JP3314078B2 - 芳香族ジアミノ化合物 - Google Patents

芳香族ジアミノ化合物

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桂三郎 山口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な芳香族ジアミノ化
合物に関する。本発明の芳香族ジアミノ化合物は、ポリ
アミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ビスマレイミ
ドおよびエポキシ樹脂の原料として有用であり、特に、
フッ素を含有し、無色透明性、低誘電性等に優れた熱可
塑性ポリイミドの製造に有用な芳香族ジアミノ化合物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来からテトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとの反応により得られるポリイミド樹脂はその高
耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性、難燃性、電気
絶縁性などを併せ持っており、電気電子機器、宇宙航空
用機器、輸送機器などの分野で素材として、或いは耐熱
性接着剤として使用されている。例えば、そのポリイミ
ド樹脂の製品形態のひとつとして、ポリイミドフィルム
はその優れた物性により今後も耐熱性が要求される分野
に広く用いられることが期待されている。近年、より過
酷な条件下での使用に耐え得るような、高い水準の耐熱
性、接着性等の特性を有するポリイミド樹脂が開発され
ている。これらの従来開発されたポリイミドには優れた
特性を示すものも多いが、一般的に光線透過率が低く、
濃黄色ないし茶褐色のものが多く、特に可視領域での透
過率が低く、宇宙空間では一層色が濃くなるという欠点
を有している。一方、無色透明もしくはそれに近い色相
を有する樹脂として、ポリエステルフィルム、ポリカー
ボネートフィルム、脂肪族ポリイミドフィルムが開発さ
れているが、長期耐熱性、耐候性に劣る。
【0003】ところが 近年の宇宙開発の分野において
は、太陽電池のカバーレーなどとして宇宙線の吸収の少
ないフィルムが求められ、耐熱性を有し無色透明の樹脂
の開発が強く望まれている。その他、着色に関しては、
高耐熱性、高信頼性の光通信用ケーブルやフィルター、
液晶表示盤等の光学材料の開発において、きわめて重要
な課題である。
【0004】市販ポリイミドの透明性は、具体的には、
黄色味の指標であるイエローネスインデックス(以下、
YIと略記する)をパラメーターとした場合、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット酸二無水
物からなるポリイミド(商品名、カプトン)ではYIは
129、p−フェニレンジアミンとビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物からなるポリイミド(商品名、ユーピ
レックス−S)ではYIは125、3,3’−ジアミノ
ベンゾフェノンとベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物からなるポリイミド(LARC−TPI)ではYI
は50、といずれも非常に高いものである。先に述べた
各種光学材料用途に用いるためには、YIは10以下、
望ましくは、現在光学材料用途に広く用いられているポ
リカーボネートに匹敵するため、YIが7以下のポリイ
ミド樹脂が望まれている。
【0005】すでに、無色透明ポリイミドについては、
一般式(A)
【化4】 で表わされる繰り返し構造単位を有するホモポリマー、
あるいはこの一般式(A)で表わされる繰り返し構造単
位と一般式(B)
【化5】 で表わされる繰り返し構造単位とを有するコポリマーが
特開昭63−170420号公報に開示されている。こ
れらのポリイミドは著しく透明性は優れているものの、
ポリイミドが本来有している耐熱性を十分に満足するも
のではない。
【0006】一方、近年の電気・電子分野においては、
マイクロエレクトロニクスの発達が著しく、特に、大型
コンピュータでは、多層回路基盤の採用により信号の高
速伝送が不可欠となるが、基盤材料の誘電率が高いと信
号の伝送に遅延が起こり、高速化の障害となる。ポリイ
ミドは多層配線構造の層間絶縁膜に用いられるが、従来
ポリイミドが有していた先の特性に加え、特に低誘電率
化の必要性についてもクローズアップされてきている。
一般に、含フッ素樹脂として知られているテフロンは、
低誘電率の樹脂としては古くから知られ、また、フッ
素、フルオロ基をポリイミド構造中に導入して、ポリイ
ミド樹脂の誘電率を低下できることは、例えば、A.K.S
t.Clair et.al.,Polymeric Materials Science and Eng
ineering, 59, 28−32(1988)やEP−029986など
に報告されている。
【0007】しかしながら、現在商品化されているポリ
イミド樹脂の誘電率は、カプトンでは3.5/1MH
z、ユーピレックス−Sでは3.5/1MHz、LAR
C−TPIでは3.7/1MHzである。フッ素を多量
に含有する従来のポリイミドは、十分な分子量のポリマ
ーが得られないとか、価格面で非常に高価なものになる
とか、工業レベルでの生産が困難である(例えば、特開
平1−182324号公報、特開平2−60933号公
報、特開平2−281037号公報、特開平4−122
729号公報)。従って、価格面でできるだけ安価で高
分子量のポリイミドの開発が望まれている。
【0008】これらの問題は、いずれも樹脂中の電子移
動に起因するものであり、着色については主鎖中の共役
系を切断することにより、また誘電率についてはポリマ
ー主鎖中の電子の移動を制約することにより改善するこ
とが可能である。具体的には、ポリイミドの分子ユニッ
トに、電子求引性のフッ素原子を導入することが有効で
あることが知られている。例えば、低誘電材料用ポリイ
ミドモノマーとして、ヘキサフルオロイソプロピリデン
基を含む芳香族ジアミン類が開示されている(特開平1
−190652)。しかしながら、これらの芳香族ジア
ミンは、合成法が多段階であったり、又、それらから得
られるポリイミド樹脂を成形加工する際の溶融流動性が
不足している等、工業的にもまた物性的にも問題があ
る。
【0009】また、分子中にトリフルオロメチル基を有
するジアミンとして、例えば、式(C)で表される4,4'
- ビス(4-アミノ-5- トリフルオロメチルフェニルオキ
シ)ビフェニルが知られている(WO840412)。
【化6】
【0010】しかしながら、この化合物は、電子吸引性
基であるトリフルオロメチル基をアミノ基が存在する末
端芳香環の、しかもアミノ基に対してオルソ位に有する
ため、電子的要因によって酸無水物と反応し難く、重合
度が上がり難いことが判っている。また、アミノ基がエ
ーテル結合に対してパラ位にあるため、得られるポリイ
ミドは剛直な構造となり、成形加工が困難となる欠点も
あった。この他、接着性の向上も要望されている課題で
ある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミドが本来有する優れた熱安定性に加え、無色透明
性、低誘電性の物性を兼ね備えた、溶融成形可能な熱可
塑性ポリイミドを提供することである。本発明の他の目
的は、低誘電、無色透明で、かつ、成形加工性及び接着
性に優れたポリイミドの原料等として有用な、新規の芳
香族ジアミノ化合物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討し、2,6-ビス(3-または4-ア
ミノフェノキシ)-3または4-トリフルオロメチルピリジ
ンをジアミンモノマーとして用いるポリイミドが前記の
目的を達成できるものであることを見出し、本発明を完
成した。
【0013】すなわち、本発明は、(1)一般式(1)
【化7】 (式中、Arは、炭素数6〜27であり、かつ単環式芳
香族基、縮合多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基である4価の基を表わす、またトリフルオロメチル
基の置換位置はピリジン核の3または4位であり、イミ
ド窒素原子の結合位置はエーテル結合に対して3または
4位である)で表わされる繰り返し構造単位の少なくと
も一種を必須の構造単位として有するポリイミド、
【0014】(2)一般式(1)
【化8】 (式中、Ar、トリフルオロメチル基の置換位置および
イミド窒素原子の結合位置は前記と同じである)で表わ
される繰り返し構造単位の少なくとも一種を必須の構造
単位として有し、ポリマー分子の末端が本質的に置換基
を有しないか、あるいはアミンまたはジカルボン酸無水
物と反応性を有しない基で置換された芳香族環であるポ
リイミド、
【0015】(3)一般式(1−1)
【化9】 (式中、Arは一般式(1)の場合と同じである)で表
わされる繰り返し構造単位の少なくとも一種を必須の構
造単位として有する前記(1)または(2)のポリイミ
ド、
【0016】(4)一般式(1−2)
【化10】 (式中、Arは一般式(1)の場合と同じである)で表
わされる繰り返し構造単位の少なくとも一種を必須の構
造単位として有する前記(1)または(2)のポリイミ
ド、
【0017】(5)一般式(1)
【化11】 (式中、Ar、トリフルオロメチル基の置換位置および
イミド窒素原子の結合位置は前記と同じである)で表わ
される繰り返し構造単位1〜100モル%および一般式
(2)
【化12】 (式中、n は0〜6の整数を示し、Qは直結、−O−、
−S−、−CO−、−SO−、−CH−、−C(C
−または−C(CF−を表わし、芳香環
同志を連結する結合基Qが複数個の場合には、それらの
結合基が同種または異種の組み合わせでもよい、Ar'
は炭素数が6〜27であり、単環式芳香族基、縮合多環
式芳香族基、あるいは芳香族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された非縮合多環式芳香族基である4価の
基を表わす) で表わされる繰り返し構造単位99〜0モ
ル%を必須の構造単位として含有するポリイミドまたは
ポリイミド共重合体,あるいはそのポリマー分子の末端
が本質的に置換基を有しないか、あるいはアミンおよび
/またはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置
換されたポリイミドまたはポリイミド共重合体、
【0018】(6)また、一般式(3)
【化13】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置はピリジン核
の3または4位であり、アミノ基の置換位置はエーテル
結合に対して3または4位である)で表わされる芳香族
ジアミンと、主として一般式 (4)
【化14】 (式中、Arは炭素数6〜27の単環式芳香族基、縮合
多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である4
価の基を表わす)で表わされるテトラカルボン酸二無水
物を反応させ、得られるポリアミド酸を熱的または化学
的にイミド化することを特徴とする一般式(1)
【化15】 (式中、Ar、トリフルオロメチル基の置換位置および
イミド窒素原子の結合位置は前記と同じである)で表わ
される繰り返し構造単位の少なくとも一種を必須の構造
単位として有するポリイミドの製造方法、
【0019】(7)一般式(3)
【化16】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置およびアミノ
基の置換位置は前記と同じである)で表わされる芳香族
ジアミンと、主として一般式 (4)
【化17】 (式中、Arは前記と同じである)で表わされるテトラ
カルボン酸二無水物を、一般式 (5)
【化18】 (式中、Zは、炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基あるいは芳香族基が直接または
架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基で
ある2価の基を表わす)で表わされる芳香族ジカルボン
酸無水物または一般式 (6) Z−NH (6) (式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接また
は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
である1価の基を表わす)で表わされる芳香族モノアミ
ンの存在下に反応させ、得られるポリアミド酸を熱的ま
たは化学的にイミド化することを特徴とする一般式
(1)
【化19】 (式中、Ar、トリフルオロメチル基の置換位置および
イミド窒素原子の結合位置は前記と同じである)で表わ
される繰り返し構造単位の少なくとも一種を必須の構造
単位として有し、そのポリマー分子の末端が本質的に置
換基を有しないか、あるいはアミンまたはジカルボン酸
無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族環であ
るポリイミドの製造方法、
【0020】(8)一般式(3)
【化20】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置およびアミノ
基の置換位置は前記と同じである)で表わされる芳香族
ジアミン1〜0.01モル部と、主として一般式(4)
【化21】 (式中、Arは前記と同じである)で表わされるテトラ
カルボン酸二無水物1〜0.01モル部、さらには一般
式(9)
【化22】 (式中、n は0〜6の整数、Qは直結、−O−、−S
−、−CO−、−SO−、−CH−、−C(C
−または−C(CF−を表わし、芳香環
同志を連結する結合基Qが複数個の場合には、それら結
合基が同種または異種の組み合わせでもよい)で表わさ
れる少なくとも一種の芳香族ジアミン0〜0.99モル
部と一般式(10)
【化23】 (式中、Ar'は炭素数が6〜27であり、単環式芳香
族基、縮合多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接ま
たは架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族
基である4価の基を表わす)で表わされるテトラカルボ
ン酸二無水物0〜0.99モル部とを反応させる前記
(5)のポリイミドまたはポリイミド共重合体の製造方
法、
【0021】(9)上記反応が、さらに芳香族ジアミン
の総量1モルに対して、一般式 (5)
【化24】 (式中、Zは、炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接また
は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
である2価の基を表わす)で表わされる芳香族ジカルボ
ン酸無水物 0.001〜1.0 モル、または芳香族テ
トラカルボン酸二無水物の総量1モルに対して、一般式
(6) Z−NH (6) (式中、Zは炭素数6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基あるいは芳香族基が直接または
架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基で
ある1価の基を表わす)で表わされる芳香族モノアミン
0.001〜1.0モルの存在下に反応させ、得られる
ポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化する前記
(8)のポリイミドまたはポリイミド共重合体の製造方
法、
【0022】(10)また、本願発明のポリイミドのモノ
マーとして使用される新規の芳香族ジアミノ化合物に関
し、一般式(3)
【化25】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置およびアミノ
基の置換位置は前記と同じである)で表わされる芳香族
ジアミノ化合物、
【0023】(11)特に好ましいジアミン化合物として
の、式(3−1)
【化26】
【0024】(12) または式(3−2)
【化27】 で表わされる芳香族ジアミノ化合物、
【0025】(13)2,6-ジクロロ-3または4-トリフルオ
ロメチルピリジンと、3-または4-アミノフェノールを
塩基の存在下、非プロトン性極性溶剤中で縮合させるこ
とを特徴とする前記(10)の芳香族ジアミノ化合物の
製造方法。
【0026】(14)前記(5)記載のポリイミドまたは
ポリイミド共重合体100重量部と炭素繊維、ガラス繊
維、芳香族ポリアミド繊維およびチタン酸カリウム繊維
から選ばれる繊維状補強材5〜70重量部を含有してな
るポリイミド系樹脂組成物、
【0027】(15)このポリイミド系樹脂組成物から得
られる射出成形物、
【0028】(16)本願発明のポリイミドまたはポリイ
ミド共重合体を含有するポリイミドフィルムである。
【0029】本発明のポリイミドまたはポリイミド共重
合体は、本発明の2,6-ビス(3- アミノフェノキシ)トリ
フルオロメチルピリジン類をジアミン成分として用いる
ことを特徴とし、優れた耐熱性に加え、溶融流動安定性
に優れ、成形加工性を大幅に改良したものであり、かつ
優れた無色透明性、低誘電性を有するポリイミドであ
る。これらの特徴から電気・電子材料、光学材料等の分
野での利用が期待できる。
【0030】本発明のポリイミドは、一般式(1)
【化28】 (式中、Ar、トリフルオロメチル基の置換位置および
イミド窒素原子の結合位置は前記と同じである)で表わ
される繰り返し構造単位の少なくとも一種を必須の構造
単位として有するポリイミドである。
【0031】とくに、好ましいポリイミドは、一般式
(1)で表わされる繰り返し構造単位の中、一般式(1
−1)
【化29】 (式中、Arは前記と同じである)および/または一般
式(1−2)
【化30】 (式中、Arは前記と同じである)で表わされる繰り返
し構造単位の少なくとも一種を必須の構造単位として有
するポリイミドである。
【0032】また、上記の一般式(1)で表わされる繰
り返し構造単位1〜100モル%および一般式(2)
【化31】 (式中、n 、QおよびAr'は前記と同じである) で表わ
される繰り返し構造単位99〜0モル%を必須の構造単
位として含有するポリイミドまたはポリイミド共重合体
である。ポリイミド共重合体としては、ポリイミド共重
合体中に一般式(1)で表わされる繰り返し構造単位
が、好ましくは、50モル%以上、より好ましくは70
モル%以上含有するポリイミド共重合体である。これら
のポリイミドまたはポリイミド共重合体は、そのポリマ
ー分子の末端が本質的に置換基を有しないか、あるいは
アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基
で置換された芳香族環であるポリイミドであってもよ
い。
【0033】上記一般式(1)で表わされる繰り返し構
造単位を有するポリイミドは、一般式(3)
【化32】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置はピリジン核
の3または4位であり、アミノ基の置換位置はエーテル
結合に対して3または4位である)で表わされる少なく
とも一種の芳香族ジアミノ化合物を主体とする芳香族ジ
アミンと、主として一般式 (4)
【化33】 (式中、Arは炭素数6〜27の単環式芳香族基、縮合
多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接または架橋員
により相互に連結された非縮合多環式芳香族基である4
価の基を表わす)で表わされるテトラカルボン酸二無水
物を反応させ、得られるポリアミド酸を熱的または化学
的にイミド化することにより製造することができる。
【0034】本発明のポリイミドの製造に使用する本発
明の芳香族ジアミノ化合物は、一般式(3)
【化34】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置およびアミノ
基の置換位置は前記と同じである)で表わされる芳香族
ジアミン、好ましくは式(3−1)
【化35】 または式(3−2)
【化36】 で表わされる芳香族ジアミノ化合物である。
【0035】本発明の芳香族ジアミノ化合物は、分子内
にトリフルオロメチル基、ピリジン環を有し、かつアミ
ノ基がエーテル結合基に対してメタ位に置換している等
の構造的特徴を有する含窒素ジアミン化合物である。
【0036】以下、本発明の2,6- ビス(3- または4-ア
ミノフェノキシ)-3または4-トリフルオロメチルピリジ
ンの製造法を具体的に説明する。本発明の2,6-ビス(3-
または4-アミノフェノキシ)-3または4-トリフルオロメ
チルピリジンは、2,6-ジクロロ-3-トリフルオロメチル
ピリジンまたは2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルピ
リジンと、3-または4-アミノフェノールを、塩基の存在
下、非プロトン性極性溶剤中で反応させることにより高
収率で製造できる。本発明の反応では、3-または4-アミ
ノフェノールは2,6-ジクロロ-3-トリフルオロメチルピ
リジンまたは2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチルピリ
ジンに対し、2倍当量以上用いられるが、後処理の煩雑
さ、コスト等を考慮すれば、2〜2.5倍当量が好まし
い。
【0037】本発明で使用する塩基としては、アルカリ
金属の炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物またはアルコキシ
ドであり、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カ
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、ナトリウ
ムメトキシド、カリウムイソプロポキシド等が挙げられ
る。これらの塩基の使用量は、原料の3-または4-アミノ
フェノールの水酸基に対して、当量以上あればよく、1
〜2倍当量が好ましい。本発明で使用する非プロトン性
極性溶剤としては、ホルムアミド、N-メチルホルムア
ミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチ
ルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノ
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等が挙げられ
る。これらの溶剤の使用量は、特に限定されないが、通
常、原料に対して1〜10重量倍で十分である。反応温
度は、通常、40〜250℃の範囲であるが、好ましく
は80〜180℃の範囲である。
【0038】また、本発明の方法では、反応を促進する
ための触媒として、銅粉および銅系化合物、または、ク
ラウンエーテル、ポリエチレングリコール、四級アンモ
ニウム塩、四級ホスホニウム塩のような相関移動触媒を
使用しても、なんら差しつかえない。
【0039】本発明の一般的な反応方法としては、所定
量の3−または4−アミノフェノール、塩基および溶剤
を装入し、3−または4−アミノフェノールをアルカリ
金属塩とした後、2,6−ジクロロ−3−トリフルオロ
メチルピリジンまたは2,6−ジクロロ−4−トリフル
オロメチルピリジンを添加して反応させるか、あるい
は、予め、2,6−ジクロロ−3−トリフルオロメチル
ピリジンまたは2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメ
チルピリジンを含む全原料を同時に加え、そのまま昇温
して反応させる方法、のいずれであってもよい。また、
これらに限定されるものではなく、その他の方法により
適宜実施できる。また、反応系内に水が存在する場合
は、反応中、窒素ガス等を通気させることによって、系
外に除去する方法もあるが、一般的には、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クロルベンゼン等を少量使用して、
共沸により系外へ除去する方法が多用される。
【0040】反応の終点は、薄層クロマトグラフィーま
たは高速液体クロマトグラフィーにより、原料の減少を
みながら決定することができる。反応終了後、反応溶剤
を留去することにより、目的物である2,6−ビス(3
−または4−アミノフェノキシ)3−または4−トリフ
ルオロメチルピリジンが得られる。得られた生成物は、
さらに塩酸塩として精製する等、通常使用される精製法
で精製することもできる。本発明のポリイミドは、以上
のようにして得られる芳香族ジアミンを必須モノマーと
して、単独または混合して用いるが、ポリイミドの良好
な物性を損なわない範囲で他の芳香族ジアミンを混合し
て使用することもできる。
【0041】また、本発明のポリイミドの製造に使用す
る芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、一般式
(4)
【化37】 (式中、Arは前記と同じである)で表わされる少なく
とも一種のテトラカルボン酸二無水物が用いられる。
【0042】具体的には、一般式(4)において、Ar
が式 (a)
【化38】 で表わされる単環式芳香族基、式 (b)
【化39】 で表わされる縮合多環式芳香族基、または式 (c)
【化40】 〔式中、X’は直接結合、−O−、−S−、−CO−、
−SO−、−CH−、−C(CH−または−
C(CF
【化41】 (ここで、Y’は直接結合、−O−、−S−、−CO
−、−SO−、−CH−、−C(CH−また
は−C(CF−を示す)で表わされる2価の基を
表わす〕で表わされる芳香族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された非縮合多環式芳香族基等の4価の基
であるテトラカルボン酸二無水物が使用される。
【0043】本発明で用いられる前記一般式 (4)で表
わされるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,
3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水
物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二
無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,4,9,10−ぺリレンテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナント
レンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これら
は単独あるいは2種以上の混合して用いられる。
【0044】ポリイミドの製造にあたって、生成ポリイ
ミドの分子量を調節するために、芳香族テトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンの量比を調節することは通
常行われている。本発明の方法においては、溶融流動性
の良好なポリイミドを得るために適切な芳香族ジアミン
に対する芳香族テトラカルボン酸二無水物のモル比は
0.9〜1.0の範囲である。
【0045】以上の芳香族ジアミンと芳香族テトラカル
ボン酸二無水物をモノマー成分として得られる本発明の
ポリイミドは、主として一般式 (1)で表わされる繰り
返し構造単位を有する必須の構造単位を有するポリイミ
ドである。また、本願発明の芳香族ジアミンとその他の
一種以上の芳香族ジアミンとの混合物と一種または2種
以上の芳香族テトラカルボン酸二無水物をモノマーとし
て、前記の一般式(1)で表わされる繰り返し構造単位
と一般式(2)で表わされる繰り返し構造単位を有する
ポリイミド共重合体が得られる。
【0046】一般式(1) で表わされる繰り返し構造単
位と一般式 (2) で表わされる繰り返し構造単位とから
構成されるポリイミド共重合体は、一般式 (3)
【化42】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置およびアミノ
基の置換位置は前記と同じである)で表わされる芳香族
ジアミンと一般式 (9)
【化43】 (式中、nは0〜6の整数、Qは直結、−O−、−S
−、−CO−、−SO−、−CH−、−C(C
−または−C(CF−を表わし、芳香環
同志を連結する結合基Qが複数個の場合には、それら結
合基が同種または異種の組み合わせでもよい)で表わさ
れる少なくとも一種の芳香族ジアミンの共存下、一般式
(10)
【化44】 (式中、Ar’は前記と同じである) で表わされる少な
くとも一種の芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応
させて得られる。
【0047】ここで使用される一般式 (9) の芳香族ジ
アミンとしては、m−フェニレンジアミン、o−フェニ
レンジアミン、p−フェニレンジアミン、ベンジジン、
【0048】3,3'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-
ジアミノジフェニルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,3'-ジアミノジフェニルスルフィド、3,
4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'-ジアミノジフ
ェニルスルフィド、3,3'-ジアミノジフェニルスルホ
ン、3,4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノ
ジフェニルスルホン、3,3'-ジアミノベンゾフェノン、
3,4'-ジアミノベンゾフェノン、4,4'-ジアミノベンゾフ
ェノン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、3,4'-ジアミ
ノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルメタ
ン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス
(3-アミノフェニル)プロパン、2-(3-アミノフェニル)-
2-(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフ
ェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビ
ス(3-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプ
ロパン、2-(3-アミノフェニル)-2-(4-アミノフェニル)-
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、
【0049】1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビ
ス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ
フェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノベンゾイ
ル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノベンゾイル)ベンゼ
ン、1,3-ビス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビ
ス(4-アミノベンゾイル)ベンゼン、3,3'-ジアミノ-4-
フェノキシベンゾフェノン、4,4'-ジアミノ-5-フェノキ
シベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ-4-フェノキシベンゾ
フェノン、3,4'-ジアミノ-5'-フェノキシベンゾフェノ
ン、
【0050】4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、3,3'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、3,4'
-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス〔4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔3-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル〕ケトン、3,3'-ジアミノ-4,4'-
ジフェノキシベンゾフェノン、4,4'-ジアミノ-5,5'-ジ
フェノキシベンゾフェノン、3,4'-ジアミノ-4,5'-ジフ
ェノキシベンゾフェノン、ビス〔4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-アミノフェノ
キシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(4-アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔3-(3-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(3-アミノ
フェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニル〕メタン、ビス〔3-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン、2,2-ビス〔4-(3-アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔3-(4
-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4
-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキ
サフルオロプロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス〔3-(3-アミノフェノキシ)フェニル〕-1,
1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス〔3-(4-
アミノフェノキシ)フェニル〕-1,1,1,3,3,3-ヘキサフ
ルオロプロパン、
【0051】1,4-ビス[4-(3-アミノフェノキシ) ベン
ゾイル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)
ベンゾイル]ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノ-4-フェノ
キシベンゾイル) ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-フェ
ノキシベンゾイル) ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-フ
ェノキシベンゾイル) ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-
フェノキシベンゾイル) ベンゼン、
【0052】4,4'-ビス[3-(4-アミノフェノキシ)ベン
ゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'-ビス[3-(3-アミノ
フェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4'-ビ
ス[4-(4-アミノ-α, α-ジメチルベンジル)フェノキ
シ]ベンゾフェノン、4,4'-ビス[4-(4-アミノ-α, α-
ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、
ビス[4-4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシフェニル]
スルホン、3,3'-ジアミノ-4,4'-ジビフェノキシベンゾ
フェノン、4,4'-ジアミノ-5,5'-ジビフェノキシベンゾ
フェノン、3,4'-ジアミノ-4,5'-ジビフェノキシベンゾ
フェノン、
【0053】1,3-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾ
イル)ベンゼン、1,4-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベ
ンゾイル)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキ
シベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-ビフェ
ノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4-ビス[4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェノキシ-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼ
ン、1,3-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェノキシ-α,
α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミ
ノ-6-トリフルオロメチルフェノキシ)-α,α-ジメチル
ベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-フルオ
ロフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、1,
3-ビス[4-(4-アミノ-6-メチルフェノキシ)-α,α-ジメ
チルベンジル]ベンゼン、1,3-ビス[4-(4-アミノ-6-シ
アノフェノキシ)-α,α-ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,3-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル) ベンゼ
ン、1,4-ビス(3-アミノ-4-ビフェノキシベンゾイル) ベ
ンゼン、1,3-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベンゾイ
ル)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノ-5-ビフェノキシベン
ゾイル)ベンゼン等が挙げられる。これらは単独または
2種以上混合して用いられる。
【0054】また、一方のモノマーとして使用する一般
式(10)のテトラカルボン酸二無水物としては、前記
一般式(4)の具体例として列記した化合物が何れも使
用できる。また、一般式 (10)のテトラカルボン酸二
無水物として一般式 (4)のテトラカルボン酸二無水物
と同一または異なるものを使用してもよく、ポリイミド
共重合体の製造に際して使用するテトラカルボン酸二無
水物は単独または2種以上を混合して使用してもよい。
【0055】ポリイミドまたはポリイミド共重合体の製
造において、芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物の使用量は、一般式(3)で表わされる芳
香族ジアミン1〜0.01モル部と一般式(4)で表わ
される芳香族テトラカルボン酸二無水物1〜0.01モ
ル部、さらに一般式(9)で表わされる芳香族ジアミン
0〜0.99モル部と一般式(10)で表わされる芳香
族テトラカルボン酸二無水物0〜0.99モル部であ
る。ポリイミド共重合体の場合、一般式(3)で表わさ
れる芳香族ジアミンは、芳香族ジアミン成分中、好まし
くは、0.5モル部以上、より好ましくは、0.7モル
部以上である。さらに、本願発明のポリイミドは、その
ポリマー分子末端が未置換あるいはアミンまたはジカル
ボン酸無水物と反応性を有しない基で置換された芳香族
環を有するポリイミドまたはポリイミド共重合体、ある
いはこれらのポリイミドを含有する組成物も含まれ、こ
れらのポリイミドはより良好な性能を示す場合もある。
【0056】このポリマー分子の末端に未置換あるいは
アミンまたはジカルボン酸無水物と反応性を有しない基
で置換された芳香族環を有するポリイミドまたはポリイ
ミド共重合体は、主として、一般式(3)の芳香族ジア
ミンまたはその他のジアミンとの混合物と、主として一
般式(4)で表わされるテトラカルボン酸二無水物の一
種または2種以上とを、一般式(5)
【化45】 (式中、Zは炭素数が6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接また
は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
である2価の基を表わす)で表わされる芳香族ジカルボ
ン酸無水物または式(6) Z−NH (6) (式中、Zは炭素数が6〜15であり、単環式芳香族
基、縮合多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接また
は架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香族基
である1価の基を表わす)で表わされる芳香族モノアミ
ン、好ましくは無水フタル酸またはアニリンで封止され
て得られるポリイミドである。
【0057】このポリイミドは、芳香族ジアミン成分と
芳香族テトラカルボン酸二無水物を一般式 (5)で表わ
される芳香族ジカルボン酸無水物または一般式 (6) で
表わされる芳香族モノアミンの存在下に反応させ、得ら
れるポリアミド酸を熱的または化学的にイミド化するこ
とにより得られる。
【0058】一般式(5)で表わされる芳香族ジカルボ
ン酸無水物としては、具体的には、無水フタル酸、2,3-
ベンゾフェノンジカルボン酸無水物、3,4-ベンゾフェノ
ンジカルボン酸無水物、2,3-ジカルボキシフェニルエー
テル無水物、3,4-ジカルボキシフェニルフェニルエーテ
ル無水物、2,3-ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4-ビ
フェニルジカルボン酸無水物、2,3-ジカルボキシフェニ
ルフェニルスルホン無水物、3,4-ジカルボキシフェニル
フェニルスルホン無水物、2,3-ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルフィド無水物、3,4-ジカルボキシフェニルフ
ェニルスルフィド無水物、1,2-ナフタレンジカルボン酸
無水物、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8-ナフ
タレンジカルボン酸無水物、1,2-アントラセンジカルボ
ン酸無水物、2,3-アントラセンジカルボン酸無水物、1,
9-アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。こ
れらのジカルボン酸無水物はアミンまたはジカルボン酸
無水物と反応性を有しない基で置換されても差し支えな
い。
【0059】これらのジカルボン酸無水物の中で、無水
フタル酸が得られるポリイミドの性質面及び実用面から
最も好ましい。すなわち、高温成形時における成形安定
性の優れたポリイミドであり、優れた耐熱性を有してお
り、前記の優れた加工性を考え合わせると、例えば、構
造材料、宇宙航空機用基材、電気・電子部品あるいは接
着剤として極めて有用なポリイミドである。また、無水
フタル酸を使用する場合、ポリイミドの良好な物性を損
なわない範囲でその一部を他のジカルボン酸無水物で代
替して用いることはなんら差し支えない。用いられるジ
カルボン酸無水物の量は、使用する芳香族ジアミン1モ
ル当たり0.001〜1.0モルである。0.001モ
ル未満では高温成形時に粘度の上昇がみられ、成形加工
性低下の原因となる。また、1.0モルを越えると機械
的特性が低下する。好ましい使用量は0.01〜0.5
モルである。
【0060】また、芳香族モノアミンを使用する場合、
芳香族モノアミンとして、例えば、アニリン、o-トルイ
ジン、m-トルイジン、p-トルイジン、2,3-キシリジン、
2,6-キシリジン、3,4-キシリジン、3,5-キシリジン、o-
クロロアニリン、m-クロロアニリン、p-クロロアニリ
ン、o-ブロモアニリン、m-ブロモアニリン、p-ブロモア
ニリン、o-ニトロアニリン、m-ニトロアニリン、p-ニト
ロアニリン、o-アミノフェノール、m-アミノフェノー
ル、p-アミノフェノール、o-アニシジン、m-アニシジ
ン、p-アニシジン、o-フェネジン、m-フェネジン、p-フ
ェネジン、o-アミノベンツアルデヒド、m-アミノベンツ
アルデヒド、p-アミノベンツアルデヒド、o-アミノベン
ゾニトリル、m-アミノベンゾニトリル、p-アミノベンゾ
ニトリル、2-アミノビフェニル、3-アミノビフェニル、
4-アミノビフェニル、2-アミノフェニルフェニルエーテ
ル、3-アミノフェニルフェニルエーテル、4-アミノフェ
ニルフェニルエーテル、2-アミノベンゾフェノン、3-ア
ミノベンゾフェノン、4-アミノベンゾフェノン、2-アミ
ノフェニルフェニルスルフィド、3-アミノフェニルフェ
ニルスルフィド、4-アミノフェニルフェニルスルフィ
ド、2-アミノフェニルフェニルスルホン、3-アミノフェ
ニルフェニルスルホン、4-アミノフェニルフェニルスル
ホン、α-ナフチルアミン、β-ナフチルアミン、1-アミ
ノ-2-ナフトール、2-アミノ-1-ナフトール、4-アミノ-1
-ナフトール、5-アミノ-1-ナフトール、5-アミノ-2-ナ
フトール、7-アミノ-2-ナフトール、8-アミノ-1-ナフト
ール、8-アミノ-2-ナフトール、1-アミノアントラセ
ン、2-アミノアントラセン、9-アミノアントラセン等が
挙げられる。これらの芳香族モノアミンは、アミンまた
はジカルボン酸無水物と反応性を有しない基で置換され
ても差し支えない。
【0061】用いられる芳香族モノアミンの量は、使用
するテトラカルボン酸二無水物1モル当り、0.001
〜1.0モルである。0.001モル比未満では、高温
成形時に粘度の上昇がみられ成形加工性低下の原因とな
る。また、1.0モル比を越えると機械的特性が低下す
る。好ましい使用量は、0.01〜0.5 モルの割合
である。
【0062】前記のように溶融流動性の良好なポリイミ
ドを得るための適切な芳香族ジアミンに対する芳香族テ
トラカルボン酸二無水物のモル比は0.9〜1.0の範
囲である。従って、このように、本発明のポリイミドの
末端が未置換または置換基を有する芳香環であるポリイ
ミドを製造する場合は、芳香族テトラカルボン酸二無水
物、芳香族ジアミン、およびジカルボン酸無水物または
芳香族モノアミンのモル比は、テトラカルボン酸二無水
物1モル当たり、芳香族ジアミンは0.9〜1.0モ
ル、ジカルボン酸無水物または芳香族モノアミンは0.
001〜1.0モルである。本発明のポリイミドの製造
方法は、ポリイミドを製造可能な方法が公知方法を含め
全て適用できるが、中でも有機溶媒中で反応を行うのが
特に好ましい方法である。
【0063】このような反応において用いられる溶媒
は、好ましくは、N,N-ジメチルアセトアミドであるが、
そのほかに使用できる溶媒としては、例えば、N,N-ジメ
チルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジ
メトキシアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-
ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタ
ム、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)
エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビス
2-(2-メトキシエトキシ)エチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ピリジ
ン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホ
ン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、
フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾー
ル、m-クレゾール酸、p-クロロフェノール、アニソール
等が挙げられる。また、これらの有機溶媒は単独でも2
種類以上混合して用いても差し支えない。
【0064】本発明の方法で、有機溶媒に芳香族ジアミ
ン、芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジカルボ
ン酸無水物または芳香族モノアミンを添加反応させる方
法としては、(イ)芳香族ジアミンと芳香族テトラカル
ボン酸二無水物を反応させた後に、芳香族ジカルボン酸
無水物を添加して反応を続ける方法、(ロ)芳香族ジア
ミンに芳香族ジカルボン酸無水物を加えて反応させた
後、芳香族テトラカルボン酸二無水物を添加し、更に反
応を続ける方法、(ハ)芳香族ジアミンに芳香族テトラ
カルボン酸二無水物、芳香族ジカルボン酸無水物を同時
に添加、反応させる方法、(ニ)芳香族テトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させた後、芳香族モ
ノアミンを添加して反応を続ける方法、(ホ)芳香族テ
トラカルボン酸二無水物に芳香族モノアミンを加えて反
応させた後、芳香族ジアミンを添加して、さらに反応を
続ける方法、(へ)芳香族テトラカルボン酸二無水物に
芳香族ジアミン、芳香族モノアミンを同時に添加、反応
させる方法等が挙げられ、いずれの方法をとっても差し
支えない。
【0065】反応温度は通常250℃以下、好ましくは
60℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で
十分実施できる。反応時間は芳香族ジアミン、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物、芳香族ジカルボン酸無水物、
芳香族モノアミン、溶剤の種類および反応温度により異
なり、通常4〜24時間で十分である。
【0066】このような方法により、一般式(1−3)
【化46】 (式中、Arは、炭素数6〜27であり、かつ単環式芳
香族基、縮合多環式芳香族基、あるいは芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基である4価の基を表わす、またトリフルオロメチル
基の置換位置はピリジン核の3または4位であり、アミ
ド結合の置換位置はエーテル結合に対して3または4位
である)で表わされる繰り返し構造単位の少なくとも一
種を必須の構造単位として有するポリアミド酸が得られ
る。
【0067】このポリアミド酸を100〜400 ℃に
加熱脱水するか、または通常用いられるイミド化剤、例
えば、トリエチルアミン、無水酢酸等を用いて化学イミ
ド化することにより、ポリアミド酸に対応する前記一般
式(1)の繰り返し構造単位を基本骨格として有するポ
リイミドが得られる。一般的には低い温度でポリアミド
酸を生成させた後に、更にこれを熱的または化学的にイ
ミド化する上記のような方法が行われる。60〜250
℃の温度で 、このポリアミド酸の生成と熱イミド化反
応を同時に行ってポリイミドを得ることもできる。すな
わち、芳香族ジアミン、テトラカルボン酸二無水物、そ
して、芳香族ジカルボン酸無水物或いは芳香族モノアミ
ンを有機溶媒中に懸濁または溶解させた後加熱下に反応
を行い、ポリアミド酸の生成と脱水イミド化とを同時に
行わせて前記一般式(1)の繰り返し構造単位を基本骨
格として有するポリイミドを得ることもできる。
【0068】本発明のポリイミドの前駆体であるポリア
ミド酸をN,N-ジメチルアセトアミドに0.5g/dlの濃
度で溶解した後、35℃で測定した対数粘度の値は0.
01〜3.0dl/gであり、また本ポリイミド粉を9重
量部のp-クロロフェノールと1重量部のフェノールの混
合溶媒に0.5g/dlの濃度で加熱溶解した後、35℃
において測定した対数粘度の値は0.01〜3.0dl/
gである。本発明におけるポリイミドフィルムの製造方
法としては、本ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸
のワニスをガラスプレート上に塗布した後、加熱してイ
ミド化する方法、直接ポリイミド粉を加熱、加圧するこ
とによりフィルム状にする手法、あるいは有機溶媒に溶
かし、脱溶剤することによりフィルム状にする手法が可
能である。すなわち、従来公知の手法を用いて、フィル
ム状もしくは粉末状のポリイミドを得ることができる。
【0069】本発明のポリイミド系樹脂組成物は、本発
明のポリイミドまたはポリイミド共重合体等のポリイミ
ド樹脂と、この樹脂100重量部に対して、炭素繊維、
ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維またはチタン酸カリ
ウム繊維のような繊維状補強材5〜70重量部、好まし
くは10〜50重量部を含有するものである。繊維状補
強材の含有量が5重量部未満では、十分な補強効果は得
られない。また、70重量部を越えると射出成形等の溶
融成形で、良好な成形体を得るのが困難である。
【0070】本発明のポリイミド系樹脂組成物は、各種
の方法で調製できる。通常公知の各種方法で繊維状補強
材をポリイミド樹脂に添加する方法で調製できる。例え
ば、ポリイミド樹脂の粉末と繊維状補強材を乳鉢、ヘン
シェルミキサー、ドラムブレンダー、タンプラーブレン
ダー、ボールミル、リボンブレンダー等を利用して予備
混練した後、溶融混合機、熱ロール等を用いてペレット
や粉末混合物を得る方法が最も一般的である。このよう
にして得られる本発明のポリイミド系樹脂組成物は、射
出成形法、押し出し成形法、圧縮成形法、回転成形法等
の公知の成形法で成形され実用に供される。本発明のポ
リイミド系樹脂組成物は優れた流動性を有するため、作
業効率の点で射出成形法が最も好ましい。
【0071】また、本発明のポリイミド系樹脂組成物
は、溶融成形に供する場合、本発明の目的を損なわない
範囲内で他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ
エーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフ
ェニルスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイ
ミド、変性ポリエェニレンオキシド、本発明以外のポリ
イミド等を本発明の目的に応じて適当量を配合してもよ
い。
【0072】更に、通常の樹脂組成物に使用する次のよ
うな充填剤等を本発明の目的を損なわない範囲で用いて
もよい。すなわち、グラファイト、カーボランダム、ケ
イ石粉、二硫化モリブデン、フッ素系樹脂などの耐摩耗
性向上剤、三酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウムなどの難燃性向上剤、クレー、マイカなどの
電気的特性向上剤、アスベスト、シリカ、グラファイト
などの耐クラッキング向上剤、硫酸バリウム、シリカ、
メタケイ酸カルシウムなどの耐酸性向上剤、鉄粉、亜鉛
粉、アルミニウム粉、銅粉などの熱伝導度向上剤、その
他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、珪藻土、アルミ
ナ、シラスバルン、水和アルミナ、金属酸化物、着色料
などが挙げられる。
【実施例】
【0073】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。尚、実施例中のポリイミドの物性は以下の方法によ
り測定した。なお、例中で各種物性の測定は次の方法に
よった。 対数粘度:ポリアミド酸ポリアミド酸0.5gをN,N-ジ
メチルアセトアミド100mlに溶解し、35℃で測定し
た。ポリイミド粉ポリイミド粉0.5gをp-クロルフェ
ノール/フェノール (重量比9/1)混合溶媒100ml
に加熱溶解した後、35℃で測定した。 ガラス転移温度(Tg):DSC(島津DT−40シリー
ズ、DSC−AIM)により測定。 5%重量減少温度(Td5) :空気中でDTA−TG
(島津DT−40シリーズ、DTG−40M)により測
定。 イエローネス・インデックス(YI):SMカラーコンピ
ューター(スガ試験機(株)製SM−6−IS−2B)
によりJIS−K−7103に準じて、透過法により測
定。 光線透過率:島津UV−160により測定。誘電率:A
STM−D−150−87に準じて測定。 赤外吸収スペクトル:JASCOFT/IR−300に
より測定。 流動開始温度:島津高化式フローテスター(CFT50
0A)により、荷重100kg昇温速度5℃/minで
測定。 溶融粘度:島津高化式フローテスター(CFT500
A)により、荷重100kgで測定。 熱膨張係数:ASTM−696−79に準じて測定。
【0074】実施例1 温度計、還流冷却器、攪拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF) 400g、
トルエン40g、2,6-ジクロロ-4-トリフルオロメチル
ピリジン45.3g(0.21モル)、m-アミノフェノ
ール48.1g(0.441モル)、炭酸カリウム3
1.9g(0.231モル)を、それぞれ装入し、攪拌
下に130℃まで昇温した後、130℃で5時間熟成し
た。反応終了後、室温まで冷却し、濾過して、無機塩を
取り除いた。濾液に、水480gを加え、有機層を分離
した後、有機層に水1L を加え、粗結晶を得た。これを
イソプロパノール(IPA)で再結晶して、目的物であ
る2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)-4-トリフルオロメチ
ルピリジン50.4g(収率66%)を得た。 融点 112.8〜113.2℃ 元素分析(C1814) C H N F 計算値(%) 59.84 3.91 11.63 15.77 実測値(%) 59.79 3.95 11.61 15.741 H−NMR δ (CDCl 、ppm) 3.68(4H(1)、s)、 6.38〜6.53(6H(2)、m)、 6.63(1H(3)、s)、 6.95〜7.46(2H(4)、m)、 なお、(1)〜(4)は下記式の位置を示す。
【化47】
【0075】実施例2 温度計、還流冷却器、攪拌器を取り付けた四つ口フラス
コに、N,N-ジメチルホルムアミド (DMF) 400g、
トルエン 40g、2,6-ジクロロ-3-トリフルオロメチル
ピリジン45.3g(0.21モル)、m-アミノフェノ
ール48.1g(0.44モル)、炭酸カリウム31.
9g (0.231モル)を、それぞれ装入し、攪拌下に
130℃まで昇温した後、130℃で6時間熟成した。
反応終了後、室温まで冷却し、濾過して無機塩を取り除
いた。減圧下にDMFを留去し、残さにイソピロパノー
ル(IPA) 300gを加えて溶解させ、更にその溶液
に36%HCl184gを加えて目的物を塩酸塩として
析出させた。得られた塩酸塩を水200gに溶解し、2
8%アンモニア水で中和し、その溶液を1,2-ジクロロエ
タン(EDC)で抽出し、EDC層を水洗した後、溶媒
を留去し、目的物の2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)-3-
トリフルオロメチルピリジン33.1g(収率44%)
を得た。 融点 103.0〜104.2℃ 元素分析(C1814323) C H N F 計算値(%)59.84 3.91 11.63 15.77 実測値(%) 59.80 3.93 11.59 15.711 H−NMR δ(CDCl3 、ppm) 3.66(4H(1)、s)、 6.37〜6.60(7H(2)、m) 6.88〜7.08(2H(3)、m)、 7.85 (1H(4))、 d)なお、(1)〜(4)は下記式の位置を示す。
【化48】
【0076】参考例1 かきまぜ機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備え
た容器に2,6-ビス(3-アミノフェノキシ)-4-トリフルオ
ロメチルピリジン7.2264g(0.02モル)とN,N
ジメチルアセトアミド64.09gを装入し、室温で窒
素雰囲気下において2,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニ
ル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物
8.7961g(0.0198モル)を溶液温度の上昇
に注意しながら分割して加え、室温で4時間攪拌した。
その後、無水フタル酸0.0592g(0.0004モ
ル)を装入し、室温で24時間攪拌した。かくして得ら
れたポリアミド酸の対数粘度は0.61dl/gであり、
良好なワニス状を呈していた。上記ポリアミド酸の一部
を取り、ガラス板上にキャストした後100 ℃、20
0℃、250℃に各々1時間かけて昇温し、また各々の
温度で1時間保持した。ただし、250℃についての保
持時間は4時間である。かくして厚さ49.8μm のポ
リイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムのガ
ラス転移温度は194℃、5%重量減少温度は505℃
であった。また、イエローネス・インデックスは6であ
り、500nmでの光線透過率は86%、また誘電率は周
波数60Hzで2.94、3kHzで2.92、1MH
Zで2.90であった。このポリイミドフィルムの赤外
吸収スペクトル図を図1に示す。このスペクトル図で
は、イミド特性吸収帯である1780cm−1、172
0cm−1付近の吸収が顕著に認められた。
【0077】参考例2〜4、比較参考例1〜2 参考例1と全く同様の方法により、表−1(表1)に示
すようなジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物成分
を用いて各種ポリイミドフィルムを得た。表−1(表
1)には、ジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物成
分、アミド酸の対数粘度、ガラス転移温度(Tg)、5
%重量減少温度(Td5)、イエローネス・インデック
ス(YI)、500nmの光線透過率、および誘電率を
参考例1の結果と併せて示す。
【0078】
【表1】
【0079】参考例5 かきまぜ機、温度計、還流冷却器、水分分留器及び窒素
導入管を備えた容器に2,6-ビス(3- アミノフェノキシ)-
4-トリフルオロメチルピリジン 7.2264g(0.
002モル)、2,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)-
1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物8.52
96g(0.0192モル)、無水フタル酸0.237
0g (0.0016モル)、トルエン20g、m-クレゾ
ール63.02gを装入し、窒素雰囲気下において攪拌
しながら150℃まで加熱昇温した。その後150℃で
4時間反応した。この間約0.7 mlの水の留出が確認
された。反応終了後室温まで冷却し、約1L のメタノー
ルに排出した後、ポリイミド粉を濾別した。このポリイ
ミド粉をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して15.
4g(96.3%)のポリイミド粉を得た。かくして得
られたポリイミド粉の対数粘度は0.48dl/gであっ
た。このポリイミド粉のガラス転移温度は185℃、5
%重量減少温度は 505℃であった。また、このポリ
イミド粉の溶融流動開始温度は280℃、340℃での
溶融粘度は3520poiseであった。
【0080】比較参考例3 無水フタル酸を用いないこと以外は参考例5と全く同様
により、ポリイミド粉15.3g(95.7%)を得
た。かくして得られたポリイミド粉の対数粘度は0.4
9dl/gであった。このポリイミド粉のガラス転移温度
は191℃、5%重量減少温度は508℃であった。ま
た、このポリイミド粉の溶融流動開始温度は285℃、
340℃での溶融粘度は3920poiseであった。本比
較例で得られたポリイミド粉の重量減少率を350℃、
空気中での保持時間を変えて測定した。その結果を参考
例5の結果と併せて図2に示す。図2の結果より、得ら
れたポリイミド粉は、保持時間が長くなるに従って重量
減少率が増加し、参考例5で得られたポリイミド粉に比
べて熱酸化安定性が劣ることがわかる。
【0081】参考例6〜8 参考例5と全く同様の方法により、表−2(表2)に示
すようなジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物成分
を用いて各種ポリイミド粉を得た。表−2(表2)に
は、ジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物成分、収
率、ポリイミド粉の対数粘度、ガラス転移温度(T
g)、5%重量減少温度(Td5)、溶融流動開始温
度、および 340℃における溶融粘度を参考例5の結
果と併せて示す。
【0082】
【表2】
【0083】参考例9 攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器
に、実施例2で得た2,6-ビス(3--アミノフェノキシ)-4-
トリフルオロメチルピリジン 5.0589g(0.0
14モル)と3,3'-ジアミノジフェニルエーテル1.2
016g(0.006モル)およびN,N-ジメチルアセト
アミド60.23gを装入し、室温で窒素雰囲気におい
て2,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3
- ヘキサフルオロプロパン二無水物 8.7962g
(0.0198モル)を温度の上昇に注意しながら分割
して加え、室温で4時間攪拌した。その後、無水フタル
酸0.0592g(0.0004モル) を装入し、室温
で24時間攪拌した。かくして得られたポリアミド酸の
対数粘度は0.66dl/g であった。上記ポリアミド酸
の一部を取り、ガラス板上にキャストした後、100
℃、200℃、250℃に各々1時間かけて昇温し、ま
た各々の温度で1時間保持した。ただし、250℃につ
いては保持時間は4時間である。かくして、厚さ52.
3μm のポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフ
ィルムのガラス転移温度は206℃、5%重量減少温度
は518℃であった。またイエローネス・インデックス
は、8であり、500nmでの光透過率は85% 、また
誘電率は周波数60Hzで2.98、3kHzで2.9
3、1MHzで2.91であった。
【0084】参考例10〜18 参考例9と全く同様の方法により、表−3(表3)に示
すようにジアミン成分、およびテトラカルボン酸二無水
物成分を用いて各種ポリイミドフィルムを得た。表−3
(表3)には、ジアミン成分、テトラカルボン酸二無水
物成分、ポリアミド酸の対数粘度、ガラス転移温度(T
g)、5%重量減少温度、イエローネス・インデックス
(YI)、500nmでの光透過率(T%)、および誘電
率を参考例9の結果と合わせて示す。
【0085】
【表3】
【0086】参考例19〜28 前記参考例で得られた各種ポリアミド酸ワニスに、ポリ
イミド重量換算で100重量部に対して繊維長3mm、
繊維径13μmのシラン処理を施したガラス繊維(日東
紡績社商標:CS−3PE−467S)を表−4(表4
及び表5)に示した各々の量添加し、十分に攪拌、均一
化して、参考例1と同様の手法によりポリイミドフィル
ムを作成した。表−4(表4及び表5)には誘電率およ
び線膨張係数(ASTM−696−76による)に示
す。
【0087】比較参考例4〜7 本発明の範囲外の量のガラス繊維を用いた他は、参考例
19〜22と同様の操作を行って、各物性を測定した。
結果を参考例19〜28の結果と併せて表−4(表4及
び表5)に示した。
【0088】比較参考例8〜9 比較参考例1および2で得られたポリアミド酸ワニスに
参考例19〜22と同様の手法でガラス繊維を添加し、
各物性を測定した。結果を参考例19〜28の結果と併
せて表−4(表4及び表5)に示した。
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】参考例29〜38 前記参考例で得られた各種ポリアミド酸ワニスに、ポリ
イミド重量換算で100重量部に対して平均繊維長3m
m、繊維径13μmのシラン処理を施した芳香族ポリア
ミド繊維(デユポン社商標:Kevlar)を表−5
(表6及び表7)に示した各々の量添加し、十分に攪
拌、均一化して、参考例1と同様の手法によりポリイミ
ドフィルムを作成した。表−5(表6及び表7)には誘
電率および線膨張係数(ASTM−696−76によ
る)に示す。
【0092】比較参考例10〜13 本発明の範囲外の量の芳香族ポリアミド繊維を用いた他
は、参考例29〜38と同様の操作を行って、各物性を
測定した。結果を参考例29〜38の結果と併せて表−
5(表6及び表7)に示した。
【0093】比較参考例14〜15 比較参考例1〜2で得られたポリアミド酸ワニスに参考
例29〜38と同様の手法で芳香族ポリアミド繊維を添
加し、各物性を測定した。結果を参考例29〜38の結
果と併せて表−5(表6及び表7)に示した。
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られたポリイミド粉の赤外吸収ス
ペクトルの図である。
【図2】参考例5および比較参考例3で得られたポリイ
ミド粉の350℃における空気中での重量減少率を示し
た図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉井 正司 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井化学株式会社内 (72)発明者 石田 努 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井化学株式会社内 (72)発明者 松尾 充記 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井化学株式会社内 (72)発明者 山口 桂三郎 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井化学株式会社内 (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−100122(JP,A) 特開 昭63−170420(JP,A) 特開 平1−182324(JP,A) 特開 平2−60933(JP,A) 特開 平2−281037(JP,A) 特開 平4−122729(JP,A) 特開 平1−190652(JP,A) 特開 平3−17129(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 213/69 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(3) 【化1】 (式中、トリフルオロメチル基の置換位置はピリジン核
    の3または4位であり、アミノ基の置換位置はエーテル
    結合に対して3または4位である)で表わされる芳香族
    ジアミノ化合物。
  2. 【請求項2】 式(3−1) 【化2】 で表わされる芳香族ジアミノ化合物。
  3. 【請求項3】 式(3−2) 【化3】 で表わされる芳香族ジアミノ化合物。
  4. 【請求項4】 2,6-ジクロロ-3- または4-トリフルオロ
    メチルピリジンと、3-または4-アミノフェノールを塩
    基の存在下、非プロトン性極性溶剤中で縮合させること
    を特徴とする請求項1記載の芳香族ジアミノ化合物の製
    造方法。
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