JP3328140B2 - 部分超薄肉成形品の射出成形方法 - Google Patents

部分超薄肉成形品の射出成形方法

Info

Publication number
JP3328140B2
JP3328140B2 JP18956896A JP18956896A JP3328140B2 JP 3328140 B2 JP3328140 B2 JP 3328140B2 JP 18956896 A JP18956896 A JP 18956896A JP 18956896 A JP18956896 A JP 18956896A JP 3328140 B2 JP3328140 B2 JP 3328140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultra
compression
injection
thin
thin portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18956896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1034717A (ja
Inventor
吉哉 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Machinery and Metal Co Ltd
Original Assignee
Toyo Machinery and Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Machinery and Metal Co Ltd filed Critical Toyo Machinery and Metal Co Ltd
Priority to JP18956896A priority Critical patent/JP3328140B2/ja
Publication of JPH1034717A publication Critical patent/JPH1034717A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3328140B2 publication Critical patent/JP3328140B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/56Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding
    • B29C45/5675Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using mould parts movable during or after injection, e.g. injection-compression moulding for making orifices in or through the moulded article

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部分超薄肉成形品
の射出成形方法に係り、特に、成形品の一部を0.15
mm未満の超薄肉部とした部分超薄肉成形品の射出成形
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金型の成形空間(キャビティ)内に射出
・充填される溶融樹脂は、溶融樹脂の流路の断面積が小
さくなるにしたがって流れにくくなり、樹脂種別等によ
って異なるが、通常は厚みが0.数mm程度となると、
この薄肉の各部に完全に溶融樹脂が行き渡らなくなる。
【0003】そこで、成形品の一部を0.数mm程度の
薄肉とするために、金型の成形空間(キャビティ)内に
溶融樹脂を射出・充填した後、樹脂が固化する前に、成
形空間内の樹脂の所定部位を例えば圧縮中子によって圧
縮して、部分的に薄肉部を得るようにした部分圧縮成形
法が知られている。しかしながら、このような部分圧縮
成形法によっても、達成できる薄肉部の厚みは、約0.
16mmが限界であった。
【0004】ところで、近時は電子機器の小型化,高機
能化が進み、成形品の一部を0.15mm未満の超薄肉
部とした部分超薄肉成形品への要求がある。このような
部分超薄肉成形品としては、例えば切手サイズメモリー
カードと称される小型メモリーカードのカード基体が挙
げられる。
【0005】図8は、上記した小型メモリーカード(切
手サイズメモリーカード)用のカード基体の1例を示す
斜視図である。同図において、50は薄板状のカード基
体で、そのサイズは、縦横が45×37mmで、厚みS
1(主体部の厚みS1)がS1=0.8mmとなってい
る。このカード基体50の長手方向の一方寄りの中間部
には、その厚みS3がS3=0.13mmとされた超薄
肉部51(縦横寸法は22×14mm)が設けられてお
り、また、超薄肉部51の周囲には、その厚みS2がS
2=0.4mmとされた薄肉部52が設けられている。
上記超薄肉部51上にはフラッシュメモリ等が搭載され
るようになっており、小型メモリーカードとして完成さ
れた状態において、その全体厚みが0.8mmとなるよ
うにされている。
【0006】上記したような厚みS3=0.13mmの
超薄肉部51をもつカード基体50を、部分圧縮を行わ
ない通常の射出成形で製作するのは困難である。図9の
(a)は、図8に示したカード基体50の形状と同一形
状の金型成形空間(キャビティ)61Aを示しており、
この金型成形空間61Aにゲート62から溶融樹脂を射
出・充填した場合、図9の(b)に示したように、溶融
樹脂63(図中ドットを付して示す)が、超薄肉部形成
予定領域(厚み0.13mmの空間)64には全く行き
渡らない。勿論、通常の射出成形の射出条件を超えた極
めて高速且つ高圧の条件で、超薄肉部形成予定領域64
に溶融樹脂63を無理矢理入り込ませることは可能では
あるが、こうすると成形品の内部歪等が大きくなって良
品の達成が困難である上、射出メカニズムが極めて大型
化せざるを得ない。
【0007】そこで、部分圧縮法を用いて、厚みS3=
0.13mmの超薄肉部51をもつカード基体50を製
作することが考えられる。図10および図11は、従来
の部分圧縮手法によるカード基体50の成形方法を示す
図である。
【0008】すなわち、図10の(a)に示すように、
溶融樹脂の射出・充填前には、成形空間の最小の厚みが
前記S2=0.4mmであるような金型成形空間(キャ
ビティ)61Bに設定する。この状態で、金型成形空間
61B内にゲート62から溶融樹脂63を射出・充填す
る。この場合、図10の(b)に示すように、金型成形
空間61B内の厚みが薄い空間には、この厚みの薄い空
間の広さの如何等によるが、未だ溶融樹脂63が完全に
行き渡らないことが多い。そこでこのような場合には、
通常の射出成形の射出条件よりも高速且つ高圧の条件下
で、やや無理矢理に金型成形空間61B内の総べてに溶
融樹脂63を押し込むようにする。
【0009】次に、金型成形空間61B内の樹脂63が
固化する前に、図11に示すように、圧縮中子65を前
進駆動して樹脂63の所定部位を圧縮して、これにより
前記した超薄肉部に見合った部位を形成するように試み
る。斯様な手法が、従来の部分圧縮手法によるカード基
体50の成形方法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術による部分圧縮手法を用いた成形方法では、
前記圧縮中子65による圧縮・押し込みによっては、超
薄肉部の厚みとして前記したS3=0.13mmを達成
することが困難で、どうしてもS3=0.13mmを超
えた値(例えば、0.16mm程度の値)となってしま
う。これは、前記金型成形空間61B内に樹脂63を完
全に射出・充填し終わった後に、圧縮中子65によって
圧縮を行うので、換言するなら、充填された樹脂の外周
側に直ちに生じるスキン層と称される外郭固化膜がかな
り成長した時点で、圧縮中子65によって圧縮を行うの
で、スキン層の抵抗によって目標とする厚みまで圧縮す
ることが困難となるからである。
【0011】また、前記金型成形空間61B内に射出さ
れた溶融樹脂63は、流路抵抗の少ない部分(前記S1
=0.8mmの空間)へ先に充填され(回り込み)、流
路抵抗の大きい部分(前記S2=0.4mmの空間)へ
は最後に充填されるため、図12に示すように、前記圧
縮中子65によって圧縮を行った超薄肉部51’に、ど
うしてもウェルドライン66が生じることになる。とこ
ろが、ただでさえ非常に薄くて最も機械的強度の小さな
超薄肉部51’にウェルドライン66が存在すると、衝
撃等によってウェルドライン66から簡単に割れが発生
するという、致命的な問題も生じる。
【0012】したがって、本発明の解決すべき技術的課
題は上記した従来技術のもつ問題点を解消することにあ
り、その目的とするところは、成形品の一部を0.15
mm未満の超薄肉部とした(例えば、厚みが0.13m
m程度の超薄肉部とした)部分超薄肉成形品を、容易・
確実に成形可能とすることにある。また、本発明の目的
とするところは、超薄肉部にウェルドラインが発生する
ことのない、部分超薄肉成形品を成形可能とすることに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、その主体部の厚みがS1の成形品の一
部を、厚みS3がS3=0.15mm未満の超薄肉部と
し、該超薄肉部の周囲を、厚みS2がS2=0.2mm
以上で且つS2<S1の薄肉部とした、部分超薄肉成形
品の射出成形方法において、 全体厚みを上記S1で均一
とした金型成形空間内に溶融樹脂を射出・充填し、上記
金型成形空間内に溶融樹脂が充填完了する手前の時点
で、第1の部分圧縮機構を駆動して上記金型成形空間内
のスキン層が未成長状態の溶融樹脂の所定部位を圧縮し
て、これにより上記超薄肉部を形成し、次に、上記金型
成形空間内に溶融樹脂が充填完了した後、第2の部分圧
縮機構を駆動して上記超薄肉部の周囲の未固化の樹脂を
圧縮して、これにより上記薄肉部を形成する、ようにさ
れる。
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて詳細に説明する。図1〜図3は、本発明の1
実施形態による部分超薄肉成形品の射出成形方法の模式
的な動作説明図であり、各図の(a)は金型メカニズム
の要部断面を示し、各図の(b)は、各図の(a)に対
応する金型成形空間内の樹脂平面を示している。
【0016】本実施形態は、図8に示し前記した小型メ
モリーカード(切手サイズメモリーカード)用のカード
基体50を成形するための適用例であり、このカード基
体50についての説明は、重複を避けるため割愛する。
【0017】図1〜図3において、1は固定側金型、2
は可動側金型、PLは離型面、3は型締め状態にある両
金型1,2で形成される金型成形空間(キャビティ)、
4はゲート、5は可動側金型2に設けられた断面矩形の
第1の圧縮中子、6は可動側金型2に設けられた断面矩
形筒状の第2の圧縮中子、7は溶融樹脂(樹脂)であ
る。なお、第1の圧縮中子5と第2の圧縮中子6は、2
重構造をなしている。
【0018】型締め後の射出前には、金型メカニズムは
図1の(a)に示した状態にあり、第1,第2の圧縮中
子5,6は後退位置にあって、金型成形空間3は全体を
前記厚みS1=0.8mmで均一なものに設定してあ
る。
【0019】そして、射出開始タイミングに至ると、溶
融樹脂7がゲート4から金型成形空間3内に射出され、
溶融樹脂7は金型成形空間3内に充填され始める。この
とき、金型成形空間3は比較的厚みのある均一厚みの空
間に設定されているので、流路抵抗が少なく、溶融樹脂
7は円滑且つ速やかに金型成形空間3内に充填され、し
かも、金型成形空間3に対して単一のゲート4を適正位
置に設けることによって、金型成形空間3内で溶融樹脂
7の合流点が生じる(すなわち、ウェルドラインが生じ
る)ことがないように配慮されている。
【0020】金型成形空間3内への溶融樹脂7の射出・
充填が進行し、前記した超薄肉部51を形成するための
超薄肉部形成予定領域に溶融樹脂7が完全に行き渡り、
且つ、金型成形空間3内への溶融樹脂7の射出・充填が
完了する手前の所定タイミングに至ると、図2の(a)
に示すように、第1の圧縮中子5が所定量だけ前進駆動
される。これにより、上記超薄肉部形成予定領域のスキ
ン層が未成長状態の溶融樹脂7が第1の圧縮中子5によ
って圧縮され、前記した厚みS3=0.13mmの前記
超薄肉部51が形成される。このように厚みS3=0.
13mmの超薄肉寸法まで部分圧縮可能な所以は、上記
したように、スキン層が未成長状態の溶融樹脂7を圧縮
するので樹脂からの抵抗が比較的に少ないためであり、
これにより従前では達成できなかった厚みS3=0.1
3mmまでの部分圧縮が可能となり、且つ、良好な超薄
肉部51の厚み寸法精度が確保できる。さらにまた、超
薄肉部51にウェルドラインが生じることがないので、
超薄肉部51に割れが生じる虞もなくなる。
【0021】上記した第1の圧縮中子5による部分圧縮
と共に、射出・充填の終期行程が進行して、金型成形空
間3内の隅々まで溶融樹脂7が完全に行き渡って、これ
により射出・充填が完了する。この直後に、第2の圧縮
中子6が所定量だけ前進駆動され、これにより、先に形
成した超薄肉部51の周囲の未固化の樹脂7が第2の圧
縮中子6によって圧縮され、前記した厚みS2=0.4
mmの前記薄肉部52が形成される。この第2の圧縮中
子6による部分圧縮は、従前でも容易に達成可能であっ
た厚みS2=0.4mmまで圧縮するだけなので、射出
・充填が完了した後であっても簡単・容易に達成され
る。なお、本実施形態では、S2を0.4mmとしてい
るが、S2の値は従来の部分圧縮でも確実に達成可能な
0.2mm程度の値とすることは、勿論可能である。
【0022】次に、本実施形態の部分超薄肉成形品の射
出成形方法に用いる金型メカニズムを、図4〜図6を用
いて説明する。図4〜図6は、部分超薄肉成形品を成形
するための射出成形機の金型メカニズムの構成を示す図
であり、図4は前記図1の状態に、図5は前記図2の状
態に、図6は前記図3の状態にそれぞれ対応する。
【0023】図4〜図6において、11は固定ダイプレ
ート、12は固定ダイプレート11に取り付けられた固
定側金型(前記固定側金型1に相当)、13は可動ダイ
プレート、14は可動ダイプレート13に取り付けられ
た可動側金型(前記可動側金型2に相当)、15は可動
側金型14に対して所定量前後進可能な第1の圧縮中子
(前記第1の圧縮中子5に相当)、16は可動側金型1
4に対して所定量前後進可能な第2の圧縮中子(前記第
2の圧縮中子6に相当)である。
【0024】上記可動ダイプレート13は、図示せぬ型
開閉駆動源と型開閉駆動メカニズムとによって、固定ダ
イプレート11に対して前後進可能なように構成されて
いる。この可動ダイプレート13には圧縮用サーボモー
タ(圧縮用電動サーボモータ)17が搭載されており、
該モータ17の回転は図示せぬタイミングベルトを介し
てプーリ18に伝達されるようになっている。19は軸
受を介して可動ダイプレート13に回転可能に保持され
た回転保持体で、該回転保持体19にプーリ18および
ナット体20が一体に結合されている。21はナット体
20に螺合されたボールネジ軸で、ナット体20によっ
て前後進駆動される。
【0025】22は可動ダイプレート13に搭載された
トグルリンク機構で、そのリンクの一端22aは可動ダ
イプレート13上に軸支され、そのリンクの他端22b
は圧縮プレート23に軸支されている。また、トグルリ
ンク機構22のクロスヘッド22cには、ボールネジ軸
21の一端が一体に結合されており、ボールネジ軸21
の前後進によってトグルリンク機構22が駆動され、こ
れによって圧縮プレート23が前後進駆動される。
【0026】24は、その一端を圧縮プレート23に一
体に結合された第1の圧縮バーで、該第1の圧縮バー2
4の他端側は、可動側金型14内を前後進可能であるよ
うに挿通されて、第1の圧縮中子15を前進駆動可能で
あるようになっている。25は、その一端をクロスヘッ
ド22cに一体に結合された第2の圧縮バーで、該第2
の圧縮バー25の他端側は、可動側金型14内を前後進
可能であるように挿通されて、第2の圧縮中子16を前
進駆動可能であるようになっている。つまり、第1の圧
縮バー24はトグルリンク機構22の出力側に連結され
て、トグル機構の拡大率に応じた力を第1の圧縮中子1
5に印加し、第2の圧縮バー25はトグルリンク機構2
2の入力側に連結されて、トグルリンク機構22の入力
側と同等の力を第2の圧縮中子16に印加するようにな
っている。
【0027】続いて、上記した構成の金型メカニズムに
よる動作を説明する。型締め後の射出前には、金型メカ
ニズムは図4に示した状態にあり、このとき金型成形空
間(キャビティ)は、全体厚みを前記厚みS1=0.8
mmで均一なものに設定してあり、第1,第2の圧縮中
子15,16は後退位置にある。なお図示していない
が、第1,第2の圧縮中子15,16はバネ力により図
示右行方向の偏倚習性を付与されていて、第1,第2の
圧縮中子15,16の先端面は離型面PLと面一な状態
にある。
【0028】上記の状態で、成形サイクル中の射出開始
タイミングに至ると、電動サーボモータを射出駆動源と
する図示せぬ射出メカニズムによって、溶融樹脂が金型
内に射出・充填を開始され、これにより、図示せぬゲー
トから金型成形空間内に溶融樹脂が充填され始める。上
記の射出駆動源たる電動サーボモータは、射出・充填行
程の実測速度値が設定速度値に倣うようにフィードバッ
ク制御でコントロールされ、これにより、射出メカニズ
ムの図示せぬスクリューの前進速度(換言するなら、射
出樹脂速度)が精緻にコントロールされる。
【0029】上記した速度フィードバック制御に基づく
射出・充填行程が進行し、前記した超薄肉部51を形成
するための超薄肉部形成予定領域に溶融樹脂が完全に行
き渡り、且つ、金型成形空間内への溶融樹脂の射出・充
填が完了する手前の所定タイミングに至ったことが、射
出制御系からの実測ストローク情報(実測回転量情報)
によって圧縮制御系が認知すると、圧縮制御系は、圧縮
用サーボモータ17を例えば速度フィードバック制御に
より回転駆動して、プーリ18,ナット体20,ボール
ネジ軸21を介してクロスヘッド22cを前進させ、こ
れにより、トグルリンク機構22を突っ張る方向に駆動
させる。なお、圧縮用サーボモータ17によるトグルリ
ンク機構22の駆動は、応答性のよいものとすることが
できるが、メカ遅れが許容できない範囲にある場合に
は、圧縮用サーボモータ17を起動させるタイミング
を、上記メカ遅れ時間だけ早めるようにすればよい。
【0030】図5に示すように、圧縮用サーボモータ1
7によってトグルリンク機構22が突っ張る方向に駆動
されると、圧縮プレート23を介して第1の圧縮バー2
4が前進駆動されて、第1の圧縮中子15が前進駆動さ
れ、これにより、超薄肉部形成予定領域のスキン層が未
成長状態の溶融樹脂が第1の圧縮中子15によって圧縮
され、前記した厚みS3=0.13mmの前記超薄肉部
51が形成される。本実施形態では、この第1の圧縮バ
ー24よる第1の圧縮中子15の押し込み動作は、トグ
ルリンク機構22が完全に突っ張る点(すなわち、デッ
ドポイント)で完了するようになっており、これにより
大きな圧縮力を得るようしてある。つまり、クロスヘッ
ド22cの前進ストロークに比して第1の圧縮バー24
の前進ストロークは格段に少ないが、トグルリンクの力
の拡大率によって最も大きな力が得られるタイミングの
力で、第1の圧縮中子15による部分圧縮を行わせるよ
うにしてある。
【0031】斯様にすることにより、スキン層が未成長
状態の溶融樹脂を圧縮することと、トグルリンク機構2
2によって拡大した大きな圧縮力を付与することとが相
俟って、従来では達成できなかった厚みS3=0.13
mmの前記超薄肉部51を、確実・容易に形成すること
ができ、しかも、圧縮メカニズムの駆動源にパワーのあ
る大型で高価な駆動源を用いる必要もなくなる。
【0032】上述した第1の圧縮中子15による部分圧
縮と共に、射出・充填の終期行程が進行しており、第1
の圧縮中子15による部分圧縮がほぼ完了したタイミン
グで、金型成形空間内の隅々まで溶融樹脂7が完全に行
き渡って、射出・充填が完了する。この状態が図5に示
されており、これ以後も、圧縮用サーボモータ17によ
ってクロスヘッド22cは所定量だけ前進駆動される。
図5の状態からクロスヘッド22cが前進駆動される
と、図6に示すように、クロスヘッド22cに直結され
た第2の圧縮バー25によって、第2の圧縮中子16が
所定量だけ前進駆動され、これにより、先に形成した超
薄肉部51の周囲の未固化の樹脂が第2の圧縮中子16
によって圧縮され、前記した厚みS2=0.4mmの前
記薄肉部52が形成される。
【0033】上記の第2の圧縮中子16による部分圧縮
は、従前でも容易に達成可能であった厚みS2=0.4
mmまでに圧縮するだけなので、クロスヘッド22cと
直結された第2の圧縮バー25を介した第2の圧縮中子
16による押し込み力でも、すなわち、トグルリンク機
構22による拡大された力を用いなくても、確実・容易
に、厚みS2=0.4mmまでの部分圧縮が達成でき
る。なお、第2の圧縮中子16による部分圧縮動作中に
も、クロスヘッド22cの前進によってトグルリンク機
構22は動作して、このデッドポイント以後の動作によ
り第1の圧縮バー24をごく僅かに後退させることにな
るが、この後退量は、クロスヘッド22cが0.数mm
程度前進するストロークに比して、数桁小さい値である
ので、何等差し支えない。
【0034】なお、上述した説明では、第2の圧縮中子
16による部分圧縮動作は、トグルリンク機構22にデ
ッドポイント以後の動作をさせるクロスヘッド22cの
前進力を用いたが、第2の圧縮中子16による部分圧縮
動作は、トグルリンク機構22にデッドポイント手前の
動作をさせるクロスヘッド22cの前進力を用いてもよ
い。こうすると、第2の圧縮中子16による部分圧縮動
作中にも、トグルリンク機構22のデッドポイント近傍
の動作によって、第1の圧縮バー24はごく僅かに前進
することになるが、先にも述べたように、デッドポイン
ト近傍では、クロスヘッド22cが0.数mm程度前進
するストロークに比して、第1の圧縮バー24の前進量
は数桁小さい値であるので、前記超薄肉部51の厚み寸
法精度を損なうことはなく、何等問題はない。
【0035】図7は、本実施形態の射出および圧縮制御
系の簡略化した説明図である。同図において、17は前
記圧縮用サーボモータ、31は圧縮用サーボモータ17
の回転数を検出するためのパルスジェネレータ、32は
圧縮用サーボモータ17をフィードバック制御で駆動す
るモータ制御回路、33は射出用サーボモータ(射出用
電動サーボモータ)、34は射出用サーボモータ33の
回転数を検出するためのパルスジェネレータ、35は射
出用サーボモータ33をフィードバック制御で駆動する
モータ制御回路である。
【0036】モータ制御回路35には、予め設定された
射出・充填行程の速度設定値と、パルスジェネレータ3
4からの計測情報とが入力され、この計測情報を適宜に
演算処理して得られた実測速度値が、上記設定速度値に
倣うように、モータ制御回路35は射出用サーボモータ
33を速度フィードバック制御で駆動する。これによ
り、射出メカニズムの図示せぬスクリューの前進速度
(換言するなら、射出樹脂速度)と位置が精緻にコント
ロールされる。
【0037】また、パルスジェネレータ34からの上記
計測情報は、モータ制御回路32にも入力され、これに
よって、モータ制御回路32は射出メカニズムの図示せ
ぬスクリューの前進位置を認知して、スクリューの前進
位置(すなわち、金型成形空間17への溶融樹脂の充填
度合)が予め設定された圧縮開始タイミングに至ったか
否かを判定し、圧縮開始タイミングに至ると、圧縮用サ
ーボモータ17の駆動を開始する。モータ制御回路32
には、予め設定された圧縮行程の速度設定値と、パルス
ジェネレータ31から計測情報とが入力され、この計測
情報を適宜に演算処理して得られた実測速度値が、上記
設定速度値に倣うように、モータ制御回路32は圧縮用
サーボモータ17を速度フィードバック制御で駆動す
る。これにより、前記クロスヘッド22cの前進速度と
位置が精緻にコントロールされる。
【0038】このように、本実施形態では、射出用サー
ボモータ33によってフィードバック制御で射出行程を
実行し、この精緻にコントロールされる射出行程におけ
る射出ストローク情報を参照して、圧縮用サーボモータ
17による部分圧縮行程を開始させるようにしているの
で、先に述べたように、スキン層が未成長状態の溶融樹
脂を圧縮するタイミングを逸することなく、前記した超
薄肉部51を確実に形成することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、成形品の
一部を0.15mm未満の超薄肉部とした(例えば、厚
みが0.13mm程度の超薄肉部とした)部分超薄肉成
形品を、容易・確実に成形でき、しかも、超薄肉部にウ
ェルドラインが発生することのない、部分超薄肉成形品
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態による部分超薄肉成形品の
射出成形方法の模式的な動作説明図である。
【図2】本発明の1実施形態による部分超薄肉成形品の
射出成形方法の模式的な動作説明図である。
【図3】本発明の1実施形態による部分超薄肉成形品の
射出成形方法の模式的な動作説明図である。
【図4】本発明の1実施形態に係る部分超薄肉成形品の
射出成形方法に用いる、射出成形機の金型メカニズムの
構成を示す説明図である。
【図5】本発明の1実施形態に係る部分超薄肉成形品の
射出成形方法に用いる、射出成形機の金型メカニズムの
構成を示す説明図である。
【図6】本発明の1実施形態に係る部分超薄肉成形品の
射出成形方法に用いる、射出成形機の金型メカニズムの
構成を示す説明図である。
【図7】本発明の1実施形態に係る部分超薄肉成形品の
射出成形方法に用いる、射出成形機の射出および圧縮制
御系の簡略化した説明図である。
【図8】小型メモリーカード(切手サイズメモリーカー
ド)用のカード基体の1例を示す斜視図である。
【図9】図9のカード基体を、通常の射出成形で製作す
る場合の説明図である。
【図10】図9のカード基体を、従来の部分圧縮法を用
いる射出成形で製作する場合の説明図である。
【図11】図9のカード基体を、従来の部分圧縮法を用
いる射出成形で製作する場合の説明図である。
【図12】従来技術による問題点を説明するためのカー
ド基体の平面図である。
【符号の説明】
1,12 固定側金型 2,14 可動側金型 3 金型成形空間(キャビティ) 4 ゲート 5,15 第1の圧縮中子 6,16 第2の圧縮中子 7 溶融樹脂(樹脂) 11 固定ダイプレート 13 可動ダイプレート 17 圧縮用サーボモータ 18 プーリ 20 ナット体 21 ボールネジ軸 22 トグルリンク機構 22c クロスヘッド 23 圧縮プレート 24 第1の圧縮バー 25 第2の圧縮バー 31,34 パルスジェネレータ 32 圧縮用サーボモータのモータ制御回路 33 射出用サーボモータ 35 射出用サーボモータのモータ制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/56 B29C 45/66 B29C 45/80

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その主体部の厚みがS1の成形品の一部
    を、厚みS3がS3=0.15mm未満の超薄肉部と
    し、該超薄肉部の周囲を、厚みS2がS2=0.2mm
    以上で且つS2<S1の薄肉部とした部分超薄肉成形品
    の射出成形方法であって、 全体厚みを上記S1で均一とした金型成形空間内に溶融
    樹脂を射出・充填し、上記金型成形空間内に溶融樹脂が
    充填完了する手前の時点で、第1の部分圧縮機構を駆動
    して上記金型成形空間内のスキン層が未成長状態の溶融
    樹脂の所定部位を圧縮して、これにより上記超薄肉部を
    形成し、次に、上記金型成形空間内に溶融樹脂が充填完
    了した後、第2の部分圧縮機構を駆動して上記超薄肉部
    の周囲の未固化の樹脂を圧縮して、これにより上記薄肉
    部を形成するようにしたことを特徴とする部分超薄肉成
    形品の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、 射出駆動源を電動サーボモータとしてフィードバック制
    御で射出行程を実行し、また、前記第1,第2の部分圧
    縮機構の駆動源も電動サーボモータとして、スクリュー
    の前進位置が予め設定された圧縮開始タイミングに相当
    する位置に至ったことを認知して、部分圧縮行程を開始
    させるようにしたことを特徴とする部分超薄肉成形品の
    射出成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載において、 前記第1,第2の部分圧縮機構は共通の電動サーボモー
    タとトグルリンク機構を含み、該トグルリンク機構で拡
    大された圧縮力によって少なくとも前記超薄肉部を形成
    するようにしたことを特徴とする部分超薄肉成形品の射
    出成形方法。
JP18956896A 1996-07-18 1996-07-18 部分超薄肉成形品の射出成形方法 Expired - Fee Related JP3328140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18956896A JP3328140B2 (ja) 1996-07-18 1996-07-18 部分超薄肉成形品の射出成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18956896A JP3328140B2 (ja) 1996-07-18 1996-07-18 部分超薄肉成形品の射出成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1034717A JPH1034717A (ja) 1998-02-10
JP3328140B2 true JP3328140B2 (ja) 2002-09-24

Family

ID=16243519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18956896A Expired - Fee Related JP3328140B2 (ja) 1996-07-18 1996-07-18 部分超薄肉成形品の射出成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3328140B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004051744A1 (de) * 2004-10-23 2006-04-27 Otto Männer Innovation GmbH Vorrichtung zum Herstellen eines rohrförmigen Körpers
JP4814564B2 (ja) * 2005-07-12 2011-11-16 凸版印刷株式会社 液体容器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1034717A (ja) 1998-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07100886A (ja) 薄肉成形方法
JP4671294B2 (ja) 射出成形機の射出圧縮成形方法
JP3481820B2 (ja) 射出成形機等の複合型締装置
TWI238770B (en) Method for injection-compression molding and a clamp pressure control method for same
JP3328140B2 (ja) 部分超薄肉成形品の射出成形方法
JP3372766B2 (ja) 射出成形機
JPS6021225A (ja) 射出圧縮成形方法
JP4771812B2 (ja) 射出成形体の成形方法、並びに射出成形装置
JP3299140B2 (ja) 射出成形機等の複合型締装置
JP2808247B2 (ja) 成形条件を異にする複数成形品の同時射出成形方法及び成形機
JP3239097B2 (ja) トグル式射出成形機の型締力調整方法およびその装置
JP3258196B2 (ja) 射出成形機の制御装置
JP3403453B2 (ja) トグル式型締め機構をもつ射出成形機における射出圧縮成形方法
JP3366180B2 (ja) 射出圧縮成形用の射出成形機
JP2642993B2 (ja) プラスチック成形品の成形方法
JP3123041B2 (ja) 射出成形方法
JP3163311B2 (ja) 射出成形機
JP3355114B2 (ja) トグル式射出成形機の射出圧縮成形方法
JP3713356B2 (ja) 射出成形機の制御方法
JP4136303B2 (ja) 射出成形方法及び射出成形装置
JP3282433B2 (ja) トグル機構を有する射出圧縮成形方法および装置
JP2661656B2 (ja) 射出成形方法
JP2002361700A (ja) 射出成形機の型締装置および該装置の制御方法
JP2566492B2 (ja) 射出圧縮成形方法
JPH04312825A (ja) 射出成形機の制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090712

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100712

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100712

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110712

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120712

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130712

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees