JP3317434B2 - 金合金およびその製造方法 - Google Patents
金合金およびその製造方法Info
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Description
・時計などの装飾品や、ペン先、歯科材料、医療器具、
電子機器、測定機器などに用いられる金合金とその製造
方法に関し、さらに詳しくは、特定成分の少量添加によ
り純金特有の光沢、金属色、美しさ、重量感、高級感を
失わずに硬さを高めた高品位の金合金とその製造方法に
関する。
め、高品位金の装飾品は加工時、使用時に傷が付き易く
て、本来の高級感を維持するのが困難である。例えば、
純金インゴットはマイクロビッカース硬度HVが25程
度である。そこで、指輪やネックレスなどの金装飾品に
は銀(Ag)、銅(Cu)などを25〜40重量%添加
して硬質化した、いわゆるK18やK14などが用いら
れてきた。特開平7−70671号公報では、99重量
%以上の純度を有する純金に硬さおよび強度を向上させ
る元素を微量添加し、伸線加工のような塑性加工によっ
て純度99重量%の硬質金を得ることが開示されてい
る。
いわゆるK18やK14などは、金が99重量%以上の
純金と比べると金の品位が低下するため、その光沢、金
属色、美しさ、重量感、高級感などが劣っていた。特に
いわゆるK24は純金としての価値が高いので、加工
時、使用時に傷が付き難いK24が要求されている。ま
た、特開平7−70671号公報で開示されている硬質
金は、伸線加工のような厳しい塑性加工を受ける必要が
ある。そこで、本発明は、伸線加工のような厳しい塑性
加工を受けなくても硬質化され、しかも純金と同等の高
級感、色調をもつ高品位の金合金およびその製造方法を
提供することを目的とする。
行った結果、コバルト(Co)を0.06重量%以上、
ゲルマニウム(Ge)を0.03重量%以上含み、残部
が99重量%以上の金および不可避不純物よりなる時効
硬化用合金によって、伸線加工のような塑性加工を受け
なくても硬質でしかも従来の純金と同等の高級感、色調
をもつ高品位の金合金が得られることを見いだした。
06重量%以上、Geを0.03重量%以上含み、残部
が99重量%以上の金および不可避不純物よりなる時効
硬化用金合金を基本とする(請求項1)。
06重量%以上、Geを0.03重量%以上含み、残部
が99.9重量%以上のAuおよび不可避不純物よりな
る時効硬化用金合金(請求項2)は、同じK24でも商
品価値がより高いため好ましい。
有する金合金インゴットを溶解法により鋳造して得、該
金合金に、必要により溶体化処理を施した後、時効処理
を施す(請求項7、8)。
金合金インゴットの組成がCoを0.06重量%以上、
Geを0.03重量%以上含み、残部が99.9重量%
以上のAuおよび不可避不純物よりなる製造方法(請求
項9)は、製造される金合金が同じK24でもその商品
価値がより高いため好ましい。また、時効処理は、温度
を300〜500℃で、時間を10〜60分とする(請
求項10)のが好ましく、溶体化処理は、温度を700
℃以上とする(請求項11)のが好ましい。
eは、軟質の純金を硬質化するために添加され、時効処
理の際、これら添加された2成分の相乗効果によって金
合金が硬質化される。Coの含有量は0.06重量%以
上、Geの含有量は0.03重量%以上であることが必
要である。Coの含有量が0.06重量%未満、または
Geの含有量が0.03重量%未満では、硬質化の効果
(上記相乗効果)が十分に得られないからである。
位が低下することになる。
を0.06重量%以上、Geを0.03重量%以上含
み、残部が99重量%以上のAuおよび不可避不純物よ
りなる金合金インゴットを溶解法により得、該金合金を
硬質化するために該金合金に時効処理を施す。
えられるが、低温であるほど硬質化するためにより長時
間を要するので生産上好ましくない。そのため、時効処
理の温度は300℃以上が好ましい。また500℃より
も高い温度で時効処理を施すと、時効硬化による硬質化
が得られない。そのため、時効処理の温度は500℃以
下が好ましい。時効処理の時間は、組成、時効処理温度
により異なるが、一般に10分未満では効果が少なく、
60分で充分であるので、10〜60分の範囲で適宜選
択すればよい。
な鋳造品などにそのまま時効処理を施すと時効硬化によ
る硬質化が十分に得られない場合があるため、時効処理
の前に溶体化処理を施してCoおよびGeの偏析を消失
させることにより、時効硬化による硬質化を十分発揮さ
せることができる。溶体化処理はCoおよびGeが金中
に固溶する温度で行うが、より高温で行う方が短時間で
溶体化できるので生産上好ましい。そのため、溶体化温
度は、組成によって異なるが、一般に700℃以上とす
ればよい。製品形状に成形したり、所望の製品硬さを得
るなどのため、上記溶体化処理または時効処理を施す前
や後に伸線加工、圧延加工などの塑性加工を適宜行うこ
とができる。
する。 [実施例1〜8、比較例1〜4]まず、Coを1重量%
含有したAu−Co系の母合金、Geを1重量%含有し
たAu−Ge系の母合金、および純金(純度99.99
重量%)を原料とし、所定の組成となるようにこれらの
原料を配合した。なお、上記Au−Co系の母合金は、
純度99.99重量%の純金とCo地金を原料とし、ま
た上記Au−Ge系の母合金は、純度99.99重量%
の純金と金属Geを原料として、高周波真空溶解炉で溶
解した後、鋳造することにより作製した。
解炉で溶解した後、鋳造した。
析し、また硬さ(マイクロビッカース硬度、荷重:20
0gf)を測定した(硬さは鋳放しのものとして示
す)。これらの結果をそれぞれ表1、表2に示す。上記
金合金インゴットに時効処理を、表2に示す温度で表2
に示す時間施し(「−」印は、その時間は施さなかった
ことを示す)て、各時効時間における硬さ(マイクロビ
ッカース硬度、荷重:200gf)を測定した。これら
の結果を表2に示す。なお、実施例1〜8および比較例
1〜4の金合金はいずれも、光沢、金属色、美しさ、重
量感、高級感などが純金と全く変わらなかった。
て、所定の組成となるように配合した原料を高周波真空
溶解炉で溶解した後、鋳造した。鋳造して得た金合金イ
ンゴットに溶体化処理を、表4に示す温度で施した。溶
体化処理を施した金合金インゴットの組成を分析し、ま
た硬さ(マイクロビッカース硬度、荷重:200gf)
を測定した(硬さは時効処理前のものとして示す)。こ
れらの結果をそれぞれ表3、表4に示す。溶体化処理を
施した金合金インゴットに時効処理を、表4に示す温度
で表4に示す時間施し(「−」印は、その時間は施さな
かったことを示す)て、各時効時間における硬さ(マイ
クロビッカース硬度、荷重:200gf)を測定した。
これらの結果を表4に示す。なお、実施例9〜12の金
合金はいずれも、光沢、金属色、美しさ、重量感、高級
感などが純金と全く変わらなかった。
%)を原料とし、実施例1と同様にして高周波真空溶解
炉でこの純金を溶解した後、鋳造した。鋳造した純金イ
ンゴットの硬さ(マイクロビッカース硬度、荷重:20
0gf)を測定した。その結果、27.6であった。表
2、表4より本発明の金合金はいずれも、時効処理を施
すことによってマイクロビッカース硬度HVが60以上
になり、比較例1〜4の金合金および従来例1の純金
(純度99.99重量%)に比べて著しく硬質化するこ
とが分かる。
しい塑性加工を受けなくても硬質化されることに加え、
純金に添加する元素成分が少量であるので、加工時、使
用時に傷が付き難く、純金のもつ光沢、色調、美しさ、
重量感、高級感を損なわない特性を有する。また塑性加
工することなく鋳造のままの時効処理によっても硬質の
高品位金合金を製造することができるので、デザインの
自由度が高まり、複雑な形状の金装飾品などの製造が可
能になる。
Claims (11)
- 【請求項1】 Coを0.06重量%以上、Geを0.
03重量%以上含み、残部が99重量%以上のAuおよ
び不可避不純物よりなる時効硬化用金合金。 - 【請求項2】 Coを0.06重量%以上、Geを0.
03重量%以上含み、残部が99.9重量%以上のAu
および不可避不純物よりなる時効硬化用金合金。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の時効硬化用金
合金に時効処理が施された金合金。 - 【請求項4】 時効処理は、温度が300〜500℃
で、時間が10〜60分である請求項3に記載の金合
金。 - 【請求項5】 請求項1または2に記載の時効硬化用金
合金に溶体化処理が施された後、時効処理が施こされた
金合金。 - 【請求項6】 溶体化処理は、温度が700℃以上であ
る請求項5に記載の金合金。 - 【請求項7】 Coを0.06重量%以上、Geを0.
03重量%以上含み、残部が99重量%以上のAuおよ
び不可避不純物よりなる金合金インゴットを溶解法によ
り得、該金合金に時効処理を施して、該金合金を硬質化
することからなる金合金の製造方法。 - 【請求項8】 Coを0.06重量%以上、Geを0.
03重量%以上含み、残部が99重量%以上のAuおよ
び不可避不純物よりなる金合金インゴットを溶解法によ
り得、該金合金に溶体化処理を施した後、時効処理を施
して該金合金を硬質化することからなる金合金の製造方
法。 - 【請求項9】 金合金インゴットは、Coを0.06重
量%以上、Geを0.03重量%以上含み、残部が9
9.9重量%以上のAuおよび不可避不純物よりなる請
求項7または8に記載の金合金の製造方法。 - 【請求項10】 時効処理は、温度が300〜500℃
で、時間が10〜60分である請求項7または8に記載
の金合金の製造方法。 - 【請求項11】 溶体化処理は、温度が700℃以上で
ある請求項8に記載の金合金の製造方法。
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- 1996-10-15 JP JP27266096A patent/JP3317434B2/ja not_active Expired - Fee Related
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