JP3334992B2 - Ccd固体撮像装置および製造方法 - Google Patents

Ccd固体撮像装置および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学像を撮像するCC
D固体撮像装置およびその製造方法に係り、特に3相以
上の相数のクロック信号に基づいて電荷転送を実行する
CCD固体撮像装置およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】光の像を撮像するに当たって、撮像装置
としてCCD固体撮像装置(以下、単にCCDとも呼
ぶ)が広く使用されている。こうしたCCDには、構成
上の観点から、インターライン機能を有するインターラ
イントランスファ方式(IT方式)およびフレームイン
ターライントランスファ方式(FIT方式)、並びにイ
ンターライン機能を有さないフレームトランスファ方式
(FT方式)およびフルフレームトランスファ方式(F
FT方式)がある。
【0003】カメラ一体型VTRや電子スチルカメラ等
の民生映像機器には、インターライン機能を有するIT
方式やFIT方式のCCDが一般的に使用されている。
また、極めて微弱な光の像を撮像するような特殊な計測
分野、例えば、極めて遠距離の星から到達した光を集光
してその映像を解析する等の特殊計測分野にあっては、
インターライン機能を有さないFT方式やFFT方式の
方が優れた効果が得られる。FT方式とFFT方式のC
CDは、電荷転送路群に電荷転送機能と光電変換機能を
持たせることによって開口率の向上を図ることができる
からである。
【0004】上記のいずれの方式においても、撮像期間
に入射した光の応じて発生した信号電荷の読み出しのた
めに行う電荷転送にあたっては、電荷転送路上に電荷転
送方向に周期的に配列された電極群に複数相のクロック
電圧信号を供給し、ピクセルごとの信号電荷を分離して
電荷転送する。
【0005】図13は従来のインターライン機能を持た
ないCCDの受光部の構成図である。このCCDは、3
相クロック駆動による電荷転送を行う装置であり、各相
のクロック信号が電荷転送方向に配列された3個で1組
の電極群の各組の各電極に夫々配線接続されている。図
9に示すように、周期的に電極の組が配列されるので、
個々の電極相互間を確実に電気的に分離するため、1組
内の電極は互いに異なる形状とし、異なる製造工程で形
成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のCCDは上記の
ように構成されているので、n(n≧2)相のクロック
信号を使用したCCDの場合、チャネル層の1ピクセル
分の領域表面に電荷転送方向に互いに独立に電圧の印加
が可能なn個の電極を順次配置して、各相のクロック信
号を個別に夫々の電極に供給するので、nが偶数の場合
には電極の形成工程が最低2回で済むものが、nが奇数
の場合には電極の形成工程において必ず3回以上の電極
形成が必須であった。
【0007】本発明は、上記の点を鑑みてになされたも
のであり、製造工程の簡易化および統一化の向上を図る
ことができる構造のCCD固体撮像装置と、こうしたC
CD固体撮像装置の製造方法とを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のCCD固体撮像
装置は、光電変換と電荷転送機能とを有する電荷転送路
群を有するCCD固体撮像装置であって、電荷転送路群
は、(a)信号電荷を転送するチャネル層と、(b)チ
ャネル層の一方の表面上に形成された絶縁層と、(c)
絶縁層の表面領域に電荷転送方向に沿って交互に形成さ
れた複数の第1の種類および第2の種類の電極からなる
第1の電極群および第2の電極群と、(d)第2の種類
の電極に関して電荷転送方向に沿って2個ごとの第2の
種類の電極の下方のチャネル層内に形成されたバリア部
と、(e)バリア部の上方に形成された第2の電極群の
第1の電極と第1の電極の電荷転送方向側で隣接する第
1の電極群の第2の電極とに、3相クロック信号の第1
の相のクロック信号を印加する第1の電気配線と、
(f)第2の電極の電荷転送方向側で隣接する第2の電
極群の第3の電極に、3相クロック信号の第2の相のク
ロック信号を印加する第2の電気配線と、(g)第3の
電極の電荷転送方向側で隣接する第1の電極群の第4の
電極には、3相クロック信号の第3の相のクロック信号
を印加する第3の電気配線と、を備える。
【0009】そして、撮像時には、第1の電気配線、
第2の電気配線および第3の電気配線を利用して、全て
の第1の電極群および第2の電極群の電極にバリア部の
形成されていないチャネル層領域に発生するピクセルに
相当するポテンシャル井戸群を形成するよう電圧が印加
され、電荷転送時には、第1の電極群および第2の電
極群の電極に3相のクロック信号が第1の電気配線、第
2の電気配線および第3の電気配線を介して印加され
て、ポテンシャル井戸に集積した信号電荷を他のポテン
シャル井戸に集積した信号電荷とは分離して電荷転送す
る、ことを特徴とする。
【0010】また、撮像時において全ての第1の転送
電極群の電極および第2の転送電極群に印加される電圧
値はピニング電圧値以下であり、クロック信号はピニ
ング電圧とピニング電圧よりも高い電圧値とが交互に発
生する、ことを特徴としてもよい。
【0011】また、本発明のCCD固体撮像装置の製造
方法は、光電変換と電荷転送機能とを有する電荷転送路
群を有するCCD固体撮像装置の製造方法であって、こ
の電荷転送路群の製造方法は、(a)第1の導電型の半
導体基板の表面に信号電荷を転送するチャネル層を形成
する工程と、(b)チャネル層の一方の表面に絶縁層を
形成する工程と、(c)絶縁層の表面領域を電荷転送方
向に沿って交互に存在する複数の第1および第2の領域
からなる第1および第2の領域群の第1の領域群上に複
数の第1の種類の電極からなる第1の電極群を形成する
工程と、(d)第2の領域に関して2以上の所定の数ご
と第2の領域の下方のチャネル層内に第1の導電型のバ
リア部を形成する工程と、(e)第1の電極群とは電気
的に分離された、第2の領域群上に複数の第2の種類の
電極からなる第2の電極群を形成する工程と、(f)撮
像時には、全ての第1の転送電極群の電極および第2の
転送電極群にバリア部の形成されていないチャネル層領
域に発生するピクセルに相当するポテンシャル井戸群を
形成する電圧を供給し、電荷転送時には、ポテンシャル
井戸に集積した信号電荷を他のポテンシャル井戸に集積
した信号電荷とは分離して電荷転送を行わせる3相以上
の相数のクロック信号を第1の電極群および第2の電極
群に供給する電気配線を施す工程と、を備えることを特
徴とする。
【0012】ここで、上記の2以上の所定の数は2、ク
ロックの相数は3であり、更に、電気配線を施す工程
は、バリア層の上方に形成された第2の電極群の第1
の電極と第1の電極の電荷転送方向側で隣接する第1の
電極群の第2の電極とには、3相クロック信号の第1の
相のクロック信号を印加する第1の電気配線を施す第1
の副工程と、第2の電極の電荷転送方向側で隣接する
第2の電極群の第3の電極には、3相クロック信号の第
2の相のクロック信号を印加する第2の電気配線を施す
第2の副工程と、第3の電極の電荷転送方向側で隣接
する第1の電極群の第4の電極には、3相クロック信号
の第3の相のクロック信号を印加する第3の電気配線を
施す第3の副工程と、を備えることを特徴としてもよ
い。
【0013】
【作用】本発明のCCD固体撮像装置では、撮像期間に
光を受光するとチャネル層内のバリア部を側壁とするポ
テンシャル井戸部に信号電荷が集積される。撮像期間終
了後、電荷転送期間に遷移すると、各電極にn(n≧
3;以後も同様)相駆動方式のクロック信号が供給さ
れ、各電極の下方のチャネル層の領域に各電極に印加さ
れた電圧値に応じたポテンシャル値が周期的に発生し、
信号電荷を電荷転送方法へ順次移動させ、信号電荷の転
送を実現する。
【0014】また、本発明のCCD固体撮像装置の製造
方法では、まず、半導体基板の表面にチャネル層を形成
し、チャネル層の表面に絶縁層を形成する。次に、絶縁
層の表面の領域を電荷転送方向に複数の領域に分割した
場合、電荷転送方向に1つおきに分割された領域を選択
された第1の領域群に第1の電極群を形成する。次い
で、絶縁層の表面の領域の内、第1の領域を除く第2の
領域群の個々の分割領域を電荷転送方向に順次数えた場
合、n/2以上の整数番目ごとの第2の領域群の分割領
域の下方のチャネル層内にバリア部を自己整合的に形成
する。引き続き、第2の領域上に第2の電極群を形成
し、n相クロックを第1の電極群および第2の電極群に
供給する配線接続を施す。こうして、本発明のCCD固
体撮像装置において特徴的な部分である電荷転送路を製
造する。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の一実施
例について説明する。なお、図面の説明にあたって同一
の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す
る。まず、本発明を実施するに当たり好適に適用される
CCDの例を図1と図2に基づいて説明する。なお、本
実施例は、3相クロック駆動で垂直電荷転送を行うCC
Dである。図1は、インターライン機能を有しないFT
方式のCCDの構成図であり、夫々が光電変換機能と電
荷転送機能とを兼ね備えた複数列の電荷転送路群を有す
る受光部3と、これらの電荷転送路群の終端部分に更に
連続して形成され且つ表面が遮光されている電荷転送路
群を有する蓄積部4と、蓄積部4の電荷転送路群の終端
に接続され且つ表面が遮光され、蓄積部4から転送され
て来た信号電荷群を水平2相クロックS1,S2に従っ
て水平方向xへ水平転送させる水平電荷転送路7と、水
平電荷転送路7の終端に設けられてピクセル毎の信号電
荷を電圧のピクセル信号に変換して出力する出力部8を
備えている。
【0016】一方、図2は、インターライン機能及び蓄
積部を備えないFFT方式のCCDであり、受光部3の
電荷転送路群の終端に直接に水平電荷転送路6が接続さ
れている点で、図1のFT方式のCCDと相違する。
【0017】図3は、図1あるいは図2のCCDの受光
部3の構成を示す断面図である。尚、図3は、図1と図
2の1つの電荷転送路の要部構造を代表して示してい
る。
【0018】図3において、p形シリコン基板10上に
n形チャネル層11が積層され、更に薄い絶縁層を介し
て、多数の転送電極G0 ,G1 ,G2 …Gn (n:整
数)…が垂直電荷転送方向yに沿って配列形成されてい
る。これらの電極の内、第1の転送電極群G2m(m:整
数)は互いに同一形状であり、第2の転送電極群G2m+1
(m:整数)は第1の転送電極群G2mとは異なる形状で
あり互いに同一の形状である。更に、第2の転送電極群
2m+1に属する転送電極G1 ,G5 …G4l+1(l:整
数)…下のチャネル層11の表層部分には、p形又はn
形不純物が拡散若しくはイオン注入されることによるバ
リア部B1 ,B2 …Bl …が形成されている。
【0019】そして、転送電極G4l+1および転送電極G
4l+2にはクロック信号P1が、転送電極G4l+3にはクロ
ック信号P2が、転送電極G4l+4にはクロック信号P3
が印加されている。尚、他の電荷転送路群も同一配列の
転送電極G0 ,G1 ,G2 …Gn …が形成され、且つ上
記と同様にクロック信号P1,P2,P3が印加されて
いる。
【0020】図4は、垂直の3相クロックP1,P2,
P3のタイミングチャートである。受光期間τ1(撮像
期間)では、全クロック信号P1,P2,P3は共に所
定の低電圧(以下、“L”レベルという)VL に保持さ
れる。一方、後述する垂直電荷転送時には、クロック信
号P1,P2,P3を、“L”レベルの電圧VL と、こ
の“L”レベルの電圧VL より高い所定電圧(“H”レ
ベルという)VH で交互に変化させることにより電荷転
送のためのポテンシャルプロフィールを発生させるよう
になっている。なお、転送電極に印加される電圧がVL
からVH に変化した時に生じる転送電極下のチャネル層
におけるポテンシャルの変化量は、同一電圧が対応する
転送電極に印加された場合のバリア部とバリア部でない
部分とのポテンシャルの差の値よりも大きくなるよう
に、印加電圧値を設定する。
【0021】このようにクロック信号P1,P2,P3
が共に“L”レベルに保持される受光期間τ1中では、
時刻t0 で代表されるように、図5(a)に示すポテン
シャルプロフィールとなる。即ち、バリア部B1 ,B2
……が形成されている部分では、ポテンシャル井戸が発
生せず、バリア部B1 ,B2 ……が形成されていない部
分では、“L”レベルの電圧VL に従ったポテンシャル
の比較的浅いポテンシャル井戸が発生する。そして、受
光期間τ1に発生する信号電荷q0 ,q1 ,q2 ……は
これらのポテンシャル井戸に集積される。
【0022】次に、垂直電荷転送期間τ2 では、図4に
示すように、クロックP1,P2,P3が所定周期・所
定位相関係で“L”レベルの電圧VL と“H”レベルの
電圧VH で交互に反転変化する。
【0023】まず、クロック信号P1,P2が“L”レ
ベルのままで、クロック信号P3が“H”レベルに反転
する(転送位相状態1)。“L”レベルのままの転送電
極(G1 ,G2 ,G3 )および転送電極(G5 ,G6
7 )…、すなわち転送電極(G4l+1,G4l+2
4l+3)に対応するポテンシャルプロフィールは変化し
ないが、“H”レベルとなる転送電極G0 ,転送電極G
4 および転送電極G8 …、すなわち転送電極G4l+4に対
応するポテンシャルは深くなる(図5(b)参照)。し
たがって、“H”レベルとなる転送電極G4l+4下のポテ
ンシャル井戸のポテンシャルが最大となり(換言すれ
ば、最も深くなる)、転送電極G4l+2,G4l+3下のポテ
ンシャル井戸に集積されていた信号電荷(q0 ,q1
2 …)が転送電極G4l+4下のポテンシャル井戸方向へ
移動する。
【0024】次に、転送位相状態1からクロック信号1
が“H”レベルに反転する(転送位相状態2)と、転送
電極(G4l+1,G4l+2)に対応するポテンシャルプロフ
ィールが変化する(図5(c)参照)。この結果、信号
電荷は転送電極G4l+4側から転送電極(G4l+1
4l+2)側へ移動する。引き続き、転送位相状態2から
クロック信号P3が“L”レベルへの反転(転送位相状
態3;図5(d)参照)、転送位相状態3からクロック
信号P2が“H”レベルへの反転(転送位相状態4;図
6(a)参照)、転送位相状態4からクロック信号P1
が“L”レベルへの反転(転送位相状態5;図6(b)
参照)、転送位相状態5からクロック信号P3が“H”
レベルへの反転(転送位相状態6;図6(c)参照)が
順次発生する。そして、転送位相状態6からクロック信
号P2が“L”レベルへの反転することにより、転送位
相状態1と全く同様のポテンシャルプロフィールとなる
転送位相状態1′となる(図6(d)参照)なり、以
後、上記のポテンシャルプロフィールの周期的変化が継
続する。こうした転送位相状態の遷移の進行に伴い、図
5(a)〜(d)および図6(a)〜(d)に示すよう
に、ポテンシャルプロフィールが連続的に変化して信号
電荷ごとに分離してが電荷転送が実行される。
【0025】図7は、図4に対する垂直の3相クロック
信号P1,P2,P3の変形例のタイミングチャートで
ある。図7に示す3相クロック信号P1′,P2′,P
3′は、相互の位相関係は図4と同様であるが、クロッ
ク信号P1′の“H”レベルの電圧値VH2がクロック信
号P2′,P3′の“H”レベルの電圧値VH1よりも大
きく設定している点が異なる。以下、転送電極に印加さ
れる電圧値がVH2の場合とVH1の場合とで発生するチャ
ネル層内のポテンシャルの差は、同一電圧が対応する転
送電極に印加された場合のバリア部とバリア部でない部
分とのポテンシャルの差の値よりも大きくなるように、
印加電圧値を設定した場合について説明する。
【0026】図8および図9は、3相クロック信号P
1′,P2′,P3′の駆動によるチャネル層内のポテ
ンシャルプロフィールの変化と信号電荷の移動の説明図
である。図8(a)〜(d)および図9(a)〜(d)
の各転送位相状態は、夫々図5(a)〜(d)および図
6(a)〜(d)の各転送位相状態に対応している。図
8および図9と図5および図7とを比較すると、転送位
相状態2(図8(c)および図5(c)参照)におい
て、図5(c)で見られる電荷移動の障壁であるバリア
部のポテンシャルプロフィールが図8(c)では電荷移
動の障壁とはならないことが確認できる。
【0027】なお、転送電極に印加される電圧値がVH2
の場合とVH1の場合とで発生するチャネル層内のポテン
シャルの差が、同一電圧が対応する転送電極に印加され
た場合のバリア部とバリア部でない部分とのポテンシャ
ルの差の値よりも小さい場合であっても、転送状態2に
おけるバリア部のポテンシャルプロフィールによる障壁
高は図5に比べて低減され、3相クロック信号P1,P
2,P3による駆動時よりもスムーズに電荷移動が実行
される。
【0028】上記実施例における“L”レベルの電圧V
L は、図10に示すCCDの特性に基づいて決定される
ことが好適である。図10は、転送電極に印加されるク
ロックのゲート電圧VG (ボルト)と暗電流Id(nA
/cm2 )との相関関係を示す実験結果であり、CCD
はゲート電圧VG が低いほど暗電流Idが減少するとい
う特性を有することが明らかである。そして、ゲート電
圧VG がピニング電圧VP を境にして暗電流Idの減少
傾向が止まる。したがって、このピニング電圧VP より
低い所定電圧を“L”レベルの電圧VL とすることが、
極めて微弱な光の像を撮像するような特殊な計測分野、
例えば、極めて遠距離の星から到達した光を集光してそ
の映像を解析する等の特殊計測分野では特に望ましい。
【0029】なお、図1に示したFT方式のCCDで
は、蓄積部4の電荷転送路も同様に電荷転送動作するの
で、信号電荷は次第に蓄積部4へ保持される。一方、図
2に示したFFT方式のCCDでは、電荷転送路から1
列分の信号電荷が転送されて来る毎に、水平電荷転送路
7が水平の所定周期のクロック信号S1,S2に同期し
て水平電荷転送動作を繰り返すので、信号電荷の読出し
が可能となっている。又、図1に示すFT方式のCCD
では、蓄積部4に一旦保持された1フレーム相当の信号
電荷を、蓄積部4の電荷転送路と水平電荷転送路7が図
2のFFT方式のCCDの電荷転送と同じ転送動作を行
うことによって出力させる。
【0030】上記の実施例のCCD固体撮像装置の受光
部は以下の工程で製造される。なお、以下の説明では、
1つの垂直電荷転送路の製造について説明するが、他の
垂直電荷転送路も同様に、且つ同時に製造される。図1
1および図12はCCD固体撮像装置の受光部の製造工
程図である。
【0031】まず、p型のSi基板10の表面上にn型
のチャネル層11を形成(図11(a)参照)後、チャ
ネル層11の表面上にSiO2 絶縁層12を形成する
(図11(b)参照)。引き続き、SiO2 絶縁層12
の表面上にポリシリコン層を形成後選択エッチングし
て、SiO2 絶縁層12の表面上に第1の電極群である
ポリシリコン電極21を形成する(図11(c)参
照)。
【0032】次に、表面全体にSiO2 絶縁層を形成
後、イオン注入を行わないチャネル層11の領域の上部
のレジストを形成し、チャネル層内で活性化するとp型
導電性を示すp型ドーパントを選択的にイオン注入して
p型のバリア部15を形成する(図12(a)参照)。
【0033】次いで、レジスト除去後、SiO2 絶縁層
の表面上にポリシリコン層を形成後選択エッチングし
て、SiO2 絶縁層12の表面上に第2の電極群である
ポリシリコン電極22を形成する(図12(b)参
照)。引き続き、各電極にクロック信号供給用の接続配
線を施し、最終的にSiO2 絶縁層を全表面に形成して
(図12(c)参照)受光部を完成する。
【0034】こうして、自己整合的にバリア部を形成す
るとともに、2回の電極形成工程で3相クロック駆動の
電荷転送路群を備えた受光部を製造する。
【0035】本発明は、上記の実施例に限定されるもの
ではなく、変形が可能である。例えば、上記実施例では
3相クロック駆動のCCDとしたが、バリア部形成の間
隔および供給クロック信号の接続配線を変更すれば、4
相以上のクロック駆動のCCDを同様にして構成するこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明のC
CD固体撮像装置によれば、電荷転送路の転送駆動クロ
ック信号を供給する転送電極群を、互いに電気的に分離
され、電荷転送方向に配列された2つの電極を1組とし
て、電極の組を周期的に電荷転送方向に配列して形成
後、3相以上の転送駆動クロック信号の各相のクロック
信号の供給の仕方を配線接続で決定できる構造としたの
で、2回の転送電極形成工程で転送電極の全てが形成が
可能となり製造工程の簡易化ができるとともに、接続配
線以前の工程の統一化が可能なCCD固体撮像装置を実
現できる。また、ピクセルごとの信号電荷を効率良く集
積するバリア部を選択された転送電極の占める領域の下
方に形成するので、バリア部の形成を自己整合的に実施
できる。
【0037】更に、撮像時に、CCDのピニング電圧よ
り低い電圧を全転送電極に印加することにすれば、暗電
流の低減が可能となり、極めて微弱な光の像を撮像する
ような特殊な計測分野、例えば、極めて遠距離の星から
到達した光を集光してその映像を解析する等の特殊計測
分野で特に有効である。
【0038】また、本発明のCCD固体撮像装置によれ
ば、上記の1組の電極の一方の電極を形成後バリア部を
形成し、引き続き1組の他方の電極を形成後にクロック
供給用の接続配線を施すことにしたので、本発明のCC
Dを効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるCCD固体撮像装置の一実
施例の構成を示す構成説明図である。
【図2】本発明が適用されるCCD固体撮像装置の他の
実施例の構成を示す構成説明図である。
【図3】図1及び図2中の電荷転送路のA−A線断面構
造を示す断面図である。
【図4】電荷転送路を駆動するためのクロックの一例の
タイミングチャートである。
【図5】図4に示すクロックによって発生するポテンシ
ャルプロフィールを示す図である。
【図6】図4に示すクロックによって発生するポテンシ
ャルプロフィールを示す図である。
【図7】電荷転送路を駆動するためのクロックの他の例
のタイミングチャートである。
【図8】図7に示すクロックによって発生するポテンシ
ャルプロフィールを示す図である。
【図9】図7に示すクロックによって発生するポテンシ
ャルプロフィールを示す図である。
【図10】転送電極に印加するゲート電圧と暗電流の関
係を示す特性図である。
【図11】本発明のCCD固体撮像装置の製造方法の工
程(前半)図である。
【図12】本発明のCCD固体撮像装置の製造方法の工
程(後半)図である。
【図13】従来のCCD固体撮像装置の受光部の構成図
である。
【符号の説明】
3…受光部、4…蓄積部、7…水平電荷転送路、10…
半導体基板、11…チャネル層、12…絶縁層、15,
1 ,B2 〜…バリア層、21,22,G1 ,G2 ,G
3 〜…転送電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/148 H01L 21/339 H01L 29/762 H04N 5/335

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電変換と電荷転送機能とを有する電荷
    転送路群を有するCCD固体撮像装置であって、 前記電荷転送路群は、 信号電荷を転送するチャネル層と、 前記チャネル層の表面上に形成された絶縁層と、 前記絶縁層の表面領域に電荷転送方向に沿って交互に形
    成された複数の第1の種類および第2の種類の電極から
    なる第1の電極群および第2の電極群と、 前記第2の種類の電極に関して前記電荷転送方向に沿っ
    て2個ごとの前記第2の種類の電極の下方のチャネル層
    内に形成されたバリア部と、 前記バリア部の上方に形成された前記第2の電極群の第
    1の電極と前記第1の電極の前記電荷転送方向側で隣接
    する前記第1の電極群の第2の電極とには、3相クロッ
    ク信号の第1の相のクロック信号を印加する第1の電気
    配線と、 前記第2の電極の前記電荷転送方向側で隣接する前記第
    2の電極群の第3の電極には、前記3相クロック信号の
    第2の相のクロック信号を印加する第2の電気配線と、 前記第3の電極の前記電荷転送方向側で隣接する前記第
    1の電極群の第4の電極には、前記3相クロック信号の
    第3の相のクロック信号を印加する第3の電気配線と、 を備え、 撮像時には、前記第1の電気配線、前記第2の電気配線
    および前記第3の電気配線を利用して、全ての前記第1
    の電極群および前記第2の電極群の電極に前記バリア部
    の形成されていないチャネル層領域に発生するピクセル
    に相当するポテンシャル井戸群を形成するよう電圧が印
    加され、 電荷転送時には、前記第1の電極群および前記第2の電
    極群の電極に前記3相のクロック信号が前記第1の電気
    配線、前記第2の電気配線および前記第3の電気配線を
    介して印加されて、ポテンシャル井戸に集積した信号電
    荷を他のポテンシャル井戸に集積した信号電荷とは分離
    して電荷転送する、ことを特徴とするCCD固体撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 前記撮像時において全ての前記第1の電
    極群の電極および前記第2の電極群の電極に印加される
    電圧値はピニング電圧値以下であり、前記クロック信号
    はピニング電圧とピニング電圧よりも高い電圧値とが交
    互に発生する、ことを特徴とする請求項1記載のCCD
    固体撮像装置。
  3. 【請求項3】 光電変換と電荷転送機能とを有する電荷
    転送路群を有するCCD固体撮像装置の製造方法であっ
    て、 前記電荷転送路群の製造方法は、 第1の導電型の半導体基板の表面に信号電荷を転送する
    チャネル層を形成する工程と、 前記チャネル層の一方の表面に絶縁層を形成する工程
    と、 前記絶縁層の表面領域を電荷転送方向に沿って交互に存
    在する複数の第1および第2の領域からなる第1および
    第2の領域群の第1の領域群上に複数の第1の種類の電
    極からなる第1の電極群を形成する工程と、 前記第2の領域に関して前記電荷転送方向に沿って2以
    上の所定の数ごとの前記第2の領域の下方のチャネル層
    内に第1の導電型のバリア部を形成する工程と、 前記第1の電極群とは電気的に分離された、第2の領域
    群上に複数の第2の種類の電極からなる第2の電極群を
    形成する工程と、 撮像時には、全ての前記第1の電極群および前記第2の
    電極群の電極に前記バリア部の形成されていないチャネ
    ル層領域に発生するピクセルに相当するポテンシャル井
    戸群を形成する電圧を供給し、電荷転送時には、ポテン
    シャル井戸に集積した信号電荷を他のポテンシャル井戸
    に集積した信号電荷とは分離して電荷転送を行わせる3
    相以上の相数のクロック信号を第1の電極群および前記
    第2の電極群に供給する電気配線を施す工程と、 を備えることを特徴とするCCD固体撮像装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記所定の数は2であり、前記クロック
    信号の相数は3であり、 前記電気配線を施す工程は、 前記バリア部の上方に形成された前記第2の電極群の第
    1の電極と前記第1の電極の前記電荷転送方向側で隣接
    する前記第1の電極群の第2の電極とには、前記3相ク
    ロック信号の第1の相のクロック信号を印加する第1の
    電気配線を施す第1の副工程と、 前記第2の電極の前記電荷転送方向側で隣接する前記第
    2の電極群の第3の電極には、前記3相クロック信号の
    第2の相のクロック信号を印加する第2の電気配線を施
    す第2の副工程と、 前記第3の電極の前記電荷転送方向側で隣接する前記第
    1の電極群の第4の電極には、前記3相クロック信号の
    第3の相のクロック信号を印加する第3の電気配線を施
    す第3の副工程と、 を備えることを特徴とする請求項3記載のCCD固体撮
    像装置の製造方法。
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