JP3322476B2 - 薄膜パターンニング方法 - Google Patents

薄膜パターンニング方法

Info

Publication number
JP3322476B2
JP3322476B2 JP5081194A JP5081194A JP3322476B2 JP 3322476 B2 JP3322476 B2 JP 3322476B2 JP 5081194 A JP5081194 A JP 5081194A JP 5081194 A JP5081194 A JP 5081194A JP 3322476 B2 JP3322476 B2 JP 3322476B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
etching
mixed
nitrogen
patterning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5081194A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07258869A (ja
Inventor
潤一 西野
良寛 湯浅
義和 山岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP5081194A priority Critical patent/JP3322476B2/ja
Publication of JPH07258869A publication Critical patent/JPH07258869A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3322476B2 publication Critical patent/JP3322476B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜のパターンニング方
法に関する。特に本発明はX線露光において使用される
X線露光用マスクの吸収体の形成方法に関する。本発明
においてはX線露光用マスクのサイドエッチング量が減
少され、パターン転写率が高いX線露光用マスクが形成
できる。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの薄膜形成技術において
は超微細加工が要求され、この超微細加工に適したX線
露光技術の開発が行われている。前記X線露光にはX線
を吸収し非加工体へのX線の透過を阻止する吸収体を備
えたX線露光用マスクが使用される。X線露光用マスク
の吸収体には一般的にW(タングステン)、Ti−W
(タングステンチタン)、Ta(タンタル)等の高融点
金属(又は遷移金属)薄膜が使用される。
【0003】前記X線露光用マスク、特にX線露光用マ
スクの吸収体の形成方法について、図13及び図14を
使用し説明する。
【0004】まず、図13に示すように、第1工程とし
て基体10表面上にX線露光用マスクの吸収体である薄
膜12を形成し、前記薄膜12の表面上の所定領域にエ
ッチングマスク13を形成する。薄膜12にはW薄膜が
使用され、このW薄膜はスパッタ装置で堆積される。エ
ッチングマスク13には一般的にリフトオフ技術でパタ
ーンが形成されたCr(クロム)薄膜が使用される。前
記基体10はX線露光用マスクの吸収体を形成するため
の基板である。
【0005】次に、図14に示すように、第2工程とし
て前記薄膜12にパターンニングを施す。パターンニン
グにはエッチングマスク13が使用され、エッチングマ
スク13から露出する薄膜12がエッチングで除去され
る。エッチングはSF6 をエッチングガスとする異方性
エッチングで行われる。この後、必要に応じてエッチン
グマスク13が除去され、エッチングされた薄膜12で
X線露光用マスクの吸収体が完成する。
【0006】前記異方性エッチングは電界で加速された
イオン及びFラジカルの双方でエッチングが進行する。
基体10の表面に対して垂直方向に電界を発生させれば
イオンは同一方向に加速され、W薄膜のエッチングされ
た側壁がほぼ垂直な形状でパターンニングが行われる。
つまり、異方性エッチングにおいて縦方向(垂直方向)
に高い異方性が得られる。
【0007】一方、Fラジカルは電界の影響を受けない
ので、縦方向及び横方向に等方性エッチングが進行す
る。従って、同図14に示すように、薄膜12には横方
向のエッチング(サイドエッチング)でエッチングマス
ク13の寸法よりも寸法が縮小されたアンダカットが発
生する。
【0008】前記X線露光用マスクの吸収体の形成方法
においては薄膜12にアンダカットが発生し、エッチン
グマスク13から薄膜12に転写されるパターン寸法差
が大きい。つまり、パターン転写率が悪く、超微細加工
には不適切である。
【0009】そこで、図15に示すように、一般的には
異方性エッチング中に薄膜12のエッチングされた側壁
に保護膜が形成され、サイドエッチングの進行が抑制さ
れる。保護膜はエッチングガスに混入された側壁保護膜
形成用ガスで形成される。側壁保護膜形成用ガスとして
は例えばCHF3 が使用され、W薄膜のエッチングされ
た側壁には有機高分子化合物と推定される薄膜からなる
保護膜が形成される。
【0010】また、異方性エッチングにおいて基体10
を冷却し、薄膜12のアンダカットを減少するエッチン
グ方法が採用される。基体10は例えば−50度に冷却
される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
X線露光用マスクの吸収体の形成方法においては以下の
点の配慮がなされていない。
【0012】第1に、異方性エッチング中に薄膜12の
側壁に保護膜を形成する場合には異方性エッチングに特
別な側壁保護膜形成用ガスが使用される。この側壁保護
膜形成用ガスにはCHF3 が使用されるので、形成プロ
セス中、ガス取扱い中などでの安全性が低下する。しか
も、CHF3 のコストが高い。
【0013】第2に、異方性エッチング中に基体10を
冷却する場合にはエッチング装置に冷却システムが必要
になる。このため、エッチング装置が複雑化されかつ大
型化され、エッチング設備費用が増大するので、結果的
にX線露光用マスクの制作費用が増大する。
【0014】本発明はこのような問題点を解決すること
を課題としてなされたものであり、本発明の目的は以下
の通りである。
【0015】(1)保護膜形成プロセス及び冷却システ
ムを採用せずに高い異方性でパターンニングが行えかつ
薄膜形成プロセスが簡素化できる薄膜のパターンニング
方法を提供する。
【0016】(2)保護膜形成プロセス及び冷却システ
ムを採用せずに高い異方性でパターンニングが行えかつ
薄膜形成プロセスが簡素化でき、しかもX線吸収率が優
れたX線露光用マスクの形成方法を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は本発明者が行っ
た研究結果で得られた下記の事実に基づいてなされたも
のである。つまり、X線露光用マスクの吸収体として使
用されるW薄膜に積極的に窒素を混入し、非晶質構造の
WNXを形成し、このWNXをSF6でパターンニングし
た場合にFラジカルによるサイドエッチングが減少でき
る。
【0018】従って、請求項1の薄膜パターンニング方
法は、以下の工程(1)及び(2)を備えたことをその
要旨とする。 (1)W又はWの混合物に薄膜を形成する系内で自然に
混入されるよりも多くかつ工程(2)でエッチングでき
る範囲において窒素、酸素のいずれかが10原子パーセ
ント以上30原子パーセント以下の範囲で混入され、非
晶質構造を有する薄膜を基体表面上に形成する工程。 (2)薄膜をパターンニングする系内で前記薄膜の一部
の領域に加速されたイオン及びラジカルの双方で異方性
エッチングを行い、前記薄膜をパターンニングする工
程。
【0019】請求項2の薄膜パターンニング方法は、請
求項1に記載される発明において、前記Wに窒素が10
原子パーセント以上20原子パーセント以下の範囲で混
入された非晶質構造を有する薄膜が形成されることをそ
の要旨とする
【0020】請求項3の薄膜パターンニング方法は、請
求項2に記載される発明において、前記パターンニング
された薄膜がX線露光用マスクとして使用されることを
その要旨とする
【0021】請求項4の薄膜パターンニング方法は、請
求項1乃至請求項3に記載されるいずれかの発明におい
て、前記薄膜が以下の条件(1)乃至条件(3)で形成
されることをその要旨とする。 (1)前記薄膜が高周波マグネトロンスパッタで堆積さ
れる。 (2)前記高周波マグネトロンスパッタにおいてArに
2 、O 2 のいずれかが混合されたスパッタガスが使用さ
れ、W又はWの混合物の堆積中に窒素、酸素が混入され
る。 (3)基板温度が室温に設定される。
【0022】請求項5の薄膜パターンニング方法は、請
求項1乃至請求項4に記載されるいずれかの発明におい
て、前記薄膜が以下の条件(1)乃至条件(3)でパタ
ーンニングされることをその要旨とする。 (1)前記薄膜がECRエッチングでエッチングされ
る。 (2)前記ECRエッチングにおいてSF 6 を主成分と
するエッチングガスが使用される。
【0023】
【0024】
【作用】本発明においては、第1に、パターンニング前
に予めW又はWの混合物に自然に混入されるよりも多く
窒素酸素が積極的に混入され、非晶質構造を有する
WNX、W混合物の窒化物、WOy又はW混合物の酸化物
からなる薄膜が形成される。この薄膜に適量に混入され
窒素又は酸素はパターンニング時に発生するラジカル
でのエッチングの進行を抑制する。つまり、薄膜のパタ
ーンニングには加速されたイオンでのエッチングが支配
的になるので、パターンニングされた薄膜の側壁に発生
するアンダカットが減少され、パターンニングに高い異
方性が得られる。すなわち、薄膜のパターンニングにお
いては高い異方性が得られるので薄膜の側壁に保護膜を
形成する必要がなくなり、さらに室温において高い異方
性が得られるので冷却システムが不要にできる。一方、
薄膜に混入される窒素酸素の量が増加するとセラミッ
ク状態になり、加速されたイオンでのエッチングができ
なくなるので、薄膜に混入される窒素酸素の量はエッ
チングできる範囲に抑えられる。本発明においては前記
W又はWの混合物に窒素酸素のいずれかが10原子パ
ーセント以上30原子パーセント以下の範囲で混入され
る。
【0025】さらに、本発明においては、第2に、前記
Wに窒素が10原子パーセント以上20原子パーセント
以下の範囲で混入された非晶質構造を有する薄膜が形成
される。この範囲で窒素が混入されたWNX薄膜はX線
吸収率に優れ、X線露光用マスクの吸収体として使用が
できる。すなわち、高い異方性で形成されパターン転写
率が高く、かつX線吸収率に優れたX線露光用マスクが
形成できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を用いて説明する。
【0027】本発明に係るX線露光用マスクの形成方法
について、図1乃至図3を使用し説明する。
【0028】まず、図1に示すように、第1工程として
基体1の表面上に薄膜2を形成する。この薄膜2はX線
露光用マスクの吸収体に使用される。薄膜2の形成には
高周波(RF)マグネトロンスパッタ装置が使用され、
以下の条件において薄膜2が形成される。
【0029】(1)ターゲットにはX線露光用マスクの
吸収体に最適なWターゲットが使用される。
【0030】(2)スパッタガスにはArにN2を混入
した混合ガスが使用される。前記N2は堆積されるW薄
膜中に積極的に混入することを目的として、N2のAr
に対する混合比は0体積%を超え50体積%以下の範囲
に設定される。
【0031】(3)高周波パワー密度は3〜4W/cm2
(300W前後)に設定される。
【0032】(4)基体1の温度(基板温度)は室温に
設定される。
【0033】(5)成膜圧力は1. 33〜4. 0Paに
設定される。
【0034】以上の条件においては窒素が混入された非
晶質構造(アモルファス構造)のWNX薄膜からなる薄
膜2が形成される。WNX薄膜はX線露光用マスクの吸
収体として適切な400〜800nm程度の膜厚で形成
される。WNX薄膜には高周波マグネトロンスパッタ装
置のチャンバ内、すなわち薄膜形成時の真空系内におい
てスパッタガスを除くガスや大気に含まれる窒素がW薄
膜中に自然に混入される量に比べて数倍〜数十倍以上の
窒素が混入される。本実施例においてWNX薄膜には1
0原子パーセント以上の窒素が混入される。
【0035】一方、WNX薄膜中の窒素の混入量が増加
しすぎるとWNX薄膜がセラミック状態になり、異方性
エッチングの加速されたイオンでのエッチングができな
くなる。従って、WNX薄膜にはエッチングができる範
囲において窒素が混入される。本実施例においてWNX
薄膜には30原子パーセント以下の窒素が混入される。
【0036】さらに、WNX薄膜の膜厚及びX線露光で
使用されるX線の波長で値が変化するが、WNX薄膜の
膜厚が上記条件で形成される場合においてはWNX薄膜
に混入される窒素が20原子パーセントを超えるとX線
吸収率が許容範囲を超える。つまり、X線露光用マスク
の吸収体材料として不適切になるので、WNX薄膜に混
入される窒素は20原子パーセント以下に設定される。
【0037】次に、図2に示すように、第2工程として
前記薄膜2の表面の一部の領域にエッチングマスク3を
形成する。エッチングマスク3には例えばリフトオフ技
術で形成されたCr薄膜が使用される。前記リフトオフ
技術においてCr薄膜の選択的形成(Cr薄膜パターン
の形成)には塗布されマスクパターンが描画されたレジ
ストが使用される。前記レジストとしては例えば東京応
化社製、商品名CEBR−1010が使用される。マス
クパターンの描画にはFIB(Focus IonBeem )法
が使用される。エッチングマスク3の最小加工寸法幅は
例えば0. 1μmで形成される。
【0038】次に、図3に示すように、第3工程として
前記薄膜2に異方性エッチングを施し、前記薄膜2をパ
ターンニングする。薄膜2のパターンニングにはECR
(Electron Cyclotron Resonance)エッチング装置
が使用され、以下の条件において薄膜2がパターンニン
グされる。
【0039】(1)マイクロ波パワーは300Wに設定
される。
【0040】(2)高周波(RF)バイアスは80Wに
設定される。
【0041】(3)エッチングガスにはSF6 又はSF
6 を主成分とするエッチングガスが使用される。
【0042】(4)ガス流量は0. 5sccmに設定され
る。
【0043】(5)ガス圧力は2×10-3Paに設定さ
れる。
【0044】(6)基体1の温度(基板温度)は室温に
設定される。
【0045】以上の条件においてはECRエッチング装
置のチャンバ内、すなわち薄膜パターンニング時の真空
系内でエッチングガスからプラズマ状態のイオンが生成
される。プラズマ状態のイオンは電界で加速され、この
加速されたイオンで薄膜2の縦方向(膜厚方向)のエッ
チングが行われる。同時にエッチングガスから等方性エ
ッチング特に横方向のエッチングを行うFラジカルが生
成され、薄膜2は前記加速されたイオン及びFラジカル
の双方でエッチングが行われる。
【0046】本実施例においては予めW薄膜に積極的に
窒素が混入された非晶質構造のWNX薄膜で薄膜2が形
成され、この薄膜2が加速されたイオン及びFラジカル
の双方でエッチングされる。このようにパターンニング
された薄膜2の側壁には同図3に示すようにほとんどア
ンダカットが発生せず、基体1の表面に対して実質的に
垂直に薄膜2の側壁が形成される。
【0047】次に、第4工程として前記エッチングマス
ク3が除去され、X線露光用マスクの吸収体が完成す
る。なお、本実施例においてはX線露光用マスクの吸収
体しか説明していないが、吸収体そのものでは機械的強
度が確保できないので実際には吸収体の周囲に枠体(支
持台)が形成される。前記枠体が形成されるとX線露光
用マスクが完成する。
【0048】ここで、WNX薄膜に混入される窒素の量
とWNx薄膜のパターンニングされた側壁の形状との関
係について、走査型電子顕微鏡(SEM)写真及びその
写真から描写した解説用断面図を使用し説明する。WN
X薄膜はいずれも550nmの膜厚で形成され、エッチ
ングマスク3のパターン寸法はいずれも100nmで形
成される。
【0049】ピュアW薄膜のパターンニング 図4はパターンニングされたピュアW薄膜の走査型電子
顕微鏡写真であり、図5に解説用断面を示す。図4及び
図5に示すように、ピュアW薄膜においてはFラジカル
による横方向のエッチング量が大きく、ピュアW薄膜の
側壁にアンダカットが発生する。アンダカットが大きい
ので、折れ曲がったピュアW薄膜が存在する。
【0050】WNx薄膜のパターンニング1 図6はパターンニングされたWNx薄膜の走査型電子顕
微鏡写真であり、図7に解説用断面を示す。図6に示す
写真はN2が約2.9体積%の割合でAr:N2の流量比
が調整されたスパッタガスが使用され形成されたWNx
薄膜の断面形状を示す。図6及び図7に示すように、W
Nx薄膜においてはFラジカルによる横方向のエッチン
グが無視できない範囲にあり、アンダカットが若干改善
されているものの、WNx薄膜の断面形状としては適切
でない。しかも、アンダカットに起因するWNx薄膜の
断面形状のばらつきが存在する。
【0051】WNx薄膜のパターンニング2 図8はパターンニングされたWNx薄膜の走査型電子顕
微鏡写真であり、図8に解説用断面を示す。図8に示す
写真はN2が約3.8体積%の割合でAr:N2の流量比
が調整されたスパッタガスが使用され形成されたWNx
薄膜の断面形状を示す。図8及び図9に示すように、W
Nx薄膜においてはFラジカルによる横方向のエッチン
グが抑制され、側壁のアンダカットがほとんど存在しな
い。つまり、WNx薄膜の側壁が基体1の表面に対して
実質的に垂直に形成され、しかもWNx薄膜の断面形状
にばらつきがない。WNx薄膜の断面形状としては最適
である。
【0052】さらに、図12にWNX薄膜の膜密度とス
パッタガスに混合されるN2濃度との関係を示す。図1
2に示すWNX薄膜は成膜圧力が2.66Pa、高周波
パワー密度が3.82W/cm2、基板温度が室温、膜堆
積速度が20minの各々の条件下において形成され
る。WNX薄膜の形成においてスパッタガスに混入され
るN2濃度が3.8体積%以上になると膜密度が16.
2g/cm3以下に低くなり、X線吸収率が低下するので
X線露光用マスクの吸収体材料としては不適切になる。
従って、本実施例においてX線露光用マスクの吸収体と
してのWNX薄膜はスパッタガスのN2濃度を3.0〜
3.8体積%の範囲で設定することが好ましい。WNx
薄膜に混入される窒素濃度としては20原子パーセント
以下に相当する。
【0053】WNX薄膜のパターンニング3 図10はパターンニングされたWNx薄膜の走査型電子
顕微鏡写真であり、図11に解説用断面を示す。図10
に示す写真はN2が約5.7体積%の割合でAr:N2
流量比が調整されたスパッタガスが使用され形成された
WNx薄膜の断面形状を示す。図10及び図11に示す
ように、WNX薄膜においてはFラジカルによる横方向
のエッチングがほぼ完全に抑制され、横方向のエッチン
グ速度がかなり遅くなる(窒素の混入量が増加するとエ
ッチングレートが遅くなる)ので、側壁のアンダカット
が存在しない。つまり、WNX薄膜の側壁が基体1の表
面に対して垂直に形成され、しかもWNX薄膜の断面形
状にばらつきがない。WNX薄膜の断面形状としては最
適であるが、X線吸収率が低下するのでX線露光用マス
クの吸収体材料としては不適切である。
【0054】以上の説明においてはX線露光用マスクの
吸収体としてWNX薄膜が使用されるが、本発明は吸収
体として同等の特性を有するWの混合物、具体的にはT
i−W薄膜に窒素を混入してもよい。また、X線露光用
マスクの吸収体として使用されるTa薄膜についても同
様に窒素を混入することが考えられる。
【0055】さらに、本発明においてはW薄膜等に混入
する窒素に代えて酸素が使用できる。つまり、本発明に
おいては、例えば予めWOy薄膜が形成され、このWOy
薄膜に加速されたイオン及びラジカルの双方でエッチン
グが行われる。
【0056】このように本実施例においては以下の効果
が得られる。
【0057】第1に、パターンニング前に予めW又はW
の混合物に自然に混入されるよりも多くの窒素酸素
積極的に混入され、非晶質構造を有するWNX、W混合
物の窒化物、WOy又はW混合物の酸化物からなる薄膜
2が形成される。この薄膜2に適量に混入された窒素
酸素はパターンニング時に発生するラジカルでのエッ
チングの進行を抑制する。つまり、薄膜2のパターンニ
ングには加速されたイオンでのエッチングが支配的にな
るので、パターンニングされた薄膜2の側壁に発生する
アンダカットが減少され、パターンニングに高い異方性
が得られる。すなわち、薄膜2のパターンニングにおい
ては高い異方性が得られるので薄膜2の側壁に保護膜を
形成する必要がなくなり、さらに室温において高い異方
性が得られるので冷却システムが不要にできる。前記薄
膜2の側壁に保護膜を形成する必要がなくなるとCHF
3の使用がなくなり、形成プロセスに安全性が高い窒素
又は酸素が使用できる。しかも、窒素又は酸素はコスト
が安い。一方、薄膜2に混入される窒素酸素の量が増
加するとセラミック状態になり、加速されたイオンでの
エッチングができなくなるので、薄膜2に混入される
酸素の量はエッチングできる範囲に抑えられる。
【0058】第2に、前記Wに窒素が10原子パーセン
ト以上20原子パーセント以下の範囲で混入された非晶
質構造を有する薄膜2が形成される。この範囲で窒素
混入されたWNX薄膜はX線吸収率に優れ、X線露光用
マスクの吸収体として使用ができる。すなわち、高い異
方性で形成されパターン転写率が高く、かつX線吸収率
に優れたX線露光用マスクが形成できる。
【0059】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々変更できる。
【0060】例えば、本発明は前記薄膜2に窒素及び
の双方を混入してもよい。また、本発明は、X線露光
用マスク以外にも光励起プロセスで使用されるステンシ
ルマスク、詳細にはこのステンシルマスクの吸収体に適
用できる。前記ステンシルマスクにおいては吸収体の腐
食の防止を目的として吸収体の表面に保護膜例えばAu
薄膜がコーティングされる。また、本発明は、単にエッ
チングマスクだけに適用できるのではなく、不純物導入
マスクにも適用できる。さらに、本発明は、X線露光用
マスク等のマスク以外に半導体デバイスで使用されるW
薄膜、Ti−W薄膜のパターンニングに適用できる。こ
れらの薄膜は配線、バリア層等に使用される。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果が得られる。
【0062】(1)保護膜形成プロセス及び冷却システ
ムを採用せずに高い異方性でパターンニングが行えかつ
薄膜形成プロセスが簡素化できる薄膜のパターンニング
方法が提供できる。
【0063】(2)保護膜形成プロセス及び冷却システ
ムを採用せずに高い異方性でパターンニングが行えかつ
薄膜形成プロセスが簡素化でき、しかもX線吸収率が優
れたX線露光用マスクの形成方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線露光用マスクの形成方法を説
明する第1工程におけるX線露光用マスクの断面図であ
る。
【図2】第2工程におけるX線露光用マスクの断面図で
ある。
【図3】第3工程におけるX線露光用マスクの断面図で
ある。
【図4】薄膜の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
【図5】前記図4に示す走査型電子顕微鏡写真の解説用
断面図である。
【図6】薄膜の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
【図7】前記図6に示す走査型電子顕微鏡写真の解説用
断面図である。
【図8】薄膜の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。
【図9】前記図8に示す走査型電子顕微鏡写真の解説用
断面図である。
【図10】薄膜の走査型電子顕微鏡写真を示す図であ
る。
【図11】前記図10に示す走査型電子顕微鏡写真の解
説用断面図である。
【図12】薄膜の膜密度とスパッタガスに混合されるガ
ス濃度との関係を示す図である。
【図13】従来のX線露光用マスクの形成方法を説明す
る第1工程におけるX線露光用マスクの断面図である。
【図14】第2工程におけるX線露光用マスクの断面図
である。
【図15】従来のX線露光用マスクの他の形成方法を説
明する所定工程におけるX線露光用マスクの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 基体 2 薄膜 3 エッチングマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−22391(JP,A) 特開 平4−105320(JP,A) 特開 平7−135157(JP,A) 特開 平5−234961(JP,A) 特開 平5−136103(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 - 4/04 G03F 1/16 H01L 21/027

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の工程(1)及び(2)を備えたこ
    とを特徴とする薄膜パターンニング方法。 (1)W又はWの混合物に薄膜を形成する系内で自然に
    混入されるよりも多くかつ工程(2)でエッチングでき
    る範囲において窒素酸素のいずれかが10原子パーセ
    ント以上30原子パーセント以下の範囲で混入され、非
    晶質構造を有する薄膜を基体表面上に形成する工程。 (2)薄膜をパターンニングする系内で前記薄膜の一部
    の領域に加速されたイオン及びラジカルの双方で異方性
    エッチングを行い、前記薄膜をパターンニングする工
    程。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される薄膜パターンニン
    グ方法において、 前記Wに窒素が10原子パーセント以上20原子パーセ
    ント以下の範囲で混入された非晶質構造を有する薄膜が
    形成されることを特徴とする薄膜パターンニング方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載される薄膜パターンニン
    グ方法において、 前記パターンニングされた薄膜がX線露光用マスクとし
    て使用されることを特徴とする薄膜パターンニング方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3に記載されるいず
    れかの薄膜のパターンニング方法において、前記薄膜が
    以下の条件(1)乃至条件(3)で形成されることを特
    徴とする薄膜パターンニング方法。 (1)前記薄膜が高周波マグネトロンスパッタで堆積さ
    れる。 (2)前記高周波マグネトロンスパッタにおいてArに
    2、O2のいずれかが混合されたスパッタガスが使用さ
    れ、W又はWの混合物の堆積中に窒素酸素が混入され
    る。 (3)基板温度が室温に設定される。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4に記載されるいず
    れかの薄膜パターンニング方法において、前記薄膜が以
    下の条件(1)乃至条件(3)でパターンニングされる
    ことを特徴とする薄膜パターンニング方法。 (1)前記薄膜がECRエッチングでエッチングされ
    る。 (2)前記ECRエッチングにおいてSF6を主成分と
    するエッチングガスが使用される。 (3)基板温度が室温に設定される。
JP5081194A 1994-03-22 1994-03-22 薄膜パターンニング方法 Expired - Fee Related JP3322476B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5081194A JP3322476B2 (ja) 1994-03-22 1994-03-22 薄膜パターンニング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5081194A JP3322476B2 (ja) 1994-03-22 1994-03-22 薄膜パターンニング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07258869A JPH07258869A (ja) 1995-10-09
JP3322476B2 true JP3322476B2 (ja) 2002-09-09

Family

ID=12869155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5081194A Expired - Fee Related JP3322476B2 (ja) 1994-03-22 1994-03-22 薄膜パターンニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3322476B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07258869A (ja) 1995-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5447598A (en) Process for forming resist mask pattern
US5302240A (en) Method of manufacturing semiconductor device
JP2915807B2 (ja) 六弗化イオウ、臭化水素及び酸素を用いる珪化モリブデンのエッチング
US6090717A (en) High density plasma etching of metallization layer using chlorine and nitrogen
US5883007A (en) Methods and apparatuses for improving photoresist selectivity and reducing etch rate loading
JPH0590224A (ja) 半導体装置の製造方法
JP3300632B2 (ja) 半導体装置のエッチング方法
JPS60105235A (ja) アルミニウムおよびアルミニウム合金の反応性イオンエッチング法
JPH10116823A (ja) メタルポリサイド構造体のエッチング方法
JP3339920B2 (ja) SiOx材料をプラズマエッチングするための方法および集積回路内の層間の金属接続部を生成するための方法
JPH10135194A (ja) ハードマスクを用いてトランジスタゲートをエッチングする方法
US5391244A (en) Dry etching method
US6103631A (en) Method of manufacturing semiconductor device
US6080681A (en) Method of forming wiring pattern
US20020003126A1 (en) Method of etching silicon nitride
JP3440735B2 (ja) ドライエッチング方法
JP3322476B2 (ja) 薄膜パターンニング方法
US5827436A (en) Method for etching aluminum metal films
JP3279016B2 (ja) ドライエッチング方法
JP2646811B2 (ja) ドライエッチング方法
JP3445584B2 (ja) 反射防止膜のエッチング方法
KR20190114274A (ko) 구리 박막의 건식 식각방법
JP3277414B2 (ja) ドライエッチング方法
JP2949731B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0590225A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees