JP3333873B2 - 水性スクリーン印刷用インキ及びその製造方法 - Google Patents

水性スクリーン印刷用インキ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙表面にスクリー
ン印刷を行なうことのできる水性スクリーン印刷用イン
キと、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、紙表面にスクリーン印刷を施す場
合に使用されるインキは有機溶剤を多量に含む油性イン
キが主体となっている。これは、紙に印刷を施す場合に
水性インキを使用すると、紙面がカールする、紙に皺が
発生する等々の問題があるからである。
【0003】上記油性インキは、揮発性有機溶剤を多量
に含むため、大気を汚染し、作業者の健康を害する恐れ
があるのみならず、有機溶剤が急速に蒸発するためイン
キの濃度や粘度を絶えず調整しなければならないという
問題点がある。さらに孔版上でスキージーやインキ返し
の面に接しない部分のインキは乾燥が進み皮膜形成が進
行するため、1〜2時間運転すると機械を停止して孔版
上のインキを取り除き、有機溶剤等により清掃する必要
がある。これらを怠ると孔版に目詰まりを起こし、つい
には版をだめにしてしまうのである。また、作業終了時
には速やかに孔版上のインキを取り除き、有機溶剤を使
ってふき取り清掃しなければならないため、作業者は絶
えず蒸発する有機溶剤の雰囲気中に居ることになり、健
康が損なわれるのである。なお、油性のスクリーン印刷
紙に筆等により墨汁等で文字を書くと、ハジキ現象が起
こって文字が書けない等の欠点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の油性インキを用
いる溶剤型のスクリーン印刷方法は、上記の通り、大気
を汚染し、作業者の人体を蝕み、極めて作業効率の悪い
ものであった。溶剤型のインキによる作業性の悪さは、
価格帯にもおおいに影響を及ぼし、スクリーン印刷紙は
高価なものとなっているのが現状である。このような油
性インキを使用する代わりに水性インキを用いて紙にス
クリーン印刷することが考えられるが、紙に水性スクリ
ーン印刷を施そうとすると、克服しなければならない多
くの課題があった。すなわち、スクリーン孔版上でイン
キが皮膜形成されない、スクリーン孔版の目詰まりを起
こさせない、印刷紙に皺を発生させない、印刷紙をカー
ルさせない、得られたスクリーン印刷皮膜は強靱で弾力
性と耐候性に優れていなければならない等の課題であ
る。
【0005】さらに、スクリーン印刷インキはスキージ
の圧力によって剪断を繰り返し、さらにインキ返しが移
動するため、スキージやインキ返しの剪断に耐えうる機
械安定性の良い水性インキが必要となる。スクリーン版
上のインキはスキージにより孔部より押し出され紙に圧
着され、さらに乾燥工程を経て文字や文様図柄となり完
成されるのである。プラスチック類、金属類、あるいは
布類等のスクリーン印刷は水性インキにより印刷が行わ
れているが、多孔質な紙に水性インキによりスクリーン
印刷を施す実例は水性UVインキを除いて皆無である。
【0006】上記水性UVインキは、強力な紫外線によ
りインキを硬化するものである。したがって、水性UV
インキを用いて紙にスクリーン印刷した場合、インキを
硬化させるため紫外線を照射すると、該照射された紙は
変色するという大きな問題が生じる。また、現在の技術
ではUVインキで印刷、硬化された印刷面には2度塗り
ができないという問題もある。さらに、UVインキの紫
外線照射装置はあまりにも高価で一般的でなく実用に値
しない。
【0007】水性インキによりスクリーン印刷を施した
場合に、なぜ印刷紙にカールや皺が発生するのか、その
理由は簡単である。特殊な加工を施した紙を除いて漉紙
されたままの紙は、親水性であり水と極めてなじみが良
い。紙は、パルプ繊維を均等に配列し、糊料の力により
成しているのであるが、水分を与えると紙を構成してい
る糊料が犯され、パルプ繊維の配列を狂わす。これらが
カールや皺の原因となっているのである。これらの原因
を除くには、印刷用紙に水分を浸透させないで、印刷後
素早く乾燥を開始する必要がある。
【0008】本発明は、上記水性インキ使用上の課題を
解決すべく種々研究を行った結果完成されたものであ
り、従来使用ができなかった紙用の水性スクリーン印刷
用インキとその製造方法を提供し、上記従来の溶剤型の
印刷で生じていた自然環境、作業環境、作業性、価格帯
等における種々の問題点を解決するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような構成とした。すなわち、本発
明にかかるスクリーン印刷用インキは、けん化度が9
8.0〜99.0moie%のポリビニールアルコール
を溶解した濃度24〜26重量%の水溶液に、ポリエチ
レングリコール、有用微生物群、耐水化剤、消泡剤、エ
マルジョン及び顔料を適量ずつ含有せしめたことを特徴
としている。
【0010】上記、ポリエチレングリコールの分子量は
4000以上であるのが好ましい。さらに、エマルジョ
ンとしては、樹脂濃度30%以上、粘度500cps以
下の高濃度低粘度型で、最低造膜温度(MFT)が25
〜50℃程度のエマルジョンを用いるのが好ましい。
【0011】また、本発明にかかるスクリーン印刷用イ
ンキの製造方法は、ポリビニールアルコールの水溶液を
撹拌しながら消泡剤、有用微生物群を適量ずつ添加し、
さらに別途溶解したポリエチレングリコール溶液と耐水
化剤を適量ずつ添加混合してインキベースを得る工程
と、得られたインキベースにエマルジョンを添加して粘
度を調整する粘度調整工程と、粘度調整後のインキベー
スに水系ペースト状顔料を添加混合する工程とを経て目
的とする水性スクリーン印刷用インキを得ることを特徴
としている。
【0012】この製造方法において使用するポリビニー
ルアルコールのけん化度、ポリビニールアルコール水溶
の濃度、添加するポリエチレングリコールの分子量等
の好ましい範囲については上記の通りである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体例をあ
げつつ詳細に説明する。この水性スクリーン印刷用イン
キは、ポリビニールアルコール(PVA)の水溶液を必
須成分としている。PVAは、接着剤等に古くから使用
されているが、印刷インキに主成分として使用された例
はない。本発明で使用するPVAとしては、けん化度が
98.0〜99.0moie%の完全けん化PVAを用
いるのが最も好ましい。PVAは、水溶液の乾燥皮膜物
性、作業性、安全性、環境性、価格等の面で水性インキ
の原料として最適の樹脂であることがわかった。また、
PVA水溶液は、濃度が高いほど、放置温度が低いほ
ど、粘度が上昇しゲル化する。本発明のインキにおける
水溶液中のPVA樹脂濃度は、顔料抱合力、乾燥皮膜の
強靭性、耐候性等に優れた皮膜を形成するため、20〜
30%(重量%、以下同じ)とするのが好ましく、24
〜26%とするのがより好ましい。
【0014】また、PVA水溶液の常温における粘度は
1500〜2000cpsとするのが好ましかった。P
VA水溶液の粘度としてこの範囲を選ぶのは、印刷から
乾燥まで完全に自動化されたハイスピードスクリーン印
刷機械に使用するインキとしての上限限界粘度であるか
らである。また、PVA水溶液は、他の高分子やエマル
ジョンに比べ1500〜2000cps程度の粘度範囲
で初期接着力がきわめて低く、このため印刷紙をカール
させたり、皺を発生させたりしないという利点がある。
このため、スクリーン印刷を施した紙面に圧着されたイ
ンキは、紙に浸透する力が弱く、紙面に十分に馴染まな
い。しかしながら、印刷後、印刷物が乾燥炉で溶融さ
れ、紙と強力に密着するため、初期接着力の悪さは皺や
カールの発生を防ぐ点で利点となるのである。
【0015】PVA水溶液の粘度は、液温によって著し
く変化する。PVAの種類やグレードによっても異なる
が、樹脂濃度25重量%を基準として、液温90℃で粘
度が400cps、常温の25℃で10000cpsと
なり、このままの数値ではスクリーン印刷インキとして
は使用できない。スクリーン印刷用インキは、スクリー
ン孔版の性質、安全性、精度の観点からインキの液温は
常温の25℃を維持しなければならず、液温を上げるこ
とにより、粘度の低下を図る方法は採用できない。一
方、PVA水溶液を得るには、常温水に撹拌しながらP
VAを仕込んで加熱する。液温が約95℃に到達後60
分位で完溶し、その時の粘度は上記の通り、25%濃度
で約400cpsであるが、周辺温度が25℃のときの
粘度は10000cpsとなり、さらに放置温度が低い
とゲル化するので、この水溶液のみではスクリーン印刷
に適した粘度とならないのである。
【0016】さらに、PVA水溶液は気泡性があるた
め、撹拌は穏やかに、空気を巻き込まない範囲の回転速
度で撹拌機械を回転させなければならない。また、消泡
剤の添加も必要である。消泡剤としては、シリコン系の
消泡剤は印刷面のハジキや印刷斑を生じさせるために不
適であり、これ以外の消泡剤、例えばサンノブコ株式会
社製SNデフオーマー483(商品名)を用いるのが効
果的である。
【0017】PVAの乾燥皮膜は、高湿度下では柔軟で
あるが低湿度下では堅くて脆い。このため、このままで
は印刷インキの皮膜として不適であるが、この問題は次
のように解決した。すなわち、PVAの溶解が完了する
と同時に撹拌しながらゆっくりとEMをPVAに対して
5%加える。EMとは、Effective Micr
o−organisms(「有用微生物群」)のことで
あり、自然界から光合成細菌、酵母菌、乳酸菌、麹菌等
の有用な微生物を選んで共存させた液状のもので、近年
環境保全等の見地から注目を集めているものである。E
Mは水に最も近い粘性の液体で、PHは3程度の強酸性
である。EMは、一定の環境下で抗酸化蛋白質又は低分
子の抗酸化物質を生成する能力があるといわれており、
PVA水溶液等はこの生成に適した環境を提供すると考
えられる。このEMをPVAに対して5%加えることに
よりPVA水溶液はPH6に保ち、長時間にわたって安
定している。PVA水溶液を弱酸性側に保つ理由は、P
VA水溶液の乾燥皮膜をある程度の耐水性を保つものと
するため後述の耐水化剤を加えるが、耐水化剤の効果
は、PVA水溶液が酸性側においてより耐水化するから
である。
【0018】PVA水溶液中にEMを加えた水溶液の粘
度は周辺温度25℃において4000cpsを保ち増粘
しない。さらに、EMは抗酸化作用が大のため、防腐、
防錆、防カビの効果もあり、PVA水溶液中に人体や自
然環境に及ぼす有害な防腐、防カビ剤を添加する必要が
なくなる。このため、PVA水溶液を主成分とした実用
的な紙用水性スクリーン印刷インキにはEMは殆ど不可
欠なものといえる。
【0019】さらに、PVA水溶液の乾燥皮膜の低湿度
下での堅さや脆さはPVAに対してポリエチレングリコ
ール(PEG)を適量加えることにより大幅に改善する
ことができる。PEGは非常に優れた湿潤性と潤滑性を
もち、乾燥を遅らす遅乾剤の効果もあるため、スクリー
ン孔版上でのインキの滑りが良く、スクリーン孔版上で
の乾燥を遅らせる効果も大である。さらにスクリーン孔
版の孔部にインキの目詰まりをおこさせない効果があ
り、PVAを主成分とした紙用水性スクリーン印刷イン
キ組成の重要な要因である。PEGは重合度により吸湿
性が異なるもので、本発明におけるPEGの分子量は4
000以上のものが好ましい。
【0020】また、紙用水性スクリーン印刷インキの粘
度を、好ましい粘度範囲に調整するためにエマルジョン
を加える。粘度を調整するだけなら水によっても調整で
きるが、エマルジョンは顔料抱合力、印刷面の耐ブロッ
キング性、耐水性、印刷面の光沢、印刷面の強度、イン
キのレベリング性等を改善するための重要な成分である
ので、これを添加して粘度を調整するのが好ましい。な
お、エマルジョンとしては、樹脂濃度30%以上、粘度
500cps以下の高濃度低粘度型で、最低造膜温度
(MFT)が25〜50℃程度のエマルジョンが好まし
い。
【0021】さらに、エマルジョンを選定する場合は、
スチレン、ブタジエン、NBR、SBR、塩化ビニー
ル、酢酸ビニール、ポリエチレン等のような耐光性、耐
候性に問題のあるエマルジョンは避けなければならな
い。また、最低造膜温度(MFT)25℃以上のエマル
ジョンは、スクリーン孔版上でのインキの乾燥を遅らす
効果もある。最低造膜温度が低いエマルジョンを使用す
ると、スクリーン孔版上で乾燥が早まり、他の装置、あ
るいは他の部分でトラブルが発生し、作業を停止した間
にスクリーン孔版上でインキが乾燥して皮膜化が進み、
孔部に目づまりを発生させてスクリーン孔版をだめにす
ることがあるので好ましくない。
【0022】以上に、PVAを主成分とした紙用水性ス
クリーン印刷インキの主な組成について記述したが、P
VA水溶液を主成分とし、EM、PEG、エマルジョン
を加えた組成の乾燥皮膜の耐水性を向上させるため、耐
水化剤を添加しておくのが好ましい。耐水化剤として
は、例えば日本PMC株式会社製の印刷適正向上剤PA
620(商品名)が非常に効果的であり、スクリーン印
刷紙上へのオフセット印刷、活版印刷、ワープロによる
印字等において有効な印刷適正をもっている。さらにイ
ンキとして完成するには、使用目的に合わせた体質顔
料、着色顔料を10〜20%加える。体質顔料、着色顔
料は水系のペースト状態で市販されているから必要に応
じて加えればよい。
【0023】次に、本発明の水性インキの製造方法につ
いて具体例を挙げて詳細に説明する。まず、分子量40
00以上のPEGを100部に対して熱湯100部を加
え撹拌する。約1〜2分で完全に溶解する。
【0024】別の容器に常温の水をいれ、ゆっくりと撹
拌しながらPVAを仕込み、撹拌しつつ加熱をはじめ
る。液温が95℃で約60分位で透明になり完溶するの
で、完溶したら加熱を止める。完溶したPVA液をゆっ
くりと撹拌しながら消泡剤を適量加え、さらにEMを所
定量加える。さらに撹拌を続けながら溶解したPEG液
をゆっくりと加え、なおも撹拌を続けながら耐水化剤を
適量加え、約30分撹拌したのち12時間熟成する。こ
れにより紙用水性スクリーン印刷用インキのベースがえ
られる。
【0025】得られた紙用水性スクリーン印刷用インキ
のベースを液温25℃に保つ保温装置の別の容器に移
し、ゆっくりと撹拌しつつ、粘度が1000cpsにな
るまでエマルジョンを加えてゆく。さらにゆっくりと撹
拌しつつ消泡剤を適量加え、なおもゆっくりと撹拌をし
ながら、目的の色に合わせた市販の水系ペースト状の顔
料を加える。約10〜20分撹拌すれば紙用水性スクリ
ーン印刷用インキが完成する。
【0026】
【実施例】加熱用の熱源としてボイラーの蒸気を利用し
た。使用する容器は二重構造とし、容器の外容部と内容
部は完全に遮断していて、お互い流通しない構造とし
た。さらに容器の上部は解放していて、水、その他配合
物を容易に投入できる構造とし、あらかじめ外容部には
水を入れておき、蒸気の発生部分のパイプと接続してあ
り、外容部の水温が上昇することにより、内容部が加温
される構造とした。撹拌機は内容部を撹拌するように取
り付けてあり、撹拌軸の回転は変速できる構造とした。
さらに内容部タンク側面に、作業性に支障を来さない部
分に温度計を取り付けてあり、内容部の液温が素早く読
み取れる構造とした。
【0027】容器の内容部に常温の水100部を仕込
み、ゆっくりと撹拌しつつ粒状の完全けん化PVA25
重量部をゆっくりと加える。粒状のPVAが分散してい
るのを確認し、さらに気泡が発生しない程度の速度で撹
拌しつつ、水を入れた外容部の蒸気排出バルブを開き加
熱を始める。温度が95℃に達したとき蒸気排出バルブ
を最小排出量に絞り液温を95℃以下にならないよう
に、さらに液温が100℃を越えないように温度調整し
た。約60分、後粒状のPVAが溶解したのを確認し、
蒸気の排出バルブを閉じ加温を終了した。
【0028】次に、PVA25重量部に対してサンノブ
コ株式会社製SNデフオーマー483K(商品名)消泡
剤を0.2%加え、さらに、有限会社サン興産業社製M
SK[環境浄化材](商品名)のEM液5%重量部をゆ
っくりと加えた。なお、EMとしては、(財)自然農法
国際研究開発センター事業部EM研究所製EM(商品
名)、砂研(株)製EM(商品名)等も使用することが
可能であった。別の容器に第一工業製薬株式会社製PE
G4000(商品名)のフレーク状のPEG1.5kg
を入れ、撹拌しつつ熱湯1.5kgをゆっくりと加え
た。約1〜2分後に完全に溶解した。PVA溶液を気泡
が発生しない程度にゆっくりと撹拌しつつ、溶解したP
EG溶液を加え、さらに撹拌しながら日本PMC株式会
社製印刷適正向上剤PA620(商品名)を0.6%加
えた。さらに30分間撹拌した後12時間熟成し、紙用
水性スクリーン印刷用インキのベースを完成した。
【0029】熟成完了後、得られた紙用水性スクリーン
印刷用インキのベース水溶液を必要量だけ別の容器に移
した。その容器は円形の容器で、容器の外周には電熱の
バンドヒーターが取り付けられ、インキの液温が25℃
を保つように構成されている。また、回転が調整できる
撹拌装置も取り付けられている。この容器にいれた紙用
水性スクリーン印刷用インキのベースを撹拌しながら、
ヘキスト合成株式会社製モビニール9000(商品
名)、アクリル共重合樹脂エマルジョン(樹脂濃度43
%、粘度300cps、最低造膜温度30℃)を上記紙
用水性スクリーン印刷用インキのベースに対して20部
加えた。そのときの粘度は1000cpsであった。さ
らに撹拌をしながら、消泡剤を0.1%加えた。
【0030】ついで、熟成したPVA水溶液を主成分と
する上記インキのベース100重量部をゆっくりと撹拌
しながら、水系のホワイト顔料(商品名:住化カラーP
MA)20重量部を加え、さらに水系のピンク顔料(商
品名:住化カラーPM−5BFP)0.3重量部を加え
た15分撹拌した後、撹拌を停止した。これにより、粘
度は1020cps、淡色のピンク色のインキが得られ
た。
【0031】スクリーン印刷用紙は毎葉の白色の和紙を
用いた。和紙の厚さは坪量120g/m2 の比較的厚い
ものを使用し、和紙の寸法は幅800mm、長さ560
mmのものを使用した。図柄は約3mm位の桜の花びら
を全面に配置した図柄とし、紙面全体に占める印刷面積
は約80%位である。和紙は多孔質で吸水性が大のた
め、非常にカールしやすく印刷後に素早く乾燥を開始す
る必要がある。シルクスクリーン印刷機械は桜井グラフ
ィックシステムズ社製を用いた。機械の全容は、給紙
部、印刷部、乾燥炉、排紙部からなり、印刷スピード枚
数は毎時800〜3500枚の範囲で調整でき、乾燥炉
は遠赤外線で乾燥を行う方式であり、炉内部の温度設定
は第一乾燥炉、第二乾燥炉、第三乾燥炉、第四乾燥炉と
なっており、各炉内の温度設定は0〜100℃の範囲で
調整できる装置を備えてある。印刷するスクリーンのメ
ッシュは200メッシュとした。印刷スピードは毎時2
500枚に設定、乾燥炉温度を第一乾燥炉は41℃に、
第二乾燥炉は44℃に、第三乾燥炉は47℃に、第四乾
燥炉は50℃に設定した。印刷開始スピードは毎時25
00枚、乾燥開始時間まで約3秒の時間を要し、乾燥炉
から排紙されるまでの時間は約15分を要し、インキの
使用量は、1kgのインキで480枚刷り上がった。刷
り上がった印刷紙は腰があり、全くカールがなく、しか
も鮮明な淡色の小桜模様の風合いに満ちた仕上がりとな
った。さらに、印刷紙の寸法は非常に安定しており、印
刷前の紙寸法と印刷後の紙寸法の誤差は全くなかった。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、自然環境、作業環境、作業性、価格等の面で
従来の溶剤型インキよりもはるかに優れた紙用水性スク
リーン印刷インキを提供することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−245380(JP,A) 特開 平9−143415(JP,A) 特開 昭63−183975(JP,A) 特開 昭63−183974(JP,A) 特開 平9−47746(JP,A) 特開 平10−46146(JP,A) 特開 平10−155476(JP,A) 特表 平6−509599(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】けん化度が98.0〜99.0moie%
    のポリビニールアルコールを溶解した濃度24〜26重
    量%の水溶液に、ポリエチレングリコール、有用微生物
    群、耐水化剤、消泡剤、エマルジョン及び顔料を適量ず
    つ含有せしめたことを特徴とする水性スクリーン印刷用
    インキ。
  2. 【請求項2】ポリエチレングリコールの分子量が400
    0以上である請求項1に記載の水性スクリーン印刷用イ
    ンキ。
  3. 【請求項3】エマルジョンは、樹脂濃度30%以上、粘
    度500cps以下の高濃度低粘度型で、最低造膜温度
    (MFT)が25〜50℃のエマルジョンである請求項
    1又は2に記載の水性スクリーン印刷用インキ。
  4. 【請求項4】ポリビニールアルコールの水溶液を撹拌し
    ながら消泡剤、有用微生物群を適量ずつ添加し、さらに
    別途溶解したポリエチレングリコール溶液と耐水化剤を
    適量ずつ添加混合してインキベースを得る工程と、得ら
    れたインキベースにエマルジョンを添加して粘度を調整
    する粘度調整工程と、粘度調整後のインキベースに水系
    ペースト状顔料を添加混合する工程とを経て目的とする
    水性スクリーン印刷用インキを得ることを特徴とする水
    性スクリーン印刷用インキの製造方法。
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