JP3329939B2 - カテコールアミン分析方法及び分析装置 - Google Patents

カテコールアミン分析方法及び分析装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体クロマトグラフィに
よるカテコールアミンの分析方法及び分析装置に係り、
特に試料をプレカラム誘導体化し、この誘導体化物を分
離して定量するのに適した分析方法及び分析装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフは、溶液状態で成分
を分離した後、特定成分を選択的に分析できるのが特徴
で、臨床検査の分野においても重要な項目が多い。しか
し、このような項目の中には試料中の濃度が著しく低い
ために濃縮等の操作に加えて、検出感度を高めるために
目的成分に蛍光ラベル剤を結合させる誘導体化法が広く
用いられている。この誘導体化には、分離カラムに目的
成分を導く前に反応させるプレカラム誘導体化法と目的
成分を分離カラムで単離した後で試薬と反応させるポス
トカラム誘導体化法とがある。2つの誘導体化法はそれ
ぞれに利点、欠点があるが、試薬の消費が少ない、高感
度化ができる、反応、精製、分離・検出の各工程を並行
に処理することによるスループットの増大が可能である
こと等はプレカラム誘導体化法ならではの利点である。
【0003】試料中のカテコールアミンをプレカラム誘
導体化法で誘導体化し、クロマトグラフィにて定量する
先行技術として、特開平3−131753号がある。こ
の先行技術では、試料と誘導体化試薬は特定の容器に保
存されており、1分析ごとに試料と誘導体化試薬とを混
合容器で混合・反応させて次の工程に行くか、混合容器
で混合後、反応コイルで反応させて次の工程に行くよう
になっている。この時の反応温度は、明確な記載はない
が一定温度に保温されている。また、特開平3−131
753号ではカテコールアミンの分析例を述べている
が、この例に限らず、温度と反応速度は密接な関係があ
り、一般に高温なほど速度は大きいことが知られてい
る。
【0004】また、血漿中のカテコールアミンをプレカ
ラム誘導体化し高速液体クロマトグラフィで分析する先
行技術にはUSP4,705,757号及びジャーナル
オブ クロマトグラフィ第567巻(1991,第351 頁な
いし第358 頁(J. Chromatogr, 567(1991)pp351-358)が
ある。
【0005】更に、発蛍光試薬にジフェニルエチレンジ
アミン(DPE)を使用する誘導体化法の詳細な反応条
件を検討した例としてアナリティカ キミカ アクタ、
第165巻(1984年)第171頁ないし第176頁
(Anal. chim. Acta, 165(1984)pp171-176)がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術はプ
レカラム誘導体化法を利用し、液体クロマトグラフィの
最大の短所であったスループットの増大化に成功してい
る。また、これらの先行技術によれば、蛍光強度、反応
時間、再現性について言及している。しかし、いずれの
先行技術もプレカラム誘導体化方を利用する場合、臨床
検査で重要となる副反応物による干渉には触れておら
ず、副反応の進行などによる目的成分以外の成分の検
出、すなわち、妨害ピークの出現により測定制度が低下
するという問題があった。
【0007】本発明の目的は、目的成分以外の妨害ピー
クを抑えたプレカラム誘導体化法を利用した液体クロマ
トグラフィによるカテコールアミン分析方法及び分析装
置を提供することにある。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、前記誘導体化試薬としてジフェニルエ
チレンジンアミンを用い、カテコールアミンと誘導体化
試薬の反応助剤として酸化剤、重金属の酸化物イオンを
用い、反応させる時の緩衝液として過塩素酸とイミダゾ
ールからなるものを使用するものである。
【0013】
【0014】
【0015】また、好ましくは、前記温調手段は前記オ
ートサンプラに設置され冷却機能付のサンプルラックを
有し、このラック上に前記試料とともに前記誘導体化試
薬と反応部を配置したものである。
【0016】
【作用】カテコールアミンを誘導体化し分析する場合、
この分析感度は誘導体化物の生成量に比例する。そのた
め、従来例に見られるように反応温度は室温よりも高め
に設定される。しかし、本願発明者等は、誘導体化試薬
と反応助剤と緩衝液の組成を特定のものにすること、例
えば1,2−ジフェニルエチンジアミンを誘導体化試薬
に、アセトニトリルと重金属の酸化物イオンを反応助剤
にする場合、緩衝液を過塩素酸とイミダゾール等を選択
すれば、5〜15℃の低温でも反応は十分に速く進行す
ること、更に加熱はカテコールアミン誘導体の生成に有
効ではあるもののこれ以上に副反応の方が速いことを見
出した。誘導体化試薬と反応助剤と緩衝液を上記の特定
の組成にすると、なぜ低温でも十分に速い反応速度が得
られるかの理由は今のところ明らかでないが、1,2−
ジフェニルエチンジアミンの水に対する溶解性が1,2
−ジフェニルエチンジアミン過塩素酸塩となると増大す
ることにあると推測される。
【0017】本発明は以上の知見に基づくものであり、
誘導体化試薬とカテコールアミンとの反応を5〜15℃
の低温で行うことにより、反応速度を十分に速く保ちつ
つ副反応を押さえ、目的成分以外の妨害ピークを抑えた
測定精度の高いプレカラム誘導体化法による分析が可能
となる。
【0018】また、誘導体化試薬としてジフェニルエチ
レンジンアミンを用い、反応助剤として酸化剤、重金属
の酸化物イオンを用い、緩衝液として過塩素酸とイミダ
ゾールからなるものを使用することにより、5〜15℃
の低温でも十分に速い反応速度が得られかつ副反応が押
さえられ、目的成分以外の妨害ピークを抑えた測定精度
の高いプレカラム誘導体化法による分析が可能となる。
【0019】また、本発明では上記のように反応速度は
十分に速いので、測定精度を向上しつつ、カテコールア
ミンと誘導体化試薬との反応時間が15分以内という高
速の分析が可能となる。
【0020】一方で、本願発明者等は、本発明によれば
5〜15℃の低温でもカテコールアミンとジフェニルエ
チレンジアミンの反応は速いために、カテコールアミン
の誘導体化物の生成量を厳密に管理するには混合から反
応中に至り厳密な温度管理が要求されることも見出し
た。
【0021】試料及び誘導体化試薬と反応部と、反応に
用いる反応助剤及び緩衝液をあらかじめ5〜15℃の範
囲の同一温度にした後に、誘導体化試薬とカテコールア
ミンとの反応を行なわせることにより、反応部の恒温は
もちろんであるが、試料と誘導体化試薬と反応助剤と緩
衝液を含めた全てを同一温度にすることになり、厳密な
温度管理が可能となる。
【0022】また、試料と誘導体化試薬と反応部と、反
応に用いる反応助剤及び緩衝液を仕切られた同一室内に
設置するとともに、試料と誘導体化試薬と反応部と反応
助剤と緩衝液を5〜15℃の範囲の一定温度に保つ温調
手段を設けることにより、試料と誘導体化試薬と反応助
剤と緩衝液を含めた全てを同一温度にすることができ
る。
【0023】プレカラム誘導体化法では、反応を進行さ
せるために使用する酸化剤、重金属の酸化物イオン等に
代表されるような無機塩や不純物を排除する目的でプレ
カラムを用いたカラムスイッチング法が利用される。こ
の場合、反応部での反応後、生成した誘導体化物のプレ
カラムでの精製工程及び分離カラムでの分離工程におい
てもカテコールアミンとジフェニルエチレンジアミンと
の反応は続き、また精製した誘導体化物の分解が生じ、
しかも誘導体化物を精製、分離する時間は反応時間と同
程度かかる。このため、プレカラムでの精製工程、分離
カラムでの分離工程中の反応及びカテコールアミン誘導
体の分解は無視できず、再現性の高い定量値を得るため
にはプレカラムとその分離カラムの恒温化が重要とな
る。
【0024】本発明によれば、精製及び分離に際してプ
レカラムと分離カラムの温度をそれぞれ一定に保つこと
により、カテコールアミン誘導体の分解は一定となり、
再現性の高い定量値が得られる。
【0025】
【0026】
【実施例】まず、本発明の分析方法の実施に用いる装置
の概略を説明する。本発明の望ましい実施例では、試料
の誘導体化反応は5〜15℃に冷却された容器内で行わ
れる。試料と誘導体化試薬の混合は必ずしも撹拌動作を
伴うものではなく、容器内には試料と試薬が添加されて
共存していればよい。この誘導体化処理は、試料容器お
よび試薬収容容器から上記反応容器への移動可能なピペ
ッティングノズルの分注動作によって達成できる。ま
た、試料の誘導化反応には反応助剤が用いられ、反応助
剤の一部は誘導体化試薬の溶液中に含まれ、残りは緩衝
液中に溶解して用いられる。緩衝液中に溶解した反応助
剤も同様に反応助剤容器からピペッティングノズルによ
って分注される。機構の単純化のためには、ピペッティ
ングノズルは1本であることが好ましい。
【0027】試料容器と誘導体化試薬容器と反応容器と
反応助剤容器は同一の冷蔵室に設置するか、あるいは試
料を安定に保存する目的で用いられる冷却機能付のサン
プルラック上に設置する。
【0028】また、本発明の望ましい実施例では、プレ
カラムは分離カラムよりも上流側に配置される。このプ
レカラムには試料の移送及びプレカラムの洗浄に供する
液が流路切換弁を介して供給される。プレカラムに導入
された試料は、移送液の供給によって測定精度を低下さ
せる要因となる夾雑物や過剰試薬などの不要物がプレカ
ラムから排出され、目的成分が捕捉される。プレカラム
に捕捉された目的成分は、溶離液によりプレカラムより
脱着され分離カラムに導入される。このプレカラムと分
離カラムは測定の再現精度を上げるために一定温度に保
たれる。また、機構の単純化のためにプレカラムと分離
カラムは同一の恒温ユニットに収納するのが好ましい。
【0029】本発明の分析方法において、望ましい実施
例では、カテコールアミン類の誘導体化試薬として1,
2−ジフェニルエチンジアミン(DPE)を用い、溶液
中に準備される。この溶液には反応助剤として60mM
DPE,40%のアセトニトリルが含まれる。また、
他の反応助剤には酸化剤としての2mMのフェリシアン
化カリウムと、80mM モリブデン酸アンモニウムが
あり、これらは緩衝液に溶解して用いる。緩衝液には過
塩素酸、イミダゾールからなるものが用いられる。誘導
体化物の移送には0.1Mの塩化ナトリウム溶液が、カ
テコールアミン類の誘導体を分離するために供給される
溶離液には、例えばアセトニトリルとメタノールと水溶
液を5:2:4の割合で含む液が使用される。
【0030】本発明が好適に適用される生体試料は、血
漿,尿などである。
【0031】以下、本発明の一実施例を図面を参照して
詳述する。図1はカテコールアミン分析装置の全体を示
す概略図である。この装置は、各種容器や分注機構を備
えた前処理部26と、流路系内で濃縮動作や分離動作を
行う濃縮・分離部44を有する。以下では、前処理部2
6をオートサンプラと称し、濃縮・分離部44を分析部
と称する。
【0032】オートサンプラ26のサンプラステージ2
8にはサンプルラック27が装填される。サンプルラッ
ク27は試料を収容した複数の試料容器29を保持して
いる。また、サンプルラック27には誘導体化試薬容器
31、反応助剤容器32、標準サンプル容器30が配置
されている。標準サンプル容器30は検量線を得るため
の既知の濃度のサンプルを入れておくものである。さら
に、サンプルラック27には反応容器34が配置され
る。この反応容器34にはドレインポート35がそれぞ
れの上部が連結した状態で配置されている。
【0033】分注ノズル38は、試料や試薬を反応容器
34へピペッティングにより分注したり、反応した試料
を反応容器34から近接して設けられた注入ポート36
へ移す働きをする。駆動機構37はXYZの駆動機能を
有し、分注ノズル38を縦横上下自在に駆動して、前記
サンプラ上の容器やポートの位置に移動することができ
る。分注ノズル38の上端はプラスチックチューブなど
の細管39により三方弁40を介して分注ポンプ41及
び洗浄液槽42に連結されている。分注ポンプ41はバ
ルスモータで駆動されるシリンジポンプを利用してい
る。
【0034】以上のオートサンプラ26に係わる機器等
は仕切られた同一室26A内に設置される。
【0035】サンプルステージ28にはサンプルラック
27上の容器29,30内のサンプル、容器31内の誘
導体化試薬及び反応助剤(以下、単に誘導体化試薬とい
う)、容器32内の反応助剤及び緩衝液(以下、単に反
応助剤という)、反応容器34を分析中低温に保つよう
ベルチェ素子からなる冷却装置202が組み込まれ、こ
れらは5〜15℃の範囲の所定の同一温度に保持され
る。
【0036】分析部44は誘導体の濃縮と不要物除去を
行うプレカラム流路系、目的成分の誘導体を分離する分
離カラム流路系及び測定演算部からなる。プレカラム流
路系には試料導入弁47が設けられ、試料導入弁47に
はオートサンプラの注入ポート36から注入された誘導
体を所定量計量して分析部に導入するための計量管49
が設けられている。また、液槽45の移送液がポンプ4
6により送液され、試料導入弁47及びカラム切換弁5
2を経由してプレカラム48に流れている。試料導入弁
47の計量管49で所定量の誘導体を含むサンプル液を
計量した後、試料導入弁47を破線の状態に切換えるこ
とにより、計量管49内のサンプル液はプレカラム48
に導かれる。
【0037】分離カラム流路系では溶離液槽50の溶離
液がポンプ51により一定流速で送液され、カラム切換
弁52を経由して分離カラム53に流れている。カラム
切換弁52を破線の状態に切換えることにより溶離液は
プレカラム48を経由して流れ、プレカラム48で処理
されたサンプルを分離カラム53に移送する。この例で
は、単一溶離液を用いるアイソクラチック溶出法につい
て述べたが複数の濃度の異なる溶離液を用いるグラジェ
ント溶出法を採用することもできる。
【0038】測定演算部は分離カラム53から溶出する
目的成分の蛍光強度を測定する蛍光に度計54及び測定
結果の演算処理及び表示をするためのA/D変換部5
5、制御部56、プリンター57、CRT58などから
なり、光度計54はフローセル59を有する。
【0039】プレカラム48と分離カラム53は環境温
度に影響されないように所定の温度に保温された恒温ユ
ニット201内に収納されている。
【0040】なお、図1に示した例では冷却されたサン
プルラック27上に反応試薬、反応容器を配置して同一
温度になるようにしたが、サンプルステージ28に冷却
機構を具備しないでオートサンプラ26の室26Aの内
部全体が冷却されるように冷風を用いても効果は同じで
ある。
【0041】本実施例による分析は、(1)オートサン
プラ上でのサンプルの誘導体化作業、(2)プレカラム
による濃縮及び不純物除去作業、(3)分離カラムによ
るサンプル成分の分離及び測定、の順序で行われる。図
2のフローチャートを参照して次に一連の分析操作を説
明する。
【0042】反応容器洗浄 ステップ101の分析動作開始のあと、ステップ102
で反応容器の34が洗浄される。この際、ノズル38を
反応容器34の位置に移動し、ポンプ41を動作させ洗
浄液槽42からの洗浄液を反応容器へ注入する。注入量
は反応容器34の容量より多量に注入し、余剰の洗浄液
はオーバーフローさせドレインポート35から排出管4
3の方へ廃出させる。次いで、ノズル38を反応容器3
4の底に降下させ容器内の洗浄液を吸いあげ、ノズル3
8をドレインポート35に移動させて吸い上げた液を廃
出する。この動作に先だち吸い上げた汚れた洗浄液がノ
ズル内の新鮮な洗浄液に拡散しないよう予めノズル38
の先端に若干量の空気を吸っておく必要がある。(吸引
に先だち気泡を吸って境界を作っておく作業は、後のサ
ンプルや試薬を吸い上げる場合にも必要であるが、説明
が繁雑になるので以後の説明では省略する。)以上の動
作を複数回(例えば3回)繰り返すことにより反応容器
34の洗浄が終わる。
【0043】サンプル分注 ステップ103では反応容器34への試料(サンプル)
の分注が行われる。ノズル38を誘導体化試薬容器3
1、反応助剤容器32の位置に移動し、降下させて所定
量吸引し、ついで分析する試料容器29の位置に移動
し、所定量のサンプルを吸引した後、ノズル38を反応
容器34の位置に移動させ、吸引保持されているサンプ
ルと反応試薬と反応助剤を反応容器34に吐出分注す
る。
【0044】この時に、混合のために特に撹拌などの操
作には不要であり、吐出を高速で行うだけで可能であ
る。誘導体化反応は混合された時点から開始される。
【0045】ノズル洗浄 ステップ104では、ノズル38を洗浄する。この場
合、ノズル38をドレインポート35に移動し、洗浄液
を吐出して、反応試薬及びサンプルによるノズルの内壁
の汚れを洗い出した後、ノズルを図示しない洗浄槽に移
動して槽内に降下させ、洗浄液を吐出してノズル38の
先端外側を洗浄する。
【0046】反 応 ステップ106では、カテコールアミン類に対する蛍光
性物質への誘導体化が行われるように誘導体化反応を進
行させる。反応容器34内におけるサンプルと誘導体化
試薬と反応助剤及び緩衝液の混合液(以下サンプル液と
称する)を、一定温度に冷却された反応容器34内で所
定時間放置して反応を進行させ、誘導体化を行うが、こ
の時間内には反応は終了しない。
【0047】計量へのサンプル導入 ステップ107では、反応容器34内の反応液を計量管
49内へ導入する。反応容器34内では実質的に反応の
終了していない誘導体化されたサンプル液をノズル38
内に吸引し、ノズルを注入ポート36へ移動してその中
に挿入し、試料導入弁47を図1の如き実線の状態にし
て試料計量管49へサンプル液を注入する。計量管49
がサンプル液で満たされた後試料導入弁47を破線の状
態に切換ると、切換弁47のポートに接続されている計
量管49は、流路62と流路63の間に接続され、移送
・洗浄液の流れにより所定量のサンプル液がプレカラム
48へ移送される。
【0048】濃 縮 ステップ108では、プレカラム48内への誘導体化さ
れたカテコールアミン類の捕捉と夾雑物や過剰試薬の除
去が行われ、同時にサンプル液の濃縮が行われる。移送
・洗浄液の流れによりプレカラム48にサンプル液が導
入されると、プレカラム48内にはサンプルが吸着捕捉
され蓄積される。このとき測定の妨害となる不要物であ
る夾雑物や過剰試薬がプレカラムを通過して排出口64
を経て排出される。
【0049】サンプル移送 ステップ109では、不要物を除去されて捕捉されてい
るサンプルをプレカラム48から脱離し、分離カラム5
3へ導く。図1に図示の実線の状態から破線の状態にカ
ラム切換弁52を切換ると、プレカラム48は流路6
5,66の間に接続され、溶離液はプレカラム48を経
由して流れ、プレカラム48に濃縮されたサンプルを脱
離して分離カラム53に送り、分離が開始される。全サ
ンプルが流路66に移動した時点で、カラム切換弁52
を再び実線の状態に切換ると溶離液はプレカラム48を
経由せず直接分離カラム53に流れ、プレカラム48に
は移送・洗浄液が流れ始める。
【0050】分 離 ステップ110では、引き続き溶離液を分離カラム53
に流し、カテコールアミン類の成分分離が行われ、ノル
エピネフリン(NE)、エピネフリン(E)、ドーパミ
ン(DA)が成分バンドを形成して分離カラムから溶出
される。
【0051】プレカラム再生 ステップ110のサンプル成分の分離と並行して、ステ
ップ111ではプレカラム48に移送・洗浄液を流し、
つぎのサンプルを受入れられる状態に復元させる。
【0052】測 定 溶出液が蛍光光度計54によって観測される。分離カラ
ム53により分離され溶出したサンプル成分は順次、蛍
光光度計54のフローセル59に流れ、分離された各成
分の蛍光強度を検出し、演算処理して各成分の濃度を求
める。
【0053】データ表示、出力 ステップ113では、ステップ112で得たデータをプ
リンター57、CRT58などにより表示出力する。ス
テップ114では、オートサンプラ26上の試料がすべ
て処理されたかどうかが判断され、まだ残っていればス
テップ102に戻り、すべて処理されていればステップ
115に進んで装置の分析動作が終了する。
【0054】以上一検体についての分析手順を説明した
が、続いて本発明に基づく分析結果について説明する。
図3に分析結果の一例を示す。
【0055】この例は健康人尿を500倍に希釈してフ
リーのカテコールアミン類を分析したものであり、サン
プルラック27の温度は15℃、反応時間は7分とし
た。比較のために50℃、3分間反応の場合の結果を上
段に示したが、カテコールアミン類のピークは高いもの
の目的成分以外の不純物ピークも大きくなり、誤同定の
確率が高くなるため測定精度を低下させる。
【0056】図4は、健康人血漿1mlに対して1M過
塩素酸0.5mlの割合で添加して血漿中の蛋白成分を
沈澱させ、遠心分離後その上清のpHを0.5〜3.9
に変化させてサンプルとし、反応時のpHを5〜8にし
て定量した結果を示す。反応温度は15℃、反応時間は
9分である。検量線はどの場合でも同一条件とした。こ
の結果より、サンプルのpHが0.5〜4の間でほぼ一
定の定量値が得られることが明らかとなった。
【0057】また、通常の分析においては、時間の節約
のために、変性した蛋白の沈澱物と上清の分離はpHの
調整後に行われる。このとき、上清のpHが4以上にな
ると蛋白の沈澱物が再溶解するため好ましくない。更
に、分離後の上清のpHは0付近の強酸性下にあるが、
このようなサンプルのpHをルーチン分析に利用できる
だけの感度が得られるよう調整することは容易ではな
い。図4の測定例のように、遠心分離後の上清のpHを
0.5〜3.9に調整したものをサンプル(試料)とす
ることにより、サンプルの反応時のpHを5〜8に調整
することが容易となり、試料のpHが強酸性条件下にお
いても容易にルーチン分析に利用できるだけの感度が得
られるようになる。
【0058】プレカラム48と分離カラム53を恒温ユ
ニットに収納した場合としない場合の室温変動時のピー
ク高さの再現性の結果を図5に示す。この結果から、プ
レカラム48と分離カラム53を恒温ユニットに収納す
ることで、反応容器内で実質的に終了していない誘導体
化反応を室温変動の影響を受けることなく実行できるた
め、再現精度が大幅に向上することが分かる。
【0059】図6は反応温度を5〜15℃の範囲で変え
てカテコールアミンの相対強度を測定した結果を示す。
この結果より、反応温度5〜15℃の間でほぼ一定の相
対強度が得られることが明らかである。15℃よりも更
に高温にすると強度は更に増すが、図3で示したように
不純物のピーク強度も大きくなるため好ましくない。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、試料をプレカラム誘導
体化して分析する場合に、速い反応速度を保ちつつ副反
応による妨害ピークを抑制できるため、高速分析が可能
でかつ測定精度が向上するという効果がある。また、分
析を通して誘導体化反応を一定に管理できるため測定の
再現性精度が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるカテコールアミン分析
装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す実施例の装置を用いて行った分析方
法の手順を示す図である。
【図3】図1に示す実施例の装置を用いて行った分析結
果の一例を示す図である。
【図4】図1に示す実施例の装置を用いて行った分析結
果の他の例を示す図である。
【図5】プレカラムと分離カラムを恒温ユニットに収納
した場合としない場合の室温変動時のピーク高さの再現
性の結果を示す図である。
【図6】図1に示す実施例の装置を用い、反応温度を5
〜15℃の範囲で変えてカテコールアミンの相対強度を
測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
26 オートサンプラ 28 冷却機能付サンプルステージ 31 誘導体化試薬容器 32 反応助剤容器 34 反応容器 36 注入ポート 38 分注ノズル 47 試料導入弁 48 プレカラム 52 カラム切換弁 53 分離カラム 54 光度計 201 カラム恒温ユニット 202 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−265158(JP,A) 特開 平3−131753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 30/06 G01N 30/54 G01N 30/88

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレカラム誘導体化試薬と試料中のカテコ
    ールアミンとを反応させ、生成したカテコールアミン誘
    導体化物を液体クロマトグラフィにて単一成分に分離し
    て定量するカテコールアミン分析方法において、 前記誘導体化試薬としてジフェニルエチレンジンアミン
    を用い、カテコールアミンと誘導体化試薬の反応助剤と
    して酸化剤、重金属の酸化物イオンを用い、反応させる
    時の緩衝液として過塩素酸とイミダゾールからなるもの
    を使用することを特徴とするカテコールアミン分析方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカテコールアミン分析方法
    において、前記緩衝液により前記試料と誘導体試薬と反
    応助剤との混合液のpHを5〜8に調整することを特徴
    とするカテコールアミン分析方法。
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