JP3313869B2 - 防爆型電球 - Google Patents

防爆型電球

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JP3313869B2
JP3313869B2 JP01792294A JP1792294A JP3313869B2 JP 3313869 B2 JP3313869 B2 JP 3313869B2 JP 01792294 A JP01792294 A JP 01792294A JP 1792294 A JP1792294 A JP 1792294A JP 3313869 B2 JP3313869 B2 JP 3313869B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン電球をインナ
バルブとして使用した防爆型電球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン電球は、従来の白熱電球に比べ
て発光効率で25〜30%又はそれ以上優れている事、
外囲器内の圧力を従来の白熱電球より高くできるので、
寿命が長いという事などが良く知られている。
【0003】しかしながら、従来の白熱電球と比較し
て、ハロゲン電球は外囲器のサイズが例えば2ccと非
常に小さいので、フィラメントが時として劣化して垂下
し、外囲器に接触した場合には外囲器の急激な局部的過
熱によって外囲器が破裂して破裂音と共にそのガラス破
片が周囲に飛び散ったり、フィラメントが断線して断線
部分でアーク放電を起こした場合には内部封入ガスが急
激に膨張して外囲器が破裂して破裂音と共にガラス破片
が飛び散ったりするというような問題がある。
【0004】これに対して、従来の白熱電球は、ハロゲ
ン電球に比べてサイズが150ccと非常に大きく且つ
点灯中、内部圧力が大気圧と比較してさほど違わないた
め、断線時やフィラメントの垂下時でも外囲器の破裂も
なければ従って破裂音を発するというような事がなく、
又、フィラメント切断時のアーク放電による破裂もな
い。従って、ハロゲン電球を従来の白熱電球の代替品と
して採用するためには第1に破裂の問題や破裂音の問題
を解消する必要がある。
【0005】また、ハロゲン電球は、前述のように従来
の白熱電球に比べてサイズが小さく、使用口金も通常は
E11タイプのものが使用されていて一般家庭のコンセ
ント(E27又はE26タイプ)にそのままでは螺入で
きないという使用上の問題の他に、ハロゲン電球を従来
の白熱電球の代替品として使用するためには、慣れ親し
んだ従来の白熱電球の形状そのもの乃至それに近い形状
にする必要があるが、現在のハロゲン電球は従来の白熱
電球に比べて著しく小さく、一般消費者には違和感があ
るという消費者側での習慣上の問題がある。その他、石
英ガラスを外囲器に使用した場合には、手で直接外囲器
に触れると手のNaClが外囲器に付着して、外囲器の
失透を生じる原因となり、その取り扱いが非常に難し
く、一般家庭での使用は困難なものがあった。従って、
これまでの形状並びに材質ではハロゲン電球を家庭用と
して用いる事は各種の問題を発生させると考えられてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の欠点に鑑みてなされたもので、本発明の解決しよう
とする課題は、ハロゲン電球を従来の白熱電球の代替品
として一般家庭でも安全に使用できるようにすることに
あり、そのためには、従来の白熱電球と同等の形状を確
保し、その使い方も従来の白熱電球と同等であること、
バルブ表面温度を出来る限り低下させること、インナバ
ルブとして使用するハロゲン電球の防爆対策を完全に行
うこと、ハロゲン電球の爆発時の音を出来る限り小さく
することなどが挙げられる。すなわち、ハロゲンランプ
の特徴と従来の白熱電球の簡便さや親しみとを融合した
新規かつ画期的な次世代の新型ハロゲンランプを提供す
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の防爆型電球の基
本型は、請求項1に示すように、(a) インナバルブとして使用されるハロゲン電球(1)と、(b) 前記ハロゲン電球(1)を収納し、内面又は内面及び外
面に防爆層(8)が形成され、内部が減圧されているアウ
タバルブ(7)と、(c) アウタバルブ(7)の開口端に取り付けられた口金(9)
とで構成された事を特徴とする。
【0008】請求項1の応用例は、請求項2に示すよう
に、(a) インナバルブとして使用されるハロゲン電球(1)と、(b) 前記ハロゲン電球(1)を収納し、内面又は内面及び外
面に防爆層(8)が形成され、内部が減圧されているアウ
タバルブ(7)と、(c) アウタバルブ(7)の開口端に取り付けられた口金(9)
と、(d) ハロゲン電球(1)の通電路(P)に設置されたヒューズ
(18)とで構成された事を特徴とする。
【0009】長時間の使用中には、フィラメント(2)が
劣化して場合によっては垂下し、外囲器(17)に接触して
外囲器(17)の接触部分が急激に過熱されて外囲器(17)が
破裂する場合や、ピンチシール時のピンチシール部(3)
並びにその周辺のアニール不足による残留歪み及びチッ
プ管(17a)又はその周辺のアニール不足による残留歪み
がハロゲン電球(1)の点灯・消灯によって助長され、最
終的にはピンチシール部(3)やチップ管(17a)又はその周
辺にクラックが入って外囲器(17)が破裂する場合や、フ
ィラメント(2)の断線によって断線部分にアーク放電が
発生し、外囲器(17)内の封入ガスが急激に熱膨張して外
囲器(17)を破裂させる事がある。
【0010】この場合、アウタバルブ(7)内が減圧状態
であるから、アウタバルブ(7)内に伝播媒体がほとんど
存在しない。これにより、外囲器(17)が破裂しても前記
伝播媒体の不存在によって外囲器(17)の爆発音が伝達さ
れず、従って、アウタバルブ(7)内に収納されたハロゲ
ン電球(1)の外囲器(17)の破裂音はほとんど気にならな
い位に軽減される事になる。
【0011】更に、アウタバルブ(7)内を減圧状態にす
る事により、ハロゲン電球(1)からアウタバルブ(7)への
対流による熱の伝達がほとんどなく、アウタバルブ(7)
の昇温が放射熱のみとなり、対流が少ない分だけ同一ワ
ット数のものでもアウタバルブ(7)の表面温度が低く且
つ全体の均熱化を図る事ができる。これにより、アウタ
バルブ(7)に、例えば防爆層(8)形成用の樹脂の塗布を行
ったとしても、部分的な高温部分が発生しないので、樹
脂の部分的劣化を抑制する事ができる。
【0012】また、変形例に示すように、中継コード(1
1)など、通電路(P)の途中にヒューズ(18)を挿入するこ
とで、フィラメント(2)の切断時に発生する事があるア
ーク放電によるハロゲン電球(1)の破裂を未然に防ぐこ
ともできる。本発明にかかる防爆型電球は、これらの利
点に加えて口金(9)を従来の白熱電球と同じものを使用
する事、アウタバルブ(7)の形状が従来の白熱電球とほ
ぼ同じであり、消費者に違和感を与えないという事等に
より、従来の白熱電球の代替品としてハロゲン電球を家
庭用に使用することが出来る。
【0013】
【実施例】以下、本発明にかかる防爆型電球を図示実施
例に従って詳述する。本発明の防爆型電球は主として、
ハロゲン電球(1)、アウタバルブ(7)並びに口金(9)にて
構成されている。ハロゲン電球(1)はインナバルブとし
て使用されるもので、外囲器(17)のピンチシール部(3)
から外囲器(17)内にリード棒(4)が立設されており、そ
の先端部分にフィラメント(2)が架設されている。外囲
器(17)内にはキセノンガス又はクリプトンガスを始め各
種封入ガスが収納されており、その封入圧力は3〜5気
圧である。また、インナーバルブ内のH2O、O2、OH
基を除去し、所謂ウォーターサイクルを防止してフィラ
メント(2)のサグの発生を軽減すると共にハロゲン電球
(1)の寿命を長持ちさせるために、必要に応じてタンタ
ル、ニッケル、アルミニウムなどのゲッタも封入される
事がある。
【0014】外囲器(17)は、ハードガラスや石英ガラス
等がその用途に合わせて選定される。本実施例では、コ
スト低減のためにハードガラスが使用される。外囲器(1
7)がハードガラスの場合、モリブデン製のリード棒(4)
と膨張係数がほぼ等しいので、モリブデン金属箔を使用
する事なく、直接、ハロゲン電球(1)のピンチシール部
(3)内にリード棒(4)を挿通する事ができる。外囲器(17)
が、石英ガラスの場合、図示していないが、ピンチシー
ル部内にモリブデン金属箔を埋入し、前記モリブデン金
属箔を介して内部リード棒と外部リード棒とが接続さ
れ、前記外部リード棒が前記ピンチシール部(3)から外
部に導出される事になる。
【0015】アウタバルブ(7)は、従来の白熱電球と同
一乃至これに近い形状のもので、内面のみ又は外面のみ
乃至内外両面に防爆層(8)が形成されている。防爆層(8)
は、テフロン樹脂やシリコン樹脂など耐熱性、透光性、
引っ張り強度に優れた素材によって構成されている。ア
ウタバルブ(7)の容積は、勿論これに限られないが、通
常、150〜140cc程度のものが使用される。アウ
タバルブ(7)の材質も特に限定されないが、石英ガラ
ス、ハードガラス、ソーダガラス等が使用される。コス
ト的にはハードガラスやソーダガラスが好適である。
【0016】アウタバルブ(7)の外周に防爆層(8)を形成
する場合は、完成品の外側に防爆層(8)形成用の樹脂
(例えばテフロン樹脂やシリコン樹脂)を塗布する事に
なるが、アウタバルブ(7)の内面に防爆層(8)形成用の樹
脂を塗布する場合は、例えばテフロン樹脂粉末やシリコ
ン樹脂粉末を静電塗装のような方法でアウタバルブ(7)
の内周面に付着させ、その開口部分内面の付着テフロン
樹脂粉末又はシリコン樹脂粉末を拭き取り、然る後アウ
タバルブ(7)を焼成する。これにより、図3に示すよう
にステム(10)が白熱温度に加熱され、軟化接続されるア
ウタバルブ(7)の開口部分を除いてその内面にテフロン
樹脂又はシリコン樹脂による防爆層(8)が形成される事
になる。
【0017】防爆層(8)の厚さは、ハロゲン電球(1)のサ
イズ、消費電力その他の条件により一概に言えないが、
30μm以上で、通常、300μmもあれば十分であ
る。アウタバルブ(7)の容積は、ハロゲン電球(1)の容積
に対して通常は、30〜90倍程度又はそれ以上であ
る。(例えば、ハロゲン電球(1)の容積が2ccに対し
てアウタバルブ(7)の容積が150ccである。) 防爆層(8)は、透明乃至半透明にする事が出来るし、任
意の色に着色する事もできる。これにより、アウタバル
ブ(7)からでる光りの色を自由に変える事が出来る。防
爆層(8)に使用される材質は、伸縮性に富み、強靭で破
れにくいものが使用される。実際には前述のようにテフ
ロン樹脂やシリコン樹脂が使用されるが勿論これに限ら
れないものである。
【0018】(10)はステムで、アウタバルブ(7)の開口
端に気密的に融着接続されており、このステム(10)に埋
入された一対の中継コード(11)の上部突出端各々にハロ
ゲン電球(1)のリード棒(4)が溶接接続されている。勿
論、中継コード(11)の埋入部分はステム(10)にプレスさ
れて気密状態を保つようになっている。中継コード(11)
は一般的にステム(10)と膨張係数がほぼ等しいジュメッ
ト線が使用される。ステム(10)には排気孔が形成されて
おり、ステム(10)の下端に突出せる排気管(15)が前記排
気孔に接続されている。
【0019】口金(9)は、従来の白熱電球に使用される
E26、E27などで、従来のコンセントに螺入できる
形状となっている。この口金(9)はアウタバルブ(7)の開
口端に接着剤(14)にて接着されており、ハロゲン電球
(1)がアウタバルブ(7)の内部中心部に位置するように固
定されている。勿論、バイヨネット形式の口金を使用す
る事も可能である。ステム(10)の下端から導出された中
継コード(11)の一方は、口金(9)の中央電極(13)『=通
常、アイレットと称する』に接続され、他は口金(9)に
ハンダ付けされている。口金(9)の内側下端部には絶縁
体(12)が充填されており、中央電極(13)と口金(9)とを
電気的にセパレートしている。
【0020】また、通電路(P)の一部を構成する中継コ
ード(11)の途中には、ヒューズ(18)が設置されており、
フィラメント(2)に耐圧以上の電圧が掛かった場合に
は、フィラメント(2)の断線以前にヒューズ(18)が断線
して、ハロゲン電球(A)の破裂を基本的に防止するよう
になっている。
【0021】アウタバルブ(7)内の減圧方法は、ステム
(10)に設けられた排気管(15)を真空ポンプなどの排気設
備(図示せず)に接続し、所定の圧力まで減圧し、然る
後、排気管(15)を封切する。これにより、アウタバルブ
(7)内は減圧状態に保たれることになる。これに限定さ
れることはないが、ここでは、例えば0.3気圧以下に
減圧されている。
【0022】上記のように構成された防爆型電球の口金
(9)を家庭用コンセントに螺入し、スイッチを投入する
とフィラメント(2)が点灯する。ハロゲン電球(1)は、白
熱電球より効率が25〜30%と優れてるので、例えば
60Wの白熱電球に対して42W程度のハロゲン電球
(1)が相当する。これにより、省エネルギを達成する事
ができる。
【0023】また、ハロゲン電球(1)の外囲器(17)内の
圧力は前述のように3〜5気圧と非常に高く(従来の白
熱電球の外囲器内の圧力は0.8気圧程度)、それ故ハ
ロゲンサイクル中のフィラメント(2)の蒸発を抑制する
事ができ、寿命を平均2倍程度延長する事ができる。
【0024】長時間の使用中には前述のように、フィラ
メント(2)が時として劣化して垂下し、外囲器に極端に
近接するか接触して外囲器(17)の接触部分が急激に過熱
されて外囲器(17)が破裂する場合や、ピンチシール部
(3)やチップ管(17a)並びにその近傍部分のアニール不足
による残留歪みがハロゲン電球(1)の点灯・消灯によっ
て助長され、ピンチシール部(3)やチップ管(17a)並びに
その近傍部分にクラックが入って外囲器(17)が破裂する
場合や、フィラメント(2)の断線によって断線部分にア
ーク放電が発生し、外囲器(17)内の封入ガスが急激に熱
膨張して外囲器(17)を破裂させる事がある。尚、ピンチ
シール部(3)やチップ管(17a)並びにその近傍部分のアニ
ール不足による残留歪みによってハロゲン電球(1)の外
囲器(17)が破裂する場合は、外囲器(17)内の封入ガス圧
がそれほど大きくなる前にクラックや爆発が発生してし
まうために、その爆発力は比較的小さく、アウタバルブ
(7)の連鎖破裂に繋がる確率が小さい。
【0025】しかし、外囲器(17)の破片が破裂によって
飛散してアウタバルブ(7)に衝突し、アウタバルブ(7)を
破損させる事もある。この場合、アウタバルブ(7)の内
周又は/及び外周に一体的に層着されている防爆層(8)に
よってアウタバルブ(7)のガラス破片が周囲に飛散す
る事を防止できる。また、アルタバルブ(7)に施された
防爆層(8)が破れることもなく、従って音も発生しな
い。
【0026】次に、本発明の変形例に示すように、中継
コード(11)にヒューズ(18)を設ける場合、そのヒューズ
(18)の作用効果について述べる。前述のようにフィラメ
ント(2)の断線に起因するアーク放電が外囲器(17)内で
発生し、これが持続すると外囲器(17)内のガスが熱膨張
し、ガス圧が数10気圧に達し、外囲器(17)の耐圧近く
まで達する。前述のように、外囲器(17)にはチップ管(1
7a)やピンチシール部(3)など、歪みを有する弱点部分が
存在する。従って、前記膨張ガスによるガス圧の増大に
耐え切れず、外囲器(17)が破裂する事が考えられるが、
フィラメント(2)が蒸発して消失するとアーク放電が発
生し、抵抗値が殆ど零になるためハロゲン電球(1)の外
囲器(17)内を大電流が流れる。この大電流はヒューズ(1
8)を流れる事になるので、前述のように外囲器(17)内の
ガス圧が耐圧力以上に高騰する前にヒューズ(18)が溶断
して通電を遮断する。即ち、ヒューズ(18)は、アーク放
電の持続による外囲器(17)の破裂を防止するものであ
る。
【0027】しかしながら、ヒューズ(18)の溶断は電気
的現象でなく物理的現象であるから、僅かながらでも時
間がかかる。従って、ヒューズ(18)の溶断以前にハロゲ
ン電球(1)が破裂する場合もある。この場合はたとえハ
ロゲン電球(1)の破裂による破片でアウタバルブ(7)が連
鎖的に破裂したとしても前述の防爆層(8)の働きにより
アウタバルブ(7)の破片の周囲への飛散が防止される。
また、この場合も爆発音は上記の理由により発生しな
い。ここで、アウタバルブ(7)の内周に防爆層(8)を形成
した場合には、防爆層(8)によるハロゲン電球(1)の破裂
による衝撃を吸収する事ができて好ましいし、アウタバ
ルブ(7)の外周面に防爆層(8)を形成した場合は、割れた
アウタバルブ(7)が防爆層(8)に接着して飛散しない。従
って、アウタバルブ(7)の内外に防爆層(8)を形成する事
が、アウタバルブ(7)の保護を行うえで好ましい。尚、
内周側に樹脂を塗布する場合は、球体部分のみに形成す
るようにしてもよい。
【0028】なお、アウタバルブ(7)内を真空にする事
により、ハロゲン電球(1)からアウタバルブ(7)への対流
による熱の伝達が阻害され、アウタバルブ(7)が均熱さ
れ、防爆層(8)の樹脂の部分的劣化を防止する事ができ
るのみならず、異常に高い温度領域が存在しないので、
樹脂の選択の幅か広がるという利点がある。なお、内部
用と外部用の樹脂の種類を替え、内部用には耐衝撃性に
優れた樹脂を使用し、外部用にはアウタバルブ(7)との
接着性に優れた樹脂とする事も考えられるし、防爆層
(8)を2層にして、アウタバルブ(7)に接着する層を接着
性に優れた樹脂とし、外面側を耐衝撃性に優れた樹脂と
するようにしてもよい。
【0029】《実験例1》インナバルブとしてハードガ
ラス製の120V、42Wのハロゲン電球を使用し、ア
ウタバルブをハードガラス製で150ccとした。破裂
実験では、約200Vの電圧を印加してハロゲン電球を
破裂させ、防爆層の効果、アウタバルブの容積と破裂状
況を観察した。防爆層を形成する樹脂はシリコン樹脂を
使用した。 シリコン樹脂の膜厚 膜厚(μm) アウタバルブの破片の飛散有無 あり=× なし=○ 10 × 20 × 30 ○(最小膜厚限界) 40 ○ : : 300又はそれ以上 ○(一般的使用膜厚=300μm) アウタバルブ内の気圧 気圧 アウタバルブの破裂有無 破裂音 あり=× なし=○ 0.3 ○ ○ 0.4 ○ ○ 0.5 ○ ○ 0.6 × × 0.7 × × 0.8 × × 1.0 × ×
【0030】《実験例2》次に、フィラメント(2)の断
線とアーク放電との関係並びに通電路(P)に設置したヒ
ューズ(18)の効果についての実験例を以下に説明する。
フィラメント(2)の断線が生じた場合、前述のようにそ
の断線部分にアーク放電が発生しやすい。アーク放電が
発生すると、その部分に過大電流が流れて(従って、電
源電圧が急落する。)急激に熱せられタングステン蒸気
を発生する。フィラメント(2)はアーク放電のために次
第に蒸発し、外囲器(17)内で安定なアーク又はグロー放
電が持続する。その結果、外囲器(17)内のガス温度が上
昇して最終的には外囲器(17)の破裂に至るものである。
フィラメント(2)の断線から外囲器(17)の破裂に至る迄
の時間は、一定していないが、大略1.5秒程度であ
る。この実験結果に付いては後述する。
【0031】ここで、ヒューズ(18)を通電路(P)に設け
ておけば、アーク放電による過大電流の発生とほぼ同時
にヒューズ(18)が溶損し、外囲器(17)の破裂前に通電停
止による消弧が起き、外囲器(17)の破裂を未然に防止す
る事になり、非常に安全なものとなる。尚、ヒューズ(1
8)の溶断前に外囲器(17)が破裂するような場合は、前述
のように部分的弱点があり、これが原因となって破裂す
るものであるから、その爆発力は比較的小さく、アウタ
バルブ(7)を連鎖破裂させる確率は小さい。万が一、ア
ウタバルブ(7)の連鎖破裂が生じた場合でも防爆層(8)の
存在によりアウタバルブ(7)の破片の飛散と破裂音の外
部への漏れは高い確率で防止される事になる。
【0032】130V、50W、0.4Aのハロゲン電
球(A)を垂直に取り付け、定格の2倍の電圧(260
V)を印加し、破裂に至るまでの電流・電圧波形と外囲
器(17)内の状況の変化を観察した。(電圧テストと電流
テストに使用したハロゲン電球は当然相違するので、そ
のバラツキが実験結果に表れて来ている事を注意してお
く。)
【0033】 定格の2倍の電圧を印加すると、通常
の電流値の約8倍の第1突入電流が現れ、続いて約2倍
の第2突入電流が現れ、次第に収束しつつ第3、第4と
いうように突入電流が現れる。この間の時間は約0.0
5秒であった。続いて、フィラメント(2)の溶断が発生
して部分アークが生じ、タングステンの蒸発が始まる。
これにより、電流値が急騰する。然る後、前述のような
外囲器(17)内の変化を経て破裂に至る。従って、印加開
始から破裂に至るまでの時間はこの試料の場合は、わず
か0.15秒であった。(別の試料では、破裂までのア
ークの持続は0.9秒であった。)
【0034】 一方、電圧波形を見ると、印加開始か
ら電圧実効値で260√2Vの電圧のフィラメント(2)
への印加があり、これが0.07秒経過した後、フィラ
メント(2)の断線が発生し、部分アークの発生が見られ
た。この時、電圧は実効値で150√2Vに低下し、こ
の状態が0.1秒続く。然る後、再度電圧実効値で26
0√2Vまで急騰してから電圧値が0に低下し、0.8
秒継続した後、外囲器(17)の破裂に至った。この場合
は、印加開始から破裂まで1.5秒を要している。一
方、ヒューズ(18)の溶断はこれにより短時間で発生する
ので、通電路(P)にヒューズ(18)を挿入することは、防
爆対策として非常に有効である事が理解される。
【0035】ここで実際にヒューズ(18)を挿入した場合
とヒューズなしの場合の実験結果を紹介する。ヒューズ
(18)を設けなかった場合は前述のような状態で遅かれ早
かれ破裂に至るものであるが、ヒューズ(18)を挿入した
場合には、一般的にはアーク放電発生の1サイクル目で
でヒューズ(18)が断線して外囲器(17)内のガス圧力が急
騰する前に消弧し、外囲器(1)の破裂をほぼ免れる事が
分かった。
【0036】なお、このようにヒューズ(18)を通電路
(P)に挿入する事は、防爆上で非常に効果のある事であ
るが、前述のようにヒューズ(18)の溶損前に破裂する事
も予想される。この場合は、前述のようにアウタバルブ
(7)に対して一体的に形成された防爆層(8)の作用より、
アウタバルブ(7)の破損は見られてもガラス破片の周囲
への飛散を防止でき、使用者に危険を与えるような事が
ない。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン電球をインナ
バルブとして使用し、アウタバルブ内を減圧状態にする
と共にその内面及び/又は外面に防爆層を形成している
ので、 ハロゲン電球の高発光効率により、省エネルギを達成
する事ができるだけでなく、ハロゲンランプの特徴であ
る、寿命末期まで明るさが変わらないという特徴が実現
される。(従来の白熱電球は寿命経過と共に暗くなって
ゆく。) 万が一ハロゲン電球が破裂した場合には、減圧による
アウタバルブ内の伝播媒体の不存在により、インナーバ
ルブであるハロゲン電球の破裂音が外部に伝播されない
という利点がある。 ハロゲン電球の破裂による破片がアウタバルブに衝突
してアウタバルブを連鎖的に破壊したとしても、アウタ
バルブに一体的に形成された前記防爆層の存在により、
ガラス破片が周囲に飛散する事がなく、ガラス破片によ
って消費者が傷付けらるような事がない。また、防爆層
が破れないため、中の封入ガスも漏れないため、アウタ
バルブの破裂時の爆発音も発生しない。 更に、ヒューズを通電路に設けた場合には、フィラメ
ントの断線によるアーク放電が発生すると、ヒューズが
アーク放電発生の初期に溶断してアークの消弧をもたら
し、ハロゲン電球の破裂を未然に防止する事ができる。
更に安全性が確保されるという事を意味する。尚、万が
一ヒューズの溶断以前にハロゲン電球が破裂した場合に
は、前記防爆層がその働きを発揮する。 その他、アウタバルブ内が減圧状態となっているの
で、ハロゲン電球の熱の伝達も放射熱だけとなってアウ
タバルブの部分的異常昇温も解消されて比較的低温にて
均熱状態となり、防爆層用の樹脂選択も幅が広がると同
時に手で触れても火傷をする機会が少なくなるという利
点がある。 ハロゲン電球を使用することによる省エネルギの達
成、寿命の延長なども達成する事が出来、口金を従来の
白熱電球と同じものを使用する事により、従来の家庭用
白熱電球の代替品として非常に有効であるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるハロゲン電球の第1実施例の断
面図
【図2】本発明にかかるハロゲン電球の第2実施例の断
面図
【図3】本発明にかかるハロゲン電球の第3実施例の断
面図
【符号の説明】
(1)…ハロゲン電球 (7)…アウタバルブ (8)…防爆層 (9)…口金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 哲也 姫路市豊富町御蔭字高丸703 フェニッ クス電機株式会社 内 (56)参考文献 特開 平3−295149(JP,A) 特開 平4−212261(JP,A) 特開 平5−166496(JP,A) 特開 平2−177248(JP,A) 実開 昭61−103862(JP,U) 実公 昭45−9173(JP,Y1) 特表 昭61−500391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01K 1/32 - 1/34

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナバルブとして使用されるハロゲ
    ン電球と、前記ハロゲン電球を収納し、内面又は内面及
    び外面に防爆層が形成され、内部が減圧されているアウ
    タバルブと、アウタバルブの開口端に取り付けられた口
    金とで構成された事を特徴とする防爆型電球。
  2. 【請求項2】 インナバルブとして使用されるハロゲ
    ン電球と、前記ハロゲン電球を収納し、内面又は内面及
    び外面に防爆層が形成され、内部が減圧されているアウ
    タバルブと、アウタバルブの開口端に取り付けられた口
    金と、ハロゲン電球の通電路に設置されたヒューズとで
    構成された事を特徴とする防爆型電球。
  3. 【請求項3】 インナバルブの容積に対してアウタバ
    ルブの容積が30倍以上である事を特徴とする請求項1
    又は2に記載の防爆型電球。
  4. 【請求項4】 アウタバルブ内の圧力が0.5気圧以
    下である事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の防爆型電球。
  5. 【請求項5】 アウタバルブに層着される防爆層の膜
    厚が30μm以上である事を特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の防爆型電球。
  6. 【請求項6】 防爆層を2層にて構成し、アウタバル
    ブに接着する層を、ガラスとの親和性に優れた素材と
    し、接着層の外側の層を耐衝撃性に優れた素材にて構成
    する事を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の防
    爆型電球。
  7. 【請求項7】 防爆層が伸縮性樹脂で形成されている
    事を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の防爆型
    電球。
  8. 【請求項8】 伸縮性樹脂がシリコン樹脂である事を
    特徴とする請求項7に記載の防爆型電球。
  9. 【請求項9】 伸縮性樹脂がテフロン樹脂である事を
    特徴とする請求項7に記載の防爆型電球。
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