JP3331739B2 - 蒸発燃料処理装置の診断装置 - Google Patents

蒸発燃料処理装置の診断装置

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JP3331739B2
JP3331739B2 JP09533494A JP9533494A JP3331739B2 JP 3331739 B2 JP3331739 B2 JP 3331739B2 JP 09533494 A JP09533494 A JP 09533494A JP 9533494 A JP9533494 A JP 9533494A JP 3331739 B2 JP3331739 B2 JP 3331739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は蒸発燃料処理装置の診
断装置、特にリークを診断するものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両の燃料タンク内で蒸発した燃料が大
気中に放出されるのを防止するため、エンジンの停止時
に蒸発燃料をキャニスタ内の活性炭に吸着させておき、
吸入負圧(絞り弁下流の吸気管負圧のこと)の発達する
エンジンの運転中になると、パージカットバルブを開
き、キャニスタに導入される新気で蒸発燃料をキャニス
タ内の活性炭から離脱させて絞り弁下流の吸気管に導く
ようにした蒸発燃料処理装置を設けている。
【0003】しかしながら、燃料タンクから吸気管まで
の流路途中にリーク孔が開いたり、パイプの接合部のシ
ールが不良になると、蒸発燃料が大気中に放出されてし
まう。
【0004】そこで、たとえばEnvironment
al Protection Agency(EPA
〔米国環境保護庁〕)やCalifornia Air
Resources Board(CARB〔カリフ
ォルニア州大気資源局〕)は、リーク孔が許容値以下で
あるかどうかを診断して、許容値を越える場合には対策
を講じ蒸発燃料の大気中への放出を未然に防止すること
を要求するとともに、そのリーク診断の装置やリーク診
断の方法を提案している。
【0005】これを説明すると、キャニスタの新気取り
入れ口を開閉するドレンカットバルブと、燃料タンク内
からパージカットバルブまでの流路の圧力を検出するセ
ンサとを設けておき、まずドレンカットバルブを閉じ、
パージカットバルブを開くことで、吸入負圧を導き、目
標圧力まで吸引(プルダウン)したときの時間(プルダ
ウン時間)tを計測する。
【0006】このあとパージカットバルブを閉じて燃料
タンクからパージカットバルブまでの流路を密閉状態に
保ち、この密閉状態に保たれた流路の圧力変化をみる
と、図19に示したようにリークが大きい場合に急激に
大気圧へと戻り(破線参照)、リークが小さいときはゆ
っくりとしか戻らないので(実線参照)、パージカット
バルブを閉じたときから流路圧力が所定値ΔP上昇する
までの時間(リークダウン時間)tを計測すると、時
間比t/tと判定値を比較することにより、t
>判定値でリークありと判断することができる。密
閉状態にしてからの圧力変化をみればリークを診断でき
るというわけである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の2つ
の時間tとtには、燃料タンクからパージカットバ
ルブまでの空き容積Vtが大きく影響する。たとえば、
リークのない状態で考えると、空き容積Vtが大きいと
きは、2つの時間tとtとも大きく、Vtが小さい
と2つの時間tとtとも小さくなるわけである。
【0008】この場合に、リークダウン時は、流路圧力
が大気圧へと戻るのが、リーク孔によるものか、それと
も空き容積Vtが大きいことによるのか区別がつかない
のであるが、強い吸入負圧をプルダウン時の吸引に用い
るときは、リーク孔があっても、空き容積Vtによるプ
ルダウン時間tへの影響が小さくなる。つまり、プル
ダウン時間tを計測すれば空き容積Vtの大小がわか
るということであるから、空き容積Vtを考慮すること
によってリーク孔面積を算出するようにしたものを先に
提案した(特願平5−336802号参照)。
【0009】一方、診断とは関係なく、アイドル状態に
なったときは、運転性の確保を目的としてパージカット
される(パージカットバルブが閉じられる)。このた
め、プルダウンの途中でアイドル状態になったときは、
パージカットにより吸入負圧の導入が中止されてしまう
ので、プルダウン時間tを計測できなくなる。プルダ
ウン時間を計測するには、アイドル状態でなくなった後
で1からやり直さなければならない。しかも、頻繁にア
イドル状態が繰り返されるときは、まったくプルダウン
時間の計測が不可能となり、リーク診断ができなくな
る。
【0010】また、プルダウンの途中でアクセルペダル
踏み込まれると、吸入負圧が弱くなって流速がソニッ
ク領域を外れ、プルダウン時間の実測値がソニック領域
のときよりも長くなり、リーク孔面積ALが大きめに算
出されてしまう。リーク孔面積ALはソニック領域であ
ろうとなかろうと同じでなければならないのであるか
ら、ソニック領域から外れたときも、実測値をそのまま
プルダウン時間として用いたのでは、リーク孔面積AL
に算出誤差が生じるのである。
【0011】そこでこの発明は、診断開始後に診断条件
を外れたときでもプルダウン時間の計測を可能とし、ま
た負圧導入中の流速がソニック状態からはずれたときで
も、プルダウン時間の計測に誤差が生じないようにする
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図20に
示すように、燃料タンク31と、キャニスタ32と、前
記燃料タンク31内で発生した燃料蒸気を前記キャニス
タ32に導く第1の通路33と、前記キャニスタ32と
吸気絞り弁35の下流の吸気管36とを連通する第2の
通路37と、この第2通路37を開閉するパージカット
バルブ38と、前記キャニスタ32に新気を導入する通
路を開閉するドレンカットバルブ40と、前記燃料タン
ク31から前記パージカットバルブ38までの流路の圧
力Pを検出する手段41と、前記ドレンカットバルブ4
0を閉じ、かつ前記パージカットバルブ38を開いて吸
入負圧を導入する(パージカットバルブ38が開維持さ
れている状態においてドレンカットバルブ40を開状態
から閉状態にする場合、ドレンカットバルブ40が閉維
持されている状態においてパージカットバルブ38を閉
状態から開状態にする場合、パージカットバルブ38が
閉維持かつドレンカットバルブ40が開維持されている
状態においてパージカットバルブ38を閉状態から開状
態にし、かつパージカットバルブ38を開状態から閉状
態にする場合を含む。)ことにより診断を開始する手段
111と、この診断開始後に診断条件を外れたとき前記
ドレンカットバルブ40を閉維持したまま前記パージカ
ットバルブ38を開状態から閉状態にすることにより負
圧導入を中断する手段112と、この負圧導入の中断後
に診断条件に戻ったとき前記ドレンカットバルブ40を
閉維持したまま前記パージカットバルブ38を閉状態か
ら開状態にすることにより負圧導入を再開させる手段1
13と、前記流路圧力Pが第1の圧力P1からこの第1
の圧力よりも低い(負圧でいうと強いということ)第2
の圧力P2に到達するまでの期間のうち、負圧導入を中
断したタイミングを起点として、負圧導入を再開させた
後に流路圧力が負圧導入を中断したタイミング直前の流
路圧力と一致するまでの時間を除いて累積した値をプル
ダウン時間tPとして計測する手段114と、このプル
ダウン時間tPと前記第1の圧力P1および前記第2の圧
力P2にもとづいて前記燃料タンク31から前記パージ
カットバルブ38までの流路のリークの有無を判定する
手段115とを設けた。
【0013】第2の発明は、図21に示すように、燃料
タンク31と、キャニスタ32と、前記燃料タンク31
内で発生した燃料蒸気を前記キャニスタ32に導く第1
の通路33と、前記キャニスタ32と吸気絞り弁35の
下流の吸気管36とを連通する第2の通路37と、この
第2通路37を開閉するパージカットバルブ38と、こ
の第2通路37の流量を計量するオリフィス39と、前
記キャニスタ32に新気を導入する通路を開閉するドレ
ンカットバルブ40と、前記燃料タンク31から前記パ
ージカットバルブ38までの流路の圧力Pを検出する手
段41と、診断条件であるかどうかを判定する手段42
と、この判定結果より診断条件であるとき前記ドレンカ
ットバルブ40を閉じ、かつ前記パージカットバルブ3
8を開いて吸入負圧を導入する手段43と、この負圧導
入により所定値PMに圧力低下するまでの時間をプルダ
ウン時間tPとして計測する手段44と、このプルダウ
ン時間tPの計測の後で前記パージカットバルブ38を
閉じて前記流路圧力を昇圧させる手段45と、この昇圧
の開始から所定の遅延時間が経過したきの前記流路圧力
を第1の圧力PPとしてサンプリングする手段46と、
この第1の圧力PPと大気圧の差をプルダウン時吸引圧
力DPPとして算出する手段47と、前記第1の圧力PP
より所定値ΔPだけ昇圧したときの前記流路圧力を第2
の圧力PLとしてサンプリングする手段48と、この第
2の圧力と大気圧の差をリークダウン時圧力DPLとし
て算出する手段49と、前記昇圧の開始から前記第2の
圧力PLに達するまでの時間をリークダウン時間tLとし
て計測する手段50と、前記プルダウン時間tP、リー
クダウン時間tL、プルダウン時吸引圧力DPP、リーク
ダウン時圧力DPL、前記オリフィス面積Acにもとづ
いて前記燃料タンク31から前記パージカットバルブ3
8までの流路のリーク孔面積ALを AL=K×C×(tP/tL)×Ac ×((DPP1/2−(DPL1/2)/DPP ただし、K:補正係数 C:定数 の式で算出する手段51と、このリーク孔面積ALと所
定値を比較することにより、リーク孔面積ALが所定値
未満のときはリークなしと、またリーク孔面積ALが所
定値以上のときはリークありと判定する手段52と、ア
イドル時に前記パージカットバルブ38を閉じることに
よりパージカットする手段53とを設けた蒸発燃料処理
装置の診断装置において、前記プルダウン時間計測手段
44は、図22に示すように、前記負圧導入手段43に
よる大気圧からの最初の負圧導入のタイミングで時間計
測手段61に時間計測を開始させる手段62と、前記負
圧導入手段43による負圧導入中に前記パージカット手
段53によりパージカットされたか、またパージカット
が解除されたかどうかを判定する手段63と、パージカ
ットされたことが判定される直前の前記流路圧力Pを保
持する手段64と、パージカットされたことが判定され
る直前の前記時間計測手段61の時間計測値TMPを保
持する手段65と、これらの保持後にパージカットが解
除されたと判定されるタイミングで前記負圧導入手段4
3による負圧導入を再開させる手段66と、この負圧導
入の再開で前記流路圧力Pが、前記流路圧力保持手段6
4の保持する保持値以下になったかどうかを判定する手
段67と、この判定結果より保持値以下になったタイミ
ングで前記時間計測手段61に前記時間計測値保持手段
65の保持する保持値から時間計測を再開させる手段6
8と、この時間計測の再開後に前記流路圧力Pが前記所
定値PMまで圧力低下したかどうかを判定する手段69
と、この判定結果より前記流路圧力Pが前記所定値PM
まで圧力低下したタイミングで前記時間計測手段61の
計測する時間計測値を前記プルダウン時間tPとしてサ
ンプリングする手段70とからなる。
【0014】第3の発明は、図23に示すように、燃料
タンク31と、キャニスタ32と、前記燃料タンク31
内で発生した燃料蒸気を前記キャニスタ32に導く第1
の通路33と、前記キャニスタ32と吸気絞り弁35の
下流の吸気管36とを連通する第2の通路37と、この
第2通路37を開閉するパージカットバルブ38と、こ
の第2通路37の流量を計量するオリフィス39と、前
記キャニスタ32に新気を導入する通路を開閉するドレ
ンカットバルブ40と、前記燃料タンク31から前記パ
ージカットバルブ38までの流路の圧力Pを検出する手
段41と、診断条件であるかどうかを判定する手段42
と、この判定結果より診断条件であるとき前記ドレンカ
ットバルブ40を閉じ、かつ前記パージカットバルブ3
8を開いて吸入負圧を導入する手段43と、この負圧導
入により所定値PMに圧力低下するまでの時間をプルダ
ウン時間tPとして計測する手段44と、このプルダウ
ン時間tPの計測の後で前記パージカットバルブ38を
閉じて前記流路圧力を昇圧させる手段45と、この昇圧
の開始から所定の遅延時間が経過したきの前記流路圧力
を第1の圧力PPとしてサンプリングする手段46と、
この第1の圧力PPと大気圧の差をプルダウン時吸引圧
力DPPとして算出する手段47と、前記第1の圧力PP
より所定値ΔPだけ昇圧したときの前記流路圧力を第2
の圧力PLとしてサンプリングする手段48と、この第
2の圧力と大気圧の差をリークダウン時圧力DPLとし
て算出する手段49と、前記昇圧の開始から前記第2の
圧力PLに達するまでの時間をリークダウン時間tLとし
て計測する手段50と、前記プルダウン時間tP、リー
クダウン時間tL、プルダウン時吸引圧力DPP、リーク
ダウン時圧力DPL、前記オリフィス面積Acにもとづ
いて前記燃料タンク31から前記パージカットバルブ3
8までの流路のリーク孔面積ALを AL=K×C×(tP/tL)×Ac ×((DPP1/2−(DPL1/2)/DPP ただし、K:補正係数 C:定数 の式で算出する手段51と、このリーク孔面積ALと所
定値を比較することにより、リーク孔面積ALが所定値
未満のときはリークなしと、またリーク孔面積ALが所
定値以上のときはリークありと判定する手段52とを備
える蒸発燃料処理装置の診断装置において、大気圧を検
出する手段81と、吸入負圧を検出する手段82と、こ
の吸入負圧と前記大気圧との圧力比RPBPAを算出す
る手段83と、この圧力比RPBPAがソニック領域に
対応する圧力比域を外れたとき、前記プルダウン時間計
測手段44の計測するプルダウン時間を減量補正する手
段84とを設けた。
【0015】第4の発明は、第3の発明において、図
に示すように、前記減量補正手段84が、ソニック領
域に対応する圧力比域を外れた領域で前記圧力比RPB
PAが1に近づくほど小さくなる値の減量補正量PBH
OSを算出する手段91と、この減量補正量PBHOS
で前記プルダウン時間計測手段44の計測するプルダウ
ン時間を減量する手段92とからなる。
【0016】第5の発明は、第3の発明において、図
に示すように、前記減量補正手段83が、ソニック領
域に対応する圧力比域を外れた領域で前記圧力比RPB
PAが1に近づくほど小さくなる値の減量補正量PBH
OSを算出する手段91と、この減量補正量PBHOS
の累積平均値AVPBHSを算出する手段101と、こ
の累積平均値AVPBHSで前記プルダウン時間計測手
段44の計測するプルダウン時間を減量する手段92と
からなる。
【0017】第6の発明は、第4の発明において、前記
減量補正量PBHOSが所定値以下のとき前記プルダウ
ン時間計測手段44による時間計測を中止する。
【0018】第7の発明は、第5の発明において、前記
減量補正量PBHOSの累積平均値AVPBHSが所定
値以下のとき前記プルダウン時間計測手段44による時
間計測を中止する。
【0019】第8の発明は、第3の発明から第7の発明
のいずれか一つにおいて、一つの圧力検出手段と、この
圧力検出手段に大気圧と吸入負圧を切換導入する手段と
を設けた。
【0020】第9の発明は、第6の発明において、走行
風が強いときは吸入負圧を切換導入する。
【0021】
【作用】第1の発明では、診断開始後に診断条件を外れ
た場合に、診断条件に戻ったタイミングで吸入負圧の導
入を再開するとともに、流路圧力Pが診断開始前の第1
の圧力P1からこの第1の圧力よりも低い第2の圧力P2
に到達するまでの期間のうち、負圧導入を中断したタイ
ミングを起点として、負圧導入を再開させた後に流路圧
力が負圧導入を中断したタイミング直前の流路圧力と一
致するまでの時間を除いて累積した値をプルダウン時間
Pとして計測するので、診断開始後に診断条件を外れ
ることがあっても、プルダウン時間が計測され、また、
診断開始後に診断条件を外れると初めからやり直す場合
に比べて、診断時間が短くなる。
【0022】流路圧力は、負圧導入を中断したからとい
って一定に保たれるわけでなく、実際には大気圧に向か
って徐々に上昇するので、負圧導入の再開のタイミング
から所定時間が経過したタイミングでやっと負圧導入を
中断したタイミングでの流路圧力に戻る。この場合に第
2の発明では、負圧導入中にアイドル状態になったとき
アイドル状態になる直前の時間計測値と流路圧力が保持
しておき、その後に非アイドル状態になると負圧導入を
再開し、流路圧力が保持値以下になったタイミングで時
間計測を保持値から再開するので、実際の流路圧力の変
化に応じたプルダウン時間を計測することができる。
【0023】第3の発明により、圧力比RPBPAがソ
ニック領域に対応する圧力比域を外れたとき、プルダウ
ン時間計測手段44の計測するプルダウン時間が減量補
正されると、プルダウン中の運転条件の変化でソニック
領域を外れたときでも、プルダウン時間の計測誤差が小
さくなる。
【0024】第4の発明により、ソニック領域に対応す
る圧力比域を外れた領域で圧力比RPBPAが1に近づ
くほど小さくなる値の減量補正量PBHOSが算出さ
れ、この減量補正量でプルダウン時間が減量されると、
プルダウン中の運転条件の変化でソニック領域を外れた
ときでも、プルダウン時間の計測精度が向上する。
【0025】第5の発明で、減量補正量PBHOSの代
わりに、その累積平均値AVPBHSが用いられると、
アクセルペダルを踏み込んだり戻したりすることによっ
て、ソニック領域とそれ以外の領域とのあいだをゆきき
するときでも、プルダウン時間が安定して求まる。
【0026】第6の発明で、減量補正量PBHOSが所
定値以下のときプルダウン時間計測手段44による時間
計測が中止されると、吸入負圧がほとんど発生しない絞
り弁の全開付近で大きな誤差のあるプルダウン時間を求
めてしまうことが避けられる。 第7の発明でも、吸入
負圧がほとんど発生しない絞り弁の全開付近で大きな誤
差のあるプルダウン時間を求めてしまうことが避けられ
る。
【0027】第8の発明では、圧力検出手段が1つで済
むことからコストが低くなる。
【0028】強い走行風のときも大気圧を測定すると、
測定誤差が生じてしまうが、第9の発明で走行風が強い
とき吸入負圧を切換導入することで、これが避けられ
る。
【0029】
【実施例】図1において、1は燃タンク、4はキャニス
タで、燃料タンク1内発生した燃料蒸気は、通路(第1
通路)2を介してキャニスタ4に導かれ、キャニスタ4
内の活性炭4aに吸着される。
【0030】3は燃料タンク側が大気圧より低くなると
開かれるメカニカルなバキュームカットバルブである
が、図2の流量特性で示したように燃料タンク1内での
燃料蒸気の発生で燃料タンク側が所定圧(たとえば+1
0mmHg)になったときにも開かれる。なお、図2に
おいては、大気圧を基準(つまり0mmHg)とし、大
気圧より高い場合の数値に「+」を、大気圧より低い場
合の数値に「−」をつけている。圧力についてのこの表
示は以下でも同じである。
【0031】キャニスタ4は、吸気絞り弁7の下流の吸
気管8ともパージ通路(第2通路)6で連通され、この
パージ通路6に常閉のダイヤフラムアクチュエータ9a
と三方電磁弁9bとからなるパージカットバルブ9が設
けられる。三方電磁弁9bのOFF状態では、ダイヤフ
ラムアクチュエータ9aのリターンスプリングによりダ
イヤフラムが図で下方に付勢されパージ通路6が遮断さ
れているが、コントロールユニット21からの信号で三
方電磁弁9bがONにされ、大気圧に代えて吸入負圧が
ダイヤフラムアクチュエータ9bの負圧作動室に切換導
入されると、この負圧でリターンスプリングに抗してダ
イヤフラムが図で上方に引かれ、パージ通路6が開かれ
る。
【0032】このパージカットバルブ9と直列に、ステ
ップモータで駆動される常閉のパージコントロールバル
ブ11が設けられる。一定の条件(たとえば暖機後の低
負荷域)で、コントロールユニット21からの信号を受
けてパージバルブ11が開かれると、絞り弁下流に発達
する吸入負圧によりキャニスタ4の下部(図ではキャニ
スタ4の上部に示している)に設けた新気導入路5から
新気がキャニスタ4内に導かれる。この新気で活性炭4
aから離脱された蒸発燃料が新気とともに吸気管8内に
導入され、燃焼室で燃やされる。なお、パージ中にパー
ジカットバルブ9が開かれていることはいうまでもな
い。
【0033】このように、パージ通路6に2つのバルブ
9と11を設けているのは、故障でパージコントロール
バルブ11が開いたままの状態になっても、常閉のパー
ジカットバルブ9でパージ通路6を遮断しておくこと
で、パージ条件以外でパージガスが吸気管8に導入され
ることのないようにしているわけである。
【0034】なお、吸入負圧を用いてのリーク診断(後
述する)においては、パージコントロールバルブ11が
可変オリフィスとして構成される。
【0035】一方、新気導入路5に常開のドレンカット
バルブ12が設けられる。このバルブ12は、後述する
リーク診断時にパージカットバルブ9とともに閉じて、
パージカットバルブ9より燃料タンク側を密閉状態とす
るために必要となるものである。
【0036】また、キャニスタ4とパージカットバルブ
9のあいだのパージ通路に圧力センサ13が設けられ、
この圧力センサ13はリーク診断時に密閉状態に保持さ
れた流路の圧力(大気圧を基準とする相対圧)に比例し
た電圧を図3に示したように出力する。
【0037】上記のバキュームカットバルブ3には、こ
れと並列に常閉のバイパスバルブ14が設けられる。こ
れは、バキュームカットバルブ3の閉弁により燃料タン
ク側に所定値(+10mmHg程度)に満たない正圧が
残留していると負圧を用いてのリーク診断時にバキュー
ムカットバルブ3より燃料タンク側を負圧化できなくな
るので、バイパスバルブ14を開くことによって燃料タ
ンク1からバキュームカットバルブ3までの通路をも負
圧化するためである。
【0038】マイコンからなるコントロールユニット2
1では、上記の4つのバルブ(パージカットバルブ9、
パージコントロールバルブ11、ドレンカットバルブ1
2、バイパスバルブ14)を開閉制御することで、リー
ク孔があるかどうかの診断をエンジンの運転中に行う。
診断の頻度は、1回の運転で1回程度が目安である。
【0039】吸入負圧を用いてのこのリーク診断は先願
の装置(特願平5−336802号)と同じであるた
め、詳細は先願の装置にゆずり、ここではその概略を説
明する。
【0040】図4はリーク診断時に圧力センサ13で検
出される流路圧力Pの圧力変化がどうなるかを示したも
ので、(b)がリークなしのときの、また(d)がリー
クありのときの波形である。
【0041】このような圧力変化に対して、リーク孔面
積ALは AL=K×A′ …(1) A′=C×(t/t)×Ac×((DP1/2−(DP1/2 )/DP …(2) ただし、K:補正係数(=f(Ac/A′)) C:定数 t:プルダウン時間〔sec〕 t:リークダウン時間〔sec〕 Ac:パージコントロールバルブのオリフィス面積〔mm〕 DP:プルダウン時吸引圧力〔mmHg〕 (大気圧との差圧) DP:リークダウン時圧力〔mmHg〕 (大気圧との差圧) の式で得られる。
【0042】これらの式が導かれたところを簡単に説明
すると、まず空き容積Vtでほぼ大気圧のタンクから
ガスがオリフィスを介して強い吸入負圧により吸われる
とするモデル(プルダウン時モデル)で考えると、この
モデルより、空き容積Vt〔litre〕を Vt=C1×t×Ac×(T)1/2/DPp …(3) ただし、C1:定数 T:絶対温度〔K〕 の式で求めることができる。ただし、(3)式はリーク
孔がないとしたときのものである。
【0043】次に、空き容積Vtで一定負圧状態のタ
ンクに大気側から空気がリーク孔を介して侵入するとし
たモデル(リークダウン時モデル)を考え、このモデル
よりリーク孔面積AL〔mm〕を AL=C2×Vt×((DP1/2−(DP1/2)/{(T) /2 ×t} …(4) ただし、C2:定数 の式で求めることができる。
【0044】上記の(3)式と(4)式から空き容積
Vtを消去して、 AL=C×(t/t)×Ac×((DP1/2−(DP1/2 )/DP …(5) の式を得る。
【0045】ここで、(5)式はプルダウン時につい
てリーク孔がないとしたときの式であるため、(5)式
のALをあらためてA′とおき、真のリーク孔面積AL
を求めるための補正係数Kを考える。つまり AL≡K×A′ …(6) とおいて、Kを検討した結果、KはAc/A′により一
義的に決まることがわかったのである。
【0046】さて、診断とは関係なく、アイドル状態に
なったときは、運転性の確保を目的としてパージカット
される(パージカットバルブが閉じられる)ので、プル
ダウンの途中でアイドル状態になったときは、パージカ
ットにより吸入負圧の導入が中止されてしまい、プルダ
ウン時間tを計測できなくなる。
【0047】これに対処するため、コントロールユニッ
ト21では、次の手順でプルダウン時間を計測する。
【0048】大気圧からの最初の負圧導入のタイミン
グでタイマにより時間計測を開始させる。
【0049】負圧導入中にパージカットされたかどう
かを判定し、パージカットされたときはパージカットさ
れる直前の流路圧力Pとパージカットされる直前の時間
計測値TMとを保持する。
【0050】これらの保持後にパージカットが解除さ
れたかどうかを判定し、パージカットが解除されたタイ
ミングで負圧導入を再開させる。
【0051】この負圧導入の再開で流路圧力Pが、流
路圧力の保持値以下になったかどうかを判定し、保持値
以下になったタイミングでタイマによりその保持値から
時間計測を再開させる。
【0052】この時間計測の再開後に流路圧力Pが目
標圧力PMまで圧力低下したかどうかを判定し、流路圧
力Pが目標圧力PMまで圧力低下したタイミングでタイ
マの計測する時間計測値をプルダウン時間tPとしてサ
ンプリングする。
【0053】次に、こうした手順を流れ図により具体的
に説明する。
【0054】図5はプルダウン時間tをサンプリング
するための流れ図で、診断条件になると、一定時間(た
とえば10msec)ごとに実行する。
【0055】図5において、ステップ1、4、5、6、
7、8は先願の装置と同じで、ステップ2、3、9、1
0、11が新たに追加した部分である。
【0056】先願の装置と同じ部分から説明すると、ス
テップ1でタイマ値TMをクリヤして0に戻し、ステ
ップ4ではタイマ値TMをインクリメントする。この
タイマ値TMはプルダウン時間を計測するためのもの
である。
【0057】ステップ5では流路圧力Pと目標圧力P
(たとえば−数10mmHg)を比較し、P≦Pにな
るとステップ6でタイマ値TMを変数(プルダウン時
間を表す)tに、Pを変数Ppに入れて、図5のル
ーチンを終了する。
【0058】ステップ5でP>Pのときは、ステップ
7に進んでタイマ値TMと目標時間(たとえば数分)
を比較し、TM≧目標時間であれば、ステップ8で目
標時間を変数tに、また変数Ppの値と流路圧力Pを
比較して両者のうちの小さいほうを変数Ppに入れ直し
てルーチンを終了する。
【0059】一方、ステップ2をあらたに加えたこと
で、プルダウンの途中でアイドル状態となり、パージカ
ットされたときは、ステップ9に移ることになる。
【0060】ステップ9では流路圧力Pと変数Ppの値
を比較する。目標圧力Pに達するまでは変数Ppは初
期値の0mmHgのままであるため、プルダウンの途中
ではP≦Ppとなり、ステップ10でそのときの流路圧
力Pを変数Ppに入れる。変数Ppにパージカットされ
る直前の流路圧力がサンプリングされるわけである。
【0061】ステップ11ではタイマ値TMをそのま
ま保持する。パージカット中は負圧導入が中断されるの
で、この負圧導入の中断期間中は、プルダウン時間とし
て計測しないためである。
【0062】次の周期ではステップ2でパージカットか
どうかみて、パージカットが続いていれば、ステップ9
に進む。パージカットによりパージカットバルブが閉じ
られると、流路圧力Pがゆっくりと大気圧に向かって上
昇するので、今回はP>Ppとなり、ステップ11へと
進んでタイマ値TMの保持を続ける。タイマ値の保持
は、非アイドル状態となりパージカットバルブを開いて
の負圧導入が再開されまで続くわけである。
【0063】非アイドル状態になり、パージカットが解
除されると(パージカットバルブ9が開かれて負圧導入
が再開される)、ステップ2からステップ3に移ること
になり、流路圧力Pと変数Ppを比較する。このときの
変数Ppには、パージカットされる直前の流路圧力が入
っており、パージカットが解除されたばかりのためまだ
流路圧力が低下しておらずP>Ppであれば、ステップ
11に進んでタイマ値TMの保持を続ける。
【0064】負圧導入の再開で流路圧力が低下し、やが
てP≦Ppとなればステップ4でタイマ値TMのイン
クリメントを保持値から再開させる。
【0065】このようにして、ステップ2、3、9、1
0、11を加えると、たとえば図6において、負圧導入
の途中のt1点でアイドル状態となりパージカットされ
たときは、そのパージカットされる直前の流路圧力P
が記憶されるとともに、それまで計測したタイマ値(つ
まりt01)が保持される。t2点で非アイドル状態に
なりパージカットが解除されると、負圧導入の再開で流
路圧力が下がり始め、流路圧力が保持値であるPと一
致するt3点でタイマによる時間計測が保持値から再開
される。
【0066】t4点からt6点までは、t1点からt3
点と同様である。
【0067】この結果、流路圧力Pが目標圧力Pに達
したt7点でのタイマ値はt01、t34、t67の合
計の値となっており、この合計の値がプルダウン時間t
としてサンプリングされる。
【0068】図7は、流路圧力Pが目標圧力Pまで低
下することなく目標時間に達したときの例で、この例で
はt01+t34がプルダウン時間tとしてサンプリ
ングされ、また目標時間内における流路圧力の最低値P
minが変数Pにストアされる。
【0069】このように、大気圧からの最初の負圧導入
以降にパージカットされるときは、パージカットされる
直前の流路圧力とパージカットされる直前のタイマ値と
を保持しておき、負圧導入の再開で流路圧力がその保持
値以下になったタイミングでタイマにより保持値からの
時間計測を再開させることで、負圧導入の途中でアイド
ル状態になることがあっても、プルダウン時間を計測す
ることができ、診断時間が短くなる。
【0070】これに対して、先願では、負圧導入の途中
でアイドル状態になったときは、リーク診断を中止し、
改めて最初からリーク診断をやり直すしかなかったので
ある。
【0071】図8はリークダウン時間tを計測するた
めの流れ図で、これも一定時間(たとえば10mse
c)ごとに実行する。
【0072】ステップ21でタイマ値TMをクリヤし
て0にする。このタイマ値TMはリークダウン時間を
計測するためのものである。
【0073】ステップ22では遅延時間フラグをみる。
このフラグは“0”に初期設定されているため、始めて
ステップ22に進んだときはステップ23でタイマ値T
をインクリメントし、ステップ24でタイマ値TM
と遅延時間(たとえば数秒)を比較し、TM≧遅延
時間となったタイミングでステップ25に進み、そのと
きの流路圧力Pを変数PSTに移し、ステップ26で遅
延時間フラグを“1”に設定する。遅延時間は、パージ
カットバルブ9の閉弁後にガス流動が停止して圧力損失
がなくなるまでの時間である。
【0074】このフラグの“1”への設定で、次の周期
ではステップ22からステップ27に流れることにな
り、タイマ値TMをインクリメントし、ステップ28
では流路圧力Pと変数PSTの差の絶対値|P−PST
|と所定値(たとえば+数mmHg)ΔPを比較する。
【0075】|P−PST|≧ΔPであれば、ステップ
29でタイマ値TMを変数(リークダウン時間を表
す)tに、また流路圧力Pを変数Pに入れて、図8
のルーチンを終了する。
【0076】|P−PST|<ΔPのときは、ステップ
30でタイマ値TMと目標時間(たとえば数分)を比
較し、TM≧目標時間となったタイミングでステップ
31に進み、目標時間を変数tに、流路圧力Pを変数
に入れて、図8のルーチンを終了する。
【0077】図9と図10はリーク診断を説明するため
の流れ図である。なお、この流れ図は、図5や図8のよ
うに一定周期で実行するものでなく、リーク診断がどの
ように行われるかを時間的経過にしたがって示したもの
である。
【0078】図9において、ステップ41では診断条件
であるかどうかをみる。診断条件は、たとえば手動変速
機つき車両であればギヤ位置が4速や5速にありか
つ吸入負圧が−300mmHg程度になるときである。
【0079】診断条件が成立したときは、ステップ42
でパージカットバルブ9を閉じることで、それまでパー
ジを行っていたときはパージを中止する。
【0080】ステップ43ではドレンカットバルブ12
を閉じ、バイパスバルブ14を開いて燃料タンク1から
パージカットバルブ9までの流路を密閉状態にし、パー
ジコントロールバルブ11を所定流量(たとえば数リッ
トル/min)となる開度で開く。
【0081】ステップ44ではパージカットバルブ9を
開き、プルダウン時間tを計測するタイマの起動を指
示する。この指示で図5のルーチンが実行される。
【0082】ステップ45では変数tとPのサンプ
リングが終了したかどうかみて、終了すれば、ステップ
46でパージカットバルブ9を閉じ、リークダウン時間
を計測するタイマの起動を指示する。この指示で図
8のルーチンが実行される。
【0083】ステップ47では変数tとPのサンプ
リングが終了したかどうかみて、終了すれば、図10に
進む。これで圧力について2つ、時間について2つの合
計4つの値のサンプリングが終了したわけである。
【0084】図10においてステップ48と49では、
大気圧と変数Pの差を変数(プルダウン時吸引圧力を
表す)DPに、大気圧と変数Pの差を変数(リーク
ダウン時圧力を表す)DPに入れ、ステップ50で上
記の(1),(2)式を用いてリーク孔面積ALを計算
する。
【0085】ステップ51ではリーク孔面積ALと所定
値を比較し、AL<所定値であれば、ステップ52でリ
ークなしと判断し、今回の運転時におけるリーク診断を
終了する。このリーク診断の終了でパージ制御に復帰す
る(リークありとされたときの診断終了後も同じ)。
【0086】AL≧所定値のときはステップ53に進
み、リーク診断コードをみる。リーク診断コードが
“0”であれば、今回初めてリークありと診断されたと
きであり、ステップ54でリーク診断コードを“1”に
ストアし、今回の運転時におけるリーク診断を終了す
る。
【0087】この診断の終了後にエンジンが停止され、
次の運転時において再び診断に入って求められたALに
ついてAL≧所定値となり、ステップ53に進んだとき
は、前回運転時のリーク診断でリーク診断コードが
“1”にストアされているため、ステップ55に進むこ
とになり、車室内の運転パネルに設けた警告ランプを点
灯する。
【0088】図11は第2実施例で、第1実施例の図5
に対応する。図5と相違するのは、ステップ61、62
において、圧力補正係数PBHOSでタイマ値TM
(P>Pのままタイマ値TMが目標時間以上とな
ったときは目標時間)を補正している点である。
【0089】上記の(3)式は流速がソニックとなる領
域で吸入負圧を導入したときの式であるため、流速がソ
ニックになるには、吸入負圧が所定値以下(たとえば−
360mmHg以下)になる必要があるのであるが、負
圧導入の途中でアクセルペダルが踏み込まれると、吸入
負圧が弱くなって流速がソニック領域を外れ、プルダウ
ン時間の実測値(タイマ値TMP)がソニック領域のと
きよりも長くなり、リーク孔面積ALが大きめに算出さ
れてしまう(図15参照)。リーク孔面積ALはソニッ
ク領域であろうとなかろうと同じでなければならないの
であるから、ソニック領域から外れたときも、タイマ値
TMPをそのままプルダウン時間として用いたのでは、
リーク孔面積ALに算出誤差が生じる。
【0090】そこで、この例では圧力補正係数PBHO
Sにより、プルダウン時流速のソニック状態からのずれ
に応じてプルダウン時間の実測値を減量補正してやろう
というのである。
【0091】図12は圧力補正係数PBHOSを算出す
るための流れ図で、一定周期(たとえば100mse
c)で実行する。
【0092】ステップ71では診断条件であるかどうか
みて、診断条件であればステップ72に進み吸入負圧と
大気圧を読み込む。
【0093】ステップ73ではこれらの圧力比RPBP
Aを RPBPA=吸入負圧/大気圧 …(7) の式で計算し、この圧力比RPBPAからステップ74
において、図13を内容とするテーブルを参照して圧力
補正係数PBHOSを求める。圧力比RPBPAと流速
比との間には、図14に示した関係があるので、図13
の特性はこの図14の特性に合わせたものある。なお、
吸入負圧と大気圧を検出する圧力センサは、これらに応
じた電圧値〔mV〕を出力するものである。
【0094】たとえば図15の破線で示したように、ソ
ニック領域を外れる領域では、タイマ値TMがソニッ
ク領域のときより大きくなるが、その一方でPBHOS
の値が1.0未満の値となることから、これらの積TM
×PBHOSは、ソニック領域でのタイマ値TM
一致することになるのである。
【0095】このように、プルダウン時流速のソニック
状態からのずれに応じてプルダウン時間の実測値を減量
補正することで、プルダウン中の運転条件の変化でソニ
ック領域を外れたときでも、プルダウン時間の計測に誤
差が生じることがなく、リーク孔面積ALを精度良く算
出することができる。
【0096】なお、図12においてステップ75では圧
力補正係数PBHOSと所定値(非常に小さな値を設
定)を比較し、PBHOS≦所定値であれば、絞り弁の
全開付近にあると判断し、ステップ76でプルダウン時
間tの計測にかかわるタイマとメモリをクリヤする。
これは、吸入負圧がほとんど発生しない絞り弁全開付近
でプルダウン時間tを計測しても誤差が大きいだけで
あるので、今回の計測は止して、次回の計測の機会を待
つためである。
【0097】図16と図17は第3実施例で、それぞれ
第2実施例の図11と図12に対応する。
【0098】この例は、補正係数PBHOSの代わり
に、補正係数PBHOSの累積平均値AVPBHSを用
いるようにしたもので、第2実施例とは図16のステッ
プ81,82、図17のステップ91,92,93,9
4が異なる。
【0099】具体的には、図17において、ステップ9
1では補正係数PBHOSの累積値SPBHOSを、 SPBHOS=SPBHOS−1+PBHOS …(8) ただし、SPBHOS:今回の累積値 SPBHOS−1:前回のSPBHOS の式で、またステップ92では累積回数NPBHOSを NPBHOS=NPBHOS−1+PBHOS …(9) ただし、NPBHOS:今回の累積回数 NPBHOS−1:前回のNPBHOS の式で計算し、ステップ93で補正係数の累積平均値A
VPBHOSを、 AVPBHS=SPBHOS/NPBHOS …(10) の式で計算する。なお、SPBHOSとNPBHOSの
初期値は0である。
【0100】この例のように、補正係数PBHOSの代
わりに、補正係数PBHOSの累積平均値AVPBHS
を用いると、アクセルペダルを踏み込んだり戻したりを
繰り返すことによってソニック領域とそれ以外の領域と
のあいだをゆききするときでも、プルダウン時間t
安定して計測することができる。
【0101】図18は第4実施例で、第2実施例と第3
実施例に用いる大気圧と吸入負圧を検出するため、1つ
の圧力センサ25と、この圧力センサ25に吸入負圧と
大気圧とを切換導入するソレノイド弁26とを設けたも
のである。
【0102】ソレノイド弁26のON、OFF制御は、
コントロールユニット21が次のように実行する。
【0103】(1)次の4つの条件がすべて成立したと
きソレノイド弁26をOFFからONに切換え、大気圧
をモニタする。
【0104】大気圧モニタ用タイマ値INTPA≧大
気圧モニタインターバルINTPMA#(たとえば5〜
10分)のとき。大気圧はそれほど頻繁に変化するもの
でないため、インターバルごとにモニタすれば足りるか
らである。なお、大気圧モニタ用タイマ値INTPAは
一定時間(たとえば10sec)ごとにインクリメント
し、大気圧の更新ごとにクリアする。ただし、INTP
Aの初期値は最大値として初回に大気圧をモニタする。
吸入負圧をモニタする要求が出ていないとき。絞り
弁開度TVO<上限値ABCTVO#のとき、かつTV
O<ABCTVO#となった後で所定の遅延時間DLY
PA#以上の時間が経過しているとき。車速VSP<
上限値PAVSPH#のとき。との条件をも追加し
ているのは、TVO≧ABCTVO#のときやVSP≧
PAVSPH#のときにも大気圧をモニタすると、強い
走行風のために大気圧について測定誤差が生じてくるの
で、これを避けるため、走行風のあまり強くない領域で
だけ大気圧をモニタさせるわけである。
【0105】(2)次の条件のいずれかが成立したとき
ソレノイド弁26をOFFに切換え、吸入負圧をモニタ
する。
【0106】吸入負圧をモニタする要求が出ていると
き。この要求が出るのは、上記のプルダウン時である。
大気圧が更新されたとき。大気圧はモニタのたびに更
新することになる。これは、登坂中の圧力変化による誤
診断を防止するためである。TVO≧ABCTVO#
のとき。VSP≧PAVSPH#のとき。
【0107】なお、ソレノイド弁はイニシャライズ時に
OFFとする。
【0108】この例では、圧力センサが1つで済むこと
からコストが低くなる。
【0109】実施例ではパージカットバルブ9とパージ
コントロールバルブ11を区別して使っているが、パー
ジコントロールバルブ11だけしか設けられないとき
は、このパージコントロールバルブ11が実施例でいう
パージカットバルブ9としても機能することになる。実
施例のパージカットバルブ9は、ダイヤフラムアクチュ
エータ9aと三方電磁弁9bとからなるものであるが、
パージカットバルブを、コントロールユニットからの信
号で開閉する電磁式のON,OFFバルブで構成するこ
ともできる。
【0110】
【発明の効果】第1の発明は、燃料タンクと、キャニス
タと、前記燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記キャ
ニスタに導く第1の通路と、前記キャニスタと吸気絞り
弁の下流の吸気管とを連通する第2の通路と、この第2
通路を開閉するパージカットバルブと、前記キャニスタ
に新気を導入する通路を開閉するドレンカットバルブ
と、前記燃料タンクから前記パージカットバルブまでの
流路の圧力を検出する手段と、前記ドレンカットバルブ
を閉じ、かつ前記パージカットバルブを開いて吸入負圧
を導入することにより診断を開始する手段と、この診断
開始後に診断条件を外れたとき前記ドレンカットバルブ
を閉維持したまま前記パージカットバルブを開状態から
閉状態にすることにより負圧導入を中断する手段と、こ
の負圧導入の中断後に診断条件に戻ったとき前記ドレン
カットバルブを閉維持したまま前記パージカットバルブ
を閉状態から開状態にすることにより負圧導入を再開さ
せる手段と、前記流路圧力Pが第1の圧力からこの第1
の圧力よりも低い第2の圧力に到達するまでの期間のう
、負圧導入を中断したタイミングを起点として、負圧
導入を再開させた後に流路圧力が負圧導入を中断したタ
イミング直前の流路圧力と一致するまでの時間を除いて
累積した値をプルダウン時間として計測する手段と、こ
のプルダウン時間と前記第1の圧力および前記第2の圧
力にもとづいて前記燃料タンクから前記パージカットバ
ルブまでの流路のリークの有無を判定する手段とを設け
たので、診断開始後に診断条件を外れることがあって
も、プルダウン時間を計測でき、また、診断開始後に診
断条件を外れると初めからやり直す場合に比べて、診断
時間を短くできる。
【0111】第2の発明は、燃料タンクと、キャニスタ
と、前記燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記キャニ
スタに導く第1の通路と、前記キャニスタと吸気絞り弁
の下流の吸気管とを連通する第2の通路と、この第2通
路37を開閉するパージカットバルブと、この第2通路
の流量を計量するオリフィスと、前記キャニスタに新気
を導入する通路を開閉するドレンカットバルブと、前記
燃料タンクから前記パージカットバルブまでの流路の圧
力を検出する手段と、診断条件であるかどうかを判定す
る手段と、この判定結果より診断条件であるとき前記ド
レンカットバルブを閉じ、かつ前記パージカットバルブ
を開いて吸入負圧を導入する手段と、この負圧導入によ
り所定値に圧力低下するまでの時間をプルダウン時間と
して計測する手段と、このプルダウン時間の計測の後で
前記パージカットバルブを閉じて前記流路圧力を昇圧さ
せる手段と、この昇圧の開始から所定の遅延時間が経過
したきの前記流路圧力を第1の圧力としてサンプリング
する手段と、この第1の圧力と大気圧の差をプルダウン
時吸引圧力として算出する手段と、前記第1の圧力より
所定値だけ昇圧したときの前記流路圧力を第2の圧力と
してサンプリングする手段と、この第2の圧力と大気圧
の差をリークダウン時圧力として算出する手段と、前記
昇圧の開始から前記第2の圧力に達するまでの時間をリ
ークダウン時間として計測する手段と、前記プルダウン
時間、リークダウン時間、プルダウン時吸引圧力、リー
クダウン時圧力、前記オリフィス面積にもとづいて前記
燃料タンクから前記パージカットバルブまでの流路のリ
ーク孔面積を AL=K×C×(tP/tL)×Ac ×((DPP1/2−(DPL1/2)/DPP ただし、AL:リーク孔面積 tP:プルダウン時間 tL:リークダウン時間 DPP:プルダウン時吸引圧力 DPL:リークダウン時圧力 Ac:オリフィス面積 K:補正係数 C:定数 の式で算出する手段と、このリーク孔面積と所定値を比
較することにより、リーク孔面積が所定値未満のときは
リークなしと、またリーク孔面積が所定値以上のときは
リークありと判定する手段と、アイドル時に前記パージ
カットバルブを閉じることによりパージカットする手段
とを設けた蒸発燃料処理装置の診断装置において、前記
プルダウン時間計測手段は、前記負圧導入手段による大
気圧からの最初の負圧導入のタイミングで時間計測手段
に時間計測を開始させる手段と、前記負圧導入手段によ
る負圧導入中に前記パージカット手段によりパージカッ
トされたか、またパージカットが解除されたかどうかを
判定する手段と、パージカットされたことが判定される
直前の前記流路圧力Pを保持する手段と、パージカット
されたことが判定される直前の前記時間計測手段の時間
計測値を保持する手段と、これらの保持後にパージカッ
トが解除されたと判定されるタイミングで前記負圧導入
手段による負圧導入を再開させる手段と、この負圧導入
の再開で前記流路圧力が、前記流路圧力保持手段の保持
する保持値以下になったかどうかを判定する手段と、こ
の判定結果より保持値以下になったタイミングで前記時
間計測手段に前記時間計測値保持手段の保持する保持値
から時間計測を再開させる手段と、この時間計測の再開
後に前記流路圧力が前記所定値まで圧力低下したかどう
かを判定する手段と、この判定結果より前記流路圧力が
前記所定値まで圧力低下したタイミングで前記時間計測
手段の計測する時間計測値を前記プルダウン時間として
サンプリングする手段とからなるので、負圧導入の中断
のタイミングから大気圧に向かって徐々に上昇し、負圧
導入の再開のタイミングから所定時間が経過したタイミ
ングでやっと負圧導入を中断したタイミングでの流路圧
力に戻るという、実際の流路圧力の変化に応じたプルダ
ウン時間を計測することができる。
【0112】第3の発明は、燃料タンクと、キャニスタ
と、前記燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記キャニ
スタに導く第1の通路と、前記キャニスタと吸気絞り弁
の下流の吸気管とを連通する第2の通路と、この第2通
路37を開閉するパージカットバルブと、この第2通路
の流量を計量するオリフィスと、前記キャニスタに新気
を導入する通路を開閉するドレンカットバルブと、前記
燃料タンクから前記パージカットバルブまでの流路の圧
力を検出する手段と、診断条件であるかどうかを判定す
る手段と、この判定結果より診断条件であるとき前記ド
レンカットバルブを閉じ、かつ前記パージカットバルブ
を開いて吸入負圧を導入する手段と、この負圧導入によ
り所定値に圧力低下するまでの時間をプルダウン時間と
して計測する手段と、このプルダウン時間の計測の後で
前記パージカットバルブを閉じて前記流路圧力を昇圧さ
せる手段と、この昇圧の開始から所定の遅延時間が経過
したきの前記流路圧力を第1の圧力としてサンプリング
する手段と、この第1の圧力と大気圧の差をプルダウン
時吸引圧力として算出する手段と、前記第1の圧力より
所定値だけ昇圧したときの前記流路圧力を第2の圧力と
してサンプリングする手段と、この第2の圧力と大気圧
の差をリークダウン時圧力として算出する手段と、前記
昇圧の開始から前記第2の圧力に達するまでの時間をリ
ークダウン時間として計測する手段と、前記プルダウン
時間、リークダウン時間、プルダウン時吸引圧力、リー
クダウン時圧力、前記オリフィス面積にもとづいて前記
燃料タンクから前記パージカットバルブまでの流路のリ
ーク孔面積を AL=K×C×(tP/tL)×Ac ×((DPP1/2−(DPL1/2)/DPP ただし、AL:リーク孔面積 tP:プルダウン時間 tL:リークダウン時間 DPP:プルダウン時吸引圧力 DPL:リークダウン時圧力 Ac:オリフィス面積 K:補正係数 C:定数 の式で算出する手段と、このリーク孔面積と所定値を比
較することにより、リーク孔面積が所定値未満のときは
リークなしと、またリーク孔面積が所定値以上のときは
リークありと判定する手段とを備える蒸発燃料処理装置
の診断装置において、大気圧を検出する手段と、吸入負
圧を検出する手段と、この吸入負圧と前記大気圧との圧
力比を算出する手段と、この圧力比がソニック領域に対
応する圧力比域を外れたとき、前記プルダウン時間計測
手段の計測するプルダウン時間を減量補正する手段とを
設けたので、プルダウン中の運転条件の変化でソニック
領域を外れたときでも、プルダウン時間の計測誤差を小
さくできる。
【0113】第4の発明は、第3の発明において、前記
減量補正手段が、ソニック領域に対応する圧力比域を外
れた領域で前記圧力比が1に近づくほど小さくなる値の
減量補正量を算出する手段と、この減量補正量で前記プ
ルダウン時間計測手段の計測するプルダウン時間を減量
する手段とからなるので、プルダウン中の運転条件の変
化でソニック領域を外れたときでも、プルダウン時間の
計測精度が向上する。
【0114】第5の発明は、第3の発明において、前記
減量補正手段が、ソニック領域に対応する圧力比域を外
れた領域で前記圧力比が1に近づくほど小さくなる値の
減量補正量を算出する手段と、この減量補正量の累積平
均値を算出する手段と、この累積平均値で前記プルダウ
ン時間計測手段の計測するプルダウン時間を減量する手
段とからなるので、アクセルペダルを踏み込んだり戻し
たりすることによって、ソニック領域とそれ以外の領域
とのあいだをゆききするときでも、プルダウン時間を安
定して求めることができる。
【0115】第6の発明は、第4の発明において、前記
減量補正量が所定値以下のとき前記プルダウン時間計測
手段による時間計測を中止するので、吸入負圧がほとん
ど発生しない絞り弁の全開付近で大きな誤差のあるプル
ダウン時間を計測してしまうことが避けられる。
【0116】第7の発明は、第5の発明において、前記
減量補正量の累積平均値が所定値以下のとき前記プルダ
ウン時間計測手段による時間計測を中止するので、吸入
負圧がほとんど発生しない絞り弁の全開付近で大きな誤
差のあるプルダウン時間を計測してしまうことを避ける
ことができる。
【0117】第8の発明は、第3の発明から第7の発明
のいずれか一つにおいて、一つの圧力検出手段と、この
圧力検出手段に大気圧と吸入負圧を切換導入する手段と
を設けたので、圧力検出手段が1つで済むことからコス
トが低くなる。
【0118】第9の発明は、第8の発明において、走行
風が強いときは吸入負圧を切換導入するので、強い走行
風のときに大気圧を測定することよる測定誤差を避ける
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のシステム図である。
【図2】バキュームカットバルブ3の流量特性図であ
る。
【図3】圧力センサ13の出力特性図である。
【図4】リーク診断時の圧力変化を示す波形図である。
【図5】プルダウン時間tの計測を説明するための流
れ図である。
【図6】負圧導入の途中でアイドル状態になったときの
流路圧力Pの圧力変化を示す波形図である。
【図7】負圧導入の途中でアイドル状態になったときの
流路圧力Pの圧力変化を示す波形図である。
【図8】リークダウン時間tの計測を説明するための
流れ図である。
【図9】リーク診断を説明するための流れ図である。
【図10】リーク診断を説明するための流れ図である。
【図11】第2実施例のプルダウン時間tの計測を説
明するための流れ図である。
【図12】圧力補正係数PBHOSの算出を説明するた
めの流れ図である。
【図13】圧力補正係数PBHOSの特性図である。
【図14】圧力比に対する流速比の特性図である。
【図15】第2実施例の作用を説明するための波形図で
ある。
【図16】第3実施例のプルダウン時間t計測を説明
するための流れ図である。
【図17】圧力補正係数PBHOSの累積平均値AVP
BHSの算出を説明するための流れ図である。
【図18】第4実施例の要部システム図である。
【図19】従来例の作用を説明するための波形図であ
る。
【図20】第1の発明のクレーム対応図である。
【図21】第2の発明のクレーム対応図である。
【図22】第2の発明のクレーム対応図である。
【図23】第3の発明のクレーム対応図である。
【図24】第4の発明のクレーム対応図である。
【図25】 第5の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 燃料タンク 2 通路(第1通路) 3 バキュームカットバルブ 4 キャニスタ 6 パージ通路(第2通路) 7 吸気絞り弁 8 吸気管 9 パージカットバルブ 11 パージコントロールバルブ(可変オリフィス) 12 ドレンカットバルブ 13 圧力センサ 14 バイパスバルブ 21 コントロールユニット 25 圧力センサ 26 ソレノイド弁 31 燃料タンク 32 キャニスタ 33 第1通路 34 開閉バルブ 35 吸気絞り弁 36 吸気管 37 第2通路 38 パージカットバルブ 39 オリフィス 40 ドレンカットバルブ 41 圧力検出手段 42 診断条件判定手段 43 負圧導入手段 44 プルダウン時間計測手段 45 昇圧手段 46 第1圧力サンプリング手段 47 プルダウン時吸引圧力算出手段 48 第2圧力サンプリング手段 49 リークダウン時圧力算出手段 50 リークダウン時間計測手段 51 リーク孔面積算出手段 52 リーク判定手段 53 パージカット手段 61 時間計測手段 62 時間計測開始手段 63 パージカット判定手段 64 流路圧力保持手段 65 時間計測値保持手段 66 負圧導入再開手段 67 判定手段 68 時間計測再開手段 69 判定手段 70 プルダウン時間サンプリング手段 81 大気圧検出手段 82 吸入負圧検出手段 83 圧力比算出手段 84 減量補正手段 91 減量補正量算出手段 92 減量手段 101 累積平均値算出手段 111 診断開始手段 112 負圧導入中断手段 113 負圧導入再開手段 114 プルダウン時間計測手段 115 リーク判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 25/08 G05B 23/02 302

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料タンクと、 キャニスタと、 前記燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記キャニスタ
    に導く第1の通路と、 前記キャニスタと吸気絞り弁の下流の吸気管とを連通す
    る第2の通路と、 この第2通路を開閉するパージカットバルブと、 前記キャニスタに新気を導入する通路を開閉するドレン
    カットバルブと、 前記燃料タンクから前記パージカットバルブまでの流路
    の圧力を検出する手段と、 前記ドレンカットバルブを閉じ、かつ前記パージカット
    バルブを開いて吸入負圧を導入することにより診断を開
    始する手段と、 この診断開始後に診断条件を外れたとき前記ドレンカッ
    トバルブを閉維持したまま前記パージカットバルブを開
    状態から閉状態にすることにより負圧導入を中断する手
    段と、 この負圧導入の中断後に診断条件に戻ったとき前記ドレ
    ンカットバルブを閉維持したまま前記パージカットバル
    ブを閉状態から開状態にすることにより負圧導入を再開
    させる手段と、 前記流路圧力が第1の圧力からこの第1の圧力よりも低
    い第2の圧力に到達するまでの期間のうち、負圧導入を
    中断したタイミングを起点として、負圧導入を再開させ
    た後に流路圧力が負圧導入を中断したタイミング直前の
    流路圧力と一致するまでの時間を除いて累積した値をプ
    ルダウン時間として計測する手段と、 このプルダウン時間と前記第1の圧力および前記第2の
    圧力にもとづいて前記燃料タンクから前記パージカット
    バルブまでの流路のリークの有無を判定する手段とを設
    けたことを特徴とする蒸発燃料処理装置の診断装置。
  2. 【請求項2】燃料タンクと、 キャニスタと、 前記燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記キャニスタ
    に導く第1の通路と、 前記キャニスタと吸気絞り弁の下流の吸気管とを連通す
    る第2の通路と、 この第2通路を開閉するパージカットバルブと、 この第2通路の流量を計量するオリフィスと、 前記キャニスタに新気を導入する通路を開閉するドレン
    カットバルブと、 前記燃料タンクから前記パージカットバルブまでの流路
    の圧力を検出する手段と、 診断条件であるかどうかを判定する手段と、 この判定結果より診断条件であるとき前記ドレンカット
    バルブを閉じ、かつ前記パージカットバルブを開いて吸
    入負圧を導入する手段と、 この負圧導入により所定値に圧力低下するまでの時間を
    プルダウン時間として計測する手段と、 このプルダウン時間の計測の後で前記パージカットバル
    ブを閉じて前記流路圧力を昇圧させる手段と、 この昇圧の開始から所定の遅延時間が経過したきの前記
    流路圧力を第1の圧力としてサンプリングする手段と、 この第1の圧力と大気圧の差をプルダウン時吸引圧力と
    して算出する手段と、 前記第1の圧力より所定値だけ昇圧したときの前記流路
    圧力を第2の圧力としてサンプリングする手段と、 この第2の圧力と大気圧の差をリークダウン時圧力とし
    て算出する手段と、 前記昇圧の開始から前記第2の圧力に達するまでの時間
    をリークダウン時間として計測する手段と、 前記プルダウン時間、リークダウン時間、プルダウン時
    吸引圧力、リークダウン時圧力、前記オリフィス面積に
    もとづいて前記燃料タンクから前記パージカットバルブ
    までの流路のリーク孔面積を AL=K×C×(tP/tL)×Ac ×((DPP1/2−(DPL1/2)/DPP ただし、AL:リーク孔面積 tP:プルダウン時間 tL:リークダウン時間 DPP:プルダウン時吸引圧力 DPL:リークダウン時圧力 Ac:オリフィス面積 K:補正係数 C:定数 の式で算出する手段と、 このリーク孔面積と所定値を比較することにより、リー
    ク孔面積が所定値未満のときはリークなしと、またリー
    ク孔面積が所定値以上のときはリークありと判定する手
    段とアイドル時に前記パージカットバルブを閉じること
    によりパージカットする手段とを備える蒸発燃料処理装
    置の診断装置において、前記プルダウン時間計測手段
    は、 前記負圧導入手段による大気圧からの最初の負圧導入の
    タイミングで時間計測手段に時間計測を開始させる手段
    と、 前記負圧導入手段による負圧導入中に前記パージカット
    手段によりパージカットされたか、またパージカットが
    解除されたかどうかを判定する手段と、 パージカットされたことが判定される直前の前記流路圧
    力を保持する手段と、 パージカットされたことが判定される直前の前記時間計
    測手段の時間計測値を保持する手段と、 これらの保持後にパージカットが解除されたと判定され
    るタイミングで前記負圧導入手段による負圧導入を再開
    させる手段と、 この負圧導入の再開で前記流路圧力が、前記流路圧力保
    持手段の保持する保持値以下になったかどうかを判定す
    る手段と、 この判定結果より保持値以下になったタイミングで前記
    時間計測手段に前記時間計測値保持手段の保持する保持
    値から時間計測を再開させる手段と、 この時間計測の再開後に前記流路圧力が前記所定値まで
    圧力低下したかどうかを判定する手段と、 この判定結果より前記流路圧力が前記所定値まで圧力低
    下したタイミングで前記時間計測手段の計測する時間計
    測値を前記プルダウン時間としてサンプリングする手段
    とからなることを特徴とする蒸発燃料処理装置の診断装
    置。
  3. 【請求項3】燃料タンクと、 キャニスタと、 前記燃料タンク内で発生した燃料蒸気を前記キャニスタ
    に導く第1の通路と、 前記キャニスタと吸気絞り弁の下流の吸気管とを連通す
    る第2の通路と、 この第2通路を開閉するパージカットバルブと、 この第2通路の流量を計量するオリフィスと、 前記キャニスタに新気を導入する通路を開閉するドレン
    カットバルブと、 前記燃料タンクから前記パージカットバルブまでの流路
    の圧力を検出する手段と、 診断条件であるかどうかを判定する手段と、 この判定結果より診断条件であるとき前記ドレンカット
    バルブを閉じ、かつ前記パージカットバルブを開いて吸
    入負圧を導入する手段と、 この負圧導入により所定値に圧力低下するまでの時間を
    プルダウン時間として計測する手段と、 このプルダウン時間の計測の後で前記パージカットバル
    ブを閉じて前記流路圧力を昇圧させる手段と、 この昇圧の開始から所定の遅延時間が経過したきの前記
    流路圧力を第1の圧力としてサンプリングする手段と、 この第1の圧力と大気圧の差をプルダウン時吸引圧力と
    して算出する手段と、 前記第1の圧力より所定値だけ昇圧したときの前記流路
    圧力を第2の圧力としてサンプリングする手段と、 この第2の圧力と大気圧の差をリークダウン時圧力とし
    て算出する手段と、 前記昇圧の開始から前記第2の圧力に達するまでの時間
    をリークダウン時間として計測する手段と、 前記プルダウン時間、リークダウン時間、プルダウン時
    吸引圧力、リークダウン時圧力、前記オリフィス面積に
    もとづいて前記燃料タンクから前記パージカットバルブ
    までの流路のリーク孔面積を AL=K×C×(tP/tL)×Ac ×((DPP1/2−(DPL1/2)/DPP ただし、AL:リーク孔面積 tP:プルダウン時間 tL:リークダウン時間 DPP:プルダウン時吸引圧力 DPL:リークダウン時圧力 Ac:オリフィス面積 K:補正係数 C:定数 の式で算出する手段と、 このリーク孔面積と所定値を比較することにより、リー
    ク孔面積が所定値未満のときはリークなしと、またリー
    ク孔面積が所定値以上のときはリークありと判定する手
    段とを備える蒸発燃料処理装置の診断装置において、 大気圧を検出する手段と、 吸入負圧を検出する手段と、 この吸入負圧と前記大気圧との圧力比を算出する手段
    と、 この圧力比がソニック領域に対応する圧力比域を外れた
    とき、前記プルダウン時間計測手段の計測するプルダウ
    ン時間を減量補正する手段とを設けたことを特徴とする
    蒸発燃料処理装置の診断装置。
  4. 【請求項4】前記減量補正手段は、ソニック領域に対応
    する圧力比域を外れた領域で前記圧力比が1に近づくほ
    ど小さくなる値の減量補正量を算出する手段と、この減
    量補正量で前記プルダウン時間計測手段の計測するプル
    ダウン時間を減量する手段とからなることを特徴とする
    請求項3に記載の蒸発燃料処理装置の診断装置。
  5. 【請求項5】前記減量補正手段は、ソニック領域に対応
    する圧力比域を外れた領域で前記圧力比が1に近づくほ
    ど小さくなる値の減量補正量を算出する手段と、この減
    量補正量の累積平均値を算出する手段と、この累積平均
    値で前記プルダウン時間計測手段の計測するプルダウン
    時間を減量する手段とからなることを特徴とする請求項
    3に記載の蒸発燃料処理装置の診断装置。
  6. 【請求項6】前記減量補正量が所定値以下のとき前記プ
    ルダウン時間計測手段による時間計測を中止することを
    特徴とする請求項4に記載の蒸発燃料処理装置の診断装
    置。
  7. 【請求項7】前記減量補正量の累積平均値が所定値以下
    のとき前記プルダウン時間計測手段による時間計測を中
    止することを特徴とする請求項5に記載の蒸発燃料処理
    装置の診断装置。
  8. 【請求項8】一つの圧力検出手段と、この圧力検出手段
    に大気圧と吸入負圧を切換導入する手段とを設けたこと
    を特徴とする請求項3から7のいずれか一つに記載の蒸
    発燃料処理装置の診断装置。
  9. 【請求項9】走行風が強いときは吸入負圧を切換導入す
    ることを特徴とする請求項8に記載の蒸発燃料処理装置
    の診断装置。
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