不活性ガスを添加して
もよい。
【0028】プラズマ処理装置の外部および内部には、
芳香族ポリイミドフィルムの走行を助けるための多数の
フィルム搬送ローラ18が備えられており、フィルム巻
き出しロール19から巻き出された芳香族ポリイミドフ
ィルム20の円滑な走行を補助し、処理済の芳香族ポリ
イミドフィルム20を最終的に巻き取りロール21に送
り届けるために働く。
【0029】本発明のプラズマ放電処理に用いるプラズ
マ処理装置の概要は図1に示した通りであるが、例え
ば、放電室の数の増減、配置の変更、プラズマ放電電極
の数の増減、配置の変更などを行なうことができること
は当然である。
【0030】本発明のプラズマ放電処理は、例えば図1
に示したプラズマ処理装置を用い、無機フィラーが分散
状態で含まれている芳香族ポリイミドフィルムを矢印の
方向のに、放電中のプラズマ放電電極と接触させること
なく連続的に走行させることにより、フィルム両面の放
電処理が実現するため、このような処理装置を用いて行
なうことが好ましい。
【0031】なお、本発明の無機フィラー入り芳香族ポ
リイミドフィルムのプラズマ放電処理を行なうに際して
は、特開平3−56541号公報に記載されているよう
な、有機溶媒を用いての前処理を行なうこともできる。
【0032】
【実施例】(1)芳香族ポリイミドフィルム 長尺状支持体を用い、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物と等モルのp−フェニレンジ
アミンとから公知の方法により厚みが75μmの長尺状
芳香族ポリイミドフィルム(0.2重量%のSiO2
有)を得た。
【0033】(2)プラズマ放電処理 図1に示したプラズマ処理装置と同様の構成の常圧プラ
ズマ処理装置(但し、プラズマ放電室は一室のみ装備、
またプラズマ放電処理は1気圧で実施)を用いて、下記
第1表記載のプラズマ放電処理室のガス組成とフィルム
走行速度にてプラズマ処理を行なった。
【0034】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── プラズマ処理ガス組成(モル比) フィルム走行速度 ──────────────────────────────────── 比較例 アルゴン(Ar)単独 0.5m/分 実施例1 Ar/N2 /H2 (90/2/3) 1.0m/分 実施例2 Ar/N2 /H2 (90/2/3) 0.5m/分 実施例3 Ar/N2 /H2 (90/2.5/3) 0.5m/分 実施例4 Ar/N2 /H2 (90/4/3) 1.0m/分 実施例5 Ar/N2 /H2 (90/2/3) 1.5m/分 実施例6 Ar/N2 /H2 (90/2/2) 0.5m/分 実施例7 Ar/N2 /H2 /He(90/2/3/10) 0.5m/分 実施例8 Ar/N2 /H2 (90/2/5) 0.5m/分 ────────────────────────────────────
【0035】(3)プラズマ放電処理済みフィルムの表
面組成分析 1)ケイ素(Si)原子濃度(原子%)測定 プラズマ放電処理を施した芳香族ポリイミドフィルムの
表面のケイ素濃度をESCA法を利用して測定した。そ
の結果を第2表に示す。 2)酸素/炭素比増加分 プラズマ放電処理を施した芳香族ポリイミドフィルムお
よびプラズマ放電処理を施していない芳香族ポリイミド
フィルムのそれぞれの表面の酸素/炭素比をESCA法
により測定した。その結果を、プラズマ放電処理を施し
ていない芳香族ポリイミドフィルムに対する酸素/炭素
比の増加分として第2表に示す。
【0036】(4)芳香族ポリイミドフィルムの接着性
評価 プラズマ放電処理を施した芳香族ポリイミドフィルムお
よびプラズマ放電処理を施していない芳香族ポリイミド
フィルムのそれぞれの表面(フィルム製造時に支持体表
面に接触していなかった側の表面であるA面、そしてフ
ィルム製造時に支持体表面に接触した側の表面であるB
面の双方)について、下記の条件で接着性を評価した。 イ)接着剤:アクリル樹脂系接着剤(デュポン社製品の
パイララックス) ロ)被接着シート:銅箔(厚み:30μm) ハ)接着操作:180℃、20kg/cm2 、40分の
熱圧着 ニ)接着強度測定:T剥離、剥離速度50mm/分
【0037】上記の条件で測定されたA面およびB面の
各表面の接着強度を第2表に示す。なお、プラズマ放電
処理を施していない芳香族ポリイミドフィルムのA面と
B面についての接着強度も第2表に示す。
【0038】
【表2】 第2表 ──────────────────────────────────── 酸素/炭素 Si原子 接着強度 (Kg /cm) 比増加分 濃度(原子%) A面 B面 ──────────────────────────────────── 未処理フィルム −−− 0.16 0.4 1.2 比較例1 −−− 0.18 0.5 1.3 ──────────────────────────────────── 実施例1 0.186 0.23 1.2 1.2 実施例2 0.137 1.08 1.3 1.3 実施例3 0.144 0.96 1.2 1.3 実施例4 0.127 0.51 1.3 1.4 実施例5 0.115 0.54 1.4 1.4 実施例6 0.120 0.80 1.4 1.4 実施例7 0.119 0.76 1.4 1.4 実施例8 0.030 0.25 1.2 1.2 ──────────────────────────────────── 注:酸素/炭素比増加分およびSi原子濃度はいずれもA面の測定値である。 なお、それぞれのフィルムのB面の測定値は、A面の測定値と同一であった。
【0039】第2表に示した結果から明らかなように、
本発明のプラズマ放電処理を施すことによって、フィル
ム表面の酸素/炭素比が一定範囲で増加し、かつSi原
子濃度も一定の範囲で増加した3,3’,4,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジ
アミンとから得られる芳香族ポリイミドフィルムは高い
接着性を示す。特に芳香族ポリイミド製造時において支
持体面に接触していなかった表面であるA面では、その
接着性の向上は極めて顕著である。
【0040】
【発明の効果】3,4,3’,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸またはその無水物もしくはエステルを主成分
とする芳香族テトラカルボン酸成分とp−フェニレンジ
アミンを主成分とする芳香族ジアミン成分とから得られ
た芳香族ポリイミドのフィルムは、そのフィルム内に微
粒子状の無機フィラーを分散させ、このフィルムをプラ
ズマ放電処理ことによって、フィルム表面における元素
組成中の無機フィラーの金属元素の量を特定の範囲にま
で増加させ、かつその表面における酸素/炭素比を一定
範囲にまで増加させることにより、高い接着性を示すよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における芳香族ポリイミドフィルムのプ
ラズマ放電処理するために利用されるプラズマ処理装置
の例を示す。
【符号の説明】 11 プラズマ処理装置のハウジング 12 プラズマ放電室 13 プラズマ放電電極 14 混合ガス供給源 15 混合ガス導入パイプ 16 芳香族ポリイミドフィルム入口 17 芳香族ポリイミドフィルム出口 18 フィルム搬送ローラ 19 フィルム巻き出しロール 20 芳香族ポリイミドフィルム 21 フィルム巻き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−143688(JP,A) 特開 平8−120098(JP,A) 特開 平5−222219(JP,A) 特開 平5−28458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/00 - 7/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3,4,3’,4’−ビフェニルテトラ
    カルボン酸またはその無水物もしくはエステルを含む芳
    香族テトラカルボン酸成分とp−フェニレンジアミンを
    含む芳香族ジアミン成分とから得られた芳香族ポリイミ
    ド中に微粒子状の無機フィラーが分散されてなる厚みが
    20〜125μmのポリイミドフィルムを、アルゴンと
    水素との混合ガスの雰囲気下、二列に配置した複数のプ
    ラズマ放電電極の間を非接触下に走行させながら、それ
    らのプラズマ放電電極によってプラズマ放電処理を行な
    うことを特徴とする表面改質ポリイミドフィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 プラズマ放電処理を、アルゴンを主成分
    とし、これにアルゴン100モルに対して1〜5モルの
    窒素そして1〜50モルの水素を添加した0.8〜1.
    2気圧の気体雰囲気にて行なう請求項1に記載のポリイ
    ミドフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 表面改質ポリイミドフィルムの少なくと
    も一方の側の表面における元素組成中の無機フィラーの
    金属元素の量がプラズマ放電処理によって0.03〜
    0.5原子%増加し、かつその表面における酸素/炭素
    比が0.01〜0.20増加するようにプラズマ放電処
    理を行なう、請求項1もしくは2に記載のポリイミドフ
    ィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 表面改質ポリイミドフィルムの両表面に
    おける元素組成中の無機フィラーの金属元素の量がプラ
    ズマ放電処理によって0.05〜0.5原子%増加し、
    かつそれらの表面における酸素/炭素比が0.01〜
    0.20増加するようにプラズマ放電処理を行なう、請
    求項3に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 表面改質ポリイミドフィルムの両表面に
    おける元素組成中の無機フィラーの金属元素の量がプラ
    ズマ放電処理によって0.5〜1.5原子%増加し、か
    つそれらの表面における酸素/炭素比が0.11〜0.
    15増加するようにプラズマ放電処理を行なう、請求項
    1もしくは2に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
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