JP3333475B2 - 棚の収納物品落下防止装置 - Google Patents

棚の収納物品落下防止装置

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JP3333475B2 JP21850199A JP21850199A JP3333475B2 JP 3333475 B2 JP3333475 B2 JP 3333475B2 JP 21850199 A JP21850199 A JP 21850199A JP 21850199 A JP21850199 A JP 21850199A JP 3333475 B2 JP3333475 B2 JP 3333475B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震等の振動によ
り棚に収納されている物品が落下するのを防止すること
ができる棚の収納物品落下防止装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】地震等によって振動が発生すると、棚も
振動し、棚に収納されている物品が棚板上から落下し、
また、棚板上で転倒したあと棚板上から落下する。棚板
上から落下した物品は、衝撃によって何らかのダメージ
を受ける。収納物品が割れやすい物であれば落下によっ
て割れ、変形しやすい物であれば落下によって変形す
る。収納物品が重い物であれば落下によって床にダメー
ジを与え、そのときそばに人間がいると、人間に危害が
及ぶ可能性もある。また、収納物品が化学薬品などの場
合、これが落下して容器が割れ、他の薬品と混じると、
化学反応を起こして有毒なガスが発生したり発火したり
することもあり得る。
【0003】そこで、棚における収納物品の落下防止手
段が各種考えられている。最も簡単な落下防止手段は、
棚板の前端上縁部を、物品の出し入れに大きな支障とな
らない程度に上方に突出させ、この突出縁部で、落下し
ようとする物品を阻止しようとするものである。しか
し、この落下防止手段によれば、大きな棚の揺れに対し
ては物品落下防止効果を期待することはできない。
【0004】地震等による振動時の物品落下防止効果を
より確実なものとするために、落下防止部材を可動式に
し、通常は落下防止部材を物品の出し入れに支障のない
位置に位置させ、地震等によって一定以上の震動が発生
すると落下防止部材を物品出し入れ面に移動させて、収
納物品が棚板から落下するのを阻止するようにした落下
防止装置が考えられている。
【0005】このような従来の可動式物品落下防止装置
の例として、特許第2826811号公報に記載されて
いる発明が知られている。これは、収納物品落下防止部
材を、物品の出し入れに影響のない位置から物品出し入
れ面に位置するまでの範囲で移動可能とするとともに、
物品出し入れ面に位置するように移動付勢し、上記収納
物品落下防止部材を上記付勢力に抗して物品の出し入れ
に影響のない位置まで移動させた状態で係止手段により
係止し、一方では、振動によって振れる重り付の振り子
を設けておき、この振り子が振れるときのエネルギー
を、適宜の介在部材を介して上記係止手段に伝達し、こ
の係止手段を動かして収納物品落下防止部材の係止を解
除し、収納物品落下防止部材を上記付勢力によって物品
出し入れ面に進出させるようにしたものである。
【0006】上記のような従来の可動式物品落下防止装
置によれば、重り付の振り子を初めとして多くの部品を
必要とし、構成が複雑になる難点がある。また、そのた
めに可動部が多くなり、その分、地震等による振動の発
生から収納物品落下防止部材が収納物品落下防止位置ま
で移動するのに時間遅れが生じる難点もある。
【0007】収納物品落下防止部材をモータによって駆
動するようにし、一定以上の震動を検出する感震装置の
検知信号によって上記モータを駆動し、収納物品落下防
止部材を収納物品落下防止位置まで移動させることも考
えられるが、モータを用いた収納物品落下防止部材の駆
動機構がコスト高の要因となるとともに、この場合も、
地震等による振動の発生から収納物品落下防止部材が収
納物品落下防止位置まで移動するのに時間遅れが生じる
難点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
従来技術の問題点を解消するためになされたもので、構
成が簡単でコストが安く、地震等による振動の発生から
収納物品落下防止体勢をとるまでの所要時間を短くする
ことができる棚の収納物品落下防止装置を提供すること
を目的とする。本発明はまた、一旦収納物品落下防止体
勢をとった後は、棚が引き続き振動しても収納物品落下
防止体勢を安定に維持することができる棚の収納物品落
下防止装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
揺動部材と、この揺動部材を一方向に揺動付勢する付勢
手段と、収納物品落下防止のために上記揺動部材の端部
に設けられた水平部材と、上記揺動部材とこれを揺動可
能に支持する支持体のうちの何れかに設けられ、上記揺
動部材の揺動中心となる軸と、上記揺動部材とこれを揺
動可能に支持する支持体のうちの何れかに設けられ、上
記軸が貫通されると共に棚の間口面に直交する奥行き方
向に延びた長孔と、上記揺動部材とこれを揺動可能に支
持する支持体のうちの何れかに設けられたピンと、上記
揺動部材とこれを揺動可能に支持する支持体のうちの何
れかに設けられ、上記ピンが貫通して上記揺動部材の揺
動をガイドするガイド溝とを有してなり、上記揺動部材
の上記ガイド溝は、少なくとも一端が折れ曲がって係合
となっており、上記揺動部材は、上記軸を中心に上記
ガイド溝の範囲内で揺動可能、かつ、上記長孔の範囲内
で上記奥行き方向にスライド可能であり、一定以上の震
動が発生する前は、ガイド溝の上記係合溝と上記ピンが
係合することにより上記揺動部材の揺動が規制され、上
記水平部材は物品の出し入れに影響のない位置に存在
し、一定以上の震動が発生すると、この震動によって上
記揺動部材が上記長孔の範囲内でスライド移動して上記
ガイド溝の一端に形成された係合溝と上記ピンとの係合
が解除され、揺動部材が上記付勢力によって上記軸を中
心に上記ガイド溝の範囲内で揺動することにより、上記
水平部材は物品出し入れ面に移動して収納物品の落下を
防止することを特徴とする。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、ガイド溝は両端が折れ曲がって両端に係合
溝を有し、一定以上の震動が発生し一端側の係合溝とピ
ンとの係合が解除されて揺動部材が付勢力により揺動す
ると、揺動部材は傾斜態位となり、揺動部材はその荷重
によって長孔の範囲内でスライド移動し、ガイド溝の他
方端に形成された係合溝と上記ピンが係合することによ
り揺動部材のがたつきが防止されることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、揺動部材はカウンターウエイトを
有し、このカウンターウエイトによって揺動部材が一方
向に揺動付勢されていることを特徴とする。請求項4記
載の発明は、請求項3記載の発明において、カウンター
ウエイトは、揺動部材にそれぞれ一体に形成されている
ことを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、揺動部材と、この
揺動部材を一方向に揺動付勢する付勢手段と、収納物品
落下防止のために上記揺動部材の端部に設けられた水平
部材と、上記揺動部材を揺動可能に支持する支持部材
と、この支持部材に設けられた係止軸と、上記揺動部材
に設けられ上記係止軸が嵌まる溝とを有してなり、上記
溝は、係止軸が遊嵌する中間部と、この中間部の両側に
続く幅狭部とを有し、上記一方の幅狭部は、上記水平部
材が物品の出し入れに影響のない位置に存在していると
きに上記係止軸が係合して上記付勢力による揺動部材の
揺動を規制し、一定以上の震動で揺動部材がスライドす
ることにより上記係止軸との係合が解消されるものであ
り、上記溝の中間部に上記係止軸が位置するとき上記
動部材が付勢力により揺動して上記水平部材が物品出し
入れ面に移動するものであり、上記他方の幅狭部は、上
記水平部材が物品出し入れ面に移動しているとき上記係
止軸が嵌合して上記揺動部材のがたつきを防止するもの
であることを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかる棚の収納物品落下防止装置の実施の形態につい
て説明する。図1、図2は、本発明装置が組み込まれた
本棚、物品収納棚等の棚の一部を示す。図1、図2にお
いて、棚に取り付けられた棚板12には、その上面両端
部に扁平な四角形状の箱体10が垂直に向けて、かつ、
棚板12の奥行き方向に向けて固定されている。箱体1
0は、後述の揺動部材16の支持体をなすものであっ
て、箱体10にはこれを厚さ方向に貫いて軸14が固定
されている。この軸14によって板状の揺動部材16が
垂直方向に向けて支持されている。揺動部材16の大半
は箱体10内にあり、揺動部材16に形成された前後方
向の長孔17が上記軸14によって貫かれることによ
り、揺動部材16は軸14を中心に垂直面内において揺
動可能に、かつ、長孔17の範囲内において前後方向に
スライド可能に支持されている。揺動部材16の奥側に
はカウンターウェイト18が一体に形成されている。図
示の例では、揺動部材16の奥側を奥方向に長くかつ高
さ寸法を長く形成することによって、揺動部材16自体
をカウンターウェイト18としている。
【0016】揺動部材16の前側は斜め下に向かって延
びており、前端部は棚板12の前面に沿って下方に折れ
曲がっている。揺動部材16には、上記長孔17とカウ
ンターウェイト18との間に、コの字状のガイド溝22
が形成されている。このコの字状のガイド溝22を貫い
たピン28が箱体10を厚さ方向に貫いて箱体10に固
定されることにより、上記ガイド溝22の範囲内で揺動
部材16が垂直面内において揺動可能となっている。上
記ガイド溝22の下端部と上端部はそれぞれ前側に鉤状
に折れ曲がってそれぞれ係合溝24、26が形成され、
これら係合溝24、26には上記ピン28が係合可能な
係合構造となっている。
【0017】揺動部材16は、カウンターウェイト18
によって前側が上がる向きに付勢されているが、通常は
付勢力に抗して前端が棚板12の前面に対向する位置ま
で揺動し、この位置で上記ガイド溝22の下側の係合溝
24にピン28が係合して、付勢力による揺動が規制さ
れている。
【0018】いま、図1に示す通常の状態において、地
震が発生して棚が振動すると、揺動部材16も振動して
長孔17および係合溝24の範囲内で前後方向にスライ
ドする。揺動部材16が前に向かってスライドしたと
き、ピン28と係合溝24との係合が外れ、揺動部材1
6はカウンターウェイト18の重さによって軸14を中
心にして前側が上がる向きに揺動する。上記ガイド溝2
2は、軸14を中心とした円弧に沿って形成されている
ため、上記揺動によってガイド溝22がピン28にガイ
ドされるようにして下方に移動する。上記のようにして
揺動部材16が揺動すると、カウンターウェイト18の
荷重が斜め下方、図1においては右下に向かってかか
り、揺動部材16が奥方斜め下方に向かってスライドさ
せられ、上側の係合溝26がピン28に係合して、その
後の揺動部材16のがたつきが防止されるとともに、揺
動部材16が元に戻ることが防止される。
【0019】以上のように構成され、動作する揺動部材
16が棚板12の両側に設けられて対をなし、一対の揺
動部材16の先端部が、物品の落下を防止するための水
平部材20で連結されている。上記一対の揺動部材16
と水平部材20とによって落下防止手段が構成されてい
る。この落下防止手段は、上記カウンターウェイト18
によって、上記水平部材20が物品出し入れ面に向かっ
て移動する向きに揺動付勢されている。水平部材20
は、通常は棚板12の前面に対向する位置にあって棚板
12への物品の出し入れに支障のない位置にあるが、上
記のように地震によって揺動部材16が揺動すると、水
平部材20は、棚板12上に収納されている物品収納空
間の前方、適宜の高さ位置に進出し、棚の振動によって
物品が棚板から落下するのを防止する。
【0020】地震によって揺動した揺動部材16を元の
位置に戻すには、水平部材20を斜め上手前側に引っ張
ってピン28と係合溝26との係合を外し、水平部材2
0を下方に押し下げて揺動部材16を揺動させ、揺動の
限界位置で奥の方に押し、係合溝24をピン28に係合
させる。
【0021】以上説明した図1、図2記載の実施の形態
によれば、カウンターウェイト18によって揺動付勢し
た揺動部材16を、地震等による振動で棚の奥行き方向
にスライド可能とし、揺動部材16がスライドしたと
き、ガイド溝22の一端に形成された係合溝24とピン
28との係合が解除されるようにして、揺動部材16を
上記付勢力によってガイド溝22の範囲内で揺動させ、
一対の揺動部材16の先端部同志を連結する水平部材2
0を物品出し入れ面に移動させ収納物品の落下を防止す
るようになっているため、構成がきわめてシンプルにな
っており、部品点数も少なく、低コストの棚の物品落下
防止装置を提供することができる。また、構成がきわめ
てシンプルで、部品点数も少ないため、地震等による振
動の発生から収納物品落下防止体勢をとるまでの所要時
間を短くすることができ、応答性のよい棚の物品落下防
止装置を提供することができる。
【0022】さらに、一旦収納物品落下防止体勢をとっ
た後は、揺動部材16が斜め下方に向かってスライドさ
せられ、ガイド溝22の他方端の係合溝26がピン28
に係合するため、その後の揺動部材16のがたつきが防
止され、棚が引き続き振動しても収納物品落下防止体勢
を安定に維持することができる利点もある。
【0023】なお、一旦収納物品落下防止体勢をとった
後の、揺動部材16のがたつきが問題なければ、ガイド
溝22の他方端の係合溝26の形成を省略してもよい。
一方、仮に上記係合溝26が形成されている場合でも、
水平部材20が収納物品落下防止体勢をとった状態で、
収納物品が水平部材20に当たると、揺動部材16がス
ライドさせられて係合溝26とピン28との係合が解消
され、たまたまそのとき水平部材20を押し下げる成分
が作用すると、水平部材20が降下して収納物品落下防
止体勢が解消されることが考えられる。そこで、図1に
点線で示すように、ガイド溝22の上端に続けて上記係
合溝26とは反対側に向けて折れ曲がった係合溝58を
形成するとよい。すなわち、ガイド溝22の上端をT字
状に形成する。上記係合溝58を形成しておけば、上記
のように水平部材20が収納物品落下防止体勢をとった
状態で収納物品が水平部材20に当たり、揺動部材16
が前方にスライドさせられると、今度は上記係合溝58
がピン28に係合し、そのとき水平部材20を押し下げ
る成分が作用しても水平部材20による収納物品落下防
止体勢が維持される。
【0024】図1、図2に示す実施の形態では、揺動部
材16を揺動可能に支持する支持体としての箱体10に
軸14とピン28を設け、揺動部材16側に上記軸1
4、ピン28によって貫かれる長孔17とガイド溝22
が形成されていたが、逆に、箱体10に長孔17とガイ
ド溝22を形成し、揺動部材16側に軸14とピン28
を設けてもよい。要するに、箱体10と揺動部材16の
うちの一方に長孔17を形成し、他方に軸14を設け、
上記箱体10と揺動部材16のうちの一方にガイド溝2
2を形成し、他方にピン28を設ければよい。
【0025】上記実施の形態におけるガイド溝22の両
端に連続して形成されている係合溝24、26の向き
は、図3に示すように互いに逆向きであっても差し支え
ない。図3に示す例では、下側の係合溝24を図1に示
す例とは逆に棚の奥方に向け折り曲げて形成している。
この例では、通常の状態では揺動部材16を前側に僅か
にスライドさせて係合溝24とピン28とを係合させ、
地震等による振動によってこの係合を解除させ、後は図
1、図2に示す実施の形態と同様に動作して、水平部材
20物品出し入れ面に移動して収納物品の落下を防止す
る姿勢をとるようになっている。
【0026】水平部材20が物品出し入れ面に移動して
収納物品の落下を防止する姿勢をより安定に保持させる
ために、ピン28が係合する係合溝26を工夫してもよ
い。図4に示す実施の形態では、係合溝26の上側に、
緩やかに湾曲した板ばね30を配置し、ピン28の係合
溝26への進入通路に板ばね30の頂部が進出してい
て、ピン28が係合溝26へ進入するとき、板ばね30
の頂部を押して板ばね30の弾力に打ち勝って上記頂部
を乗り越えるようになっている。従って、ピン28と係
合溝26との係合が外れるためには、板ばね30の弾力
に打ち勝つ必要があり、ピン28と係合溝26との係合
が外れ難く、水平部材20の収納物品落下防止姿勢を安
定に保持することができる。
【0027】上記軸14および長孔17と、ピン28お
よびガイド溝22との位置関係は、互いに前後方向に逆
の関係にあってもよい。例えば図1に示す例において、
軸14および長孔17と、ピン28およびガイド溝22
の位置を互いに入れ換え、ガイド溝22の向きを左右反
転させたものでもよい。また、軸14および長孔17、
カウンターウェイト18、ピン28およびガイド溝22
の順、すなわち、ピン28およびガイド溝22が、軸1
4および長孔17の位置からカウンターウェイト18よ
りも遠い位置に配置されていてもよい。また、軸14お
よび長孔17と、ピン28およびガイド溝22との前後
方向の位置関係によっては、落下防止手段の揺動中心と
なる軸14に対する落下防止手段の重量配分の関係か
ら、あえてカウンターウェイトを設けなくても一方向に
揺動付勢することができる。図5に示す実施の形態はそ
の例である。
【0028】図5において、揺動部材32にはその上面
にアーム34が一体に結合され、アーム34は棚の前方
(図5において左方)に向かって伸び出ている。揺動部
材32には前記実施の形態と同様に、長孔17、ガイド
溝22が形成され、これら長孔17、ガイド溝22は、
それぞれ適宜の支持体に設けられた軸14、ピン28に
よって貫かれている。ただし、長孔17と軸14は揺動
部材32の後部に位置し、ガイド溝22とピン28は揺
動部材32の前部に位置している。揺動部材32とアー
ム34は、棚を前方から見て一つの棚板の左右端部にそ
れぞれ配置された2個を一対としてなり、一対のアーム
34の先端部同志は、棚の収納物品の落下を防止するた
めの水平部材20で連結されている。これら一対の揺動
部材32、一対のアーム34および水平部材20で落下
防止手段を構成している。
【0029】上記落下防止手段は軸14を中心として揺
動することができるが、アーム34は揺動部材32から
前方に伸び出ているため、軸14に対する重量配分上、
水平部材20が降下する向きに揺動付勢されている。上
記ガイド溝22の上下両端は後方に向かって折れ曲がっ
た形に形成され、それぞれ係合溝24、26となってい
る。上記落下防止手段は、通常、上記付勢力に抗し上側
に向かって揺動させられ、ピン28が下側の係合溝24
に係合した状態で保持されている。このときアーム34
はほぼ水平の姿勢をとっており、水平部材20は例えば
上側の棚板の前端部天井付近にあって、物品の出し入れ
に影響のない位置に存在している。
【0030】いま、地震等によって振動が生じると、揺
動部材32を含む落下防止手段ががたついて長孔17の
範囲内で前後にスライドし、係合溝24とピン28との
係合が解除される。落下防止手段は軸14に対する重量
配分のアンバランスによる付勢力で図5において反時計
方向に揺動し、水平部材20が降下する。落下防止手段
の揺動はガイド溝22の範囲で規制され、図5に鎖線で
示すように傾斜した姿勢をとる。これによって落下防止
手段は長孔17の範囲内で斜め下方に向かってスライド
し、ピン28が係合溝26と係合して、落下防止手段の
上記傾斜した姿勢が安定に保持される。この落下防止手
段の姿勢は、水平部材20が棚の物品出し入れ面に移動
して収納物品の落下を防止する姿勢である。
【0031】図5に示す実施の形態によれば、落下防止
手段は軸14に対する重量配分によって一方向に揺動付
勢しているので、ばねのような、あるいは重りのような
付勢手段を別個に設ける必要がなく、より一層構成の簡
略化を図ることができるとともに、部品点数の削減を図
ることができる。また、構成がシンプルであることか
ら、前述の実施の形態と同様に、地震等の振動に対する
応答性のよい棚の物品落下防止装置を得ることができ
る。この実施の形態では、水平部材20が収納物品落下
防止姿勢をとっているとき水平部材20に収納物品が当
たって水平部材20を前方にスライドさせようとする力
が作用しても、この力は係合溝26とピン28との係合
を解除する力とはならず、むしろ上記係合をより安定に
保持する力として作用するため、水平部材20による収
納物品落下防止姿勢をより安定に保持することができ
る。
【0032】なお、図5に示す実施の形態においても、
箱体10と揺動部材16のうちの一方に長孔17を形成
し、他方に軸14を設け、上記箱体10と揺動部材16
のうちの一方にガイド溝22を形成し、他方にピン28
を設けてもよい。長孔17および軸14と、ガイド溝2
2およびピン28の前後方向の位置関係も任意である。
また、図5に示す実施の形態においても、また、他の実
施の形態においても、落下防止手段を一方向に付勢する
ために、ばね等の弾性体による付勢力を補助的に付加し
てもよく、あるいは弾性体だけで付勢してもよい。
【0033】これまで説明してきた実施の形態において
は、ガイド溝22の端部に続く係合溝が、ガイド溝22
に対して明確に方向を異ならせて形成されていたが、ガ
イド溝の両端部においてピンを係合することができる形
状であればよく、例えば全体として三日月型、あるいは
半円弧状をなしていて、ガイド溝と円滑に連続していて
もよい。また、揺動部材は少なくとも1個あればよく、
必ずしも2個を一対として用いる必要はない。すなわ
ち、片方に揺動部材を用い、他方は水平部材の他端部を
直接支持部材で支持してもよい。その場合、水平部材の
他端部を支持部材に遊嵌する。また、水平部材の他端部
はこれを曲げて長孔17(図1、図3、図5参照)には
めればなおよい。
【0034】本発明装置をさらに変形して図7に示すよ
うな構成にすることも可能である。図7において、符号
35で示す揺動部材は、中間部の揺動板38と、この揺
動板38から前方斜め下に伸びたアーム36と、揺動板
38から後方斜め下に伸びたカウンターウェイト40と
を有してなる。揺動板38には係止軸42が嵌まる溝4
3を有している。ただし、係止軸42は断面正方形状を
している。上記溝43は、係止軸42が遊嵌する中間部
44と、この中間部44の両側に続く幅狭部46、48
とを有してなる。一方の幅狭部46は中間部44から後
方に伸びており、他方の幅狭部48は中間部44から前
方に伸びている。幅狭部46、48の幅は係止軸42の
幅とほぼ同じになっている。揺動部材35は2個を一対
としてなり、一対のアーム36の先端部は水平部材20
で連結されている。
【0035】通常は、図7に示すように、カウンターウ
ェイト40を有することによる付勢力に抗して揺動部材
35が反時計方向に揺動し、上記水平部材20が物品の
出し入れに影響のない位置に存在するとともに、上記一
方の幅狭部46に上記係止軸42が嵌合している。係止
軸42は断面が正方形状であり、幅狭部46の幅は係止
軸42の幅とほぼ同じであるため、上記付勢力による揺
動部材35の揺動を上記の姿勢に規制している。いま、
地震等の揺れによって揺動部材35ががたつくと、係止
軸46の位置に溝43の中間部44が位置したとき、揺
動部材35の上記揺動規制が解除され、揺動部材35は
付勢力によって時計方向に揺動し、水平部材20は物品
出し入れ面に移動して棚に収納されている物品の落下防
止姿勢をとる。このとき、カウンターウェイト40の荷
重で揺動部材35が下方に引っ張られ、係止軸42に溝
43の他方の幅狭部48が嵌まる。幅狭部48の幅は係
止軸42の幅とほぼ同じであるため、揺動部材35の揺
動が規制され、収納物品が水平部材20に当たったり乗
ったりしても、揺動部材35がもとの位置に戻されるこ
とはない。係止軸42の断面形状は正方形状に限られる
ものではなく、長方形、小判型、台形でもよく、要は、
上記溝43の幅狭部46、48にはまったとき揺動部材
35を揺動不能に規制することができればよい。従っ
て、複数のピンを並べて設け、これら複数のピンが上記
幅狭部46、48に嵌まることによって揺動部材35の
揺動が規制されるようにすることもできる。
【0036】これまで説明してきた実施の形態において
は、地震による振動に敏感に反応させようとするなら
ば、係合溝とピンとの係合深さを浅くすることになる。
しかし、この係合深さが浅すぎると僅かな振動でも水平
部材が収納物品落下防止姿勢をとることになって煩わし
い。従って、上記係合深さをどの程度にするかは、設計
者の思想によって決まる。
【0037】ここで、僅かな振動では上記係合溝とピン
との係合が外れず、ある程度以上の振動では確実に上記
係合を外すことができる実施の形態について説明する。
図6に示す実施の形態がそれで、図1、図2に示す実施
の形態に、振り子を付加したものであるから、図1、図
2に示す実施の形態と同じ構成部分については説明を省
略し、付加した構成部分を重点的に説明する。図6にお
いて、揺動部材16のカウンターウェイト18の部分に
は、ガイド溝22の側方において縦方向の長孔56が形
成され、この長孔56を貫いて軸52がはめられてい
る。軸52は長孔56内で回転可能でありかつ長孔56
に沿って移動可能となっている。軸52は長孔56の下
端に当たって規制され、下端に重り54が取り付けられ
た振り子50が軸52によって吊り下げられている。振
り子50の図6において右側方直近には、支持体10に
固定されたストッパ60が位置している。ガイド溝22
の下端に続く係合溝24とピン28との係合深さは多少
深くなっていて、この係合関係自体では、僅かな振動で
は係合が外れないようになっている。
【0038】いま、地震等によって一定以上の振動が発
生すると、上記揺動部材16ががたつき、上記係合溝2
4がピン28に対し相対移動する。一方、揺動部材16
のがたつきによって振り子50も軸52を中心に揺動
し、振り子50がストッパ60に当たる。振り子50は
重り54を有しているため、振り子50は軸52との当
接点を支点として梃子の作用をし、軸52を図6におい
て左方に移動させようとする。軸52は縦方向の長孔5
6にはまっているため、長孔56の側縁を左方に押し、
揺動部材16を左方にスライドさせる力が働く。この力
は、上記係合溝24とピン28との係合解除を助長させ
る力として働くため、直ちに係合溝24とピン28との
係合が解除される。これによって揺動部材16はカウン
ターウェイト18の荷重により、また、重り54の荷重
も加わって図6において時計方向に揺動し、水平部材2
0が物品出し入れ面に移動して収納物品落下防止姿勢を
とる。以後、揺動部材16は前述のとおり動作するが、
揺動部材16の上記の揺動の途中で重り54が箱体10
の底に当たり、それ以上の下方への移動が規制される。
それ以後も揺動部材16を揺動させるために、上記長孔
56が軸52の逃げ孔として機能する。
【0039】図6に示す実施の形態によれば、係合溝2
4とピン28との係合深さを比較的深くするなどして比
較的小さな振動では係合が解除されないようにする一
方、重り54付の振り子50とストッパ60を設けるこ
とにより、ある程度以上の振動が発生したとき上記振り
子50とストッパ60が上記係合溝24とピン28との
係合解除を助長するようにしたため、小さな振動で頻繁
に揺動部材16が作動するという煩わしさを解消するこ
とができるとともに、ある程度以上の振動が発生したと
きは揺動部材16を確実に動作させ、水平部材20物品
出し入れ面に移動させて収納物品落下防止姿勢をとらせ
ることができる。この実施の形態によれば、重り54付
の振り子50が付加されるものではあるが、振り子50
は揺動部材16に取り付けられるものであり、これを当
接させるストッパ60を付加するだけでよいから、従来
の振り子を用いた棚の物品落下防止装置よりも構成を簡
単化することができる。
【0040】次に、電気的な感震信号によって収納物品
落下防止姿勢をとらせるようにした実施の形態について
説明する。図8、図9において、支持体をなす箱体62
にはこれを幅方向に貫いてほぼ中央付近に軸64が取り
付けられている。箱体62内には、軸64を中心に揺動
可能に、円板状の係合部材66と、この係合部材66と
一体のレバー74が配置されている。係合部材66の外
周縁部には二つの係合凹部68、69が互いに近接した
位置に形成されている。レバー74の前端部(図8にお
いて右端部)にはアーム76が取り付けられている。ア
ーム76は箱体62の前端面から突出し、棚板12の前
端面よりも前方に伸びている。レバー74の後端部には
カウンターウェイト80が取り付けられている。係合部
材66、レバー74、アーム76、カウンターウェイト
80は揺動部材61を構成している。箱体62、レバー
74、カウンターウェイト80は、棚板12の左右両端
部に対をなして配置されている。アーム76は対をなす
箱体62にまたがる長さになっていて、上から見た形が
U字状に形成され、その両端部が一対のアーム74の前
端部に連結され、U字の中間部に相当する部分が水平部
材78となっている。アーム76はまた水平部材78が
棚板12の前端面に近接して対向することができるよう
に途中から下方に折り曲げられている。
【0041】箱体62内にはまた、係合部材66の上方
にプランジャ72付のソレノイド70が、上記プランジ
ャ72が下向きになるように取り付けられている。上記
揺動部材61は、カウンターウェイト80によって図8
において反時計方向に揺動付勢されているが、図8に示
す通常の状態では付勢力に抗し時計方向に回転させられ
た状態で上記プランジャ72が係合部材66の一方の係
合凹部69に係合することによって、上記付勢力による
揺動部材61の揺動が規制されている。この通常の状態
では上記水平部材78が棚板12の前端面に近接して対
向し、物品の出し入れに影響のない位置にある。ソレノ
イド70は、感震手段からの検知信号で励磁され、プラ
ンジャ72を吸引してプランジャ72と上記係合凹部6
9との係合を解除するようになっている。この係合解除
によって揺動部材61は付勢力で揺動し、箱体62に設
けられたストッパ90にアーム76が当接することによ
って揺動が規制され、水平部材78が物品出し入れ面に
移動して収納物品落下防止姿勢をとるようになってい
る。ソレノイド70の励磁は例えば4〜5秒間であり、
その後励磁が絶たれてプランジャ72はソレノイド70
から突出する向きに移動する。このとき係合部材66の
他方の係合凹部68がプランジャ72と対向する位置に
あり、プランジャ72が係合凹部68に係合する。箱体
62の上面には、任意にソレノイド70に通電して収納
物品落下防止装置の作動をテストするテストスイッチ8
2が取り付けられている。ソレノイド70、テストスイ
ッチ82はコネクタ88を介して外部回路に接続され
る。揺動部材61は左右に対をなして配置されるのに対
し、ソレノイド70、係合部材66等を含む係合機構は
片方に配置されていればよく、必ずしも両側に配置され
ていなくてもよい。
【0042】次に、上記実施の形態の制御回路の例につ
いて説明する。図10は一定以上の震動が発生したとき
の検出回路の例を示す。図10において、直流電源の+
と−端子間には、感震手段としての感震スイッチ85と
タイマT1のブレイク接点(以下、ブレイク接点は「b
接点」、メイク接点は「a接点」という)とリレーX2
が直列に接続されている。感震スイッチ85は例えば水
銀式加速度検出スイッチで構成することができ、一定以
上の震動が発生するとこれを検知してオンするようにな
っている。上記タイマT1のb接点とリレーX2との直
列接続と並列にタイマT1が接続されている。感震スイ
ッチ85にはリレーX2のa接点が並列に、さらに、二
つのテストスイッチ接点86がそれぞれ並列に接続され
ている。リレーX2の別のa接点は外部回路に接続さ
れ、一定以上の震動が発生したときその検知信号を出力
するようになっている。
【0043】図11は、上記検出信号による前記ソレノ
イド70の励磁回路の例を示す。図11において、+1
と表記したラインは直流電源のプラスライン、+2と表
記したラインは上記リレーX2が励磁されたときそのa
接点を介して供給される直流電源のプラスライン、Gは
グランド(−)ラインである。これら三つのラインはコ
ネクタ88を介して、図8に示す箱体62内のソレノイ
ド70とテストスイッチ82の接点に次のように接続さ
れている。すなわち、上記プラスライン+1とグランド
ラインGとの間にはテストスイッチ82のa接点83と
ソレノイド70が直列に接続され、上記プラスライン+
2とグランドラインGとの間にはテストスイッチ82の
b接点84とソレノイド70が直列に接続されている。
【0044】いま、一定以上の震動が発生すると、図1
0に示す感震スイッチ85の接点がオンし、リレーX2
が励磁され、また、タイマT1に通電される。タイマT
1はソレノイド70への通電時間を制御するタイマであ
って、通電開始後適宜の秒時が経過することによってそ
のb接点をオフさせる。上記通電時間は例えば0〜10
秒の範囲で任意に設定することができる。リレーX2の
励磁により図8に示すプランジャ72が吸引されて前記
係合凹部69との係合が解除され、揺動部材61が付勢
力により揺動して水平部材78が収納物品落下防止姿勢
をとる。ソレノイド70の励磁はタイマT1で設定され
た秒時の間持続されるので、プランジャ72と係合凹部
69との係合解除、揺動部材61の付勢力による揺動が
確実に行われる。また、その間感震スイッチ85の接点
がオフしても、リレーX2はそのa接点で自己保持され
るため、ソレノイド70の励磁は維持される。
【0045】タイマT1で設定された秒時が経過する
と、そのb接点がオフし、リレーX2の励磁が絶たれ、
そのA接点がオフして検知信号の出力が途絶え、図11
に示す+2ラインへの給電が途絶えてソレノイド70の
励磁が絶たれる。図8に示すプランジャ72が突出し、
係合部材66の係合凹部68に係合するので、揺動部材
61ががたついても、あるいは水平部材78の上に収納
物品が乗っても、水平部材78が元の位置に押し戻され
ることはなく、収納物品落下防止姿勢が維持される。
【0046】水平部材78を元に戻すには、テストスイ
ッチ82を押し、図11に示すa接点83をオンさせ、
+1ラインからソレノイドに電源を供給して励磁する。
これによってプランジャ72は係合凹部68から退避す
るから、その状態で水平部材78を押し下げて揺動部材
61を付勢力に抗して元の位置まで揺動させ、テストス
イッチ82の操作を解除する。これによってソレノイド
70の励磁が絶たれ、プランジャ72が復帰して係合部
材66の係合凹部69に係合し、水平部材78を物品の
出し入れに影響のない位置に保持することができる。な
お、テストスイッチ82を押したとき、図11に示すb
接点がオフしてインターロックがかかるため、電源が+
1ラインから+2ラインに回り込むことが回避される。
【0047】テストスイッチ82を押すことによって収
納物品落下防止装置の動作テストを行うこともできる。
テストスイッチ82を押すと、上記のようにソレノイド
70の励磁によりプランジャ72が後退して係合部材6
1の係合凹部69との係合が外れるから、揺動部材61
が揺動して水平部材78が収納物品落下防止姿勢をと
る。もし、揺動部材61が揺動しなければ、どこかに異
常があることになるから、異常箇所を見つけて復旧させ
る。
【0048】図10に示す検出回路部分は少なくとも1
個あればよいが、図11に示すソレノイドの駆動回路
は、一つの収納物品落下防止装置ごとに設けることにな
る。
【0049】図8〜図11記載の実施の形態によれば、
電気的な感震信号によって収納物品落下防止装置を作動
させるに当たり、プランジャ72と係合部材66との係
合をソレノイド70で直接的に解除し、揺動部材61を
その付勢力によって収納物品落下防止姿勢まで揺動させ
るようにしたため、簡単な構成で構成部品が少なく、そ
の分、感震手段から検知信号が出力された後、揺動部材
61が収納物品落下防止姿勢まで揺動するのに要する時
間を短くすることができる。
【0050】図8〜図11に示す実施の形態において、
ソレノイド70に代えて、適宜のアクチュエータ、例え
ば、モータ、リニアモータなどを用いることもできる。
【0051】何れの実施の形態においても、揺動部材の
付勢は、カウンターウェイトを用いたり、揺動部材の重
量配分のアンバランスを利用したりしていたが、ばね等
の付勢手段を用いて付勢してもよいし、上記のようなカ
ウンターウェイトを用いたり、揺動部材の重量配分のア
ンバランスを利用したりしたものにばね等の付勢手段を
付加してもよい。水平部材が下から上に移動して収納物
品落下防止姿勢をとる実施の形態は何れも、物品の出し
入れに影響のない姿勢で、水平部材が棚板の物品載置面
より下の棚板の前端面に対向する位置に存在するように
なっていたが、棚板の前端上縁部に乗った姿勢であって
もよい。この姿勢をとっても、物品の出し入れにそれほ
ど支障とはならない。むしろ、一定以上の震動が発生し
たとき揺動部材の動作に多少遅れがあっても、収納物品
がよほど跳ね上がらない限り水平部材が物品の落下を阻
止する効果がある。
【0052】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、揺動部材
とこれを揺動可能に支持する支持体のうちの何れかに、
軸が貫通されると共に棚の間口面に直交する奥行き方向
に延びた長孔と、ピンが貫通して揺動部材の揺動をガイ
ドするガイド溝が形成され、揺動部材とこれを揺動可能
に支持する支持体のうちの何れかに、上記軸と上記ピン
が設けられ、揺動部材のガイド溝は、少なくとも一端が
折れ曲がって係合溝となっており、揺動部材は、上記軸
を中心にガイド溝の範囲内で揺動可能、かつ、上記長孔
の範囲内で奥行き方向にスライド可能であり、一定以上
の震動が発生する前は、ガイド溝の係合溝と固定ピンが
係合することにより揺動部材の揺動が規制され、上記水
平部材は物品の出し入れに影響のない位置に存在し、一
定以上の震動が発生すると、この震動によって揺動部材
が上記長孔の範囲内でスライド移動してガイド溝の一端
に形成された係合溝とピンとの係合が解除され、揺動部
材が上記付勢力によって上記軸を中心にガイド溝の範囲
内で揺動することにより、水平部材は物品出し入れ面に
移動して収納物品の落下を防止するようになっているた
め、構成がきわめてシンプルになっており、部品点数も
少なく、低コストの棚の物品落下防止装置を提供するこ
とができる。また、構成がきわめてシンプルで、部品点
数も少ないため、地震等による振動の発生から収納物品
落下防止体勢をとるまでの所要時間を短くすることがで
き、応答性のよい棚の物品落下防止装置を提供すること
ができる。
【0053】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、ガイド溝は両端が折れ曲がって両端
に係合溝を有し、一定以上の震動が発生し一端側の係合
溝とピンとの係合が解除されて揺動部材が付勢力により
揺動すると、揺動部材は傾斜態位となり、揺動部材はそ
の荷重によって長孔の範囲内でスライド移動し、ガイド
溝の他方端に形成された係合溝と上記ピンが係合するこ
とにより揺動部材のがたつきが防止されるようになって
いるため、一旦収納物品落下防止体勢をとった後は、棚
が引き続き振動しても収納物品落下防止体勢を安定に維
持することができる。
【0054】請求項5記載の発明によれば、揺動部材と
この揺動部材の先端部同志を連結すると共に収納物品の
落下を防止するための水平部材とを具備し、一方向に揺
動付勢された落下防止手段を有し、揺動部材は軸が嵌ま
る係止溝を有し、この係止溝は、係止軸が遊嵌する中間
部と、この中間部の両側に続く幅狭部とを有し、一方の
幅狭部は、上記水平部材が物品の出し入れに影響のない
位置に存在しているときに上記係止軸が嵌合して上記付
勢力による揺動部材の揺動を規制し、一定以上の震動で
揺動部材がスライドすることにより上記係止軸との嵌合
が解消されるものであり、上記係止溝の中間部に上記係
止軸が位置するとき揺動部材が付勢力により揺動して
平部材が物品出し入れ面に移動するものであり、上記他
方の幅狭部は、水平部材が物品出し入れ面に移動してい
るとき上記係止軸が嵌合して揺動部材のがたつきを防止
するものであるから、構成がきわめてシンプルになって
おり、部品点数も少なく、低コストの棚の物品落下防止
装置を提供することができる。また、構成がきわめてシ
ンプルで、部品点数も少ないため、地震等による振動の
発生から収納物品落下防止体勢をとるまでの所要時間を
短くすることができ、応答性のよい棚の物品落下防止装
置を提供することができる。
【0055】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる棚の収納物品落下防止装置の実
施の形態の一部を示す側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】本発明装置の別の実施の形態の一部を示す側面
図である。
【図4】本発明装置のさらに別の実施の形態の要部を示
す側面図である。
【図5】本発明装置のさらに別の実施の形態の一部を示
す側面図である。
【図6】本発明装置のさらに別の実施の形態の一部を示
す側面図である。
【図7】本発明装置のさらに別の実施の形態の一部を示
す側面図である。
【図8】本発明装置のさらに別の実施の形態の一部を示
す側面図である。
【図9】同上平面図である。
【図10】同上実施の形態の振動検知回路部分の例を示
す回路図である。
【図11】同上実施の形態のアクチュエータ駆動回路部
分の例を示す回路図である。
【符号の説明】
10 支持体としての箱体 12 棚板 14 軸 16 揺動部材 17 長孔 18 カウンターウェイト 20 水平部材 22 ガイド溝 24 係合溝 26 係合溝 28 ピン 35 揺動部材 40 カウンターウェイト 42 係止軸 43 溝 44 中間部 46 幅狭部 48 幅狭部 61 揺動部材 70 アクチュエータとしてのソレノイド 78 水平部材 80 カウンターウェイト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 正 熊本県熊本市上熊本3丁目8番1号 金 剛株式会社内 (72)発明者 荒木 至誠 熊本県熊本市上熊本3丁目8番1号 金 剛株式会社内 (72)発明者 宮崎 司朗 熊本県熊本市上熊本3丁目8番1号 金 剛株式会社内 (72)発明者 小森 光雄 熊本県熊本市上熊本3丁目8番1号 金 剛株式会社内 審査官 伊藤 陽 (56)参考文献 特開 平9−173170(JP,A) 特開 平9−215543(JP,A) 特開 平9−140490(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 96/00 - 96/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揺動部材と、 この揺動部材を一方向に揺動付勢する付勢手段と、 収納物品落下防止のために上記揺動部材の端部に設けら
    れた水平部材と、 上記揺動部材とこれを揺動可能に支持する支持体のうち
    の何れかに設けられ、上記揺動部材の揺動中心となる軸
    と、 上記揺動部材とこれを揺動可能に支持する支持体のうち
    の何れかに設けられ、上記軸が貫通されると共に棚の間
    口面に直交する奥行き方向に延びた長孔と、 上記揺動部材とこれを揺動可能に支持する支持体のうち
    の何れかに設けられたピンと、 上記揺動部材とこれを揺動可能に支持する支持体のうち
    の何れかに設けられ、上記ピンが貫通して上記揺動部材
    の揺動をガイドするガイド溝とを有してなり、 上記揺動部材の上記ガイド溝は、少なくとも一端が折れ
    曲がって係合溝となっており、 上記揺動部材は、上記軸を中心に上記ガイド溝の範囲内
    で揺動可能、かつ、上記長孔の範囲内で上記奥行き方向
    にスライド可能であり、 一定以上の震動が発生する前は、ガイド溝の上記係合溝
    と上記ピンが係合することにより上記揺動部材の揺動が
    規制され、上記水平部材は物品の出し入れに影響のない
    位置に存在し、 一定以上の震動が発生すると、この震動によって上記揺
    動部材が上記長孔の範囲内でスライド移動して上記ガイ
    ド溝の一端に形成された係合溝と上記ピンとの係合が解
    除され、揺動部材が上記付勢力によって上記軸を中心に
    上記ガイド溝の範囲内で揺動することにより、上記水平
    部材は物品出し入れ面に移動して収納物品の落下を防止
    することを特徴とする棚の物品落下防止装置。
  2. 【請求項2】 ガイド溝は両端が折れ曲がって両端に係
    合溝を有し、一定以上の震動が発生し一端側の係合溝と
    ピンとの係合が解除されて揺動部材が付勢力により揺動
    すると、上記揺動部材は傾斜態位となり、揺動部材はそ
    の荷重によって上記長孔の範囲内でスライド移動し、上
    記ガイド溝の他方端に形成された係合溝と上記ピンが係
    合することにより上記揺動部材のがたつきが防止される
    ことを特徴とする請求項1記載の棚の収納物品落下防止
    装置。
  3. 【請求項3】 揺動部材はカウンターウエイトを有し、
    このカウンターウエイトによって上記揺動部材が一方向
    に揺動付勢されている請求項1または2記載の棚の収納
    物品落下防止装置。
  4. 【請求項4】 カウンターウエイトは、揺動部材にそれ
    ぞれ一体に形成されていることを特徴とする請求項3記
    載の棚の収納物品落下防止装置。
  5. 【請求項5】 揺動部材と、 この揺動部材を一方向に揺動付勢する付勢手段と、 収納物品落下防止のために上記揺動部材の端部に設けら
    れた水平部材と、 上記揺動部材を揺動可能に支持する支持部材と、 この支持部材に設けられた係止軸と、 上記揺動部材に設けられ上記係止軸が嵌まる溝とを有し
    てなり、 上記溝は、係止軸が遊嵌する中間部と、この中間部の両
    側に続く幅狭部とを有し、 上記一方の幅狭部は、上記水平部材が物品の出し入れに
    影響のない位置に存在しているときに上記係止軸が係合
    して上記付勢力による揺動部材の揺動を規制し、一定以
    上の震動で揺動部材がスライドすることにより上記係止
    軸との係合が解消されるものであり、 上記溝の中間部に上記係止軸が位置するとき上記揺動部
    が付勢力により揺動して上記水平部材が物品出し入れ
    面に移動するものであり、 上記他方の幅狭部は、上記水平部材が物品出し入れ面に
    移動しているとき上記係止軸が嵌合して上記揺動部材の
    がたつきを防止するものであることを特徴とする棚の収
    納物品落下防止装置。
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