JP3319338B2 - 熱電材料及びその製造方法 - Google Patents

熱電材料及びその製造方法

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JP3319338B2
JP3319338B2 JP14694497A JP14694497A JP3319338B2 JP 3319338 B2 JP3319338 B2 JP 3319338B2 JP 14694497 A JP14694497 A JP 14694497A JP 14694497 A JP14694497 A JP 14694497A JP 3319338 B2 JP3319338 B2 JP 3319338B2
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裕磨 堀尾
博之 山下
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10N10/00Thermoelectric devices comprising a junction of dissimilar materials, i.e. devices exhibiting Seebeck or Peltier effects
    • H10N10/80Constructional details
    • H10N10/85Thermoelectric active materials
    • H10N10/851Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions
    • H10N10/852Thermoelectric active materials comprising inorganic compositions comprising tellurium, selenium or sulfur

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  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電発電及び及び熱
電冷却等に応用される熱電変換素子及びその製造方法に
関し、特に、性能指数を向上させることができる熱電材
料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電材料の製造方法として、液体急冷法
を使用して熱電材料の溶湯を薄膜化し、これを粉末化し
た後、焼結法により粉末化された原料を固化成形する方
法がある。このようにして製造された熱電材料は、熱電
材料の溶湯を急冷する時又は熱電材料の薄膜を粉末化す
る時に、粉末の表面が酸化して、固化成形時にこの粉末
間の界面に酸化膜が形成される。
【0003】ところで、熱電材料の特性は、そのゼーベ
ック係数をα(μ・V/K)、比抵抗をρ(Ω・m)、
熱伝導率をκ(W/m・K)としたとき、下記数式1に
示す性能指数Zによって評価することができる。即ち、
性能指数Zの値が大きいほど、熱電材料の特性は優れて
いる。
【0004】
【数1】Z=α2/(ρ×κ)。
【0005】上記数式1に示すように、熱電材料の特性
を向上させるためには、比抵抗ρ又は熱伝導率κを小さ
くすることが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法により熱電材料を製造すると、粉末の表面に形成さ
れた酸化膜により、熱電材料の比抵抗ρが大きくなって
しまうという問題点がある。従って、従来の熱電材料は
その性能指数に限界があり、例えば、4.0×10
-3(1/K)未満であった。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、4.0×10-3(1/K)以上の高い性能
指数を得ることができる熱電材料及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱電材料
は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくとも
1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された
少なくとも1種の元素とを含有する熱電材料において、
液体急冷法により得られた材料を加熱中に加圧すること
により固化成形されたものであり、結晶粒の平均粒径が
50μm以下、酸素含有量が1500質量ppm以下に
規制されていることを特徴とする。
【0009】また、本発明に係る他の熱電材料は、Bi
及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元
素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくと
も1種の元素と、I、Cl、Hg、Br、Ag及びCu
からなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含
有する熱電材料において、液体急冷法により得られた材
料を加熱中に加圧することにより固化成形されたもので
あり、結晶粒の平均粒径が50μm以下、酸素含有量が
1500質量ppm以下に規制されていることを特徴と
する。
【0010】本発明に係る熱電材料の製造方法は、Bi
及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元
素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくと
も1種の元素とを含有するとともに、平均粒径が50μ
m以下、酸素含有量が1500質量ppm以下である熱
電材料の製造方法であって、Bi及びSbからなる群か
ら選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeか
らなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有
する原料を液体急冷法により薄膜状にして、更に粉末化
する第1工程と、この第1工程により得られた粉末を水
素ガスにより還元する第2工程と、この第2工程により
還元された粉末を結晶粒が粗大化しない条件で加熱中に
加圧することにより固化成形する第3工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る他の熱電材料の製造方
法は、Bi及びSbからなる群から選択された少なくと
も1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択され
た少なくとも1種の元素とを含有するとともに、平均粒
径が50μm以下、酸素含有量が1500質量ppm以
下である熱電材料の製造方法であって、Bi及びSbか
らなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te
及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元
素とを含有する原料を液体急冷法により薄膜状にして、
更に粉末化する第1工程と、この第1工程により得られ
た粉末を真空度が1×10−2Torr以下になるまで
真空引きした後に、水素ガス雰囲気下で、温度を200
乃至500℃として10乃至50時間加熱することによ
り前記粉末を還元する第2工程と、この第2工程により
還元された粉末を結晶粒が粗大化しない条件で加熱中に
加圧することにより固化成形する第3工程と、を有する
ことを特徴とする。
【0012】この場合、前記原料は、I、Cl、Hg、
Br、Ag及びCuからなる群から選択された少なくと
も1種の元素を更に含むことが好ましい。
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
るために鋭意実験研究を重ねた結果、熱電材料の製造時
において、粉末の粒界に形成される酸化膜を還元により
除去することによって、熱電材料の比抵抗ρが小さくな
り、熱電材料の性能指数Zを向上させることができるこ
とを見い出した。
【0015】先ず、本発明に係る熱電材料の製造方法に
おける還元処理条件の限定理由について、以下に説明す
る。
【0016】還元処理温度:200乃至500℃ 還元処理時における温度が200℃未満であると、粉末
表面の酸化物の還元が不十分となるので、比抵抗ρが減
少せず、性能指数Zを向上させることができない。一
方、還元処理温度が500℃を超えると、Te又はSe
等の低沸点元素が離脱することによって空孔が増加し
て、抵抗(比抵抗ρ)が増加すると共に、組成のずれに
よって熱起電力(ゼーベック係数α)が低下する。
【0017】図1は横軸に還元処理温度をとり、縦軸に
比抵抗をとって、還元処理温度と比抵抗との関係を示す
グラフ図である。これは、Bi2Te2.85Se0.15の組
成物に0.2質量%のSbI3を添加して得られた母合
金を液体急冷して厚みが10μm未満の薄片状の粉末を
作製し、これを真空引きした後に、内部が水素ガスによ
って置換されたパイレックス管に封入し、加熱還元処理
を施した後、ホットプレスすることにより固化成形した
熱電材料について測定した結果である。但し、還元処理
時間を10時間とし、ホットプレス時の加熱温度を42
5℃、圧力を4(tonf/cm2)、加熱時間を60分間とし
ている。図1に示すように、還元処理温度が200乃至
500℃の範囲において、比抵抗は低下する。なお、比
抵抗が低下する温度範囲は、原料の組成に拘わらず同様
である。従って、還元処理時における処理温度は200
乃至500℃とする。
【0018】還元処理時間:10乃至50時間 還元処理時における時間が10時間未満であると、粉末
表面の酸化物の還元が不十分となるので、比抵抗ρが減
少せず、性能指数Zを向上させることができない。一
方、還元処理時間が50時間を超えると、Te又はSe
等の低沸点元素が離脱することによって空孔が増加し
て、抵抗(比抵抗ρ)が増加すると共に、組成のずれに
よって熱起電力(ゼーベック係数α)が低下する。
【0019】図2は横軸に還元処理時間をとり、縦軸に
比抵抗をとって、還元処理時間と比抵抗との関係を示す
グラフ図である。これは、Bi0.5Sb1.5Te3の組成
物に1.5質量%のTeを添加して得られた母合金を液
体急冷して粉末を作製し、これをパイレックス管に入れ
て真空引きした後に、管内部を水素ガスによって置換し
て封入し、加熱還元処理を施した後、ホットプレスする
ことにより固化成形した熱電材料について測定した結果
である。但し、還元処理温度を370℃とし、ホットプ
レス時の加熱温度を400℃、圧力を3(tonf/cm2)、
加熱時間を90分間としている。図2に示すように、還
元処理時間が10乃至50時間の範囲において、比抵抗
ρは低下している。なお、比抵抗が低下する還元処理時
間の範囲は、原料の組成に拘わらず同様である。従っ
て、還元処理時における処理時間は10乃至50時間と
する。
【0020】真空度:1×10-2Torr以下 本発明においては、母合金の粉末原料をパイレックス管
等に入れて真空引きした後に、水素ガス置換して封入
し、これを加熱することにより粉末原料を還元すること
ができる。この真空引きするときの真空度が1×10-2
Torr以上であると、パイレックス管等に残存する酸
素によって、加熱時に粉末が酸化してしまう。従って、
還元処理時の真空度は1×10-2Torr以下とする。
【0021】次に、本実施例に係る熱電材料における平
均結晶粒径及び酸素含有量の限定理由について説明す
る。
【0022】平均結晶粒径:50μm以下 熱電材料の平均結晶粒径がその特性に与える影響を調査
した結果について、以下に示す。この熱電材料として
は、Bi0.5Sb1.5Te3の組成物に1質量%のTeを
添加して得られた母合金を使用している。
【0023】図3は横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶
粒径をとり、縦軸に熱起電力αをとって、平均結晶粒径
と熱起電力との関係を示すグラフ図である。図3に示す
ように、熱起電力αは結晶粒の平均結晶粒径には殆ど影
響されない。
【0024】図4は横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶
粒径をとり、縦軸に熱伝導率κをとって、平均結晶粒径
と熱伝導率との関係を示すグラフ図である。図4に示す
ように、結晶粒の平均結晶粒径が大きくなるに従って熱
伝導率κは増加し、平均結晶粒径が50乃至100μm
の範囲において、熱伝導率κの増加量が大きくなる。
【0025】図5は横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶
粒径をとり、縦軸に比抵抗ρをとって、平均結晶粒径と
比抵抗との関係を示すグラフ図である。図5に示すよう
に、結晶粒の平均結晶粒径が50μm以下の範囲におい
ては、比抵抗ρは殆ど変化しないが、平均結晶粒径が5
0μmを超える範囲においては、粒径が大きくなるに従
って比抵抗ρは増加している。
【0026】図6は横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶
粒径をとり、縦軸に性能指数Zをとって、平均結晶粒径
と性能指数との関係を示すグラフ図である。性能指数Z
は、Z=α2/(ρ×κ)の数式で表されるので、熱起
電力αが一定のとき、比抵抗ρ及び熱伝導率κが増加す
るにつれて、性能指数Zは低下する。図6に示すよう
に、結晶粒の平均結晶粒径が50μmを超えると、性能
指数Zは著しく低下する。なお、熱電材料の平均結晶粒
径が性能指数及び熱伝導率に対して及ぼす影響は、原料
の組成に拘わらず、同様の傾向が得られる。従って、熱
電材料の平均結晶粒径は50μm以下とする。
【0027】酸素含有量:1500質量ppm以下 熱電材料中の酸素含有量は、還元の度合いを判断するこ
とができる値である。熱電材料中の酸素含有量が150
質量ppmを超えている場合、還元処理時において原
料粉末が十分に還元されなかったことを示し、粉末の界
面に存在する酸化膜によってキャリアが散乱されるため
に比抵抗ρが増加し、これにより、性能指数Zが低下す
る。
【0028】図7は横軸に熱電材料中の酸素含有量をと
り、縦軸に比抵抗をとって、酸素含有量と比抵抗との関
係を示すグラフ図である。但し、この熱電材料として
は、Bi0.5Sb1.5Te3の組成物に1.5質量%のT
eを添加して得られた母合金を使用しており、平均結晶
粒径は30μmである。図7に示すように、熱電材料中
の酸素含有量が1500質量ppmを超えて増加する
と、比抵抗も著しく増加する。なお、比抵抗が低下する
酸素含有量の範囲は、原料の組成に拘わらず同様であ
る。従って、熱電材料中の酸素含有量は1500質量
pm以下とする。
【0029】このような微細結晶を有する熱電材料は、
具体的には、以下のような方法によって製造することが
できる。
【0030】先ず、所望の組成となるように原料を秤量
し、真空中においてこれを溶解して母合金を作製する。
このとき、N型の熱電材料を作製する場合には、原料中
に、例えばSbI3、AgI、HgBr2又はHgCl2
等を添加すればよい。次に、例えば、単ロール法を使用
して、熱電材料の溶湯を103乃至106(K/秒)で急
冷する液体急冷法により薄膜化又は粉末状とし、これを
更に粉砕して粒径を50μm以下とする。次いで、この
粉末に還元処理を施す。
【0031】図8は原料粉末の還元処理方法を示す模式
図である。図8に示すように、パイレックス管1内に原
料粉末2が入れられており、このパイレックス管1の開
口部は、T字管3の一方の開口部に気密的に嵌入されて
いる。T字管3は分岐部分に三方コック4を有し、他の
一方の管は開閉栓5を介してH2ボンベ7に接続されて
おり、更に他方の管は開閉栓6を介して真空排気装置8
に接続されている。
【0032】このように構成された装置において、先
ず、パイレックス管1が真空排気装置8に接続されるよ
うに三方コック4を調整し、パイレックス管1内の真空
度が1×10-2Torr以下になるように減圧する。次
いで、パイレックス管1がH2ボンベ7に接続されるよ
うに三方コック4を調整し、パイレックス管1内にH2
ガスを導入して、パイレックス管1を密閉封入する。そ
の後、管1を炉(図示せず)に入れて、例えば、200
乃至500℃の温度で10乃至50時間加熱し、原料粉
末2を還元処理した後、管1を割って粉末2を取り出
す。
【0033】その後、還元処理された粉末を結晶が粗大
化しない条件でホットプレスすることにより、これを固
化成形する。結晶が粗大化しない条件とは、例えば、プ
レス圧力を400kgf/cm2、温度を300乃至5
00℃、時間を30乃至180分として、真空又はAr
雰囲気下における条件とすることができる。
【0034】なお、還元処理された粉末を固化成形する
方法として、他に、押出し成型する方法、放電プラズマ
焼結により成型する方法がある。放電プラズマ焼結と
は、プラズマ放電によりイオンに衝撃を与えると共に、
加熱中に加圧することによって、原料粉末の組織を成長
させることなく焼結体にすることができる方法である。
【0035】また、本発明の熱電材料がホットプレスに
より固化成形される場合、ホットプレスの圧力方向(結
晶のc軸が成長する方向)に平行な方向に熱流方向を定
めてもよい。
【0036】なお、本発明において、P型の熱電材料の
原料としては、Bi及びSbのいずれか一方又は両方
と、Te及びSeのいずれか一方又は両方とを含有する
ものとする。また、N型の熱電材料の原料としては、前
記組成に、更に、I、Cl、Hg、Br、Ag及びCu
からなる群から選択された少なくとも1種の元素を添加
したものを使用する。
【0037】
【実施例】以下、本発明に係る熱電材料の実施例につい
てその比較例と比較して具体的に説明する。
【0038】先ず、種々の製造方法で、種々の組成を有
する熱電材料を製造し、これらの実施例及び比較例のサ
ンプルについて、平均結晶粒径及び酸素含有量を測定す
ると共に、比抵抗ρ、熱伝導率κ及びゼーベック係数α
を測定し、これらの値から性能指数Zを算出した。熱電
材料の組成を下記表1乃至3に示し、還元処理条件及び
固化成形方法を下記表4乃至6、測定結果を下記表7乃
至9に示す。
【0039】なお、酸素含有量は還元の度合いを評価す
るために測定されるものであり、本実施例においては、
非分散赤外線吸収法を使用した。即ち、試料を黒鉛坩堝
内で加熱すると、試料内の酸素が反応してCOガスを発
生するので、これをHe等のキャリアガスによって搬送
し、赤外線検出器によって濃度分析して酸素濃度に換算
した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】
【表9】
【0049】上記表1乃至9に示すように、実施例N
o.1乃至7は比較例No.31乃至37と対応してお
り、夫々、同一の組成を有する原料を液体急冷法により
薄膜状にして、これを粉末化した後、固化成形したもの
である。但し、実施例No.1乃至25は、全て、粉末
化した原料に対して水素ガスによる還元処理を施した後
に、固化成形したものであるので、得られた熱電材料の
平均結晶粒径が50μm以下となると共に、酸素含有量
が1500重量ppm以下となった。従って、比較例と
比較して性能指数が向上し、4.0×10-3以上の優れ
た性能指数を示した。
【0050】一方、比較例No.26乃至30は、還元
処理を実施したものであるが、比較例No.26、28
及び30は酸素含有量が本発明範囲の上限を超えている
ので、性能指数が低下した。また、比較例No.27及
び29は平均結晶粒径が本発明範囲の上限を超えている
ので、性能指数が低下した。更に、比較例No.31乃
至42は、粉末化された原料に対して還元処理を実施し
ていないので、酸素含有量が本発明範囲の上限を超え
て、性能指数が低下した。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
液体急冷法により形成された熱電材料の結晶粒の平均粒
径及び酸素含有量を規定しているので、4.0×10-3
(1/K)以上の高い性能指数を有する熱電材料を得る
ことができる。また、本発明方法によれば、所定の組成
を有する原料を粉末化して、これを還元した後、結晶粒
が粗大化しない条件で加熱及び加圧して固化成形するこ
とにより、平均結晶粒径及び酸素含有量が規制された熱
電素子を得るので、その性能指数を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】横軸に還元処理温度をとり、縦軸に比抵抗をと
って、還元処理温度と比抵抗との関係を示すグラフ図で
ある。
【図2】横軸に還元処理時間をとり、縦軸に比抵抗をと
って、還元処理時間と比抵抗との関係を示すグラフ図で
ある。
【図3】横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶粒径をと
り、縦軸に熱起電力αをとって、平均結晶粒径と熱起電
力との関係を示すグラフ図である。
【図4】横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶粒径をと
り、縦軸に熱伝導率κをとって、平均結晶粒径と熱伝導
率との関係を示すグラフ図である。
【図5】横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶粒径をと
り、縦軸に比抵抗ρをとって、平均結晶粒径と比抵抗と
の関係を示すグラフ図である。
【図6】横軸に熱電材料の結晶粒の平均結晶粒径をと
り、縦軸に性能指数Zをとって、平均結晶粒径と性能指
数との関係を示すグラフ図である。
【図7】横軸に熱電材料中の酸素含有量をとり、縦軸に
比抵抗をとって、酸素含有量と比抵抗との関係を示すグ
ラフ図である。
【図8】原料粉末の還元処理方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1;パイレックス管、 2;原料粉末、 3;T字管、
4;三方コック、5、6;開閉栓、 7;H2ボン
ベ、 8;真空排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−279724(JP,A) 特開 平3−41780(JP,A) 特開 昭64−77184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/16 C22C 1/04 C22C 12/00 H01L 35/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Bi及びSbからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から
    選択された少なくとも1種の元素とを含有する熱電材料
    において、液体急冷法により得られた材料を加熱中に加
    圧することにより固化成形されたものであり、結晶粒の
    平均粒径が50μm以下、酸素含有量が1500質量p
    pm以下に規制されていることを特徴とする熱電材料。
  2. 【請求項2】 Bi及びSbからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から
    選択された少なくとも1種の元素と、I、Cl、Hg、
    Br、Ag及びCuからなる群から選択された少なくと
    も1種の元素とを含有する熱電材料において、液体急冷
    法により得られた材料を加熱中に加圧することにより固
    化成形されたものであり、結晶粒の平均粒径が50μm
    以下、酸素含有量が1500質量ppm以下に規制され
    ていることを特徴とする熱電材料。
  3. 【請求項3】 Bi及びSbからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から
    選択された少なくとも1種の元素とを含有するととも
    に、平均粒径が50μm以下、酸素含有量が1500質
    量ppm以下である熱電材料の製造方法であって、Bi
    及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元
    素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくと
    も1種の元素とを含有する原料を液体急冷法により薄膜
    状にして、更に粉末化する第1工程と、この第1工程に
    より得られた粉末を水素ガスにより還元する第2工程
    と、この第2工程により還元された粉末を結晶粒が粗大
    化しない条件で加熱中に加圧することにより固化成形す
    る第3工程とを有することを特徴とする熱電材料の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 Bi及びSbからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から
    選択された少なくとも1種の元素とを含有するととも
    に、平均粒径が50μm以下、酸素含有量が1500質
    量ppm以下である熱電材料の製造方法であって、Bi
    及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元
    素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくと
    も1種の元素とを含有する原料を液体急冷法により薄膜
    状にして、更に粉末化する第1工程と、この第1工程に
    より得られた粉末を真空度が1×10−2Torr以下
    になるまで真空引きした後に、水素ガス雰囲気下で、温
    度を200乃至500℃として10乃至50時間加熱す
    ることにより前記粉末を還元する第2工程と、この第2
    工程により還元された粉末を結晶粒が粗大化しない条件
    で加熱中に加圧することにより固化成形する第3工程
    と、を有することを特徴とする熱電材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記原料は、I、Cl、Hg、Br、A
    g及びCuからなる群から選択された少なくとも1種の
    元素を更に含むことを特徴とする請求項3又は4に記載
    の熱電材料の製造方法。
JP14694497A 1996-07-03 1997-06-04 熱電材料及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3319338B2 (ja)

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