JP3327301B2 - 内燃機関の燃料噴射ノズル - Google Patents

内燃機関の燃料噴射ノズル

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JP3327301B2 JP07637993A JP7637993A JP3327301B2 JP 3327301 B2 JP3327301 B2 JP 3327301B2 JP 07637993 A JP07637993 A JP 07637993A JP 7637993 A JP7637993 A JP 7637993A JP 3327301 B2 JP3327301 B2 JP 3327301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,内燃機関の燃料噴射ノ
ズルに関し,特にニードル弁体が着座するときに発生す
る振動等を抑制するダンパ室の構造に関する。
【0002】
【従来技術】内燃機関の燃料噴射ノズルにおいて,ニー
ドル弁体が着座することにより発生する騒音や振動の抑
制と,ニードル弁体の着座に伴う圧力波による二次噴射
の低減のために,ノズルボディとニードル弁体との間に
ダンパ室を形成する方法が提案されている(特開昭59
−190472号公報参照)。これは,ニードル弁体と
ノズルボディとの間にダンパ室を現出させ,このダンパ
室をニードル弁体の運動に伴って拡大・縮小すると共に
他の空隙部と導通・遮断させるように構成したものであ
る。
【0003】即ち,図7に示すように,燃料噴射ノズル
90におけるニードル弁体91の外周面911とノズル
ボディ92との間にはダンパ室93が形成されている。
そして,上記ダンパ室93は,ニードル弁体91が下降
し燃料噴射口94を閉口する位置にあるときは,図8に
示すように,その容積が比較的小さい。
【0004】一方,ニードル弁体91が上昇して燃料噴
射口94を開口するにつれて,ダンパ室93はその容積
を増大させる。そして,ニードル弁体91とノズルボデ
ィ92との間に形成された小空隙である下溝961と上
溝962とが近接し,終には,図9に示すように,両溝
961,962が連通し,ダンパ室93と上部の空隙部
97とが導通する。
【0005】そして,上記燃料噴射ノズル90はこのダ
ンパ室93の作用によってニードル弁体91の着座に伴
う振動や二次噴射などの不具合を抑制しようとするもの
である。なお,図7に示すニードル弁体91の上部に
は,ニードル弁体91を下方に向かって押圧する弾性部
材が収容されている。
【0006】
【解決しようとする課題】しかしながら,ニードル弁体
91とノズルボディ92との間に直接的にダンパ室93
を形成する上記従来の燃料噴射ノズル90には,次のよ
うな問題がある。第1の問題点は,ダンパ室93が所定
の特性を発揮するように寸法精度よくニードル弁体91
やノズルボディ92を加工することが困難であるという
問題である。
【0007】ダンパ室93の特性を決める重要な寸法諸
元の1つは,前記ダンパ室93の上部に形成された下溝
961と上溝962とが離隔状態から合体するまでの連
通ストローク(ダンパ室93が空隙部97と連通するに
至るストローク),即ちニードル弁体91の外周911
とノズルボディ92の内壁との重なり部97の長さS
(図8)の形成とその位置決めとを精度良く行うことで
ある。
【0008】しかしながら上記重なり部97の長さSの
形成とその位置決めとを精度良く行うためには図7に示
すニードル弁体91のテーパ部912及びノズルボディ
92のテーパ部921の上端を基準にした下溝961及
び上溝962の加工を精度良く行う必要がある。しかし
ながら,このようにテーパ部912,921を基準にし
た位置決めとその加工は非常に困難であるという問題が
ある。
【0009】第2の問題点は,ダンパ室93がニードル
弁体91と一体的に形成されるためニードル弁の弁性能
をチェックし確認するのが大変困難であるという問題で
ある。そもそも燃料噴射ノズルは,細密な加工部品であ
り,ニードル弁の弁性能を精度良く調整することは決し
て容易ではない。
【0010】ところが,上記燃料噴射ノズル90におい
ては,ダンパ室93がニードル弁体91によって形成さ
れるため,そのダンパ効果が常に弁性能に加重されるこ
ととなり,弁性能のチェックが複雑となり調整が困難で
ある。その結果ニードル弁体の弁性能にばらつきを生じ
易いという問題がある。本発明は,上記従来の問題点に
鑑みて,ニードル弁体の着座に伴う振動等を抑制するダ
ンパ室を有すると共に,加工及び弁性能の調整が容易な
燃料噴射ノズルを提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】本発明は,燃料噴射口を有するノズ
ルボディと,該ノズルボディに摺動自在に内装され上記
燃料噴射口を開閉するニードル弁体と,上記ノズルボデ
ィを支持するノズルホルダとを有する内燃機関の燃料噴
射ノズルであって,上記ノズルホルダには,弾性部材を
収容するバネ室を設けてあると共に,該弾性部材は,ニ
ードル弁体が上記燃料噴射口を閉口する方向に付勢され
ており,上記バネ室とノズルボディとの間には,上記弾
性部材とニードル弁体との間に介装されるプレッシャピ
ンを収容するピン室が配設されており,上記プレッシャ
ピンは,外周面の全周にくびれ部を形成してなると共
に,該くびれ部よりも大径の上筒部及び下筒部を上記く
びれ部の上方及び下方にそれぞれ連続して形成してな
り,また上記ピン室には,該ピン室の底面とプレッシャ
ピンの底面との間に形成される下部ダンパ室と,上記プ
レッシャピンのくびれ部と上記ピン室の内壁とによって
形成される上部ダンパ室とを有し, 該上部ダンパ室と下
部ダンパ室とは,上記プレッシャピンの下筒部に形成さ
れたカット部を通して連通しており,上記上部ダンパ室
及び下部ダンパ室は,ダンピング流体が充填されている
と共に,上記ニードル弁体が燃料噴射口を開口する方向
に運動するにつれてプレッシャピンが後退して上記下部
ダンパ室の容積が増大し,該容積が所定値を越えたと
き,上記上部ダンパ室と上記バネ室とが連通するよう形
成されていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射ノズ
ルにある。
【0012】本発明において最も注目すべきことは,ニ
ードル弁体を燃料噴射口に向かって押圧する弾性部材と
ニードル弁体との間にプレッシャピンを介装させてあ
り,該プレッシャピンとプレッシャピンを収容するピン
室との間にダンパ室を形成したことである。
【0013】そして,上記ダンパ室は,ニードル弁体が
燃料噴射口を開口する方向に運動するにつれて上記プレ
ッシャピンが後退してその容積を増大させる。そして,
上記ダンパ室の容積が所定値を越えるとダンパ室とバネ
室とが連通する。また,上記ダンパ室は,上記ピン室の
底面とプレッシャピンの底面との間に形成される下部ダ
ンパ室と,上記プレッシャピンのくびれ部と上記ピン室
の内壁とによって形成される上部ダンパ室とを有し,ダ
ンピング流体が充填されている。
【0014】
【作用及び効果】本発明にかかる燃料噴射ノズルにおい
ては,ダンパ室はニードル弁体とは別の部材であるプレ
ッシャピンとピン室とによって形成される。従って,従
来装置における加工のネックであったダンパ室と上部空
隙との連通ストロークの形成もプレッシャピンとピン室
の加工形状によって実現される。
【0015】そして,上記プレッシャピンとそれを収容
するピン室とは,ニードル弁体に要求される弁機能は不
要であるから形状上の制約が極めて少なく,ダンパ室の
形成はニードル弁体によって形成する場合に比べて極め
て容易である(具体的には実施例参照)。
【0016】また,ダンパ室はニードル弁体とは別個の
部材に形成されるから,ニードル弁体の弁性能のチェッ
クは,ダンパ室を設けない従来の燃料噴射ノズルにおけ
るのと同様に,ニードル弁体とノズルボディとによって
ダンパ効果の影響を受けることなく行うことができる。
したがって,弁性能の良い,ばらつきの少ないニードル
弁体を製作することができる。また,上記ダンパ室の一
を形成する上記くびれ部は,上記プレッシャピンの外
周面の全周にわたって形成されているため,上記プレッ
シャピンが後退してダンパ室とバネ室とが連通する際に
は,両者は大きな面積をもって連通する。それ故,ダン
パ室とバネ室とが連通したとき,即座にダンパ効果を開
放することができる。上記のように,本発明によれば,
ニードル弁体の着座に伴う振動等を抑制するダンパ室を
有すると共に,加工及び弁性能の調整が容易な燃料噴射
ノズルを提供することができる。
【0017】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる燃料噴射ノズルについて,図1
〜図4を用いて説明する。本例は,燃料噴射口13を有
するノズルボディ11と,該ノズルボディ11に摺動自
在に内装され上記燃料噴射口13を開閉するニードル弁
体15と,上記ノズルボディ11を支持するノズルホル
ダ30とを有する内燃機関の燃料噴射ノズル10であ
る。
【0018】上記ノズルホルダ30には,弾性部材36
を収容するバネ室35を設けてあると共に,該弾性部材
36はニードル弁体15が上記燃料噴射口13を閉口す
る方向に付勢されている。そして,バネ室35とノズル
ボディ11との間には,上記弾性部材36とニードル弁
体15との間に介装されるプレッシャピン23を収容す
るピン室20が配設されている。
【0019】そして,上記ピン室20には,上記プレッ
シャピン23の外周面とピン室20の内壁とで形成され
るダンパ室271,272を有しており,上記ダンパ室
271,272はダンピング流体が充填されていると共
に,上記ニードル弁体15が燃料噴射口13を開口する
方向に運動するにつれてプレッシャピン23が後退して
ダンパ室271,272の容積が増大し,該容積が所定
値を越えたときダンパ室271,272と上記バネ室3
5とが連通するよう形成されている。
【0020】以下それぞれについて詳説する。本例は,
図1に示すように,ノズルホルダ30の先端部にノズル
ボディ11が取付けられており,ノズルホルダ30の中
ほどには,本燃料噴射ノズル10を内燃機関に装着する
ためのリテイニングナット33が配設されている。
【0021】そして,ノズルホルダ30の胴部31に
は,弾性部材36としてのコイルスプリングを収容する
バネ室35が形成され,燃料を流通させる燃料通路45
とダンパオイルを供給するオイル通路40とが形成され
ている。一方,ノズルボディ11は先端部に燃料噴射口
13が形成されており,該燃料噴射口13を開閉するニ
ードル弁体15が内装されている。そして,上記ノズル
ホルダ30の燃料通路45と連通した燃料送出路46が
形成されている。
【0022】また,上記胴部31とノズルボディ11と
の間には,パッキン部25が介装されており,該パッキ
ン部25には,プレッシャピン23を収容するピン室2
0が形成されている。該ピン室20はバネ室35と連通
しており,ピン室の径D2 (図2)はバネ室35の径D
3 よりも小さい(D2 <D3 )。また,パッキン部25
には上記燃料通路45と燃料送出路46とを連通させる
中継通路47が形成されている。
【0023】プレッシャピン23は,図3,図4に示す
ように,上下の筒部231,232の間にくびれ23
3を設けた円筒状の部材である。上記くびれ部233
は,上記プレッシャピン23の外周面の全周にわたって
形成されている(図3,図4)。そして,プレッシャピ
ン23の上部には,上記コイルスプリングの底部に挿入
するガイド部材として凸部234が形成されている。
【0024】そして,プレッシャピン23の下筒部23
2には,円周面を平坦面でカットしたカット部235が
形成されている。また,プレッシャピン23の上下筒部
231,232の径D1 は,ピン室20の内径D2 (図
2)より若干だけ小さくしてある(D1 <D2 )。
【0025】また,前記パッキン部25のピン室20の
下部には,図2に示すように,ニードル弁体91の上部
の小径部151を挿通させるニードル穴201が形成さ
れている。そして,図2に示すように,ノズルボディ1
1とパッキン部25とを連結した状態において,ニード
ル弁体15を最下端まで降下させたとき小径部151の
上端面152は,わずかな高さhだけピン室20の底面
202より上部に位置している。
【0026】また,上記上端面152とピン室20の上
端との距離L1 は,図3に示すプレッシャピン23の上
筒部231の下面2311と下筒部232の底面232
1との間隔L2 よりも大きい(L1 >L2 )。従って,
プレッシャピン23をピン室20に挿入し,ニードル弁
体15が最下端に位置して燃料噴射口13を完全に閉口
したときの,プレッシャピン23の上筒部231とピン
室20の内壁203との重なり部の長さS(図8参照)
は,上記距離L1 と間隔L2 との差に等しくなる(S=
1 −L2 )。
【0027】そして,上記重なり部の長さSは,ニード
ル弁体15がノズルボディ11内を上下に摺動する弁ス
トロークS0 よりも小さくしてある(S0 >S)。そし
て,プレッシャピン23をピン室20に収容すれば,プ
レッシャピン23の底面2321は,ニードル弁体15
の上端面152と当接し,ピン室20の底面202とプ
レッシャピン23の底面2321との間に,下部ダンパ
室272が形成される。また,プレッシャピン23のく
びれ部233とピン室20の内壁203とによって,上
部ダンパ室271が形成される。
【0028】そして,上部ダンパ室271と下部ダンパ
室272とは,プレッシャピン23の下筒部232に形
成された前記カット部235を通して連通する。上記下
部ダンパ室272の軸方向の長さHは,ニードル弁体1
5が最下端に位置するときの値hから,上記弁ストロー
クS0 だけ変化する(h<H<h+S0)。
【0029】一方,ニードル弁体15が最下端位置から
重なり部の長さSだけ上昇すればプレッシャピン23も
長さSだけ上昇し,上部ダンパ室271はバネ室35と
連通する。即ち,プレッシャピン23が重なり部の長さ
Sだけ上昇すれば,プレッシャピン23の上筒部231
は,ピン室20の上端面よりも上昇し,上部ダンパ室2
71はバネ室35と連通する。なお,図1において符号
351は開弁圧力調整のためのシムであり,符号451
は燃料取入口である。
【0030】次に,本例の燃料噴射ノズル10の作用効
果について述べる。ニードル弁体15が最下端位置すな
わち閉弁状態にあるとき,プレッシャピン23も最下端
位置にあり上下部ダンパ室271,272の容積は最も
小さい状態にある。そして,図示しない燃料噴射ポンプ
より燃料がノズルホルダ30の燃料通路45に圧送され
ると,ノズルボディ11内の圧力が上昇し,やがて開弁
圧に達する。
【0031】そして,ニードル弁体15とプレッシャピ
ン23とが一体的に上昇し始める。そうすると,下部ダ
ンパ室272の容積が増大しダンパ室271,272の
圧力が低下し,ニードル弁体15の急激な上昇を抑制す
る,いわゆるダンパ効果を発揮する。
【0032】ニードル弁体15が更に上昇し,その上昇
値が前記重なり部の長さSに達すると,前記のように上
部ダンパ室271はバネ室35と連通する。その結果ダ
ンパ室271,272の上記のダンパ効果も失われ,ダ
ンパ室を有していない通常の燃料噴射ノズルと同様に,
燃料の送出圧力と弾性部材36の弾性力とによって,ニ
ードル弁体15は上昇下降する。ここで,上述のごとく
上記上部ダンパ室271を形成する上記くびれ部233
は,上記プレッシャピン23の外周面の全周にわたって
形成されている(図3,図4)。そのため,上記プレッ
シャピン23が後退して上部ダンパ室271とバネ室3
5とが連通する際には,両者は大きな面積をもって連通
する。それ故,上部ダンパ室271とバネ室35とが連
通したとき,即座にダンパ効果を開放することができ
る。
【0033】そして,燃料が噴射され,ノズルボディ1
1内の圧力が低下し,閉弁圧以下になるとニードル弁体
15が下降を開始する。そして,ニードル弁体15の最
下端位置からの上昇値が上記重なり部の長さS以下にな
ると,プレッシャピン23の上筒部231の外周面がピ
ン室20の内壁203と接し,上部ダンパ室271とバ
ネ室35との連通状態が解消する。
【0034】そして,ダンパ室271,272の圧力が
上昇し,ニードル弁体15の急激な下降を抑制する,い
わゆるダンパ効果を発揮する。その結果,ニードル弁体
15のノズルボディ11への急激な着座を抑制し,着座
時の騒音,振動,圧力波に伴う2次噴射を低減する。上
記のように,本例の燃料噴射ノズル10によれば,ニー
ドル弁体15の急激な上昇,下降を抑制して振動や2次
噴射を抑制することができる。
【0035】一方,本例の燃料噴射ノズル10における
ダンパ室271,272はプレッシャピン23とピン室
20とによって形成されている。即ち,従来装置のよう
にダンパ室がニードル弁体15と一体的には形成されて
いない。そのため,ダンパ室271,272を形成する
ための加工・工作は,ニードル弁体15の加工とは別個
に行うことができ,極めて容易である。
【0036】例えば,ダンパ効果の発生と解消のための
重要な寸法諸元である上記重なり部の長Sは,前記のよ
うに,ピン室20の上端からニードル弁体15の上端面
152までの寸法L1 (図2)と,プレッシャピン23
の底面2321から上筒部231の下面2311との寸
法L2 (図3)を押さえれば,得ることができる(S=
1 −L2 )。この加工方法は,前記従来装置の加工方
法に比べて極めて容易である。
【0037】また,ニードル弁体15にはダンパ室27
1,272が一体的に形成されていないから,ダンパ効
果の影響を被ることなくニードル弁体15の弁性能を独
立してチェック,確認することができる。従って,弁性
能の良いばらつきの少ないニードル弁体15を製作する
ことが容易である。上記のように,本例によれば,ニー
ドル弁体の着座に伴う振動等を抑制するダンパ室を有す
ると共に,加工及び弁性能の調整が容易な燃料噴射ノズ
ルを提供することができる。
【0038】実施例2 本例は,図5に示すように,実施例1においてノズルホ
ルダ32の形状と構造を変更し,燃料通路48とオイル
通路41の位置を変更すると共に,ピン室21を胴部3
4中に形成した燃料噴射ノズル10の例である。本例
は,図5に示すように,実施例1におけるパッキン部2
5(図1)を設けず,ピン室21はノズルホルダ32の
胴部34に形成してある。
【0039】また,胴部34の上部にはキャップ341
を配設し,ダンパオイルを流通させるオイル通路41を
設けてある。本例においては,弾性部材36としてのコ
イルスプリングは,キャップ341を外して上方より挿
入される。また,燃料を燃料噴射ノズル10の側方から
供給するため,胴部34にはサイドアーム342を設け
てあり,該サイドーアーム342には燃料通路48と燃
料取入口481とが形成されている。その他について
は,実施例1と同様であり,実施例1と同様の効果を得
ることができる。
【0040】参考例 本例は,図6に示すように,実施例1においてピン室2
2とプレッシャピン24の形状を変更しダンパ室28を
1個とした参考例である。本例におけるピン室22は,
図6に示すように,下方に設けた小径のニードル穴22
1と,上方に設けた大径のピン穴222と,両者22
1,222の間に形成されたテーパ状の漏斗部223と
を有している。
【0041】また,プレッシャピン24は,弾性部材3
6とリンクする凸部241と,大径の大筒部242と,
小筒部243とを有している。そして,小筒部243の
底部には,ニードル弁体15の小径部151を挿入する
凹部244が形成されている。また,プレッシャピン2
4の大筒部242の外径D1 は,ピン室21におけるピ
ン穴222の内径D2 よりもわずかだけ小さい。
【0042】そして,ニードル弁体15が,図6に示す
ように,最下端にあり,閉弁状態にあるとき,大筒部2
42はピン穴222に嵌合している。このときに大筒部
242とピン穴222が接する軸方向の長さS,いわゆ
る重なり部の長さSは,ニードル弁体15のストローク
0 よりも小さい(S0 <S)。
【0043】そして,ニードル弁体15が下方にあると
きは,図6に示すように,ピン室22とプレッシャピン
24及びニードル弁体15とで形成されるダンパ室28
は,バネ室35と連通していない。そして,ニードル弁
体15が上昇すると上記ダンパ室28はバネ室35と連
通する。上記のように,本例におけるダンパ室28は単
一である。しかし,ダンパ室28の機能は実施例1と同
様であり,同様の効果を得ることができる。
【0044】また,上記重なり部の長さSは,プレッシ
ャピン24の小筒部243の凹部244の深さd2 と,
上記小筒部243の軸長d1 と,ニードル弁体15の小
径部151の上端面152とピン室22の上端との距離
1 (図2参照)とを規定することにより得ることがで
きる(S=L1 −d1 +d2 )。その他については,実
施例1と同様であり,同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の燃料噴射ノズルの断面図。
【図2】実施例1の燃料噴射ノズルの要部拡大断面図。
【図3】実施例1のプレッシャピンの断面図。
【図4】実施例1のプレッシャピンの斜視図。
【図5】実施例2の燃料噴射ノズルの断面図。
【図6】参考例の燃料噴射ノズルの断面図。
【図7】従来の燃料噴射ノズルの要部断面図。
【図8】従来の燃料噴射ノズルのダンパ室の動作説明
図。
【図9】従来の燃料噴射ノズルのダンパ室の他の動作説
明図。
【符号の説明】
10...燃料噴射ノズル,11...ノズルボディ,
13...燃料噴射口,15...ニードル弁体,2
0,21,22...ピン室,23,24...プレッ
シャピン,271,272,28...ダンパ室,3
0,32....ノズルホルダ,35...バネ室,3
6...弾性部材,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−190472(JP,A) 特開 昭61−106972(JP,A) 特開 昭61−116064(JP,A) 特開 平2−16361(JP,A) 実開 平4−6768(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 61/10 F02M 61/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射口を有するノズルボディと,該
    ノズルボディに摺動自在に内装され上記燃料噴射口を開
    閉するニードル弁体と,上記ノズルボディを支持するノ
    ズルホルダとを有する内燃機関の燃料噴射ノズルであっ
    て, 上記ノズルホルダには,弾性部材を収容するバネ室を設
    けてあると共に,該弾性部材は,ニードル弁体が上記燃
    料噴射口を閉口する方向に付勢されており, 上記バネ室とノズルボディとの間には,上記弾性部材と
    ニードル弁体との間に介装されるプレッシャピンを収容
    するピン室が配設されており, 上記プレッシャピンは,外周面の全周にくびれ部を形成
    してなると共に,該くびれ部よりも大径の上筒部及び下
    筒部を上記くびれ部の上方及び下方にそれぞれ連続して
    形成してなり,また上記ピン室には,該ピン室の底面とプレッシャピン
    の底面との間に形成される下部ダンパ室と,上記プレッ
    シャピンのくびれ部と上記ピン室の内壁とによって形成
    される上部ダンパ室とを有し, 該上部ダンパ室と下部ダンパ室とは,上記プレッシャピ
    ンの下筒部に形成されたカット部を通して連通してお
    り, 上記上部ダンパ室及び下部ダンパ室は,ダンピング流体
    が充填されていると共に,上記ニードル弁体が燃料噴射
    口を開口する方向に運動するにつれてプレッシャピンが
    後退して上記下部ダンパ室の容積が増大し,該容積が所
    定値を越えたとき,上記上部ダンパ室と上記バネ室とが
    連通するよう形成されていることを特徴とする内燃機関
    の燃料噴射ノズル。
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