JP3323216B2 - X線露光用マスクとそのマスクブランク - Google Patents

X線露光用マスクとそのマスクブランク

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JP3323216B2
JP3323216B2 JP33924391A JP33924391A JP3323216B2 JP 3323216 B2 JP3323216 B2 JP 3323216B2 JP 33924391 A JP33924391 A JP 33924391A JP 33924391 A JP33924391 A JP 33924391A JP 3323216 B2 JP3323216 B2 JP 3323216B2
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mask
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正二 田中
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智史 北村
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線リソグラフィーに
使用されるX線露光用マスクとそのマスクブランクに係
り、特に、X線露光用マスクとウェハ等におけるアライ
メント精度の向上が図れるX線露光用マスクとそのマス
クブランクの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のX線露光用マスクMとしては、
図13に示すようにシリコンにより形成されその中央に
開口部aを有する枠体bと、この枠体bにその周縁部が
保持されアライメント光とX線を共に透過する透過性支
持膜cと、この透過性支持膜cの上記枠体bとは反対側
の主面上にパターン状に設けられたX線吸収体dとでそ
の主要部が構成されるものが知られている。
【0003】ところで、このX線露光用マスクMを製造
するには、その背面側に保護膜eが成膜された枠体用シ
リコン基板fと、この枠体用シリコン基板f面上に成膜
されアライメント光とX線を共に透過する透過性支持膜
gとでその主要部が構成されるマスクブランクMb1(図
14A参照)の上記保護膜eの所望部位を除去し(図1
4B参照)、かつ、残留する保護膜eをマスクにしこの
マスクから露出するシリコン基板fについてバックエッ
チ処理により開口部aを設けて枠体bを形成した(図1
4C参照)後、上記透過性支持膜gの主面上にメッキ下
地層hを形成すると共にこのメッキ下地層h上にネガの
レジストパターンiを形成し(図14D参照)、更に、
このレジストパターンi間にAu等のメッキパターンj
を形成した(図14E参照)後、上記レジストパターン
iとその下側のメッキ下地層hを除去して図13に示し
たようなX線露光用マスクMを製造している。
【0004】また、他の方法として、背面側に保護膜e
が成膜された枠体用シリコン基板fと、この枠体用シリ
コン基板f面上に成膜されアライメント光とX線を共に
透過する透過性支持膜gと、この透過性支持膜g上に一
様に成膜されたX線吸収体膜kとでその主要部が構成さ
れるマスクブランクMb2(図15A参照)の上記保護膜
eの所望部位を除去し(図15B参照)、かつ、上述し
た方法と同様にシリコン基板fに開口部aを設けて枠体
bを形成した(図15C参照)後、上記X線吸収体膜k
をパターニングして図15(D)に示すようなX線露光
用マスクMを製造している。
【0005】そして、図16に示すようにレジスト膜r
が一様に成膜されたウェハm等に対しこのX線露光用マ
スクMを位置整合させて対向配置し、かつ、X線を照射
してX線リソグラフィーに供するものである。
【0006】ところで、上記ウェハm等に対しX線露光
用マスクMを位置整合させる方法として、通常、上記X
線露光用マスクMに対し波長400nm〜700nmの
可視光(アライメント光)を照射し、上記X線露光用マ
スクMを透過したアライメント光をウェハm側で検出し
てその位置ずれを検出し、この検出信号に基づいて上記
ウェハmをx方向並びにy方向へ適量移動しその位置整
合を行なっている。
【0007】しかし、上述した従来のX線露光用マスク
ブランクMb1又はMb2から製造されたX線露光用マスク
Mについてこの方法により位置整合を行なった場合、ア
ライメント光による透過性支持膜cの膜厚干渉が発生
し、その透過率が著しく低下し易い欠点があった。これ
は、上記透過性支持膜c内で反射なしに透過するアライ
メント光と、透過性支持膜c内で復反射を起こしながら
透過するアライメント光との間で干渉が生ずるためであ
った。そして、この干渉は透過性支持膜cの膜厚と適用
されたアライメント光の波長との関係で発生するもので
あった。
【0008】尚、図17は、上記X線露光用マスクMに
ついてその同一箇所へアライメント光を照射した場合
(この場合、同一箇所への光照射のためその透過性支持
膜cの膜厚は一定である)、その適用されたアライメン
ト光の波長の変化と透過率との関係を示したものである
が、適用されるアライメント光の波長が僅かに変わるだ
けでその透過率が極端に低下してしまうことを示してい
る。
【0009】また、上記透過性支持膜cを成膜するに際
し、その膜厚を一定に制御することは現実的に困難なこ
とから上記アライメント光の波長の変動に加え膜厚の変
動も加わるため、その透過率の変動値は上記グラフに示
された値より実際には更に大きくなっている。
【0010】このようにアライメント光の透過率がその
僅かな設定条件のばらつきに伴い大きく変化してしま
い、この結果、アライメント信号が検出し難くなるため
上記X線露光用マスクMとウェハmとのアライメント精
度の向上を図る上で大きな妨げとなる欠点があった。
【0011】この様な技術的背景の下、本発明者等は図
18に示すように上記透過性支持膜cの両側に反射防止
膜p、qを成膜することにより上記欠点を解消したX線
露光用マスクM2とそのマスクブランクを既に提案して
いる(特願平3−129684号明細書参照)。
【0012】そしてこの構造のX線露光用マスクM2に
よれば、反射防止膜p、qが上述した膜厚干渉を低減さ
せる作用を有する。すなわち、上記反射防止膜p、qが
アライメント光の反射自体を防止することによりアライ
メント光の光路を一定にし、これにより光が一種となる
ため上記膜厚干渉の低減が図れるものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
X線露光用マスクM2において、透過性支持膜cについ
ては、X線吸収が少なくかつ可視光(アライメント光)
透過性を有するSiN、SiC、BN等の軽元素化合物
が適用され、他方、反射防止膜p、qについてはSiO
2 、MgF2 、MgO、Al2 3 、SiO、Hf
2 、ZrO2 、TiO2 、CeO2 、ZnS等の材料
群を適用することが可能であるが、後者の反射防止膜に
ついては枠体用に通常シリコン基板が適用されかつコス
トの面と成膜のし易さ等からSiO2 が主に利用されて
いる。
【0014】しかし、この様な材料の組合わせによりX
線露光用マスクM2を得ようとした場合、上記バックエ
ッチ工程において枠体用シリコン基板を25%KOH溶
液にて処理するとき、シリコン基板を完全にエッチング
した後において反射防止膜にもエッチングが進行し易
く、反射防止膜についてその機能が十分に発揮される膜
厚に設定することが困難となる問題点があった。
【0015】尚、上記25%KOH溶液を適用せずにシ
リコン基板とSiO2 との選択エッチングが可能なエッ
チャントを適用する方法も考えられるが、未だこのよう
なエッチャントは見出だされていない。
【0016】この様に、透過性支持膜cの両側に反射防
止膜p、qを形成することにより上記膜厚干渉の低減が
図れる反面、これを実際に製造する場合の材料の選択範
囲が狭く十分にその効果を発揮できない問題点があっ
た。
【0017】本発明はこの様な問題点に着目してなされ
たもので、その課題とするところは、シリコン基板との
選択エッチングが困難な材料により上記反射防止膜を構
成しても十分に機能するX線露光用マスクとそのマスク
ブランクを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、シリコンにより形成されエッチングにより開
口された開口部を有する枠体と、この枠部にその周縁部
が保持され波長400nm〜700nmの可視光からな
アライメント光とX線を共に透過する透過性支持膜
と、この透過性支持膜の上記枠体とは反対側の主面上に
パターン状に設けられたX線吸収体、とを備えるX線露
光用マスクを前提とし、上記透過性支持膜の両面に反射
防止膜が一様に成膜され、かつ、上記枠体側の反射防止
膜と枠体との間に上記エッチングによる枠体の形成の際
に枠体側の反射防止膜とエッチング液との接触を回避さ
せる膜厚1500オングストロームの窒化シリコン膜に
より構成されたバックエッチストッパー膜が形成されて
いることを特徴とするものである。
【0019】このような技術的手段において上記枠体を
構成する材料としては、適度の剛性とエッチング性のあ
るシリコンが適用される。この枠体に保持される透過性
支持膜としては、X線の吸収が少ない軽元素化合物で、
かつ、可視光透過性を有する材料が適用でき、例えば従
来と同様、SiN、SiC、BN等が挙げられる。ま
た、この透過性支持膜の上記枠体とは反対側の主面上に
パターン状に設けられるX線吸収体としては、X線吸収
の大きなTa、W、Au等が適用できる。
【0020】次に、透過性支持膜の両面に成膜される反
射防止膜の材質は透過性支持膜の光学特性によって決定
され、かつ、膜厚は適用されるアライメント光の波長に
よって決定され、その具体例として、SiO2 、MgF
2 、MgO、Al2 3 、SiO、HfO2 、Zr
2 、TiO2 、CeO2 、ZnS等が挙げられる。
【0021】また、この枠体側の反射防止膜面に形成さ
れるバックエッチストッパー膜としてはシリコン基板の
エッチャント(エッチング剤)に対し耐性を有するSi
N、SiC、BN等が挙げられる。そして、このバック
エッチストッパー膜を設けることにより上記反射防止膜
が被覆され、エッチャントとの接触が回避されるため、
シリコン基板との選択エッチングが困難なSiO2 等の
材料にて反射防止膜を構成した場合においてもこの反射
防止膜はエッチングされずその材料の選択範囲を拡げら
れる利点を有している。尚、このバックエッチストッパ
ー膜については上記シリコン基板がエッチングされた段
階で剥離することが望ましいが、例えばこれをRIE
(リアクティブ・イオン・エッチング)法等で除去する
際に上記反射防止膜を傷付けてしまう危険性があるため
現実的には困難である。そこで、この技術的手段におい
ては上記バックエッチストッパー膜を剥離することなく
残留させる方式を採っている。この場合、バックエッチ
ストッパー膜の膜厚が厚過ぎるとこのバックエッチスト
ッパー膜自体による膜厚干渉によりアライメント光の透
過率が低下することがあり、反対に薄過ぎるとバックエ
ッチストッパー膜として十分機能しなくなることがあ
る。従って、このバックエッチストッパーの膜厚につい
てはこれ等の点を考慮して適宜値に設定することが望ま
しい。
【0022】尚、請求項2に係る発明はこの様な技術的
観点から完成されており、反射防止膜として酸化シリコ
ンを適用し、かつ、バックエッチストッパー膜として窒
化シリコンを適用した場合にこのバックエッチストッパ
ー膜の最適膜厚を特定したものである。
【0023】すなわち、請求項2に係る発明は請求項1
に係る発明を前提とし、上記反射防止膜が酸化シリコン
により構成され、かつ、上記バックエッチストッパー膜
が膜厚1500オングストロームの窒化シリコン膜によ
り構成されていることを特徴とするものである。
【0024】次に、請求項3及び5に係る発明は、請求
項1〜2に係るX線露光用マスクの製造に利用されるX
線露光用マスクブランクに関するものである。
【0025】すなわち、請求項3に係る発明は請求項1
〜2に係る発明を前提とし、上記エッチングにより開口
部を形成される枠体用のシリコン基板と、このシリコン
基板の主面上に成膜された膜厚1500オングストロー
ムの窒化シリコン膜により構成されたバックエッチスト
ッパー膜と、このバックエッチストッパー膜上に成膜さ
れた反射防止膜と、この反射防止膜上に成膜され波長4
00nm〜700nmの可視光からなるアライメント光
とX線を共に透過する透過性支持膜と、この透過性支持
膜上に成膜された反射防止膜、とを備え、前記バックエ
ッチストッパー膜は、前記シリコン基板をエッチングに
より枠体とする際、シリコン基板側の反射防止膜とエッ
チング液との接触を回避させることを特徴とし、また、
請求項5に係る発明も請求項1〜2に係る発明を前提と
し、上記エッチングにより開口部を形成される枠体用の
シリコン基板と、このシリコン基板の主面上に成膜され
膜厚1500オングストロームの窒化シリコン膜によ
り構成されたバックエッチストッパー膜と、このバック
エッチストッパー膜上に成膜された反射防止膜と、この
反射防止膜上に成膜され波長400nm〜700nmの
可視光からなるアライメント光とX線を共に透過する透
過性支持膜と、この透過性支持膜上に成膜された反射防
止膜と、この反射防止膜上に一様に成膜されたX線吸収
体、とを備え、前記バックエッチストッパー膜は、前記
シリコン基板をエッチングにより枠体とする際、シリコ
ン基板側の反射防止膜とエッチング液との接触を回避さ
せることを特徴とするものである。
【0026】一方、請求項4及び6に係る発明は、請求
項3及び5に係るX線露光用マスクブランクについて枠
体用シリコン基板の裏面側に保護膜を具備させたものに
関するものである。
【0027】すなわち、請求項4に係る発明は請求項3
に係る発明を前提とし、上記枠体用シリコン基板の裏面
に耐薬品性の保護膜を具備することを特徴とするもので
あり、他方、請求項6に係る発明は請求項5に係る発明
を前提とし、上記枠体用シリコン基板の裏面に耐薬品性
の保護膜を具備することを特徴とするものである。
【0028】そして、これ等X線露光用マスクブランク
から請求項1〜2に係るX線露光用マスクを製造するに
は従来法をそのまま適用することが可能である。
【0029】
【作用】請求項1〜2に係る発明によれば、枠体にその
周縁部が保持された透過性支持膜の両面に反射防止膜が
一様に成膜されているため、この反射防止膜の作用によ
りアライメント光の反射自体が防止されてアライメント
光の光路を一定にする。
【0030】このため、光が一種となって干渉自体が発
生しなくなり、上記透過性支持膜の膜厚の僅かな違いに
よって生ずる特定波長のアライメント光の透過率の変動
があった場合でも、両側に形成した反射防止膜によって
透過率を高めると同時に安定させることが可能となる。
【0031】また、上記枠体側の反射防止膜面にバック
エッチストッパー膜が形成されており、このバックエッ
チストッパー膜の作用により反射防止膜とエッチャント
との接触が回避されるため、シリコン基板との選択エッ
チングが困難なSiO2 等の材料にて上記反射防止膜を
構成した場合においてもこの反射防止膜がエッチングを
受けることがなく、従って、適用できる材料の選択範囲
を著しく拡大させることが可能となる。
【0032】一方、請求項3〜4に係る発明によれば、
枠体用のシリコン基板と、このシリコン基板の主面上に
成膜されたバックエッチストッパー膜と、このバックエ
ッチストッパー膜上に成膜された反射防止膜と、この反
射防止膜上に成膜されアライメント光とX線を共に透過
する透過性支持膜と、この透過性支持膜上に成膜された
反射防止膜、とを備えており、また、請求項5〜6に係
る発明によれば、枠体用のシリコン基板と、このシリコ
ン基板の主面上に成膜されたバックエッチストッパー膜
と、このバックエッチストッパー膜上に成膜された反射
防止膜と、この反射防止膜上に成膜されアライメント光
とX線を共に透過する透過性支持膜と、この透過性支持
膜上に成膜された反射防止膜と、この反射防止膜上に一
様に成膜されたX線吸収体、とを備えているため、これ
等のX線露光用マスクブランクから従来法に従って簡便
に請求項1〜2に係るX線露光用マスクを製造すること
が可能となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0034】図1は実施例に係るX線露光用マスクの構
成断面図を示しており、このX線露光用マスク1は、シ
リコンにより形成されその中央に開口部20を有する枠
体2と、この枠体2にその周縁部を保持され窒化膜(S
iNx )より成るバックエッチストッパー膜3と、この
バックエッチストッパー膜3上に成膜され酸化シリコン
(SiO2 )より成る反射防止膜41と、この反射防止
膜41上に成膜され窒化膜(SiNx )より成る透過性
支持膜5と、この透過性支持膜5上に成膜され酸化シリ
コン(SiO2 )より成る反射防止膜42と、この反射
防止膜42上にパターン状に形成されTaから成るX線
吸収体6とでその主要部が構成されたものである。尚、
図1中7は窒化膜(SiNx )により構成された耐薬品
性の保護膜を示している。
【0035】また、図2はこのX線露光用マスク1を製
造するのに利用されるX線露光用マスクブランクを示し
ており、このX線露光用マスクブランク11は、上記枠
体2用のシリコン基板21と、このシリコン基板21の
主面上に一様に成膜された窒化膜(SiNx )より成る
バックエッチストッパー膜31と、このバックエッチス
トッパー膜31上に一様に成膜された酸化シリコン(S
iO2 )より成る反射防止膜43と、この反射防止膜4
3上に一様に成膜された窒化膜(SiNx )より成る透
過性支持膜51と、この透過性支持膜51上に一様に成
膜された酸化シリコン(SiO2 )より成る反射防止膜
44と、上記シリコン基板21の背面側に成膜された窒
化膜(SiNx )より成る耐薬品性の保護膜71とでそ
の主要部が構成されたものである。
【0036】一方、図3は上記X線露光用マスク1を製
造するのに利用される別の構成のX線露光用マスクブラ
ンクを示しており、このX線露光用マスクブランク12
は、上記枠体2用のシリコン基板22と、このシリコン
基板22の主面上に一様に成膜された窒化膜(Si
x )より成るバックエッチストッパー膜32と、この
バックエッチストッパー膜32上に一様に成膜された酸
化シリコン(SiO2 )より成る反射防止膜45と、こ
の反射防止膜45上に一様に成膜された窒化膜(SiN
x )より成る透過性支持膜52と、この透過性支持膜5
2上に一様に成膜された酸化シリコン(SiO2 )より
成る反射防止膜46と、この反射防止膜46上に一様に
成膜されたTaから成るX線吸収体62と、上記シリコ
ン基板22の背面側に成膜された窒化膜(SiNx )よ
り成る耐薬品性の保護膜72とでその主要部が構成され
たものである。
【0037】以下、工程順に従ってX線露光用マスクブ
ランクとこれを用いたX線露光用マスクの製造方法につ
いて詳細に説明する。
【0038】まず、図4に示した2mm厚のシリコン基
板25面上に、屈折率2.18で厚さ1500オングス
トロームの窒化膜(SiNx )を減圧CVD法により成
膜してバックエッチストッパー膜35を形成し(図5参
照)、かつ、このバックエッチストッパー膜35の主面
上に、屈折率1.46で厚さ1000オングストローム
の酸化シリコン(SiO2 )を蒸着法により成膜して反
射防止層47を形成(図6参照)すると共に、再度、減
圧CVD法によりこれ等面上に屈折率2.18で厚さ2
μmの窒化膜(SiNx )を成膜して透過性支持膜55
を形成した(図7参照)後、この透過性支持膜55の主
面上に、屈折率1.46で厚さ1000オングストロー
ムの酸化シリコン(SiO2 )を蒸着法により成膜して
反射防止層48を形成し図8に示すようなX線露光用マ
スクブランク15を製造した。
【0039】次に、従来法と同様に、上記シリコン基板
25の背面側に位置する透過性支持膜55とバックエッ
チストッパー膜35とをRIE法により選択的にエッチ
ングして所望部位を除去し(図9参照)、かつ、残留す
る透過性支持膜55とバックエッチストッパー膜35を
マスクにしこのマスクから露出するシリコン基板25を
25%KOH溶液によりバックエッチ処理して開口部2
6を有する枠体27を形成する(図10参照)。このバ
ックエッチ処理の際、25%KOH溶液によりエッチン
グされる酸化シリコン(SiO2 )製反射防止層47は
上記バックエッチストッパー膜35により被覆されて2
5%KOH溶液との接触を回避されるため、上記反射防
止膜47がエッチングを受けることがなくその膜厚の変
動を確実に防止することが可能となる。
【0040】次いで、従来法と同様に上記反射防止膜4
8上にメッキ下地層を形成し、かつこのメッキ下地層上
にネガのレジストパターンを形成すると共に、このレジ
ストパターン間にメッキパターンを形成した後、レジス
トパターンとその下側のメッキ下地層とを除去してX線
吸収体60を形成し図11に示すようなX線露光用マス
ク10を製造した。
【0041】そして、この様にして製造されたX線露光
用マスク10に対しアライメント光を照射し適用された
アライメント光の波長の変化と透過率との関係を求め
た。
【0042】図12はこの結果を示したグラフ図である
が、このグラフ図から明らかなようにその波長が約60
0nm以上のアライメント光を適用することにより、そ
の透過率をその変動に拘らず80%以上に調整できるこ
とが確認できる。
【0043】従って、X線露光用マスクとウェハ等との
位置整合処理の際にアライメント光透過率の低減を最小
限に抑えることができるため、アライメント信号を確実
に検出することが可能となりそのアライメント精度の飛
躍的向上が図れる利点を有している。
【0044】尚、アライメント光における透過率の低減
を最小限に抑制できたのは、上記透過性支持膜55の両
面に反射防止膜47、48を形成したことと、この反射
防止膜47のエッチングを抑制する窒化膜(SiNx
製のバックエッチストッパー35の膜厚を1500オン
グストロームに設定したことに基づいている。
【0045】
【発明の効果】請求項1〜2に係る発明によれば、反射
防止膜の作用によりアライメント光の反射自体が防止さ
れてアライメント光の光路を一定にするため、光が一種
となって干渉自体が発生しなくなり、透過性支持膜の僅
かな違いによって生ずる特定波長のアライメント光の透
過率の変動があった場合でもこれを最小限に抑制するこ
とが可能となる。
【0046】従って、アライメント精度の飛躍的向上が
図れる効果を有している。
【0047】また、バックエッチストッパー膜の作用に
より反射防止膜とエッチャントとの接触が回避されるた
め、シリコン基板との選択エッチングが困難なSiO2
等の材料にて反射防止膜を構成してもエッチングを受け
ることがなく、従って、適用できる材料の選択範囲を飛
躍的に拡大できる効果をも有している。
【0048】他方、請求項3〜6に係る発明によれば、
従来法と同様な製造処理によって請求項1〜2に係るX
線露光用マスクを確実に製造できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るX線露光用マスクの構成断面図。
【図2】実施例に係るX線露光用マスクブランクの構成
断面図。
【図3】他の実施例に係るX線露光用マスクブランクの
構成断面図。
【図4】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を示
す説明図。
【図5】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を示
す説明図。
【図6】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を示
す説明図。
【図7】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を示
す説明図。
【図8】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を示
す説明図。
【図9】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を示
す説明図。
【図10】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を
示す説明図。
【図11】実施例に係るX線露光用マスクの製造工程を
示す説明図。
【図12】実施例に係るX線露光用マスクにおいて適用
したアライメント光の波長とその透過率の変化との関係
を示したグラフ図。
【図13】従来例に係るX線露光用マスクの構成断面
図。
【図14】従来例に係るX線露光用マスクブランクから
X線露光用マスクを製造する工程を示す説明図。
【図15】他の従来例に係るX線露光用マスクブランク
からX線露光用マスクを製造する工程を示す説明図。
【図16】X線露光用マスクを用いたX線リソグラフィ
ーの説明図。
【図17】従来例に係るX線露光用マスクにおいて適用
したアライメント光の波長とその透過率の変化との関係
を示したグラフ図。
【図18】他の従来例に係るX線露光用マスクの構成断
面図。
【符号の説明】
1 X線露光用マスク 2 枠体 3 バックエッチストッパー膜 5 透過性支持膜 6 X線吸収体 7 保護膜 11,12 X線露光用マスクブランク 20 開口部 21,22 シリコン基板 31,32 バックエッチストッパー膜 41〜46 反射防止膜 51,52 透過性支持膜 62 X線吸収体 71,72 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 欽司 東京都台東区台東一丁目5番1号 凸版 印刷株式会社内 合議体 審判長 高橋 美実 審判官 辻 徹二 審判官 北川 清伸 (56)参考文献 特開 平2−241019(JP,A) 特開 昭63−9932(JP,A) 特開 昭58−215028(JP,A) 特開 平5−82422(JP,A) 特開 平5−129190(JP,A) 特開 昭62−155518(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコンにより形成されエッチングにより
    開口された開口部を有する枠体と、この枠部にその周縁
    部が保持され波長400nm〜700nmの可視光から
    なるアライメント光とX線を共に透過する透過性支持膜
    と、この透過性支持膜の上記枠体とは反対側の主面上に
    パターン状に設けられたX線吸収体、とを備えるX線露
    光用マスクにおいて、 上記透過性支持膜の両面に反射防止膜が一様に成膜さ
    れ、かつ、上記枠体側の反射防止膜と枠体との間に上記
    エッチングによる枠体の形成の際に枠体側の反射防止膜
    とエッチング液との接触を回避させる膜厚1500オン
    グストロームの窒化シリコン膜により構成されたバック
    エッチストッパー膜が形成されていることを特徴とする
    X線露光用マスク。
  2. 【請求項2】上記反射防止膜が酸化シリコンにより構成
    され、かつ、上記バックエッチストッパー膜が膜厚15
    00オングストロームの窒化シリコン膜により構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のX線露光用マス
    ク。
  3. 【請求項3】請求項1〜2記載のX線露光用マスクの製
    造に使用されるマスクブランクにおいて、上記エッチン
    グにより開口部を形成される枠体用のシリコン基板と、 このシリコン基板の主面上に成膜された膜厚1500オ
    ングストロームの窒化シリコン膜により構成されたバッ
    クエッチストッパー膜と、 このバックエッチストッパー膜上に成膜された反射防止
    膜と、 この反射防止膜上に成膜され波長400nm〜700n
    mの可視光からなるアライメント光とX線を共に透過す
    る透過性支持膜と、 この透過性支持膜上に成膜された反射防止膜、 とを備え、前記バックエッチストッパー膜は、前記シリ
    コン基板をエッチングにより枠体とする際、シリコン基
    板側の反射防止膜とエッチング液との接触を回避させる
    ことを特徴とするマスクブランク。
  4. 【請求項4】上記枠体用シリコン基板の裏面に耐薬品性
    の保護膜を具備することを特徴とする請求項3記載のマ
    スクブランク。
  5. 【請求項5】請求項1〜2記載のX線露光用マスクの製
    造に使用されるマスクブランクにおいて、 上記エッチングにより開口部を形成される枠体用のシリ
    コン基板と、 このシリコン基板の主面上に成膜された膜厚1500オ
    ングストロームの窒化シリコン膜により構成されたバッ
    クエッチストッパー膜と、このバックエッチストッパー膜上に成膜された反射防止
    膜と、 この反射防止膜上に成膜され波長400nm〜700n
    mの可視光からなるアライメント光とX線を共に透過す
    る透過性支持膜と、 この透過性支持膜上に成膜された反射防止膜と、 この反射防止膜上に一様に成膜されたX線吸収体、 とを備え、前記バックエッチストッパー膜は、前記シリ
    コン基板をエッチングにより枠体とする際、シリコン基
    板側の反射防止膜とエッチング液との接触を回避させる
    ことを特徴とするマスクブランク。
  6. 【請求項6】上記枠体用シリコン基板の裏面に耐薬品性
    の保護膜を具備することを特徴とする請求項5記載のマ
    スクブランク。
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