JP3327424B2 - 樹脂及び粉末成形用硬質合金金型 - Google Patents

樹脂及び粉末成形用硬質合金金型

Info

Publication number
JP3327424B2
JP3327424B2 JP31410293A JP31410293A JP3327424B2 JP 3327424 B2 JP3327424 B2 JP 3327424B2 JP 31410293 A JP31410293 A JP 31410293A JP 31410293 A JP31410293 A JP 31410293A JP 3327424 B2 JP3327424 B2 JP 3327424B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
mold
hard alloy
powder molding
alloy mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31410293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07145471A (ja
Inventor
順彦 島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Moldino Tool Engineering Ltd
Original Assignee
Hitachi Tool Engineering Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Tool Engineering Ltd filed Critical Hitachi Tool Engineering Ltd
Priority to JP31410293A priority Critical patent/JP3327424B2/ja
Publication of JPH07145471A publication Critical patent/JPH07145471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3327424B2 publication Critical patent/JP3327424B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂及び粉末をプレス
成形、射出成形する場合等に用いられる硬質合金金型に
関する。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金における原料粉末のプレス成形
には古くから超硬合金が用いられている。最近はプレス
成形におけるニアネットシェイプ化に伴い、パンチ形状
も多様化し、パンチ面が受ける圧力も均一ではなく、局
所的に高圧になったりする場合が増えてきている。ま
た、成形助剤として用いられるワックス、樹脂も目的に
応じ、その種類が増えてきている。そこで最近では、特
にパンチ面のプレス圧が高圧な部分に局所的に粉末や樹
脂が付着する現象が発生し、製品精度の劣化、作業効率
の劣化を招いている。
【0003】また、ICに使用されている樹脂をプレス
成形、射出成形する場合においても上述した付着現象が
発生する。この場合、樹脂自体が金型に対する腐蝕性成
分を含有するため、金型の腐蝕が付着現象の発生を助長
する一因となる。この様な問題を解決する手段とし、一
時、金型のセラミック化が試みられた。しかし、セラミ
ックは金型の付着、腐蝕に対しては、効果が認められる
ものの金型の強度不足をもたらし金型の破損、チッピン
グ等の問題で一部しか普及していないのが現状である。
【0004】また、最近では金型にPVDやCVDコー
ティングを施すことにより、硬質皮膜を金型表面に成膜
する技術が開発されている。しかしこの場合は、Ti系
の炭化物、炭窒化物、窒化物が主流であり、硬度も十分
ではなく繰り返し使用時における摩耗発生による寿命が
短い。また、皮膜の凹凸、または皮膜内の欠陥により付
着に対し、満足にいく効果も得られていないのが現状で
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は機械的
強度に問題を有しない硬質合金金型において、粉末、樹
脂の付着を防止するとともに腐蝕に対し耐蝕性を向上
し、金型の長寿命化を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上述
の様な付着現象の原因を突き止めるべく種々検討した結
果、硬質合金中の金属相部分が初期に優先的に摩耗する
ことに伴う金型表面の凹凸の発生が、付着を誘発するも
のであることを確認した。例えば、炭化タングステンと
Coよりなる超硬合金においては、Co金属相の初期の
摩耗による凹凸の発生が付着を誘発する。
【0007】そこで、金属表面のCo相を除去する手法
を検討した結果、硼化処理により金属Co相を除去でき
るという知見を得た。つまり、金属Co層が、硼化処理
により硼化Co相に変わり、また1部は(WCo)B相
に変わり、金属表面は炭化タングステンと硼化Coもし
くは(WCo)B相より構成され、実質上金型表面に金
属Co相がなくなるわけである。これら硼化Co相は、
ビッカース硬さ1000以上の数値を有しており、金属
Co相のビッカース硬さ約300に対し格段に硬く、金
属表面の局所的優先摩耗に基づく凹凸の発生に対し著し
い効果を発揮するわけである。
【0008】一方、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライ
クカーボン膜等はビッカース硬さ5000以上の高硬度
膜であり、このような金型の表面を被覆するには理想的
な膜である。本発明者は、ダイヤモンド膜、ダイヤモン
ドライクカーボン膜を金型へ応用する研究を重ねてきた
が、密着性に難点があり所望の特性を得られなかった。
その原因を検討した結果、金属Coの存在がダイヤモン
ド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜の密着性を劣化さ
せることが明らかとなった。そこで、上述の硼化処理を
適用し金属Coを硼化Coに変えた金型上にダイヤモン
ド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した結果、
著しく密着性が改善される結果を得るに至った。
【0009】
【作用】次に数値限定した理由について述べる。付着に
対しては金属相のミーンフリーパス(平均厚み)が薄い
方が好ましい。そのため、炭化タングステン粒子の平均
粒径が1μm以下であるとより長寿命化が達成される。
Cr、Moはその含有量が0.01%未満では腐蝕に対
し効果が認められず、また5%を越えて含有すると硬質
合金の靱性を劣化するため0.01%以上5%以下とし
た。
【0010】この発明は、上記の研究結果に基づいて成
されたものであり、硬質合金表面を硼化処理し金属成分
を除去すること及び、この上にダイヤモンドあるいはダ
イヤモンドライクカーボン膜を被覆し密着性を改善せし
めた樹脂及び粉末成形用硬質合金金型に特徴と有するも
のである。
【0011】
【実施例】以下にこの発明の硬質金型について具体的に
説明する。硬質金型として85%WC−15%Co合金
を2種類の粒度で試作し、またCoの1部をNi、C
r、Moで置換した合金も試作した。これらの合金にお
いてφ10mmのプレスパンチを試作した。このパンチ
をB4Cを主成分とする粉末の中で900℃1hr硼化
処理を行い本発明パンチとした。組成及び皮膜等に付い
て表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】ついで、本発明パンチと無硼化処理パンチ
に、イオンプレーティング法によりダイヤモンドライク
カーボン膜1.0μm、マイクロ波プラズマCVD法に
よりダイヤ膜を4μm成膜した。これらのパンチを用い
以下のテスト1、テスト2を行い付着性の評価を行った
結果を表2に示す。 テスト1 粉末 超硬合金粉末(2wt%パラフ
ィンワックス添加) プレス圧力 2.0t/cm2 寿命基準 付着面積が2mm2を越えるショット回数 テスト2 樹脂 IC封入用樹脂 引張テスト 150℃、2.0t/cm2の圧力でパンチ
面と樹脂を圧着、その後接着面の引張り強度を引張りテ
ストにて測定
【0014】
【表2】
【0015】先の実施例と同様の粉末を用いてTiC、
TaC等を含有する硬質合金からなるパンチを試作し、
実施例1と同様の評価をした結果を表3・表4に併記す
る。
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
【発明の効果】表1、表2に示される結果から本発明合
金は、粉末成型時における粉末の付着現象に対し明らか
に効果が認められるとともに、ダイヤモンド及びダイヤ
モンドライクカーボン膜と基体の密着性をも改良し、膜
の剥離も発生せず、長寿命化されることが明らかであ
る。これにより、金型の長寿命化が達成されるだけでな
く、付着物を除去するための作業効率の低下を防止する
ことができるものである。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂及び粉末成形用の硬質合金金型にお
    いて、該硬質合金は超硬合金からなり、且つ、該超硬合
    金金型の表面のWC相、結合金属相の一部を(WCo)
    B相、硼化Co相としたことを特徴とする樹脂及び粉末
    成形用の硬質合金金型。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の樹脂及び粉末成形用の硬
    質合金金型において、該硬質合金がWCとCoの結合金
    属及び不可避不純物からなることを特徴とする樹脂及び
    粉末成形用の硬質合金金型。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の樹脂及び粉末成形用の硬
    質合金金型において、該Coの一部をFe、Niの1種
    もしくは2種に置換したことを特徴とする樹脂及び粉末
    成形用の硬質合金金型。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3記載の樹脂及び粉末成形
    用の硬質合金金型において、該WCの平均粒径が1μm
    以下であることを特徴とする樹脂及び粉末成形用の硬質
    合金金型。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の樹脂及び粉末成形
    用の硬質合金金型において、該Co又はFe、Niの1
    種もしくは2種の金属の一部にCr及び/又はMoを
    0.01重量%以上5重量%以下を含有することを特徴
    とする樹脂及び粉末成形用の硬質合金金型。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載の樹脂及び粉末成形
    用の硬質合金金型において、該金型の上に、硬質炭素膜
    もしくはダイヤモンドライクカーボン膜もしくはダイヤ
    モンド膜を被覆したことを特徴とする樹脂及び粉末成形
    用の硬質合金金型。
JP31410293A 1993-11-19 1993-11-19 樹脂及び粉末成形用硬質合金金型 Expired - Fee Related JP3327424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31410293A JP3327424B2 (ja) 1993-11-19 1993-11-19 樹脂及び粉末成形用硬質合金金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31410293A JP3327424B2 (ja) 1993-11-19 1993-11-19 樹脂及び粉末成形用硬質合金金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07145471A JPH07145471A (ja) 1995-06-06
JP3327424B2 true JP3327424B2 (ja) 2002-09-24

Family

ID=18049270

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31410293A Expired - Fee Related JP3327424B2 (ja) 1993-11-19 1993-11-19 樹脂及び粉末成形用硬質合金金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3327424B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8852751B2 (en) * 2009-09-25 2014-10-07 Hamilton Sundstrand Corporation Wear resistant device and process therefor
CN108165930A (zh) * 2018-01-16 2018-06-15 马鞍山市新桥工业设计有限公司 一种金属的表面处理工艺
CN114427058B (zh) * 2022-01-06 2023-11-21 四川神工钨钢刀具有限公司 一种硬质合金及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07145471A (ja) 1995-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4842962B2 (ja) 勾配形成元素としてバナジウムを用いた焼結超硬合金
JP2009061579A (ja) 被覆された超硬合金切削工具インサート
JP2005177981A (ja) 超硬合金工具及びその製造方法
JP4170392B2 (ja) 焼結トレー
JPH04120274A (ja) 被覆超硬合金及びその製造法
JP2007237391A (ja) 被覆サーメット切削工具
JP3327424B2 (ja) 樹脂及び粉末成形用硬質合金金型
JP6267604B2 (ja) 硬質皮膜およびその形成方法、ならびに鋼板熱間成型用金型
JP2003205352A (ja) 溶融金属に対して優れた耐食性、耐摩耗性を有する焼結合金からなる溶融金属用部材、その製造方法、およびそれらを用いた機械構造部材
JPH06218587A (ja) 粉末成形用被覆金型
CN102245801A (zh) 制造对尺寸精度具有高要求的切削工具刀片的方法
JP7029646B2 (ja) 金属材料加工用金型およびその製造方法、ならびに金型
JPH0196084A (ja) 切削工具用表面被覆立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料
JPH0819522B2 (ja) 付着性にすぐれたダイヤモンド被覆焼結合金及びその製造方法
JP3424263B2 (ja) 被覆硬質合金部材
JP3643639B2 (ja) 超硬合金構造体、その製造方法及びそれを用いた切削工具
JPH10237650A (ja) Wc基超硬合金およびその製造方法
KR102167990B1 (ko) 난삭재용 절삭 인써트
JPH05169482A (ja) トランスファーモールド装置用プランジャ
JP5471842B2 (ja) 表面被覆切削工具
KR101816712B1 (ko) 경질피막이 형성된 절삭공구
JP2009034766A (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性と耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具
JPH05230589A (ja) Wc基超硬合金
JPH08216160A (ja) 樹脂成型用金型
JP2001009605A (ja) 被覆工具

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees