JP3330037B2 - チップ部品の接合方法および装置 - Google Patents
チップ部品の接合方法および装置Info
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Description
に有するチップ部品を母材に接合するための方法および
装置に関し、特に、ベアチップ(フリップチップ)が実
装されているMCM(Multi Chip Module)基板等におい
て、ベアチップを取り替え再配置(リプレース)する際
に用いて好適の、チップ部品の接合方法および装置に関
する。
してMCM(Multi Chip Module)が用いられている。こ
のMCMの基板上にはLSI等の複数のベアチップ(チ
ップ部品)が実装されている。ベアチップの下面には、
このベアチップの入出力端子と基板(母材)上のパター
ンとを電気的に接続しながら基板とベアチップとを接合
する多数の半田バンプが予め設けられており、MCMを
製造する際には、基板上の所定位置に複数のベアチップ
を配置してから加熱して半田バンプを溶かし、これらの
ベアチップを同時に基板に接合している。
アチップの不良が確認された場合には、その不良ベアチ
ップのみを取り外して新たなベアチップを再配置してい
る。このようなベアチップの再配置(リプレース)に際
して新たなベアチップを基板に接合すべくそのベアチッ
プ下面の半田バンプを溶融するための技術としては、イ
ンパルスヒート方式や熱風加熱方式がある。
例を図7に示す。この図7に示す装置は、予熱プレート
10,リフローツール11,駆動機構12およびインパ
ルス制御部13を有している。ここで、予熱プレート1
0は、再配置対象のワーク〔基板(母材)1およびベア
チップ(シリコンウエハ)2〕を載置され、このワーク
を予熱するもので、加熱用コイル(図示省略)等を内蔵
している。
ベアチップ2の上面に接触してベアチップ2下面の半田
バンプ3を加熱するものである。駆動機構12は、リフ
ローツール11を上下方向に駆動するもので、例えばボ
ールねじ等の機構とモータとを組み合わせて構成され
る。この駆動機構12は、制御部(図示省略)により、
ロードセル(図示省略)により検出された荷重に応じて
フィードバック制御されるように構成されている。
11に電圧を印加して所定電流(例えば60A)をイン
パルス状に流し、リフローツール11をその抵抗により
発熱させるもので、図示省略の熱電対により検出された
リフローツール11の温度に応じて、リフローツール1
1を一定温度に安定的に保持するように制御するもので
ある。
を採用した装置では、予熱プレート10上に再配置対象
の基板(母材)1が載置されるとともに、その基板1の
所定位置に、下面に多数の半田バンプ3を設けられたベ
アチップ2が配置される。この後、基板1,ベアチップ
2および半田バンプ3を予熱プレート10で予熱した状
態で、リフローツール11を駆動機構12により下降さ
せ、このリフローツール11をベアチップ2の上面に軽
く接触させてから、ベアチップ2の高さを検知し、リフ
ローツール11を、基板(例えばモリブデン製の母材)
1やリフローツール11等の熱膨張を考慮した高さまで
駆動機構12により上昇させて位置決めする。
パルスヒートを行ない、リフローツール11を所定温度
まで加熱し、その熱によりベアチップ2下面の半田バン
プ3を溶融する。このとき、リフローツール11の発熱
により基板1やリフローツール11等が膨張するため、
基板1とリフローツール11との間隔が狭くなり、ベア
チップ2は、溶融した半田バンプ3を介して基板1側に
押圧され基板1に接合される。
図示しないが、基板の所定位置にベアチップを配置した
状態でエアヒータにより熱風を吹き付けて半田バンプを
加熱して溶融し、半田バンプを介して基板とベアチップ
とを接合している。
参照しながら上述したインパルスヒートによる加熱方式
では、ベアチップ2にリフローツール11が直接的に接
触して圧力を付与しているため、リフローツール11
を、熱膨張を考慮した最適な高さに位置決めしないと、
以下のような不具合が生じる。
ぎる場合には、ベアチップ2に圧力が作用しすぎて、半
田バンプ3が潰されて短絡が生じたり、さらにはベアチ
ップ2が押し潰されたりするおそれがある。逆にリフロ
ーツール11の位置が高すぎる場合には、ベアチップ2
に十分な圧力が作用せず、ベアチップ2を半田バンプ3
に対して沈み込ませることができず、ベアチップ2を基
板1に確実に接合させることができなくなる。このよう
にベアチップ2に対してリフローツール11が直接的に
接触して位置決めされるため、リフローツール11等の
精度や位置決め精度によってワーク(ベアチップ2を再
配置されたMCM等の基板1)の品質が左右される。
ワークの周囲にも熱風が流出するため、他の部品への熱
影響が発生するほか、ベアチップに適当な荷重を付加し
そのベアチップを基板側へ押圧することができないの
で、ベアチップの沈み込み量を調整できないなどの課題
があった。本発明は、このような課題に鑑み創案された
もので、微細な半田バンプによる接合を均一に且つ確実
に行なえるようにして、接合品質の向上ひいては製品品
質の向上をはかった、チップ部品の接合方法および装置
を提供することを目的とする。
に、本発明のチップ部品の接合方法(請求項1)は、半
田バンプを下面に有するチップ部品を、半田バンプによ
り母材に接合するための方法であって、チップ部品を母
材上の所定位置に配置し、半田バンプの数と半田バンプ
の溶融時の表面張力とに基づいて設定された所定重量を
有する熱吸収材料製の重りをチップ部品の上面に載置し
た後、重りの上面に電磁波を照射して重りを加熱し、重
りを介してチップ部品下面の半田バンプに熱を伝えて半
田バンプを溶融させ、チップ部品を母材に接合すること
を特徴としている。
求項19)は、半田バンプを下面に有するチップ部品
を、半田バンプにより母材に接合するための装置であっ
て、母材上の所定位置に配置したチップ部品の上面に載
置され半田バンプの数と半田バンプの溶融時の表面張力
とに基づいて設定された所定重量を有する熱吸収材料製
の重りと、この重りを介してチップ部品下面の半田バン
プに熱を伝えて半田バンプを溶融させチップ部品を母材
に接合すべく重りの上面に電磁波を照射して重りを加熱
する電磁波照射装置とをそなえたことを特徴としてい
る。
磁波照射装置)から発する赤外線を用いてもよく(請求
項2,20)、この場合、重りとしては、カーボンのみ
で形成したもの(請求項3,21)や、カーボンの外周
面に耐熱性ガラスのコーティングを施したもの(請求項
4,22)や、カーボンと銅とを併用して形成したもの
(請求項5,23)や、銅のみで形成したもの(請求項
6,24)や、アルミニウムのみで形成したもの(請求
項7,25)を用いる。
らの赤外線の照射形状と同一もしくは略同一にしてもよ
く(請求項8,26)、また、重りの下面の平面形状
は、チップ部品の上面の平面形状と同一もしくは略同一
とし、且つ、重りを、その下面側から上面側へ向かって
拡開するように形成してもよく(請求項9,27)、さ
らに、重りの上面に凹凸を形成してもよい(請求項1
0,28)。
材上におけるチップ部品以外の部品を予め覆っておいて
もよく(請求項11,29)、この場合、遮蔽板の外面
に鏡面仕上げを予め施したり(請求項12,30)、遮
蔽板に内蔵もしくは付設した冷媒流路内に冷媒を通流さ
せて遮蔽板を冷却してもよい(請求項13,31)。ま
た、冷媒として不活性気体を用い、この不活性気体を冷
媒流路から(吹き出し口を通じ)チップ部品と母材との
接合部分およびその近傍へ送り込み、不活性気体による
パージを行なってもよい(請求項14,32)。
射する際には、以下のような制御を行なってもよい。 赤外線ヒータの赤外線出力を制御する制御部により、
半田バンプの溶融温度よりも高い立ち上げ温度を目標温
度として設定して赤外線ヒータの赤外線出力を制御し、
溶融温度に達した時点で目標温度をその溶融温度に切り
替えて赤外線ヒータの赤外線出力を制御する(請求項1
5,33)。
して設定する前に半田バンプの溶融温度よりも低い予熱
温度を目標温度として設定して赤外線ヒータの赤外線出
力を制御し、半田バンプを予め予熱温度まで加熱する
(請求項16,34)。 赤外線ヒータを昇降駆動する駆動機構を用いて赤外線
ヒータと重りの上面との間隔を調整することにより、半
田バンプの加熱温度または温度分布を制御する(請求項
17,35)。
測し、その計測結果に応じて制御部により赤外線ヒータ
の赤外線出力をフィードバック制御する(請求項18,
36)。
施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態として
のチップ部品の接合装置の構成を模式的に示す側面図で
あり、この図1に示すように、本実施形態の装置は、多
数の半田バンプ3を下面に有するLSI等のベアチップ
(フリップチップ,チップ部品)2を、その半田バンプ
3によりMCM等の基板(母材)1に接合するためのも
ので、X−Yテーブル20,重り30,赤外線ヒータ4
0,昇降駆動機構50,制御部60および放射温度計7
0を有して構成されるほか、必要に応じて図2に示すよ
うな遮蔽板80も付加される。
である基板1の水平面内位置(X−Y位置)を決めるも
ので、このX−Yテーブル20には、基板1を予熱する
コイル等の予熱ヒータ21が内蔵されている。また、基
板1を所定位置に吸着して固定(クランプ)すべく、X
−Yテーブル20の上面には複数の吸引口22が開口・
形成され、各吸引口22は、吸引通路23を通じて真空
ポンプ24に連通接続されている。
たベアチップ2の上面に載置されるもので、半田バンプ
3の数と半田バンプ3の溶融時の表面張力とに基づいて
設定された所定重量を有しており、ベアチップ2の沈み
込み量を調整する機能を果たすものである。また、ベア
チップ2がシリコンウエハ製でその表面に光沢がある場
合、そのベアチップ2は赤外線を反射して吸収しない。
このようなベアチップ2を加熱すべく、重り30は、熱
吸収性の高い材質、例えばカーボン等により形成されて
いる。
0を加熱しこの重り30を介してベアチップ2下面の半
田バンプ3に熱を伝えて半田バンプ3を溶融させベアチ
ップ2を母材1に接合すべく、赤外線ヒータ(赤外線ラ
ンプ,電磁波照射装置)40がそなえられている。この
赤外線ヒータ40は、重り30の上面30aに近赤外線
IR(電磁波)を集光照射して重り30を加熱するもの
である。なお、赤外線ヒータ40としては、重り30の
上面30aに赤外線を開放照射して重り30を加熱する
ものを用いてもよい。
上下方向(Z方向)に駆動して位置決めするもので、例
えば、ボールねじ52と、このボールねじ52を回転駆
動するモータ51とを組み合わせて構成されている。と
ころで、重り30としては、カーボンのみで形成したも
のや、そのカーボンの外周面に耐熱性ガラスのコーティ
ングを施したものや、カーボンと銅とを併用して形成し
たものや、銅のみで形成したものや、アルミニウムのみ
で形成したものが用いられる。重り30の材質は、基板
1,ベアリップ2や半田バンプ3の特性に応じて適宜選
択される。
ーボンを用いることにより、前述したようにベアチップ
2が赤外線の非吸収物であっても、そのベアチップ2を
効率よく加熱して半田バンプ3を溶融することができ
る。このとき、カーボン製の重り30の外周面に耐熱性
ガラスのコーティングを施すことにより、カーボンが熱
によって酸化(煤状に変化)して変形するのを確実に防
止できる。
ボンだけで重り30を重くしようとすると重り30の体
積(大きさ)がかなり大きくなる。そこで、カーボンと
銅とを併用し、カーボン製の重り30の下方に銅を埋め
込むことにより、重り30を大きくすることなく、且
つ、カーボンの特性(熱吸収性)を損なうことなく、重
り30を十分に重くすることができる。このようにカー
ボンと銅とを併用して形成された重り30は、半田バン
プ3の溶融時にベアチップ2の沈み込み量を大きくする
際に有効に用いられる。
っては徐々に加熱し徐々に冷却する必要があるが、この
ような場合には銅製の重り30を用いることにより、温
度の急上昇や急冷を防止できる。この他、重り30をア
ルミニウムのみで形成することにより、重り30を軽く
することができ、またある程度まで温度が上昇すると熱
が伝わり難くなるので、このようなアルミニウム製の重
り30は、低荷重で低温の安定加熱を行なう際に有効に
用いられる。
としては、赤外線ヒータ40からの赤外線の照射形状や
ベアチップ2の形状などに応じて種々の形状のものが用
いられる。本実施形態の重り30の上面30aの平面形
状は、赤外線ヒータ40からの赤外線の照射形状と同一
もしくは略同一にする。本実施形態では、例えば、赤外
線ヒータ40として、赤外線をスポット状に集光照射す
るスポットヒータを用いているので、スポット光を重り
30の上面30a全面に吸収させるべく、図3に示すよ
うに、重り30の上面30aはそのスポット形状と同一
の形状(円形)に形成されている。これにより、赤外線
を重り30以外の部分に照射することなく重り30の上
面30aで効率よく受けることができる。
の平面形状は、ベアチップ2の上面の平面形状(正方形
もしくは長方形)と同一もしくは略同一とし、重り30
は、下方に向かって凸形の形状、即ち、その下面30b
側から上面30a側へ向かって拡開するように形成され
ている。これにより、加熱対象のベアチップ2以外の部
品と干渉することなくベアチップ2の上面に重り30を
載置することができるほか、ベアチップ2に付与する沈
み込み荷重を重り30の上面30aの面積で調整するこ
とができる。
線ヒータ40として、赤外線をライン状に集光照射する
ラインヒータを用いるとともに、図4に示すような重り
30Aを用いる。この重り30Aにおいて、上面30c
の平面形状はライン形状(長方形)と同一で、且つ、下
面30dの平面形状は長方形部品の上面形状と同一であ
り、下方に向かって凸形の形状、即ち、その下面30d
側から上面30c側へ向かって拡開するように形成され
ている。
0cには、図5に示すような凹凸を形成してもよい。こ
のような凹凸を形成することにより、重り30,30A
の上面30a,30cにおける表面積が増大し重り3
0,30Aを効率よく加熱できるほか、その凹凸を赤外
線ヒータ40からの赤外線の照射角度に応じて形成して
おけば、より効率よく赤外線が受光されて重り30,3
0Aが加熱される。
タ40の赤外線出力を制御するとともにモータ51の動
作を制御して赤外線ヒータ40の高さ(赤外線ヒータ4
0と重り30の上面30aとの間隔)を調整する制御部
60がそなえられている。この制御部60は、重り30
に赤外線ヒータ40から赤外線を照射する際に以下のよ
うな制御を行なうものである。
温度よりも低い予熱温度T0 を目標温度として設定して
赤外線ヒータ40の赤外線出力を制御する第1段制御
と、予熱温度T0 に達した時点t1で半田バンプ3の溶
融温度よりも高い立ち上げ温度T1 を目標温度として設
定して赤外線ヒータ40の赤外線出力を制御する第2段
制御と、溶融温度Tm に達した時点t2で目標温度をそ
の溶融温度Tm に切り替えて赤外線ヒータ40の赤外線
出力を制御する第3段制御との3段階制御を行なう。
ラックス・キュア時間が確保されて、本加熱を行なう前
に半田バンプ3が予熱温度まで加熱されフラックスを乾
燥させることができるので、急激な温度上昇により液状
のフラックスが沸点に達して気泡が生じ半田バンプ3が
揺らぐのを確実に防止でき、接合品質を向上することが
できる。
御により、加熱対象の半田バンプ3を迅速に且つ的確に
溶融温度Tm まで加熱することができる。通常のヒータ
を用いてこのような第2段制御および第3段制御を行な
うと、実際の温度が最終目標温度である溶融温度Tm よ
りも低くなる場合があるが、本実施形態のように、重り
30としてカーボン製のものを用い赤外線ヒータ40で
加熱すると、温度上昇中に所望の温度(溶融温度Tm )
に達した時点で目標温度をその所望の温度に切り替える
だけで、加熱対象ワークを極めて安定的にその所望の温
度にすることができる。
動作を制御して赤外線ヒータ40の高さ即ち赤外線ヒー
タ40と重り30の上面30aとの間隔を調整すること
により、半田バンプ3の加熱温度または温度分布を制御
する。例えば本実施形態の赤外線ヒータ40は赤外線を
スポット状に集光照射するので、その赤外線ヒータ40
と重り30との間隔を離せばベアチップ2の中心部分の
みを加熱したり加熱温度を低く制御できるほか、ベアチ
ップ2のサイズによって赤外線ヒータ40の高さを変え
るだけで、小さな加熱対象も一定の温度まで均一に加熱
することができる。
計70をそなえ、この放射温度計70による計測結果に
応じて赤外線ヒータ40の赤外線出力をフィードバック
制御する。これにより、半田バンプ3を確実に溶融温度
Tm まで加熱することができる。一方、図2に示すよう
に、基板1上に加熱対象ワークであるベアチップ2以外
にキャパシタ,抵抗等の他の部品4やI/Oピン5が実
装されている場合には、これらの部品4やI/Oピン5
に熱による影響が及ぶのを防止すべく、ベアチップ2以
外の部品4やI/Oピン5を、赤外線を遮断する遮蔽板
80により予め覆う。
外面には鏡面仕上げが予め施されている。これにより、
重り30の上面30aからそれて遮蔽板80に照射され
た赤外線は遮蔽板80の外面で反射されることになるの
で、遮蔽板80内の温度上昇を防止できるほか、遮蔽板
80の外面で反射された赤外線を重り30の外周面へ照
射することが可能になり重り30をより効率よく加熱す
ることができる。
冷媒を通流させて遮蔽板80を冷却する冷媒流路81が
内蔵されている。これにより、遮蔽板80内の温度上昇
が確実に防止され、加熱対象ワーク以外の部品に熱熱に
よる影響が及ぶのをより確実に防止できる。冷媒として
は水や不活性気体が用いられるが、本実施形態では、不
活性気体である窒素ガスを用いる。なお、冷媒流路81
は、遮蔽板80に内蔵せずに、遮蔽板80の外周にパイ
プ等により形成して付設してもよい。
アチップ2と基板1との接合部分の近傍に複数の吹き出
し口83が開口形成されるとともに、窒素ガスを冷媒流
路81から各吹き出し口83へ導く吹き出し流路82が
形成されている。これにより、窒素ガスが、冷媒流路8
1から吹き出し流路82および吹き出し口83を通じ
て、ベアチップ2と基板1との接合部分およびその近傍
へ送り込まれ、窒素ガスによるパージ(窒素ブロー)が
行なわれ、半田バンプ3や重り30が酸化するのを確実
に防止できるようになっている。なお、窒素ガスに代え
てヘリウムガスを用い、このヘリウムガスによりベアチ
ップ2と基板1との接合部分およびその近傍を強制冷却
するように構成してもよい。
チップ2と基板1との接合は以下のようにして行なわれ
る。例えばMCMの製造後、検査を行なった結果、ベア
チップの不良が確認された場合には、その不良ベアチッ
プのみを取り外して、図1や図2に示すように、新たな
ベアチップ2を基板1上の所定位置に再配置して、その
ベアチップ2を基板1に接合すべくそのベアチップ2下
面の半田バンプ3を溶融する。
うに、基板1をX−Yテーブル20上に載置してから、
この基板1を、真空ポンプ24で吸引通路23および吸
引口22を通じて吸引しX−Yテーブル20にクランプ
する。この後、ベアチップ2を基板1上の所定位置に再
配置し、半田バンプ3の数と半田バンプ3の溶融時の表
面張力とに基づいて設定された所定重量を有する熱吸収
材料製(カーボン製)の重り30をベアチップ2の上面
に載置し、この重り30の上面30aに赤外線ヒータ4
0から近赤外線IRを照射して重り30を加熱し、その
輻射熱によりベアチップ2下面の半田バンプ3を溶融さ
せ、ベアチップ2を基板1に接合する。なお、ベアチッ
プ2の接合時に、X−Yテーブル20に内蔵された予熱
ヒータ21により基板1を予熱しておくことにより、重
り30から半田バンプ3へ伝えられた熱が、基板1側へ
逃げてしまうのを防止することができる。
アチップ2の沈み込み量は、溶融された半田バンプ3の
表面張力と重り30の重量との釣合いによって決定さ
れ、ベアチップ2は、一定した高さで保持されることに
なる。また、全ての半田バンプ3が均一に溶融されるた
め、水平面に対して傾いて再配置されたベアチップ2
も、半田バンプ3が溶融すると、重り30の荷重を受け
てある一定量で均一に慣らされて水平に配置され、安定
したリフローが行なわれることになる。
ば、適切な重量の重り30をベアチップ2上に載置した
状態で近赤外線IRを重り30の上面30aに照射し非
接触でベアチップ2下面の半田バンプ3を加熱して溶融
するので、従来のようなツール(図7のリフローツール
11参照)の位置決めを行なう必要がなく、重り30は
基板1等の熱膨張に対してフリーであるがその自重によ
りベアチップ2に適度な圧力を作用させて半田バンプ3
の溶融時にベアチップ2を適当量だけ沈み込ませること
ができる。
均一に且つ確実に行なえ、安定した接合品質が得られ、
MCM等の製品品質が大幅に向上する。また、精密制御
等の設備が不要で、チップ部品接合用の設備(装置)を
安価に提供できるため、生産性に寄与するところも大き
い。なお、上述した実施形態では、電磁波照射装置とし
て赤外線ヒータ40を用い近赤外線IRを重り30の上
面30aに照射する場合について説明したが、本発明
は、これに限定されるものでなく、マイクロ波等の他種
の電磁波を重り30の上面30aに照射して重り30つ
まりは半田バンプ3を加熱してもよく、この場合も上述
と同様の作用効果を得ることができる。
M等の基板1上にベアチップ2を再配置して再接合(リ
フロー)する場合について説明しているが、本発明は、
この他、MCM等の基板上にバンプ接合型部品(コンデ
ンサ等)を再配置して再接合(リフロー)する場合にも
同様に適用され、上述と同様の作用効果を得ることがで
きる。
品の接合方法および装置(請求項1〜36)によれば、
以下のような効果ないし利点を得ることができる。 (1) 適切な重量を有する熱吸収材料製の重りをチップ部
品上に載置した状態で赤外線等の電磁波を重り上面に照
射し非接触でチップ部品下面の半田バンプを加熱して溶
融するので、従来のようなツールの位置決めを行なう必
要がなく、重りは母材等の熱膨張に対してフリーである
がその自重によりチップ部品に適度な圧力を作用させて
半田バンプの溶融時にチップ部品を適当量だけ沈み込ま
せることができる。従って、微細な半田バンプによる接
合を均一に且つ確実に行なうことができ、安定した接合
品質が得られ、製品品質が大幅に向上する。また、精密
制御等の設備が不要になり、チップ部品接合用の設備
(装置)を安価に提供できるため、生産性に寄与すると
ころも大きい(請求項1〜36)。
用いることにより、チップ部品が赤外線の非吸収物であ
っても、チップ部品を効率よく加熱して半田バンプを溶
融することができる(請求項3,21)。 (3) カーボン製の重りの外周面に耐熱性ガラスのコーテ
ィングを施すことにより、カーボンが熱によって酸化
(煤状に変化)して変形するのを確実に防止できる(請
求項4,22)。
することにより、重りを大きくすることなく十分に重く
することができ、特に、半田バンプ溶融時にチップ部品
の沈み込み量を大きくする際に有効である(請求項5,
23)。 (5) 半田バンプや母材(基板)の性質によっては徐々に
加熱し徐々に冷却する必要があるが、このような場合に
銅製の重りを用いることにより、温度の急上昇や急冷を
防止することができる(請求項6,24)。
とにより、重りを軽くすることができ、またある程度ま
で温度が上昇すると熱が伝わり難くなるので、低荷重で
低温の安定加熱を行なう際に有効である(請求項7,2
5)。 (7) 重りの上面の平面形状を、赤外線ヒータからの赤外
線の照射形状と同一もしくは略同一にすることにより、
赤外線を、重り以外の部分に照射することなく重り上面
にのみ効率よく受けることができる(請求項8,2
6)。
の上面の平面形状と同一もしくは略同一とし、且つ、重
りを、その下面側から上面側へ向かって拡開するように
形成することにより、加熱対象のチップ部品以外の部品
と干渉することなくチップ部品の上面に重りを載置する
ことができるほか、チップ部品に付与する沈み込み荷重
を重り上面の面積で調整することができる(請求項9,
27)。
り、表面積が増大し重りを効率よく加熱できるほか、そ
の凹凸を赤外線ヒータからの赤外線の照射角度に応じて
形成しておけば、より効率よく赤外線が受光されて重り
が加熱される(請求項10,28)。 (10)遮蔽板でチップ部品以外の部品を予め覆うことによ
り、加熱対象のチップ部品以外の部品に対して熱の影響
が及ぶのを確実に防止することができる(請求項11,
29)。
により、重り上面からそれて遮蔽板に照射された赤外線
は遮蔽板の外面で反射されるので、遮蔽板内の温度上昇
を防止できるほか、遮蔽板の外面で反射された赤外線を
重りの外周面へ照射することが可能になり重りを効率よ
く加熱できる効果もある(請求項12,30)。 (12)冷媒流路内に冷媒を通流させて遮蔽板を冷却するこ
とにより、遮蔽板内の温度上昇を確実に防止することが
できる(請求項13,31)。
活性気体を冷媒流路から吹き出して不活性気体によるパ
ージを行なうことにより、半田バンプや重りが酸化する
のを確実に防止することができる(請求項14,3
2)。 (14)半田バンプの溶融温度よりも高い立ち上げ温度を目
標温度とする第1段の赤外線出力制御と、溶融温度に達
した時点で目標温度をその溶融温度として行なう第2段
の赤外線出力制御との2段階制御を行なうことにより、
加熱対象の半田バンプを迅速に且つ的確に溶融温度まで
加熱することができる(請求項15,33)。
ンプの溶融温度よりも低い予熱温度を目標温度とする赤
外線出力制御を加えた3段階制御を行なうことにより、
半田バンプが予熱温度まで加熱されフラックスを乾燥さ
せることができるので、急激な温度上昇により液状のフ
ラックスが沸点に達して気泡が生じ半田バンプが揺らぐ
のを確実に防止でき、接合品質の向上に寄与する(請求
項16,34)。
を用いて赤外線ヒータと重りの上面との間隔を調整する
ことにより、半田バンプの加熱温度または温度分布を制
御できる。例えば赤外線ヒータと重りとの間隔を離せば
チップ部品の中心部分のみを加熱したり加熱温度を低く
制御できるほか、チップ部品のサイズによって赤外線ヒ
ータの高さを変えるだけで、小さな加熱対象も一定の温
度まで均一に加熱できる(請求項17,35)。
計測し、その計測結果に応じて赤外線ヒータの赤外線出
力をフィードバック制御することにより、半田バンプを
確実に溶融温度まで加熱することができる(請求項1
8,36)。
装置の構成を模式的に示す側面図である。
蔽板に形成された冷却系の構造を模式的に示す断面図で
ある。
である。
示す断面図である。
ついて説明すべく目標温度と時間との関係を示すグラフ
である。
に示す側面図である。
Claims (36)
- 【請求項1】 半田バンプを下面に有するチップ部品
を、該半田バンプにより母材に接合するための方法であ
って、 該チップ部品を該母材上の所定位置に配置し、 該半田バンプの数と該半田バンプの溶融時の表面張力と
に基づいて設定された所定重量を有する熱吸収材料製の
重りを該チップ部品の上面に載置した後、 該重りの上面に電磁波を照射して該重りを加熱し、該重
りを介して該チップ部品下面の該半田バンプに熱を伝え
て該半田バンプを溶融させ、該チップ部品を該母材に接
合することを特徴とする、チップ部品の接合方法。 - 【請求項2】 前記電磁波が、赤外線ヒータから発する
赤外線であることを特徴とする、請求項1記載のチップ
部品の接合方法。 - 【請求項3】 該重りの材質がカーボンであることを特
徴とする、請求項2記載のチップ部品の接合方法。 - 【請求項4】 該重りの外周面に、耐熱性ガラスのコー
ティングが施されていることを特徴とする、請求項3記
載のチップ部品の接合方法。 - 【請求項5】 該重りが、カーボンと銅とから形成され
ていることを特徴とする、請求項2記載のチップ部品の
接合方法。 - 【請求項6】 該重りの材質が銅であることを特徴とす
る、請求項2記載のチップ部品の接合方法。 - 【請求項7】 該重りの材質がアルミニウムであること
を特徴とする、請求項2記載のチップ部品の接合方法。 - 【請求項8】 該重りの上面の平面形状が、該赤外線ヒ
ータからの赤外線の照射形状と同一もしくは略同一であ
ることを特徴とする、請求項2記載のチップ部品の接合
方法。 - 【請求項9】 該重りの下面の平面形状が、該チップ部
品の上面の平面形状と同一もしくは略同一であり、該重
りが、その下面側から上面側へ向かって拡開するように
形成されていることを特徴とする、請求項2記載のチッ
プ部品の接合方法。 - 【請求項10】 該重りの上面に凹凸が形成されている
ことを特徴とする、請求項2記載のチップ部品の接合方
法。 - 【請求項11】 赤外線を遮断する遮蔽板により、該母
材上における該チップ部品以外の部品を予め覆っておく
ことを特徴とする、請求項2記載のチップ部品の接合方
法。 - 【請求項12】 該遮蔽板の外面に鏡面仕上げが予め施
されていることを特徴とする、請求項11記載のチップ
部品の接合方法。 - 【請求項13】 該遮蔽板に内蔵もしくは付設した冷媒
流路内に冷媒を通流させて該遮蔽板を冷却することを特
徴とする、請求項11記載のチップ部品の接合方法。 - 【請求項14】 前記冷媒として不活性気体を用い、該
不活性気体を該冷媒流路から該チップ部品と該母材との
接合部分およびその近傍へ送り込み、該不活性気体によ
るパージを行なうことを特徴とする、請求項13記載の
チップ部品の接合方法。 - 【請求項15】 該重りに該赤外線ヒータから赤外線を
照射する際に、該半田バンプの溶融温度よりも高い立ち
上げ温度を目標温度として設定して該赤外線ヒータの赤
外線出力を制御し、前記溶融温度に達した時点で前記目
標温度を前記溶融温度に切り替えて該赤外線ヒータの赤
外線出力を制御することを特徴とする、請求項2記載の
チップ部品の接合方法。 - 【請求項16】 前記立ち上げ温度を目標温度として設
定する前に該半田バンプの溶融温度よりも低い予熱温度
を目標温度として設定して該赤外線ヒータの赤外線出力
を制御し、該半田バンプを予め前記予熱温度まで加熱し
ておくことを特徴とする、請求項15記載のチップ部品
の接合方法。 - 【請求項17】 該赤外線ヒータと該重りの上面との間
隔を調整して該半田バンプの加熱温度または温度分布を
制御することを特徴とする、請求項2記載のチップ部品
の接合方法。 - 【請求項18】 放射温度計により該半田バンプの温度
を計測し、その計測結果に応じて該赤外線ヒータの赤外
線出力をフィードバック制御することを特徴とする、請
求項2記載のチップ部品の接合方法。 - 【請求項19】 半田バンプを下面に有するチップ部品
を、該半田バンプにより母材に接合するための装置であ
って、 該母材上の所定位置に配置した該チップ部品の上面に載
置され、該半田バンプの数と該半田バンプの溶融時の表
面張力とに基づいて設定された所定重量を有する熱吸収
材料製の重りと、 該重りを介して該チップ部品下面の該半田バンプに熱を
伝えて該半田バンプを溶融させ該チップ部品を該母材に
接合すべく、該重りの上面に電磁波を照射して該重りを
加熱する電磁波照射装置とをそなえたことを特徴とす
る、チップ部品の接合装置。 - 【請求項20】 該電磁波照射装置が、前記電磁波とし
て赤外線を発する赤外線ヒータであることを特徴とす
る、請求項19記載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項21】 該重りの材質がカーボンであることを
特徴とする、請求項20記載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項22】 該重りの外周面に、耐熱性ガラスのコ
ーティングが施されていることを特徴とする、請求項2
1記載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項23】 該重りが、カーボンと銅とから形成さ
れていることを特徴とする、請求項20記載のチップ部
品の接合装置。 - 【請求項24】 該重りの材質が銅であることを特徴と
する、請求項20記載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項25】 該重りの材質がアルミニウムであるこ
とを特徴とする、請求項20記載のチップ部品の接合装
置。 - 【請求項26】 該重りの上面の平面形状が、該赤外線
ヒータからの赤外線の照射形状と同一もしくは略同一で
あることを特徴とする、請求項20記載のチップ部品の
接合装置。 - 【請求項27】 該重りの下面の平面形状が、該チップ
部品の上面の平面形状と同一もしくは略同一であり、該
重りが、その下面側から上面側へ向かって拡開するよう
に形成されていることを特徴とする、請求項20記載の
チップ部品の接合装置。 - 【請求項28】 該重りの上面に凹凸が形成されている
ことを特徴とする、請求項20記載のチップ部品の接合
装置。 - 【請求項29】 該母材上における該チップ部品以外の
部品を覆って赤外線を遮断する遮蔽板をそなえたことを
特徴とする、請求項20記載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項30】 該遮蔽板の外面に鏡面仕上げが予め施
されていることを特徴とする、請求項29記載のチップ
部品の接合装置。 - 【請求項31】 該遮蔽板に、該遮蔽板を冷却する冷媒
を通流させる冷媒流路が内蔵もしくは付設されているこ
とを特徴とする、請求項29記載のチップ部品の接合装
置。 - 【請求項32】 前記冷媒として不活性気体が用いら
れ、該不活性気体を該冷媒流路から該チップ部品と該母
材との接合部分およびその近傍へ送り込むための吹き出
し口が形成されていることを特徴とする、請求項31記
載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項33】 該赤外線ヒータの赤外線出力を制御す
る制御部をそなえ、該制御部が、該半田バンプの溶融温
度よりも高い立ち上げ温度を目標温度として設定して該
赤外線ヒータの赤外線出力を制御し、前記溶融温度に達
した時点で前記目標温度を前記溶融温度に切り替えて該
赤外線ヒータの赤外線出力を制御することを特徴とす
る、請求項20記載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項34】 該制御部が、前記立ち上げ温度を目標
温度として設定する前に該半田バンプの溶融温度よりも
低い予熱温度を目標温度として設定して該赤外線ヒータ
の赤外線出力を制御することを特徴とする、請求項33
記載のチップ部品の接合装置。 - 【請求項35】 該赤外線ヒータを昇降駆動する駆動機
構をそなえ、該駆動機構を用いて該赤外線ヒータを昇降
駆動して該赤外線ヒータと該重りの上面との間隔を調整
することにより、該半田バンプの加熱温度または温度分
布を制御することを特徴とする、請求項20記載のチッ
プ部品の接合装置。 - 【請求項36】 該半田バンプの温度を計測する放射温
度計と、該放射温度計により計測された該半田バンプの
温度に応じて該赤外線ヒータの赤外線出力をフィードバ
ック制御する制御部とをそなえたことを特徴とする、請
求項20記載のチップ部品の接合装置。
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