JP3312508B2 - トロッカ− - Google Patents
トロッカ−Info
- Publication number
- JP3312508B2 JP3312508B2 JP30442894A JP30442894A JP3312508B2 JP 3312508 B2 JP3312508 B2 JP 3312508B2 JP 30442894 A JP30442894 A JP 30442894A JP 30442894 A JP30442894 A JP 30442894A JP 3312508 B2 JP3312508 B2 JP 3312508B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- wall
- liquid
- gas
- abdominal cavity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Endoscopes (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は腹腔鏡下手術で使用され
るトロッカ−に関し、詳しくはトロッカ−に内視鏡を収
容して体内患部を診る時、体液で汚れたレンズカバ−を
洗浄して体内患部を観察するためのトロッカ−に関す
る。
るトロッカ−に関し、詳しくはトロッカ−に内視鏡を収
容して体内患部を診る時、体液で汚れたレンズカバ−を
洗浄して体内患部を観察するためのトロッカ−に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、腹腔内の外科手術においては、広
範囲の皮膚切開を避けるために、腹腔鏡下手術が行われ
ている。腹腔鏡下手術の瘻孔形成の方法としては、クロ
−ズ法とオ−プン法とがある。クロ−ズ法は気腹針で腹
腔に炭酸ガスを導入して腹腔を膨張させ、十分に膨張し
たら気腹針に変えて大きな直径（５〜12mm）のトロッカ
−内針に安全シ−ルド機構が付いたものを挿入する。オ
−プン法は皮膚を小切開後、鈍針のトロッカ−を挿入
し、内針を抜き去った後外筒から気腹し、内視鏡を挿入
して外科的処置を行うものである。オ−プン法の場合、
切開により予め体外への瘻孔は形成されているので、ト
ロッカ−外套管に内視鏡を挿入することによって体内患
部の観察は可能である。
範囲の皮膚切開を避けるために、腹腔鏡下手術が行われ
ている。腹腔鏡下手術の瘻孔形成の方法としては、クロ
−ズ法とオ−プン法とがある。クロ−ズ法は気腹針で腹
腔に炭酸ガスを導入して腹腔を膨張させ、十分に膨張し
たら気腹針に変えて大きな直径（５〜12mm）のトロッカ
−内針に安全シ−ルド機構が付いたものを挿入する。オ
−プン法は皮膚を小切開後、鈍針のトロッカ−を挿入
し、内針を抜き去った後外筒から気腹し、内視鏡を挿入
して外科的処置を行うものである。オ−プン法の場合、
切開により予め体外への瘻孔は形成されているので、ト
ロッカ−外套管に内視鏡を挿入することによって体内患
部の観察は可能である。
【０００３】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、トロッ
カ−外套管を腹腔に挿入して体内患部を診る時、体液が
外套管のレンズカバ−を汚すので緻密な患部観察ができ
ず、特に写真を撮る場合レンズカバ−の汚れも患部と一
緒に写るので診断に困ることが多かった。また、内視鏡
観察は気腹した腹腔内で行うものであるが、観察時間が
長くなると腹腔内のガスが漏れて十分に診察ができなく
なることがあり、腹腔の内視鏡観察において腹腔内のガ
ス漏れを防止する手段が必要である。本発明の目的はレ
ンズカバ−の汚れを液体で洗浄して連続的に写真を撮っ
たり、患部観察ができるようにするトロッカ−を提供す
ることである。また、本発明の他の目的は、腹腔内のガ
ス漏れを防止して内視鏡観察が十分に行えるようにする
トロッカ−を提供することである。
カ−外套管を腹腔に挿入して体内患部を診る時、体液が
外套管のレンズカバ−を汚すので緻密な患部観察ができ
ず、特に写真を撮る場合レンズカバ−の汚れも患部と一
緒に写るので診断に困ることが多かった。また、内視鏡
観察は気腹した腹腔内で行うものであるが、観察時間が
長くなると腹腔内のガスが漏れて十分に診察ができなく
なることがあり、腹腔の内視鏡観察において腹腔内のガ
ス漏れを防止する手段が必要である。本発明の目的はレ
ンズカバ−の汚れを液体で洗浄して連続的に写真を撮っ
たり、患部観察ができるようにするトロッカ−を提供す
ることである。また、本発明の他の目的は、腹腔内のガ
ス漏れを防止して内視鏡観察が十分に行えるようにする
トロッカ−を提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は(1)
先端にレンズカバ−、基端に外套管と固定する手段が設
けられてなる内套管と、 (2) 前記内套管を内挿し先端開口に前記レンズカバ−を
洗浄するための液体洗浄手段と、基端に液体を断続的に
注入する手段と前記内套管と固定する手段が設けられて
なる外套管と、 (3) 前記内套管の外壁と前記外套管の内壁との間の隙間
に設けられたレンズカバ−を洗浄するための液体通路
と、 (4) 前記外套管の外壁に設けられた腹腔にガスを流入す
る手段と該ガスが腹腔から漏出するのを防止する手段と
前記外套管を腹壁に固定する手段とからなる外套管外壁
に摺動自在な外套管固定具とからなるトロッカ−であ
る。
先端にレンズカバ−、基端に外套管と固定する手段が設
けられてなる内套管と、 (2) 前記内套管を内挿し先端開口に前記レンズカバ−を
洗浄するための液体洗浄手段と、基端に液体を断続的に
注入する手段と前記内套管と固定する手段が設けられて
なる外套管と、 (3) 前記内套管の外壁と前記外套管の内壁との間の隙間
に設けられたレンズカバ−を洗浄するための液体通路
と、 (4) 前記外套管の外壁に設けられた腹腔にガスを流入す
る手段と該ガスが腹腔から漏出するのを防止する手段と
前記外套管を腹壁に固定する手段とからなる外套管外壁
に摺動自在な外套管固定具とからなるトロッカ−であ
る。
【０００５】また、本発明は前記トロッカーにおいて、
内套管と外套管とを固定する手段が、上部外壁に雄ネ
ジを有し、下部内壁に環状の一端が固定され、他端が開
放された複数のスリットからなる円筒上の鞘状体と、上
部に前記雄ネジと螺合して内視鏡を前記スリットで固締
する雌ネジが設けられ、その足部は外套管先端開口付近
に設けられた雌ネジと螺合して、内套管と外套管とを固
定する雄ネジが設けられてなる円筒体とからなるトロッ
カーである。更に、本発明は前記トロッカーにおいて、
液体洗浄手段は、円周面に複数の孔を有する環状体の外
周から内周に向けて液体が注入されて、レンズカバーを
洗浄するトロッカーである。更にまた、本発明は前記ト
ロッカーにおいて、液体を断続的に注入する手段は、ス
プリングによって押し上げられたプランジャーのボタン
を押すことによって、プランジャー側部に設けられた液
体流入口と液体通路とを遮断する弁が離れて、液体が液
体流入口から液体通路に流入するトロッカーである。
内套管と外套管とを固定する手段が、上部外壁に雄ネ
ジを有し、下部内壁に環状の一端が固定され、他端が開
放された複数のスリットからなる円筒上の鞘状体と、上
部に前記雄ネジと螺合して内視鏡を前記スリットで固締
する雌ネジが設けられ、その足部は外套管先端開口付近
に設けられた雌ネジと螺合して、内套管と外套管とを固
定する雄ネジが設けられてなる円筒体とからなるトロッ
カーである。更に、本発明は前記トロッカーにおいて、
液体洗浄手段は、円周面に複数の孔を有する環状体の外
周から内周に向けて液体が注入されて、レンズカバーを
洗浄するトロッカーである。更にまた、本発明は前記ト
ロッカーにおいて、液体を断続的に注入する手段は、ス
プリングによって押し上げられたプランジャーのボタン
を押すことによって、プランジャー側部に設けられた液
体流入口と液体通路とを遮断する弁が離れて、液体が液
体流入口から液体通路に流入するトロッカーである。
【０００６】また、本発明は前記トロッカ−において、
外套管を腹壁に固定する手段が先端側直径が次第に小さ
くなる円錐形の可撓性樹脂層からなり、その外面には複
数の環状の突条体が設けられてなり、外套管外壁と前記
可撓性樹脂層との隙間にはガス通路が形成されてなり、
該隙間の先端は開口されて腹腔にガスが流入されてなる
トロッカ−である。更に、本発明は前記トロッカ−にお
いて、腹腔にガスを流入する手段と該ガスが腹腔から漏
出することを防止する手段はガス流入口に逆止弁を設け
てなるトロッカ−である。
外套管を腹壁に固定する手段が先端側直径が次第に小さ
くなる円錐形の可撓性樹脂層からなり、その外面には複
数の環状の突条体が設けられてなり、外套管外壁と前記
可撓性樹脂層との隙間にはガス通路が形成されてなり、
該隙間の先端は開口されて腹腔にガスが流入されてなる
トロッカ−である。更に、本発明は前記トロッカ−にお
いて、腹腔にガスを流入する手段と該ガスが腹腔から漏
出することを防止する手段はガス流入口に逆止弁を設け
てなるトロッカ−である。
【０００７】
【作用】腹壁の皮膚を小切開後、鈍針のトロッカ−を挿
入し、内針を抜き去る。その後、内套管と外套管とを基
端で固定した本発明のトロッカ−を、腹壁の切開部から
外套管固定具のガス流入通路の先端口が腹腔内に入るま
で挿入して固定する。次いで外套管固定具のガス流入口
から加圧ガス、特に炭酸ガスを腹腔内に流入する。加圧
ガスは逆止弁によって外部に洩れないようになってい
る。その後、内視鏡を内套管の内腔に挿入し、外套管の
基端に設けられたプランジャ−のボタンを押すことによ
って、液体、例えば生理食塩水が内套管と外套管の隙間
に形成された液体通路を通って、外套管先端に設けられ
た環状体の孔の外側から内側へ入りレンズカバ−を洗浄
する。そして内視鏡で写真を撮る前に必ずプランジャ−
のボタンを押し、レンズカバ−を洗浄し、レンズカバ−
を鮮明にしてから写真を撮る。
入し、内針を抜き去る。その後、内套管と外套管とを基
端で固定した本発明のトロッカ−を、腹壁の切開部から
外套管固定具のガス流入通路の先端口が腹腔内に入るま
で挿入して固定する。次いで外套管固定具のガス流入口
から加圧ガス、特に炭酸ガスを腹腔内に流入する。加圧
ガスは逆止弁によって外部に洩れないようになってい
る。その後、内視鏡を内套管の内腔に挿入し、外套管の
基端に設けられたプランジャ−のボタンを押すことによ
って、液体、例えば生理食塩水が内套管と外套管の隙間
に形成された液体通路を通って、外套管先端に設けられ
た環状体の孔の外側から内側へ入りレンズカバ−を洗浄
する。そして内視鏡で写真を撮る前に必ずプランジャ−
のボタンを押し、レンズカバ−を洗浄し、レンズカバ−
を鮮明にしてから写真を撮る。
【０００８】
【実施例】以下、実施例で本発明の一例を説明する。図
１は本発明トロッカ−の説明図であり、図２は外套管基
端部と固着する前の内套管基端部の断面図（図１とは逆
向き）であり、図３は外套管基端部の液体流入口の断面
図であり、図４は外套管固定具の断面図、図５は本発明
トロッカ−の先端部の断面図を示す。図中、１は外套
管、２は内套管、３は外套管基端部、４は内套管基端
部、５は外套管固定具、６はレンズカバ−、７は環状体
（環状スリット）、８は逆止弁、９はアンカ−、10はロ
ックネジ、11はバネ、12は液体通路、13はボタンを示
す。
１は本発明トロッカ−の説明図であり、図２は外套管基
端部と固着する前の内套管基端部の断面図（図１とは逆
向き）であり、図３は外套管基端部の液体流入口の断面
図であり、図４は外套管固定具の断面図、図５は本発明
トロッカ−の先端部の断面図を示す。図中、１は外套
管、２は内套管、３は外套管基端部、４は内套管基端
部、５は外套管固定具、６はレンズカバ−、７は環状体
（環状スリット）、８は逆止弁、９はアンカ−、10はロ
ックネジ、11はバネ、12は液体通路、13はボタンを示
す。
【０００９】図１は本発明トロッカ−の説明図であり、
内套管２は先端にレンズカバ−６、基端に外套管１と固
定する手段（図２、右図参照）が設けられてなる。外套
管１は内套管２を内挿し先端開口にレンズカバ−６を洗
浄するための液体洗浄手段（図５、参照）と、基端に液
体を断続的に注入する手段（図３、参照）と内套管２と
固定する手段が設けられてなる。内套管２の外壁と外套
管１の内壁との間には隙間が設けられており、レンズカ
バ−６を洗浄するための液体通路12が設けられている。
外套管１の外壁の中間には外套管外壁に摺動自在な外套
管固定具５が設けられており、外套管を腹壁に固定し、
腹腔にガスを流入する手段と該ガスが腹腔から漏出する
のを防止する手段（図４、参照）とが設けられている。
内套管２は先端にレンズカバ−６、基端に外套管１と固
定する手段（図２、右図参照）が設けられてなる。外套
管１は内套管２を内挿し先端開口にレンズカバ−６を洗
浄するための液体洗浄手段（図５、参照）と、基端に液
体を断続的に注入する手段（図３、参照）と内套管２と
固定する手段が設けられてなる。内套管２の外壁と外套
管１の内壁との間には隙間が設けられており、レンズカ
バ−６を洗浄するための液体通路12が設けられている。
外套管１の外壁の中間には外套管外壁に摺動自在な外套
管固定具５が設けられており、外套管を腹壁に固定し、
腹腔にガスを流入する手段と該ガスが腹腔から漏出する
のを防止する手段（図４、参照）とが設けられている。
【００１０】図２は本発明トロッカ−の外套管基端部３
（図示せず）と固着する内套管基端部４の断面図（図１
と逆向き）であり、上部外壁に雄ネジ18が設けられ、下
部内壁には環状の一端が固定され、他端が開放された複
数のスリット17からなる円筒状の鞘状体21（左図）が形
成され、その内腔には内視鏡が挿入される。そして鞘状
体21は円筒体22の上部に形成された雌ネジ19と螺合して
いくと、鞘状体21のスリット17に挟持された内視鏡は次
第に固締されていく。円筒体22は上部には雌ネジ19が形
成されており、前述のように鞘状体21の雄ネジ18と螺合
するようになっている。その足部の外壁には雄ネジ20が
形成されており、外套管先端開口付近に設けられた雌ネ
ジ（図示せず）と螺合して内套管２と外套管１とを固着
する。
（図示せず）と固着する内套管基端部４の断面図（図１
と逆向き）であり、上部外壁に雄ネジ18が設けられ、下
部内壁には環状の一端が固定され、他端が開放された複
数のスリット17からなる円筒状の鞘状体21（左図）が形
成され、その内腔には内視鏡が挿入される。そして鞘状
体21は円筒体22の上部に形成された雌ネジ19と螺合して
いくと、鞘状体21のスリット17に挟持された内視鏡は次
第に固締されていく。円筒体22は上部には雌ネジ19が形
成されており、前述のように鞘状体21の雄ネジ18と螺合
するようになっている。その足部の外壁には雄ネジ20が
形成されており、外套管先端開口付近に設けられた雌ネ
ジ（図示せず）と螺合して内套管２と外套管１とを固着
する。
【００１１】このようにして、固着された内套管2と外
套管1の先端は、図5の本発明トロッカーの先端断面図に
示すように、内套管2の先端はレンズカバー6が設けられ
ており、外套管1の先端は複数のスリットからなる環状
体7が設けられている。外套管1の壁と内套管2の壁との
間には隙間があり，液体流入口24から供給される液体が
通る液体通路12が形成されている。環状体7のスリット
開口部の一端は、液体通路12に連通しており、他の一端
はレンズカバー6の外面に沿うように設けられている。
液体通路12から供給された液体は、環状体7のスリット
を経てレンズカバー6の外面を洗浄する。使用する液体
としては生理食塩水が好ましい。
套管1の先端は、図5の本発明トロッカーの先端断面図に
示すように、内套管2の先端はレンズカバー6が設けられ
ており、外套管1の先端は複数のスリットからなる環状
体7が設けられている。外套管1の壁と内套管2の壁との
間には隙間があり，液体流入口24から供給される液体が
通る液体通路12が形成されている。環状体7のスリット
開口部の一端は、液体通路12に連通しており、他の一端
はレンズカバー6の外面に沿うように設けられている。
液体通路12から供給された液体は、環状体7のスリット
を経てレンズカバー6の外面を洗浄する。使用する液体
としては生理食塩水が好ましい。
【００１２】外套管基端部３には液体流入口24が設けら
れており、図３の断面図に示すように、ボタン13を押す
ことによって液体が断続的に液体通路12に流れるように
なっている。ボタン13は通常はバネ11によって外方に緊
張しており、液体はシ−ル部材25と弁26とによって閉止
されている。このような状態でボタン13を押すことによ
って、シヤフトが弁26の方向へ移行し、円筒状の円錐台
27の上端でシ−ルしていた弁26が円錐台27の大きい直径
の方向へ移動し、弁26と接触する円錐台27との間に隙間
が形成される。そして、その隙間から液体が液体通路12
へ流入することによってレンズカバ−６が液体で洗浄さ
れる。
れており、図３の断面図に示すように、ボタン13を押す
ことによって液体が断続的に液体通路12に流れるように
なっている。ボタン13は通常はバネ11によって外方に緊
張しており、液体はシ−ル部材25と弁26とによって閉止
されている。このような状態でボタン13を押すことによ
って、シヤフトが弁26の方向へ移行し、円筒状の円錐台
27の上端でシ−ルしていた弁26が円錐台27の大きい直径
の方向へ移動し、弁26と接触する円錐台27との間に隙間
が形成される。そして、その隙間から液体が液体通路12
へ流入することによってレンズカバ−６が液体で洗浄さ
れる。
【００１３】図４は外套管固定具５の断面図である。外
套管固定具５は外套管１を固定する円錐状部材であり、
外套管１の外壁を自在に摺動し、腹壁が所望する位置に
くるようにロックネジ10で外套管１を固定する。外套管
固定具５の底部は手術部位の傷口を遮蔽する円錐状のア
ンカ−９が設けられている。アンカ−９の外壁には複数
の環状の突条体28が設けられており、予め腹壁に形成さ
れた傷口にアンカ−９を挿入して、トロッカ−で腹腔を
遮断する際の皮膚との境界になる。アンカ−９と外套管
１の外壁との間には隙間があり、ガスが腹腔に流入する
ガス通路30を形成している。アンカ−９の先端は円筒管
になって開口しており、腹腔内にガスが流入するように
なっている。そして、アンカ−９の上端にはＯ−リング
29が設けられており、アンカ−９を外套管１の外壁に確
実に固定するとともにガスが上端から洩れるのを防止し
ている。アンカ−９は可撓性樹脂からなる。可撓性樹脂
としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂等の熱
可塑性樹脂、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。
套管固定具５は外套管１を固定する円錐状部材であり、
外套管１の外壁を自在に摺動し、腹壁が所望する位置に
くるようにロックネジ10で外套管１を固定する。外套管
固定具５の底部は手術部位の傷口を遮蔽する円錐状のア
ンカ−９が設けられている。アンカ−９の外壁には複数
の環状の突条体28が設けられており、予め腹壁に形成さ
れた傷口にアンカ−９を挿入して、トロッカ−で腹腔を
遮断する際の皮膚との境界になる。アンカ−９と外套管
１の外壁との間には隙間があり、ガスが腹腔に流入する
ガス通路30を形成している。アンカ−９の先端は円筒管
になって開口しており、腹腔内にガスが流入するように
なっている。そして、アンカ−９の上端にはＯ−リング
29が設けられており、アンカ−９を外套管１の外壁に確
実に固定するとともにガスが上端から洩れるのを防止し
ている。アンカ−９は可撓性樹脂からなる。可撓性樹脂
としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹脂等の熱
可塑性樹脂、合成ゴム、天然ゴム等が挙げられる。
【００１４】ガス流入口30には、逆止弁８が設けられて
おり、腹腔方向へ入るガスは流入するが、腹腔から大気
へ流出しょうとするガスは流出防止する作用をする。逆
止弁としては、カモノハシの嘴のよな形状をしたダック
ビルタイプ弁、傘弁、フラップ弁、ポペット弁、ボ−ル
弁等が用いられる。手術終了後、腹腔内のガスを流出さ
せる場合には、細管で逆止弁を開口させて細管の内腔か
ら腹腔内のガスが流出するようにする。ガスとしては炭
酸ガス等が使用される。ガスはアンカ−９と外套管１の
外壁との隙間によって形成されるガス通路30を通って腹
腔へ入る。
おり、腹腔方向へ入るガスは流入するが、腹腔から大気
へ流出しょうとするガスは流出防止する作用をする。逆
止弁としては、カモノハシの嘴のよな形状をしたダック
ビルタイプ弁、傘弁、フラップ弁、ポペット弁、ボ−ル
弁等が用いられる。手術終了後、腹腔内のガスを流出さ
せる場合には、細管で逆止弁を開口させて細管の内腔か
ら腹腔内のガスが流出するようにする。ガスとしては炭
酸ガス等が使用される。ガスはアンカ−９と外套管１の
外壁との隙間によって形成されるガス通路30を通って腹
腔へ入る。
【００１５】次に、本発明トロッカ−の操作方法につい
て説明する。腹壁の皮膚を小切開後、鈍針のトロッカ−
を挿入し内針を抜き去る。その後、内套管２と外套管１
とを基端で固定した本発明のトロッカ−を、腹壁の切開
箇所から外套管固定具のガス流入通路の先端口が腹腔内
に入るまで挿入する。次いで、外套管固定具５のガス流
入口15から加圧ガスを、最初は低流量で腹腔内に流入す
る。腹腔内圧の異常な上昇がないことを触診あるいは打
診で確認した後、高流量に切り換え、腹腔内圧が10〜15
mmHgになるようにする。加圧ガスは逆止弁によって外部
に洩れないようになっている。その後、内視鏡を内套管
２の内腔に挿入し、外套管１の基端に設けられたボタン
13を押すことによって、液体が内套管２と外套管１の隙
間に形成された液体通路12を通って、外套管１の先端に
設けられた環状体７の外側から内側へ入り、レンズカバ
−６を洗浄する。そして内視鏡で写真を撮る前に必ずボ
タン13を押し、レンズカバ−６を洗浄し、レンズカバ−
６を鮮明にしてから写真を撮る。検査終了後、腹腔内の
ガスを流出させる場合には、細径の管状体をガス流入口
15から挿入して逆止弁８の弁を開口させて、腹腔内のガ
スを細径の管状体を通って外部に流出させる。
て説明する。腹壁の皮膚を小切開後、鈍針のトロッカ−
を挿入し内針を抜き去る。その後、内套管２と外套管１
とを基端で固定した本発明のトロッカ−を、腹壁の切開
箇所から外套管固定具のガス流入通路の先端口が腹腔内
に入るまで挿入する。次いで、外套管固定具５のガス流
入口15から加圧ガスを、最初は低流量で腹腔内に流入す
る。腹腔内圧の異常な上昇がないことを触診あるいは打
診で確認した後、高流量に切り換え、腹腔内圧が10〜15
mmHgになるようにする。加圧ガスは逆止弁によって外部
に洩れないようになっている。その後、内視鏡を内套管
２の内腔に挿入し、外套管１の基端に設けられたボタン
13を押すことによって、液体が内套管２と外套管１の隙
間に形成された液体通路12を通って、外套管１の先端に
設けられた環状体７の外側から内側へ入り、レンズカバ
−６を洗浄する。そして内視鏡で写真を撮る前に必ずボ
タン13を押し、レンズカバ−６を洗浄し、レンズカバ−
６を鮮明にしてから写真を撮る。検査終了後、腹腔内の
ガスを流出させる場合には、細径の管状体をガス流入口
15から挿入して逆止弁８の弁を開口させて、腹腔内のガ
スを細径の管状体を通って外部に流出させる。
【００１６】
【発明の効果】本発明トロッカ−は、腹腔内へのガス流
入およびレンズカバ−洗浄を１つの器具で行うことがで
きるので、トロッカ−を腹腔内へ挿入した後は腹腔のガ
ス漏れもなく、円滑に内視鏡で体内を観察し、かつ写真
撮影ができる。
入およびレンズカバ−洗浄を１つの器具で行うことがで
きるので、トロッカ−を腹腔内へ挿入した後は腹腔のガ
ス漏れもなく、円滑に内視鏡で体内を観察し、かつ写真
撮影ができる。
【図１】本発明トロッカ−の説明図である。
【図２】外套管基端部と固着する内套管基端部の断面図
である。
である。
【図３】外套管基端部の液体流入口の断面図である。
【図４】外套管固定具の断面図である。
【図５】本発明トロッカ−の先端部の断面図である。
１ 外套管 ２ 内套管 ３ 外套管基端部 ４ 内套管基端部 ５ 外套管固定具 ６ レンズカバ− ７ 環状体 ８ 逆止弁 ９ アンカ− 10 ロックネジ 11 バネ 12 液体通路 13 ボタン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川本 昇司 大阪市北区本庄西３丁目９番３号株式会 社ニッショ−内 審査官 門田 宏 (56)参考文献 特開 平５−269079（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−285012（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−198829（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−81501（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−87715（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−17105（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−17711（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61B 1/00 - 1/32
Claims (6)
- 【請求項１】 （1）先端にレンズカバー、基端に外套
管を固定する手段が設けられてなる内套管と、 （2）前記内套管を内挿し先端開口に前記レンズカバー
を洗浄するための液体洗浄手段と、基端に液体を断続的
に注入する手段と前記内套管と固定する手段が設けられ
てなる外套管と、 （3）前記内套管の外壁と前記外套管の内壁との間の隙
間に設けられたレンズカバーを洗浄するための液体通路
と、 （4）前記外套管の外壁に設けられた腹腔にガスを流入
する手段と該ガスが腹腔から漏出するのを防止する手段
と前記外套管を腹壁に固定する手段とからなる外套管外
壁に摺動自在な外套管固定具とからなるトロッカー。 - 【請求項２】 内套管と外套管とを固定する手段が、上
部外壁に雄ネジを有し、下部内壁に環状の一端が固定さ
れ、他端が開放された複数のスリットからなる円筒上の
鞘状体と、上部に前記雄ネジと螺合して内視鏡を前記ス
リットで固締する雌ネジが設けられ、その足部は外套管
先端開口付近に設けられた雌ネジと螺合して、内套管と
外套管とを固定する雄ネジが設けられてなる円筒体とか
らなる請求項1記載のトロッカー。 - 【請求項３】 液体洗浄手段は、円周面に複数の孔を有
する環状体の外周から内周に向けて液体が注入されて、
レンズカバーを洗浄する請求項1または2記載のトロッカ
ー。 - 【請求項４】 液体を断続的に注入する手段は、スプリ
ングによって押し上げられたプランジャーのボタンを押
すことによって、プランジャー側部に設けられた液体流
入口と液体通路とを遮断する弁が離れて、液体が液体流
入口から液体通路に流入する請求項1〜3のいずれかに記
載のトロッカー。 - 【請求項５】 外套管が腹壁に固定する手段は、先端側
直径が次第に小さくなる円錐形の可撓性樹脂層からな
り、その外面には複数の環状の突条体が設けられてな
り、外套管外壁と前記可撓性樹脂層との隙間にはガス通
路が形成されてなり、該隙間の先端は開口されて腹腔に
ガスが流入されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のト
ロッカー。 - 【請求項６】 腹腔にガスを流入する手段および該ガス
が腹腔から漏出することを防止する手段は、ガス流入口
に逆止弁を設けてなる請求項1〜5記載のいずれかである
トロッカー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30442894A JP3312508B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | トロッカ− |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30442894A JP3312508B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | トロッカ− |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08154888A JPH08154888A (ja) | 1996-06-18 |
| JP3312508B2 true JP3312508B2 (ja) | 2002-08-12 |
Family
ID=17932889
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30442894A Expired - Fee Related JP3312508B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | トロッカ− |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3312508B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11235111B2 (en) | 2008-04-28 | 2022-02-01 | Ethicon Llc | Surgical access device |
| USD700326S1 (en) | 2008-04-28 | 2014-02-25 | Ethicon Endo-Surgery, Inc. | Trocar housing |
| US8636686B2 (en) | 2008-04-28 | 2014-01-28 | Ethicon Endo-Surgery, Inc. | Surgical access device |
| US8273060B2 (en) | 2008-04-28 | 2012-09-25 | Ethicon Endo-Surgery, Inc. | Fluid removal in a surgical access device |
-
1994
- 1994-12-08 JP JP30442894A patent/JP3312508B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08154888A (ja) | 1996-06-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US10918814B2 (en) | Insufflating optical surgical instrument | |
| US5439455A (en) | Combination introducer cannula and reducer for use therein | |
| JP4302246B2 (ja) | 医療用処置具挿入具 | |
| US5569288A (en) | Safety penetrating instrument | |
| US5176649A (en) | Insertion device for use with curved, rigid endoscopic instruments and the like | |
| JP4417438B2 (ja) | トロカールシールシステム | |
| CA2655590C (en) | Single port device with multi-lumen cap | |
| EP0537768A1 (en) | External laparoscopic sealing means | |
| US20100100045A1 (en) | Trocar cannula with atramatic tip | |
| JP2010527710A (ja) | カニューレ用シール組立体 | |
| JPH0263471A (ja) | 器具ポートを有するガス吹き込みニードル | |
| JP2010514539A (ja) | 取り外し可能な光学穿刺部材を有するアクセスシース | |
| JP2007330805A (ja) | カニューレ組立体 | |
| JP2006102539A (ja) | 細長い物体をシール状態で受け入れる弁組立体 | |
| BRPI0711570B1 (pt) | "vedação para instrumentos endoscópicos" | |
| JP2010207575A (ja) | 多層シールおよび縫合糸パークを含むアクセスポート | |
| JP3334118B2 (ja) | トロッカ− | |
| JPH11342107A (ja) | 医療用腹腔鏡挿入用外套管 | |
| JP2010518901A (ja) | シールを有する可撓性カニューレ | |
| JP3312508B2 (ja) | トロッカ− | |
| JPH0373168A (ja) | 医療器具用栓体 | |
| JP2010527640A (ja) | 可撓性外部カニューレシース | |
| JP3336597B2 (ja) | トロッカ− | |
| JP2008012328A (ja) | 医療用処置用具 | |
| JP2532420Y2 (ja) | 腹腔鏡用トラカール |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |