JP3322968B2 - 真空式下水道のウォータブロック防止構造 - Google Patents

真空式下水道のウォータブロック防止構造

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JP3322968B2
JP3322968B2 JP31032293A JP31032293A JP3322968B2 JP 3322968 B2 JP3322968 B2 JP 3322968B2 JP 31032293 A JP31032293 A JP 31032293A JP 31032293 A JP31032293 A JP 31032293A JP 3322968 B2 JP3322968 B2 JP 3322968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は真空式下水道のウォータ
ブロック防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】真空式下水道は、家庭や工場等から排出
される汚水を自然流下式の汚水流入管から汚水ますに流
入せしめ、汚水ますに溜った汚水は真空下水管を経て集
水汚水ますに集められ、その後圧送ポンプによって下水
処理場等に送られる。
【0003】このとき、汚水ますは真空下水管に真空弁
を介して連絡せしめられる吸込み管を備えている。真空
弁は集水汚水ますに設けられている真空源が真空下水管
に付与している真空圧を駆動動力源とするものである。
そして、汚水ますの水位が一定レベル以上に上昇したと
きに、吸込み管と真空下水管との連絡部に設けられてい
る真空弁を開き、集水汚水ますに設けられている真空源
が真空下水管に付与している真空圧を吸込み管に及ぼ
し、汚水ますの水面に作用している大気圧と、真空下水
管に付与された真空圧との差圧により、汚水ます内の汚
水を吸込み管、真空下水管を介して集水汚水ますに送る
ようになっている。
【0004】然るに、真空式下水道では、真空下水管の
埋設深度を浅くするため、真空下水管の管路として、そ
の勾配を緩やかにし、かつその中間部でリフトを設けた
鋸歯状管路を採用している。また、真空式下水道では、
その敷設経路に河川、地中配管(水道管、電線管等)等
の障害物があると、真空下水管の管路中間部がそれらの
障害物をくぐるような伏越を設けている。これらのリフ
ト、伏越は、上流側真空下水管と下流側真空下水管との
間に低水位部を形成するものとなる。
【0005】このため、真空式下水道では、真空下水管
内の低水位部に常時汚水が堆積するものとなり、ひいて
は堆積物がウォータブロックを生ずるに至る。ウォータ
ブロックは、集水汚水ますに設けられている真空源が真
空下水管に真空圧を付与しても、この真空圧の上流側へ
の伝播を遮断し、結果として真空弁を駆動不能とし、ひ
いては汚水ますの水位が一定レベル以上に上昇しても真
空弁が開かれず、汚水は汚水ます内でオーバーフローし
てしまい、真空式下水道を不成立とする。
【0006】そこで従来、特開平4-258424号公報に記載
の如く、真空式下水道の伏越において、伏越の上流側と
下流側との間に2本の互いに並列をなす通水管と通気管
とを設け、通水管にウォータブロックが発生しても、下
流側真空圧を通気管によって上流側に伝え、真空式下水
道の成立を図ろうとするものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、真空式下
水道の伏越に通水管と通気管とを並列設置する従来技術
では、伏越の通水管に常に汚水が堆積した状態となり、
汚水の堆積量が増えた場合、通気管も汚水でふさがれて
しまうものとなる。このため、この従来技術では、通気
管に開閉弁aを設けるとともに、上流側真空下水管に大
気開放の開閉弁bを設け、定期的に、開閉弁aを閉じ、
開閉弁bを開く手動操作を行ない、伏越の堆積汚水を強
制的に搬送させる必要がある。この開閉弁a、bの開閉
操作は、手動で、定期的に確実に行なう必要があり、煩
雑である。
【0008】本発明は、真空式下水道のリフト、伏越等
の低水位部でウォータブロックを生じたときに、これを
自動的に解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上流側真空下
水管と下流側真空下水管とが低水位部を介して接続され
てなる真空式下水道のウォータブロック防止構造におい
て、低水位部にフロート室を連通し、フロート室の上部
に大気導入口を設け、フロート室の大気導入口を開閉す
るフロート弁を該フロート室の内部に設け、低水位部の
水位が予め定めた一定値を越えたときに、フロート弁の
上昇によって上記大気導入口を開いて低水位部の上流側
に大気を導入可能としてなるものである。
【0010】
【作用】真空式下水道のリフト、伏越等の低水位部に汚
水が堆積してウォータブロックを生ずると、この低水位
部の水位が上昇し、この低水位部に連通されているフロ
ート室の水位も同様に上昇する。ここで、フロート弁が
この水位上昇による浮力の増大を受けて上昇すると、フ
ロート弁によって閉じられていた大気導入口が開かれ、
低水位部の上流側に大気を導入するものとなる。これに
より、低水位部の汚水堆積物は、上流側の大気圧と下流
側の真空圧の差圧によりエアーブローされる。即ち、上
流側の大気は膨張しながら低水位部を通過して汚水堆積
物を一気にエアーブローし、下流側真空下水管に押し流
し、ウォータブロックを自動的に解消する。
【0011】尚、フロート弁は低水位部の水位によって
上下動して大気導入口を適時に開閉するものであり、何
らの駆動電源を必要としない。これにより、全体的に無
電源の真空式下水道を構築できる。
【0012】
【実施例】図1は真空式下水道を示す模式図、図2は図
1の要部を示す模式図、図3は真空弁を示す模式図、図
4はコントローラ部を示す断面図、図5はコントローラ
部を示す他の断面図、図6は本発明の第1実施例を示す
模式図、図7は真空式下水道へのフロート室ハウジング
の接続を示す模式図、図8は真空式下水道へのフロート
室の連通態様を示す模式図、図9は第2実施例を示す模
式図、図10は第3実施例を示す模式図である。
【0013】真空式下水道10は、図1、図2に示す如
く、汚水ます11に汚水流入管12を接続しており、汚
水ます11に連通する吸込み管13と、真空源に連通す
る真空下水管14との間の連絡部を開閉可能とする真空
弁15を有している。
【0014】即ち、各家庭等から排出される汚水は、自
然流下式の汚水流入管12から汚水ます11に流込む。
そして汚水が汚水ますに溜まると、真空弁15が開き、
汚水ます11内の汚水は吸込み管13から吸込まれる。
そして、この汚水は真空弁15を通って真空下水管14
に吸込まれ、真空ポンプ上の集水汚水ます16に集めら
れ、その後圧送ポンプによって下水処理場等に送られ
る。
【0015】このとき、真空式下水道10では、真空下
水管14の中間部にリフト17を設けた鋸歯状管路を採
用して真空下水管14の埋設深度を浅くし、真空下水管
14の敷設経路にある河川、地中配管等の障害物をくぐ
りぬける伏越18を設けている。そして、これらのリフ
ト17、伏越18は、上流側真空下水管14Aと下流側
真空下水管14Bとの間に低水位部19を形成するもの
となっている。
【0016】真空弁15は、図2、図3に示す如く、第
1と第2の各ハウジング21、22をバンドクランプ2
3によって一体化して構成されており、弁体24と弁作
動室25と、バネ26と、コントローラ部27を有して
構成されている。
【0017】弁体24は上述の吸込み管13と真空排出
管14との連絡部を構成する連絡路28を開閉する。
【0018】弁作動室25はバルブ弁体24と弁棒29
を介して連結されているカップ状のプランジャ30をス
ライド可能に収容する。
【0019】バネ26は弁作動室25のプランジャ30
より上室に内蔵されて、プランジャ30にバネ力を及ぼ
し、弁体24に閉止力を付与する。
【0020】コントローラ部27は、汚水ます11内の
汚水レベルの上昇時に弁作動室25に真空圧を付与して
バルブ弁体24に開力を付与し、真空弁15を開状態と
して吸込み管13に真空排出管14を導通せしめる。
【0021】コントローラ部27は以下の如く構成され
ている。
【0022】コントローラ部27は、図5に示す如く、
第1〜第5のシリンダ状のケース51〜55を通しボル
トで一体化して構成されている。通常第4のケース54
を真空弁15の第2ハウジング22にバンドクランプ3
6によって一体化される。
【0023】コントローラ部27には、汚水ます11に
連通する水位検知管37がホース38を介して接続され
る水位検知管接続口56を有している。水位検知管接続
口56は第1ケース51にダイヤフラム59を介して接
続されている。ダイヤフラム59には微小な貫通孔が設
けられており圧力が伝わるようになっている。
【0024】また、コントローラ部27は、真空排出管
14がホース41を介して接続される真空圧接続口57
を第3ケース53に設けている。
【0025】また、コントローラ部27は、大気連通管
43がホース44を介して接続される大気圧接続口58
を第3ケース53に設けている。
【0026】第1ケース51と第2ケース52は水位検
知ダイヤフラム60を介して接続されている。第1ケー
ス51の上部には水位検知ダイヤフラム60を手動で変
位できるようプランジャ61、バネ63、弾性体カバー
62で構成されるプッシュボタンを有している。第2ケ
ース52にはダイヤフラム60の下にプランジャ65
が、第3ケース53に設置した検知弁68に届くよう設
けている。第2ケース52と第3ケース53とが形成す
る圧力制御室としての上部部屋83に空気の漏洩を生じ
ないようにプランジャ65の部屋83への挿通部まわり
にはOリング67等の軸シールが設けられている。
【0027】検知弁68は、部屋83内に配設されてプ
ランジャ65により作動せしめられ、該部屋83内に真
空力を導入可能とする。即ち、第3ケース53は真空圧
接続口57に連通する通路57Aを備え、検知弁68は
通路57Aの部屋83への開口を開閉可能とするのであ
る。検知弁68は板バネ68Aの先端に通路57Aの開
口を閉塞可能とする舌片68Bを備え、板バネ68Aを
プランジャ61により弾性的に押込まれると舌片68B
を通路57Aの開口から離隔して該開口を開き、部屋8
3内に真空力を導入可能とするものである。尚、66は
プランジャ65の戻しバネである。
【0028】第4ケース54と第5ケース55には弁座
72、73が設けられ、第4ケース54の上部部屋85
は大気に通路92を通じて連通しており、第5ケース5
5の下部部屋87は真空排出管に通路91を通じて連通
している。第4ケース54下部と第5ケース55上部で
作られる部屋86は真空弁本体の作動室25に通路93
を通じて連通している。両者の弁座72、73の間に設
けた弁体71は、上下することにより大気と真空のいず
れかを部屋86に導くよう3方弁としての役割を果たし
ている。弁体71は第3ケース53と第4ケース54と
の間に設けた3方弁ダイヤフラム70に連結され、ダイ
ヤフラム70の上部には圧縮バネ69が設けられ第5ケ
ース55の弁座73に押付けられている。第3ケース5
3には隔壁が設けられているが一部に連通口88があ
り、検知弁68が作動して開になったとき上部部屋83
に付与される真空圧を下部部屋84に通じるようになっ
ている。また、第3ケース53の上部部屋83にはニー
ドル弁74が設けられており、ニードル弁74を通って
大気が徐々に入ってくるようになっている。
【0029】真空弁のコントローラ部27は以下の如く
動作する。 汚水ます11内の水位が上昇すると、水位検知管3
7、ホース38、水位検知ダイヤフラム上部室81の空
気圧力が上昇し、水位検出ダイヤフラム下部室82が大
気に連通しているため、圧力差を生じた水位検出ダイヤ
フラム60を下方に変位させる。
【0030】水位検出ダイヤフラム60の下部に設け
たプランジャ65がダイヤフラム60の変位により押さ
れて下方に変位し第3ケース53の上部部屋83に設け
た検知弁68を下方に押し下げ開作動させる。
【0031】検知弁68の作動により第3ケース室8
3、84が真空になり、3方弁ダイヤフラム70の下方
室85が大気に連通していることから圧力差を生じたダ
イヤフラム70が下方に引上げられ、これに伴って弁体
71も上昇して第5ケース55の弁座73から第4ケー
ス54の弁座72に移動し、真空弁本体の作動室25に
通じる部屋86を真空状態にさせる。これにより真空弁
本体が開状態になり、汚水ます内の汚水が真空排出管内
14に排出される。
【0032】汚水ます内の液体が排出されると、水位
が低下し、水位検出ダイヤフラム60の加圧が低下し、
プランジャ65に設けたバネ66により押し戻され、こ
れに伴って検知バルブ68が最初の状態に閉じる。
【0033】第3ケース53の部屋83にあった真空
はニードル弁74を通じて大気が取り入れられるため、
多少時間遅れが生じて大気状態になり、3方弁ダイヤフ
ラム70の両側の圧力差がなくなりバネ69に押されて
元の状態に戻り、弁体71も元の第5ケース55の弁座
73を閉じ、真空弁本体の作動室25に通じる部屋を大
気状態にさせる。これにより真空弁本体が閉状態にな
る。
【0034】然るに、真空式下水道10にあっては、真
空下水管14内の例えば伏越18(リフト17も同じ)
に形成される低水位部19に常に汚水が堆積するものと
なり、ひいては堆積物がウォータブロックを生ずるに至
る。ウォータブロックは、集水汚水ます16に設けられ
ている真空源が真空下水管14に真空圧を付与しても、
この真空圧の上流側への伝播を遮断し、結果として真空
弁15を駆動不能とし、ひいては汚水ます11の水位が
一定レベル以上に上昇しても真空弁15が開かれず、汚
水は汚水ます11でオーバーフローしてしまい、真空式
下水道を不成立とする。
【0035】そこで、真空式下水道10は、このウォー
タブロック防止構造として、図6に示す如く、低水位部
19にフロートハウジング101が画成するフロート室
102を、連通管101Aにより連通し、フロートハウ
ジング101におけるフロート室102の上部に大気導
入口103を設け、フロート室102の大気導入口10
3を開閉するフロート弁104をフロート室102の内
部に設けている。105は大気導入口103を開閉する
フロート弁104の平板状シール部である。また、10
6はカバーであり、107はフロート弁104を上下方
向にガイドするガイドである。
【0036】そして、真空式下水道10では、低水位部
19にウォータブロックを生ずることにより、低水位部
19の水位が予め定めた一定値、即ち危険水位H(図6
(A)を越えたときに、フロート弁104の上昇によっ
て大気導入口103を開いて低水位部19の上流側に大
気を導入し、上流真空下水管14Aの大気圧と下流真空
下水管14Bの真空圧との差圧により低水位部19の汚
水堆積物をエアブローして、ウォータブロックを解消す
る。
【0037】フロート弁104による大気導入口103
の開閉動作は以下の如くである。 (1) 低水位部19の水位は通常、図6(A)の如くであ
り、フロート弁104は大気導入口103を閉じてお
り、フロート室102の圧力は真空下水管14内の真空
圧P2 と略同等である。尚、大気圧はP1 、フロート弁
104の質量はW、シール部105のシール面積はA、
汚水密度はρ、重力加速度はgとする。
【0038】(2) 低水位部19の水位が危険水位Hより
低い図6(B)まで上昇したとき、フロート弁104の
水没堆積がV1 になると、フロート弁104にはV1 ρ
の浮力が生ずる。このとき、フロート弁104の重力W
gとシール部105のシール力(P1 +P2 )Aの合力
は、上記浮力に勝ち、大気導入口103は開かない。 Wg+(P1 +P2 )A>V1 ρ ………(1)
【0039】(3) 低水位部19の水位が図6(C)の如
くに危険水位Hに達すると、フロート弁104に生ずる
浮力V2 ρが、フロート弁104の重力Wgとシール部
105のシール力(P1 +P2 )Aの合力に勝ち、大気
導入口103が開く。これにより、大気がフロート室1
02から低水位部19の上流側に入り、低水位部19の
堆積汚水を下流側に押し流す。このとき、フロート室1
02の圧力は大気圧P 1 になる。 Wg+(P1 +P2 )A≦V2 ρ ………(2)
【0040】(4) 低水位部19のウォータブロックが上
記(3) により解消され、低水位部19の水位が図6
(D)の如くに低下すると、フロート弁104の重力W
gが浮力V3 ρに勝ち、大気導入口103が閉じられ、
フロート室102の圧力は再び真空下水管14内の真空
圧P2 と略同等になり、(1) に戻る。 Wg=V3 P ……(3) 尚、V1 、V2 、V3 の関係は、V3 <V1 <V2 であ
る。
【0041】尚、低水位部19におけるフロートハウジ
ング101の接続構造は、連通管101Aを低水位部1
9に螺合するねじ接合(図7(A))、低水位部19に
サドル108を融着し、このサドル108にソケット1
09を介して連通管101Aを融着する融着接合(図7
(B))等、如何なるものであっても良い。
【0042】また、低水位部19に対するフロートハウ
ジング101の連通部位は、低水位部19の管周方向の
いずれの位置でも良く、上、横、下のいずれでも良い
(図8)。
【0043】以下、真空下水道10の作動について説明
する。 (1) 真空式下水道10の通常作動時には、集水汚水ます
16に設けられている真空源が真空下水管14の下流側
真空下水管14B〜上流側真空下水管14Aに真空圧を
付与する。そして、汚水ます11の汚水の水位が一定レ
ベルを越えると、真空弁15が上流側真空下水管14A
内の真空圧を駆動動力源として開き、汚水ます11内の
汚水は吸込み管13から真空弁15を通って真空下水管
14に吸込まれ、集水汚水ます16に集められる。
【0044】(2) 真空式下水道10の低水位部19に汚
水の堆積によるウォータブロックが生ずると、集水汚水
ます16に設けられている真空源の真空圧は低水位部1
9で遮断されて、上流側真空下水管14Aに及ばないも
のとなる。このとき、低水位部19の水位が危険水位H
を越えると、フロート弁104がフロート室102の大
気導入口103を開き、低水位部19の上流側に大気を
導入する。これにより、低水位部19の汚水堆積物は、
上流側真空下水管14Aの大気圧と下流側真空下水管1
4Bの真空圧との差圧によりエアーブローされ、ウォー
タブロックを解消する。
【0045】(3) 上記(2) によりウォータブロックが解
消されると、フロート弁104が再び大気導入口103
を閉じ、集水汚水ます16に設けられている真空源の真
空圧が再び上流側真空下水管14Aに及び、真空弁15
の安定作動性が回復され、上記(1) に戻る。
【0046】以下、本実施例の作用について説明する。
真空式下水道10のリフト17、伏越18等の低水位部
19に汚水が堆積してウォータブロックを生ずると、こ
の低水位部19の水位が上昇し、この低水位部19に連
通されているフロート室102の水位も同様に上昇す
る。ここで、フロート弁104がこの水位上昇による浮
力の増大を受けて上昇すると、フロート弁104によっ
て閉じられていた大気導入口103が開かれ、低水位部
19の上流側に大気を導入するものとなる。これによ
り、低水位部19の汚水堆積物は、上流側の大気圧と下
流側の真空圧の差圧によりエアーブローされる。即ち、
上流側の大気は膨張しながら低水位部19を通過して汚
水堆積物を一気にエアーブローし、下流側真空下水管1
4Bに押し流し、ウォータブロックを自動的に解消す
る。
【0047】尚、フロート弁14は低水位部19の水位
によって上下動して大気導入口103を適時に開閉する
ものであり、何らの駆動電源を必要としない。これによ
り、全体的に無電源の真空式下水道10を構築できる。
【0048】図9のウォータブロック防止構造は、図6
のウォータブロック防止構造と実質的に同じである。こ
の図9のウォータブロック防止構造が図6のウォータブ
ロック防止構造と異なる点は、シール部105を円錐状
シール部としたことにある。
【0049】図10のウォータブロック防止構造が、図
6のウォータブロック防止構造と実質的に異なる点は、
フロート弁104がフロート室102の大気導入口10
3を開いた後、大気導入口103を再び閉じるまでの時
間を遅延化するようにしたことにある。即ち、フロート
室102は、低水位部19に直接連通する第1室102
Aと、この第1室102Aに小孔111を介して連通す
る第2室102Bとに分割され、フロート弁104を第
2室102Bの内部に設けたものである。
【0050】従って、図10のウォータブロック防止構
造にあっては、低水位部19にウォータブロックを生じ
て第1室102A、第2室102Bの水位が危険水位H
を越え、第2室102B内のフロート弁104が上昇し
て大気導入口103を開いた後、低水位部19の堆積汚
水が下流側に押し流されて第1室102Aの水位が低下
しても、小孔111の存在が第2室102Bの水位の低
下を遅延化させる。これにより、第2室102Bの水位
が危険水位Hよりも低下するまでの遅延時間経過まで、
フロート弁104が大気導入口103を開き続け、低水
位部19のウォータブロックを完全に解消するまで低水
位部19の上流側に大気を導入可能とするのである。
【0051】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
たが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があっても本発明に含まれる。例えば、フロート室
102の上部空間を大気導入管によって上流真空下水管
14Aに連通し、大気導入口103が開かれることによ
ってフロート室102に導入された大気を上記大気導入
管によって上流側真空下水管14Aに導入せしめるもの
であっても良い。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、真空式下
水道のリフト、伏越等の低水位部でウォータブロックを
生じたときに、これを自動的に解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は真空式下水道を示す模式図である。
【図2】図2は図1の要部を示す模式図である。
【図3】図3は真空弁を示す模式図である。
【図4】図4はコントローラ部を示す断面図である。
【図5】図5はコントローラ部を示す他の断面図であ
る。
【図6】図6は本発明の第1実施例を示す模式図であ
る。
【図7】図7は真空式下水道へのフロート室ハウジング
の接続を示す模式図である。
【図8】図8は真空式下水道へのフロート室の連通態様
を示す模式図である。
【図9】図9は第2実施例を示す模式図である。
【図10】図10は第3実施例を示す模式図である。
【符号の説明】
10 真空式下水道 14 真空下水管 14A 上流側真空下水管 14B 下流側真空下水管 19 低水位部 102 フロート室 103 大気導入口 104 フロート弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側真空下水管と下流側真空下水管と
    が低水位部を介して接続されてなる真空式下水道のウォ
    ータブロック防止構造において、 低水位部にフロート室を連通し、フロート室の上部に大
    気導入口を設け、フロート室の大気導入口を開閉するフ
    ロート弁を該フロート室の内部に設け、 低水位部の水位が予め定めた一定値を越えたときに、フ
    ロート弁の上昇によって上記大気導入口を開いて低水位
    部の上流側に大気を導入可能としてなることを特徴とす
    る真空式下水道のウォータブロック防止構造。
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